JP5610913B2 - 抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤 - Google Patents

抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤 Download PDF

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Description

本発明は、天然由来成分を有効成分とする抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤に関する。さらに詳しくは、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物またはその抽出物を含有する抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤に関する。
加齢、疾患、ストレス、紫外線などによるシワ、シミ、皮膚の弾力低下といった皮膚症状の要因として、乾燥、細胞機能低下、紫外線によるメラニン産生や色素沈着、真皮マトリックス成分の減少や変性、紫外線等による細胞の酸化障害などが挙げられる。このような皮膚症状を防止・改善するために、様々な有効成分の検索及び配合検討がなされてきた。特に天然由来成分は、様々な薬理作用や美容効果を有することが知られ、これまでにも数多くの植物や菌類などの抽出物の皮膚外用剤、経口組成物への応用が検討されてきた。
例えば、皮膚の老化防止、改善作用を有する皮膚外用剤を得るために、真皮線維芽細胞の賦活あるいは増殖促進作用を有する成分としてポンカンのエッセンス(特許文献1参照)、ツリガネニンジン属植物の抽出物(特許文献2参照)、クロレラ抽出物(特許文献3参照)、ビワ抽出物(特許文献4参照)が開示されている。美白剤としては、白鶴霊芝の抽出物(特許文献5参照)、抗酸化剤としてはサルオガセ科サルオガセ属植物の抽出物(特許文献6参照)が開示されている。痩身剤としては哺乳動物の乳由来リン脂質(特許文献7参照)、褐藻の酵素分解物(特許文献8参照)、抗炎症剤としてはラン科シンビジューム属植物抽出物(特許文献9参照)、ボチョウジ属植物抽出物(特許文献10)が知られている。
特開2001−131045号公報 特開2000−178198号公報 特開平11−335293号公報 特公平5−17206号公報 特開2003−89630号公報 特開平10−182413号公報 特開2001−275614号公報 特開平7−278005号公報 特開2005−289870号公報 特開2006−36713号公報
このように、これまでに様々な天然由来成分が応用されている。しかし、天然由来成分の中には、未だその効果が知られていないものも数多く存在し、優れた抗老化作用、美白作用、抗酸化作用、痩身作用、抗炎症作用などを有する有効成分の開発が期待されていた。
本発明者らは、天然由来の種々の成分について検討を行った結果、従来はその効果が知られていなかったユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物またはその抽出物に優れた抗老化作用、美白作用、抗酸化作用、痩身作用、抗炎症作用が存在することを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤に関する。
本発明によれば、ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とすることにより、優れた効果を有する抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤を提供することができる。
ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物としては、大型の白花をつける多年草で、西南日本に分布するウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.cordatum)、東北日本に分布するオオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)、ヒマラヤから中国に分布するヒマラヤウバユリ(Cardiocrinum giganteum)が知られている。
本発明は、ユリ科ウバユリ属植物であれば特に限定されないが、入手が比較的容易などの理由から、適当なものとして、オオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)が挙げられる。
これらの植物は、単独で用いられるほか、2種以上を組み合わせて使用することもできる。これらユリ科ウバユリ属植物を使用する際は、その使用部位には特に制限はなく、葉、根、茎、花などの任意の部分を使用することができる。複数の部位を組み合わせて使用してもよい。
それらはそのまま粉砕して使用することもできるが、それらの部位からの抽出物を用いることが好ましい。
抽出には、ユリ科ウバユリ属植物のいずれの部位を用いても構わないが、簡便に利用するには、全草、葉、花、球根を用いるとよい。その際、複数の部位を用いて抽出物を得るようにしてもよい。また、異なる溶媒を用いて抽出された抽出物を2種以上混合して用いてもよい。
抽出の際は、植物を生のまま用いてもよいが、抽出効率を考えると、細切、乾燥、粉砕等の処理を行った後に抽出を行うことが好ましい。
抽出は、任意の抽出溶媒に所定時間浸漬して行うことができる。抽出溶媒は、必要に応じて加熱してもよい。あるいは、超臨界流体や亜臨界流体を用いた抽出方法でも行うことができる。抽出効率を上げるため、撹拌したり抽出溶媒中でホモジナイズしたりしてもよい。抽出温度としては、5℃程度から抽出溶媒の沸点以下の温度とするのが適切である。抽出時間は、抽出溶媒の種類や抽出温度によっても異なるが、1時間〜14日間程度とするのが適切である。
抽出溶媒としては、水の他、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコール;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール;エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル類;酢酸ブチル、酢酸エチル等のエステル類;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン類などの溶媒を用いることができる。これらは、単独で用いられるほか、任意の2種以上を組み合わせて用いてもよい。生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等を用いてもよい。さらに、水や二酸化炭素、エチレン、プロピレン、エタノール、メタノール、アンモニアなどの1種又は2種以上の超臨界液体や亜臨界液体を用いてもよい。
ユリ科ウバユリ属植物の上記溶媒による抽出物は、そのままでも使用することができるが、一定期間そのまま静置して熟成させて用いてもよいし、濃縮、乾固した物を水や極性溶媒に再度溶解して使用することもできる。或いは、これらの生理作用を損なわない範囲で、脱色、脱臭、脱塩等の精製処理や、カラムクロマトグラフィー等による分画処理を行った後に用いてもよい。ユリ科ウバユリ属植物の前記抽出物やその処理物及び分画物は、各処理及び分画後に凍結乾燥し、用時に溶媒に溶解して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物は、優れた抗老化作用、美白作用、抗酸化作用、痩身作用、抗炎症作用を有し、抗老化剤、美白剤、抗酸化剤、痩身剤、抗炎症剤として利用することができる。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする抗老化剤は、優れたヒト真皮線維芽細胞の細胞賦活効果、ヒト真皮線維芽細胞I型コラーゲン産生促進効果、ヒト真皮線維芽細胞ATP産生促進効果、ヒト表皮角化細胞IV型コラーゲン産生促進効果を有し、老化症状の防止・改善に優れた効果を発揮する。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする美白剤は、優れたヒト表皮メラニン細胞のチロシナーゼ活性阻害効果を有し、色素沈着、シミ、そばかす等を予防および改善して、優れた美白作用を発揮する。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする抗酸化剤は、優れたラジカル消去効果、スーパーオキサイドアニオン消去効果を有し、優れた抗酸化作用を発揮する。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする痩身剤は、優れたヒト前駆脂肪細胞の中性脂肪蓄積抑制効果を有し、優れた痩身作用を発揮する。
ユリ科ウバユリ属植物またはその抽出物を有効成分とする抗炎症剤は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害効果を有し、優れた抗炎症作用を発揮する。
以下にユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物抽出物の調製例、各作用を評価するための試験についてさらに詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれによってなんら限定されるものではない。
[調製方法1]
オオウバユリ(Cardiocrinum cordatum var.glehnii)の葉の乾燥粉砕物100gに、50質量%エタノール水溶液を2.0Kg加え、撹拌しながら室温にて2時間抽出した。抽出液をろ過して回収し、減圧濃縮後、凍結乾燥を行い、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
[調製方法2]
オオウバユリの葉の乾燥粉砕物5gに精製水を100g加え、オートクレーブ(120℃、20分間)を使って抽出した。抽出液をろ過して回収し、凍結乾燥を行い、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
[調製方法3]
超臨界抽出装置にオオウバユリの葉の乾燥粉砕物100gを投入し、液化二酸化炭素をポンプで連続的に流し込み、25Mpa、5mL/分、40℃で二酸化炭素の超臨界流体を用いて抽出した。抽出物を回収し、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を得た。
上記抽出物を用いて、抗老化作用、美白作用、抗酸化作用、痩身作用、抗炎症作用の評価を行った。なお各評価結果に記載した*及び**は、t検定における有意確率P値に対し、有意確率5%未満(P<0.05)を*で、有意確率1%未満(P<0.01)を**でそれぞれ表したものである。
<抗老化作用(ヒト真皮線維芽細胞賦活作用)の評価1>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物の細胞賦活作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表1に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに48時間培養した。上清を除いた後、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)を400μg/mL含有する培地に交換して約2時間培養した。その後、テトラゾリウム環の開環により生じるフォルマザンを2−プロパノールにて抽出し、マイクロプレートリーダーにて550nmの吸光度を測定した。同時に、濁度として650nmにおける吸光度を測定し、両測定値の差により細胞賦活作用を評価した。評価では、試料を含む培地の他に、コントロールとして1質量%FBS添加DMEM培地を用いた。
評価結果を、コントロールにおける細胞賦活作用を100とした場合の相対値として表1に示す。
Figure 0005610913
表1より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地では、有意なヒト真皮線維芽細胞賦活効果が認められた。このことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた細胞賦活作用を有することが明らかとなった。
<抗老化作用(ヒト真皮線維芽細胞I型コラーゲン産生促進作用)の評価2>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のI型コラーゲン産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表2に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した0.5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに24時間培養した。培養上清中に分泌されたタイプI型コラーゲン量はELISA法を用い、最後は標識されたペルオキシダーゼに対し2,2´−アジノビス(3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸)ジアンモニウム塩(ABTS)及び過酸化水素を添加し反応させた後、マイクロプレートリーダーにて405nmの吸光度を測定した。評価ではサンプル培養液の他にネガティブコントロールとして0.5質量%FBS添加DMEM培地を、ポジティブコントロールとして50μMのL−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩(VCPMg)を含有する0.5質量%FBS添加DMEM培地を用いた。PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにてタンパク量を測定し単位タンパク量当たりのコラーゲン産生量を求めた。評価結果を、ネガティブコントロールの単位当りコラーゲン産生量を100とした場合の相対値として表2に示す。
Figure 0005610913
表2より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地では、有意なI型コラーゲン産生促進効果が認められた。このことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたI型コラーゲン産生促進作用を有することが明らかとなった。
<抗老化作用(ヒト真皮線維芽細胞ATP産生促進作用)の評価3>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のATP産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
クラボウ社(倉敷紡績株式会社)製正常ヒト真皮線維芽細胞を、1ウェル当たり4.0×10 個となるように48ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に1質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表3に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した1質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに24時間培養した。細胞上清を捨て洗浄し、細胞を超音波処理して細胞中のATPを溶出した。その際に細胞内にあるATP分解酵素も溶出してしまうため、超音波処理する際に使用するバッファーにATP分解酵素阻害剤(和光純薬のCellstein Hoechst33342)を添加した。作製した細胞溶解液を試験管に分注し、ルシフェラーゼおよびルシフェリン試薬を添加し、化学発光を測定した。発光強度はヤマト社のコンパクトルミVS501を使用して測定した。評価結果を、試料(抽出物)無添加のコントロールにおけるATP産生促進作用を100とした場合の相対値として表3に示す。
Figure 0005610913
表3より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地では、有意なATP産生促進効果が認められた。このことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたATP産生促進作用を有することが明らかとなった。
<抗老化作用(ヒト表皮角化細胞IV型コラーゲン産生促進作用)の評価4>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のIV型コラーゲン産生促進作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法1により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
ヒト表皮角化細胞を、1ウェル当たり2.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)に5質量%のウシ胎児血清(FBS)を添加したものを用いた。24時間培養後、表4に示す各濃度となるように試料(抽出物)を添加した5質量%FBS添加DMEM培地に交換し、さらに5日間培養した。培養終了後、培養上清を採取し、IV型コラーゲンに対するモノクローナル抗体(認識部位:α2鎖)及びビオチン化ホームラディッシュペルオキシダーゼを添加し、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジンにより発色させ、マイクロプレートリーダーで650nmの吸光度を測定し、上清中に産生されたIV型コラーゲンを定量した。また、BCA Protein Assay Kitにて各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当りのIV型コラーゲン産生量を求めた。評価結果を、試料(抽出物)無添加のコントロールにおけるIV型コラーゲン産生量を100とした場合の相対値として表4に示す。
Figure 0005610913
表4より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地では有意なIV型コラーゲン産生促進効果が認められた。このことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたIV型コラーゲン産生促進作用を有することが明らかとなった。
以上の抗老化作用の評価1〜4から、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた抗老化作用を有することが明らかとなった。
<美白作用(チロシナーゼ活性阻害作用)の評価>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のチロシナーゼ活性阻害作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
クラボウ社製正常ヒト表皮メラニン細胞を、1ウェル当たり3.0×10個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、クラボウ社製Medium154Sを用いた。24時間後、Medium154Sによって表5に示す各濃度に調製した試料添加培地に交換し、さらに48時間培養した。次に、1質量%Triton−X含有リン酸緩衝液75μLに交換して細胞を完全に溶解させ、内50μLを粗酵素液として使用した。粗酵素液に、基質となる0.05質量%L−ドーパ含有リン酸緩衝液50μLを加え、37℃で2時間静置した。マイクロプレートリーダーにより、基質添加直後と反応終了時の405nmの吸光度を測定し、生成されたドーパメラニン量を、式(1)に各測定値を導入して求めた。
式(1):生成されたドーパメラニン量={(反応後405nm値−反応前405nm値)}−2.166/5.238
また、PIERCE社製BCA Protein Assay Kitにより各ウェルのタンパク量を測定し、単位タンパク量当たりのドーパメラニン生成量を求めた。試料(抽出物)無添加のコントロールの値を100とした時の相対値より、チロシナーゼ活性阻害作用を評価した。結果を表5に示す。
Figure 0005610913
表5より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地を用いた場合には、メラニン産生量の低下が認められた。このことより、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、有意なチロシナーゼ活性阻害作用を有することがわかった。
以上のことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた美白作用を有することが明らかとなった。
<抗酸化作用(ラジカル消去作用)の評価1>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のラジカル消去作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
各試料を、50質量%エタノールを用いて濃度調製して試料溶液とし、表6に示す濃度となるように96穴マイクロプレートに100μLずつ添加した。そこへ、0.2mMの1,1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジカル(DPPH)エタノール溶液を100μLずつ添加し、良く混合後、室温、暗所にて24時間静置した。その後、DPPHラジカルに由来する516nmの吸光度を測定した。試料を添加しなかった場合のコントロールの吸光度を(A)、試料を添加した場合の吸光度を(B)としたとき、DPPHラジカルの消去率を式(2)に導入して求めた。測定結果を表6に示す。
式(2):ラジカル消去率={1−(B)/(A)}×100(%)
Figure 0005610913
表6より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物には優れたDPPHラジカルの消去効果が認められた。このことより、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたラジカルの消去作用を有することがわかった。
<抗酸化作用(スーパーオキサイドアニオン消去作用)の評価2>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のスーパーオキサイドアニオン消去作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
0.25mM WST−1及び1mM Hypoxanthineを含むHanks(+)溶液75μLに、表7に示す濃度となるようにHanks(+)溶液で希釈した試料25μLを添加し、Xanthine Oxidase25μL(0.0075Units)を加え、37℃で15分間反応後、450nmの吸光度を測定した。試料が無添加のコントロールの吸光度を(A)、試料を添加したときの吸光度を(B)としたとき、式(3)の値をスーパーオキサイドアニオン消去率とした。評価結果を表7に示した。
式(3):消去率={1−(B)/(A)}×100(%)
Figure 0005610913
表7より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物には有意なスーパーオキサイドアニオンの消去効果が認められた。このことより、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたスーパーオキサイドアニオンの消去作用を有することがわかった。
以上のことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた抗酸化作用を有することが明らかとなった。
<痩身作用(中性脂肪蓄積抑制作用)の評価>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物の脂肪細胞における中性脂肪蓄積抑制作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法2により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
皮下脂肪由来正常ヒト前駆脂肪細胞Cryo・HPRAD−SQ(三光純薬株式会社)を、1ウェル当り1.0×10 個となるように96ウェルマイクロプレートに播種した。播種培地には、PGM培地(10質量%ウシ胎児血清(FBS),2mM L−Glutamine,100units/mL Penicilline,100μg/mL Streptomycine含有)を用いた。細胞が飽和状態になる直前に表8に示す濃度の試料を添加したPGM分化用培地(10μg/mL インシュリン,1μM Dexamethasone,200μM Indomethacin,500μM Isobutyl−methylxanthine含有)に交換し、脂肪細胞への分化誘導を行った。分化誘導開始後、コントロール群が成熟して細胞内に多数の脂肪滴が蓄積されるまで、10日〜14日間培養した。細胞を回収後、10%中性緩衝ホルムアルデヒド液を用いて細胞を固定した。PBSにて洗浄の後、0.5w/v%オイルレッドO溶液を添加し、37℃で2時間インキュベートした。PBSにて洗浄の後、メタノールを添加し、色素を抽出した。抽出後、マイクロプレートリーダーより、550nmの吸光度を測定した。同時に、濁度として650nmの吸光度を測定し、両測定値の差を用いて中性脂肪蓄積量を測定した。
測定結果を、試料無添加の培地を用いたコントロールにおける、中性脂肪蓄積量を100とした相対値により、表8に示す。
Figure 0005610913
表8より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物を添加した培地では、有意な中性脂肪蓄積抑制効果が認められた。このことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた中性脂肪蓄積抑制作用を有することが明らかとなった。
以上のことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた痩身作用を有することが明らかとなった。
<抗炎症作用(ヒアルロニダーゼ活性阻害作用)の評価>
ユリ科ウバユリ属植物抽出物のヒアルロニダーゼ活性阻害作用の評価を、以下に示す方法により行った。試料として、調製方法3により製造したユリ科ウバユリ属植物抽出物を用いた。
ヒアルロン酸カリウム塩(ヒト臍の緒由来)を0.9mg/mLになるように0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し基質溶液とした。ヒアルロニダーゼ(ウシ精巣由来)を5,300unit/mLとなるように0.1Mリン酸緩衝液(pH7.0)に溶解し酵素溶液とした。酵素溶液は用時調製とした。緩衝液で任意の濃度に調製した試料溶液0.1mL及び酵素溶液0.03mLを試験管にとり、37℃で20分間反応させた。次に活性化剤を0.06mL加え、37℃で20分間反応させた。さらに基質溶液を0.15mL加え、37℃で1時間反応させた。0.4N水酸化ナトリウム0.06mLを加え反応を停止させた後すぐに氷冷し、ホウ酸緩衝液(pH9.1)を0.06mL添加し、3分間煮沸した後さらに氷冷した。p−DABA溶液2.0mLを添加し、37℃で20分間反応させた後、反応溶液を96ウェルマイクロプレートに移し、マイクロプレートリーダーを用いて585nmにおける吸光度を測定した。コントロールには、試料無添加の緩衝溶液を用いた。ヒアルロニダーゼ活性が阻害されると、分解産物であるN−アセチルグルコサミンが減少し、p−DABAによる吸光度が低くなることから、ヒアルロニダーゼ阻害作用を求めた。試料が無添加のコントロールの吸光度を(A)、試料を添加したときの吸光度を(B)としたとき、式(4)の値をヒアルロニダーゼ活性阻害率とした。評価結果を表9に示した。
式(4):阻害率={(A)−(B)}/(A)×100(%)
Figure 0005610913
表9より明らかなように、ユリ科ウバユリ属植物抽出物には有意なヒアルロニダーゼ活性阻害効果が認められた。このことより、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れたヒアルロニダーゼ活性阻害作用を有することがわかった。
以上のことから、ユリ科ウバユリ属植物抽出物は、優れた抗炎症作用を有することが明らかとなった。

Claims (3)

  1. ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする美白剤。
  2. ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする抗酸化剤。
  3. ユリ科(Liliaceae)ウバユリ属(Cardiocrinum)植物より選ばれる1種または2種以上の植物またはその抽出物を有効成分とする痩身剤。
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