JP5615412B2 - 気化装置、及び、気化装置を備えた成膜装置 - Google Patents

気化装置、及び、気化装置を備えた成膜装置 Download PDF

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Description

本発明は、MOCVD装置などの成膜装置に好適に用いられる気化装置に関する。
WO 2004/079806号公報
次世代DRAMの開発を進める上で、微細化にともなうセル面積の減少に対するキャパシター容量の確保が課題となっている。16MビットまでのDRAMでは、キャパシターのセル構造として、スタック型、トレンチ型、フィン型などの立体構造が採用された。しかし、256Mビット以降のDRAMをこれらの立体構造のキャパシターを用いて製造するには、プロセスの複雑化による工程数の増加並びに段差の増大による歩留りの低下が問題であった。従って、最近では、Ta25、Y23、HfO2などの高誘電率材料を用いた薄膜を、キャパシターの誘電体膜として用いる研究が進んでいる。さらに、これらの酸化物材料よりも高い誘電率を持ち、DRAMへの適用が期待される材料として、(BaxSr1-x)TiO3、Pb(ZryTi1-y)O3、(Pba1-a)(ZrbTi1-b)O3が有力視されている。また、超電導材料とよく似た結晶構造を持つBi系の層状強誘電体材料も有望であり、特にYl材と称されるSrBi2TaO9が、低電圧駆動と疲労特性に優れている点から、近年注目を集めている。一般に、SrBi2TaO9強誘電体薄膜形成は、実用的かつ将来性のあるMOCVD(有機金属気相成長)法で行われている。
強誘電体薄膜の原料は、一般的に、3種類の有機金属錯体Sr(DPM)2、Bi(C653、及び、Ta(OC255であり、それぞれTHF(テトラヒドロフラン)溶剤に溶かし、溶液として使用されている。なお、DPMはジビバイロイメタンの略である。
それぞれの材料特性を表1に示す。
表1

沸点(℃)/圧力(mmHg) 融点(℃)

Sr(DPM)2 242/14 78
Bi(C6H5)3 270〜280/1 201
Ta(OC2H5)5 146/0.15 22
THF 67 −109
MOCVD法に用いる装置は、SrBi2TaO9 薄膜原料並びに酸化剤を反応部へ供給する供給部、SrBi2TaO9薄膜原料を気相反応及び表面反応させ成膜を行わせる反応部、反応部での生成物を採取する回収部から構成される。そして、供給部は薄膜原料を気化させるための気化装置が設けられている。
従来の気化装置としては、周囲に存在する気体とSrBi2TaO9 強誘電体薄膜原料
溶液との接触面積を増加させる目的で用いられたメタルフィルターに、所定の温度に加熱された原料溶液を滴下することにより気化を行うメタルフィルター式の気化装置が知られている。しかし、この技術においては、数回の気化でメタルフィルターが詰まり、長期使用に耐えられないという問題があった。
また、原料溶液が、複数の有機金属錯体の混合溶液、例えば、Sr(DPM)2/THFとBi(C653/THFとTa(OC255/THFの混合溶液であり、この混合溶液を加熱によって気化する場合、蒸気圧の最も高い溶剤(この場合THF)がいち早く気化し、加熱面上には有機金属錯体が析出付着するため反応部への安定な原料供給ができないという問題もあった。
これらの問題を解決する技術として、特許文献1に開示された気化装置が知られている。この気化装置は、冷却手段を備えたガス通路を有し、加圧されたキャリアガスと原料溶液を前記ガス通路に導入し、原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送る分散部と、前記分散部から送られてきた原料溶液を含むキャリアガスを加熱して気化させる気化部とからなる。
図8は、特許文献1に開示された背景技術のMOCVD用気化装置の分散部を示す断面図である。背景技術の気化装置201は、ガス通路206、207の一端からキャリアガスを導入し、ガス通路206、207の他端である出口208から原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送り気化させる気化装置である。ガス通路206、207の一端に流量制御装置(MFC)209、210を設けるとともに、ガス通路206、207内における圧力を検知するための手段である圧力計202、203を設けてある。ガス通路内の圧力をMFCで制御し、同時に、ガス通路内の圧力を検知することにより、ガス通路における目詰まりを抑制し、かつ、堆積物等の洗浄が必要な時期を事前に知ることができる。
背景技術による気化装置の分散部は、図8に示すように、上方向からキャリアガスを導入するガス通路206、207と横方向から原料溶液を導入する溶液通路211、212とから構成される。原料溶液をガス通路の途中でキャリアガス中に噴出し、霧状にしてキャリアガスに混合し、出口208の上部でキャリアガスを合流させ、異なる原料溶液を混合した複数のキャリアガスを気化部に噴出して、気化部で加熱することにより、堆積部にMOCVD膜を堆積する。
図8に示すように、ガス通路の原料溶液を混合して出口208からガスを噴出する部分は、センターロッド式ヘッドと呼ばれるもので、ガスを濃縮して噴出するために、配管中央にロッドを配置し、ガス配管に約20°のテーパーがついている。そのため、分散部におけるガス通路の位置調整やセンタリングが困難であった。また、溶液通路をガス通路に取り付ける部分がテーパー円筒面であり、気化装置の個体差があるため、MOCVD膜堆積プロセスの精密制御が容易でなかった。
また、前記したように、原料溶液の溶媒の沸点が有機金属原料の沸点より低いために、有機金属の析出による目詰まりを防止するために、分散部を冷却する必要があった。しかし、背景技術による気化装置では、ガス通路206、207、溶液通路211、212が、それぞれ独立した配管であったため、全ての配管を均等に冷却するのが困難であった。従って、やはり、MOCVD膜堆積プロセスの精密制御が容易でないという問題があった。
さらに、ガス通路の数を増やすことが困難で、せいぜい3乃至4程度のガス通路を設けることしかできず、多種原料を用いた複雑なMOCVD膜の形成に対応することができなかった。また、上方にガス通路を配置する構造であるため、装置高さが高くなり、装置サイズが大きくなるという問題もあった。
本発明は、分散部におけるガス通路の部材加工精度向上が可能で、原料溶液を混合したキャリアガスを均一に高い冷却効率で冷却可能なMOCVD用気化装置を提供することを目的とする。
本発明(1)は、ガス通路の一端からキャリアガスを導入し、前記ガス通路の他端に配置した噴出部から原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送り気化させる気化装置であり、複数の前記ガス通路が平面基板上に前記噴出部を中心に放射状に配置され、前記ガス通路の途中に原料溶液導入口が形成されてていることを特徴とする気化装置である。
本発明(2)は、前記ガス通路は、前記平面基板である集積プレート表面の溝部として形成され、前記溝部の途中に貫通孔が形成されていることを特徴とする気化装置である。
本発明(3)は、キャリアガスと原料溶液が通る前記ガス通路が形成された前記平面基板を水平に配置することを特徴とする気化装置である。
本発明()は、前記噴出部の下部の形状が、下方に尖き出た円錐形状であり、前記円錐の斜面に前記原料溶液を含むキャリアガスを流す通路とパッキング部材を交互に配置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の請求項1記載の気化装置である。
本発明()は、前記ガス通路を0℃以上、35℃以下で冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の気化装置である。
本発明()は、前記ガス通路が、前記平面基板上において複数の屈曲部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の気化装置である。
本発明()は、請求項1乃至6のいずれか1項記載の気化装置を備えた成膜装置である。
本発明()は、前記成膜装置がMOCVD装置であることを特徴とする請求項記載の成膜装置である。
本発明()は、ガス通路の一端からキャリアガスを導入し、前記ガス通路の途中から原料溶液を導入し、前記ガス通路の他端に接続した噴出部から原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送り気化させる気化方法であり、前記噴出部を中心に平面基板上に放射状に配置された複数の前記ガス通路を通して前記原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送ることを特徴とする気化方法である。
本発明(10)は、前記ガス通路は前記平面基板である集積プレート表面の溝部として形成され、前記溝部の途中に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項9記載の気化方法である。
本発明(11)は、キャリアガスと原料溶液が通る前記ガス通路が形成された前記平面基板を水平に配置することを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項記載の気化方法である。
本発明(12)は、0℃以上、35℃以下に冷却した前記ガス通路及び前記噴出部を通して前記原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送ることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の気化方法である。
本発明(13)は、請求項8乃至12のいずれか1項記載の気化方法により気化させて成膜を行う成膜方法である。
本発明(14)は、前記成膜方法がMOCVD方法であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法である。
本発明(1)によれば、原料導入路を平面基板上に配置することにより、原料導入路の加工及び位置合わせ精度向上、シール効率の向上に効果がある。また、原料導入路を平面基板上に放射状に配置することにより、ガス通路の数を任意に増やすことが可能である。
さらに、原料導入路を平面基板上に配置することにより、MOCVD装置全体の高さを低くすることができる。高さに制限のあるクリーンルームへの導入が可能になり、スペース利用効率が向上する。
本発明()によれば、複数のガス噴出口の加工及び位置合わせ精度向上、シール効率の向上、組み立て作業効率、メンテナンス効率の向上に効果がある。
本発明()によれば、原料の冷却効率、冷却均一性の向上、原料温度の制御性向上に効果がある。複数の液体原料を冷却部と噴出ノズルの直近で混合し、気化部内に霧化噴出することにより、気化特性の異なる材料を瞬間気化してリアクターに供給することにより、複数原料の成長を容易にし、組成制御性及び再現性の向上を図ることができる。
また、原料の析出を防止でき、ガス噴出ノズルにおける目詰まりを防止できる。
本発明()によれば、原料導入路を任意に屈曲させることにより、流路内に大きな2次的旋回流を誘発させ、気液2相流の流動状態をより乱れたものとし、流路内での液体の微粒子化を促進できる。また、流体の冷却効率も向上する。さらに、流路における圧力を高め、気液2相流における気泡発生を防止し、流れをより安定化させることも可能である。複数の液体材料をそれぞれの高速のキャリアガス通路に噴出し、原料を切断微粒子化し、ノズル直近で混合気体にして気化部に噴出することにより1個の気化器にて混合気化をすることができる。
本発明()によれば、堆積する膜の化学量論比、不純物含有量、組成を高い精度で制御できる。また、多くの異なる原料を用いたより複雑な化学式の膜の生成に対応することが可能である。
本発明()によれば、堆積するMOCVD膜の化学量論比、不純物含有量、組成を高い精度で制御できる。また、多くの異なる原料を用いたより複雑な化学式のMOCVD膜の生成に対応することが可能である。
本発明()によれば、原料導入路を平面基板上に配置することにより、原料導入路の加工及び位置合わせ精度向上、シール効率の向上に効果がある。また、原料導入路を平面基板上に放射状に配置することにより、ガス通路の数を任意に増やすことが可能である。
さらに、原料導入路を平面基板上に配置することにより、MOCVD装置全体の高さを低くすることができる。高さに制限のあるクリーンルームへの導入が可能になり、スペース利用効率が向上する。
本発明(12)によれば、原料の冷却効率、冷却均一性の向上、原料温度の制御性向上に効果がある。また、原料の析出を防止でき、ガス通路、及び、ガス噴出部における目詰まりを防止できる。
本発明(13)によれば、堆積する膜の化学量論比を高い精度で制御できる。また、多くの異なる原料を用いたより複雑な化学式の膜の生成に対応することが可能である。多様性のある薄膜形成への要求、例えば、高誘電率薄膜/低誘電率薄膜/強誘電体薄膜、各種電極膜、各種バッファー膜、各元素膜の積層膜形成に対応することが可能である。
本発明(14)によれば、堆積するMOCVD膜の化学量論比、不純物含有量、組成を高い精度で制御できる。また、多くの異なる原料を用いたより複雑な化学式のMOCVD膜の生成に対応することが可能である。
本発明(2、10)によれば、気液混合流路は通常の加工方法を用いても高い加工精度、位置決め精度で加工できる。
本発明(3、11)によれば、キャリアガスと原料溶液が通るガス通路を平面基板内に形成し、平面基板を水平に配置することで、装置高さを低くすることができる。

以下、本発明の最良形態について説明する。
(気化装置の具体例)
図1は、本発明の具体例に係る気化装置の部分断面図である。図2(a)は、本発明の具体例に係る気化装置の分解状態の部分断面図である。本例の気化装置は、冷却手段を備えたガス通路を有し、加圧されたキャリアガスと原料溶液を前記ガス通路に導入し、原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送る気化ヘッド3と、気化ヘッド3から送られてきた原料溶液を含むキャリアガスを加熱して気化させる気化部4とから構成される。図1に示す気化装置は、図2に示す部材を組み立てて作製される。図2(b)は、図2(a)に示す3連3方
弁の系統図である。
本発明に係る気化装置は、分散部の構造に特徴があり、ガス通路の一端からキャリアガスを導入し、前記ガス通路の途中で原料溶液をキャリアガス中に噴出し、キャリアガスにより原料溶液を剪断して、原料溶液を霧状(微粒子状態)にしてキャリアガスに分散し、前記ガス通路の他端に配置した噴出部から微粒子状の原料溶液を含むキャリアガス(原料溶液分散ガス)を気化部に送り加熱して気化させる装置であり、複数の前記ガス通路が平面基板上に前記噴射部を中心に放射状に配置されていることを特徴とする。
気化ヘッド3は、切替3連3方弁31、32と集積プレート5を積層して形成した気液混合流路(ガス通路)18を備えている。図6(a)は、図1に示す集積プレート5を上から見た平面図である。図6(a)に示す平面基板(集積プレート)101は、円盤型の基板で、原料溶液分散ガスの噴出部105を中心に6本の直線状のガス通路102が放射状に配置されている。集積プレート101において、噴出部105は基板を貫通する孔として加工形成され、気液混合流路102は集積プレート101の表面の溝部として加工形成される。従って、気液混合流路は通常の加工方法を用いても高い加工精度、位置決め精度で加工できる。その後、図1に示すように、切替3連3方弁を集積プレート5の上に積層する。切替3連3方弁を集積プレート5の位置合わせは、予め適切な位置に位置決めピン、及び、位置決めピンに対応する位置に嵌め合わせ用の凹部を形成しておくことにより、組み立て工程においては、基板の嵌め合わせを行うだけで正確な位置合わせを行うことが可能である。図示しないが切替3連3方弁と集積プレートの間に適宜シール部材を配置することにより、切替3連3方弁と集積プレートを積層して形成された気液混合流路からのキャリアガスのリークを防止できる。
気液混合流路102の一端には、キャリアガス導入口103が平面基板の側面に配置されており、図示しないキャリアガス供給部から流量及び圧力を制御したキャリアガス(例えば、N2、Ar、He)の供給を受ける。ガス通路に図示しない圧力検出装置を設けて、キャリアガスの圧力をモニターすることで、ガス通路の目詰まり防止のためのメンテナンス必要時期を事前に知ることができる。
なお、ガス通路の断面積は0.10〜0.50mm2が好ましい。0.10mm2未満では加工が困難である。0.50mm2を超えるとキャリアガスを高速化するために高圧のキャリアガスを大流量用いる必要が生じてしまう。大流量のキャリアガスを用いると、反応チャンバーを減圧(例:1.0Torr)に維持するために、大容量の大型真空ポンプが必要になる。排気容量が、10000リットル/min(圧力1.0Torr時)を超える真空ポンプの採用は困難であるから、工業的な実用化を図るためには適正な流量のキャリアガスを流すために、ガス通路の断面積は0.10〜0.50mm2とするのが好ましい。
ガス通路の数は6本に限定されない。6本より少なくてもよいし、多くてもよい。ガス通
路は、平面基板上の溝として加工し形成できるので、ガス通路の数を多くしても高い加工精度、位置精度で形成できる。複数の基板に溝を形成して積層することも可能であり、その場合、より多くのガス通路を形成できる。
気液混合流路18を形成する集積プレート5に隣接する冷却プレート6には、気液混合流路18に近接して冷却手段が設けられている。図1に示す具体例では、冷却水を流す冷却水通路11がプレート内に形成されている。気化ヘッド3の気液混合流路18内は気化部4のヒーターによる熱の影響を受けるため、気液混合流路18内において原料溶液分散ガスが加熱されると、原料溶液の溶剤と有機金属錯体との同時気化が生ずることなく溶剤のみの気化が生じ、気液混合流路18内において原料が析出し、通路が目詰まりするという問題がある。そこで、気液混合流路18内を流れる原料溶液分散ガスを冷却することにより溶剤のみの気化を防止する。特に、原料吐出口17より下流側のガス通路の冷却が重要である。さらに、噴出ノズル21近傍の気液混合流路20はヒーターによる熱の影響が特に大きい部分であるため、十分な冷却が必要である。冷却温度は、溶剤の凝固点以上、沸点以下とするのが好ましい。例えば、0℃以上、35℃以下とするのが好ましい。ガス通路を冷却することにより、長期間にわたる使用に対しても、ガス通路内(特にガス出口)における炭化物による閉塞の発生を防止できる。冷却手段は、冷却水による冷却に限定されず、例えば、ぺルチェ素子など他の冷却手段を用いて冷却することも可能である。
図4は、本発明の具体例に係る気化装置の断面図である。図4では、気化ヘッド81、及び、気化ヘッドの下に接続した気化部82における気化管82からなる気化装置の全体断面図が示されている。気化管88は、ヒーター89により加熱している。加熱温度は350℃以上とするのが好ましい。噴出部のガス出口手前まで冷却されていた原料溶液分散ガスは、分散部と気化部で急激に温度が変化するため、ガス出口から出た瞬間に気化する。気化した原料は、気化管下部に移動し図示しない堆積部に導入され、基板上にMOCVD膜が堆積する。異なる気化特性を有する液体原料を混合し、適切な気化温度を選択することによりひとつの気化条件で複数の原料を安定に気化供給することができる。
キャリアガスと原料溶液が通るガス通路を平面基板内に形成し、平面基板を水平に配置することで、装置高さを低くすることができる。原料溶液のガス通路への噴出は、重力による自然滴下でもよいし、原料溶液タンクに圧力をかけてガス通路内に原料溶液を噴出させてもよい。加圧して噴出させる場合は、原料溶液タンクをガス通路の上に配置する必要はなく、ガス通路の横又は下に配置することが可能であり、装置高さをさらに低くできる。
また、図6(a)に示す具体例では、平面基板101の形状は円盤型としたが、必ずしも円盤型である必要はなく、楕円形、四角形、多角形など任意の平面形状の基板を用いることが可能である。
図2において、噴出ノズル42は、ノズルの凸部を冷却プレート41に形成した凹部に嵌め合わせて取り付けられる。図7は、本発明の具体例に係る気化装置の気化ヘッドの部分断面図である。混合噴霧ノズル121は、Oリングシール125により、冷却プレート123に密着して取り付けられるので気液混合流路122、円錐型混合部124を通過する原料溶液分散ガスが外部に漏れることはない。ガス通路を通過したガスは、混合噴霧ノズル121の先端にある噴出ノズル126から気化管に噴出する。
複数のガス噴出口の加工精度、相対位置精度は、混合噴霧ノズル121の加工精度と溝部の加工精度で決まり、背景技術による複数のテーパー配管の位置を調整して取り付けるものと比較して、より高い精度で形成することが可能である。噴出ノズルの形状、相対位置が高い精度で加工できるので、複数の原料を含むガスの流量比を正確に制御でき、化学量論比、不純物含有量、組成を高い精度で制御した高品質のMOCVD膜を製造することができる。また、組み立て工程においてガス通路となる配管の位置調整を行う必要がない。また、円錐形状の部材を用いることで、簡単なパッキングシールを用いるだけで十分高いシール効果が得られる。さらに、気化装置の修理は、平面基板や気化ヘッドの個別部品の交換をするだけで済み、難しい位置合わせの作業が不要なので、メンテナンスコストを低減でき、かつ、保守作業が容易になる。
本例では円錐形状の噴出ノズルを用いた場合について説明したが、噴出ノズルの形状は円錐形状に限定されない。四角錐などの多角錐、楕円錐など、下に突き出た形状であれば、円錐形状の噴出ノズルを用いた場合と同様に、取り付けが容易などの効果が得られる。
図3は、本発明の具体例に係る気化装置の平面図である。図3に示す気化装置は、円盤型集積混合気化器である。円盤型の集積プレートの上に複数の切替3連3方弁が搭載されて
いる。複数の導入口から導入された複数の原料を、各気化条件の許容範囲内において混合し、一括霧化し、噴出ノズルから加熱された気化部に噴出することにより瞬間的に気化させることにより、組成制御の容易性、及び、長期再現性の維持確保が可能となる。
(気化装置の別の具体例)
図6(b)は、本発明に係る気化装置の別の具体例の平面図である。本例の気化装置は、集積プレート108に形成したガス通路109の形状が、キャリアガス導入口110と原料溶液分散ガスの出口である噴出ノズル112の間において、複数の屈曲部を有する、すなわちジグザグ状の通路とした点に特徴がある。流路形状に複数の屈曲部を設けることにより、流体の冷却効果を高めることができるという効果がある。また、流路内に大きな2次的旋回流が誘発され、気液2相流の流動状態がより乱れたものとなり、液体の微粒化を促進することが可能である。同時にライン圧を高め、液体輸送ラインの気泡発生を防止し、流れをより安定化することができるという効果もある。
(単原料気化器並列方式)
近年、ますます多様な機能性薄膜に対する需要が増えている。それに伴い、原料の種類や成膜手法も多様化している。さらに、特異な気化条件の液体材料、供給側のすばやい応答性、リアクター前段での混合を嫌う気化ガスの使用、異なる原子の単一膜を積層するプロセス等への対応も求められてきている。
図5は、これらのニーズに答えるための気化装置の変形例である。図5に示す気化装置は、原料導入系、ガス通路を備えた平面基板、気化管からなる単原料気化器が共通の平面基板を使用して並列に配置された構造を持っている。並列構造とすることにより、反応部前段での混合を嫌う気化ガスや異なる原子を積層するプロセスに対応することが可能になる。
(MOCVD装置の応用)
本発明の気化装置を用いたMOCVD装置は、次世代DRAM用絶縁膜の製造だけでなく、例えば、大容量FeRAM(Ferromelectric Ramdom Access Memory)の絶縁膜や微細MOSFETのゲート絶縁膜の製造にも用いることが可能である。従来、FeRAMの強誘電体膜の製造は、スパッタ法により製造されることが多かったが、膜の組成を変えることができず、段差におけるカバレッジが低いという問題があった。本発明のMOCVD装置によれば、連続運用が可能で、堆積膜の化学量論比を正確に制御でき、量産レベルで、より高品質な強誘電体膜の製造を行うことが可能である。また、これまでスパッタ法により堆積していた配線用金属膜やバリアメタルについても、MOCVD膜で置き換えることにより、カバレッジの良好な金属膜の高速形成が可能になる。
(MOCVD装置以外への応用)
本発明に係る気化装置は、MOCVD膜の成膜装置に用いられる場合について説明したが、それ以外にも、原料溶液を溶媒に溶かして、加熱して気化して、膜を堆積する成膜装置であれば、本発明に係る気化装置を用いることが可能で、MOCVD膜の製造装置の場合と同様の効果が得られる。例えば、ALD(原子レイヤーデポ装置)に用いることが可能である。
本発明の具体例に係る気化装置の部分断面図である。 (a)は、本発明の具体例に係る気化装置の分解状態の部分断面図である。(b)は、切替3連3方弁の系統図である。 本発明の具体例に係る気化装置の平面図である。 本発明の具体例に係る気化装置の断面図である。 本発明の具体例に係る気化装置の断面図である。 (a)及び(b)は、本発明の具体例に係る気化装置の円形集積基盤の平面図である。 本発明の具体例に係る気化装置の気化ヘッドの部分断面図である。 背景技術に係る気化装置の部分断面図である。
1 気化装置
2 圧力計
3 気化ヘッド
4 気化部
5、40 集積プレート
6、41 冷却プレート
7、8、54、55 1次キャリアガス導入口
9、10、56、57 冷却水導入口
11、12 冷却水通路
13、16、33 原料溶液導入口
14、15、34 溶媒、パージガス導入口
17、47 原料吐出口
18、20、49、50、51 気液混合流路
19、58 2次キャリアガス導入口
21 噴出ノズル
22 霧化噴出部
23 気化管上部
31、32 切替3連3方弁
35 3連3方弁接続口
36、37、38 バルブ
39 気液混合プレート
42 混合噴霧ノズル
43 中間プレート
44 2次キャリアプレート
45 霧化噴出ノズル
46 断熱空間層
48 ガス通路
52、53 位置決めピン
61 円形集積基盤
62、63、64、65 切替3連3方弁
66 1次キャリアガス導入口
67 冷却水導入口
68 冷却水排出口
69 溶媒パージガス導入口
70 原料溶液導入口
71 2次キャリアガス導入口
81、94 気化ヘッド部
82、95 気化部
83 気化管上部
84 気化管下部
85、96 切替3連3方弁
86、97 1次キャリアガス導入口
87、98 2次キャリアガス導入口
88、100 気化管
89 内蔵ヒータ
90、99 冷却水通路
91、92、93 気化装置
101、108 集積プレート
102、109 気液混合流路
103、110 キャリアガス導入口
104、111 原料溶液導入口
105、112 噴出部
106a、106b、113、115 冷却水導入口
107、114 位置決めピン
121 混合噴霧ノズル
122 気液混合流路
123 冷却プレート
124 円錐型混合部
125 Oリングシール
126 噴出ノズル
127 二次キャリアノズル
128 気化管上部
201 気化装置
202、203 圧力計
204、205 キャリアガス
206、207 ガス通路
208 出口
209、210 MFC
211、212 溶液通路
213 原料溶液・洗浄液導入口
214 原料溶液バルブ
215 洗浄液バルブ

Claims (14)

  1. ガス通路の一端からキャリアガスを導入し、前記ガス通路の他端に配置した噴出部から原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送り気化させる気化装置であり、複数の前記ガス通路が平面基板上に前記噴出部を中心に放射状に配置され
    前記ガス通路の途中に原料溶液導入口が形成されていることを特徴とする気化装置。
  2. 前記ガス通路は、前記平面基板である集積プレート表面の溝部として形成され、前記溝部の途中に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載の気化装置。
  3. キャリアガスと原料溶液が通る前記ガス通路が形成された前記平面基板を水平に配置することを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載の気化装置。
  4. 前記噴出部の下部の形状が、下方に尖き出た円錐形状であり、前記円錐の斜面に前記原料溶液を含むキャリアガスを流す通路とパッキング部材を交互に配置していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の気化装置。
  5. 前記ガス通路を0℃以上、35℃以下で冷却する冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の気化装置。
  6. 前記ガス通路が、前記平面基板上において複数の屈曲部を有することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項記載の気化装置。
  7. 請求項1乃至のいずれか1項記載の気化装置を備えた成膜装置。
  8. 前記成膜装置がMOCVD装置であることを特徴とする請求項記載の成膜装置。
  9. ガス通路の一端からキャリアガスを導入し、前記ガス通路の途中から原料溶液を導入し、前記ガス通路の他端に接続した噴出部から原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送り気化させる気化方法であり、前記噴出部を中心に平面基板上に放射状に配置された複数の前記ガス通路を通して前記原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送ることを特徴とする気化方法。
  10. 前記ガス通路は前記平面基板である集積プレート表面の溝部として形成され、前記溝部の途中に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項9記載の気化方法。
  11. キャリアガスと原料溶液が通る前記ガス通路が形成された前記平面基板を水平に配置することを特徴とする請求項9又は10のいずれか1項記載の気化方法。
  12. 0℃以上、35℃以下に冷却した前記ガス通路及び前記噴出部を通して前記原料溶液を含むキャリアガスを気化部に送ることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の気化方法。
  13. 請求項8乃至12のいずれか1項記載の気化方法により気化させて成膜を行う成膜方法。
  14. 前記成膜方法がMOCVD方法であることを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
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