JP5612921B2 - 情報記録媒体用ガラス基板及び情報記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気ディスク等の情報記録媒体用ガラス基板及びこれを用いた情報記録媒体に関し、更に詳しくは、アルミノシリケートガラスからなる情報記録媒体用ガラス基板及びこれを用いた情報記録媒体に関する。
磁気、光、光磁気等の性質を利用した記録層を有する情報記録媒体のなかで、代表的なものとして磁気ディスクがある。磁気ディスク用基板として、従来はアルミニウム基板が広く用いられていた。しかし、近年、記録密度向上のための磁気ヘッド浮上量の低減の要請等に伴い、アルミニウム基板よりも表面の平滑性に優れ、しかも表面欠陥を減少させることができるガラス基板を用いる割合が増えてきている。中でも、イオン交換による化学強化処理を施すことで基板を強化することができるアルミノシリケートガラスからなるガラス基板は、高い耐衝撃性や耐振動性を有することから、好ましく用いられている。
このような情報記録媒体用ガラス基板において、表面欠陥を抑えて高密度記録に対応させるためには、ガラスの溶融過程で発生した気泡を、ガラス基板内にできるだけ残存させないことが必要である。従来は、ガラス成分中に、清澄剤としてAsやSbを含有させることにより、溶融ガラス中の気泡を除去(清澄)する方法が一般的であった(例えば、特許文献1参照)。
しかし、AsやSbは毒性を有するため、環境上及び健康上の観点から、これらの使用を制限する動きが広がりつつある。そのため、清澄剤としてAsやSbを使用することなく、溶融ガラス中の気泡を除去する方法が検討され、溶融ガラスを減圧して気泡を除去する方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
特開平8−321034号公報 特開2000−128549号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法によれば、複雑なプロセスと特殊な減圧脱泡装置が必要となるばかりでなく、減圧に伴うガラス成分の揮発によって、ガラス成分の変動が起こりやすいという問題があった。
本発明は上記のような技術的課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、As(ヒ素)及びSb(アンチモン)のいずれの元素も含有せず、十分に気泡が除去された情報記録媒体用ガラス基板を提供すること、及び、これを用いた情報記録媒体を提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.ガラス成分全体に対して、
60〜75質量%のSiOと、
5〜18質量%のAlと、
3〜10質量%のLiOと、
3〜15質量%のNaOと、
0.5〜8質量%のZrOと、を含有するアルミノシリケートガラスからなる、レーザーによる加工をされることなく記録層が形成されて情報記録媒体となる情報記録媒体用ガラス基板において、
As(ヒ素)及びSb(アンチモン)のいずれの元素も含有せず、
Sn(スズ)、V(バナジウム)、Mn(マンガン)、Ce(セリウム)、Ni(ニッケル)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブテン)、Ta(タンタル)、Bi(ビスマス)またはSn及びCe(セリウム)を多価元素として含有し、
前記多価元素の総量の、前記Alに対するモル比率(前記多価元素の総量/Al)が、0.02〜0.20の範囲であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
但し、ZrO、TiO、La,Nb ,HfOを合計で0.1〜5質量%含む情報記録媒体用ガラス基板を除く
2.前記多価元素を、それぞれ下記の酸化物に換算した場合の含有量の合計は、ガラス成分全体に対して、1質量%以下であることを特徴とする前記1に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
但し、SnはSnOに、CeはCeOに、VはV に、MnはMnO に、NiはNi に、NbはNb に、MoはMoO に、TaはTa に、BiはBi に、それぞれ換算する。
3.前記多価元素は、酸化物、水酸化物又は炭酸塩からなる清澄剤として添加されたものであることを特徴とする前記1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
4.ZrOの含有率が、6.7質量%以上であることを特徴とする前記1から3のうちいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
5.イオン交換による化学強化処理が施されていることを特徴とする前記1から4のうちいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
6.前記1から5のうちいずれか1項に記載された情報記録媒体用ガラス基板の上に、記録層を有していることを特徴とする情報記録媒体。
本発明によれば、ガラス中で酸化物からなる清澄剤として働く所定の多価元素を、ガラス成分中のAlに対するモル比率が所定の範囲となるように含有させているため、当該多価元素の価数変化による清澄反応を効果的に働かせることができる。従って、As(ヒ素)及びSb(アンチモン)のいずれの元素も含有させることなく、十分に気泡が除去された情報記録媒体用ガラス基板を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(情報記録媒体用ガラス基板)
本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、ガラス成分全体に対して、60〜75質量%のSiOと、5〜18質量%のAlと、3〜10質量%のLiOと、3〜15質量%のNaOと、0.5〜8質量%のZrOと、を含有するアルミノシリケートガラスからなる。そのため、イオン交換による化学強化処理を施すことが可能であり、高い耐衝撃性や耐振動性を確保することができる。各成分を上記範囲に限定した理由は、以下の通りである。
SiOは、ガラスの網目構造を形成する重要な成分であり、化学的耐久性にも寄与するところが大きい。SiOの含有量が60質量%より少ないと化学的耐久性が悪化する恐れがある。逆に75質量%を超えると溶融温度が高くなりすぎてしまう。そのためSiOの含有量は60〜75質量%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは60〜71質量%の範囲である。
Alは、SiOと共に網目構造を形成する重要な成分であり、化学的耐久性を向上させるだけではなく、イオン交換性能を向上させる働きを有している。Alの含有量が5質量%より少ないと、化学的耐久性やイオン交換性能が低下する恐れがある。逆に18質量%を超えると、耐失透性が悪化してしまう。このためAlの含有量は5〜18質量%の範囲とすることが必要である。その中でも好ましくは9〜14質量%の範囲である。
LiOは、イオン交換による化学強化処理を施すために必要な成分である。化学強化処理においては、ガラス中のLiイオンが、化学強化処理液中のNaイオンやKイオンとイオン交換されることによってガラス基板が強化される。LiOの含有量が3質量%より少ないと、このイオン交換性能が低下する。逆に10質量%を超えると、耐失透性や化学的耐久性が悪化してしまう。そのため、LiOの含有量は3〜10質量%とすることが必要である。その中でも好ましくは4〜6質量%の範囲である。
NaOは、イオン交換による化学強化処理を施すために必要な成分である。化学強化処理においては、ガラス中のNaイオンが、化学強化処理液中のKイオンとイオン交換されることによってガラス基板が強化される。NaOの含有量が3質量%より少ないと、このイオン交換性能が低下すると共に、耐失透性が悪化する。逆に15質量%を超えると、化学的耐久性が低下してしまう。そのためNaOの含有量は3〜15質量%とすることが必要である。その中でも好ましくは6〜10質量%の範囲である。
ZrOは、化学的耐久性を向上させるために必要な成分である。ZrOの含有量が0.5質量%より少ないと、化学的耐久性が悪化する。逆に8質量%を超えると、耐失透性が悪化してしまう。そのためZrOの含有量は0.5〜8質量%とすることが必要である。その中でも好ましくは6.7〜8質量%の範囲である。
As及びSbは、いずれも含有しない。ここで、含有しないとは、ガラスの原材料として意識的に含有させたものを排除する意味であって、他の成分の原料に不純物として含まれることによって不可避的に含有してしまう程度の微量であれば許容される。
本発明者による検討の結果、上記の各成分を有するガラス基板において、ガラス中で酸化物からなる清澄剤として働く所定の多価元素を、ガラス成分中のAlに対するモル比率が所定の範囲となるように含有させることにより、As(ヒ素)及びSb(アンチモン)のいずれの元素も含有させることなく、ガラス中の気泡を十分に除去することができることが明らかになった。即ち、本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、Sn(スズ)、またはSn(スズ)及びCe(セリウム)を多価元素として含有している。これらの多価元素の総量の、ガラス成分中のAlに対するモル比率(上記多価元素の総量/Al)は、0.02〜0.20の範囲である。
このように、所定の多価元素を、ガラス成分中のAlに対するモル比率が所定の範囲となるように含有させることにより、ガラス中の気泡を十分に除去することができる理由については、おおむね以下のように考えられる。
通常、ガラス中で酸化物の形態をとる清澄剤は、次の2つの働きによって溶融ガラス中の気泡の除去(清澄)に寄与している。
(a)1つ目は、溶融ガラスの温度を上げていく過程で、溶融ガラス中にガスを放出する働きである。溶融ガラス中の気泡は、その浮揚力で上昇し、溶融ガラスの表面に到達すると破れて消滅する。ここで、溶融ガラス中を気泡が上昇する速度は、気泡の大きさに大きく依存し、大きな気泡は上昇速度が速いために比較的容易に表面に到達するが、小さな気泡は上昇速度が遅く、表面に到達するまでには非常に長い時間が必要になる。溶融ガラスの温度を上げていく過程で清澄剤からガスが放出されると、それによって溶融ガラス中の気泡が大きく成長し、気泡の上昇速度が速くなるため、気泡の消滅が促進される。
例えば、多価元素としてCeを含有する場合、高温になることによって、下記の(式1)の反応が右に進み、溶融ガラス中にOガスが放出される。放出されたOガスによって、溶融ガラス中の気泡は大きく成長し、溶融ガラスの表面で消滅する。
Figure 0005612921
(b)2つ目は、溶融ガラスの温度を下げていく過程で、溶融ガラス中のガスを吸収する働きである。例えば、多価元素としてCeを含有する場合、温度を下げていく過程で、(式1)の反応が左に進む。そのため、溶融ガラス中のOガスが吸収され、気泡は収縮し、消滅する。
このように、溶融ガラス中の気泡を十分に除去するためには、酸化物からなる清澄剤として働く多価元素の価数変化によるガスの放出と吸収が、効果的に行われる必要がある。本発明者は、溶融ガラス中における多価元素の価数変化について鋭意検討を行ったところ、酸化物からなる清澄剤として働く多価元素の価数変化の反応は、溶融ガラス中に共存する他の金属イオン、特にAlイオンの酸化還元反応の影響を大きく受けることを突き止めた。そして更に検討を進めた結果、所定のガラス成分を有するアルミノシリケートガラスにおいては、上記多価元素の総量の、Alに対するモル比率(上記多価元素の総量/Al)が、0.02〜0.20の範囲である場合に、当該多価元素の価数変化による清澄反応が非常に効果的に働くことを見いだしたのである。
多価元素には、Sn(スズ)、またはSn(スズ)及びCe(セリウム)のいずれかを用いる。
上記多価元素の総量の、Alに対するモル比率(上記多価元素の総量/Al)が、所定の範囲を外れると、価数変化による清澄反応が不十分となり、溶融ガラス中の気泡を十分に除去することが困難になる。そのため、Alに対するモル比率は、0.02〜0.20の範囲であることが必要であり、0.05〜0.15の範囲であることがより好ましい。
更に、耐失透性を低下させることなく、清澄の効果を十分に発揮させるという観点からは、上記多価元素を、それぞれ下記の酸化物に換算した場合の含有量の合計は、ガラス成分全体に対して、1質量%以下であることが好ましい。但し、SnはSnOに、CeはCeOに、それぞれ換算する。
なお、これらの多価元素は、溶融ガラス中では酸化物からなる清澄剤として機能するものであるが、用いる原料は酸化物の形態に限定されるものではなく、金属単体、水酸化物、硫酸塩、炭酸塩等、公知の形態の原料の中から適宜選択して用いればよい。中でも、取り扱いが容易であるという観点からは、酸化物、水酸化物又は炭酸塩からなる清澄剤として添加することがより好ましい。
また、ガラス基板の形状に特に制限はないが、中心孔を有する円盤状の基板が一般的である。ガラス基板の大きさや厚みに特に制限はない。例えば、外径は2.5インチ、1.8インチ、1インチ、0.8インチなど、厚みは、1mm、0.64mm、0.4mmなどが挙げられる。
(情報記録媒体用ガラス基板の製造方法)
上述のように、本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、所定の清澄剤の働きによって十分に気泡を除去することができるため、製造のために複雑なプロセスや特殊な装置を必要とせず、公知の一般的な製造方法によって製造することができる。
通常は、情報記録媒体用ガラス基板の基になるブランク材を作製した後、内外周加工、研削・研磨加工、化学強化処理、洗浄などの工程を経て製造するのが一般的である。ブランク材の作製は、溶融ガラスをプレス成形して作製する方法や、シート状のガラスを切断して作製する方法が知られている。内外周加工は、中心孔の穿孔加工、内外周の形状や寸法精度確保のための研削加工、内外周の研磨加工等を行う工程である。研削・研磨加工は、記録層が形成される面の平坦度、表面粗さを満足させるための研削加工、研磨加工を行う工程である。通常は、粗研削加工、精研削加工、1次研磨加工、2次研磨加工といったようにいくつかの段階に分けて行われる場合が多い。化学強化処理は、化学強化処理液にガラス基板を浸漬することでガラス基板を強化する工程である。また、洗浄は、ガラス基板の表面に残った研磨剤や化学強化処理液等の異物を除去する工程である。
特に、本発明の情報記録媒体用ガラス基板は、所定のガラス成分を含有するアルミノシリケートガラスからなるため、化学強化処理を施すことにより、高い耐衝撃性や耐振動性を確保することができる。化学強化処理は、加熱された化学強化処理液にガラス基板を浸漬することによってガラス基板の成分であるリチウムイオン、ナトリウムイオンをこれらのイオンよりイオン半径の大きなナトリウムイオン、カリウムイオン等と置換するイオン交換法によって行われる。イオン半径の違いによって生じる歪みより、イオン交換された領域に圧縮応力が発生し、ガラス基板の表面が強化される。
化学強化処理液としては、ナトリウムイオンやカリウムイオンを含む溶融塩を用いることが一般的である。例えば、ナトリウムやカリウムの硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩や、これらの混合溶融塩が挙げられる。中でも、融点が低く、ガラス基板の変形を防止できるという観点から、硝酸ナトリウム(NaNO)と硝酸カリウム(KNO)の混合溶融塩を用いることが好ましい。
(情報記録媒体)
上述の情報記録媒体用ガラス基板に、少なくとも記録層を形成することで情報記録媒体を製造することができる。記録層は特に限定されず、磁気、光、光磁気等の性質を利用した種々の記録層を用いることができるが、特に磁性層を記録層として用いた情報記録媒体(磁気ディスク)の製造に好適である。
磁性層に用いる磁性材料としては、特に制限はなく公知の材料を適宜選択して用いることができるが、高い保持力を得るため、結晶異方性の高いCoを主成分とするCo系合金などが好適である。具体的には、CoPt、CoCr、CoNi、CoNiCr、CoCrTa、CoPtCr、CoNiPt、CoNiCrPt、CoNiCrTa、CoCrPtTa、CoCrPtSiOなどが挙げられる。また、磁性層を非磁性材料(例えば、Cr、CrMo、CrVなど)で分割してノイズの低減を図った多層構成(例えば、CoPtCr/CrMo/CoPtCr、CoCrPtTa/CrMo/CoCrPtTaなど)としてもよい。
磁性層として、上記のCo系材料の他、フェライト系や鉄−希土類系の材料や、SiO、BNなどからなる非磁性膜中にFe、Co、CoFe、CoNiPt等の磁性粒子が分散された構造のグラニュラーなどを用いることもできる。磁性層は、面内型及び垂直型の何れの記録形式であってもよい。
磁性層の形成方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、磁性粒子を分散させた熱硬化性樹脂を、情報記録媒体用ガラス基板にスピンコートする方法や、スパッタリングによる方法、無電解メッキによる方法が挙げられる。磁性層の薄膜化、高密度化の観点からは、スパッタリングによる方法や無電解メッキによる方法が好ましい。
磁気ディスクには、更に必要により下地層を設けてもよい。下地層の材料としては、例えば、Cr、Mo、Ta、Ti、W、V、B、Al、Niなどの非磁性金属が挙げられる。磁性層がCoを主成分とする場合には、磁気特性向上等の観点から、下地層の材料はCr単体やCr合金であることが好ましい。また、下地層は単層とは限らず、同一又は異種の材料からなる層を積層した複数層構造としても構わない。例えば、Cr/Cr、Cr/CrMo、Cr/CrV、NiAl/Cr、NiAl/CrMo、NiAl/CrV等が挙げられる。
また、磁性層の表面に、磁性層の摩耗や腐食を防止するための保護層を設けてもよい。保護層としては、例えば、Cr層、Cr合金層、カーボン層、水素化カーボン層、ZrO層、SiO層などが挙げられる。保護層は、単層でもよいし、同一又は異種の層からなる多層構成でもよい。これらの保護層は、下地層、磁性層などと共に、インライン型スパッタ装置で連続して形成することも可能である。また、Cr層の上にSiO層を積層した保護膜を形成する場合、テトラアルコキシランをアルコール系の溶媒で希釈してコロイダルシリカ微粒子を分散させた溶液を、Cr層の上に塗布し、さらに焼成することでSiO層を形成してもよい。
また、磁性層や保護層の表面に、磁気ヘッドの滑りをよくするための潤滑層を設けてもよい。潤滑層としては、例えば、パーフロロポリエーテル(PFPE)等からなる液体潤滑剤を塗布し、必要に応じ加熱処理を行ったものなどが挙げられる。
以下、本発明の効果を確認するために行った実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
下記の表1〜表10に示すガラス成分となるように原料を調合した。清澄剤として、V(表1)、MnO(表2)、SnO(表3)、CeO(表4)、Ni(表5)、Nb(表6)、MoO(表7)、Ta(表8)、Bi(表9)、及び、CeOとSnOの混合物(表10)をそれぞれ用いた。なお、いずれの場合も、AsとSbは含有させなかった。
Figure 0005612921
Figure 0005612921
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それぞれの原料を、900℃〜1300℃に加熱された溶融槽に投入し、溶融、清澄、撹拌均質化した後、溶融ガラスをプレス成形してブランク材を作製した。その後、内外周加工、研削・研磨加工を経て、外径65mm、内径20mm、厚み0.635mmのガラス基板とした。
作製したガラス基板のそれぞれについて、残留する気泡の数の評価、及び溶融時の失透性の評価を行った。残留する気泡の数の評価は、ガラス基板の全面を対象とし、50倍の光学顕微鏡を用いて、ガラス基板1枚あたりの気泡の数を測定することにより行った。失透性の評価は、ガラスの溶融粘性がlogη=2.5となる温度をTlogη=2.5(℃)、液相温度をT(℃)としたときの両者の差ΔT(℃)(ΔT=Tlogη=2.5−T)の数値で判断することにより行い、150℃≦ΔTの場合を最も良好(◎)、50℃≦ΔT<150℃の場合を良好(○)、ΔT<50℃の場合を問題有り(×)とした。ここで液相温度Tは、1550℃で2時間溶融保持後、温度勾配炉内で勾配を持たせて10時間保持し急冷した後、ガラスの表面及び内部に失透物の発生が確認された温度である。また、Tlogη=2.5は、撹拌式粘性測定機を用いて溶融したガラスの粘性を測定したときのlogη=2.5となる温度である。各評価結果を表1〜表10に併せて示す。
測定の評価結果より、ガラス中で酸化物からなる清澄剤として働く多価元素を、ガラス成分中のAlとのモル比率が所定の範囲となるように含有している本発明の実施例は、比較例と比べて残留する気泡の数が顕著に少なく、十分に気泡が除去された情報記録媒体用ガラス基板を得ることができることが確認された。また、多価元素の含有量の合計がガラス成分全体に対して1質量%以下である場合には、失透性が最も良好であることが確認された。

Claims (6)

  1. ガラス成分全体に対して、
    60〜75質量%のSiOと、
    5〜18質量%のAlと、
    3〜10質量%のLiOと、
    3〜15質量%のNaOと、
    0.5〜8質量%のZrOと、を含有するアルミノシリケートガラスからなる、レーザーによる加工をされることなく記録層が形成されて情報記録媒体となる情報記録媒体用ガラス基板において、
    As(ヒ素)及びSb(アンチモン)のいずれの元素も含有せず、
    Sn(スズ)、V(バナジウム)、Mn(マンガン)、Ce(セリウム)、Ni(ニッケル)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブテン)、Ta(タンタル)、Bi(ビスマス)またはSn及びCe(セリウム)を多価元素として含有し、
    前記多価元素の総量の、前記Alに対するモル比率(前記多価元素の総量/Al)が、0.02〜0.20の範囲であることを特徴とする情報記録媒体用ガラス基板。
    但し、ZrO、TiO、La,Nb ,HfOを合計で0.1〜5質量%含む情報記録媒体用ガラス基板を除く。
  2. 前記多価元素を、それぞれ下記の酸化物に換算した場合の含有量の合計は、ガラス成分全体に対して、1質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
    但し、SnはSnOに、CeはCeOに、VはV に、MnはMnO に、NiはNi に、NbはNb に、MoはMoO に、TaはTa に、BiはBi に、それぞれ換算する。
  3. 前記多価元素は、酸化物、水酸化物又は炭酸塩からなる清澄剤として添加されたものであることを特徴とする請求項1または2に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  4. ZrOの含有率が、6.7質量%以上であることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  5. イオン交換による化学強化処理が施されていることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1項に記載の情報記録媒体用ガラス基板。
  6. 請求項1から5のうちいずれか1項に記載された情報記録媒体用ガラス基板の上に、記録層を有していることを特徴とする情報記録媒体。
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