JP5607671B2 - 粒状肥料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、肥料の技術分野に関するものである。
工業的に生産された化学肥料の使用が、農業の生産性を向上させてきたが、化学肥料の多用により、土壌本来の地力が衰退し、豊かな収穫ができないような事態が生じている。また、食や環境の安全性に対する関心も高まっている。このような背景のもと、動物質や植物質の有機物を原料とする有機質肥料が注目されている。
一方、就農者の高齢化や農作業の効率化という観点から、機械散布がしやすい肥料や、追肥の必要がない肥料が求められている。一般に、肥料の形状として、固形肥料と液体肥料とが知られている。液体肥料は、即効性が高く、施肥すると直ぐに効果が現れるが、水に流されてしまうので、効き目が持続しないという問題がある。一方、固形肥料は、遅効性であるが、土壌に長期に保存されるので効果の持続性が高い。固形肥料の形状としては、例えば、ペレット状、球状、粉状などが挙げられる。
例えば、特許文献1,2は、ペレット状肥料を提案している。特許文献1には、肥料原料を押し出し造粒機で成型し、得られた成型品に水、有機溶媒又はこれらの混合物のいずれかを加え、次いで球形整粒機で成型することを特徴とする粒状肥料の製造方法が開示されている。特許文献2には、発酵・減容化せしめた有機性廃棄物を圧縮固形化して、定形に成形した発酵堆肥化物ペレットが開示されている。
特開2001−322888号公報 特開平9−142980号公報
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、有機性資材であって、持続性と即効性とを兼ね備えた粒状肥料を提供することを目的とする。
本発明の粒状肥料は、有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して得られる堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加えて成形したことを特徴とする。
本発明の粒状肥料の製造方法は、有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して堆肥を製造する工程と、前記堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加える工程と、前記堆肥と液体肥料との混合物を粒状に成形する工程とを含むことを特徴とする。
本発明の粒状肥料は、粒状に成形されている。土壌に埋設して使用すると、水などで流されることがなく、肥料効果の持続性が高い。また、本発明の粒状肥料は、液体肥料成分を含有する。前記液体肥料成分が、雨水などで徐々に流出すると、即効性を発揮する。
本発明の粒状肥料は、有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して得られる堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加えて成形したことを特徴とする。
まず、本発明で使用する有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して得られる堆肥について説明する。本発明では、食や環境への安全性という観点から、有機性資材を主成分とする堆肥材料を使用することが好ましい。堆肥材料中の有機性資材の含有率は、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましい。なお、本発明で使用する堆肥材料は、有機性資材の含有率が50質量%以上であれば、さらに、化学肥料(無機合成肥料)を含有してもよい。化学肥料(無機合成肥料)を用いることにより、最終的に得られる粒状肥料の肥料成分の調整が容易になる。
前記有機性資材としては、所謂、有機性廃棄物を使用することが好ましい。有機性廃棄物を利用することにより、環境に対する負荷が少なくなる。また、製造コスト的にも有利になる。前記有機性資材としては、例えば、動物質、植物質などの有機物の廃棄物を挙げることができる。動物質の有機性廃棄物としては、例えば、魚あらやイカの内臓などの魚介類廃棄物、牛糞、豚糞、鶏糞などの畜糞;カニがら、シャコがらなどの甲殻類の外皮;貝殻、ウニ殻などを挙げることができる。植物質の有機性廃棄物としては、稲わら、大麦わら、小麦わら、山野草、籾殻、米ぬか、コーヒー粕、大豆粕、野菜残渣、塵介、バーク、海藻、竹などを挙げることができる。
本発明では、植物質の有機性廃棄物として、竹を使用することも好ましい。竹を含有する堆肥材料を使用することにより、得られる粒状肥料が、作物の生育促進、アミノ酸による作物の栄養価向上、土壌に酸素を混入させやすいという効果を奏する。堆肥材料中の竹の含有率は、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、50質量%以下が好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
堆肥材料は、さらに、ヤシ殻、コーヒー、籾殻、竹などの植物性原料を炭化してなる活性炭を含有してもよい。活性炭は、比表面積が大きく、微生物のすみかとして好適である。その結果、得られる粒状肥料の土壌改質効果が高くなる。また、植物の育成促進効果や有害物質汚染の軽減効果が認められている。堆肥材料中の活性炭の含有率は、0.01質量%以上が好ましく、0.1質量%以上が好ましく、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。
本発明で使用する堆肥は、前記堆肥材料を堆肥化することにより得られる。堆肥材料を堆肥化する工程については、後述する。前記堆肥材料を堆肥化して得られる堆肥に含有される肥料成分量(堆肥乾燥質量に占める各肥料成分の質量分率)は、特に限定されないが、堆肥中の窒素の含有率を例示すると、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、7.5質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。堆肥中のリンの含有率を例示すると、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、7.5質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。堆肥中のカリウムの含有率を例示すると、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、7.5質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。堆肥中の肥料成分の含有量が前記範囲であれば、液体肥料による肥料成分量の調整が容易になる。
また、得られる堆肥の水分量は、特に限定されないが、例えば、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、15質量%以上がさらに好ましく、70質量%以下が好ましく、50質量%以下がより好ましく、30質量%以下がさらに好ましい。堆肥中の水分量が少なすぎると、製造工程中に飛散しやすくなって、作業性が低下する場合がある。また、水分量が多すぎると、菌繁殖が過大となって、臭い発生の問題が生じやすくなる。
本発明では、前記堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加える。澱粉成分を含有する液体肥料は、粒状肥料を成形するためのバインダーとして作用する。また、液体肥料を用いることにより、得られる粒状肥料の肥料成分を調整することができ、さらに、肥料の即効性を高めることができる。前記液体肥料とは、水もしくは有機溶剤を溶媒として、化学肥料または有機質肥料の肥料成分の少なくとも一部を溶解または分散させた液体である。液体肥料が含有する肥料成分としては、例えば、窒素、リン、カリウムの少なくとも一つを含有する肥料成分を挙げることができる。液体肥料は、さらに、カルシウム、マグネシウム、硫黄、鉄、マンガン、ホウ素、亜鉛、モリブデン、銅、塩素、ニッケルなどを含有する肥料成分を含有してもよい。
また、肥料成分を溶解または分散する溶媒としては、水または有機溶剤を挙げることができ、水が好ましい。水道水は、塩素を含有し、殺菌作用を有する。そのため、前記水としては、塩素除去水、井戸水、湧水などを使用することが好ましい。
液体肥料中の肥料成分の含有率は、0.001質量%以上が好ましく、0.005質量%以上がより好ましい。肥料成分が少なすぎると、得られる粒状肥料の即効性が低下する。前記液体肥料中の肥料成分の含有率は、25質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。肥料成分が多すぎると、アミン臭が発生して悪臭の原因となる場合があるからである。
液体肥料中の溶媒の含有率は、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、99質量%以下が好ましく、95質量%以下がさらに好ましい。溶媒の含有率が少なくなりすぎると、液体肥料の粘度が高くなり、取扱いが悪くなる。また、溶媒の含有率が高すぎると、肥料成分の割合を低くする必要があり、得られる粒状肥料の施肥効果が低下するおそれがある。
本発明では、液体肥料として、有機質資材を50質量%以上含有する堆肥材料から肥料成分を抽出した液体肥料を用いることも好ましい。食や環境への安全性という観点から、液体肥料も有機質資材を主原料とするものが好適だからである。この場合、肥料成分を抽出するための堆肥材料の組成は、実際に堆肥化する堆肥材料の組成と同一、あるいは、異なっていてもよい。肥料成分の抽出は、例えば、堆肥材料の質量1に対して、9倍の水を加えて、混合することにより行われる。抽出時間は、特に限定されないが、10時間以上が好ましく、20時間以上が好ましく、50時間以下が好ましく、30時間以下が好ましい。抽出時間が短すぎると、肥料成分の抽出が不十分になる場合がある。また、抽出時間を長くしすぎても、抽出量が飽和するので、生産効率が低下する。また、本発明では、肥料成分を抽出した残渣を、堆肥材料として用いて堆肥化することも好ましい。
また本発明では、液体肥料として、市販の液体肥料を用いてもよい。市販の液体肥料の具体例としては、尿素複合液肥、ホウ素・マンガン・苦土入り尿素複合液肥、硝安系複合液肥、硝酸石灰系液肥、有機入り液肥、リン安液肥、粉末液肥、無チッソ液肥、液体微量要素複合肥料などが挙げられる。
本発明で使用する液体肥料は、澱粉成分を含有する。澱粉成分を含有することにより、堆肥を粒状に結合する力が強くなる。澱粉は、一般にアミロペクチン(水不溶部)とアミロース(水可溶部)とを含有する。アミロペクチンを多く含む澱粉は、粘度が高く、アミロースを多く含む澱粉は、粘度が低い。本発明では、堆肥との混和性の観点から、アミロースを多く含む澱粉を使用することが好ましい。前記澱粉成分の具体例としては、大麦、小麦、米、そば、ジャガイモ、サツマイモ、米ぬか、コーヒー粕、大豆粕の澱粉成分、天然の澱粉のりなどを挙げることができる。堆肥との混和性、堆肥を粒状に結合する結合力などの観点から、澱粉成分としては、米ぬか、コーヒー粕、大豆粕の澱粉が好ましく、米ぬかの澱粉がより好ましい。米ぬかの澱粉は、アミロースを多く含み、堆肥との混和性に優れる。
本発明では、大麦、小麦、米、そば、ジャガイモ、サツマイモ、米ぬか、コーヒー粕、大豆粕などの澱粉成分を含有する材料そのものを液体肥料に加えるようにしてもよいし、大麦、小麦、米、そば、ジャガイモ、サツマイモ、米ぬか、コーヒー粕、大豆粕などから抽出した澱粉成分を液体肥料に加えるようにしてもよい。本発明では、抽出された澱粉成分を液体肥料に加えることが好ましい。澱粉成分を含有する材料そのものを液体肥料に加える態様では、堆肥を粒状に結合する力が強くなるが、コストが上昇する場合がある。
液体肥料中の澱粉成分(澱粉成分そのもの)の含有率は、0.0001質量%以上が好ましく、0.0005質量%以上がより好ましく、0.001質量%以上がさらに好ましい。澱粉成分の含有率が低すぎると、堆肥を粒状に結合する力が弱くなる。前記液体肥料中の澱粉成分の含有率は、0.5質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がさらに好ましい。液体肥料中の澱粉成分の含有率が高すぎると、液体肥料の粘度が高くなり、取扱が悪くなる。
本発明の粒状肥料は、さらに、香料を含有することが好ましい。本発明の粒状肥料は、肥料成分として含まれているアンモニアに由来するアミン臭がする場合がある。香料を含有することによりアミン臭を緩和することができる。
前記香料としては、例えば、香草(ハーブ)または香草に由来する香料が好ましい。前記香料としては、例えば、ヒソップ、レモンバーム、ミント、バジリコ、オレガノ、マジョラム、シソ、エゴマ、ローズマリー、セージ、セイボリー、タイム、アニス、イノンド、アンゼリカ、チャービル、コリアンダー、ミツバ、フェンネル、ロベッジ、パセリ、チャイブ、ニラ、タラゴン、レモンマートル、ルリジサ、ケッパー、レモングラス、ゲッケイジュ、レモンバーベナ、オオバゲッキツ、ギシギシ、キンレンカ、マスティハ、セイヨウノコギリソウ、ムラサキバレンギク、カモミール、ナツシロギク、セイヨウタンポポ、ニガヨモギ、ワームウッド、タンジー、ヨモギギク、エゾヨモギギク、セイヨウフキ、ラベンダー、ホアハウンド、イヌハッカ、チクマハッカ、クラリセージ、サンザシ、ジギタリス、セント・ジョーンズ・ワート、セイヨウオトギリソウ、トケイソウ、パッションフラワー、ヘンルーダ、ハマビシ、セイヨウカノコソウなどが挙げられる。前記香料は、単独でまたは2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の粒状肥料中の前記香料の含有率は、0.001質量%以上が好ましく、0.01質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、1質量%以下がさらに好ましい。香料の含有率が、0.001質量%未満では、香り効果が不十分となる場合がある。一方、香料の含有率が、10質量%を超えると、香料成分を添加する効果が飽和してコストが上昇する。
本発明の粒状肥料が含有する窒素の含有率は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。窒素の含有率が、前記範囲であれば、植物の生育が良好であり、作物の軟弱徒長化が抑制される。
本発明の粒状肥料が含有するリンの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。リンの含有率が、前記範囲であれば、作物の根の発育が良好であり、開花・結実を促進する。
本発明の粒状肥料が含有するカリウムの含有率は、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、40質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。カリウムの含有率が、前記範囲であれば、作物の根の発育が良好であり、開花・結実を促進する。
本発明の粒状肥料が含有する全窒素含有率に対する全カリウム含有率の割合は、全カリウム含有率:全窒素含有率=1:1〜3:2程度が好ましい。全窒素含有率に対する全カリウム含有率の割合が前記範囲内であれば、一般的な植物育成にとってバランスの良い肥料となり、降雨や灌水によるカリウムの土壌流出が発生してもある程度のカリウム濃度が保持されるからである。
肥料取締役法において、肥料(広義)は、普通肥料と特殊肥料に分類される。特殊肥料とは、農林水産大臣の指定する米ぬか、たい肥、その他の肥料をいい、普通肥料とは特殊肥料以外の肥料をいうと規定されている。すなわち、狭義の堆肥は、広義の肥料に含まれる。同様に、本発明の粒状肥料(広義)には、堆肥(狭義)が含まれる。
次に、本発明の粒状肥料の製造方法を説明する。本発明の粒状肥料の製造方法は、有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して堆肥を製造する工程と、前記堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加える工程と、前記堆肥と液体肥料との混合物を粒状に成形する工程とを含むことを特徴とする。
堆肥材料を堆肥化する方法については、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。堆肥化は、堆肥材料を微生物により分解することにより行われる。具体的には、好気性微生物により行われる呼吸や、嫌気性微生物により行われる発酵を行う。一般に、堆肥材料として使用される有機性資材に含まれる炭素含有率(乾燥物での炭素含有率)は、30質量%〜50質量%である。微生物の呼吸や発酵により、有機性資材に含まれる炭素化合物の一部が、分解されて二酸化炭素と水蒸気になって揮発する。その結果、得られる堆肥の炭素含有率は、10質量%〜20質量%程度に調製されることが好ましい。
堆肥化開始時点において、堆肥材料のC/N比は、25〜40程度が好ましい。堆肥材料の窒素含有率が低下すると、窒素不足になって微生物の増殖が停止するおそれがあるからである。
堆肥化は、堆肥材料と微生物とを混合し、堆肥材料を微生物により分解することにより行われる。微生物の混合は、例えば、種菌入りのタブレット、(戻し)堆肥、土壌、落葉などを堆肥材料に混合することにより行われる。前記微生物としては、例えば、Acetobacter属酢酸菌(熱に強く、難分解性の資材を分解する酢酸を分泌)、Clostridium属好熱菌(熱に強い乳酸発酵菌、難分解性のセルロースも分解)、Sporolactobacillus属inulinus種(高温にも強い乳酸菌、熱では死滅しない)、Bacillus coagulans属好熱菌(空気がある状態でも働ける乳酸菌)、Cohnella属panacarvi種(キシランという植物由来の難分解性成分を分解可能)、azotobactor属などを挙げることができる。これらの中でも、前記微生物としては、Clostridium属好熱菌(好熱菌であれば種は問わない)とCohnella属panacarvi種が好ましい。どちらも難分解性の資材の分解を行うことができる。
堆肥化の過程において、堆肥材料と微生物との混合物は、必要に応じて、撹拌することが好ましい。混合は、連続的に行ってもよいし、間欠的に行ってもよい。本発明では、例えば、送風装置を備える撹拌機を用いることが好ましい。堆肥材料と微生物との混合物を送風しながら撹拌することにより、好気性微生物による分解が促進されて、堆肥化時間を短くすることができる。
堆肥化時間は、特に限定されないが、24時間以上が好ましく、72時間以上がより好ましく、2160時間以下が好ましく、336時間以下がより好ましい。堆肥化温度は、35℃以上が好ましく、60℃以上がより好ましく、80℃以上がさらに好ましく、95℃以下が好ましく、90℃以下がより好ましい。堆肥化時間が、前記範囲内であれば、迅速な堆肥製造が可能となり、堆肥化設備の回転率を向上させる事ができるからである。堆肥化温度が、前記範囲内であれば、混入した悪性微生物や雑草の種子を死滅させる事ができ、清浄な堆肥となるからである。堆肥材料を堆肥化する設備としては、例えば、中部エコテック株式会社製のクリーンコンポ、三和テクノ株式会社製円形スクープ式発酵装置、直進スクープ式発酵装置などを挙げることができる。
堆肥化して得られる堆肥の水分量は、5質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましく、30質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましい。本発明では、堆肥の水分量を約15質量%に調整することが好ましい。
得られた堆肥は、必要に応じて、粉砕、ふるいかけなどを行うことが好ましい。堆肥の粉砕は、例えば、振動土ふるい機等を用いて行うことが好ましい。粉砕後の堆肥は、ふるいにかけて、堆肥の粉形をそろえることが好ましい。粉形をそろえることにより、粉砕された堆肥を結合しやすくなる。ふるいの目開きは、特に限定されないが、例えば、6mm×6mmの網目を用いることが好ましい。ふるい機としては、例えば、みのる産業滝商店製のみのる回転ふるい機、みのる電動ふるい機などを挙げることができる。
本発明の製造方法は、得られた堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加える工程を有する。澱粉成分を含有する液体肥料の添加量は、堆肥100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、1質量部以上がより好ましく、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。澱粉成分を含有する液体肥料の添加量が、前記範囲内であれば、バインダーとしての効果と即効性肥料としての効果を達成でき、かつ、肥料成分過多による植物への悪影響や粒状肥料を成形する際の乾燥工程における工程費用や装置費用の増加を抑える事が可能となるからである。
また、得られた堆肥に、必要に応じて、上述した香料、活性炭などを加えてもよい。特に、前記香料は、澱粉成分を含有する液体肥料に配合して加えることが好適である。
本発明の製造方法は、前記堆肥と液体肥料との混合物を粒状に成形する工程を有する。この工程では、堆肥の形状を、球状、略球状、または、ペレット状(円柱状)に成形することが好ましい。特に、本発明では、バインダーとして、澱粉成分を含有する液体肥料を用いるので、得られる粒状肥料が十分な強度を有している。そのため、粒状に成形する際に、押出成形などを併用する必要がない。球状または略球状の肥料は、汎用の肥料散布機での散布作業性に優れる。ペレット状(円柱状)の肥料は、成型プロセスが非常に容易になり、摩擦などによる収率のロスが少ない(カスが出にくい)。
堆肥の成形は、公知の成型装置を用いて行うことができる。成形機としては、例えば、株式会社ダルトン製の球形整粒機マルメライザー、アキラ機工株式会社製の製丸機などを挙げることができる。粒状肥料の粒径は、特に限定されないが、0.5mm以上が好ましく、1mm以上がより好ましく、1.5mm以上がさらに好ましく、100mm以下が好ましく、30mm以下がより好ましく、10mm以下がさらに好ましい。粒径が前記範囲であれば、粒状肥料の散布器による散布作業性が良好である。粒径が大きすぎると、粒状肥料が重くなって散布しにくくなる。また、粒径が小さくなりすぎると、飛散量が多くなって、狙い通りに散布できなくなったり、飛散して無駄が発生する。さらに、粒径が前記範囲内であれば、土壌との混合性が良好になる。粒径が大きすぎると、土壌に均一に混合することが難しくなる。なお、粒径は、ふるいでふるい分けすることにより確認する。
得られた粒状肥料は、必要に応じて、電気炉等の設備を用いて乾燥してもよい。乾燥後の粒状肥料の水分は、5質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、40質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲に含まれる。
[実施例1]
表1に示した配合比率の堆肥材料100質量部に対して、900質量部の水を加えて、24時間混合して、肥料成分を抽出した液体肥料を得た。得られた液体肥料100質量部に、澱粉として、米ぬか1質量部(澱粉成分:0.1質量部)を加えて、バインダーを作製した。表1に示した配合比率の堆肥材料100重量部に対して、戻し堆肥を5質量部加えて、ツチヨシバイオセンター社製コンポスト装置を用いて、38℃〜78℃で、72時間堆肥化を行った。堆肥の水分量が15質量%になったところで、堆肥を回収して、6mm×6mmの目開きのふるいにかけて、堆肥の粉形をそろえた。得られた堆肥を西村機械製作所社製球形整流器に投入し、バインダーとして、澱粉成分を含有する液体肥料を噴霧して、長さ5mm、直径5mmのペレット状(円柱状)に成形した。澱粉成分を含有する液体肥料の添加量は、堆肥100質量部に対して、1質量部の割合になるようにした。得られたペレット状の肥料を、ペレット状肥料の水分が10質量%以下になるまで電気炉にて乾燥した。
Figure 0005607671
[実施例2]
堆肥材料として、表2に示した配合比率を有する堆肥材料を用いた以外は、実施例1と同様にしてペレット状肥料を成形した。得られたペレット状肥料の粒径は、5mmであった。
Figure 0005607671
本発明の粒状肥料は、環境に優しい有機性資材からなる。また、堆肥成分と液体肥料成分とを含有するので、持続性と即効性とを兼ね備えている。さらに、澱粉成分をバインダーとして粒状に成型されているので、強度が高く、散布器による散布作業性にも優れている。
以上、本発明を好ましい実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各実施形態の形状、構成、配置、材料などを適宜変更することができる。また、各実施形態にて示した構成、配置、材料、形状、数値範囲などの規定は、各々独立に、或いは、何れか2以上の規定を組み合わせて適用することができる。
本発明の粒状肥料は、農業、園芸などに適用できる。

Claims (4)

  1. 有機性資材を50質量%以上含有する堆肥材料を堆肥化して堆肥を製造する工程と、
    前記堆肥に、澱粉成分を含有する液体肥料を加える工程と、
    前記堆肥と液体肥料との混合物を粒状に成形する工程とを含み、前記液体肥料として、堆肥材料から肥料成分を抽出した液体肥料を用いることを特徴とする粒状肥料の製造方法。
  2. 前記混合物を球状、略球状、または、ペレット状(円柱状)に成形する請求項に記載の粒状肥料の製造方法。
  3. 前記液体肥料として、さらに香料を含有するものを使用する請求項1または2に記載の粒状肥料の製造方法。
  4. 堆肥材料から肥料成分を抽出した残渣を堆肥化する請求項1〜3のいずれか一項に記載の粒状肥料の製造方法。
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