JP4778673B2 - 肥料または土壌改良材の製造方法 - Google Patents

肥料または土壌改良材の製造方法 Download PDF

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Description

植物の育成栽培に必要となる肥料、それも特に家畜排泄物による有機肥料に係わり、家畜を飼育する牧畜業から、そこで排出される家畜排泄物を取り扱う処理業や運搬業、建て屋を建築する建築土木業、それに付随する設備機械関係業、生産機械、包装資材、化学肥料、販売組織その他の各技術分野に、主にそれを使用する側に当る農業、一般市民等、肥料に直接、間接に係わりを持つことになるあらゆる技術分野に関係する。
(視 点)
我が国の経済状況は、ここ数年に渡って不況を託っていて、工業製品の殆どが、近隣後進国からの安価な輸入品に押されっぱなしの状況のままに推移し、いよいよ国内生産品の競争力は失墜の一途を辿っていて不況脱出の糸口を見出せないでいるが、規制緩和の一環から農産物市場も徐々に解放され始めていて、既に一部農産物についての市場解放を実施している以上、現況工業製品同様に国内農産物についても次第に外圧が強まってきて、その自由化が進められていくことは必死の情勢であることから、こうした厳しい環境を迎えるに当っては、外国からの安価で豊富な農産物に対しても十分に対抗し得るだけの農業技術を確立し、特色ある効率的な農産物を作り出していく努力が不可欠となる。
その一つとして、消費者側の健康管理に関する意識の昂揚で有害食品に対する評価が極めて厳しくなり、従前までのような増産のための化学肥料や農薬に頼った農作物が敬遠され、可能な限り自然農法によって生産された農作物を買い求めようとする傾向が強まってきていて、有機農法生産に大きな期待を寄せられており、かって化学肥料や農薬に頼っていなかった時代の生産技術として主役であった堆肥に代表される有機質肥料や土壌改良材を使って生産した農産物は、価格帯では不利である筈のところ、購買意欲をそそられて消費が伸びるという現象が起きていることに着目し、手間暇を掛けてでも安全な農産物作りを志向しようとする動きがある。
畜産農業の盛んな東北・北海道地域等では、家畜等の生糞を利用した有機質肥料や土壌改良材の生産が可能になってしまえば、そうした動きに呼応した安全で特色のある農産物の作付けが広がり、輸入農産品に負けない農産物の生産が可能になって生産農家の活性化に役立つのは勿論のこと、経営基盤の弱い多くの畜産農家にあっては、家畜等の生糞処理施設のために多大の経費を投入せずとも、有効利用に繋がって場合によっては利益に還元できる道が開けて経営を安定させると共に、何よりも辺りに生糞公害を巻き起こしてしまうといった弊害を払拭できることにも繋がることから、家畜等の生糞の有機質肥料や土壌改良材への再利用が望まれていた。
(従来の技術)
しかし、手間暇を掛けるとはいっても、かっての堆肥のように、藁や牧草等の有機質繊維に家畜の生糞を混入して自然発酵させただけのものでは、甚だしい悪臭を伴ってしまい、仮令農産物の生産には有効であるとしても作業上からは極めて取り扱いの悪い資材となって敬遠されることになるのは必定であるばかりでなく、何よりも近隣住民に迷惑が掛かり、場合によっては公害問題となってしまうことも想定しておかなければならないことから、それら問題に対処可能とする家畜排泄物による土壌改良材、およびそのための製造方法の実現化に取り組み、本願の発明者においては、既に期待どおりのものを特開2000−185988「肥料または土壌改良材、ならびにその製造方法」発明として完成し、有機栽培農産物の生産に大いに役立てられていると共に、畜産農家からは家畜排泄物処理の問題を解決する手段として盛んに歓迎され、次第に普及をしてきている。
(1) 特開2000−185988号公報
(問題意識)
この発明は、家畜排泄物、特に含有水分量の多い生豚糞、生牛糞等の処理、活用という課題を掲げて完成をみた上記先行発明に関連し、この含有水分量が多くて処理が厄介な生豚糞、生牛糞等の取扱いの改善や、有機質肥料あるいは土壌改良材の成分強化に繋がると共に、同じく家畜排泄物の一つでもある鶏糞処理の問題にも対処できることになって養鶏農家の経営に利するようにはならないかとの認識を抱いたものである。
(発明の目的)
上記認識から、本願出願人、発明者は、肥料や土壌改良材として有力な有機質資材でありながら、未だ効率的な処理ができるようにする有効な手段が講じられていない家畜排泄物、特に含有水分量が多くて処理の厄介な生豚糞、生牛糞等と、その水分調整、成分補給用として鶏糞灰とを併用して、殆ど無臭で粒状化してなるものとして取り扱いがし易くなるようにすると共に、家畜排泄物の円滑な処理をなし得るようにし、それらによる公害対策としても寄与し得るものとすべく、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構成からなる家畜排泄物による土壌改良材の新規な製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
この発明の肥料または土壌改良材の製造方法は、基本的に次のとおりの構成を要旨としている。
即ち、以下の第1ないし4工程によって製造することを特徴とする肥料または土壌改良材の製造方法であって、
[第1工程] 堆肥化したオガ屑等の有機繊維材や、一次処理済み家畜排泄物等のような発酵過程にある有機質資材を、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに広げ、その上から400℃以上で焼却されて完全に灰化した鶏糞灰1、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2の重量割合とした家畜の生排泄物を略0.015立方m/平方m
前後の割合となるよう略均質に散布、供給しながら、略85回/分程度の回転数でロータリー爪を回転させながら略70m/h程度の速度で低速進行する撹拌を1回/日、略30日間に渡って繰り返すことにより、強制発酵させて含水率25ないし28%程度となった一次処理排泄物を作り出す工程。
[第2工程]
屋内コンクリート床上に略平らに広げられたままの第1工程終了後の一次処理排泄物に対し、対象作物に適した割合で植物肥料三要素の一つを添加した上、当該鶏糞灰入り生糞の供給はしないで、さらに1回/日の撹拌を略10日間程度に渡って継続することにより、半ば粒状化してなる二次処理排泄物とする工程。
[第3工程]
それら半ば粒状化されてなる二次処理排泄物を屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置して熟成発酵させ、その発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の発酵熱で含有水分を強制発散させる工程。
[第4工程]
以下、同様に発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の自己発熱よって含有水分を徐々に強制発散させる工程を、最終的に含水率20%以下となるまで略8〜9ケ月間程度の期間に渡って適宜回数だけ繰り返すことにより、完全に発酵熟成すると共に、一時的に発酵を強制停止した状態の三次処理排泄物を得るようにする工程。
という工程からなるものである。
この基本的な構成からなる本願発明の肥料または土壌改良材の製造方法には、以下のとおりの工程から製造方法も包含する。
[第1工程]
堆肥化したオガ屑等の有機繊維材や、一次処理済み家畜排泄物等のような発酵過程にある有機質資材を、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに広げ、その上から400℃以上で焼却されて完全に灰化した鶏糞灰1、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2の重量割合とした家畜の生排泄物を略0.015立方m/平方m
前後の割合となるよう略均質に散布、供給しながら、略85回/分程度の回転数でロータリー爪を回転させながら略70m/h程度の速度で低速進行する撹拌を1回/日、略30日間に渡って繰り返すことにより、強制発酵させて含水率25ないし28%程度となった一次処理排泄物を作り出す工程。
[第2工程]
屋内コンクリート床上に略平らに広げられたままの第1工程終了後の一次処理排泄物に対し、対象作物に適した割合で植物肥料三要素の一つを添加した上、当該鶏糞灰入り生糞の供給はしないで、さらに1回/日の撹拌を略10日間程度に渡って継続することにより、半ば粒状化してなる二次処理排泄物とする工程。
[第3工程]
それら半ば粒状化されてなる二次処理排泄物を屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置して熟成発酵させ、その発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の発酵熱で含有水分を強制発散させる工程。
[第4工程]
以下、同様に発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の自己発熱よって含有水分を徐々に強制発散させる工程を、最終的に含水率20%以下となるまで略8〜9ケ月間程度の期間に渡って適宜回数だけ繰り返すことにより、完全に発酵熟成すると共に、一時的に発酵を強制停止した状態の三次処理排泄物を得るようにする工程。
[第5工程]
上記工程で得られた三次処理排泄物を、篩にかけて3ないし10mm範囲内の粒度、望ましくは5mm程度のものとした上、通気孔を設けた定量袋内に充填、封入するようにした工程。
以上、第1ないし5工程によって製造する肥料または土壌改良材の製造方法である。
以上のように、この発明の肥料または土壌改良材の製造方法は、家畜排泄物、特に含有水分量の多くてその取扱いが厄介な豚、牛等の糞尿をそのまま扱うのではなく、400℃以上で焼却されて完全に灰化し、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2重量割合に対し、鶏糞灰1重量割合で混入して水分調整をし、その取扱い作業性を改善、処理してなる生糞にした上、直接一次処理排泄物に散布、供給するという工程を経て製造することができることから、先に開発済みのものに比較して家畜糞尿の処理対策効率が大巾に改善されることになり、周辺畜産農家からの糞尿を運搬、集中して日々糞尿の処理を効率的に実施でき、何等近隣住民に迷惑を掛けることもなく糞尿処理を可能にするものであり、したがって、従前からの課題となっていた家畜排泄物による公害問題を一挙に解決できるという大きな特徴を有している。
しかも、その製造工程は、400℃以上で焼却されて完全に灰化した鶏糞灰1、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2の重量割合とした生糞尿の散布、攪拌をする第1工程は固より、植物肥料三要素の混合をする第2工程とも、コンクリート床を有する建屋内において機械化して実施することができるため、処理作業は極めて小人数の作業者によって効率的に実施でき、その過程で悪臭を周辺に撒き散らす虞がない上、強制発酵させられる結果、早期の中に悪臭自体も消滅して略1ケ月程度の極めて短期間を経過させた後には、雨水を防止できる屋根付き堆積場に山積み堆積しても、何等悪臭の問題を生ずることもなく、自然通風環境下に放置したまま、温度管理による切り返しを機械的に繰り返していって、その含水率を目安に熟成発酵程度の確認をしながら所定期間を経過しさえすれば、高品質の肥料または土壌改良材の製造が可能になるという簡便且つ効率的な製造方法となっており、上記のように糞尿処理に大いに役立ちながら、加えて家畜排泄物という極めて有用な資材から安価で、しかも混入した鶏糞灰によって有効性分を強化した高品質の肥料または土壌改良材が比較的短期間の中に生産できることとなって、畜産農家にとっては、二重の経済効果がもたらされ、農家経営を安定させる上で大いに役立つことになるという秀れた効果が得られることになる。
一方、こうして得られたこの発明の肥料または土壌改良材は、家畜排泄物という極めて有効な有機質資材から直接発酵、熟成されたものとなり、混入した鶏糞灰によって有効性分が強化されて極めて肥料成分に富み、しかも目的に応じて植物肥料三要素の一つが適宜選択に配合されたものになる上、大量且つ安定した生産が可能であって、しかも従前からの有機質肥料や土壌改良材に比較してもかなり安価に供給できることから、それまでの化学肥料の使い過ぎによる地力の衰えを回復させ、自由化された農産物に対抗するための高品質、無農薬農産物の効率的生産が迫られている各種生産農家にとって、極めて有用且つ安全なものとして手軽に受け入れ、使用することを可能にし、その結果、有用微生物の積極的な持ち込み効果、硫化水素や地中有害ガス発生の防止効果、リン酸の固定化防止効果、窒素の固定、菌増殖効果等がもたらされ、土壌改良が円滑に進み、植物成育のための秀れた肥料効果が大いに期待できるものとなり、生産農家の意欲向上に繋がっていくものと考えられる。
さらに、この肥料または土壌改良剤は、殆ど無臭であって、一時的に発酵停止状況とした手頃な乾燥状態で粒状のものに形成され、しかもその取り扱いがし易いよう所定量毎に袋詰めしたものとして提供可能となることから、農地への散布作業にとっては勿論のこと、保管、管理等といった面での取り扱いに際しても極めて都合の良いものになるという特徴も加わって、農産物輸入の自由化という厳しい局面に直面することになっても、十分に競争力のある高品質の作物作りが保証され、農家経営の安定化に役立ち得るという秀れた効果を奏することにもなる。
一次処理排泄物は、先ず、有機質資材、例えば、オガクズやカンナクズ、樹皮片等といった木質系の有機素材の外、藁や牧草、米ヌカ等を、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに敷き広げた上、糞尿や適宜発酵促進剤を散布する等して発酵を促し、かなりの程度にまで堆肥化した所定深さの発酵床を予め用意した後、それらに400℃以上で焼却されて完全に灰化し、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2重量割合に対して鶏糞灰1重量割合で加えることによって水分調整がなされ、取り扱いし易くなった家畜の生糞を毎回略均質に散布、供給しながら1回/日の撹拌を略30日間に渡って繰り返し、強制発酵させることにより、その発酵過程で水分がかなりの程度蒸発して含水率で25〜28%程度となり、黒変した泥状物質となった性状のものを指している。したがって、この発明による肥料または土壌改良材の製造工程が稼働し始めてからは、改めてオガクズやカンナクズ等といった有機質資材からの発酵床作りは必要とせず、この一次処理排泄物となったものの一部、所定量だけを次の二次処理排泄物に回し、残りを発酵床にしていくようにすることにより、オがクズやカンナクズ等を使った発酵床作りを省略したままで、永久にこの発明の肥料または土壌改良材を得るようにすることもできる。
二次処理排泄物は、三次処理排泄物、即ち、この発明の肥料または土壌改良材とするための前段階の性状のもので、上記した一次処理排泄物(既述のとおり、その全てを対象にするとは限らず、その中の所定量だけを対象とし、その余は、そのまま発酵床として残し、再び生糞だけを供給するものになる場合も含む。)に、対象作物に適した割合で植物肥料三要素、即ち窒素、燐酸、カリの一つが添加された上、略10日間程度、生糞の供給なしで1回/日の撹拌だけを継続することにより、不均一ではあるものの粒状化した性状のものとして得られ、それらは、三次処理排泄物とするために、それまでの屋内から屋根付き堆積場に移されることになる。
三次処理排泄物は、完全に発酵熟成すると共に、一時的に発酵を強制停止させた含水率20%以下で、かなり平均化した粒状物となった、この発明の肥料または土壌改良材となるものであり、大きさ、形ともまちまちで必ずしも平均化しておらず、団塊状のものも多く含む状態の先の二次処理排泄物を、雨水を防止できる屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置したままで熟成発酵させ、その発酵熱が70°Cに達して、有効な微生物を死滅させ、効果的な微生物分解作用を阻害して適正にセルロース分解期が経過しなくなってしまう前の段階(時節の違いや、同時期でも天候によっても左右されるが、10ないし15日間程度の間隔)を見計らって、そのタイミングに1回の切り返しを8ないし9ケ月間(含有水分が略20%以下、望ましくは16%程度に達し、一時的に発酵を停止した状態になるまでの期間)に渡って繰り返すことにより、その間に自らの発酵熱で含有水分を強制発散させると共に、大きい粒度のものを自然崩壊させ、できるだけ平均化した粒度のものになるようにして得られる。
なお、この三次処理排泄物は、この発明の肥料または土壌改良材としてそのまま提供しても勿論差支えはないが、その取り扱い上、あるいは製品化上の都合から、一旦篩に掛けてより粒度を平均化してから所定量毎袋詰めして提供するようにし、除かれた所定粒度以下のものは、オガクズやカンナクズ等といった有機質資材の発酵床作りに回したり、家畜排泄物や一次処理排泄物の中に混入使用することになる。
また、この発明の家畜排泄物は、特に家畜の種類を特定するものではなく、牛糞、豚糞その他であって、畜舎から回収した直後の生糞をそのままであって、それら生糞に対して所定割合、例えば生糞が豚糞である場合には、豚糞2に対して鶏糞灰1の割合で混入して結果的に水分調整されたような状態に調整処理したものを用いることになる。但し、その種類、あるいは同種の生糞でも季節の違い等によって含有水分量が異なる場合には、その配合割合を適宜調整されなければならないことはいうまでもない。
その際に組み合わせ、混入されることとなる鶏糞灰は、鶏を出荷した後の鶏舎にあって、当該鶏舎内に残置、堆積する鶏糞を専用の熊手等の器具を使って床から剥がすようにしてよく撹拌し、そのまま2ないし5日放置するようにして幾分乾燥(この段階で含有水分は略40%前後になる。)させた後に、それら鶏糞を処理倉庫内に集め、例えば鶏舎暖房用のボイラーを鶏糞処理ボイラーに利用し、例えば、鶏糞1.5トンであれば、400℃以上の温度で20時間に渡って焼却処理してしまうことによって得ることができ、家畜生糞への混入作業に有利になるよう、市販のトランスパック詰め等として所定量毎の取扱いができるようにしておくと好都合のものとなる。
以上のとおりの構成を要旨とするこの発明の理解を助けるため、次に具体的な肥料または土壌改良材の製造方法について説示することとする。 先ず、第1工程において、例えば鶏糞1生豚糞2となる割合等、所定割合で鶏糞灰を加えた生豚糞の散布、供給は、以前の本願出願人・発明者において開発済みとなっている鶏糞灰を全く加えていない家畜の生排泄物によるものの場合とは違い、特に含有水分量が多くて処理の厄介な生豚糞、生牛糞等は鶏糞灰によって水分調整され、全体としての含有水分量に変化はない(したがって、この工程における強制発酵に支障来すことはない。)にしてもその取扱い作業性が大巾に改善され、作業工程の効率化と作業場等環境衛生の向上とに繋がることになる。
この散布、供給工程では、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに広げ、堆肥化したオガ屑等の有機繊維材や、一次処理済み家畜排泄物等のような発酵過程にある有機質資材の上から、毎回1平方米当り略0.015立方米
前後(含有水分量が多い生豚糞、生牛糞だけの場合よりも多め)の割合となるようにして実施されるようにし、それと同時に略85回/分程度(生豚糞、生牛糞だけの場合よりも多め)の回転数でロータリー爪を回転させながら略70m/h程度かそれよりもやや遅めの速度で低速進行するようにした撹拌を、1回/日の割合で略30日間に渡って繰り返し実行していくやりかたを標準とし、それら家畜生糞の単位面積当たりの散布量、ロータリー爪の回転数と進行速度、およびそれらの相対的な関係は、生糞の種類、即ち家畜の種類、水分の多寡、時節の違い等による気温差等の要素に応じ、前記した標準的な値から適宜増減調節して、その過程における生糞の強制発酵が理想的に進行するよう管理していき、その含水率[水分/(固体+水分)]で25ないし28%前後、望ましくは26%前後の値にまで達し、異臭の発散が殆ど無くなる状態を以て発酵程度を判断する目安とすることにより、効率的に一次処理排泄物を作り出すようにすべきである。
第2工程では、上記第1工程終了後の一次処理排泄物を、そのまま屋内コンクリート床上に略平らに広げた状態としておき、対象作物に適した割合で植物肥料三要素、即ち窒素、燐酸、カリの中の少なくとても一つを添加した上、全く生糞の供給はしないで、さらに1回/日の撹拌を略10日間程度に渡って継続することにより、半ば粒状化、即ち粒の大きさ、形とも不揃いである上、団塊状のものも含む等、やや柔らかめの泥状化してなる二次処理排泄物を形成する。 なお、植物肥料三要素を添加しないで二次処理排泄物を形成する場合にも、生糞供給なしの1回/日、略10日間程度に渡る撹拌は、次の第3工程に移行する前処理工程として必ず必要とする。
この第2工程で得られた二次処理排泄物は、引き続き、第3工程として、それまでの屋内から屋根付き堆積場にパワーショベルその他の機械器具を使って移送され、当該屋根付き堆積場において山積み堆積され、自然通風環境下に放置したままで熟成発酵させ、その発酵熱が70°を越えない段階(時節違いや同一時期でも気温、風量等の違いで異なる。)に1回の切り返しを実施し、その間の発酵熱で含有水分を強制発散させる。この切り返しのタイミングを間違い、早すぎれば熟成発酵に時間が掛かり過ぎて効率的な製造をできなくし、また、遅すぎれば、有効な微生物を死滅させ、何時まで経っても熟成発酵が進まず、腐敗してしまうことから、温度管理を怠らないようにする必要がある。
以下、同様に発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の自己発熱よって含有水分を徐々に強制発散させる工程を、最終的に含水率20%以下となるまでの間、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞だけとした先に開発済みのものと違って、所定割合の鶏糞灰に含浸しことにより、水分の抜けが悪くなる分だけ3ないし6ケ月長めとなる略8ないし9ケ月間程度の期間(時節違いや同一時期でも気温、風量等の違い等の要因に大きく左右される。)に渡って適宜回数だけ繰り返す第4工程により、完全に発酵熟成した後、水分低下によって一時的に発酵を強制停止した状態となり、全体的に均質化した粒状の三次処理排泄物、即ちこの発明の肥料または土壌改良材を完成する。
この後、必要に応じて、上記のようにして得られた三次処理排泄物を篩にかけ、3ないし10mm程度の粒度、望ましくは略5mm前後のものに揃え、肥料または土壌改良材として取り扱い易くなるようにすると共に、製品としての取り扱いがし易いよう、通気孔を設けた10キログラム、15キログラム、……等といった所定単位毎の定量袋に充填、封入するようにした第5工程を加え、定量毎袋詰めした肥料または土壌改良材を製造するようにすることもできる。
(結び)
叙述の如く、この発明の肥料または土壌改良材の製造方法は、厄介者とされてきた家畜排泄物、特に含有水分量が多くて処理の厄介な生豚糞、生牛糞等の取り扱いが従前のものに比較して大巾に改善されると共に、その改善に寄与する鶏糞灰の有効性分、特にリン酸が強化された極めて高品質の有機質肥料または土壌改良材とすることに成功したものであり、したがって、糞尿公害対策としても以前にも増して高い評価がなされ、生産農家の各種育成作物の生産効率を高める手段として大いに威力を発揮することになって広くそれら農家に受け入れられ、広範に普及、拡大していくことになるのは勿論のこと、農家以外の、例えば、園芸用の土作りに使用したり、台所から出る生ゴミ処理用に採用することができる外、ゴルフ場の芝の健全な生育、管理にも役立つものと考えられ、各方面で大いにその威力を発揮するものになると予想される。
図面は、この発明の肥料または土壌改良材の製造方法の代表的な実施例を示すものである。
製造工程をフローチャートとして示したものである。

Claims (2)

  1. 以下の第1ないし4工程によって製造することを特徴とする肥料または土壌改良材の製造方法。
    [第1工程] 堆肥化したオガ屑等の有機繊維材や、一次処理済み家畜排泄物等のような発酵過程にある有機質資材を、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに広げ、その上から400℃以上で焼却されて完全に灰化した鶏糞灰1、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2の重量割合とした家畜の生排泄物を略0.015立方m/平方m
    前後の割合となるよう略均質に散布、供給しながら、略85回/分程度の回転数でロータリー爪を回転させながら略70m/h程度の速度で低速進行する撹拌を1回/日、略30日間に渡って繰り返すことにより、強制発酵させて含水率25ないし28%程度となった一次処理排泄物を作り出す工程。
    [第2工程]
    屋内コンクリート床上に略平らに広げられたままの第1工程終了後の一次処理排泄物に対し、対象作物に適した割合で植物肥料三要素の一つを添加した上、当該鶏糞灰入り生糞の供給はしないで、さらに1回/日の撹拌を略10日間程度に渡って継続することにより、半ば粒状化してなる二次処理排泄物とする工程。
    [第3工程]
    それら半ば粒状化されてなる二次処理排泄物を屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置して熟成発酵させ、その発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の発酵熱で含有水分を強制発散させる工程。
    [第4工程]
    以下、同様に発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の自己発熱よって含有水分を徐々に強制発散させる工程を、最終的に含水率20%以下となるまで略8〜9ケ月間程度の期間に渡って適宜回数だけ繰り返すことにより、完全に発酵熟成すると共に、一時的に発酵を強制停止した状態の三次処理排泄物を得るようにする工程。
  2. 以下の第1ないし5工程によって製造することを特徴とする肥料または土壌改良材の製造方法。
    [第1工程]
    堆肥化したオガ屑等の有機繊維材や、一次処理済み家畜排泄物等のような発酵過程にある有機質資材を、屋内コンクリート床上に40ないし50cm厚程度に略平らに広げ、その上から400℃以上で焼却されて完全に灰化した鶏糞灰1、含有水分量が多い生豚糞、生牛糞2の重量割合とした家畜の生排泄物を略0.015立方m/平方m
    前後の割合となるよう略均質に散布、供給しながら、略85回/分程度の回転数でロータリー爪を回転させながら略70m/h程度の速度で低速進行する撹拌を1回/日、略30日間に渡って繰り返すことにより、強制発酵させて含水率25ないし28%程度となった一次処理排泄物を作り出す工程。
    [第2工程]
    屋内コンクリート床上に略平らに広げられたままの第1工程終了後の一次処理排泄物に対し、対象作物に適した割合で植物肥料三要素の一つを添加した上、当該鶏糞灰入り生糞の供給はしないで、さらに1回/日の撹拌を略10日間程度に渡って継続することにより、半ば粒状化してなる二次処理排泄物とする工程。
    [第3工程]
    それら半ば粒状化されてなる二次処理排泄物を屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置して熟成発酵させ、その発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の発酵熱で含有水分を強制発散させる工程。
    [第4工程]
    以下、同様に発酵熱が70°を越えない段階に1回の切り返しを実施し、その間の自己発熱よって含有水分を徐々に強制発散させる工程を、最終的に含水率20%以下となるまで略8〜9ケ月間程度の期間に渡って適宜回数だけ繰り返すことにより、完全に発酵熟成すると共に、一時的に発酵を強制停止した状態の三次処理排泄物を得るようにする工程。
    [第5工程]
    上記工程で得られた三次処理排泄物を、篩にかけて3ないし10mm範囲内の粒度、望ましくは5mm程度のものとした上、通気孔を設けた定量袋内に充填、封入するようにした工程。
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