JP4868343B2 - 肥料または土壌改良材、およびその製造方法、ならびにそれを用いた培養型土壌改良材の製造方法 - Google Patents

肥料または土壌改良材、およびその製造方法、ならびにそれを用いた培養型土壌改良材の製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、肥料または土壌改良材に関連するあらゆる分野をその技術分野とするものであって、特に家畜排泄物による有機肥料に係わり、家畜を飼育する牧畜業から、そこで排出される家畜排泄物を取り扱う処理業や運搬業、建て屋を建築する建築土木業、それに付随する設備機械関係業、生産機械、包装資材、化学肥料、販売組織その他の各技術分野に、主にそれを使用する側に当る農業、一般市民等、肥料に直接、間接に係わりを持つことになるあらゆる技術分野は勿論のこと、その製造に必要とする設備、器具類を提供、販売する分野から、それら資材や機械装置、部品類に必要となる素材、例えば、肥料や土壌改良材の製造および販売、ならびに土壌改良技術、施肥技術等を提供する分野、それらに用いられる電子部品やそれらを集積した制御関連機器の分野、各種計測器の分野、当該設備、器具を動かす動力機械の分野、そのエネルギーとなる電力やエネルギー源である電気、オイルの分野といった一般的に産業機械と総称されている分野、更には、それら設備、器具類を試験、研究したり、それらの展示、販売、輸出入に係わる分野、将又、それらの使用の結果やそれを造るための設備、器具類の運転に伴って発生するゴミ屑の回収、運搬等に係わる分野、それらゴミ屑を効率的に再利用するリサイクル分野、その他現時点で想定できない新たな分野までと、関連しない技術分野はない程である。
(着目点)
我が国の経済状況は、長期に渡って不況を託っていて、工業製品の殆どが、近隣国からの比較的安価な輸入品に押されっぱなしの状況のままに推移し、いよいよ国内生産品の競争力は失墜の一途を辿っていて不況脱出の糸口を見出せないでいるが、規制緩和の一環から農産物市場も徐々に解放され始めていて、既に一部農産物についての市場解放を実施している以上、現況工業製品同様に国内農産物についても次第に外圧が強まってきて、その自由化が進められていくことは必死の情勢であり、こうした厳しい環境を迎えるに当っては、外国からの安価で豊富な農産物に対しても十分に対抗し得るだけの農業技術を確立し、特色ある効率的な農産物を作り出していく努力が不可欠となる。
その一つとして、消費者側の健康管理に関する意識の昂揚で有害食品に対する評価が極めて厳しくなり、従前までのような増産のための化学肥料や農薬に頼った農作物が敬遠され、可能な限り自然農法によって生産された農作物の摂取が健全な食生活に欠かせないという気運が高まってきていて有機農法生産に大きな期待を寄せられており、かって化学肥料や農薬に頼っていなかった時代の栽培技術の主役であった堆肥に代表される有機質肥料や土壌改良材を使って生産した農産物は、手間暇の掛かる堆肥を使用する分だけ価格帯ではどうしても競争にならなかったものが、こうした傾向を反映して多くの消費者が購買意欲をそそられ、次第に消費が伸び始めてきていることから、生産者の間にも、かっての自然農法に戻して安全な農産物作りを志向しようとする動きがある。
畜産農業の盛んな東北・北海道地域等では、家畜等の生糞を利用した有機質肥料や土壌改良材の効率的な生産が可能になって安定した供給ができるようになりさえすれば、上記のような動きに呼応して益々自然農法を採用した安全で特色のある農産物の作付けが広がり、質、量、価格とも輸入農産品に負けない農産物の生産が可能になって生産農家の活性化に役立つのは勿論のこと、経営基盤の弱い多くの畜産農家にあっては、家畜等の生糞処理施設のために多大の経費を投入せずともその有効利用に繋がり、厄介物が場合によって利益に還元できる道に繋がることになって農家経営を安定させると共に、何よりも辺りに生糞公害を巻き起こしてしまうといった弊害を払拭できることにも繋がることから、家畜等の生糞の有機質肥料や土壌改良材への効率的な再利用がこれまで以上に強く望まれる状況となってきている。
(従来の技術)
しかし、手間暇を掛けるとはいっても、かっての堆肥のように藁や牧草等の有機質繊維に家畜の生糞を混入して自然発酵させただけのものでは、甚だしい悪臭を伴ってしまうこととなって、仮令農産物の生産に有効であるとしても作業上からは極めて取り扱いの悪い資材となって敬遠されることになるのは必定であるばかりではなく、何よりも近隣住民に迷惑が掛かり、場合によっては公害問題となってしまうことも想定しておかなければならないことから、それら問題に対処可能とする家畜排泄物による土壌改良材、およびそのための製造方法の実現化に取り組み、既に本願の発明者自身によって期待どおりのものを特開2000−185988「肥料または土壌改良材、ならびにその製造方法」発明として完成、実用化し、有機栽培農産物の生産に大いに役立てられていると共に、畜産農家からは家畜排泄物処理の問題を解決する手段としても歓迎されることとなって、次第に普及をし始めてきている。
(1) 特開2000−185988号公報
(問題意識)
この発明は、家畜排泄物、特に含有水分量の多い生豚糞、生牛糞等の処理、活用という課題を掲げて完成をみた自身の上記先行発明に関連し、この含有水分量が多くて処理が厄介な生豚糞、生牛糞等の取扱いの改善や、有機質肥料あるいは土壌改良材の成分強化に繋がると共に、同じく家畜排泄物の一つでもある鶏糞や卵殻等処理の問題にも対処できることになって養鶏農家の経営にも利するようなものにならないかとの認識を抱いたものである。
(発明の目的)
上述のような認識から、本願出願人、発明者は、肥料や土壌改良材として有力な有機質資材でありながら、未だ効率的な処理ができるようにする有効な手段が講じられていない家畜排泄物、特に含有水分量が多くて処理の厄介な生豚糞、生牛糞等と、その水分調整、成分補給用として鶏糞炭化物や乾燥卵殻等を併用し、殆ど無臭で粒状化してなるものとして取り扱いがし易くなるようにすると共に、家畜排泄物の円滑な処理をなし得るようにし、それらによる公害対策としても寄与し得るものとすべく、逸速くその開発、研究に着手し、長期に渡る試行錯誤と幾多の試作、実験とを繰り返してきた結果、今回、遂に新規な構成からなる家畜排泄物による土壌改良材、およびそのための新規な製造方法、ならびにそれを用いた新規な培養型土壌改良材の製造方法を実現化することに成功したものであり、以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構成を詳述することとする。
(発明の構成)
図面に示すこの発明を代表する実施例からも明確に理解されるように、この発明に包含される肥料または土壌改良材は、基本的に次のような構成から成り立っている。
即ち、家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌したものを熟成、発酵した上、粒状化してなるものとした構成を要旨とする肥料または土壌改良材である。
これを換言すると、家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌したものを熟成、発酵してから粒状化し、カルシウム調整処理してなるものとした肥料または土壌改良材であるということができる。
そして、より具体的なものとして示すと、家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌すると共に、pH調整材としての牡蠣殻および/または施用後成分調整材としてのゼオライトの適量を添加したものを熟成、発酵した上、粒状化してなるものとした肥料または土壌改良材となる。
(関連する発明1)
上記した肥料または土壌改良材に関連し、この発明には、その製造方法も包含されている。
即ち、
[第一工程]
屋内コンクリート床上で家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の割合で混合し、50日間に渡って1回/日攪拌し、水分調整排泄物を製造する工程。
[第一工程]
51日目に、該水分調整排泄物に対して、混合割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合し、再度50日間に渡って1回/日攪拌し、カルシウム調整処理排泄物を製造する工程。
からなる肥料または土壌改良材の製造方法である。
(関連する発明2)
さらに、この発明には、上記した肥料または土壌改良材の製造方法に留まらず、当該肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法にも及び、それらを包含していて、以下の第一ないし第六工程からなる、既述の肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法である。
[第一工程]
屋内コンクリート床上で家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の割合で混合し、50日間に渡って1回/日攪拌し、水分調整排泄物を製造する工程。
[第二工程]
51日目に、該水分調整排泄物に対して、混合割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合し、再度50日間に渡って1回/日攪拌し、カルシウム調整処理排泄物を製造する工程。
[第三工程]
発酵過程の有機質資材からなる発酵床に、前記カルシウム調整処理排泄物を適量ずつ散布、供給して30日間に渡り、1回/日攪拌して強制発酵させ、一次処理排泄物を製造する工程。
[第四工程]
一次処理排泄物に対して少なくとも植物肥料三要素の一つを所定割合で添加し、10日間に渡って1回/日攪拌して半ば粒状の二次処理排泄物を製造する工程。
[第五工程]
二次処理排泄物を、屋根付き堆積場に移動し、8〜9ヶ月間に渡り70℃を越えない条件下で堆積、放置して熟成発酵させ、含水比20%以下の三次処理排泄物を製造する工程。
[第六工程]
三次処理排泄物の発酵を一時的に強制停止させ、粒状の肥料または土壌改良材を製造する工程。
からなるである。
以上のとおり、この発明の肥料または土壌改良材、およびその製造方法は、家畜排泄物、特に含有水分量が多くて取扱いの厄介な豚、牛等の糞尿をそのまま扱うのではなく、1:1の割合で鶏糞炭化物を混合し、発酵過程の比較的早期の中に、水分量を大幅に減少させてしまうことによって発酵時間の遅延やそれに起因する腐敗を確実に阻止して、処理開始の早期に悪臭の発生を解消してしまい、その取扱い作業性を改善したものとする上、それらに対し、乾燥卵殻を2:1の割合で混合、攪拌することにより、肥料として有効な成分を十分に含むものとしたことから、先に開発済みのものに比較して家畜生糞尿の処理対策効率が大巾に改善されることになり、周辺畜産農家からの糞尿を運搬、集中して日々糞尿の処理を効率的に実施でき、何等近隣住民に迷惑を掛けることもなく糞尿処理を可能にするものであり、したがって、従前からの課題となっていた家畜排泄物による公害問題を一挙に解決できるものとなり、さらに鶏糞炭化物と同様の処理問題を抱える乾燥卵殻の相当量を混合、攪拌した上、粒状化したものとすることによって大量に発生する卵殻の処理問題をも解決すると共に、カルシウム調整機能を付加してより良好な土壌改良を実現可能とするものになるという大きな特徴を有している。
さらに、この発明の肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法によれば、オガクズやカンナクズ、樹皮片等といった木質系素材の外、藁や牧草、米ヌカ等、工業や農林業等の様々な分野で発生する有機質資材を用いることにより、産業廃棄物の処理問題を解決に導くと同時に、肉豚、牛等の生糞尿や鶏糞炭化物および乾燥卵殻等の様々な成分に由来する養分を含む有機質系の良質な培養型土壌改良材を効率的に生産することが可能になるという顕著な効果を奏するものである。
上記したとおりの構成からなるこの発明の実施に際し、その最良もしくは望ましい形態について説明を加えることにする。
家畜の生排泄物は、畜産農家や畜産会社等を含む畜産業界で発生する家畜の生糞、尿であり、より具体的には乳用牛、肉用牛、肉用豚、肉用馬等の生糞であるということができる外、シカ、イノシシ、イノブタ、山羊、羊等の特用家畜の生糞、もしくはそれらの混合物等とすることも可能であって、さらにそれらを含む藁や、オガクズ等の有機質素材からなる敷料とすることもできる。
鶏糞炭化物は、採卵鶏やブロイラー等の鶏またはそれに類する鳥類家畜から発生する糞を、後述する実施例に示すような焼土機や炭化装置、回転型焼却炉等、鶏糞類を炭化可能とする装置を用いて加熱、乾燥し、炭化させたものであり、鶏糞の外にウズラ、アヒル、アイガモ、ダチョウ等の特用家畜の糞を用いることが可能である。
乾燥卵殻は、鶏卵もしくはその外のウズラ、アヒル、アイガモ、ダチョウ等の特用家畜から発生する卵殻、特に食品工場で大量に発生する卵殻を、後述する実施例にも示すように、無臭乾燥機や攪拌型熱風乾燥機、粉砕式加熱乾燥機、減圧型乾燥機等の卵殻を乾燥可能とする装置を用いて強制乾燥させたものであり、これら廃棄物としての卵殻の外、利用不可能な鶏卵やヒナ、成鶏等も含めて乾燥処理してしまい、乾燥卵殻の一部に利用することができる。
牡蠣殻は、肥料または土壌改良材の製造段階の何れかの時点で適量を添加され、圃場に散布された後に、土壌中のpHを調整可能とする機能を果たすものであり、牡蠣の生産地等で大量に発生する牡蠣殻を粉砕処理したものを用いるものであり、牡蠣殻を十分に乾燥させ好適な粒径とするよう粉砕処理したものとしなければならず、乾燥させた後にゼオライトと混合し同時に粉砕処理したものとすることが可能であって、より具体的には、動物質のカルシウムからなる有機石灰ということができ、その他の貝殻を乾燥、粉砕して得たものを利用することが可能であり、さらに炭酸カルシウムを含む生石灰、消石灰、石灰窒素、苦土石灰、過リン酸石灰や炭酸マグネシウムを含むドロマイト等の天然無機物と置き換え使用することも可能である。
ゼオライトは、肥料または土壌改良材の製造段階の何れかの時点で適量を添加され、圃場に散布された後に、土壌中の保水性や通気性を確保すると共に、肥料成分を調整し、肥料の流亡を防ぎ、長期間肥効を持続させ、また土壌中の汚染物質を吸着する機能を果たすものであり、混合の前段階において適当な粒径に粉砕処理されたものとしなければならず、牡蠣殻と混合して同時に粉砕処理することが可能であり、より具体的には、結晶中に空洞を多くもつ多孔質の物質で、珪素やアルミニウム、ナトリウムなどによって結晶した沸石の結晶構造の隙間に水が入っているのが特徴の沸石であって、モナザイト沸石やクリノプチロライト沸石等に代表される天然ゼオライト、あるいは人工的に合成した合成ゼオライト等を用いることができる。
一次処理排泄物は、家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1で混合し、約50日間に渡って1回/日攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合し、再度約50日間に渡って1回/日攪拌し、粒状化してなるカルシウム調整処理排泄物を、オガクズやカンナクズ、樹皮片等といった木質系の有機素材の外、藁や牧草、米ヌカ等の有機質資材を、屋内コンクリート床上に40〜50cm厚程度に略平らに敷き広げた上から適量ずつ散布、供給しながら1回/日の撹拌を略30日間に渡って繰り返し、強制発酵させることにより得られるものである。
二次処理排泄物は、三次処理排泄物、即ち、この発明の培養型土壌改良材とするための前段階の性状のもので、上記した一次処理排泄物(その全てを対象にするとは限らず、その中の所定量だけを対象とし、その余はそのまま発酵床として残し、有機質資材のみ、もしくは有機質資材とカルシウム調整処理排泄物とを供給するものになる場合も含む。)に、対象作物に適した割合で植物肥料三要素、即ち窒素、燐酸、カリの一つが添加された上、略10日間程度、カルシウム調整処理排泄物の供給なしで1回/日の撹拌だけを継続することにより、不均一ではあるものの粒状化した性状のものとして得られ、それらは、三次処理排泄物とするために、それまでの屋内から屋根付き堆積場に移されることになる。
三次処理排泄物は、完全に発酵熟成すると共に一時的に発酵を強制停止させた含水率20%以下で、かなり平均化した粒状物となった、この発明の培養型土壌改良材となるものであり、大きさ、形ともまちまちで必ずしも平均化しておらず、団塊状のものも多く含む状態の先の二次処理排泄物を、雨水を防止できる屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置したままで熟成発酵させ、その発酵温度が80℃を超えて有効な微生物を死滅させ、効果的な微生物分解作用を阻害して適正にセルロース分解期が経過しなくなってしまう前の段階(時節の違いや同時期であっても天候により、左右されるが10〜15日間程度の間隔)を見計らって、そのタイミングに1回の切り返しを8〜9ケ月間(含有水分が略20%以下、望ましくは16%程度に達し、一時的に発酵を停止した状態になるまでの期間)に渡って繰り返すことにより、その間に自らの発酵熱で含有水分を強制発散させると共に、大きい粒度のものを自然崩壊させ、できるだけ平均化した比較的細粒度のものになるようにして得られる。
なお、この三次処理排泄物は、この発明の培養型土壌改良材としてそのまま市場に提供しても勿論差支えはないが、その取り扱い上、あるいは製品化上の都合から、一旦篩に掛けてより粒度を平均化してから所定量毎袋詰めして提供するようにし、除かれた所定粒度以下のものは、オガクズやカンナクズ等といった有機質資材の発酵床作りに回したり、家畜排泄物や一次処理排泄物の中に混入使用することができる。
また、この発明の家畜排泄物は、特に家畜の種類を特定するものではなく、牛糞や豚糞その他であり、畜舎から回収した直後の生糞尿をそのままであって、それら生糞尿に対して所定割合、例えば生糞尿が豚糞である場合には、豚糞1に対して鶏糞炭化物1の割合で混入して結果的に大幅に水分調整された状態に調整処理したものを用いることになる。但し、その種類、あるいは同種の生糞尿でも季節の違い等によって含有水分量が異なる場合には、その配合割合を適宜調整されなければならないことはいうまでもなく、家畜糞尿は、藁やオガクズ等の敷料を含むものとすることも可能である。
その際に組み合わせ、混入されることとなる鶏糞炭化物は、鶏を出荷した後の鶏舎にあって、当該鶏舎内に残置、堆積する鶏糞を専用の熊手等の器具を使って床から剥がすように回収してよく撹拌し、例えば、乾燥機に投入して乾燥十分にさせた後に、焼土機や炭化装置、回転型焼却炉等、乾燥鶏糞類を炭化可能とする装置を用いて加熱し、炭化物を得ることができ、こうして製造した鶏糞炭化物は、家畜生糞尿への混入作業に有利になるよう、市販のトランスパック詰め等として所定量毎の取扱いができるようにしておくと好都合のものとなる。
また、この発明の肥料または土壌改良材の製造方法は、その第一工程において、屋内コンクリート床上で家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の割合で混合し、50日間に渡って1回/日攪拌し、水分調整排泄物を製造するものとしているが、その処理期間に関しては、同工程中の気温や湿度といった気象条件等によっても変動するものであり、およそ50日間に渡り、攪拌処理すれば十分な発酵が得られるものであって、それよりも短い期間であっても、また、それよりも長い期間であっても気象条件によっては、良好な製造が可能な場合も有り得る。同様に第二工程にあっても、乾燥卵殻を混合する時期は、第一工程を終えた直後の51日目としているが、その時期が数日変動した場合であっても、品質に大きな変動をもたらすものではないが、最も望ましい時期として示すと、家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを混合してから51日目ということができ、これを守ることによって品質を安定させることが可能となる。
さらに、この発明に包含される肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法は、第三工程の一次処理排泄物を製造する工程において、発酵過程の有機質資材からなる発酵床に、前記カルシウム調整処理排泄物を適量ずつ散布、供給して30日間に渡り攪拌し、強制発酵させるものとしているが、こうした発酵期間もまた、前述と同様に気象条件等によって、短縮もしくは延長可能であるということができり、以降の植物肥料三要素の一つを所定割合で添加し、10日間に渡り攪拌し、半ば粒状化の二次処理排泄物を製造する第四工程、および屋根付き堆積場に移動し、8〜9ヶ月間に渡り80℃を越えない条件下で堆積、放置して熟成発酵させ、含水比20%以下の三次処理排泄物を製造する第五工程もまた、同様に有る程度の期間の変動が可能である。
肥料または土壌改良材およびその製造方法、または肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法における第一または第二工程、あるいは第三ないし第六工程の何れかの段階か、もしくはその前後となる適時に、乾燥、粉砕処理済みであって好適な粒径に加工されたpH調整材としての牡蠣殻粉砕物および/または好適な粒径に粉砕処理された施用後成分調整材としてのゼオライト粉砕物の適量を添加する工程を加えたものとすることが可能である。
以下では、図面に示すこの発明を代表する実施例と共に、その構造について詳述することとする。
以上のとおりの構成を要旨とするこの発明の理解を助けるため、次に具体的な肥料または土壌改良材の製造方法について説示することとする。
先ず、第一工程において肉用豚の生糞および尿、もしくはそれらを含んだ藁や、オガクズ等の敷料からなる家畜の生排泄物と、採卵鶏やブロイラー等の鳥類家畜から発生する糞を20%以下に乾燥、炭化させた鶏糞炭化物とを、屋内コンクリート床上で1:1の割合で混合し、50日間に渡って1日に1回の割合で、トラクタショベルや油圧ショベル等の建設機械を用いる等して効率的に攪拌し、水分調整排泄物を製造する。
肉用豚の生糞尿は、畜産業界で発生したものであり、オガクズ等の有機質素材からなる敷料を含めて回収されたものであり、また、鶏糞炭化物は、鶏舎から回収された敷料を含む水分85%前後の生鶏糞を最終的に炭化物になるまで加熱処理したものであって、より具体的には、例えば4.5tの生鶏糞を乾燥機に投入して1時間程度に渡り600〜800℃に加熱して水分20%の乾燥鶏糞1.5tを得た後、約1時間に渡り焼土機(有限会社ソイル技研製)に投入し800〜900℃に加熱した上、同焼土機の密閉筒側に移動させて蒸し焼き状態とすることにより、0.67tの鶏糞炭化物を得ることができ、このように製造した鶏糞炭化物を市販のトランスパックに詰める等して、一時的な保管と運搬とを容易にしたものである。
第二工程では、採卵鶏やブロイラー等の鳥類家畜の飼育、生産過程および食品工場等で大量に発生した卵殻を、無臭乾燥機(チッソ株式会社製)等に投入して十分に乾燥処理した乾燥卵殻を、該水分調整排泄物に対して、2:1(水分調整排泄物2に対して乾燥卵殻1)の割合で混合し、その後50日間に渡り、1回/日の攪拌を行いながら発酵を均質に進行させ、適宜粒状化したカルシウム調整処理排泄物からなる肥料または土壌改良材を製造するものである。
前記実施例1に示した工程によって製造された肥料または土壌改良材は、以下に示す第三ないし第六工程に至る過程により、培養型土壌改良材を得ることが可能であり、次に培養型土壌改良材の製造方法について具体的に示すこととする。
図1の培養型土壌改良材の製造工程のフローチャート中に示すように、前記実施例1に示した第一工程1および第二工程2によって製造したカルシウム調整処理排泄物は、その適量を、第三工程3においてオガクズやカンナクズ、樹皮片等といった木質系素材の外、藁や牧草、米ヌカ等の主に農林、建設業等の各作業段階で排出される有機質資材を、屋内コンクリート床上に40〜50cm厚程度の平らな状態に敷き広げたものの上から、毎回適量ずつ略均質に散布、供給しながら1回/日の撹拌を略30日間に渡って繰り返し、強制発酵させて一次処理排泄物を製造する。
第四工程4により、一次処理排泄物に対して窒素、燐酸、カリの中の少なくとも一つの成分の適量を添加した上、略10日間程度に渡って1回/日の割合で攪拌して半ば粒状化させた二次処理排泄物を製造した後に次の第五工程に移ることなる。
第五工程5では、大きさ、形ともまちまちで必ずしも平均化しておらず、団塊状のものも多く含む状態の先の二次処理排泄物を、雨水を防止できる屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置したままで熟成発酵させ、その発酵熱が80℃に達して、有効な微生物を死滅させ、効果的な微生物分解作用を阻害して適正にセルロース分解期が経過しなくなってしまう前の段階(時節の違いや、同時期でも天候によっても左右されるが、10ないし15日間程度の間隔)を見計らって、そのタイミングに1回の切り返しを8〜9ケ月間(含有水分が略20%以下、望ましくは16%程度に達し、一時的に発酵を停止した状態になるまでの期間)に渡って繰り返すことにより、その間に自らの発酵熱で含有水分を強制発散させると共に、大きい粒度のものを自然崩壊させ、できるだけ平均化した比較的細粒度のものになるようにして三次処理排泄物を得る。
続く第六工程6では、十分に乾燥させることによって先の三次処理排泄物の発酵を強制的に停止させることにより、培養型土壌改良材としてそのまま市場に提供できるものとなり、こうして製造した培養型土壌改良材は、その取り扱い上、あるいは製品化上の都合から、一旦篩に掛けてより粒度を平均化してから所定量毎袋詰めして提供するようにし、除かれた所定粒度以下のものは、オガクズやカンナクズ等といった有機質資材の発酵床作りに回したり、家畜排泄物や一次処理排泄物の中に混入使用するのが望ましい。
前記実施例1の第一工程1または第二工程2、または実施例2の第三工程3から第六工程6に至るまでの適当な段階に、牡蠣の産地や加工工場等で大量に発生した牡蠣殻を、焼土機(有限会社ソイル技研製)に投入し3〜5分間に渡り、800〜1000℃に加熱して水分量10%以下に乾燥させた上、ロールクラッシャーに投入して0〜3mmの粒径に粉砕して得られた牡蠣殻粉砕物か、天然ゼオライトの鉱石をロールクラッシャーに投入し、0〜3mmの粒径に粉砕したゼオライト粉砕物かの何れかもしくは双方の適量を混合、攪拌したものとすることが可能である。
(実施例の作用)
以上のとおりの構成からなる実施例1の肥料または土壌改良材およびその製造方法は、第一工程1の段階において大量の水分を含有している家畜生排泄物に対して、高い乾燥状態にある鶏糞炭化物を、その重量割合が1:1となるよう混合し、約50日間に渡って1回/日の攪拌を行うことにより、通常であれば相当の経費を費やして適正に処理する必要がある肉豚や牛等から発生する家畜の生糞尿と、採卵鶏やブロイラー等の鳥類家畜から生じる鶏糞とを、同時にリサイクル処理することが可能となり、しかも水分量が90〜80%の家畜の生糞尿に対して水分量が10%以下の鶏糞炭化物を同量混合することにより、全体の水分量を50%前後まで低下させることが可能となり、特に冬季間等の気温が低下して水分量が多い場合に有効な発酵が得られないような気象条件下であっても、早期の発酵を促すものとなって発酵の遅延や腐敗およびそれによる悪臭の発生等を防止するものとなり、春から夏にかけての発酵に適した期間において、家畜生糞尿の水分量そのままで発酵させた場合に比較して約20日間の発酵、熟成期間の短縮を可能とする上、鶏糞炭化物が黒色のため、これを混合すると原料全体が黒色系となり、発酵施設内の太陽熱を取り込み易くなることから、発酵と熟成に適した温度まで効率的に上昇させ、保温するのに有効なものとなる。
第二工程によって前記第一工程で得られた水分調整排泄物に対して2:1の割合となる量の乾燥卵殻を混合し、さらに約50日間に渡り、1回/日の攪拌を行うことにより、採卵鶏やブロイラー等の畜産農家や食品工場等から大量に発生して、廃棄処理の手間と経費とが嵩んでいた大量の卵殻を、肥料または土壌改良材の原材料としてリサイクル処理することができるものとなり、しかも乾燥卵殻は、加熱殺菌により無害化されたものである上、農作物等に対して緩効性の有機質石灰となり、カルシウムの外にもホウ素、マンガン、マグネシウム、モリブデン等の有効成分を含むので有効な肥料成分となる上、鶏糞炭化物によって全体が黒色系となり、発酵施設内の太陽熱を取り込み易くなっている原材料中に乾燥卵殻を2:1の割合で混合することにより、原料全体の発酵温度を80℃前後まで速やかに上昇させ、家畜生排泄物中に含まれる外来植物の種や病原菌等を完全に死滅させることが可能となる。
乾燥卵殻の混合比率が2:1を超えると、短期間の中に原料の発酵温度が80℃を超えてしまい、土壌改良材として有効な良質の微生物まで死滅させてしまうこととなり、また、混合比率を2:1に満たないと、発酵温度が80℃に達するまでに長期間を要するものとなり、円滑な発酵が得られずに堆肥工場の処理能力を大幅に低下させてしまうという欠点を生じるものとなる。
このようにして第二工程までに製造されたカルシウム調整処理排泄物は、そのままか、あるいは粒径を整えて所定単位毎の定量袋に充填し、肥料または土壌改良材として市場に提供することが可能である外、実施例2の第三工程以降に示したように、培養型土壌改良材の原料として用いることが可能である。
実施例2の培養型土壌改良材の製造方法は、前記実施例1の第一工程1および第二工程2に示したようにカルシウム調整処理排泄物を得た後、図1中に示したように、第三工程3において有機質資材を、屋内コンクリート床上に敷き広げた上、カルシウム調整処理排泄物を毎回適量ずつ略均質に散布、供給しながら1回/日の撹拌を略30日間に渡って繰り返し、強制発酵させて一次処理排泄物を製造することとなるが、土壌改良材を培養するための原料としてオガクズやカンナクズ、樹皮片などの木質系素材、および藁や牧草、米ヌカ等の農林、建築業界で大量に発生する有機質資材を用いることにより、従前までであれば廃棄処理に多大な経費を必要としていた有機質系産業廃棄物のリサイクル処理を可能とするものとなり、しかも攪拌作業の毎にカルシウム調整処理排泄物を散布することによって比較的短期間の中に強制発酵させることができる。
第四工程4によって第三工程3までに得た一次処理排泄物に対して窒素、燐酸、カリの少なくとも一つの成分を添加し、土壌改良機能を強化すると共に、略10日間程度に渡って1回/日の割合で攪拌することにより、半ば粒状化の比較的取り扱い易い形状に整えられた二次処理排泄物を得、そして、第五工程5により、屋根付き堆積場に山積み堆積し、自然通風環境下に放置したまま、有効な微生物を死滅させない80℃前後の発酵温度に達するよう、必要に応じて切り返して冷却する等して温度管理して含有水分を発散させることにより、特別な造粒作業等を行うことなく、団塊状の大きい粒度のものを自然崩壊させ、平均化した粒度の三次処理排泄物を得ることにより、土壌改良材としての熟成度を高めて行く。
第六工程6において、高い乾燥状態に導くことにより、三次処理排泄物の発酵を強制的に停止させて市場に提供可能な状態に仕上げられるが、この第六工程6に至るまでの何れか適当な段階に適量の牡蠣殻粉砕物を混合、攪拌することによって施用後のpH調整機能を発揮するものとなり、また、同様の適当な段階に適量のゼオライト粉砕物を混合、攪拌することにより、施用後の過剰な肥料分や水分等を吸収、保持して成分調整機能を発揮するものとなる。このようにして製造された培養型土壌改良材は、必要に応じて篩いに掛けて3〜10mm程度の粒度、望ましくは略5mm前後のものに揃え、肥料または土壌改良材として取り扱い易くなるようにすると共に、製品としての取り扱いがし易いよう、通気孔を設けた10キログラム、15キログラム、……等といった所定単位毎の定量袋に充填、封入して市場に出荷することが可能となる。
また、篩いから漏れた塊状や小粒、微粉状の土壌改良材は、第三工程3に戻して再度発酵、熟成工程をやり直すようにすることで、製造過程に発生する廃棄物をゼロにすることができる。
(実施例の効果)
以上のような構成からなる実施例1の肥料または土壌改良材およびその製造方法は、前記この発明の効果の項で記載の特徴に加え、第一ならびに第二工程1,2における家畜生糞尿と鶏糞炭化物との混合、攪拌およびその水分調整排泄物に対する乾燥卵殻の混合、攪拌工程は、コンクリート床を有する建屋内において機械化して実施することができるため、処理作業は極めて小人数の作業者によって効率的に実施でき、その過程で悪臭を周辺に撒き散らす虞がない上、強制発酵の初期段階で悪臭自体も消滅し、雨水を防止できる屋根付き堆積場に山積み堆積しても、何等悪臭の問題を生ずることもなく、自然通風環境下に放置したまま、温度管理による切り返しを機械的に繰り返していって、その含水率を目安に熟成発酵程度の確認をしながら所定期間を経過しさえすれば、高品質の肥料または土壌改良材の製造が可能になるという簡便且つ効率的な製造方法となっており、上記のように糞尿処理に大いに役立ちながら、加えて家畜排泄物という極めて有用な資材から安価で、しかも混入した鶏糞炭化物および乾燥卵殻によって有効性分を強化した高品質の肥料または土壌改良材が比較的短期間の中に生産できることとなって、畜産農家にとっては、二重の経済効果がもたらされ、農家経営を安定させる上で大いに役立つことになるという秀れた効果が得られることになる。
一方、こうして得られたこの発明の肥料または土壌改良材は、家畜排泄物という極めて有効な有機質資材から直接発酵、熟成されたものとなり、混入した鶏糞炭化物と乾燥卵殻とによって有効性分が強化されて極めて肥料成分に富み、しかも目的に応じて牡蠣殻やゼオライト等を配合したものとすることにより、施用後のpH調整機能や成分調整機能を付加したものとすることによってさらに様々な用途の土壌改良材として幅広い利用を可能とするという効果を発揮する。
また、実施例2の培養型土壌改良材の製造方法によれば、実施例1で得られた肥料または土壌改良材を基に、大量の有機質資材からなる発酵床を効率的に発酵、熟成させることによって良好な培養型土壌改良材を短期間の中に安定的に量産することが可能となる上、その製造工程中において植物肥料三要素の少なくとも一つが適宜選択的に配合されたものになる上、原料の全てが産業廃棄物同士を組み合わせてなるものとしたことから、従前からの有機質肥料や土壌改良材に比較してもかなり安価に供給できるものとなり、それまでの化学肥料の使い過ぎによる地力の衰えを回復させ、自由化された輸入農産物に対抗するための高品質、無農薬農産物の効率的生産が迫られている各種生産農家にとって、極めて有用且つ安全なものとして手軽に受け入れ、使用することを可能にし、その結果、有用微生物の積極的な持ち込み効果、硫化水素や地中有害ガス発生の防止効果、リン酸の固定化防止効果、窒素の固定、菌増殖効果等がもたらされ、土壌改良が円滑に進み、植物成育のための秀れた肥料効果が大いに期待できて生産農家の意欲向上に繋がっていくものと考えられる。
さらに、この肥料または土壌改良材ならびに培養型土壌改良材は、殆ど無臭であって、一時的に発酵停止状況とした手頃な乾燥状態で粒状のものに形成され、しかもその取り扱いがし易いよう所定量毎に袋詰めしたものとして提供可能となることから、農地への散布作業にとっては勿論のこと、保管、管理等といった面での取り扱いに際しても極めて都合の良いものになるという特徴も加わって、農産物輸入の自由化という厳しい局面に直面することになっても、十分に競争力のある高品質の作物作りが保証され、農家経営の安定化に役立ち得るという秀れた効果を奏することにもなる。
(結 び)
叙述の如く、この発明の肥料または土壌改良材およびその製造方法、ならびにそれを用いた培養型土壌改良材の製造方法は、厄介者とされてきた家畜排泄物、特に含有水分量が多くて処理の厄介な生豚糞、生牛糞等の取り扱いが従前のものに比較して大巾に改善されると共に、その改善に寄与する鶏糞炭化物ならびに乾燥卵殻の有効性分、特にリン酸やカルシウム等が強化された極めて高品質の有機質肥料または土壌改良材とすることに成功したものであり、したがって糞尿公害対策としても以前にも増して高い評価がなされ、生産農家の各種育成作物の生産効率を高める手段として大いに威力を発揮することになって広くそれら農家に受け入れられ、広範に普及、拡大していくことになるのは勿論のこと、農家以外の、例えば、園芸用の土作りに使用したり、台所から出る生ゴミ処理用に採用することができる外、ゴルフ場の芝の健全な生育、管理にも役立つものと考えられ、各方面で大いにその威力を発揮するものになると予想される。
図面は、この発明の肥料または土壌改良材およびその製造方法、ならびにそれを用いた培養型土壌改良材の製造方法の技術的思想を具現化した代表的な幾つかの実施例を示すものである。
培養型土壌改良材の製造工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 第一工程
2 第二工程
3 第三工程
4 第四工程
5 第五工程
6 第六工程

Claims (5)

  1. 家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌したものを熟成、発酵した上、粒状化してなるものとしたことを特徴とする肥料または土壌改良材。
  2. 家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌したものを熟成、発酵してから粒状化し、カルシウム調整処理してなるものとしたことを特徴とする肥料または土壌改良材。
  3. 家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の重量割合で混合、攪拌して得た水分調整排泄物に対し、重量割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合、攪拌すると共に、pH調整材としての牡蠣殻および/または施用後成分調整材としてのゼオライトの適量を添加したものを熟成、発酵した上、粒状化してなるものとしたことを特徴とする肥料または土壌改良材。
  4. 以下の第一ないし第二工程によって製造することを特徴とする、請求項1または2何れか一項記載の肥料または土壌改良材の製造方法。
    [第一工程]
    屋内コンクリート床上で家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の割合で混合し、50日間に渡って1回/日攪拌し、水分調整排泄物を製造する工程。
    [第二工程]
    51日目に、該水分調整排泄物に対して、混合割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合し、再度50日間に渡って1回/日攪拌して所定期間に渡って放置してカルシウム調整処理排泄物を製造する工程。
  5. 以下の第一ないし第六工程によって製造することを特徴とする、請求項1または2何れか一項記載の肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材の製造方法。
    [第一工程]
    屋内コンクリート床上で家畜の生排泄物と鶏糞炭化物とを1:1の割合で混合し、50日間に渡って1回/日攪拌し、水分調整排泄物を製造する工程。
    [第二工程]
    51日目に、該水分調整排泄物に対して、混合割合において2:1となるよう乾燥卵殻を混合し、再度50日間に渡って1回/日攪拌し、カルシウム調整処理排泄物を製造する工程。
    [第三工程]
    発酵過程の有機質資材からなる発酵床に、前記カルシウム調整処理排泄物を適量ずつ散布、供給して30日間に渡り、1回/日攪拌して強制発酵させ、一次処理排泄物を製造する工程。
    [第四工程]
    一次処理排泄物に対して少なくとも植物肥料三要素の一つを所定割合で添加し、10日間に渡って1回/日攪拌して半ば粒状の二次処理排泄物を製造する工程。
    [第五工程]
    二次処理排泄物を、屋根付き堆積場に移動し、8〜9ヶ月間に渡り70℃を越えない条件下で堆積、放置して熟成発酵させ、含水比20%以下の三次処理排泄物を製造する工程。
    [第六工程]
    三次処理排泄物の発酵を一時的に強制停止させ、粒状の肥料または土壌改良材を用いた培養型土壌改良材を製造する工程。
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