JP5612965B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Description
まず第1の従来技術として、計算結果(量子化誤差)を記憶するメモリを画像処理部の中に実装する手法がある。図14(a)は、第1の従来技術を適用した画像処理装置の全体構成例を示すブロック図である。図14(a)は、画像入力部から入力されたデジタル画像データに対し、画像処理部で誤差拡散処理を行って画像出力部へ出力する構成を示している。同図において誤差拡散処理部は、量子化誤差を記憶するための遅延メモリを内部に実装している。したがって、回路規模が増大してしまう。
このような回路規模の増大を避けるために、第2の従来技術として、量子化誤差を記憶するメモリを画像処理部の外に配置する手法がある。図14(b)は、第2の従来技術を適用した画像処理装置の全体構成例を示すブロックである。図14(b)によれば、画像処理部内の誤差拡散処理部には量子化誤差を記憶する遅延メモリを実装せず、中央処理装置部内のRAMに、量子化誤差を記憶するための誤差バッファを設けている。したがって第2の従来技術によれば、上記第1の従来技術を用いた場合のように遅延メモリ分の回路規模の増大は無い。しかしながらその代わりに、誤差拡散処理を行う際に、誤差拡散処理部が中央処理装置部内のRAMに含まれる誤差バッファにアクセスする必要があり、そのためのメモリ帯域が必要となる。
処理対象バンド領域を、バンド領域が並ぶ方向である短辺方向に走査して注目画素を決定する走査手段と、
前記注目画素に対し、予め定められた近傍領域内で既に処理済みの画素についての演算結果を参照した演算を行う画像処理手段と、
前記処理対象のバンド領域における、直前に処理されたバンド領域に接する端を上端、次に処理されるバンド領域に接する端を下端とし、前記画像処理手段の外部に設けられ、前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素についての前記画像処理手段による演算結果を記憶するための外部記憶手段と、を有し、
前記画像処理手段は、
前記処理対象バンド領域内における、前記注目画素に対する前記近傍領域の画素についての演算結果を記憶する内部記憶手段と、
前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を、前記外部記憶手段にバースト転送するために一時的に保持する第1の保持手段と、
前記処理対象バンド領域の直前に処理されたバンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を前記外部記憶手段からバースト転送して一時的に保持する第2の保持手段と、を有し、
前記内部記憶手段は、前記バンド領域の前記短辺方向の画素数と前記近傍領域における長辺方向の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶する容量であり、
前記第1の保持手段および前記第2の保持手段は前記バースト転送における1回の前記バースト転送によって転送されるデータサイズ分の容量であることを特徴とする。
●バンド処理
家庭用プリンタのように安価に提供しなければならない機器では、ハードウェアのコストを抑えるため、1枚のデジタル画像データ全体を記憶できるだけの容量のメモリを実装できない場合が多い。そのため、1枚のデジタル画像データを複数の短冊状のバンド領域に分割し、逐次的にバンド領域のみをメモリ(以下バンドメモリと称する)に展開して各種の画像処理を施す、いわゆるバンド処理が一般的に行われている。
以下、本実施形態の画像処理装置の構成例について、図2(a)を用いて説明する。図2(a)において、画像入力部200はスキャナやデジタルカメラ等の入力デバイスであり、画像処理部210にデジタル画像データを入力する。画像処理部210は、入力補正処理や各種フィルタ処理等を行う部分(不図示)と、誤差拡散処理を行う誤差拡散処理部212とで構成される。さらに誤差拡散処理部212は、上記量子化誤差を記憶するための遅延メモリ214と、上記バースト転送時に利用される転送用バッファ216、217を内部に実装する。画像処理部210は上述した各種画像処理を行い、誤差拡散処理部212の処理結果である例えば2値データを、画像出力部220に送る。画像出力部220は、例えばインクジェットヘッド等の印刷出力部を備えて構成され、画像処理部210から入力された2値データを基に用紙上に画像を記録する。
まず、本実施形態における誤差拡散処理及び遅延メモリ214へのアクセスについて、図3(b)のフローチャートと、図4、図5、図6を用いて説明する。図6は、図2(a)中の誤差拡散処理部212の詳細な構成例と、誤差バッファ238との関係を示す図である。また図5は、図1(a)中のバンド領域120において、注目画素eを処理する様子を示す図である。図5において点線で囲んだ領域510は、注目画素eを処理するために必要な量子化誤差の参照画素と注目画素の位置を示しており、図4(c)に示すa、b、c、d、eに対応している。
式(1)から分かるように本実施形態においては、続く画素を処理するために必要な演算結果を記憶する遅延メモリ620として最低限必要となる容量(以下、遅延メモリ容量と称する)は、バンド領域の高さに依存する。本実施形態ではバンドの分割数は任意であるため、1ページの高さが同じである場合、分割数を多くすればバンド領域の高さは非常に小さくなり、遅延メモリ容量を大幅に削減することができる。
次に、転送用バッファおよび誤差バッファへのアクセスについて、図3(a)のフローチャートを用いて説明する。ここでは、図1(a)中のバンド領域120を処理する場合を例とする。
なお、誤差バッファ容量も、誤差拡散処理に用いられるフィルタ形状によって変動する。例えば、フィルタ形状が上記図9(a)に示す形状であった場合について考える。図9(a)において、*で示す注目画素を処理する際に参照される画素のうち、その位置が注目画素よりも上にあるものはb、gで示す1ライン上の画素と、fで示す2ライン上の画素である。したがって誤差バッファ容量としては、一つ前に処理したバンド領域の下端ラインと、その1ライン上の、合計2ライン分の画素の量子化誤差を記憶可能とする。すなわち、誤差バッファ容量としては、誤差拡散のフィルタ形状(図4(c)に示す近傍領域)において、注目画素よりも前に処理される、バンド領域の長辺方向のライン数と、バンド領域の長辺方向分の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶できれば良い。
以下、本発明に係る第2実施形態について説明する。上述した第1実施形態では、画像処理部において誤差拡散処理を行う例を示したが、第2実施形態では、画像処理部において予測符号化処理を行う例を示す。
以下、第2実施形態における予測符号化処理として、平面予測(2次元予測)を行う場合について、参照データのアクセス方法について説明する。
以下、第2実施形態の画像処理装置の構成例について、図2(b)を用いて説明する。図2(b)において、上述した第1実施形態に示した図2(a)と同様の構成には同一番号を付し、説明を省略する。すなわち図2(b)においては、図2(a)の誤差拡散処理部212に代えて予測符号化処理部213を設け、さらに図2(a)の誤差バッファ238に代えて復号値バッファ239を備えることを特徴とする。すなわち、予測符号化処理部213は画像データに対して予測符号化処理を行い、その内部に遅延メモリ214、転送用バッファ216を実装する。また、中央処理装置部230中のRAM236に復号値バッファ239を備える。
まず、図7(b)のフローチャートと、図4、図5、図8を用いて、第2実施形態における予測符号化処理及び遅延メモリ214へのアクセスについて説明する。図8は、図2(b)中の予測符号化処理部213の詳細な構成例と、復号値バッファ239との関係を示す図である。また図5は、図1(a)中のバンド領域120において、注目画素eを処理する様子を示す図である。図5において点線で囲んだ領域510は、注目画素eを処理するために必要な局部復号値を演算結果として有する参照画素の位置を示しており、図4(c)に示すa、b、c、d、eに対応している。
次に、図7(a)のフローチャートを用いて、転送用バッファおよび復号値バッファへのアクセスについて説明する。ここでも上述した第1実施形態と同様に、図1(a)中のバンド領域120を処理する場合を例とする。
なお、予測値を計算するために参照する画素の位置によって、復号値バッファ容量は変動する。
以下、本発明に係る第3実施形態について説明する。上述した第1および第2実施形態では、図1(b)に示す片方向走査によるバンド処理を行う例を示したが、第3実施形態では、これを双方向走査にて行う例を示す。
第3実施形態においては、図1(c)の矢印190で示すように、バンド内を双方向走査することによって誤差拡散処理を行う場合を例として説明する。なお、第3実施形態における画像処理装置の構成は上述した第1実施形態に示す図2(a)および図6と同様であるため、説明を省略する。
次に、転送用バッファおよび誤差バッファへのアクセスについて、図13のフローチャートと図12を用いて説明する。なお、図5がバンド領域内の下方向走査の様子を示すのに対し、図12は上方向走査の様子を示している。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
Claims (12)
- 画像データを一定方向に分割して得られた複数のバンド領域に対し、該バンド領域毎に逐次的に画像処理を行う画像処理装置であって、
処理対象バンド領域を、バンド領域が並ぶ方向である短辺方向に走査して注目画素を決定する走査手段と、
前記注目画素に対し、予め定められた近傍領域内で既に処理済みの画素についての演算結果を参照した演算を行う画像処理手段と、
前記処理対象のバンド領域における、直前に処理されたバンド領域に接する端を上端、次に処理されるバンド領域に接する端を下端とし、前記画像処理手段の外部に設けられ、前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素についての前記画像処理手段による演算結果を記憶するための外部記憶手段と、を有し、
前記画像処理手段は、
前記処理対象バンド領域内における、前記注目画素に対する前記近傍領域の画素についての演算結果を記憶する内部記憶手段と、
前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を、前記外部記憶手段にバースト転送するために一時的に保持する第1の保持手段と、
前記処理対象バンド領域の直前に処理されたバンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を前記外部記憶手段からバースト転送して一時的に保持する第2の保持手段と、を有し、
前記内部記憶手段は、前記バンド領域の前記短辺方向の画素数と前記近傍領域における長辺方向の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶する容量であり、
前記第1の保持手段および前記第2の保持手段は前記バースト転送における1回の前記バースト転送によって転送されるデータサイズ分の容量であることを特徴とする画像処理装置。 - 前記画像処理手段は、前記注目画素が、前記処理対象バンド領域における、直前に処理されたバンド領域と隣接する上端に位置する画素である場合、前記第2の保持手段に前記外部記憶手段からバースト転送された画素についての演算結果と、前記内部記憶手段に記憶された画素についての演算結果を用いて、該注目画素に対する演算を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
- 前記画像処理手段は、前記注目画素が、前記処理対象バンド領域における前記下端に位置する画素である場合、前記内部記憶手段に記憶された画素についての演算結果を用いて該注目画素に対する画像処理を行い、該注目画素に対する演算結果を、前記第1の保持手段に書きこみ、
前記第2の保持手段は、該注目画素に対する演算結果が書き込まれたことにより前記所定の画素数の画素分の演算結果が書き込まれた場合、保持する所定の画素数の画素についての演算結果を前記外部記憶手段にバースト転送することを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。 - 前記外部記憶手段は、前記近傍領域において前記注目画素よりも前に処理される、該バンド領域の長辺方向のライン数と、該バンド領域の長辺方向分の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶可能な容量を、少なくとも有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
- 前記第1の保持手段および前記第2の保持手段は、同一のメモリによって構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
- 前記画像処理手段は前記注目画素に対して誤差拡散処理を行い、
前記内部記憶手段および前記外部記憶手段には、前記画像処理手段による演算結果として画素ごとの量子化誤差が記憶されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記画像処理手段は前記注目画素に対して予測符号化処理を行い、
前記内部記憶手段および前記外部記憶手段には、前記画像処理手段による演算結果として画素ごとの復号値が記憶されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記走査手段は、前記バンド領域の短辺方向に双方向走査を行って注目画素を決定し、
前記画像処理手段は、前記バンド領域の前記短辺方向の下端への走査を行う場合には、前記外部記憶手段に対する前記バースト転送を行い、前記バンド領域の前記端辺方向の上端への走査を行う場合には、前記第1の保持手段から前記外部記憶手段に対する前記バースト転送を行わないことを特徴とする請求項1乃至3、5乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。 - 前記外部記憶手段は、前記近傍領域におけるバンドの短辺方向の画素数と、該バンド領域の長辺方向の2分の1の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶する容量であることを特徴とする請求項8に記載の画像処理装置。
- 画像処理手段の内部に、内部記憶手段と、該画像処理手段の外部に設けられた外部記憶手段へのバースト転送時に利用される第1の保持手段と、前記外部記憶手段からのバースト転送時に利用される第2の保持手段と、を有する画像処理装置において、画像データを一定方向に分割して得られた複数のバンド領域に対し、該バンド領域毎に逐次的に画像処理を行う画像処理方法であって、
処理対象バンド領域を、バンド領域が並ぶ方向である短辺方向に走査して注目画素を決定する走査ステップと、
前記注目画素に対し、予め定められた近傍領域内で既に処理済みの画素についての演算結果を参照した演算を行い、該注目画素に対する演算結果を前記内部記憶手段に記憶する画像処理ステップと、を有し、
前記画像処理ステップにおいては、
前記処理対象のバンド領域における、直前に処理されたバンド領域に接する端を上端、次に処理されるバンド領域に接する端を下端とし、
前記注目画素が、前記バンド領域における下端に位置する画素である場合に、前記内部記憶手段に記憶された画素についての演算結果を用いて該注目画素に対する演算を行い、該注目画素に対する演算結果を、前記第1の保持手段に格納し、当該第1の保持手段に保持された画素数が所定数になった場合に前記外部記憶手段にバースト転送する第1の境界処理ステップと、
前記注目画素が、前記バンド領域における上端に位置する画素である場合であって、前記第2の保持手段に直前のバンド領域の下端の画素の画像処理結果が存在しない場合には、前記外部記憶手段から所定数の画素の演算結果を前記第2の保持手段にバースト転送する処理を行い、前記第2の保持手段に格納された演算結果と、前記内部記憶手段に記憶された画素についての演算結果を用いて、該注目画素に対する演算を行う第2の境界処理ステップとを含み、
前記内部記憶手段は、前記バンド領域の前記短辺方向の画素数と前記近傍領域における長辺方向の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶する容量であり、
前記第1の保持手段および前記第2の保持手段は前記バースト転送における1回の前記バースト転送によって転送されるデータサイズ分の容量であることを特徴とする画像処理方法。 - 画像処理装置が備えるコンピュータに、請求項10に記載の画像処理方法の各ステップを実行させるためのプログラム。
- 画像データを一定方向に分割して得られた複数のバンド領域に対し、該バンド領域毎に逐次的に画像処理を行う画像処理装置であって、
処理対象バンド領域を、バンド領域が並ぶ方向である短辺方向に走査して注目画素を決定する走査手段と、
前記注目画素に対し、予め定められた近傍領域内で既に処理済みの画素についての演算結果を参照した演算を行う画像処理手段と、
前記処理対象のバンド領域における、直前に処理されたバンド領域に接する端を上端、次に処理されるバンド領域に接する端を下端と定義し、前記画像処理手段の外部に設けられ、前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素についての前記画像処理手段による演算結果を記憶するための外部記憶手段と、を有し、
前記画像処理手段は、
前記処理対象バンド領域内における、前記注目画素に対する前記近傍領域の画素についての演算結果を記憶する内部記憶手段と、
前記処理対象バンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を、前記外部記憶手段にバースト転送するために一時的に保持する第1の保持手段と、
前記処理対象バンド領域の直前に処理されたバンド領域における下端に位置する画素のうち所定の画素数の画素についての演算結果を前記外部記憶手段からバースト転送して一時的に保持する第2の保持手段と、を有し、
前記内部記憶手段は、前記バンド領域の短辺方向の画素数と前記近傍領域における長辺方向の画素数とを乗じた画素数分の演算結果を記憶する容量であり、
前記第1の保持手段による前記外部記憶手段へのバースト転送する回数、および前記第2の保持手段による前記外部記憶手段からバースト転送する回数は、前記バンド領域の短辺方向の画素数によって調整されることを特徴とする画像処理装置。
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