JP2837134B2 - 情報記録用基板および情報記録媒体 - Google Patents
情報記録用基板および情報記録媒体Info
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- Magnetic Record Carriers (AREA)
- Surface Treatment Of Glass (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
らなる情報記録用基板およびこれを用いた情報記録媒体
に関する。
開昭62−187140号公報には、重量%で64〜7
0%のSiO2、14〜20%のAl2O3、4〜6%の
Li2O、7〜10%のNa2O、0〜4%のMgO、0
〜1.5%のZrO2を含有するガラスが開示されてい
る。
%のSiO2、16.8%のAl2O3、12.7%のN
a2O、3.6%のK2O、3.7%のMgO、0.2%
のCaO、および0.8%のTiO2を含有する市販の
化学強化用ガラスが知られている。
細書には、重量%で59〜63%のSiO2、10〜1
3%のNa2O、4〜5.5%のLi2O、15〜23%
のAl2O3、2〜5%のZrO2を含有し、かつNa2O
/ZrO2の重量比が2.2〜5.5であるの化学強化
用ガラスが開示されている。
ン交換処理することにより、ガラス中のアルカリ金属イ
オン(例えばLiイオン)がイオン交換処理浴中の、よ
り大きなイオン半径のアルカリ金属イオン(例えばNa
イオンおよびKイオン)とイオン交換されて化学強化ガ
ラスが得られる。
は、例えば時計カバーに用いられるが、最近では磁気デ
ィスク基板、光ディスク基板、光磁気ディスク基板など
の情報記録用基板への応用も試みられている。
用ガラスをイオン交換処理した場合、イオン交換速度が
遅く、十分な深さのイオン交換層(圧縮応力層とも呼ば
れる)が得られにくく、抗折強度に劣る。またヌープ硬
さも低いため、破壊に対する強度が十分に大きいとはい
えない。
どの情報記録用基板に応用する場合、化学強化用ガラス
の研摩、円盤加工などの工程で製造者が防ぐことのでき
ない疵が生じやすい。そしてこのような疵を有する化学
強化用ガラスをイオン交換処理しても、イオン交換によ
りガラス表面に形成された圧縮応用層が浅く、抗折強度
が低いため、イオン交換後に得られる化学強化ガラスが
衝撃などにより破壊しやすくなる。したがってこのよう
な破壊を引き起こさない情報記録用基板を得るために
は、イオン交換によりガラス表面に形成される圧縮応力
層を深くし、抗折強度を高める必要があるが、上記従来
の化学強化用ガラスから得られた化学強化ガラスは、圧
縮応力層が浅く、抗折強度が低いために情報記録用基板
として用いるには不十分である。
たイオン交換性能を有する化学強化用ガラスをイオン交
換することにより得られる、深い圧縮応力層、およびこ
れに基づく高い抗折強度、そして高いヌープ硬さを有す
る化学強化ガラスを用いて、耐破壊性に優れた情報記録
用基板を提供することにある。
目的を達成する情報記録用基板を用いて情報記録媒体を
提供することにある。
る本発明の情報記録用基板は、重量%で、62〜75%
のSiO2、5〜15%のAl2O3、4〜10%のLi2
O、4〜12%のNa2O、および5.5〜15%のZ
rO2を含有し、かつNa2O/ZrO2の重量比が0.
5〜2.0、Al2O3/ZrO2の重量比が0.4〜
2.5である化学強化用ガラスを、Naイオンおよび/
またはKイオンを含有する処理浴でイオン交換処理して
得られた化学強化ガラスからなることを特徴とする。
情報記録媒体は、上記情報記録用基板を用いたことを特
徴とする。
ラスをNaイオンおよび/またはKイオンを含有する処
理浴でイオン交換処理して得られた化学強化ガラスから
なる。イオン交換処理前の化学強化用ガラスの組成は前
述のとおりであるが、その組成の限定理由は次の通りで
ある。
分であり、62%未満であると化学的耐久性が悪化し、
75%を越えると溶融温度が高くなり過ぎる。従ってS
iO2の割合は、62〜75%に限定される。特に好ま
しくは63〜71%である。
を向上させるため含有させるが、5%未満であるとこの
効果が低下するともに化学的耐久性が悪化し、15%を
越えると耐失透性が悪化する。従ってAl2O3の割合
は、5〜15%に限定される。特に好ましくは7〜14
%である。
理浴中の主としてNaイオンとイオン交換されることに
より、ガラスを化学強化するための必須成分であるが、
4%未満ではこのイオン交換性能が低下し、10%を超
えると耐失透性と化学的耐久性が共に悪化する。従って
Li2Oの割合は、4〜10%に限定される。特に好ま
しくは4〜7%である。
理浴中のKイオンとイオン交換されることにより、ガラ
スを化学強化するための必須成分であるが、4%未満で
は耐失透性が劣化し、12%を超えると化学的耐久性が
劣化すると共にヌープ硬さが小さくなる。従ってNa2
Oの割合は、4〜12%に限定される。特に好ましくは
6〜11%である。
がある上に、化学的耐久性を良化するために5.5%以
上必要であるが、15%を超えると溶融炉の底部に未溶
解物として沈殿する傾向が強くなる。従ってZrO2の
割合は、5.5〜15%に限定される。特に好ましくは
6〜12%である。ZrO2が多いとガラスの耐失透性
が通常は低下するものであるが、ZrO2が5.5〜1
5%と比較的に多量であるにも拘らず、本発明の情報記
録用基板の製造に用いる化学強化用ガラスは耐失透性に
優れていることは特筆すべきことである。
学強化用ガラスにおいては、Na2O/ZrO2の重量比
およびAl2O3/ZrO2の重量比も所定の範囲に限定
される。すなわち、Na2O/ZrO2の重量比は、ヌー
プ硬さを高くし、優れた強度を得るために2.0以下に
する必要があるが、0.5未満であると耐失透性が悪化
するため、0.5〜2.0に限定される。特に好ましい
Na2O/ZrO2の重量比は0.7〜1.8である。
れた耐失透性とイオン交換性能を維持し、安定かつ高強
度のガラスを得るために、0.4〜2.5に限定され
る。特に好ましいAl2O3/ZrO2の重量比は、0.
6〜2.0である。その理由は、0.4未満であると、
ガラスが不安定になり、一方2.5を超えると、圧縮応
力層が薄くなり抗折強度が低下するだけでなく、ヌープ
硬さも低下するからである。
学強化用ガラスは、以上の成分の他に、本発明の特性を
損わない範囲で、MgO、ZnO、TiO2及びLa2O
3や、清澄剤として通常使用されるAs2O3、Sb
2O3、F及びCl等を含有することができる。
学強化用ガラスは、その組成が上述した範囲に入るよう
に、調合したガラス原料を1500〜1600℃で5〜
8時間加熱溶融し、この溶融ガラスを型に鋳込み成形し
徐冷することによって得られる。
ン交換性能を有し、イオン交換によって得られた化学強
化ガラスに深い圧縮応力層、およびこれに基づく高い抗
折強度、そして高いヌープ硬さを付与できる。
板は、上記の化学強化用ガラスをイオン交換処理して得
た化学強化ガラスからなるものである。イオン交換処理
は、Naイオンおよび/またはKイオンを含有する処理
浴を用いて行なわれ、化学強化用ガラスから化学強化ガ
ラスが得られる。Naイオンおよび/またはKイオンを
含有する処理浴としては、硝酸ナトリウムおよび/また
は硝酸カリウムを含有する処理浴を用いるのが好ましい
が、硝酸塩に限定されるものではなく、硫酸塩、重硫酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩、ハロゲン化物を用いても良い。
処理浴がNaイオンを含む場合には、このNaイオンが
ガラス中のLiイオンとイオン交換し、また処理浴がK
イオンを含む場合には、このKイオンがガラス中のNa
イオンとイオン交換し、さらに処理浴がNaイオンおよ
びKイオンを含む場合には、これらNaイオンおよびK
イオンが、ガラス中のLiイオンおよびNaイオンとそ
れぞれイオン交換する。このイオン交換により、ガラス
表層部のアルカリ金属イオンが、より大きなイオン半径
のアルカリ金属イオンに置き換わり、ガラス表層部に圧
縮応力層が形成されてガラスが化学強化される。上述の
ように本発明で用いる化学強化用ガラスは、優れたイオ
ン交換性能を有するので、イオン交換によって形成され
た圧縮応力層は深く、抗折強度が高いので、得られた化
学強化ガラスは優れた耐破壊性を有する。従ってこの化
学強化ガラスからなる本発明の情報記録用基板も優れた
耐破壊性を有する。
限定されないが、例えば上述の化学強化用ガラスをディ
スク状などの情報記録用基板の形状に加工後、化学強化
して化学強化ガラスとすることにより得るのが好まし
い。情報記録用基板の種類としては、磁気ディスク基
板、光ディスク基板、光磁気ディスク基板などが挙げら
れる。
須な薄層を設けることにより本発明の情報記録媒体が得
られる。このような必須な薄層としては磁性層が挙げら
れるが、下地層、保護層、潤滑層を設けてもよいことは
もちろんである。
用基板の製造に用いる化学強化用ガラスおよび化学強化
ガラスの製造例である。
塩、硝酸塩、水酸化物等を使用し、溶解徐冷後において
表1および表2のガラス組成になるように、各原料を実
施例毎に秤量した後、得られた原料混合物の約1.5kg
を1リットルの白金るつぼに入れて1500〜1600
℃で5〜8時間加熱してガラス融液とし、撹拌して脱泡
及び均質化を行なった後、直径3〜5mm、長さ60mmの
ロッドを引き上げ法により成形し、化学強化用ガラスを
得た。これらのロッドを、385〜405℃に保ったK
NO360%とNaNO340%の混塩の処理浴中に4時
間浸漬して、ガラス表層部のLiイオンおよびNaイオ
ンを、前記処理浴中のNaイオンおよびKイオンとそれ
ぞれイオン交換させ、化学強化した。この様にして実施
例1〜6の6種類の化学強化ガラスを得た。
ラスのヌープ硬さおよび化学強化ガラスの圧縮応力層の
深さ、抗折強度、液相温度、耐酸性および耐水性を測定
した。
格JOGIS−09に基づき測定した。なお強化後のガ
ラスでは、圧縮応力層の存在により、ヌープ硬さの測定
が困難であり、又、強化前後でヌープ硬さは比例関係を
有するので、強化前のガラスでヌープ硬さを測定した。
ッドから0.4mmの薄片を切り出し、偏光顕微鏡を使用
して測定した。
した。
測定規格JOGIS−06に基づき測定した。
示す。
ラスは、ヌープ硬さが640〜680と高く、これをイ
オン交換処理して得られる化学強化ガラスはさらに高い
ヌープ硬さを有することが判明した。また、本実施例1
〜6の化学強化ガラスは、イオン交換度が高く、圧縮応
力層が200〜260μmと深く、抗折強度が82〜9
8kgf/mm2と高いために、深いクラックに対しても十分
に強いことが判明した。なお、本実施例1〜6の結果か
ら、Al2O3/ZrO2の重量比が小さい程、圧縮応力
層が深く、イオン交換性能が増す傾向にある。
温度が900〜1150℃(実施例1,2では失透が認
められなかった)であるので、大量生産するに十分な耐
失透性を有することが判明した。
02〜0.07%及び0.01〜0.04%と、好まし
い値を示した。
は、特開昭62−187140号公報の実施例1の化学
強化用ガラスであり、比較例2及び3は、前記従来技術
の市販化学強化用ガラスである。これらのガラスについ
て実施例1〜6と同様にして化学強化ガラスの製造、物
性測定評価を行なった(ただし、比較例3は、化学強化
の際、440℃に保ったKNO3100%の塩の処理浴
で16時間浸漬して、ガラス表層部のNaイオンを、前
記処理液中のKイオンとイオン交換させた)。結果を表
2に示す。
施例1〜6のガラスに比べ、ヌープ硬さがそれぞれ57
0,480,480と著しく劣るものであり、強度は小
さかった。また、圧縮応力層も、それぞれ140μm、
45μm、95μmと薄く、イオン交換性能に劣り、ガラ
ス表面に傷つけられた深いクラックに対して弱いことが
判明した。
られた化学強化用ガラスを用いる情報記録用基板の製造
例である。
ガラスについて、磁気ディスク基板の形状(外径130
mmφ、中心部の穴径40mmφ、厚さ1.9mmの円盤状)
に成形し、その後、前述の実施例1〜6で述べた方法で
化学強化して化学強化ガラスからなる磁気ディスク基板
を得た。
して、35,000rpmで基板を回転させても破壊しな
かった。この基板上に膜を付けたディスクでも、35,
000rpmの回転では破壊しなかった。
た情報記録用基板を用いる情報記録媒体の製造例であ
る。
で、内径(穴径)が40mmで、厚さが1.9mmの実施例
7で得られた磁気ディスク用基板1の表面上に、マグネ
トロンスパッタリング法により、Crからなる下地層2
(膜厚2000オングストローム)とCoNiCr合金
からなる強磁性の磁性薄膜3(膜厚:700オングスト
ローム)と炭素(C)からなる保護膜4(膜厚:400
オングストローム)を順次積層し、保護膜付基体5を得
た。
に潤滑剤(例えばモンテジソン社製AM2001)を滴
下し、スピンコート法により潤滑層を被着し、磁気記録
媒体を得た。
く、Cr下地層の剥離もなく、磁気記録媒体として優れ
たものだった。
用基板は、優れたイオン交換性能を有する化学強化用ガ
ラスを、イオン交換することにより得られた、深い圧縮
応力層、およびこれに基づく高い抗折強度、そして高い
ヌープ硬さを有する化学強化ガラスからなるので、耐破
壊性に優れている。またこの情報記録用基板を用いて得
られる本発明の情報記録媒体も耐破壊性に優れている。
式図。
Claims (3)
- 【請求項1】 重量%で、62〜75%のSiO2、5
〜15%のAl2O3、4〜10%のLi2O、4〜12
%のNa2O、および5.5〜15%のZrO2を含有
し、かつNa2O/ZrO2の重量比が0.5〜2.0で
あり、さらにAl2O3/ZrO2の重量比が0.4〜
2.5である化学強化用ガラスを、Naイオンおよび/
またはKイオンを含有する処理浴でイオン交換処理して
得られた化学強化ガラスからなることを特徴とする情報
記録用基板。 - 【請求項2】 化学強化用ガラスが情報記録用基板の形
状を有することを特徴とする請求項1に記載の情報記録
用基板。 - 【請求項3】 請求項1または2記載の情報記録用基板
を用いたことを特徴とする情報記録媒体。
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