[第1実施形態]
本発明の一実施形態を図1〜図14を参照して説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の面光源装置1は、導光板2、反射シート3、プリズムシート4、拡散シート5、及び一対の入射光発生源6a,6bを備える。
導光板2は、その外観形状が方形板状のものであり、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の透光性の材質からなる。この導光板2の四辺の側面のうちの、互いに平行に対向する一対の側面2a,2bが、それぞれ入射光発生源6a,6bから導光板2の内部に光を入射させるための光入射面とされ、各光入射面2a,2bのそれぞれに対面するようにして入射光発生源6a,6bが配置される。
なお、以降の説明では、便宜上、図1に示すように3軸直交座標系(XYZ座標系)を想定し、導光板2の厚み方向をZ軸方向、光入射面2a,2bに垂直な方向をX軸方向、光入射面2a,2bの長手方向をY軸方向ということがある。
各入射光発生源6a,6bは、図3に示す如く、複数の点状光源としてのLED(発光ダイオード)7を各光入射面2a,2bの長手方向に等間隔で配列させてなるLED群により構成されたものであり、各LED7毎に各別に、又は、互いに隣合う所定数のLED7の組毎に各別に、図示しないLED駆動回路を介して、点灯及び消灯と点灯時の発光輝度とを制御することが可能となっている。これにより、各入射光発生源6a,6bは、それぞれが対面する光入射面2a,2bの長手方向での発光輝度の分布を制御することが可能となっている。
例えば、入射光発生源6aを構成するLED群のうち、該入射光発生源6aに対面する光入射面2aの1つ又は複数の特定の局所領域(光入射面2aの長手方向の全長に比して短い長さの領域)に対向する1つ又は複数のLED7だけを点灯させたり、各局所領域に対向するLED7の点灯時の発光輝度を各局所領域毎に各別に制御することが可能である。入射光発生源6bについても同様である。
導光板2の厚み方向(Z軸方向)の両面のうちの第1の面2s1(図1では上面)は、導光板2から面状の照明光を出射させる出射面とされており、この出射面2s1には、プリズム状の複数の凸条部8(出射面側凸条部)が形成されている。この出射面2s1に形成された複数の凸条部8は、それぞれX軸方向に延在し、且つY軸方向に並列している。この場合、X軸方向で見た各凸条部8の形状(各凸条部8の横断面形状)は、三角形状(もしくはこれに近似する形状)に形成されている。
より詳しくは、本実施形態では、X軸方向で見た各凸条部8の形状は、例えば図4に示すように、頂部に丸みを持たせた二等辺三角形状に形成されている。このため、各凸条部8の両側壁面8a,8bは、該凸条部8の幅(Y軸方向の幅)が頂部側から裾側に向かって末広がりとなるように傾斜した傾斜面となっている。換言すれば、各凸条部8の両側壁面8a,8bは、それぞれの法線ベクトルのY軸方向成分が、逆向きとなる傾斜面となっている。そして、各凸条部8の両側壁面8a,8b(傾斜面)の傾斜角度(Z軸に垂直な平面に対する鋭角側の傾斜角度)は互いに同一となっている。
ここで、図1及び図2では、図示の便宜上、各凸条部8のサイズを導光板2に対して大きめに記載しているが、実際には、各凸条部8のサイズは微小である。具体的な一例(後述する実施例の面光源装置1)としては、Y軸方向で隣合う凸条部8,8のピッチP1は、例えば50μmであり、各凸条部8の高さH1は、例えば14.90μmである。また、両側壁面8a,8bの間の角度は、例えば100°である。ピッチP1は、10〜70μmの範囲、高さH1は1〜40μmの範囲、両側壁8a,8bの間の角度は、80〜130°範囲で設定することが好ましい。
補足すると、図4では、凸条部8が、Y軸方向に連続的に(間断なく)並んでいるが、Y軸方向で隣合う凸条部8,8の間の箇所に平坦面(Z軸方向に垂直な平坦面)が形成されていてもよい。
導光板2の厚み方向(Z軸方向)の両面のうちの第2の面2s2(図1では下面)は、図5(a)に示すように、複数条の平坦面部9と複数条の溝部11(反射面側溝部)とを混在させて形成した面となっている。以下、この面2s2をハイブリッドパターン形成面2s2という。なお、図1及び図2では、ハイブリッドパターン形成面2s2の上記平坦面部9及び溝11の図示を省略している。
このハイブリッドパターン形成面2s2には、図5及び図6(a),(b)に示すように、X軸方向に延在する複数条の平坦面部9がY軸方向に並列して形成されている。さらに詳細には、本実施形態では、ハイブリッドパターン形成面2s2には、図6(b)に示すように、X軸方向に延在する複数(平坦面部9と同数)の凸条部10がY軸方向に並列して形成されている。そして、その各凸条部10の頂面が、平坦な部分としての平坦面部9となっている。
これらの平坦面部9(凸条部10の頂面)は、Z軸方向に垂直な同一平面上に存在するように設けられている。また、各凸条部10(ひいては各平坦面部9)は、導光板2のX軸方向の全長にわたって連続的に延在している。
さらに、各凸条部10は、そのY軸方向の幅(各凸条部10の両側壁面の間の間隔)が、X軸方向で変化するように形成されている。より詳しくは、導光板2のX軸方向の全長の中央位置Xc(一対の光入射面2a,2bから等距離となる位置。以降、導光板2のX軸方向中央位置Xcということがある)で各凸条部10のY軸方向の幅が最小となると共に、そのX軸方向中央位置Xcから、各光入射面2a,2bに近づくに伴い、各凸条部10のY軸方向の幅、ひいては、各平坦面部9のY軸方向の幅が大きくなっていくように、各凸条部10の側壁面の形状(Z軸方向で見た形状)が形成されている。
この場合、本実施形態では、各凸条部10(ひいては、各平坦面部9)は、該凸条部10のY軸方向の幅の中央の位置でY軸方向に垂直な面と、導光板2のX軸方向中央位置XcでX軸方向に垂直な面とに対して、それぞれ面対称の形状とされている。
また、本実施形態では、各平坦面部9のY軸方向の幅は、各光入射面2a,2bとX軸方向中央位置との間で、X軸方向の位置に対して、曲線状に変化するものとなっている。但し、各平坦面部9のY軸方向の幅が、各光入射面2a,2bとX軸方向中央位置Xcとの間で、X軸方向の位置に対して直線状に変化するように、各凸条部10の側壁面の形状が形成されていてもよい。
ここで、凸条部10又は平坦面部9に関する具体的なサイズについて補足すると、図5では、図示の便宜上、平坦面部9のY軸方向の幅(凸条部10の幅)を、導光板2の大きさに比して大きめに記載している。実際には、各平坦面部9のY軸方向の最大幅(X軸方向の両端の幅)は、例えば50〜200μmの範囲の幅に設定され、最小幅(X軸方向中央位置Xcでの幅)は、例えば0〜50μmの範囲の幅に設定される。また、隣合う平坦面部9,9の間のピッチ(X軸方向の間隔)は、例えば50〜200μmの範囲で一定もしくはほぼ一定に設定される。また、各凸条部10(ひいては、各平坦面部9)の形状及び大きさは、いずれの凸条部10でも同一もしくはほぼ同一とされている。
ハイブリッドパターン形成面2s2のうちの平坦面部9が形成された領域以外の箇所、すなわち、Y軸方向で隣合う凸条部10,10の間の凹み箇所と、Y軸方向で最も端に位置する凸条部10の側方箇所とに、Y軸方向に延在する複数条の溝部11がX軸方向に並列して形成されている。
各溝部11は、図6(a),(b)に示す如く、その横断面形状(Y軸方向で見た形状)が、三角形状もしくはこれに近似する形状(例えば角部に丸みを持たせた三角形状)の溝部である。従って、各溝部11のX軸方向の両側壁面11a,11bは、Y軸方向に平行で、且つ、該溝部11のX軸方向の幅が開口端側から底部に向かって狭くなるように傾斜した傾斜面11a,11bとなっている。換言すれば、各溝部11の両側壁面11a,11bは、それぞれの法線ベクトルのX軸方向成分が互いに逆向きとなるように傾斜した傾斜面11a,11bとなっている。
なお、本実施形態では、図6(a)に示されるように、X軸方向で隣合う溝部11,11の開口端は、X軸方向に若干離れており、隣合う溝部11,11の開口端の間の箇所は、平坦面部9と平行な平坦面(平坦面部9から凹んだ平坦面)となっている。但し、溝部11の開口端がX軸方向に連続的に連なるように溝部11を形成して、隣合う溝部11,11の開口端の間に平坦面が存在しないようにしてもよい。
ここで、各溝部11に関する具体的なサイズについて補足すると、図5では、図示の便宜上、各溝部11のX軸方向の幅を、導光板2の大きさに比して大きめに記載している。実際には、各溝部11のX軸方向の幅は、例えば20〜100μmの範囲で、互いに同一もしくはほぼ同一の幅に設定される。また、X軸方向で隣合う溝部11,11の間のピッチP2(X軸方向の間隔。図6(b)を参照)は、例えば50〜200μmの範囲で、一定もしくはほぼ一定のピッチに設定される。
また、各溝部11の深さZ1(各溝部11の開口端と底部との間のZ軸方向の間隔。図6(b)を参照)は、例えば6〜8μmの範囲で、互いに同一もしくはほぼ同一の深さに設定される。この溝部11の深さZ1は、導光板2の厚さtとの関係で言えば、該厚さtに対するZ1の比率Z1/tは、例えば0.8〜1.2%の範囲内の比率に設定される。該比率Z1/tは、0.1〜10%、より好適には、0.5〜2%の範囲内で設定しておくことが望ましい。なお、本実施形態では、導光板2の厚さ(平均的な厚さ)は例えば0.7mmとされている。
また、平坦面部9のY軸方向の幅が、前記したようにX軸方向で変化するように設定されているので、ハイブリッドパターン形成面2s2において、Y軸方向の長さが導光板2の長さと同じで、且つ、X軸方向の長さが導光板2のX軸方向の全長に比して微小な所定長である方形状領域を想定した場合、その方形状領域内における溝部11の形成領域(平坦面部9を除いた領域。以下、傾斜面形成領域という)の面積は、各光入射面2a,2bの位置で最小となり、各光入射面2a,2bから前記X軸方向中央位置Xcに近づくに伴い、該面積は増加していく。なお、ここでの「面積」は、XY平面に投影して見た面積である。
ここで、以降の説明では、上記方形状領域のX軸方向の長さが例えば0.5mmであるとし、この方形状領域内の上記傾斜面形成領域の面積の、所定の単位面積に対する比率を、傾斜面形成領域の面積比Rとして定義する。そして、上記所定の単位面積を、便宜上、例えばハイブリッドパターン形成面2s2の総面積(XY平面に投影して見た総面積)の1/2の面積とする。
このように面積比Rを定義した場合、本実施形態の導光板2における該面積比Rは、例えば、光入射面2a,2bの位置において0.07%、X軸方向中央位置Xcにおいて、0.78%に設定される。面積比Rは、光入射面2a,2bの位置での面積比が0.01〜0.1%の範囲内の値、X軸方向中央位置Xcでの面積比が0.05〜1%の範囲内の値となるように設定しておくことが望ましい。この場合、面積比Rは、平坦面部9のY軸方向の幅の、X軸方向での変化パターンに依存するので、該変化パターンの設定によって、光入射面2a,2bの位置と、X軸方向中央位置Xcとにおける面積比Rを上記の如く設定することができる。
また、本実施形態では、平坦面部9と、溝部11の開口端と間にはZ軸方向に間隔Z2(図6(b)を参照)を有する。この間隔Z2は、換言すれば、平坦面部9と、溝部11の開口端と間に段差を形成する凸条部10の両側壁面の高さである。そして、この間隔Z2(以降、壁高さZ2ということがある)は、例えば1〜3μmの範囲内の間隔に設定される。壁高さZ2は、7μmよりも小さい値、好適には、5μmよりも小さい値に設定することが望ましい。
なお、図6(a),(b)に示した例では、ハイブリッドパターン形成面2s2に凸条部10を形成して、平坦面部9と溝部11の開口端との間に、凸条部10の側壁により形成される段差を設けるようにした。但し、例えば図7に示す如く、平坦面部9と溝部11の開口端とが同一平面上に位置するように(換言すれば、Z2=0となるように)、これらの平坦面部9及び溝部11をハイブリッドパターン形成面2s2に形成するようにしてもよい。また、この場合においても、X軸方向で隣合う溝部11,11の開口端の間の平坦面は無くし、溝部11がX軸方向に間断なく並ぶようにしてもよい。
各溝部11の両側壁面である傾斜面11a,11bの傾斜角度に関しては、導光板2のX軸方向中央位置Xcよりも光入射面2a寄りの各溝部11については、互いに同一もしくはほぼ同一とされ、X軸方向中央位置Xcよりも光入射面2b寄りの各溝部11についても、互いに同一もしくはほぼ同一とされている。そして、導光板2のX軸方向中央位置Xcよりも光入射面2a側の溝部11と、該X軸方向中央位置Xcよりも光入射面2b側の溝部11とについては、X軸方向中央位置XcでX軸方向に直交する面に対して面対称の関係となるように、光入射面2a側の溝部11と、光入射面2b側の溝部11とが形成されている。
従って、光入射面2a側の溝部11の傾斜面11a,11bのうちの光入射面2aにより近い側の傾斜面11aの傾斜角度(Z軸に垂直な面に対する傾斜角度)と、光入射面2b側の溝部11の傾斜面11a,11bのうちの光入射面2bにより近い側の傾斜面11bの傾斜角度(Z軸に垂直な面に対する傾斜角度)とが同一もしくはほぼ同一とされる。その傾斜角度は、例えば1〜30°の範囲の角度に設定される。
同様に、光入射面2a側の溝部11の傾斜面11a,11bのうちの光入射面2bにより近い側の傾斜面11bの傾斜角度と、光入射面2b側の溝部11の傾斜面11a,11bのうちの光入射面2aにより近い側の傾斜面11aの傾斜角度とが同一もしくはほぼ同一とされる。その傾斜角度は、例えば1〜60°の範囲の角度に設定される。
各溝部11の傾斜面11a,11bのそれぞれの傾斜角度(Z軸に垂直な面に対する鋭角側の傾斜角度)は、互いに同一であってもよい。この場合には、各溝部11の横断面形状は、いずれの溝部11についても二等辺三角状の形状となる。
なお、導光板2の出射面2s1及びハイブリッドパターン形成面2s2の形状パターンは、それぞれに対応する成型面を有するスタンパ等の型を使用して導光板2の基体部と一体に成形される。
図1に戻って、前記反射シート3は、導光板2に入射された光のうち、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2から出射する光を反射する(導光板2の内部に戻す)ためのシートであり、図2に示すように、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2を覆うようにして、該ハイブリッドパターン形成面2s2に重合される。該反射シート3の材質は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)である。
前記プリズムシート4は、導光板2の出射面2s1から出射する光の進行方向を、導光板2の正面方向(Z軸方向)に近づけるためのシートであり、図2に示すように、導光板2の出射面2s1を覆うようにして該出射面2s1に重合される。
このプリズムシート4の厚み方向の両面のうち、導光板2の出射面2s1に重合される面(図1では下面)は、平坦面となっている。一方、プリズムシート4の導光板2と反対側の面(図1では上面)には、三角柱形状(又はこれに近似する形状)の複数条のプリズム機能部12が形成されている。これらのプリズム機能部12は、それぞれ、導光板2の出射面2s1の凸条部8の延在方向と同方向、すなわち、X軸方向に延在し、Y軸方向に並列している。
なお、プリズムシート4の材質は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)にアクリリル樹脂を積層したものである。また、X軸方向で見たプリズムシート4の各プリズム機能部12の形状(各プリズム機能部10の横断面形状)は、X軸方向で見た導光板2の凸条部8の形状と概ね同様の三角形形状(もしくはこれに近い形状)であり、隣合うプリズム機能部10,10の間のピッチは、18〜50μm程度、各プリズム機能部10の高さは7〜30μm程度、各プリズム機能部10の両側壁面の間の角度は、80〜100°程度である。
補足すると、導光板2の出射面2s1にプリズムシート4が密着してしまうのを回避するために、導光板2の凸条部8の高さH1にばらつきをもたせたり、プリズムシート4の導光板2側の面4s2にマット処理を施すようにしてもよい。あるいは、導光板2とプリズムシート4との間に、密着防止シート、例えば低ヘイズ拡散シートを介在させるようにしてもよい。また、導光板2の隣合う凸条部8,8の間のピッチP1と、プリズムシート4の隣合うプリズム機能部12,12の間のピッチとは、導光板2とプリズムシート4との間の干渉を回避するために、互いに異なるピッチに設定しておくことが好ましい。
前記拡散シート5は、導光板2からプリズムシート4を通って出射する光を拡散させるためのシートであり、図2に示すように、プリズムシート4のプリズム機能部12が形成された面を覆うようにして、該面に重合される。該拡散シート5の材質は、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)である。
以上が、本実施形態の面光源装置1の主要な構成要素であり、図2に示すように、反射シート3、導光板2、プリズムシート4、拡散シート5を、この順番で導光板2の厚み方向(Z軸方向)に並べるように相互に重ね合わせ、また、導光板2の一対の光入射面2a,2bに入射光発生源6a,6bをそれぞれ対面させて配置することにより、面光源装置1の基本構造部が構成される。なお、この基本構造部は、図示しない筐体枠に組付けられ、該基本構造部の各要素が相互に固定される。
次に、本実施形態の面光源装置1の作動について説明する。
本実施形態では、入射光発生源6a,6bのそれぞれについて、互いに隣合う所定数のLED7の組毎に、各組のLED7の発光の駆動制御(点灯及び消灯の制御、並びに、点灯時の発光輝度の制御)が行なわれる。なお、各組のLED7の個数は、各入射光発生源6a,6bのLED7の全個数に比して十分に少ない個数である。
このとき、点灯させた各組のLED7が発する光は、該LED7が対面する光入射面6a又は6bの局所域(光入射面6a又は6bのうちの、点灯させた各組のLED7が対向する局所域)から導光板2に入射する。そして、導光板2に入射した光の多くは、導光板2の出射面2s1から直接的に出射するか、あるいは、ハイブリッドパターン形成面2s2から出射した後、反射シート3で反射されて導光板2に再び入射し、その後、出射面2s1から出射する。
この場合、ハイブリッドパターン形成面2s2の各溝部11の傾斜面11a,11bは、導光板2の内部でハイブリッドパターン形成面2s2に向かって進行する光を、反射シート3側に出射させ、さらに、反射シート3で反射した光を出射面2s1に向かって進行させることを促進するように機能する。
加えて、各溝部11の傾斜面11a,11bの傾斜面11a,11bは、Y軸方向に平行な傾斜面であるので、ハイブリッドパターン形成面2s2の光入射面2a側の領域の溝部11に該光入射面2aから進行した光や、ハイブリッドパターン形成面2s2の光入射面2b側の領域の溝部11に該光入射面2bから進行した光が、該溝部11において、X軸方向もしくはこれに近い方向から大きくずれた方向に散乱してしまうのが抑制される。
また、導光板2の出射面2s1に形成された凸条部8は、該出射面2s1から出射する光をX軸方向で見たときに(YZ平面に投影して見たときに)、該出射光の進行方向をZ軸方向もしくはこれに近い方向(X軸周りの角度成分が“0”もしくはこれに近いものとなる方向)に指向させるように機能する。このため、出射面2s1から出射する光の進行方向は、X軸方向で見たときに(YZ平面に投影して見たときに)、Z軸方向もしくはこれに近い方向からずれ難くなる。換言すれば出射面2s1から出射する光の進行方向のベクトル(該光の速度ベクトル)のY軸方向成分の大きさが“0”もしくはこれに近いものとなる。
この結果、導光板2をZ軸方向で見たときに、LED7から導光板2に入射した光の多くは、X軸方向もしくはそれに近い方向に進行して、出射面2s1から出射することなる。すなわち、LED7から導光板2に入射した光は、導光板2をZ軸方向で見た場合に、X軸方向もしくはこれに近い方向に高い直進性で進行して、出射面2s1から出射することとなる(この直進性についての検証結果については後述する)。
なお、導光板2の出射面2s1から出射する光の進行方向のベクトルは、それをY軸方向で見た場合(XZ平面に投影して見た場合)には、Z軸方向から傾斜した方向のベクトルとなる。
上記の如く導光板2の出射面2s1から出射した光は、次に、プリズムシート4と拡散シート5とを透過て、該拡散シート5から出射する。
このとき、プリズムシート4では、該プリズムシート4を透過した光の進行方向がZ軸方向(導光板2の正面方向)もしくはそれに近い方向に揃うように、導光板2の出射面2s1から出射した光の進行方向が概ねY軸周り方向で偏向される。そして、プリズムシート4を透過した光は、拡散シート5である程度拡散された後、面状の照明光として拡散シート5から出射する。
本実施形態の面光源装置1は、以上の如き作動によって、面状の照明光を出射する。そして、この面状の照明光は、例えば液晶ディスプレイのバックライトの照明光として利用される。
この場合、前記した如く、導光板2をZ軸方向で見た場合に、導光板2に入射した光は、X軸方向もしくはこれに近い方向に高い直進性で進行するので、各組のLED7を点灯させたとき、その組のLED7から導光板2に入射した光は、そのY軸方向の幅が、概ね一定に保たれたまま導光板2の出射面2s1から出射する。従って、各組のLED7から導光板2に入射した光は、基本的には、導光板2の出射面2s1のうち、その組のLED7に対向し、且つ、Y軸方向にほぼ一定の幅を有する領域から出射する光を分担するものとなる。
また、入射光発生源6aのLED7が発光する光は、光入射面2a,2bのうちの光入射面2aから導光板2に入射し、入射光発生源6bのLED7が発光する光は、光入射面2a,2bのうちの光入射面2bから導光板2に入射するので、導光板2の出射面2s1のうちの光入射面2a寄りの領域から出射する光を、主に、入射光発生源6aのLED7が発光する光によって分担し、導光板2の出射面2s1のうちの光入射面2b寄りの領域から出射する光を、主に、入射光発生源6bのLED7が発光する光によって分担するようにすることとなる。
このため、本実施形態の面光源装置1では、入射光発生源6a,6bの各組のLED7が発光する光は、導光板2の出射面2s1のうち、それぞれの組に対応した領域から出射する光を分担することととなる。そして、この場合、隣合う領域同士の重なり部分を十分に小さなものとすることができる。
この結果、入射光発生源6a,6bのLED7の各組毎に、各組のLED7の発光駆動を制御することによって、ローカルディミングを行なうことができることとなる。
例えば、導光板2の厚み方向(Z軸方向)で面光源装置1の出射面としての拡散シート5の表面(図1では拡散シート5の上面)を見た場合に、図3に示すように、図中に二点鎖線で区画された面光源装置1の出射面の複数の領域において、各領域毎に、その領域内での出射光の輝度を制御できることとなる。この場合、図3では、面光源装置1の出射面(拡散シート4の表面)のうち、白色部分は、明るい部分を示し、グレー部分は、その色が濃いほど、より暗い部分として示している。
次に、本実施形態の面光源装置1の光学的特性についての検証結果を説明する。
本願発明者は、前記した実施形態の構造を有する面光源装置1の実施例品を作製し、その実施例製品の光学的特性に関するいくつかの検証試験(第1−1〜第1−4の検証試験)を行なった。また、これと比較するための比較例品も作製し、その比較例品の光学的特性についても検証試験を行なった。
ここで、以下の第1−1〜第1−4の検証試験で作成した実施例品の導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2の形状パターンは、図6(a),(b)に示したものである。また、比較例品は、導光板の厚み方向の両面の構造を実施例品と異なるものとした。具体的には、比較例品では、導光板の厚み方向の両面のうちの出射面を鏡面状の平坦面とし、その出射面と反対側の面(反射シート側の面)には、導光板の厚み方向(Z軸方向)で見たときの形状が概略円形となるような複数のドットを点在させて形成した。さらに比較例品では、プリズムシートのプリズム機能部が形成された面に重合させる拡散シート(面光源装置の出射面を構成する拡散シート)に加えて、導光板の出射面とプリズムシートとの間にも拡散シートを介在させた。比較例品の上記以外の構成は、実施例品と同じである。
第1−1の検証試験では、実施例の面光源装置1において、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源(例えば6a)の一組のLED7(ローカルディミングにおける1つの領域に対応するLED7の組)だけを点灯させた状態で、面光源装置1の出射面(拡散シート5の表面)における出射光の輝度分布を測定した。そして、比較例の面光源装置についても、第1−1の検証試験を上記と同様に行なった。
この第1−1の検証試験によって得られた、実施例での観測結果と、比較例での観測結果とをそれぞれ図8(a),(b)に示す。これらの図8(a)は、面光源装置1の出射面での出射光の輝度分布を、横軸をY軸方向(光入射面2a,2bの長手方向)、縦軸をX軸方向(光入射面2a,2bに垂直な方向)とする座標平面上において等高線状に表したものである。図8(b)についても同様である。
この場合、図8(a),(b)におけるY1で示すY軸方向の位置が、点灯させたLED7の組の中心位置を示している。そして、図中の等高線(同一輝度の線)は、Y軸方向の位置が図中のY1となる縦ラインに近いほど、出射光の輝度が高いことを示している。なお、X軸方向の各位置での輝度は、実施例及び比較例のそれぞれにおいて、Y軸方向の位置が図中のY1となる縦ライン上での輝度に対する相対値である。
また、図8(a),(b)において、X軸方向の位置がX1となる横ライン上でのY軸方向の輝度分布を表すグラフを図9に示した。
図8(b)を参照して判るように、比較例では、同一輝度の線は、光入射面からX軸方向に離れていくに伴い、顕著にY軸方向に広がっていくものとなっている。さらに、図9に見られる如く、比較例では、Y軸方向での出射光の輝度分布(山型の分布)が、裾幅の広い分布となっている。このことから、比較例では、導光板2に入射した光は、Y軸方向に拡散して面光源装置の出射面から出射することが判る。
これに対して、図8(a)を参照して判るように、実施例では、同一輝度の線が、概ねY軸方向に延在するものとなっている。さらに、図9に見られる如く、実施例では、Y軸方向での出射光の輝度分布(山型の分布)が、比較例に比して裾幅の狭い分布となっている。例えば、出射光の輝度(相対値)が0.5以上となるY軸方向の幅は、実施例では、比較例の1/3程度の幅となっている。このことから、実施例では、導光板に入射した光を、Y軸方向にさほど拡散させずに、X軸方向に高い直線性で進行させ、面光源装置1の出射面から出射させることができることが判る。
次に、第1−2の検証試験では、面光源装置1の実施例品において、第1−1の検証試験と同様に、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源の一組のLED7だけを点灯させ、且つ、プリズムシート4及び拡散シート5を取外した状態で、導光板2の出射面2s1を見る方向と、その方向から導光板2の出射面2s1を見たときの出射光の輝度との関係を測定した。そして、比較例品についても、第1−2の検証試験を上記と同様に行なった。
この第1−2の検証試験によって得られた、実施例での観測結果と、比較例での観測結果とをそれぞれ図10(a),(b)に示す。これらの図10(a)は、図中に示す円Cの円周方向をZ軸周り(導光板の厚み方向の軸周り)の方位角(以下、円周方向座標方位角という)、該円Cの径方向を、Z軸方向とZ軸周りの各角度方向とに平行な面に垂直な軸周りでの方位角(以下、径方向座標方位角という)とする座標系において、それらの各方位角に対応する方向から見た出射光の輝度分布を等高線状に表したものである。図10(b)についても同様である。
この場合、図10(a),(b)において、図中の等高線(同一輝度の線)は、それぞれ、参照符号Aa,Abで示す部分に近いほど、出射光の輝度が高いことを示している。なお、ここでの輝度は、実施例及び比較例のそれぞれにおける出射光の最大輝度に対する相対値である。また、図10(a),(b)では、上記円周方向座標方位角は、Y軸方向の方位角を0°(又は180°)とし、X軸方向の方位角を90°(又は270°)としている。また、上記径方向座標方位角は、Z軸方向の方位角を0°とすると共に、光を入射する光入射面側を負の方位角、反対側を正の方位角とする。
また、図10(a),(b)において、円周方向座標方位角を、90°に一致させた場合における出射光の輝度の、径方向座標方位角(この場合、Y軸周りの方位角)に対する分布特性(配光特性)を表すグラフを図11に示した。
図10(b)を参照して判るように、比較例では、出射光の輝度が最大(ピーク値)となる方位角は、実施例とほぼ同等であるが、出射光の輝度が低くなるに伴い、等高線(同一輝度の線)の間隔が、広がる傾向がある。そして、図11を参照して判るように、出射光の輝度が比較的高いものとなる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲が比較的広いものとなる。このことから、比較例では、導光板から出射する光の進行方向が、ばらつきやすく、特定の方向からずれる光の量が多くなりやすいことが判る。
これに対して、図10(a)を参照して判るように、実施例では、出射光の輝度が比較的高い領域での等高線(同一輝度の線)の間隔が、比較例に比して狭い間隔に保たれる傾向がある。そして、図11を参照して判るように、出射光の輝度が比較的高いものとなる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲が比較例に比べて、狭いものとなる。例えば、輝度(相対値)が0.5以上となる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲は、比較例では、概ね30°〜80°程度の範囲(約50°幅の角度範囲)であるが、実施例では、概ね40°〜80°程度(約40°幅の角度範囲)の範囲となる。このことから、実施例では、導光板2から出射する光の進行方向が、特定の方向に集中しやすい(指向性が高い)ことが判る。
次に、第1−3の検証試験では、面光源装置1の実施例品において、プリズムシート4及び拡散シート5を導光板2に重ね合わせた状態で、第1−2の検証試験と同様の測定を行なった。そして、比較例品についても、第1−3の検証試験を上記と同様に行なった。なお、この場合に測定した輝度は、拡散シート5から出射する光の輝度(相対値)である。
この第1−3の検証試験によって得られた、実施例での観測結果と、比較例での観測結果とをそれぞれ図12(a),(b)に示す。これらの図12(a),(b)は、図10(a),(b)に示したものと同様に、円周方向座標方位角及び径方向座標方位角に対する出射光の輝度分布を表したものである。なお、図12(a),(b)においては、図中の等高線(同一輝度の線)は、それぞれ、参照符号Ba,Bbで示す部分に近いほど、出射光の輝度が高いことを示している。
また、図12(a),(b)において、円周方向座標方位角を、90°に一致させた場合における出射光の輝度の、径方向座標方位角(この場合、Y軸周りの方位角)に対する分布特性(配光特性)を表すグラフを図13に示した。
図12(a),(b)及び図13を参照して判るように、実施例及び比較例のいずれにおいても、プリズムシート及び拡散シートを備えた場合には、それらを備えない場合(第1−2の検証試験の場合)に比べて、出射光の輝度がピーク値となる径方向座標方位角は0°(Z軸方向)により近づくものとなる。
一方、図13に見られるように、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する輝度分布(配光特性)では、輝度が比較的高いものとなる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲が、比較例よりも実施例の方が広がる。例えば、輝度(相対値)が0.5以上となる、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲は、比較例では、概ね−35°〜45°程度の範囲(約80°幅の角度範囲)であるが、実施例では、概ね−30°〜55°程度の範囲(約85°幅の角度範囲)となる。
これらのことから、実施例では、プリズムシート4及び拡散シート5を備えることによって、拡散シート5から出射する光の進行方向がZ軸方向に近づくようにしつつ、Y軸周り方向の視野角を比較例に比べて広げることができることが判る。
次に、第1−4の検証試験では、面光源装置1の実施例品において、入射光発生源6a側の一組のLED7と、入射光発生源6b側の一組のLED7であって、Y軸方向の位置が入射光発生源6a側の一組のLED7と同一となるものとを点灯させ、且つ、プリズムシート4及び拡散シート5を導光板2に重ね合わせた状態で、第1−3の検証試験と同様の測定を行なった。そして、比較例品についても、第1−4の検証試験を上記と同様に行なった。
この第1−4の検証試験によって得られた、実施例での観測結果と、比較例での観測結果とを基に、第1−2検証試験の図11又は第1−3検証試験の図13と同様のグラフ(円周方向座標系方位角を90°とした場合の径方向座標系方位角(Y軸周りの方位角)に対する輝度分布を表すグラフ)を作成し、それを図14に示した。
図14に見られるように、実施例及び比較例のいずれにおいても、入射光発生源6a側と入射光発生源6b側との両側のLED7を点灯させることで、出射光の輝度がピーク値となる径方向座標方位角はほぼ0°(Z軸方向)になる。
そして、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する輝度分布(配光特性)において、輝度が比較的高いものとなる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲が、比較例よりも実施例の方が広いものとなる。例えば、輝度(相対値)が0.5以上となる、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲は、比較例では、概ね−45°〜45°程度の範囲(約90°幅の角度範囲)であるが、実施例では、概ね−55°〜55°程度の範囲(約110°の角度範囲)となる。
このことから、実施例の面光源装置1では、入射光発生源6a側と入射光発生源6b側との両側のLED7を点灯させることで、拡散シート5から出射する光の進行方向がZ軸方向もしくはこれに近い方向に集中させ、また、Y軸周り方向の視野角を比較例に比べて広げることができることが判る。
以上の如く、本発明を適用した面光源装置1によれば、導光板2、反射シート3、プリズムシート4、及び拡散シート5を重ね合わせ、また、導光板2の一対の入射面2a,2bだけに入射光発生源6a,6bを対面配置させた簡素な構造でローカルディミングを実現できると共に、拡散シート5から外部に出射する光の方向が特定方向に集中し過ぎないようにして、Y軸周り方向の視野角を高めることができる面状照明光を出射させることができる。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態を図15〜図27を参照して説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態のものと一部の構成だけが相違するので、その相違点を中心に説明し、第1実施形態と同一の構成については、詳細な説明を省略する。
図15及び図16に示すように、本実施形態の面光源装置21は、導光板2、反射シート3、2枚のプリズムシート22,24、拡散シート5、及び一対の入射光発生源6a,6bを備える。
これらの構成要素のうち、導光板2、反射シート3、拡散シート5及び一対の入射光発生源6a,6bは、第1実施形態のものと同じである。従って、これらについては、第1実施形態と同一の参照符号を付し、説明を省略する。なお、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2の形状パターンは、第1実施形態の場合と同様に、図6(a),(b)に示したものと、図7に示したものとのいずれでもよい。また、X軸方向で隣合う溝部11,11の間の平坦部を省略してもよい。
一方、本実施形態の面光源装置21は、導光板2の出射面2s1から出射する光の進行方向を、概ね導光板2の正面方向(Z軸方向)に集光させるためのプリズムシートとして、2枚のプリズムシート22,24を備えており、これらのプリズムシート22,24が、図16に示すように、導光板2の出射面2s1を覆うようにして該出射面2s1に2段重ねで重合される。より詳しくは、導光板2の出射面2s1にプリズムシート22が重合され、さらに、このプリズムシート22の導光体2の厚み方向の両面のうちの導光板2と反対側の面22s1にプリズムシート24が重合される。
導光板2に直接的に重合されるプリズムシート22にあっては、その厚み方向の両面のうち、導光板2の出射面2s1に重合される面22s2(図1では下面)は、平坦面となっている。一方、プリズムシート22の導光板2と反対側の面22s1(図1では上面)には、複数条のプリズム機能部23が形成されている。このプリズムシート22のプリズム機能部23は、それぞれ、X軸方向に対して所定角度だけ傾斜した方向に延在し、且つ、その延在方向と直交する方向(当該延在方向からZ軸周りに90°回転した方向)に並列している。そして、各プリズム機能部23は、その横断面形状(延在方向に直交する断面での形状)が三角形状もしくはこれに近似する形状とされている。
また、プリズムシート22に重合されるプリズムシート24にあっては、その厚み方向の両面のうち、プリズムシート22に重合される面23s2(図1では下面)は、平坦面となっている。一方、プリズムシート24のプリズムシート22と反対側の面(図1では上面)には、複数条のプリズム機能部25が形成されている。このプリズムシート24のプリズム機能部25は、プリズムシート22のプリズム機能部23をZ軸周りに90°回転させたものと同様の配列で設けられている。
すなわち、プリズムシート24のプリズム機能部25は、プリズムシート22のプリズム機能部23の並列方向に延在し、且つ、該プリズム機能部23の延在方向に並列している。そして、プリズムシート24のプリズム機能部25は、プリズム機能部23と同様に、その横断面形状(延在方向に直交する断面での形状)が三角形状もしくはこれに近似する形状とされている。
なお、プリズムシート22,24の材質は、第1実施形態のプリズムシート4と同じである。また、プリズムシート22の各プリズム機能部23の高さは、例えば、7〜30μmの範囲内の高さ、隣合うプリズム機能部23,23の間のピッチは、18〜50μmの範囲内のピッチ程度である。これは、プリズムシート24についても同様である。
また、本実施形態の例では、プリズムシート22のプリズム機能部23の延在方向がX軸方向に対して傾斜する角度は、図17に示すようにX軸方向から時計周り方向に45°だけ傾斜した角度に設定されている。そして、プリズムシート24のプリズム機能部25の延在方向の傾斜角度は、プリズムシート22のプリズム機能部23の延在方向の傾斜角度からさらに90°だけ時計周り方向に回転させた角度、すなわち、X軸方向から時計周り方向に135°(反時計周り方向に45°)だけ傾斜させた角度に設定されている。
なお、プリズムシート22のプリズム機能部23の延在方向を、X軸方向から反時計周り方向に45°だけ傾斜させ、プリズムシート24のプリズム機能部25の延在方向を、X軸方向から時計周り方向に45°だけ傾斜させるようにしてもよい。
プリズム機能部23,25の傾斜角度は、それぞれ、上記の角度が好適であるが、プリズム機能部23,25の延在方向が互いに直交している限り、その他の傾斜角度であってもよい。例えば、図18に示すように、プリズムシート22のプリズム機能部23と、プリズムシート24のプリズム機能部25とのうちの一方(図示例では、プリズム機能部23)がX軸方向に延在し、他方(図示例では、プリズム機能部25)がY軸方向に延在するようにしてもよい。
補足すると、導光板2の出射面2s1に重合するプリズムシート22が該出射面2s1に密着してしまうのを回避するために、第1実施形態に関して補足した場合と同様の対策(マット処理等)を施しておくことが好ましい。
以上が、本実施形態の面光源装置21の主要な構成要素であり、図16に示すように、反射シート3、導光板2、プリズムシート22,24、拡散シート5を、この順番で導光板2の厚み方向(Z軸方向)に並べるように相互に重ね合わせ、また、導光板2の一対の光入射面2a,2bに入射光発生源6a,6bをそれぞれ対面させて配置することにより、面光源装置21の基本構造部が構成される。なお、この基本構造部は、図示しない筐体枠に組付けられ、該基本構造部の各要素が相互に固定される。
次に、本実施形態の面光源装置21の作動について説明する。
本実施形態の面光源装置21の導光板2は、第1実施形態のものと同じであるので、入射光発生源6a,6bのそれぞれのLED7から導光板2に入射した光は、導光板2をZ軸方向で見た場合に、X軸方向もしくはこれに近い方向に高い直進性で進行して、出射面2s1から出射することとなる。
そして、本実施形態では、導光板2の出射面2s1から出射した光は、次に、プリズムシート22,24と拡散シート5とを透過して、該拡散シート5から出射する。
このとき、導光板2の出射面2s1から出射した光が、2枚のプリズムシート22,24を通ることによって、X軸周り方向及びY軸周り方向の両軸周り方向で偏向され、プリズムシート22,24を透過した光の進行方向がZ軸方向(導光板2の正面方向)もしくはそれに近い方向に揃う。そして、プリズムシート22,24を透過した光は、拡散シート5である程度拡散された後、面状の照明光として拡散シート5から出射する。
本実施形態の面光源装置21は、以上の如き作動によって、面状の照明光を出射する。そして、この面状の照明光は、例えば液晶ディスプレイのバックライトの照明光として利用される。
次に、本実施形態の面光源装置21の光学的特性についての検証結果を説明する。
本願発明者は、本実施形態の構造を有する面光源装置21の実施例品を作製し、その実施例製品の光学的特性に関するいくつかの検証試験(第2−1〜第2−3の検証試験)を行なった。また、これと比較するための比較例品も作製し、その比較例品の光学的特性についても検証試験を行なった。
ここで、第2−1〜第2−3の検証試験で作成した実施例品は、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2の形状が、図6(a),(b)に示したものである。また、この実施例品におけるプリズムシート22,24のそれぞれプリズム機能部23,24の配置パターンは、図17に示したパターンである。
一方、本実施形態に関する検証試験で作成した比較例品では、導光板の厚み方向の両面の構造を実施例品と異なるものとした。具体的には、比較例品の導光板は、第1実施形態に関する検証試験で作成した比較例品と同じものとした。さらにこの比較例品では、2枚のプリズムシートのうちの、導光板と反対側のプリズムシートに重合させる拡散シート(面光源装置の出射面を構成する拡散シート)に加えて、導光板側のプリズムシートと、該導光板の出射面との間にも拡散シートを介在させた。また、比較例品における2枚のプリズムシートのそれぞれのプリズム機能部の配置パターンは、図18に示したものと同様のパターンとした。本実施形態に関する検証試験における比較例品は、上記以外の構成は、上記実施例品と同じである。
第2−1の検証試験では、実施例の面光源装置21において、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源(例えば6a)の一組のLED7(ローカルディミングにおける1つの領域に対応するLED7の組)だけを点灯させた状態で、面光源装置21の出射面(拡散シート5の表面)における出射光の輝度分布を測定した。そして、比較例の面光源装置についても、第2−1の検証試験を上記と同様に行なった。
この第2−1の検証試験によって得られた、実施例での観測結果と、比較例での観測結果とをそれぞれ図19(a),(b)に示す。これらの図19(a),(b)は、第1実施形態に関する図8(a),(b)と同様に、面光源装置の出射面での出射光の輝度分布(相対的な輝度分布)を等高線状に表したものである。
図19(b)を参照して判るように、比較例では、同一輝度の線は、光入射面からX軸方向に離れていくに伴い、顕著にY軸方向に広がっていくものとなっている。
これに対して、図19(a)を参照して判るように、実施例では、同一輝度の線が、概ねY軸方向に延在するものとなっている。このことから、本実施形態の実施例においては、導光板2に入射した光を、Y軸方向にさほど拡散させずに、X軸方向に高い直線性で進行させ、面光源装置21の出射面から出射させることができることが判る。
次に、第2−2の検証試験では、面光源装置21の実施例品において、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源の一組のLED7だけを点灯させ、且つ、プリズムシート22,24及び拡散シート5を取外した状態で、導光板2の出射面2s1を見る方向と、その方向から導光板2の出射面2s1を見たときの出射光の輝度との関係を測定した。そして、比較例品についても、第2−2の検証試験を上記と同様に行なった。
さらに第2−3の検証試験では、面光源装置21の実施例品において、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源の一組のLED7だけを点灯させた状態で、面光源装置21の出射面(拡散シート5の表面)を見る方向と、その方向から面光源装置21の出射面を見たときの出射光の輝度との関係を測定した。そして、比較例品についても、第2−3の検証試験を上記と同様に行なった。
上記第2−2の検証試験によって得られた測定結果のうち、第1実施形態に係わる前記第1−2の検証試験に関して説明した前記円周方向座標方位角を、90°に一致させた場合における出射光の輝度(Y軸方向で見た出射光の輝度)の、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する分布特性(配光特性)を表すグラフを図20に示した。
同様に上記第2−3の検証試験によって得られた測定結果のうち、前記円周方向座標方位角を、90°に一致させた場合における出射光の輝度(Y軸方向で見た出射光の輝度)の、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する分布特性を表すグラフを図21に示した。
なお、図20及び図21における縦軸の輝度は、実際の輝度値である。
図20及び図21を参照して判るように、実施例では、導光板2の出射面2s1あるいは面光源装置1の出射面から出射する光は、Y軸方向で見たときに、比較例に較べて、特定の方向に対する集光性(指向性)が高いことが判る。
次に、第2−4の検証試験では、面光源装置21の実施例品において、入射光発生源6a側の一組のLED7と、入射光発生源6b側の一組のLED7であって、Y軸方向の位置が入射光発生源6a側の一組のLED7と同一となるものとを点灯させた状態で、上記2−3の検証試験と同様の測定を行なった。
この検証試験によって得られた測定結果のうち、前記円周方向座標方位角を、90°に一致させた場合における出射光の輝度(Y軸方向で見た出射光の輝度)の、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する分布特性(配光特性)を表すグラフを図22に実線で示した。なお、図22における縦軸の輝度は、最大輝度(ピーク値)に対する相対値である。また、図22には、入射光発生源6a,6bの一方側の一組のLED7だけを点灯させた場合の測定結果(図21に示した実施例の測定結果)を二点鎖線で併記した。
図22を参照して判るように、Y軸方向で見た輝度分布(径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)に対する輝度分布(配光特性))において、輝度が比較的高いものとなる径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲は、入射光発生源6a,6bの両方のLED7を点灯させた場合(両側点灯の場合)には、入射光発生源6a,6bの片方のLED7だけを点灯させた場合(片側点灯の場合)に較べて広がることが判る。例えば、輝度(相対値)が0.5以上となる、径方向座標方位角(Y軸周りの方位角)の範囲は、片側点灯の場合には、概ね−5°〜15°程度の範囲(約20°幅の角度範囲)であるが、両側点灯の場合には、概ね−15°〜15°程度の範囲(約30°の角度範囲)に広がっている。
このことから、実施例の面光源装置21では、入射光発生源6a側と入射光発生源6b側との両側のLED7を点灯させることで、面光源装置21が出射する面状の照明光のY軸周り方向の視野角を、片側点灯の場合よりも、広げることができることが判る。
以上の如く、本発明を適用した面光源装置21によれば、導光板2、反射シート3、プリズムシート22,24、及び拡散シート5を重ね合わせ、また、導光板2の一対の入射面2a,2bだけに入射光発生源6a,6bを対面配置させた簡素な構造でローカルディミングを実現できると共に、拡散シート5から外部に出射する光(面状の照明光)の、Y軸周り方向の視野角を適切な広さに確保し得る面状照明光を出射させることができる。
次に、本願発明者は、面光源装置21におけるプリズムシート22,24のそれぞれのプリズム機能部23,25の配置パターン(以降、プリズムシートパターンという)や、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2の形状パターン(以降、ハイブリッドパターンという)と、面光源装置21の光学的特性との関係についても、いくつかの検証試験(第2−5〜2−8の検証試験)も行なった。以下に、これらの検証試験について説明する。
まず、第2−5の検証試験では、プリズムシートパターンとハイブリッドパターンとの組合せが互いに異なる4種類の面光源装置21を作製した。この場合、作製した4種類の面光源装置21の実施例品うちの2種類は、プリズムシートパターンが図17に示したパターンのもの、他の2種類は、プリズムパターンが図18に示したパターンのものである。また、プリズムシートパターンが図17に示したパターンである2種類の面光源装置21と、プリズムシートパターンが図18に示したパターンである2種類の面光源装置21とは、各々、ハイブリッドパターンが、図6(a),(b)に示したものと、図7に示したものとの2種類である。
そして、これらの4種類の面光源装置21の各実施例品について、前記第2−1の検証試験と同様の検証試験を実施し、面光源装置21の出射面(拡散シート5の表面)から出射する光の輝度分布を観測した。その観測結果を図23(a)〜(d)に示す。
また、図23(a)〜(d)において、X軸方向の位置がX1となる横ライン上でのY軸方向の輝度分布を表すグラフを図24に示した。
図23(a)〜(d)を参照して判るように、いずれの面光源装置21においても、基本的には、導光板2に入射した光は、X軸方向に高い直線性で進行して、面光源装置21の出射面から出射する。そして、図24を参照して判るように、Y軸方向での出射光の輝度分布は、プリズムシートパターンが図18に示したパターンである場合よりも、図17に示したパターンである場合の方が、裾幅の狭い分布となり、ハイブリッドパターンが図7に示したものであるよりも、図6(a),(b)に示したものの方が、裾幅の狭い分布となっている。
このことから、X軸方向での光の直進性を高める上では、プリズムシートパターンは、図18に示したパターンよりも図17に示したパターンの方が好ましく、また、ハイブリッドパターンは、図7のものよりも、図6(a),(b)に示すものの方が好ましいと考えられる。
次に、第2−6の検証試験では、プリズムシートパターンが互いに異なる複数種類の面光源装置21を作製し、プリズムシートパターンと、面光源装置21の出射面(拡散シート5の表面)から出射する光の輝度との関係を観測した。
より詳しくは、プリズムシートパターンが互いに異なる各種類の面光源装置21について、所定のX軸方向位置(例えば、図23(a)〜(d)に示したX1の位置)で面光源装置21の出射面から出射する光の最大輝度を測定した。ここで、各種類の面光源装置21は、プリズムシート22,24のそれぞれのプリズム機能部23,24の延在方向を互いに直交する方向に保ちつつ、それらの延在方向の傾斜角度(X軸方向又はY軸方向に対する傾斜角度)を互いに異なる角度に設定したものである。
この測定により得られたグラフを図25に示す。この図25の横軸の「プリズムシートのプリズム角度」というのは、プリズムシート22,24のうちの導光板2側のプリズムシート22のプリズム機能部23の延在方向のX軸方向に対する時計周り方向の傾斜角度を意味する。なお、拡散シート5側のプリズムシート24のプリズム機能部24の延在方向は、プリズムシート22のプリズム機能部23の延在方向から90°だけ時計周り方向に回転させた方向である。
また、図25の縦軸の輝度は、プリズムシートのプリズム角度が0°である場合(すなわちプリズムシートパターンが図18に示したパターンである場合)の最大輝度に対する相対値である。
図25に見られる如く、実施形態の面光源装置21の出射光の最大輝度(所定のX軸方向位置での最大輝度)は、プリズムシートのプリズム角度が45°である場合に、ほぼ最大となる。
従って、面光源装置21の出射面から出射する光の輝度を高める上では、プリズムシートパターンは、プリズムシートのプリズム角度が45°となるパターン、すなわち、図17に示したパターンが好適であることが判る。
次に、第2−7の検証試験では、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2における前記傾斜面形成領域の面積比RのX軸方向での分布パターンが互いに異なる3種類の面光源装置21を作製し、該面積比の分布パターンと、面光源装置21の出射面から出射する面状の照明光の見栄えとの関係を観測した。
この場合、作製した3種類の面光源装置21の面積比Rの分布(光入射面2a(又は2b)から、X軸方向中央位置Xcまでの面積比Rの分布)は、図26(a)〜(c)のそれぞれの下段に示した3種類のパターンである。
なお、ハイブリッドパターン形成面2s2の形状パターンは、X軸方向中央位置XcでX軸方向に直交する面に対して面対称であるので、傾斜面形成領域の面積比Rの分布パターンは、光入射面2aからX軸方向中央位置Xcまでのパターンと、光入射面2bからX軸方向中央位置Xcまでのパターンとは、対称なパターンとなる。従って、光入射面2aから光入射面2bまでの面積比Rの分布パターンは、図27(a)〜(cのそれぞれの下段に示したパターンとなる。
ここで、図26(a)のパターンでは、各光入射面2a,2bの位置での面積比R0が0.07%、X軸方向中央位置Xcでの面積比Rxcが0.78%である。また、図26(b)のパターンでは、各光入射面2a,2bの位置での面積比R0が1%よりも大きな面積比(1.1%)、X軸方向中央位置Xcでの面積比Rxcが0.5%である。また、図26(c)のパターンでは、各光入射面2a,2bの位置での面積比R0が0.001%、X軸方向中央位置Xcでの面積比Rxcが1%よりも大きい面積比(1.1%)である。
この場合、図26(a)の面積比Rのパターンでは、各光入射面2a,2bの位置での面積比R0が、前記した0.01〜0.1%の好適な範囲内の面積比であると共に、X軸方向中央位置Xcでの面積比Rxcが、前記した0.05〜1%の好適な範囲内の面積比である。
一方、図26(b)の面積比のパターンでは、各光入射面2a,2bの位置での面積比R0が好適な範囲を逸脱し、また、図26(c)の面積比のパターンでは、X軸方向中央位置Xcでの面積比Rxcが好適な範囲を逸脱している。
そして、第2−7の検証試験では、これらの3種類の面光源装置21において、入射光発生源6a,6bのうちの一方の入射光発生源(例えば6a)の一組のLED7(ローカルディミングにおける1つの領域に対応するLED7の組)だけを点灯させた状態で、面光源装置21の出射面から出射する光の輝度分布を測定した。その測定した輝度分布を等高線状に表したものを図26(a)〜(c)のそれぞれの上段に示す。
さらに、上記3種類の面光源装置21を用いて、第2−8の検証試験も行なった。この第2−8の検証試験では、入射光発生源6a,6bの両方の互いに対向する一組のLED7を点灯させた状態で、第2−7の検証試験と同様に、面光源装置21の出射面から出射する光の輝度分布を測定した。その測定した輝度分布を等高線状に表したものを図27(a)〜(c)のそれぞれの上段に示す。
傾斜面形成領域の面積比Rが、図26(a)及び図27(a)の下段に示すパターンの面積比である場合には、これらの上段の図に見られる如く、面光源装置21の出射面から出射する光の輝度分布は、ばらつきの小さい均一的な分布が得られている。これに対して、傾斜面形成領域の面積比Rが、図26(b)及び図27(b)の下段に示すパターンの面積比である場合、あるいは、傾斜面形成領域の面積比Rが、図26(c)及び図27(c)の下段に示すパターンの面積比である場合には、面光源装置21の出射面から出射する光の輝度分布に偏りが生じる。
補足すると、本願発明者は、第1実施形態の面光源装置1及び第2実施形態の面光源装置21の両方について、上記第2−7,2−8の検証試験と同様の試験を、傾斜面形成領域の面積比Rの分布パターン(X軸方向での分布パターン)を種々様々のパターンに設定して行なった。そして、これらの試験結果から、面光源装置1又は21の出射面(拡散シート5の表面)から出射する光の輝度分布(より詳しくは、ローカルディミングで区分けされる各局所領域毎の輝度分布)の均一性を高める上では、傾斜面形成領域の面積比Rの分布パターンは、前記したように光入射面2a,2bの位置で0.01〜0.1%の範囲内の面積比、X軸方向中央位置で0.05〜1%の範囲内の面積比となるように設定することが好ましいということが判明した。
[変形態様について]
次に、以上説明した実施形態のいくつかの変形態様を説明しておく。
前記各実施形態では、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2の平坦面部9以外の箇所に溝部11を形成するようにしたが、図28(a),(b)に示すように、Y軸方向に延在し、且つX軸方向に並列する複数の凸条部31(反射面側凸条部)を形成するようして、この各凸条部31が平坦面部9よりも突出するようにしてもよい。
この場合、各凸条部31は、その横断面形状(Y軸方向で見た形状)が、三角形状もしくはこれに近似する形状(例えば角部に丸みを持たせた三角形状)とされる。これにより、各凸条部31のX軸方向の両側壁面31a,31bは、Y軸方向に平行で、且つ、該凸条部31のX軸方向の幅が裾側から頂部に向かって狭くなるように傾斜した傾斜面31a,31bとされる。
この場合、図28(b)に示すように各凸条部31の裾と頂部との間のZ軸方向の間隔(各凸条部31の高さ)をZ1としたとき、Z1の導光板2の厚さtに対する比率Z1/tは、第1実施形態又は第2実施形態のものにおけるZ1(溝部11の深さ)と同様に、0.1〜10%、より好適には、0.5〜2%の範囲内で設定しておくことが望ましい。
また、図28(b)に示すように、各凸条部31の裾と平坦面部9との間のZ軸方向の間隔をZ2としたとき、Z2は、第1実施形態又は第2実施形態のものにおけるZ2(平坦面部9と、溝部11の開口端と間のZ軸方向の間隔)と同様に、7μmよりも小さい値、好適には、5μmよりも小さい値に設定しておくことが望ましい。
なお、凸条部31の傾斜面31a,31bの傾斜角度は、前記溝部11の傾斜面11a,11bの傾斜角度と同様に設定される。
また、図28(a),(b)では、X軸方向で隣合う凸条部31,31の間に平坦面が形成されているが、この平坦面を省略して、凸条部31がX軸方向に間断なく並ぶようにしてもよい。
また、平坦面部9と凸条部31の裾との間の段差をなくし、図29に示す如く、平坦面部9と凸条部31の裾とが同一平面上に位置するように(換言すれば、Z2=0となるように)、これらの平坦面部9及び凸条部31をハイブリッドパターン形成面2s2に形成するようにしてもよい。
補足すると、上記のように、導光板2のハイブリッドパターン形成面2s2に溝部11の代わりに凸条部位31を形成した場合においても、前記面積比Rの分布パターン(X軸方向での分布パターン)は、第1実施形態及び第2実施形態で説明した如く設定しておくことが好ましい。