JP6529126B2 - カボチャ種子油の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カボチャ種子油を製造する方法に関する。より詳しくは、カボチャの種子を搾油する前に、エタノールまたはメタノールによる前処理をして、その後搾油することを特徴とするカボチャ種子油の製造方法に関する。
カボチャ種子油が前立腺肥大、頭髪の薄毛(AGA)、頻尿等に有効であることは知られている。前立腺肥大、頭髪の薄毛(AGA)、頻尿の進行にはテストステロンが生体内で還元されて生じるデハイドロテストステロン(DHT)が関与しているといわれている。この還元作用を促進する5αリダクターゼの活性を阻害する働きがカボチャ種子油にある。
しかし、前立腺肥大、頭髪の薄毛(AGA)、頻尿の状態等の進行を抑制するカボチャ種子油中の生理活性物質についてはいまだ解明されていない。
ところで、カボチャには、西洋カボチャ(Cucurbita maxima)、東洋カボチャ(Cucurbita moschata)、及びペポカボチャ(Cucurbita pepo)の3種類がある。西洋カボチャは、日本で一般に、食用に、又は冷凍食品や調理食品に加工されているカボチャである。東洋カボチャは、日本カボチャとも言われ、粘質でねっとりした食感を有するが、現在ではほとんど栽培されていない。ペポカボチャは、もっぱら海外で栽培されているが、その用途は食用ではなく、種子の食用油(パンプキンシードオイル)としての用途である。
さらに、西洋カボチャと東洋カボチャは、殻(種皮)のある種子を持つが、ペポカボチャは、殻(種皮)のない種子を持つ点が大きな違いであり、これらは同じカボチャ属であっても、果肉部分も種子部分も生物学的構造には大きな違いがある。
ところで、これまで前立腺肥大、頭髪の薄毛(AGA)、頻尿等などに対する有効な作用について研究され発表されてきたのは、すべてペポカボチャの種子油に対してのものであった。事実、ドイツ連邦保健局、植物治療薬のコミッションEによればペポカボチャ種子が女性の排尿障害用の薬剤として承認されている(非特許文献1)。そのようにカボチャ属でもペポカボチャの種子油のみ研究が十分にされてきた背景としては、ペポカボチャは種皮が薄いため搾油が容易であり、種子油が大量に製造、販売されていることからその活性についても十分に研究することができた。しかし、西洋カボチャおよび東洋カボチャは、種皮が殻のように固く、また、種子がワタに覆われているため、種子とワタを分離すること、および種子から種皮を取り除くことが非常に困難であり、長い間廃棄され利用されることはなかったのである。本発明者らは、農産廃棄物、未利用バイオマスの有効利用の観点から、特性について探索をしたところ、西洋カボチャおよび東洋カボチャの種子油に5αリダクターゼ阻害活性があることを世界で初めて突き止め、その後、西洋カボチャおよび東洋カボチャ種子油の大量生産する技術を開発し、それぞれについて特許を取得した(特許文献1、特許文献2)。
しかし、ペポカボチャ、西洋カボチャ、東洋カボチャの種子油に5αリダクターゼ阻害活性があることはわかったものの、それぞれの種子油の活性物質がどのような物質であるかは依然として不明のままである。したがって、カボチャ種子油をそのまま利用し、活性物質を多く摂取しようとすれば必然的に多くの種子油を摂取することになり、実用上の制限があった。
特許5679832号公報 特許第5615484号公報
Mark Blumenthal,Werner Busse,Alicia Goldberg,Joerg Gruenwald,Tara Hall,Chance W.Riggins,Robert S. Rister,Sigrid Klein,"The CompleteGerman Commission E Monographs",Published November 30,RevisedJanuary 17,1991.
本発明は、5αリダクターゼ阻害活性の高いカボチャ種子油の製造方法を提供することを課題とする。
我々は、カボチャ種子油中の5αリダクターゼ阻害活性を高める方法について鋭意検討したところ、意外にもカボチャ種子から搾油してカボチャ種子油を製造する際に、事前にカボチャ種子に対してエタノールまたはメタノール浸漬処理という前処理を施すことにより、その後搾油して得られる種子油の5アルファーリダクターゼ阻害活性を飛躍的に高めることに成功し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の構成を有する。
[1]カボチャ種子油の製造方法であって、カボチャ種子またはカボチャ種子の種皮を取り除いた子葉をエタノールまたはメタノールに浸漬した後に搾油することを特徴とするカボチャ種子油の製造方法。
[2]カボチャ種子がカボチャ種子の粗挽き物又は粉砕物であり、カボチャ種子の種皮を取り除いた子葉が子葉の粗挽き物又は粉砕物である[1]に記載の製造方法。
[3]カボチャが、西洋カボチャ、東洋カボチャまたはペポカボチャである[1]または[2]に記載の製造方法。
[4]エタノールまたはメタノールへの浸漬時間が1時間以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の製造方法。
[5]エタノールまたはメタノールの重量が、乾燥したカボチャ種子または乾燥したカボチャ種子の子葉の重量に対して1〜50%である[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、カボチャ種子油の製造方法において、搾油前にエタノールまたはメタノールによる処理を行うことで、カボチャ種子油中の5αリダクターゼ阻害活性を飛躍的に高めることができた。すなわち、カボチャ種子油中の5αリダクターゼ阻害物質の含有量を格段に高めることができた。さらにまた、搾油前にエタノールまたはメタノールによる処理を行うことで、従来よりも鮮やかな緑色を呈し、風味も爽やかで優れた種子油を得ることができた。したがって油脂の摂取量を抑えつつも有効性を維持あるいは高めることができ、かつ、用途の幅が広がった。
搾油の前処理に使用したエタノールの量と前処理後に搾油して得られたカボチャ種子油の5αリダクターゼ阻害活性の関係を示すグラフである。
(カボチャの種類)
本発明のカボチャ種子油の製造方法に用いるカボチャは、西洋カボチャ、東洋カボチャ、ペポカボチャのいずれも対象とすることができ、いずれの種類のカボチャにおいても搾油前にエタノールまたはメタノール処理を施すことにより5αリダクターゼ阻害活性を高めることができる。西洋カボチャ、東洋カボチャとペポカボチャとはその種子が硬い殻(種皮)で覆われているか否かという違いがあるためエタノールまたはメタノールによる前処理は、後述するようにその種子の構造の違いを考慮して行うことが望ましい。以下、エタノールまたはメタノールによる前処理を代表してエタノールによる前処理について記載するが、エタノールをメタノールに置き換えて本発明を実施することができることはいうまでもない。
(エタノールによる前処理)
本発明のエタノールによる前処理の対象となる種子は洗浄され、その後乾燥されているものが望ましい。乾燥後の水分率は5−15%が望ましい。
本発明のエタノールまたはメタノール処理は、5αリダクターゼ阻害活性を高めることができるような処理であればよく、主にエタノールの添加量および浸漬時間によりコントロールすることができる。浸漬時間は1時間以上1夜、冷暗所で保管することが望ましい。
エタノールの添加量および時間は、種子の子葉部分に浸透できる量および時間であればよく、これらは、種皮の除去の有無、種子の粉砕の有無によっても異なる。ペポカボチャは、種皮が無いため直接あるいは粉砕して直接エタノール処理することができる。西洋カボチャおよび東洋カボチャは種子が硬い種皮で覆われているため、種皮を取り除いてからエタノール処理、あるいは種皮を取り除いて粉砕してからエタノール処理することが望ましい。また、種皮が取り除かれない場合は、種皮ごとカボチャ種子を2以上に粉砕するなどして少なくともエタノールが子葉に浸透できるように子葉部分を露出させることが望ましい。
エタノールの添加量は、種子重量の5〜50重量%程度であればよい。また、種皮を取り除いた子葉に対しては、子葉重量の1〜40重量%程度であればよい。後述する試験結果より、エタノール添加量が増えるにしたがって搾油した種子油中の5αリダクターゼ阻害活性が高まることから、特に西洋カボチャの粉砕子葉に対しては、5%以上が好ましく、10%以上がさらに好ましく、15%以上がよりいっそう好ましく、20%以上がもっとも好ましい。
エタノール浸漬時間は、種子の子葉部分にエタノールが浸透できる時間が望ましく、1時間以上が望ましく、5時間以上がさらに望ましく、10時間以上がよりいっそう望ましい。
エタノールに浸漬する方法は、種子または子葉の粗挽き物または粉砕物にエタノールを添加し、撹拌してまんべんなくエタノールを種子等に接触させることが望ましい。添加はふりかけまたは噴霧、漬け置き、エタノールの入った容器内の通過などにより行うことができる。また、エタノールと種子等の接触後の浸漬(換言すれば、接触状態の保持、以下同じ)は、エタノールが蒸発しない程度の温度で密封した状態で浸漬されることが望ましい。
エタノールは、エタノール単独でも水とエタノールの混合物の状態でも使用することができ、混合物の場合、70%以上のエタノールが望ましく、80%以上がさらに望ましく、90%以上がよりいっそう望ましく、99%以上がもっとも望ましい。
(種皮の除去)
東洋カボチャおよび西洋カボチャの硬い種皮の除去は、例えばお米の玄米を精米する方法を適用することができる。したがって、すでに公知の精米機を利用して種皮を除去することができる。除去の程度、例えば精米の程度でいえば、白米の程度、5分づきの程度、7分づきの程度などがあるが、目的に応じて、適宜調整することができる。
また、この他にも特開2014−133789号に記載の方法を利用することもできる。すなわち、カボチャ種子を水分値70〜90%に調整後、滑り止め用の溝のついた回転する2本のローラーの間を通過させることにより、種皮および胚乳を取り除く方法である。
(種子または子葉の粉砕)
種子はそのまま粗挽きまたは粉砕するか、あるいは種皮を取り除いた子葉を粗挽きまたは粉砕した粗挽き物または粉砕物を利用することが望ましい。西洋カボチャまたは東洋カボチャは種皮が厚いため、種皮をあらかじめ除いてから子葉を粉砕等することが望ましい。また、ペポカボチャは、種皮が薄いか、存在しないため、そのまま粉砕等してもよい。特にことわらない限りは、粗挽きと粉砕を合わせて粉砕等、あるいは単に粉砕物ということがあり、粗挽き物と粉砕物を合わせて粉砕物等、あるいは単に粉砕物ということがある。
粉砕の程度は、エタノールが浸透できる大きさであればよく、粒子径が小さければ、より浸透がされやすく、大きければ浸透が十分にされないことがある。一方、搾油のしやすさからすれば粒子径が小さすぎれば搾油機による搾油が難しくなる。したがって、使用する搾油機およびエタノール浸漬条件により適宜調整すればよく、例えば平均粒子径が0.1mm〜5mmが挙げられる。
また、西洋カボチャや東洋カボチャは、種皮を上記のように精米の原理で取り除く場合は、種皮を取り除くのと同時に子葉の粉砕物を得ることもできる。すなわち、カボチャ種子を精米機で処理すると、お米の部分が種皮、糠の部分が子葉の粉砕物に相当し、種皮と子葉粉砕物にきれいに分離することが可能である。
(搾油方法)
カボチャ種子の搾油は、搾油機を利用するなど公知の方法により行うことができる。
西洋カボチャまたは東洋カボチャについては、種皮が取り除かれた子葉部分の搾油には直圧式プレス機を使用して搾油することができ、種皮が残っている場合にはスクリュー式搾油機を使用して搾油することが望ましい。ペポカボチャの場合は、種皮がないため、直圧式の搾油機を利用することがでる。
(脱アルコール)
本発明により製造されたカボチャ種子油中にはエタノールまたはメタノールが残留しているため、それを除去するために、種子油をロータリーエバポレーターなどを用いて減圧濃縮することにより、アルコール分を完全に除くことができる。
(用途)
本発明により製造されたカボチャ種子油は、従来の製法により得られたカボチャ種子油と同様に使用することができるが、従来品に比べて5αリダクターゼ阻害活性が顕著に高いことから、少ない量でも同等の活性が得られ、また同じ量を摂取すればさらに高い効果が得られる。したがって、本発明の製造方法により得られた5αリダクターゼ阻害活性の高いカボチャ種子油は、そのまま飲用として、あるいはこれを添加した飲食品やこれを有効成分とする医薬品として利用できる。

以下に本発明を実施例をもとに説明するがこれに限定されるものではない。
1.試験方法
5αリダクターゼ阻害活性の測定方法を以下に示す。
(1)試薬類の調製
(i)補酵素
β−NADPHを0.77mg/mLになるように10mM Tris−HClバッファー(pH7.2)に溶解させた。
(ii)基質
テストステロン(東京化成工業(株))を、プロピレングリコール:Tris−HClバッファー=1: 1で0.5mg/mLとなるように溶解させた。内部標準であるp−ヒドロキシベンゾエイド(東京化成工業(株))は、0.1mg/mLとなるようにメタノールに溶解させた。酢酸エチルは和光純薬から購入したものをそのまま使用した。
(iii)酵素溶液
雄性ラットから肝臓を摘出し、−80℃で保存した。肝臓は重量測定した後、5倍量の10mM Tris−HClバッファー(pH7.2)でホモジネートした。肝臓ホモジネート液は、9,000×gで10分間遠心分離し、得られた上清は、阻害活性試験日まで−80℃で保存した。
(2)測定手順
5αリダクターゼ阻害活性試験は以下の方法に従って行った。
活性試験を行うための反応液の組成を下記表にまとめた。反応液は、15μLのテストステロン溶液、10μLの被験物質溶液(DMSOに溶解)、100μLの酵素溶液及び25μLのNADPH溶液を混合し調製した。尚、ブランクには被験物質の代わりにDMSOを加え、酵素溶液の代わりに10mM Tris−HClバッファー(pH7.2)をそれぞれ加えた。また、コントロールには被験物質の代わりにDMSOを加えた。被験物質は、カボチャ種子オイルやその処理物(抽出物)である。
酵素反応は、本反応液を37℃,30分間インキュベートすることで行った。反応は、酢酸エチル250μLと内部標準溶液を25μLを加え混合させることで停止させた。反応液は、9,000×gで10分間遠心分離をし、得られた上清100μLを分取し、遠心エバポレーターで乾固させた。乾固物はメタノール100μLに溶解させ、HPLCでテストステロンの定量を行った。
阻害活性は、ブランク、コントロール、サンプルそれぞれのテストステロンのピーク面積から以下の式で阻害率(%)として求めた。
[試験例1]
カボチャ種子へのエタノール添加量と、エタノールを添加した後に搾油したカボチャ種子油の5αリダクターゼ阻害活性との関係を調べた。
1.試験方法
西洋カボチャ並びに東洋カボチャの種子を水洗し、乾燥した種子(水分6および7%)それぞれ500gを家庭用精米機(象印製BR−EB10(HA))を用いて種皮と子葉部分(粉砕子葉)に分けた。一方、ペポカボチャの種子250gを水洗―乾燥し(水分7%)、上記家庭用精米機を用いて、粉砕子葉を得た。西洋カボチャ、東洋カボチャ、ペポカボチャそれぞれの粉砕子葉200gにエタノールを粉砕子葉重量に対して0,5,10,15,20重量%となるように添加し、撹拌後密閉容器に入れ、摂氏5度で1夜放置した。その後、直圧式小型電動搾油機(サン精機製、KT23−160EL)を用いて搾油し、それぞれの種子油を得た。各種子油について5αリダクターゼ阻害活性を測定した。
2.試験結果
西洋カボチャの結果を図1に示す。本結果より、エタノール添加量に比例してエタノール処理カボチャ種子油の5αリダクターゼ阻害活性が向上した。すなわち無添加の場合は、当該阻害率は4%であったのに対して、5%添加により阻害率は10%に、10%添加により阻害率は16%に、15%添加により阻害率は23%に、20%添加により阻害率は28%に上昇した。
他の2種類のカボチャ種子についても同様に無添加に比べて阻害活性が向上することを確認した(結果図示せず)。
[実施例1]
西洋カボチャ種子について、子葉をエタノールに浸漬した後に搾油することで、エタノールに浸漬することなく直接搾油した場合に比べて5αリダクターゼ阻害活性が向上するか試験を行った。
1.試験方法
西洋カボチャの種子を水洗し、乾燥した種子(水分6.2%)500gを家庭用精米機を用いて種皮と子葉部分(粉砕子葉)に分けた。粉砕子葉200gにエタノール18g(9重量%)を加え、撹拌後1夜放置した。それを直圧式小型電動搾油機を用いて搾油して種子油を得た。その油をヤマト科学(株)製ロータリーエバポレーターR-215を用いて減圧濃縮してエタノールを完全に除き、鮮やかな緑色をした風味良好な西洋カボチャ種子油80gを得た(実施例1種子油)。
また、比較のために同じ西洋カボチャ種子の粉砕子葉200gをエタノールを添加することなく、同じ搾油機で直接搾油して西洋カボチャ種子油75gを得た(比較例1種子油)。各種子油の5αリダクターゼ阻害活性を測定した。
2.試験結果
実施例1種子油の5アルファーリダクターゼ阻害活性は16.4%であり、比較例1種子油の阻害活性は4.1%であった。したがって、エタノールによる前処理により活性が4倍に向上したことがわかった。
[実施例2]
東洋カボチャ種子について、子葉をエタノールに浸漬した後に搾油することで、エタノールに浸漬することなく直接搾油した場合に比べて5αリダクターゼ阻害活性が向上するか試験を行った。
1.試験方法
実施例1の西洋カボチャの種子を東洋カボチャの種子(水分7.3%)に代え、添加したエタノール量を20g(10重量%)にした以外は実施例1と同様に処理して、東洋カボチャの種子油73gを得た(実施例2種子油)。
また、比較例のために同じ東洋カボチャ種子の粉砕子葉にエタノールを添加することなく、同じ搾油機で直接搾油して東洋カボチャ種子油72gを得た(比較例2種子油)。各種子油の5αリダクターゼ阻害活性を測定した。
2.試験結果
実施例2種子油の5アルファーリダクターゼ阻害活性は17.3%であり、比較例2種子油の阻害活性は4.8%であった。したがって、エタノールによる前処理により活性が3.6倍に向上したことがわかった。
[実施例3]
ペポカボチャについて、種子にエタノールに浸漬した後に搾油することで、エタノールに浸漬することなく直接搾油した場合に比べて5アルファーリダクターゼ阻害活性が向上するか試験を行った。なお、ペポカボチャ種子について種皮を除去せずに搾油したのは、東洋カボチャおよび西洋カボチャが硬い種皮で覆われているのと異なりペポカボチャは種皮が非常に薄いかほとんど無いに等しいからである。
1.試験方法
ペポカボチャの乾燥した種子(水分5.1%)200gを家庭用コーヒーミールで粗挽きし、それにエタノール20g(10重量%)を加え、撹拌後1夜放置した。それを直圧式小型電動搾油機を用いて搾油し、ロータリーエバポレーターでエタノールを完全に除いて、味、香りともに優れた緑色のペポカボチャ種子油70gを得た(実施例3種子油)。また、比較のために同じペポカボチャにエタノールを添加することなく、同じ搾油機を用いて直接搾油してペポカボチャ種子油65gを得た(比較例3種子油)。各種子油の5αリダクターゼ阻害活性を測定した。
2.試験結果
実施例3種子油の5αリダクターゼ阻害活性は18.2%であり、比較例3種子油の当該阻害活性は4.5%であった。したがって、エタノールによる前処理により活性が4倍に向上したことがわかった。
3.実施例1〜3の試験結果からの考察
西洋カボチャ、東洋カボチャ、ペポカボチャいずれの種子油についても搾油前にエタノールに浸漬するという前処理を行うことにより、種子油の5αリダクターゼ阻害活性を向上させることができた。
本発明により、従来のような単にカボチャ種子から搾油する方法に比べ、前立腺肥大、頭髪の薄毛(AGA)、頻尿予防に有効な5アルファーリダクターゼ阻害活性の高いカボチャ種子油を製造することができる。したがって、これまでの治療・予防薬よりも少量で効果の高い薬剤を提供することができる。また、従来の製法によるカボチャ種子油よりも鮮やかな緑色を呈し、風味も爽やかで優れた種子油が得られることから、食品やサプリメント、食品添加物としての利用価値が向上した。

Claims (5)

  1. カボチャ種子油の製造方法であって、カボチャ種子またはカボチャ種子の種皮を取り除いた子葉をエタノールまたはメタノールに浸漬した後に搾油することを特徴とするカボチャ種子油の製造方法。
  2. カボチャ種子がカボチャ種子の粗挽き物又は粉砕物であり、カボチャ種子の種皮を取り除いた子葉が子葉の粗挽き物又は粉砕物である請求項1に記載の製造方法。
  3. カボチャが、西洋カボチャ、東洋カボチャまたはペポカボチャである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. エタノールまたはメタノールへの浸漬時間が1時間以上である請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. エタノールまたはメタノールの重量が、乾燥したカボチャ種子または乾燥したカボチャ種子の子葉の重量に対して1〜50%である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
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