以下、この発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本実施の形態に係る面光源装置100aの構成を示す分解斜視図である。また、図2は、面光源装置100aが備える導光板2の中央部付近の構成を示す拡大断面図である。ここで、図2には、X−Y座標系を示している(X軸は、図2の水平方向であり、Y軸は、図2の上下方向である)。
面光源装置100aは、図1に示すように、点光源であるLED1と、LED1から出射された光が入射される導光板2とを備えている。さらに、面光源装置100aは、導光板2を下面側(入光面側)から包み込む形状を有する反射シート3と、導光板2の上面側(出光面側)に配設される光学シート4とを備えている。
導光板2は、第一の主面(上面)と第二の主面(下面)とを有し、矩形状の平面視構造を有し、所定の厚みを有する平板である。ここで、第一の主面と第二の主面とは、所定の導光板2の厚み幅だけ離れて、相互に対向(対面)している。また、第一の主面の平面方向と第二の主面の平面方向とは、平行である。ここで、第二の主面側から、LED1の光が入射され、当該導光板2内を導光した後、第一の主面側から当該導光した光は出射する。
導光板2の材料として、アクリル樹脂(特にPMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、およびシクロオレフィン系材料などの透明樹脂を、用いることができる。特に、導光板2として高屈折率の材料を用いると、全反射角が小さくなるため、導光板2の厚さや上面(第一の主面)に形成する第一の凹部22の形状を小さくすることができる。以下の説明では、導光板2は、ポリカーボネートユーピロン(屈折率n=1.59)であるとする。
なお、当該導光板2の中央部付近の構成については、図2の拡大断面図を用いて後述する。
点光源であるLED1は、導光板2の第二の主面側において、センターライト方式(直下型方式)で配置される。LED1は、平面視において、導光板2の略中央部領域に位置される。
反射シート3は、上蓋のない箱型の形状を有しており、導光板2の第二の主面と導光板2の側面を覆う形をしている。当該反射シート3は、たとえば、底面に反射シートを配し、側面に反射テープを貼り付けることにより、作成される。また、反射シート3の底面には、LED1に接続される配線が配設される、配線用の穴が穿設されている。
光学シート4は、輝度を均一化させるための拡散シート、あるいは拡散シートに加え正面輝度を向上させるためのプリズムシートからなる。
図1の構成において、導光板2の第二の主面には、スクリーン印刷などによってシボと呼ばれる半球凸状の反射ドット(図示せず)が形成されており、この反射ドットにより光が散乱されて、導光板2から光が取り出される。当該導光板2から取り出された光は、光学シート4を透過して、最適な配光角度で光が放射される。なお、反射ドットは、半球凹状でもよい。
図2に示すように、導光板2の第二の主面には、第二の凹部21が形成されており、導光板2の第一の主面には、第一の凹部22が形成されている。当該第一の凹部22および第二の凹部21は共に、平面視において、導光板2の中央領域に形成されている。
第一の凹部22は、特許文献1の図7で開示されている凹部と同じであり、LED1から出射された光が、第一の凹部22を含めた当該第一の主面において全反射することが可能となる形状で形成されている。
図2に示すように、第一の凹部22は、回転放物面の一部をなす側壁面22Aを露出する凹部として、形成されている。第一の凹部22は、放物線の一部形状を中心軸(Y方向に平行で、導光板2の中央部を通る軸)AXのまわりに回転させた曲面22Aを有している。したがって、第一の凹部22は、中心軸AXに対して、回転対称の形状を有している。
ここで、図2に示すように、当該放物線の頂点部分は、中心軸AXに接している。また、上記回転放物面は、滑らかに第一の主面と接続されている。LED1から出射した光は、第一の凹部22の上記曲面22Aにおいて、全反射される(換言すれば、当該全反射が可能なように、当該第一の凹部22の曲面22Aは設計されている)。
第二の主面側に形成された第二の凹部21内には、LED1上部が配設される。つまり、図2に示すように、LED1の少なくとも上部が、第二の凹部21内に配設されている。また、LED1は、第二の凹部21の側面21Bとは接触していない。
また、図2に示すように、第二の凹部21は、断面視において、鋸歯状の部分21Aを有する。第二の凹部21は、三角形の一つの底辺の頂角α1を、中心軸AXまわりに回転させた回転対称の形状を有している。
図2に示すように、第二の凹部21は、第二の主面位置よりも導光板2の内部側において、中心軸AXを通る頂点(当該頂点は、第二の凹部21内において、第二の主面側に突出している導光板2の部分である)を有している。また、第二の凹部21は、当該頂点を通る中心軸AXに対して、回転対称の形状を有している。また、第二の凹部21は、断面視において、当該頂点を通る第二の主面と平行な線(図2の点線f1参照)を底辺とする、三角形状の空洞部21Aを有している。また、図2に示すように、第二の凹部21の端部と第二の主面とが接続されている部分の角度は、角度α2である。
ここで、第二の凹部21の断面形状で現れる上記三角形状の空洞部21Aにおいて、当該三角形状の中心軸AXに近い側の底角は、第一の底角α1である。他方、当該三角形状の中心軸AXに遠い側の底角は、第二の底角α2である。
なお、図2に示すように、LED1の発光部の幅をW1とする。また、第二の凹部21の開口幅をW2とする。また、第一の凹部22の開口幅をW3とする。また、第二の凹部21の上記頂点から第一の凹部22の凹部先端までの高さをH1とする。また、第一の凹部22の凹部先端から第一の主面までの高さをH2とする。また、導光板2全体の高さ(つまり、導光板2の厚さ)をH3とする。
LED1から出射された光を、第一の凹部22を含む第一の主面で全反射させるためには、当該第一の凹部22の曲面22Aは、楕円関数x2+Ay2=1において、A=1.35となるような曲線の一部を、Y軸(中心軸AX)のまわりに回転させたような形状が望ましい。また、当該全反射の観点から、W1=1とした場合に、W3=5.34、H1=0.7、H2=1.96とするのがよい。LED1の中心と第一の凹部22の中心が一致している場合には、上記のような寸法比であれば、LED1からの光は第一の凹部22を含む第一の主面ですべて全反射される。
W2は、LED1の設置精度以上の幅を取ればよく、またH3は、LED1の上部が導光板2の第二の凹部21内にわずかでも入っていればよい程度の寸法が採用できる。図2では、上記のような寸法比において、H3=3としている。しかし、LED1を第二の凹部21内に完全に収めるのであれば、当該H3を上記「3」よりも大きく設計すればよい。
また、第二の底角α2が90°に近ければ近いほど、面21Bを透過する光を水平方向(X軸方向)へ曲げることができる。また、第一の主面における全反射を維持しつつ、LED1の設置精度の範囲を広く取るためには、第二の底角α2が65°に近づければよい。したがって、上記各寸法関係においては、第二の底角α2は、65°〜90°であることが望ましい。
また、LED1の図2の水平方向における位置ずれが起こった場合には、当該ずれに起因した輝度むらが発生し得る。そこで、LED1の位置ずれに起因した輝度むらをユーザの視認で意識されない程度まで抑制するという観点からは、上記各寸法関係においては、第一の底角α1は、35°〜60°であることが望ましい。
次に、図2に示した構造を有する導光板2を利用した場合の、LED1から出射された光の軌跡について、図3(導光板2の構成については、図2で示したものと同じである)の拡大断面図を用いて説明する。
ここで、図3に示すように、図2で示した上記三角形状の空洞部21Aの一方の側面を面21Bと称し、図2で示した上記三角形状の空洞部21Aの他方の側面を面21Cと称する。図2から分かるように、面21Bと第二の主面とのなす角度が、上記第二の底角α2と同じ角度であり、面21Cと点線f1とのなす角度が、第一の底角α1である。
図3に示す点線で示すLED1の輪郭は、LED1の正規配置位置(LED1の中心と中心軸AXとが一致する位置)を示す(LED1の仮想位置)。他方、図3に示すLED1の輪郭を示す実線は、図3において上記正規配置位置より左に僅かにずれて配置されたLED1を示す(LED1の実際位置)。
LED1の実線輪郭の左側とLED1の点線輪郭の左側とで囲まれた部分が、LED1の位置ずれにより発生する新たな光源部分である。他方、LED1の実線輪郭の右側とLED1の点線輪郭の右側とで囲まれた部分が、LED1の位置ずれにより失われた光源部分である。LED1における上記新たな光源部分から出射される光の軌跡を、図3において矢印付けの実線で示す。
上記新たな光源部分から放射状に出射される光のうち、面21Bに入射した光は、図3の左側に曲げられ、導光板2の第一の主面(中心軸AXより左側の第一の主面)で全反射される(当該全反射された光は、図3の左方向に進む)。
また、上記新たな光源部分から放射状に出射される光で面21Cに入射した光のうち、ほんの一部の光については、第一の主面に形成した第一の凹部22の曲面(第一の凹部22の中心軸AXより左側の面)で全反射され、図3の左方向に進むが、その他となるほとんどの光については、導光板2の第一の主面(中心軸AXより右側の第一の主面)で全反射される(当該全反射された光は、図3の右方向に進む)。
以上のように、本実施の形態に係る面光源装置100aでは、導光板2と、当該導光板2の第二の主面側において、直下型方式で配置されるLED1とを、備えている。そして、導光板2の第一の主面には、LED1からの光が当該第一の主面において全反射するように、第一の凹部22が形成されている。そして、当該構成において、当該導光板2の第二の主面には、LED1の少なくとも上部が配設される第二の凹部21が形成されており、当該第二の凹部21は、断面視において、鋸歯状の部分21Aを有している。
したがって、当該面光源装置100aでは、LED1の配設位置の精度に係らず、当該導光板2を導光した光は、導光板2の鋸歯状の形状により、全方向にほぼ均等に分配される(光の伝搬の偏りを抑制することができる)。
つまり、図4に示すように、図2に示した導光板2の第二の主面において、第二の凹部21でなく、第二の凹部21Zが形成されていたとする。ここで、図4の断面図に示すように、第二の凹部21Zの断面形状は、矩形状であり、第二の凹部21Zの底面は、平坦となっている。
当該図4に示す導光板2Zを採用した場合には、LED1が正規配置位置より左側にずれることにより、当該ずれにより新たに発生した光源部分から出射される光のうち、ほとんどが、中心軸AXより左側の第一の主面において全反射される。当該全反射された光は、図4の左側に進む(つまり、ほとんどの光が導光板2Zの図4の左側に伝搬される)。そして、当該ずれにより新たに発生した光源部分から出射される光のうち、ほんの一部の光のみが、中心軸AXより右側の第一の主面において全反射される。当該全反射された光は、図4の右側に進む(つまり、ほんの一部の光のみが導光板2Zの図4の右側に伝搬される)。
つまり、LED1が正規配置位置よりずれて配置された場合には、当該LED1から出射された光は、導光板2Zにおいて均等に伝搬されない。よって、図4に示す導光板2Zを用いて液晶表示装置などの表示装置を組み立てた場合には、LED1の配置位置ずれに起因して、極度の輝度むらが発生する。
これに対して、本実施の形態に係る面光源装置100aでは、導光板2の第二の主面には、図2に示す鋸歯状の断面形状を有する第二の凹部21が形成されている。したがって、図3を用いて説明したように、LED1が正規配置位置よりずれて配置されたとしても、当該LED1から放射状に出射された光は、導光板2内においてほぼ均等に伝搬される。
つまり、LED1が正規配置位置よりずれて配置されたとしても、当該LED1から放射状に出射された光は、中心軸AXに近づく方向側(面21C)と中心軸AXから遠ざかる方向側(面21B)とに二分して、導光板2に形成された鋸歯状の第二の凹部21の側面21B,21Cから入射される。よって、導光板2から出射される光の均一性は、当該LED1の配設位置ずれに起因して、ほとんど影響を受けなくなる。
よって、本実施の形態に係る導光板2と液晶表示パネルを用いて液晶表示装置を組み立てた場合には、LED1の配置位置が正規配置位置からずれて配設されたとしても、輝度むらの発生を抑制することができる。なお、本実施の形態に係る面光源装置100aは、液晶表示装置への適用に限定されない。つまり、当該面光源装置100aをバックライトとして、当該面光源装置100aと、導光板2の第一の主面側に配設された表示パネルとを有する、他の表示装置全般あるいは照明装置としても当該面光源装置100aを採用することが可能である。
また、本実施の形態に係る面光源装置100aでは、第一の凹部22は、中心軸AXに対して回転対称の形状を有している。また、第二の凹部21は、第二の主面位置よりも導光板2の内部側において頂点を有しており、当該頂点を通る中心軸AXに対して回転対称の形状を有している。さらに、第二の凹部21は、断面視において、当該頂点を通る第二の主面に平行な線(図2の点線f1)を底辺とする、三角形状の空洞部21Aを有している。つまり、第二の凹部21の断面輪郭は、中心軸AXに対して軸対称である略M字形状である。
したがって、LED1を正規配置位置よりどの方向にずれて配設されたとしても、当該LED1から出射された光は、同様に、導光板2においてほぼ均等に伝搬される。つまり、LED1のずれ方向に起因して、導光板2に伝搬される光の均等の程度に差が生じない。
また、本実施の形態に係る面光源装置100aでは、上記空洞部21Aの三角形状において、第一の底角α1は35°から60°であり、第二の底角α2は65°から90°である。
したがって、面21Bを透過する光を水平方向(X軸方向)へ極力曲げることができつつ、第一の主面における全反射を維持しつつ、LED1の設置精度の範囲を極力広く取ることができる。さらに、LED1の位置ずれが発生したとしても、当該位置ずれに起因した輝度むらを、ユーザの視認で意識されない程度まで抑制することができる。
エッジライト方式では、LEDと導光板との間には0.6mm程度の隙間が設けられているために、LEDより広角度に放射される光は導光板に入射されなかった。これに対して、本実施の形態に採用されているセンターライト方式の場合は、すべての光を導光板2に入射させるため、光利用効率が高くなる。また、センターライト方式の場合は、エッジライト方式と比べて、光が導光板2に入って導光板2から出射されるまでの距離が短いため、導光板2内での吸収損失が小さくなる。以上より、面光源装置100aにおいてエネルギー消費量の削減を図ることができる。
<実施の形態2>
図5は、本実施の形態に係る面光源装置が備える導光板2Mの構成を示す拡大断面図である。具体的に、図5では、断面視における中心軸AXより右半分の導光板2Mを示しており、さらに第二の凹部21Mの形成領域付近を拡大図示している。
本実施の形態に係る面光源装置の説明を、実施の形態1に係る面光源装置との比較を通じて、説明する。図6は、実施の形態1に係る面光源装置が備える導光板2の構成を示す拡大断面図である。具体的に、図6では、断面視における中心軸AXより右半分の導光板2を示しており、さらに第二の凹部21の形成領域付近を拡大図示している。
なお、図5,6には、図2で示したX−Y座標系と同じX−Y座標系を各々併記している。
まず、図6を用いて、実施の形態1に係る導光板2について説明する。
実施の形態1で説明したように、導光板2の第二の主面には、第二の凹部21が形成されている。そして、当該第二の凹部21は、第一の底角α1と第二の底角α2とにより構成される三角形状の空洞部21Aを有する。ここで、前記三角形状の底辺(点線f1)に対して第一の底角α1をなす当該三角形状の面は、面211である。他方、前記三角形状の底辺(点線f1)に対して第二の底角α2をなす当該三角形状の面は、面212である。
なお、図6に示す構成図では、LED1の中心と中心軸AXとは一致している。また、図6に示すように、X方向のLED1の幅の半分は、HW1である(つまり、LED1のX方向の幅は、2×HW1である)。
図6において、LED1の右端部から出射された光のうち、面211と面212とが交差する極近傍(以下、極近傍点と称する)における面211に入射される光Liは、当該面211により屈折され、当該屈折された光Loは、導光板2内では図6に示す方向に進む(図6の実線矢印を参照)。
一方、図6では、LED1の上面を水平方向(X方向)に延長した仮想線を、点線f2で示している。上記光Loを第二の主面側に延長した仮想線は、当該点線f2と交差する。図6には、当該交差する箇所を、点P1で図示している。
ここで、LED1から出射され、第二の凹部21の側面211,212に入射し、当該側面211,212において屈折した各光において、当該屈折直後の光の方向の第二の主面側に延びる各仮想の線を、総称して、屈折後延長線と称する。たとえば、図6において、光Loから点P1に延びる点線の仮想線も、当該屈折後延長線となる。
なお、LED1から出射される光が、LED1の右端から中央部に近づくにつれて、面211の極近傍点に入射し、屈折する光の方向は、図面右側に傾いていく(つまり、上記屈折後延長線と点線f2(またはLED1の上面)とが交差する箇所は、中心軸AX側に近づく)。また、LED1の所定の点から出射される光が、面211の極近傍点側から中心軸AXに近づくにつれて、上記屈折後延長線と点線f2(またはLED1の上面)とが交差する箇所は、中心軸AX側に近づく。
つまり、LED1から出射される光で面211に入射する光のうち、屈折後延長線と点線f2との交差する点が最もLED1の右端部から遠くに位置することになるものが、光Liである。つまり、LED1から出射され、面211に入射する各光において、屈折後延長線と点線f2との交差する各点のうち、点P1が最もLED1から遠い場所に位置する。
図6に示すように、中心軸AXから点P1までの寸法を、HW11と記す。ここで、図4に示すように、底面が平坦である第二の凹部21Zが導光板2Zの第二の主面に形成されている場合を想定する。すると、当該想定した構成において図6の光Loの方向を実現するためには、図4の構成で、LED1の右端部は、図6の点P1の位置まで達することが必要である(つまり、図4の構成において、LED1の中心は中心軸AXに一致しており、LED1の右半分の寸法はHW11であることが必要である)。このことから、図6に示した当該HW11は、「実効的なLED1の幅の半分」であると称することができる。
つまり、図6の構成において、LED1の端部が点P1にあると想定して、導光板2の第一の主面における全反射という観点から、第一の凹部22の形状および導光板2の厚さを設計する必要がある。したがって、図6の構成では、実際のLED1の右半分の寸法よりも、HW11−HW1だけ大きな右半分の大きさを有するLED1を想定して、第一の主面での全反射が可能となる、第一の凹部22の形状および導光板2の厚さを決定する必要がある。つまり、LED1の「実効的なLED1の幅の半分」を考慮して、第一の凹部22の形状および導光板2の厚さを決定する必要がある。
ここで、図6の構成においてLED1の「実効的なLED1の幅の半分」が大きくなるに連れて、第一の凹部22の形状および導光板2の厚さを、大きく設計しなければならない。
なお、上記では、中心軸AXより右半分の構成を基に、説明を行った。ここで、第二の凹部21の形状は、中心軸AXに対して回転対称である。したがって、第二の凹部21の当該回転対称の形状を考慮すれば、図6では図示を省略している中心軸AXより左半分の構成について、上記と同様の議論が成立する。
次に、図5を用いて、本実施の形態に係る導光板2Mについて説明する。
本実施の形態では、導光板2Mの第二の主面には、断面視における中心軸AXの片側において、実施の形態1で説明した鋸歯状の断面形状21Aが2つ以上有する第二の凹部21Mが形成されている。
なお、第二の凹部21Mの構成以外の面光源装置の構成は、本実施の形態と実施の形態1とで同じである。したがって、以下では、実施の形態1と異なる構成である第二の凹部21Mの構成に着目した説明のみを行い、その他の構成の説明は、ここでは省略することとする。
さて、本実施の形態においても、第二の凹部21Mは、第二の主面位置よりも導光板2Mの内部側において頂点(当該頂点は、第二の凹部21M内において、第二の主面側に突出している導光板2Mの部分である)を有しており、当該頂点を通る上記中心軸AXに対して回転対称の形状を有している。さらに、第二の凹部21Mは、断面視において、当該頂点を通る第二の主面に平行な線(点線f1)を底辺とする、三角形状の空洞部21Aを有している。
特に、本実施の形態では、三角形状の空洞部21Aは、断面視において、中心軸AXの片側(右側・左側)において、第二の主面に平行な方向(X方向)に、2つ以上形成されている。ここで、図5の構成では、三角形状の空洞部21Aは、中心軸AXの右側において、第二の主面に平行な方向(X方向)に2つ形成されている(なお、図5では図示を省略しているが、第二の凹部21Mは回転対称形状を有するので、三角形状の空洞部21Aは、断面視における中心軸AXの左側においても、第二の主面に平行な方向に2つ形成されている)。
また、本実施の形態においても、第二の凹部21M内において、LED1の少なくとも上部が配設される。また、図5に示すように、LED1は、第二の凹部21Mの側面212aとは接触していない。
ここで、図5に示す空洞部21Aにおける三角形状は、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状の相似形である。つまり、図5に示す空洞部21Aにおける三角形状における、第一の底角α1および第二の底角α2は、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状における、第一の底角α1および第二の底角α2と同じ角度である。そして、図5に示す空洞部21Aにおける三角形状と、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状とは、大きさが異なる(図5に示す空洞部21Aにおける三角形状の方が小さい)。
実施の形態1で説明したように、各三角形状において、中心軸AXに近い側の底角が第一の底角α1であり、中心軸AXから遠い側の底角が第二の底角α2である。なお、図5においても、各三角形状の底辺となる仮想線を点線f1で示している。また、図5,6における、第一の底角α1は、35°から60°の範囲の何れかの角度であり、第二の底角α2は、65°から90°の範囲の何れかの角度である。
ここで、図5の中心軸AXから遠い側の三角形状の空洞部21Aに注目して、前記三角形状の底辺(点線f1)に対して第一の底角α1をなす当該三角形状の面は、面211aである。他方、前記三角形状の底辺(点線f1)に対して第二の底角α2をなす当該三角形状の面は、面212aである。
ここで、図5に示す空洞部21Aにおける三角形状は、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状の相似形であり、図5に構成例では当該三角形状は、図6に示した三角形状の倍の個数である。よって、断面視における面211aの長さは、断面視における面211の半分であり、断面視における面212aの長さは、断面視における面212の半分である。
なお、図5に示す構成図においても、LED1の中心と中心軸AXとは一致している。また、図5に示すように、X方向のLED1の幅の半分は、HW1である(つまり、LED1のX方向の幅は、2×HW1である)。また、図5に示すように、LED1の右端部の上方には、中心軸AXから2つ目の三角形状の空洞部21Aが存在する。
図5において、LED1の右端部から出射された光のうち、面211aと面212aとが交差する極近傍(以下、極近傍点と称する)における面211aに入射される光Lmは、当該面211aにより屈折され、当該屈折された光Lnは、導光板2M内では図5に示す方向に進む(図5の実線矢印を参照)。
一方、図5においても、LED1の上面を水平方向(X方向)に延長した仮想線を、点線f2で示している。上記光Lnを第二の主面側に延長した仮想線は、当該点線f2と交差する。図5には、当該交差する箇所を、点P2で図示している。
ここで、LED1から出射され、第二の凹部21Mの側面211a,212aに入射し、当該側面211a,212aにおいて屈折した各光において、当該屈折直後の光の方向の第二の主面側に延びる各仮想の線を、総称して、屈折後延長線と称する。たとえば、図5において、光Lnから点P2に延びる点線の仮想線も、当該屈折後延長線となる。
図5の第二の凹部21Mの形状(特に三角形状の空洞部21Aの形状)およびLED1の配設位置から分かるように、図5において、LED1から出射される光で面211aに入射する光のうち、屈折後延長線と点線f2との交差する点が最もLED1の右端部から遠くに位置することになるものが、光Lmである。つまり、図5の構成において、LED1から出射され、面211aに入射する各光において、屈折後延長線と点線f2との交差する各点のうち、点P2が最もLED1から遠い場所に位置する。
図5に示すように、中心軸AXから点P2までの寸法を、HW12と記す。ここで、上述したように、当該HW12は、図5の構成における「実効的なLED1の幅の半分」である。
ここで、図5に示す空洞部21Aにおける三角形状は、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状の相似形である(よって、上記の通り、面211aの長さは面211の半分であり、面212aの長さは面212の半分である)。したがって、図5に示す第二の凹部21Mの最も深い点(三角形状の頂角)は、図6に示す第二の凹部21の最も深い点(三角形状の頂角)よりも浅くなる。つまり、光Lmの水平方向の移動量は、光Liの水平方向の移動量より小さくなり、結果として、図5に示す構成では、図6に示す構成と比較して、「実効的なLED1の幅の半分」が小さくなる(HW11>HW12)。
一般的に述べると、第二の凹部21Mの空洞部21Aを構成する三角形状の個数が多くなるほど、図5に示す第二の凹部21Mの最も深い点(三角形状の頂角)は、段々と浅くなる(つまり、「実効的なLED1の幅の半分」が段々と小さくなる)。
なお、上記では、図5において中心軸AXより右半分の構成を基に、説明を行った。ここで、第二の凹部21Mの形状は、中心軸AXに対して回転対称である。したがって、第二の凹部21Mの当該回転対称の形状を考慮すれば、図示を省略している中心軸AXより左半分の構成について、図5に関する上記と同様の議論が成立する。
さて、上述したように、図5の構成においても、導光板2Mの第一の主面における全反射という観点から、LED1の「実効的なLED1の幅の半分」を考慮して、第一の凹部22の形状および導光板2の厚さが決定される。また、上述したように、LED1の「実効的なLED1の幅の半分」が大きくなるに連れて、第一の凹部22の形状および導光板2Mの厚さを、大きく設計しなければならない。
そうすると、本実施の形態では、実施の形態1で示した三角形状と相似形である三角形状の空洞部21Aを、導光板2Mには形成されている。そして、当該相似形の三角形状の個数は、実施の形態1で示した個数よりも多い。これにより、本実施の形態では、上述したように、実施の形態1に係る構成と比較して、「実効的なLED1の幅の半分」が小さくなる(HW11>HW12)。
したがって、本実施の形態に係る面光源装置では、実施の形態1に係る面光源装置よりも、第一の凹部22の形状および導光板2Mの厚さを、小さく設計することができる。したがって、本実施の形態に係る面光源装置では、小型化が可能となる。
ここで、図5に記載の構成では、中心軸AXの片側に存する、第二の凹部21Mが有する三角形状の空洞部21Aは、各々同じ形状である(つまり、図5に図示する隣接する三角形状は、同じ形状である)。このように、図5の構成例では、上記のように三角形状が全て同じ形状であるので、当該形状を有する第二の凹部21Mを容易に作製することができる。
一方、図5の構成例と異なり、中心軸AXの片側に存する、第二の凹部21Mが有する三角形状の空洞部21Aは、異なる形状であっても良い(相違三角形状構成と称する)。ただし、各三角形状は、第一の底角α1は、35°から60°の範囲の何れかの角度であり、第二の底角α2は、65°から90°の範囲の何れかの角度である。当該相違三角形状構成を採用することにより、当該相違三角形状構成を有する面光源装置は、光の指向性を細かく調整することができる。
なお、三角形状の各底角α1,α2の範囲が上記である場合には、第二の凹部21Mが相違三角形状構成を有していても、当該第二の凹部21を有する本実施の形態に係る構成は、実施の形態1に係る構成と比較して、「実効的なLED1の幅の半分」が小さくなる。したがって、当該第二の凹部21を有する本実施の形態に係る構成は、実施の形態1に係る構成よりも、第一の凹部22の形状および導光板2Mの厚さを、小さく設計することが可能である。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る面光源装置をバックライトとして、当該面光源装置と、導光板2Mの第一の主面側に配設された表示パネルとを有する、表示装置全般あるいは照明装置としても、当該面光源装置を採用することが可能である。
次に、本実施の形態に係る面光源装置に関して、上記三角形状の第一の底角α1と輝度むらとの相関について説明する。
LED1の図5の水平方向(X方向)における位置ずれが起こった場合には、当該ずれの方向にホットスポット的な輝度の高い領域が発生し、当該ずれの方向と反対の方向に輝度の低い領域が発生する。そこで、本実施の形態に係る面光源装置における、導光板2Mの入光部形状の効果を示すために、第一の底角α1を変化させ、第一の底角α1の角度と輝度との相関を調べた。これを図7に示す。
図7では、実施の形態1に示した導光板2の形状(W1=1、W3=5.34、H1=0.7、H2=1.96)に、図5の第二の凹部21Mの入光部形状を適用した。さらに、上記寸法比に対して、+0.1のLED1の位置ずれを水平方向に発生させた。
図7に示されているように、LED1がプラス方向に0.1ずれると、上記寸法比に対して0〜+2.5の範囲に、輝度が明るくなる領域が発生し、これに対応して、上記寸法比0〜−2.5の範囲に輝度が暗くなる領域が発生する。また、第一の底角α1が0°である場合とは、第二の凹部21Mの底面が図4に示すように平面である場合であり、当該場合における0〜+2.5の範囲では1.5倍の明るさになり、0〜−2.5の範囲では0.92倍の明るさになる。
輝度比が0.9〜1.1の範囲では、ユーザは一般的に、輝度差による輝度むらを視認しない。図7から分かるように、輝度比が0.9〜1.1の範囲に収めるためには、第二の凹部21Mにおける三角形状の第一の底角α1は、35°〜60°である。したがって、図7の結果から、輝度むら抑制の観点から、当該第一の底角α1として、35°〜60°の範囲を選択すればよいことが分かる。
<実施の形態3>
実施の形態2において、第二の凹部21Mが相違三角形状構成を有する場合について言及した。ここで、実施の形態2でも説明したように、各三角形状は、第一の底角α1は、35°から60°の範囲の何れかの角度であり、第二の底角α2は、65°から90°の範囲の何れかの角度である。
本実施の形態は、さらに構成が限定された相違三角形状構成を有する第二の凹部21Mが形成された、導光板2Qについて説明する。図8は、本実施の形態に係る面光源装置が備える導光板2Qの構成を示す拡大断面図である。
具体的に、図8では、断面視における中心軸AXより右半分の導光板2Qを示しており、さらに第二の凹部21Qの形成領域付近を拡大図示している。ここで、図8には、図2,5,6で示したX−Y座標系と同じX−Y座標系を、併記している。
図8に示すように、本実施の形態においても、実施の形態2と同様に、導光板2Qの第二の主面には、断面視における中心軸AXの片側において、実施の形態1で説明した鋸歯状の断面形状21A,21Bが2つ以上有する第二の凹部21Qが形成されている。
なお、第二の凹部21Qの構成以外の面光源装置の構成は、本実施の形態と実施の形態1とで同じである。したがって、以下では、実施の形態1と異なる構成である第二の凹部21Qの構成に着目した説明のみを行い、その他の構成の説明は、ここでは省略することとする。
さて、本実施の形態においても、第二の凹部21Qは、第二の主面位置よりも導光板2Qの内部側において頂点(当該頂点は、第二の凹部21Q内において、第二の主面側に突出している導光板2Qの部分である)を有しており、当該頂点を通る上記中心軸AXに対して回転対称の形状を有している。さらに、第二の凹部21Qは、断面視において、当該頂点を通る第二の主面に平行な線(点線f1)を底辺とする、三角形状の空洞部21A,21Bを有している。
特に、本実施の形態では、三角形状の空洞部21A,21Bは、断面視において、中心軸AXの片側(右側・左側)において、第二の主面に平行な方向(X方向)に、2つ以上形成されている。ここで、図8の構成では、三角形状の空洞部21A,21Bは、中心軸AXの右側において、第二の主面に平行な方向(X方向)に3つ形成されている(なお、図8では図示を省略しているが、第二の凹部21Qは回転対称形状を有するので、三角形状の空洞部21A,21Bは、断面視における中心軸AXの左側においても、第二の主面に平行な方向に3つ形成されている)。
また、本実施の形態においても、第二の凹部21Q内において、LED1の少なくとも上部が配設される。また、図8に示すように、LED1は、第二の凹部21Qの側面とは接触していない。
ここで、本実施の形態では、実施の形態2で説明した相違三角形状構成を採用している。
具体的に、図8に示すように、中心軸AXから図面右方向に進むに連れて(中心軸AXから遠ざかるに連れて)、第二の凹部21Qには、第一の三角形状の空洞部21D、第二の三角形状の空洞部21Aおよび第三の三角形状の空洞部21Aが、当該順に隣接して設けられている。
第二の三角形状の空洞部21Aおよび第三の三角形状の空洞部21Aは、同じ三角形状を有しており、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状の相似形である。図8に示す、第二の三角形状の空洞部21Aおよび第三の三角形状の空洞部21Aにおける各三角形状では、第一の底角α1および第二の底角α2は、図6に示した空洞部21Aにおける三角形状における、第一の底角α1および第二の底角α2と同じ角度である。
実施の形態1で説明したように、各三角形状において、中心軸AXに近い側の底角が第一の底角α1であり、中心軸AXから遠い側の底角が第二の底角α2である。なお、図5においても、各三角形状の底辺となる仮想線を点線f1で示している。また、図8における、第一の底角α1は、35°から60°の範囲の何れかの角度であり、第二の底角α2は、65°から90°の範囲の何れかの角度である。
他方、中心軸AXに隣接している第一の三角形状の空洞部21Dは、当該第一の三角形状の空洞部21Dに隣接している第二の三角形状の空洞部21Aとは、異なる三角形状を有している。
つまり、図8に示すように、第一の三角形状の空洞部21Dにおける三角形状の第一の底角α1は、第二の三角形状の空洞部21Aにおける第一の底角α1と同じであるが、第一の三角形状の空洞部21Dにおける三角形状の第二の底角α4は、第二の三角形状の空洞部21Aにおける第二の底角α2と異なる。具体的に、第一の三角形状の空洞部21Dにおける第二の底角α4は、第二の三角形状の空洞部21Aにおける第二の底角α2よりも小さい。
なお、実施の形態1で説明したように、第一の三角形状の空洞部21Dの三角形状において、中心軸AXに近い側の底角が第一の底角α1であり、中心軸AXから遠い側の底角が第二の底角α4である。また、第一の三角形状の空洞部21Dにおいて、第一の底角α1は、35°から60°の範囲の何れかの角度であり、第二の底角α4は、65°以下の角度である。
なお、図8に示す構成図においても、LED1の中心と中心軸AXとは一致している。また、図8に示すように、X方向のLED1の幅の半分は、HW1である(つまり、LED1のX方向の幅は、2×HW1である)。また、図8に示すように、LED1の右端部の上方には、中心軸AXから2つ目の第二の三角形状の空洞部21Aが存在する。
図8において、LED1の右端部から出射された光Lsが、面211fに入射したとする。ここで、面211fは、第二の三角形状の空洞部21Aにおける、点線f1と第一の底角α1をなす面である。また、図8に示すように、第一の三角形状の空洞部21Dとの接続部付近における面211fに、当該光Lsが入射したとする。当該面211fに入射される光Lsは、当該面211fにより屈折され、当該屈折された光Ltは、導光板2Q内では図8に示す左方向に進む(図8の実線矢印を参照)。
ところで、図8の構成と異なり、第一の三角形状の空洞部21Dの三角形状が、第二の三角形状の空洞部21Aと同じであったとする。図8には、当該構成の場合における第一の三角形状の空洞部21Dの一の面を、点線213aにより表示している。したがって、面213aと点線f1とが交差する角度は、α2である。
さて、当該構成の場合には、図8に示すように、面211fにより屈折された光Ltは、当該面213aと交差する。このことは、第一の三角形状の空洞部21Dにおける三角形状も、第二の三角形状の空洞部21Aにおける三角形状と同一である場合には、光Ltは、面213aで全反射され、図面の右方向へ伝搬されることを意味する。
これに対して、図8に示す本実施の形態に係る構成の場合には、第二の底角α4<第二の底角α2であるので、面211fにより屈折された光Ltは、第一の三角形状の空洞部21Dを構成する面とは、交差しない。つまり、当該光Ltは、そのまま図面左方向に伝搬される。
なお、上記では、図8において中心軸AXより右半分の構成を基に、説明を行った。ここで、第二の凹部21Qの形状は、中心軸AXに対して回転対称である。したがって、第二の凹部21Qの当該回転対称の形状を考慮すれば、断面視における中心軸AXより左半分の構成について、図8に関する上記と同様の議論が成立する。
以上のように、本実施の形態に係る面光源装置では、第一の三角形状の空洞部21Dにおける第二の底角α4は、第二の三角形状の空洞部21Aにおける第二の底角α2よりも小さい。
したがって、第二の三角形状の空洞部21Aの側面部より入射した光が、第一の三角形状の空洞部21Dにより全反射されず、導光板2Q内を伝搬する。これにより、本実施の形態に係る面光源装置では、第一の三角形状の空洞部21Dにおける再反射に起因した光の分配の偏りを防止することができる。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る面光源装置をバックライトとして、当該面光源装置と、導光板2Qの第一の主面側に配設された表示パネルとを有する、表示装置全般あるいは照明装置としても、当該面光源装置を採用することが可能である。
<実施の形態4>
図9は、本実施の形態に係る面光源装置100bの構成を示す分解斜視図であり、図10は、本実施の形態に係る面光源装置100bが備える導光板2Rの中央部の構成を示す断面図である。
面光源装置100bは、図9に示すように、点光源であるLED1と、LED1から出射された光が入射される導光板2Rとを備えている。さらに、面光源装置100bは、導光板2Rを下面側(入光面側)から包み込む形状を有する反射シート3と、導光板2Rの上面側(出光面側)に配設される光学シート4とを備えている。
導光板2Rは、第一の主面(上面)と第二の主面(下面)とを有し、矩形状の平面視構造を有し、所定の厚みを有する平板である。ここで、第一の主面と第二の主面とは、所定の導光板2Rの厚み幅だけ離れて、相互に対向(対面)している。また、第一の主面の平面方向と第二の主面の平面方向とは、平行である。ここで、第二の主面側から、LED1の光が入射され、当該導光板2R内を導光した後、第一の主面側から当該導光した光は出射する。
点光源であるLED1は、導光板2Rの第二の主面側において、センターライト方式(直下型方式)で配置される。LED1は、平面視において、導光板2Rの略中央部領域に位置される。
図10に示すように、第一の主面には、導光板2Rの一辺を二等分するように一方向に第一の凹部22が形成されており、また第二の主面中央部に、平面視において、概略矩形の第二の凹部21Rが形成されている。第一の凹部22と第二の凹部21Rは、第一の主面および第二の主面と直交する面PLに対して、対称の形状を有しており、第一の主面における第一の凹部22と直交する方向の中央断面は、図2と同じ形状である。
このため、第二の主面に形成された第二の凹部21Rは、一組の三角柱を並べた凹みを形成している。換言すると、断面視において第二の凹部21Rは、第二の主面と平行な線(点線f1)を底辺とする、三角形状の空洞部21Aを有する。三角形状の空洞部21Aの頂点は、第二の主面位置よりも導光板2Rの内部側に位置している。以下、実施の形態1と異なる構成の説明のみを行い、その他の構成の説明は、ここでは省略することとする。
また、第二の主面に形成された第二の凹部21Rの奥行き方向の深さは、LED1の位置ずれを許容する範囲とする。このように第二の主面における第二の凹部21Rを限定する理由は、一旦導光板2Rに入射された光が、導光板2R内を伝搬した後、再び第二の主面における第二の凹部21Rより抜け出る頻度を低下させるためである。また、導光板2Rの第一の主面と第二の主面の相対する面に第二の凹部21Rを設けることは、第二の凹部21Rに沿った導光板2Rの破断や変形を生じることとなる。このため、導光板2Rの機械的な強度を維持させるためにも、第二の凹部21Rの面積をできるだけ小さくする必要がある。
凹部21R,22の働きは、実施の形態1において、図3と図4を用いた説明と同様の効果を奏する。実施の形態1と異なり、本実施の形態では、凹部21R,22は、第一の主面および第二の主面と直交する面PLに対して対称形であるため、第一の主面における第一の凹部22では、第一の凹部22の形成方向に直交する方向に光は振り分けられる。この動作は実施の形態1の場合と同様であるため、動作の詳細についての記述は省略する。ここで、図10と図2の断面図において、本実施の形態の面PLと実施の形態1の中心軸AXの位置は一致するものとする。
特にLED1の平面視形状が長方形である場合には、長辺と第一の主面における第一の凹部22の形成方向とが平行になるように配置させることにより、LED1の短辺がW1となるため、三角柱の底辺の長さを小さくすることができる。第二の主面側における第二の凹部21Rの寸法、第一の主面側における第一の凹部22の寸法、導光板2Rの厚さの3者は比例関係にあり、第二の主面における第二の凹部21Rを小さくできるということは、出光面の第一の凹部22の寸法を小さくし、さらには導光板2Rの厚さを薄くすることができるということである。
以上のように、本実施の形態に係る面光源装置100bでは、第一の凹部22および第二の凹部21Rは、第一の主面および第二の主面と直交する面PLに対して、対称の形状を有しており、断面視において第二の凹部21Rは、第二の主面と平行な線(点線f1)を底辺とする、三角形状の空洞部21Aを有しており、三角形状の空洞部21Aの頂点は第二の主面位置よりも導光板2Rの内部側に位置する。
したがって、導光板2Rを導光した光は、導光板2Rの鋸歯状の形状(三角形状)により、第一の凹部22を対称軸として左右にほぼ均等に分配される。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態に係る面光源装置100bをバックライトとして、当該面光源装置100bと、導光板2Rの第一の主面側に配設された表示パネルとを有する、表示装置全般あるいは照明装置としても、当該面光源装置を採用することが可能である。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。