JP5614939B2 - 厨房設備の水栓装置 - Google Patents

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Description

この発明は、厨房設備の水栓装置に関する。
住宅の流し台(シンク)に設置される水栓設備として、特許文献1に記載されているものが知られている。この水栓設備は、シンク台の上面に設置され、斜め上方に突出する枝分かれ部を有する水栓と、その水栓の枝分かれ部に着脱可能に固定される吐水部と、その吐水部と水栓とをつなぐ引き出しホースとを備えたものである。
特開2008−111237号公報
しかしながら、この特許文献1に記載の水栓設備は、ワークトップ上面に取り付けられるため、その分だけワークトップ上の作業スペースが減じられ、作業効率が低下するという問題がある。また、吐水部を引き出すためには吐水部をその自重に逆らって斜め上向きに引き出す必要があるため、引き出して使用する際の使い勝手の悪さも問題である。また、正面、左右側面、背面、平面がフラットで平面的な要素の多い厨房設備において従来の水栓吐水部は、その中のいわば突起物のような形で設けられており、厨房設備全体の平面的なイメージとは基本的には一致しないものであるから、厨房設備のイメージとより一致した水栓設備の形態が望まれている。
本発明は、厨房設備の平面的イメージと一致する斬新なデザイン性を有し、厨房での作業性向上を達成できる厨房設備の水栓装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を解決するために、本発明の厨房設備の水栓装置は、
厨房設備の上方空間において天井部に固定され、その固定状態のまま前記厨房設備のシンクに対応する領域に向かって直線的に垂下する形で配置され、かつ天井部から前記シンクに対応する領域に向かって直線的に垂下する外観を有するとともに、天井部の裏側領域に設けられた給水配管と接続される筒状の垂下本体と、
その垂下本体の先端に形成されて下向きに吐出する吐水部とを含み、
その垂下本体の吐水部と厨房設備のシンクの底面との間には所定の間隔が保たれ、かつ厨房台の上面のシンク側には少なくとも水栓用吐水部と水栓操作部の双方が存在せず、前記水栓操作部を前記厨房台の側面に有する、又は足で操作する操作部として備えることを特徴とする。
上記した本発明の水栓装置は、天井から直線的に垂下する垂下本体の下端部に吐水部を有した形態をなす。水栓装置が直線的な外観を有するため、厨房設備の平面的なイメージに一致する。また、本発明の水栓装置は、厨房設備から分離したかのような形態を有し、シンク側には水栓用吐水部を含む水栓設備を排除できるため、従来の厨房設備用の水栓装置のように、平面的要素の多い厨房設備の中でイメージの統一感を乱す突起物として見られるようなことも無いし、シンク周りのワークトップ上面を全て作業スペースとして利用できる。また、昨今の一般住宅においては階上のフロアにも水栓設備があるから、給水源となる水道配管は1階と2階の中間層部分にも引き回されているので、これを利用すれば取り付けに不便が生ずることもない。
垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端部に形成されたノズル着脱口と、そのノズル着脱口に着脱可能に保持される吐水ノズルと、その吐水ノズルを給水源につなげるとともに、筒状の前記垂下本体の内部空間に挿通されて、前記吐水ノズルが利用者により前記ノズル着脱口から引き出される際に前記垂下本体の内部空間を下方へ移動し、前記吐水ノズルが前記ノズル着脱口に保持される際は、上方への戻し方向へ移動するホース部材と、を含むようにして構成できる。
この構成によると、吐水ノズルを水栓本体から引き出すことができるから、シンク内の隅々を洗い流すことが可能となる。また、吐水ノズルを水栓本体から引き出す際には、ユーザーの自然な操作である下側に吐水ノズルを引き出すことができるので、吐水ノズルを水栓本体から容易に離脱させることができる。
他方、垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端部に形成されたノズル固定口と、そのノズル固定口に着脱不能に固定される吐水ノズルと、その吐水ノズルを給水源につなげるとともに、筒状の前記垂下本体の内部空間に挿通されるホース部材と、を含むよう構成することもできる。
この構成によると、水栓を固定した状態で使用することができる。着脱のための構成を要しないためシンプルな構造となり、安価で提供可能となる。
また、垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端に位置する吐水ノズルとして、その垂下本体の軸線を中心として同心的に側方へ張り出すようにフランジ状に形成されたフランジ状吐水盤部を備え、そのフランジ状吐水盤部に複数の吐水孔が形成されるよう構成できる。
この構成によると、フランジ状吐水盤部が形成されるため、吐水面が広くなり、比較的広範囲な領域からシャワー状の水を吐出することができる。また、フランジ状吐水盤部は、垂下本体に対し垂直で、一般のキッチンの天板等に対して平行な方向に広がる形態(側面視で逆T字型となる)を有するので、平面的要素の多い厨房設備の中でイメージの統一感を乱すようなこともない。
他方、垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端に、その垂下本体と同軸で同形の筒状外周面を有し、なおかつ底面に複数の吐水孔が形成された吐水ノズルを備えて構成できる。
この構成によると、垂下本体の筒形状が下端まで続き、その下端の底面からと水されるような構成となるため、水栓の外観が棒状で直線的に延び、厨房台上面に垂直をなす形で下りる形態となるので、平面的要素の多い厨房設備の中でイメージの統一感を乱すようなこともない。
本発明の第一実施形態をなす水栓装置を備える厨房設備の斜視図。 図1の正面図。 図1の水栓装置の正面図。 図3のA1−A1断面図。 図1の水栓装置の底面図。 図1の水栓装置の側面拡大図及び底面拡大図。 図1の水栓装置の拡大断面図。 図1の水栓装置において吐水ノズルの引き出した状態を示す拡大断面図。 図7のさらに詳細な断面図。 (a)キャップの斜視図、(b)図6におけるキャップの断面図、(c)吐水部を嵌め込む際のキャップの作用を示す断面図。 吐水部固定機構の一例を概念的に示す図。 図1の水栓装置の天井部内での取り付けを説明する図。 水栓装置につながる配管系統の一例を示す管路図。 本発明の第二実施形態をなす水栓装置を備える厨房設備の斜視図。 図14の正面図。 図14の水栓装置の正面図。 図16のA2−A2断面図。 図14の水栓装置の底面図。 図14の水栓装置の側面拡大図及び底面拡大図。 図14の水栓装置の拡大断面図。 図20のC2−C2断面図。 本発明の第三実施形態をなす水栓装置を備える厨房設備の斜視図。 図22の正面図。 図22の側面図。 水栓操作部及びバルブ機構の第一の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第二の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第三の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第四の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第五の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第六の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第七の配置例を示す図。 水栓操作部及びバルブ機構の第八の配置例を示す図。 垂下本体の水平直線往復駆動を説明する図。 垂下本体の水平旋回往復駆動を説明する図。 垂下本体の上下往復駆動を説明する図。 固定式吐水ノズルの取り付け方法を説明する図。 同じく別の固定式吐水ノズルの取り付け方法を説明する図。 図14の水栓装置を着脱式とした場合の拡大断面図。 図14の水栓装置を着脱式とした場合において吐水ノズルの引き出した状態を示す拡大断面図。 図14のを着脱式とした場合のさらに詳細な断面図。
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態における水栓装置の使用状態を示す斜視図である。図2は、第一実施形態における水栓装置の使用状態を示す正面図である。図3は、第一実施形態における水栓装置の正面図である。なお、第一実施形態における水栓装置の背面図及び左右側面図は、図3の正面図と同じに表れる。図4は、図3のA1−A1断面図である。ただし、内部構造は省略した図である。図5は、第一実施形態における水栓装置の底面図である。また、図6は、第一実施形態における水栓装置の下端部(吐水部)の側面拡大図及び底面拡大図である。
第一実施形態の水栓装置10A(10)は、図1及び図2に示すように、厨房設備である厨房台53の上方空間において天井部52からその厨房台53のシンク50に対応する領域に向かって直線的に垂下するとともに、天井部52の裏側領域に設けられた給水元としての供給管路(給水配管)12と接続される筒状の水栓本体部をなす垂下本体2と、その垂下本体2の先端に形成された吐水部5とを含み、その垂下本体2の吐水部5と厨房台53のシンク50の底面50Aとの間には所定の間隔が保たれ、かつ厨房台53のシンク50側には少なくとも吐水部が存在しない。この特に本実施形態においては、厨房台53のシンク50側にはあらゆる水栓設備が存在しない。従来厨房設備の水栓設備のように、厨房台53のシンク50周辺に取り付けられていた水栓設備(水栓用吐水部)に代わって水栓装置10Aが設けられているのであり、厨房設備にはこの水栓装置10Aのみが設けられているのである。このため、厨房台53のワークトップ51のシンク50側上面が全て同一平坦面とされており、作業がしやすくなっている。
また、シンク50内での作業性の観点からすると、垂下本体2の吐水部5の高さが少なくともワークトップ51の上面よりも高い位置であることが望ましい。なお、垂下本体2の吐水部5とワークトップ51の上面との間の間隔は、シンク50内での作業性や水はねの観点から、400mm以下とすることが望ましい。さらにいえば、垂下本体2の吐水部5とワークトップ51の上面との間の間隔は150mm以上300mm以下であることがより望ましい。本実施形態に限っていえば、吐水部5とシンク底面50Aとの間隔は450mmあり、シンク53の深さは250mm、ワークトップ51の上面から吐水部5までの高さは200mmである。ただし、シンク53の底面50Aは、水平面ではなく排水口53Bに向けて傾斜した傾斜面とされており、ここでいうシンクの深さとは、ワークトップ51の上面からシンク底面50Aの最高位置までの長さとする。
垂下本体2は、金属製で例えば錆びにくいステンレスやアルミ合金等からなる管材や、硬質プラスチックなどに金属外観を付与させたプラスチックメッキを施したものとできる。また、垂下本体2は、図4に示すように円形断面の筒部材(ここでは天井面52Aからのその先端までの長さが約2mで、天井高(床面から天井面までの高さ)が3100mm)にて形成されており、図3に示すように自身の軸線2Aがワークトップ51の上面(水平面)に対し垂直となるように下りる。
垂下本体2の直下には、厨房台53のシンク50の底面50Aがある。垂下本体2が1つのみ設けられた本実施形態において、垂下本体2の直下となる位置は、シンク底面50Aの中央位置でもよいが、図2に示すように、シンク50の利用者の立ち位置となるであろう厨房台53の予め定められた側面側に偏ったシンク底面50A内の位置とすることで、使い勝手が増す。また、水はね防止の観点から、垂下本体2は、その直下にシンクの排水口50Bが位置しないよう配置してもよい。具体的に言えば、垂下本体2に吐水部5が装着された状態で、吐水部5から吐水される水が排水口50Bに当たらないよう配置してもよい。
なお、厨房台53は、その長手方向の一端側にシンク50が設けられており、シンク50は、その長手方向が厨房台53の長手方向と直交する形で設置されている。なお、本実施形態の厨房台53は、直方体状に形成されたアイランドタイプのものであり、他端側に電気又はガスによる調理機器が設けられている。
吐水部5は、垂下本体2の下端部に形成されたノズル着脱口をなす開口部23と、そのノズル着脱口14に着脱可能に保持される吐水ノズル37と、その吐水ノズル37を給水源につなげるとともに、筒状の垂下本体2の内部空間に挿通されて、吐水ノズル37が利用者によりノズル着脱口14から引き出される際に垂下本体2の内部空間を下方へ移動し、吐水ノズル37がノズル着脱口14に保持される際は、上方への戻し方向へ移動するホース部材をなす給水ホース4と、を含む。
垂下本体2は、図7に示すように、内部に直線状の空洞部3を備えている。この空洞部3内には、可撓性を有する給水ホース4が挿通され、給水ホース4の先端に、前述の吐水ノズル37が接続されている。なお、本実施形態においては、図6に示すように、給水ホース4の下端側開口が垂下本体2の軸線方向(2A)において吐水部5の上記非形成領域(非吐水領域)36bに対向するようになっている。
吐水ノズル37は、外周面が筒状の垂下本体2と同軸同形(ここでは垂下本体2と同軸の円筒形状)をなし、円盤状の底部に吐水孔36が形成されている。この吐水ノズル37は、垂下本体2の軸線2Aを中心として同心的にわずかに側方へ張り出す。ただし、その張り出し長さは、垂下本体2の軸線2Aから外周面までの長さに対する0〜10%、さらに望ましくは0〜5%とされているため、遠目にはその張り出した部分は認識できない。なお、本実施形態においては、垂下本体2の直径が60.5mm、吐水ノズル37の直径が61.5mmであるが、本発明はこの数値に限られるものではない。
図9に更に詳細な断面図を示す。吐水ノズル37は全体として浅い円筒状をなし、ベース部34と外殻ケース部35とを備えている。ベース部34は浅い有底円筒状の形態をなし、その底部中心部には、円筒状のボス部34aが一体的に形成され、このボス部34aの内周に、給水ホース4がその先端部に取り付けられた端部プラグ33の結合部33aにおいて、液密に圧入等により固定されている。給水ホース4の端部プラグ33は、上記結合部33aと同心的にこれより大径とされた被拘束部33bを備え、被拘束部33bが、その外側に装着されたテーパ筒部材22により抱きかけるようにして保持される。テーパ筒部材22は、被拘束部33bに離脱不能に嵌合され、このテーパ筒部材22の内側に形成されためねじと、ボス部34aの外周に形成されたおねじとのねじ結合により、給水ホース4の端部が、吐水ノズル37に対して抜け止めされた状態で結合されている。
ベース部34の外周にはおねじが形成され、外殻ケース35は浅い有底円筒状の形態をなして、その内周にめねじが形成され、そのケース35の開口部内周がベース部34の開口部外周にめねじとおねじのねじ結合により締め込まれ、両者の間がシール38で液密にシールされた状態で、両者間に蓄水スペース39が形成される。この外殻ケース部35の底部には、それを厚さ方向に貫通して、蓄水スペース39に連通する複数の吐水孔36が形成されている。吐水ノズル37の吐水面(下面)は、その中央部が吐水孔36の非形成領域(ここでは円形の非吐水領域)36bとされており、その外周部36aに吐水孔36の形成領域(ここでは環状の吐水領域)が設けられている。より詳しくは、例えば図6に示すように外殻ケース35の中心に関して同心円状に形成された複数の円に沿って、多数の吐水孔36が位置している。
図7、図8に示すように、垂下本体2の先端開口部23には、円環状のリング部材17が圧入・溶接その他適宜の手段により固定され、そのリング部材17の内側に円環状の締付リング16によりテーパ筒部材40が、垂下本体2及び吐水ノズル37の中心線と同心的に固定されている。テーパ筒部材40は、垂下本体2の開口側に外方フランジ30を備え、このフランジ30が締付リング16の内方フランジ31に係止され、かつリング部材17の、吐水ノズル37側の端面から締め込まれた複数のねじ部材(例えばボルト、ビス等)19により、テーパ筒部材40の外方フランジ30が締付リング16とリング部材17との間に狭圧されることによって、テーパ筒部材40が垂下本体2と一体化されている。なお、締付リング16とリング部材17に対応する垂下本体2の円筒部を別体の短筒部2aとして、この内側に予め締付リング16を固定しておく。そして、短筒部2aの端部と、垂下本体2の端部とを突き合わせてその境界で溶接等し、さらにその境界を仕上げ加工することにより、外観上は一体の垂下本体2となる。その後、締付リング16の内方フランジ31にテーパ筒部材40の外方フランジ30を組み付けた状態で、リング部材17を締付リング16に重ねて、ねじ部材19を締め込むことにより、テーパ筒部材40、締付リング16、リング部材17が一体化される。なお、この組付順序は適宜変更できる。
ねじ部材19が締付リング16に締め込まれた後、そのねじ部材(ボルト、ビス等)19の背後にキャップ21が嵌め込まれている。キャップ21とのその装着構造及び機能を図10(a)〜図10(c)により説明する。キャップ21は、図10(a)に示すように、円筒状の胴部21aと、その一端を覆うように形成された、きのこ状の頭部21bと、胴部21aの外周に連続(もしくは不連続)に形成された装着凸条21c(胴部21aの外面から外方へ突出する複数の装着凸部でもよい)とを備え、弾性(柔軟性)を有する素材、例えば樹脂、ゴム等から構成される。頭部21bの下面には、外方へ突出するフランジ面21dが形成され、内部には空洞21eが存在する。
このようなキャップ21が図10(b)に示すように、リング部材17に形成されたキャップ装着孔17a、17bに嵌め込まれ、胴部21aは装着凸部21c(又は凸条)の弾性変形をともなって、キャップ装着孔17aへ押し込まれ、頭部21bはキャップ装着孔17bへ収容されるとともに、胴部21aの底面がキャップ装着孔17aの底面に当接して(又は両装着孔17a、17bの境界に形成された肩面17cに、頭部21bのフランジ面21dが着座して)、押し込み方向の位置決めがされる。図10(c)の例では、キャップ21の装着状態で、頭部21bのフランジ面21dと肩面17cとの間にスキマが生じている。頭部21bの先端面は、湾曲した凸面状(例えば、凸球面状)に形成され、キャップ21の固定状態でその頭部21bの先端は、リング部材17の端面(吐水ノズル37に対向する面)から小寸法外方へ突出した位置にある。吐水ノズル37が、引き出された状態から垂下本体2へ装着される(嵌め込まれる)際には、図10(b)に示すように吐水ノズル37の端面37aがキャップ21の頭部21bに当たり、頭部21bを押し潰す向きに弾性変形させつつ(空洞21eがあるので弾性変形しやすく、消音効果もある)、またこの例では頭部21bのフランジ面21dと肩面17cとのスキマの減少(又は消滅)を伴って、キャップ21が軸方向に弾性的に圧縮されて、胴部21aが側方へ膨らみ、吐水ノズル37の端面37aがリング部材17の端面17e(垂下本体2の端面)に当たる寸前で(多少当たってもよいが)、吐水ノズル37の装着(戻し操作)が完了する。これによって、吐水ノズル37の垂下本体2への装着時の異音や衝撃が緩和される。キャップ21は弾性クッション材と言い換えることもできる。この例では、キャップ21の頭部21bの弾性変形と、胴部21aの弾性変形による二重の緩衝作用が生じる。なお、キャップ21は、吐水ノズル37が垂下本体2から引き出された際に、リング部材17の外端面が露出するため、ねじ部材19の頭部を隠す意味もある。20は空所である。
テーパ筒部材40は、垂下本体2の開口端側に向かって漸次径が大きくなるテーパ内周面14を備え、ここに吐水ノズル37側のテーパ筒部材22のテーパ外周面24が嵌合するようになっている。
垂下本体2の先端部を構成するリング部材17(このリング部材17もヘッド嵌合部に含まれる)には、その中心線の周りに複数(例えば4個)等角度間隔で、弾性係合部25が配置されている。各弾性係合部25は、リング部材17の中心側に開口する装着孔29と、この装着孔29にその中心線に沿う方向に移動可能に設けられたストッパ(例えば鋼球)26と、そのストッパ26をリング部材17の内周側へ付勢する弾性部材としてのスプリング27と、このスプリング27に所定の圧縮加重を付与するねじプラグ28とを備えている。なお、ストッパ26は装着孔29の開口から一部が突出する位置を限度として、それ以上の中心側への移動は阻止されるように装着孔29に配置されている。このような弾性係合部25と、上述のねじ部材19とは、例えば4個ずつが45度の角度差をもってリング部材17に均等に配置される。
吐水ノズル37のテーパ筒部材22は、その外端部側に円筒面状の部分を有し、ここに周方向に連続する係合凹部32が環状溝として形成されている。係合凹部32は浅い円弧状の断面を有し、ここに垂下本体2側のストッパ(鋼球)26が、スプリング27の弾性力で嵌まり込むことにより、吐水ノズル37が垂下本体2の先端部から下方へ抜け落ちることが防止される。これら、弾性係合部25と係合凹部32とが協働して、吐水ノズル固定機構を構成している。
なお、図11に示すように、吐水ヘッド5が垂下本体2から引き出される際、ストッパ26の球面の一部A0及び吐水ノズル37側の係合凹部32の円弧面の一部Bとが力を及ぼしあい、そのうちB0の面を斜面状のカム面と把握することができ、吐水ヘッド5を引き出す際に、この斜面(B0)がストッパ26(カムフオロア)に対し、A0部において引っ込み方向の分力を付与する結果、スプリング27を押し縮めつつストッパ26が係合凹部32から抜け出て、吐水ノズル37が引き出される。
他方、吐水ノズル37が押し込まれる際には、前述のテーパ外周面24(C)がカム面として機能し、その押し込みに従いカム面Cがストッパ26を徐々に退避方向へスプリング27を圧縮しつつ押し動かした後、ストッパ26が係合凹部32に嵌入(着座)して、吐水ノズル37が固定状態となる。その際、図7に示すように、垂下本体2側のテーパ内周面14に、吐水ノズル37側のテーパ外周面24がほぼ嵌合し、その状態で前記ストッパ26が係合凹部32に嵌入する結果、これらテーパ内周面14及びテーパ外周面24が吐水ノズル37の押し込み動作を誘導・案内し、いわばセンタリング作用をなすこととなる。なお、この明細書において「嵌合」とは、必ずしも相互に密着する意味に限られるものではなく、相互にごく近接して相対的な位置関係が実質上一義的に定まるものでもよい。
この実施例で、円形断面を有する垂下本体2の外面直径と薄い円筒状をなす吐水ノズル37(外殻ケース35)の外面直径とはほぼ等しくされ、垂下本体2の外周面と吐水ノズル37の外周面とがほぼ面一となる。したがって、吐水ノズル37はあたかも垂下本体2の先端部を構成するような形態となり、垂下本体2と吐水ノズル37とが形態的にも構造的にも一体感を強める。そして、垂下本体2の先端部に見える吐水ノズル37が、実は垂下本体2から分離して引き出せるという意外性が、斬新性を高めている。
垂下本体2は、図2及び図12に示すように、天井部52に対し垂直に取り付けられる。垂下本体2の貫通開口が視認されないよう、垂下本体2の外周側を囲みつつ天井部52の下面(天井面)52Aに当接する形で化粧プレート(ここでは環状板材)70が設けられている。この化粧プレート70は、室内に露出する化粧面70Aに垂下本体2と同じ表面処理がなされ、両者に一体感を持たせている。
図12は、本実施形態における垂下本体2の天井部52への取り付け構造を説明する図である。天井面52Aを形成する天井板部材(プラスターボード等)54には、垂下本体2の天井側の上端部が貫通する貫通孔54h1と、化粧プレート70を固定するためにボルト部72が挿通される貫通孔42h2とが形成される。ここでの化粧プレート70は、垂下本体2が中心を貫通する環状板材であって下面(さらには外周面)が化粧面70Aとなる本体部71と、化粧面70Aとは逆側の裏面70Bから突出するボルト部72とを有し(ここでは71と72は溶接固定されている)ている。各ボルト部72は、貫通孔54h2に下側(室内側)から挿通されるとともに、化粧プレート70のボルト部72と同じ位置に貫通孔73h2が形成された裏側プレート(環状部材)73の、それら貫通孔73h2をも挿通されて、天井部52の裏面側(室内側とは逆側)から突出しており、その突出部分にナット74が締結されている。この締結固定により、化粧プレート70はナット74と共に天井板部材54と裏側プレート73とを狭圧する形で、天井板部材54に固定保持される。化粧プレート70の各ボルト部72は周方向に等角に位置しており、これに対応する位置に各貫通孔54h2、73h2が形成されている。
筒状をなす垂下本体2の上端部は、天井板部材54の裏面側に形成される天井裏空間の上部に位置する躯体(例えばコンクリート)59に固定される。ここでは、垂下本体2の上端部に形成される締結部材により、躯体59に締結固定される。
その締結固定の一例としては、図12に示すような固定方法がある。即ち、躯体59に複数のボルト締結用の開口部59hを形成しておき、ここにボルト部材79を締結固定する。これら開口部59hは、垂下本体2の軸線周りに等角に形成されており、それぞれにボルト部材(アンカーボルト)79が締結される。ボルト部材79はボルト頭部を有しない円筒状をなしており、その外周面にはおねじが切ってある。開口部59hにはめねじが切ってある。
一方で、筒状の垂下本体2の上端部には垂下本体底部6が存在しており、その垂下本体底部6には、上面(外側面)6Aから突出するボルト部75を一体に有する(ここでの6と75は溶接固定されている)。そして、垂下本体底部6の上面6Aに当接する形で中間支持部材(ここでは板状の躯体固定用プレートとされている)76が配置される。中間支持部材76は、その中央部に垂下本体底部6から上方に突出するボルト部75を挿通可能とする貫通孔76h1を有しており、この貫通孔76h1にボルト部75を挿通し、その上からナット77が締め込まれることにより、垂下本体2に固定される。一方で、中間支持部材76は、その外周部に前述のボルト頭部を有しないボルト部材79を挿通可能とする貫通孔76h2を有しており、この貫通孔76h1にボルト部材79を挿通し、その上下からナット78,78で締め込まれて固定されることにより、躯体59に固定される。これにより、垂下本体2が躯体59に取り付けられることになる。なお、中間支持部材76の取り付け位置は、ナット78によるボルト部79との固定位置次第で、上下方向に調整可能である。中間支持部材76の貫通孔76h1、76h2は各々が複数あり、それらが周方向に等角に位置しており、これに対応してボルト部材75,79が挿通される。
なお、図12に示すように、垂下本体2の上端部には、横方向に分岐して突出する筒状部64が設けられる。筒状部64の内側には、スリーブ61が嵌合されているとともに、止め輪62で固定されている。63はシールである。このスリーブ61と供給ホース4とが、吐水ノズル37の引き出し時及び戻し時に摺接し、スリーブ61が供給ホース4との摩擦を軽減し、またホース4を保護する。
吐水量調整や吐水温調整を行うための水栓操作部49は、厨房台53のワークトップ51の上面に設けるようにしてもよいが、ワークトップ51の上面を広く使用するという観点から、本実施形態においてはそれ以外の場所に取り付けられている。即ち、本実施形態においては、厨房台53の側面(ここでは特に引出し等の収納開閉部が形成されていない側面)53に、水栓操作部49をなす調節ハンドルが取り付けられている。さらにいえば、水栓操作部49をなす調節ハンドルは2つ設けられており、それぞれ回転操作可能とされ、これら調節ハンドル41及び42の回転調節により吐水ヘッド5から吐水される水(湯水)の量及び温度が調節される。つまり、この水栓装置10A(10)はツーハンドル湯水混合水栓である。
図7及び図8に示すように、給水ホース4は、給水元としての供給管路12に接続され、そこから水又は所定の温度の湯が吐水ノズル37に導かれるが、供給管路12には給湯管路46と水道管路47とが接続されており、その接続部分において給湯管路46の流量を調整する一種のバルブとして、第1の調節ハンドル41が設けられている。また、水道管路47から供給管路12にいたる湯水の流量を調整するバルブの役割を、第2の調節ハンドル42が担う。
図13は、垂下本体2及び第1・第2調節ハンドル41及び42(水栓装置1)を含む配管系を示している。供給管路12には、給湯管路46から第1の調節ハンドル41を介して水が、また水道管路47から第2の調節ハンドル42を介して湯が、それぞれ導かれて混合され、所望の流量及び温度の湯水が図中のAから流出し、床、壁、天井部等を引き回された後、供給管路12から給水ホース4へ、あるいは給水ホース4へ直接的に導かれる。第1・第2の調節ハンドル41及42の機能(水用・湯用)が逆の場合もある。第1・第2の調節ハンドル41及42は、厨房台53の側面において、上端側に上下又は左右に並ぶ形で配置することができる。
なお、第1・第2調節ハンドル41及び42は、水又は湯の流量を制御するもので、それぞれ一方へ回転させると、管路が絞られ流量が少なくなり(最終的には遮断)、他方向へ回転させると管路が拡がって流量が増えるバルブ機構81を内蔵するものであるが、バルブ機構自体は公知であるため、詳しい説明は省略する。
また、給水ホース4は、該ホース4をリールに巻き取り保持する周知の巻き取り装置80に接続されている。巻き取り装置80は、板状をなすリール基台の一面にホース4を巻き取るリールを回動自在に取り付けてなり、ホース4の巻き取りは、リールに内蔵されたばね部材(例えばゼンマイばね)のばね力により行わせ、電源コードの引出し時には、そのばね力によるコードリールの戻り回動をストッパにより拘束して引出し長さを維持する周知の構成を有する。なお、巻き取り機構についてはこの構成に限られるものではなく、電動のもの等、他の機構であってもよい。巻き取られたホース4の端部はリールの支軸内部を通過する形で供給管路12へと連通する。本実施形態の巻き取り装置80は、図2に示すように、天井部52の裏面側に形成される天井裏空間のうち、垂下本体2の取り付け部分近傍に設置される。具体的にいえば、垂下本体2の分岐部分(筒状部)54の開口端近傍に取り付けられている。
また、吐水ノズル37の外周面には凸凹部としてローレット加工部13が外周面全体にわたって施されている。ローレット加工部13が存在することで、吐水ヘッド5を把持して引き出したり戻したりする際、滑りにくくなっている。また、第1・第2調節ハンドル41及び42の上側部分にも、はちまき状に、凸凹部としてのローレット加工部が円環状に形成されていてもよく、これにより、各調節ハンドル41及び42を回転操作する際にも滑りにくく安定した操作ができるようになる。また、これらローレット加工部の幅(高さ)がほぼ等しくされることにより、厨房台53を含む厨房設備全体により一層の統一感が生まれる。
さらに、図12に示すように、シンク50のワークトップ(キッチントップ)51の表面処理と、垂下本体2(さらには各調節ハンドル41及び42)の表面処理(ローレット加工部は除く)として、同じ処理(例えば、バイブレイション研磨仕上げ)を施すことができ、これによっても、厨房台53を含む厨房設備全体により一層の統一感が生まれる。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、これはあくまでも例示であって、本発明がこの実施例の形態に限定されないのはもちろんである。以下、上記実施形態とは異なる実施形態について説明する。なお、共通箇所については図面上に同符号を付することにより説明を略し、異なる部分についてのみ説明する。
(第二実施形態)
図14は、本発明の第二実施形態における水栓装置の使用状態を示す斜視図である。図15は、第二実施形態における水栓装置の使用状態を示す正面図である。図16は、第二実施形態における水栓装置の正面図である。なお、第二実施形態における水栓装置の背面図及び左右側面図は、図16の正面図と同じに表れる。図17は、図16のA2−A2断面図である。ただし、内部構造は省略した図である。図18は、第二実施形態における水栓装置の底面図である。また、図19は、第二実施形態における水栓装置の下端部(吐水部)の側面拡大図及び底面拡大図であり、図20は、水栓装置の下端部(吐水部)の拡大断面図であり、図21は、図20のC2−C2断面の拡大図である。
第二実施形態の水栓装置10B(10)も、図14及び図15に示すように、厨房設備である厨房台53の上方空間において天井部52からその厨房台53のシンク50に対応する領域に向かって直線的に垂下する上記第一実施形態と同様の垂下本体2と、その垂下本体2の先端に形成された吐水部5とを含み、その垂下本体2の吐水部5と厨房台53のシンク50の底面50Aとの間には所定の間隔が保たれ、かつ厨房台53のシンク50側には少なくとも吐水部が存在しない。あらゆる水栓設備が厨房台53上には存在しない点も上記実施形態と同様である。
第二実施形態の吐水部5は、その垂下本体2の下端にその垂下本体2の軸線2Aを中心として同心的に側方へ張り出すようにフランジ状に形成されたフランジ状吐水盤部97を備える。フランジ状吐水盤部97は、垂下本体2に固定されて一体化され、そのフランジ状吐水盤部97に、複数の吐水孔96が形成されている。なお、本実施形態においては、図19に示すように、給水ホース4だけでなく垂下本体2の下端側開口が垂下本体2の軸線方向(2A)において吐水部5の上記非形成領域(非吐水領域)96bに対向する。
フランジ状吐水盤部97は、垂下本体2の外周面から張り出している張り出し長さが、筒状の垂下本体2の軸線2Aから外周面までの距離の3倍以上5倍以下とされている。ここでは、その張り出し長さが96.8mm、垂下本体2の直径が60.5mmとされている。また、フランジ状吐水盤部97の厚みは10mm以下(より望ましくは5mm以下:ここでは5mm)とされている。
図20に吐水部5付近の断面図を示す。フランジ状吐水盤部97は全体として浅い円筒状をなし、内部には垂下本体2の軸線2Aに直交する方向に広がる蓄水スペース99が形成される。フランジ状吐水盤部97の底部には、それを厚さ方向に貫通して、蓄水スペース99に連通する複数の吐水孔96が形成されている。フランジ状吐水盤部97の吐水面(下面)は、その中央部が吐水孔36の非形成領域(ここでは円形の非吐水領域)96bとされており、その外周部96aに吐水孔96の形成領域(ここでは環状の吐水領域)96aが設けられている。より詳しくは、例えば図19に示すようにフランジ状吐水盤部97の底面の中心に関して同心円状に形成された複数の円に沿って、多数の吐水孔96が位置している。吐水孔96の数は、上記第一実施形態の吐水孔36よりも多く、吐水領域96aも上記第一実施形態の吐水領域よりも広い面積となる形で形成されている。
第二実施形態におけるフランジ状吐水盤部97は、フランジ状に広がる部分の上面が水平面をなすように形成されており、ここを物を置くスペースとしても利用可能となっている。このため、上記第一実施形態の吐水部5の吐水ノズル37とは異なり、垂下本体2から引き出して利用できないようになっており、フランジ状吐水盤部97は垂下本体2に対し一体に固定されている。つまり、吐水ノズル着脱機構のような機構が存在しない。ここでは図20に示すように、外周に凸凹部(ローレット加工部)13とされるフランジ状吐水盤部97の筒状基端部98が、垂下本体2に対し溶接により、一体化されている。また、フランジ状吐水盤部97の内部は、上方ほど縮径するテーパ筒部材92の上端に給水ホース4が直接固定されており(溶接固定や締結固定等)、テーパ筒部材92の下端には、垂下本体2の軸線2Aを中心として同心的に側方へ張り出すフランジ部93が一体形成され、その外周面と筒状基端部98の内周面とが溶接等により一体化されている。なお、本実施形態においては、垂下本体2の先端から天井面52Aまでの高さは約2mで、天井高が3100mmである。
なお、天井部52への取り付け構造については上記第一実施形態と同様であるが、第二実施形態においては巻き取り装置80が省略され、給水ホース4は直接、供給管路12に接続されている。水栓操作部49、バルブ機構81、供給管路12についても上記第一実施形態と同様である。
また、上記第一実施形態を、第二実施形態のように吐水ノズル37を引き出せないよう垂下本体2に固定されるものとしてもよい。吐水ノズル37,97が垂下本体に固定される場合は、可撓性を必要としないので、給水ホース4に設けられた外周面の凹凸は不要であり、外周面は平坦に形成してよい。また、その固定方法は上記第二実施形態のような溶接でもよいが、図36及び図37に示すように、吐水ノズル37,97の外周におねじを形成し、垂下本体2の下端側開口部2aの内周にめねじを形成して、垂下本体2の下端側開口部2a内に吐水ノズル37,97の上端部23a,98aをねじ込むような形で取り付けることもでき、この方が取り付け作業が容易となる。吐水ノズル37の脱着が可能な第一実施形態における吐水ノズル37の垂下本体2への脱着を、このようなねじ込み式にしてもよい。
なお、第二実施形態の吐水ノズル(フランジ状吐水盤部)97は、図38〜図40のように構成することにより、上記第一実施形態の吐水ノズル37と同様の構成で、着脱可能な構成とすることもできる。
(第三実施形態)
第三実施形態の水栓装置10は、第一実施形態の水栓装置10Aと第二実施形態の水栓装置10Bとの双方が1つの厨房台53に対し設けられた構成を有する。第一実施形態の吐水ノズル37と第二実施形態の吐水ノズル97は、シンク50上の様々な位置に配置することが可能であるが、図24の場合、シンク50の長手方向に横並びで配置されるとともに、上記した2つの実施形態と同様、厨房台53の予め定められた側面側に偏った位置で、排水口50Bの直下とならない位置に設けられている。厨房台53のワークトップ51上にあらゆる水栓設備が存在していない点は上記実施形態と同様である。
この実施形態の場合、双方の垂下本体2の直下となる位置は、シンク底面50Aの中央位置でもよいが、第一実施形態及び第二実施形態と同様、シンク50の利用者の立ち位置となるであろう厨房台53の予め定められた側面側に偏ったシンク底面50A内の位置とすることで、使い勝手が増す。
また、この実施形態の場合、水はね防止の観点から、垂下本体2は、その直下にシンクの排水口50Bが位置しないよう配置するとよいことも、第一実施形態及び第二実施形態と同様である。ここでは、図22及び図23に示すように、第一実施形態の吐水ノズル37と第二実施形態の吐水ノズル97との直下の領域の間に設けられている(つまりシンク長手方向における中央位置)。
また、この実施形態の場合、水栓装置10Aと水栓装置10Bとの双方の垂下本体2,2の外径を同一にし、さらにはその材質、表面処理も同一にして、双方を同じ筒状部材として見せることで、厨房設備全体の統一感が一層増す。また、水栓装置10Aと水栓装置10Bとの双方の垂下本体2,2の下端高さ(吐水部の下端位置)を一致させておくことで、厨房設備全体の統一感が一層増す。
なお、水栓装置10Aと水栓装置10Bとをそれぞれ1以上設ける構成としてもよく、例えば水栓装置10Aを1つ、水栓装置10Bを複数設けてもよい。また、水栓装置10Bを設けず、水栓装置10Aのみを複数設けてもよい。逆に、水栓装置10Aを設けず、水栓装置10Bのみを複数設けてもよい。
また、水栓装置10Aと水栓装置10Bとの双方を設ける場合、作業性の観点から、それらのうちいずれか一方の吐水部5を着脱式とし、他方の吐水部5を固定式としてもよい。例えば上記第一実施形態のように吐水部5が着脱式の水栓装置10A(図7〜図9)と、上記第二実施形態のように吐水部5が固定式の水栓装置10B(図20又は図37)とを組み合わせて配置してもよいし、水栓装置10Aの吐水部5を固定式としたもの(図36)と、水栓装置10Bの吐水部5を着脱式のもの(図38〜図40)とを組み合わせて配置してよい。
(変形例)
上記三種の実施形態は、それぞれ共通の変形例を考えることができる。以下、その変形例について説明する。
(変形例1)
上記した実施形態においては、水栓操作部49が厨房台53の側面53Aに取り付けられているが、水栓操作部49の設置位置は他の位置に他の形態で設置することができる。水栓操作部49は、既に述べたようにワークトップ51の上面に、上記実施形態と同様の回転操作部をなす調節ハンドル41及び42を設けてもよい(図26)。また、水栓操作部49は、回転操作部ではなく上下に昇降操作するレバーであってもよい(図28)。また、水栓操作部49は、手で操作する調節ハンドル41及び42ではなく脚で操作する調節ペダル(フットペダル)43を厨房台53の側面53Aの下端部に設けてもよい(図26)。
また、符号12,46,47等の管路に設けることができるバルブ機構81は、図25に示すように、水栓操作部49の操作に伴いその操作力F1が伝達される形で弁体81Mが駆動するメカニカルな機構を有するものとできる。この場合、バルブ機構81は、厨房台53に近い位置にあるほど機構がシンプルで安定的に動作するものとなるので、上記実施形態のように厨房台53の内部を通る管路12,46,47に設けたり(図2、図15)、厨房台が設置される床部58の内部を通る管路12,46,47に設けたり(図25、図26、図28)、厨房台53の側面側の壁面に接触ないし近接して配置されるような場合には、その接触する壁部57の内部を通る管路12,46,47に設けることができる(図27)。
また、バルブ機構81は、弁体を駆動する弁体駆動部(例えば電磁弁等のアクチュエータ)81Aと、水栓操作部49の操作に伴いその操作量を検出する操作量検出部81Bと、検出された操作量に応じて弁体駆動部81Aを駆動する駆動制御部81Cと、有した構成としてもよい。調節ハンドル41及び42のような回転操作部であれば、その回転操作量を操作量検出部81Bをなす回転角度センサにより検出し、検出された回転操作量に基づいて弁体駆動部81Aを駆動制御することで、回転操作量に応じた管路12,46,47の開度調整(水量調整)を実施できる。また、操作量検出部81Bとして操作回数を検出する操作数検出部を設ける場合には、操作回数と管路12,46,47の開度との関係を予め定めておき、検出された操作回数に対応して開度が決定され、これに従い弁体駆動部81Aを駆動制御するようにしてもよい。操作数検出部81Bとしては、周知のタッチセンサ81B1を用いてタッチ回数を操作数として検出してもよいし(図29、図30)、赤外線等を用いる周知の人感センサ81を用いて検知回数を操作数として検出してもよい(図31、図32)。操作量検出部81Bは、吐水部5又は垂下本体2の下端部に設けることで、利用者にとって操作が容易となる。弁体駆動部81A、操作量検出部81B、駆動制御部81Cとはそれぞれ有線方式で接続されていてもよいし、図32のように無線方式で接続されていてもよい。有線方式の場合は、垂下本体2内や、天井52・壁部57・床部58内に配線を引き回すことができるから、配線が外部に露出して、厨房設備全体のデザイン性を損なうこともない。
弁体駆動部を有線又は無線で信号制御する上記の構成の場合、弁体駆動部の位置は、管路12,46,47上の任意の位置に設けることができる。また、垂下本体2内の給水ホース4に設けることも可能である(図30〜図32)。この場合、弁体駆動部から吐水部5までの距離が長いと、弁体駆動制御に対し吐水される水量変化の応答性が悪化する可能性があるので、できる限り吐水部5に近い部分に設けられるとよい。望ましくは、吐水部5や給水ホース4の下端部に設けられることが望ましいが、天井部52内に位置する垂下本体2の上端部内に存在する給水ホース4や管路12に設けられてもよい。巻き取り装置80を備える場合には、巻き取り装置80よりも吐水部5側ではなくその逆側の管路12に設けてもよい(図29)。
(変形例2)
上記した実施形態において、水栓装置10の取り付けは、天井部52に対し固定的になされているが、これを水平方向及び/又は上下方向に往復移動可能とし、シンク50内における垂下本体2の直下位置及び又は高さ位置を変更可能としてもよい。ただし、これらの移動はあくまで垂下本体2が天井側から垂下する状態を保ち、垂下本体2が傾斜しないことが前提となる。
具体的には、図33〜図35に示すように、垂下本体2を所定方向に往復移動させるための駆動部85(851,852,853:例えばモータやエアシリンダ等のアクチュエータ)と、垂下本体2を移動するための操作がなされる操作部45(451,452,453)と、その操作に応じて駆動部85を駆動する制御部86(861,862,863)と、を有して構成される。この操作部45は水栓操作部49の1つとして他の操作部49と近接して設置することができる。
垂下本体2を水平方向に移動する場合、その移動可能範囲は、垂下本体2の直下位置がシンク50(図33〜図35は天井裏を真下に見た図であり、の破線50は直下にあるシンク50の外形線を投影した線)内に制限されることが望ましいので、この場合、垂下本体2が移動可能範囲を外れて移動することを規制するための移動規制手段を設ける必要がある。例えば図33及び図34の場合は、垂下本体2の移動可能範囲に対応して天井部52(天井部材54)に開口52Hが形成されており、その開口内周面が移動規制手段として機能している。なお、図33は、垂下本体2が直線方向に往復移動する実施例であり、図34は、垂下本体2が円弧状に往復旋回移動する実施例であり、それぞれの移動範囲に応じた開口52H1、52H2が形成されている。図35は、垂下本体2が上下に往復移動する実施例である。図33及び図35は、内外の筒状部(12,64)又は(2,855)がそれぞれの端部で螺合しており、これら筒状部(12,64)又は(2,855)と駆動部をなすモータ85とでねじ式の直線送り機構が形成されている。駆動部85の回転に連動して一方の筒状部が回転するに伴い垂下本体2が上下に移動する。図34は、駆動部85をなすモータの回転に連動して垂下本体2が旋回する。符号854はギア等からなる減速機構である。
なお、本発明の主要部は、天井から垂下する形態を有し、その下端からと水される水栓装置である。シンク周りに水栓の吐水部が存在していないことがデザイン上は望ましいものの、シンク周りに吐水部が設けられることを排除するものではない。
10 水栓装置
2 垂下本体
3 空洞部
4 給水ホース
5 吐水部
37 吐水ノズル
97 フランジ状吐水盤部
12 供給管路(供水元)
25 弾性係合部
49 水栓操作部

Claims (4)

  1. 厨房設備の上方空間において天井部に固定され、その固定状態のまま前記厨房設備のシンクに対応する領域に向かって直線的に垂下する形で配置され、かつ天井部から前記シンクに対応する領域に向かって直線的に垂下する外観を有するとともに、天井部の裏側領域に設けられた給水配管と接続される筒状の垂下本体と、
    その垂下本体の先端に形成されて下向きに吐出する吐水部とを含み、
    その垂下本体の吐水部と厨房設備のシンクの底面との間には所定の間隔が保たれ、かつ厨房台の上面のシンク側には少なくとも水栓用吐水部と水栓操作部の双方が存在せず、前記水栓操作部を前記厨房台の側面に有する、又は足で操作する操作部として備えることを特徴とする厨房設備の水栓装置。
  2. 前記垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端部に形成されたノズル着脱口と、そのノズル着脱口に着脱可能に保持される吐水ノズルと、その吐水ノズルを給水源につなげるとともに、筒状の前記垂下本体の内部空間に挿通されて、前記吐水ノズルが利用者により前記ノズル着脱口から引き出される際に前記垂下本体の内部空間を下方へ移動し、前記吐水ノズルが前記ノズル着脱口に保持される際は、上方への戻し方向へ移動するホース部材と、を含む請求項1記載の厨房設備の水栓装置。
  3. 前記垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端部に形成されたノズル固定口と、そのノズル固定口に着脱不能に固定される吐水ノズルと、その吐水ノズルを給水源につなげるとともに、筒状の前記垂下本体の内部空間に挿通されるホース部材と、を含む請求項1記載の厨房設備の水栓装置。
  4. 前記垂下本体の吐水部は、その垂下本体の下端に位置する前記吐水ノズルとしてその垂下本体の軸線を中心として同心的に側方へ張り出すようにフランジ状に形成されたフランジ状吐水盤部を備え、そのフランジ状吐水盤部には複数の吐水孔が形成されている請求項2又は請求項3に記載の厨房設備の水栓装置。
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