JP2004051380A - 有機肥料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】植物が必要とする栄養素成分と微量ミネラル分を堆肥化させるので、植物への吸収が良く成長活性が促進される。土壌改良効果と雑菌抑制効果と害虫防止効果によって植物の病害虫からの汚染を防ぐことができる。
【解決手段】家畜の排泄物や食物廃棄物を含む材料を植物に応じた成分コントロールし、原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む補助材料を加え、原材料に土壌微生物による土壌改良効果と病害虫を抑制する効果を持つ枯草菌を加えて原材料を枯草菌により堆肥化する。
【選択図】 図1
【解決手段】家畜の排泄物や食物廃棄物を含む材料を植物に応じた成分コントロールし、原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む補助材料を加え、原材料に土壌微生物による土壌改良効果と病害虫を抑制する効果を持つ枯草菌を加えて原材料を枯草菌により堆肥化する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の育成に用いられる肥料には有機肥料と化学肥料がある。有機肥料は、牛糞、豚糞、鶏糞、食品汚泥、油粕などの原材料を適宜配合混合して自然発酵することで作られる。化学肥料は植物に必要な必須ミネラルを含む材料を適宜混合することで作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
有機肥料は、配合混合した原材料を自然発酵することで作られるので、植物の育成に必要な栄養素や微量ミネラルの配合がコントロールされておらず、栄養バランスの片寄りが生じるとともに、自然発酵による有益菌以外の雑菌の繁殖による病害虫の発生で植物の育成が阻害される。
【0004】
また、従来の有機肥料では、自然発酵方式による有益菌以外の雑種菌(病原菌類のクロストリジウム菌、レジオネラ菌、病原性大腸菌群、サルモネラ菌、糸状菌、芽胞細菌類など他多数)の繁殖によって、堆肥化に時間がかかるとともに不完全発酵による環境汚染の問題が生じる。
【0005】
さらに、従来の有機肥料は、植物の育成に必要な栄養素成分がコントロールされずに片寄っていることから、化学肥料との併用が必要となる。
【0006】
化学肥料は、利便性があるものの近年その大量使用によって硝酸性窒素による地下水汚染や高濃度含有野菜などの環境汚染の問題が拡大しその使用が懸念されている。
【0007】
本発明は、上記した点を考慮してなされたもので、不完全発酵による環境汚染の問題が生じることなく、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料を作ることができる有機肥料の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機肥料の製造方法は、家畜の排泄物や食物廃棄物を含む原材料を植物に応じた成分コントロールし、原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む補助材料を加え、原材料に枯草菌を加えて枯草菌により堆肥化することで、原材料の不完全発酵による環境汚染の問題がなく、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料を作ることができる。
【0009】
本発明の有機肥料の製造方法は、植物の育成に重要な栄養素分をコントロールした原材料へ土壌微生物としての土壌改良効果と病害虫を酵素分解による加水分解で抑制する効果を持つ枯草菌を発酵分解菌として使用することで、病気の原因となる雑菌の繁殖を抑制することができる。
【0010】
本発明により作られた有機肥料は、枯草菌を発酵分解菌として、栄養素をコントロール(ミネラルバランス)した原材料を発酵分解堆肥化するので、植物への吸収が良く、汚水による環境汚染の問題が発生することがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による有機肥料の製造方法の工程順のブロック図を示す。
【0012】
本発明の有機肥料の製造方法は、家畜の排泄物や食物廃棄物を含む原材料を植物に応じた成分コントロールし、成分コントロールした原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻の補助材料を加え、補助材料を加えた原材料に枯草菌を加えて撹拌し、原材料を枯草菌により堆肥化することで構成される。
【0013】
上記原材料は、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウム成分を成分コントロールするために、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などから適宜選定される。
【0014】
家畜の排泄物や食物廃棄物を原材料のうち、例えば、鶏糞は窒素3.0%、リン4.5%、カリウム4.0%、豆類粕は窒素7.0%、リン1.5%、カリウム2.0%、米糠は窒素2.5%、リン5.5%、カリウム1.0%を含有している。そのため、上記原材料の配合比によって、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウムの量を決めることができる。
【0015】
植物に必要なミネラルであるカルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、セレン、モリブデンなどを含む補助材料としては、黒雲母、白雲母、黒曜石、トルマリン鉱石、輝石、角閃石、長石、カンラン石、沸石、セル石などの天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻がある。
【0016】
必須微量ミネラルとして天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を利用する目的は、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などの原材料による栄養素成分コントロール(ミネラルバランス)だけでは補えない植物に重要な栄養素である必須微量ミネラルのカルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅u、セレン、モリブデンなどの補給することである。
【0017】
枯草菌として、納豆菌と同じバチルス・サブチルス属に属したグラム陽性の有胞子性桿菌が利用される。例として、微生物としての土壌改良効果があり、灰色カビ、立枯れ病などの病原菌や原虫(根こぶセン虫など)の抑制効果があるバチルス・サブチルス(Bacillus Subtillis)菌及び蛾やコガネムシなどの天敵微生物であるバチルス・チューリシゲンシス(Bacillus Thuringiensis)菌などが選定される。
【0018】
枯草菌(バチルス属菌)を利用する目的は、土壌微生物による土壌の改良効果と、枯草菌が有益菌として働き立枯れ病などの原因となる雑菌や原虫の繁殖を抑制する効果と、蛾やコガネムシなどの害虫の抑制効果である。
【0019】
つぎに、有機肥料の製造方法について説明する。
原材料は、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などから選定される。植物の育成に必要な窒素、リン、カリウムを、鶏糞においては窒素3.0%、リン4.5%、カリウム4.0%含み、豆類粕においては窒素7.0%、リン1.5%、カリウム2.0%含み、米糠においては窒素2.5%、リン5.5%、カリウム1.0%含む。
【0020】
まず、原材料の配合比を、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウムを成分コントロール(ミネラルバランス)するために決める。果樹用としての原材料の配合比は、原材料が窒素5%、リン4%、カリウム3%に成分コントロールするように決められる。
【0021】
つぎに、配合比を決めた原材料を、窒素、リン、カリウムが適当に分布されるように撹拌混合する。
【0022】
つぎに、撹拌混合した原材料に、原材料の成分コントロールだけでは補うことができない必須微量ミネラル分を補給するために、必須微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加えて撹拌混合する。
【0023】
つぎに、必須微量ミネラル分を加えた原材料に発酵分解菌としての枯草菌(バチルス属菌)を加え、撹拌混合する。
【0024】
つぎに、原材料を枯草菌(バチルス属菌)により常温で4ヶ月間発酵させ堆肥化する。この発酵段階において、原材料は枯草菌(バチルス属菌)により、65℃〜70℃の発酵温度で分解が進む。この発酵期間中に切り返しによるエアレーションを実施する。菌特性としては、通性嫌気性菌であるが、不有酸素状況であればよい。
【0025】
つぎに、堆肥化された有機肥料を計量し、パッキングする。有機肥料に含まれる枯草菌(バチルス属菌)は、グラム陽性の有胞子性桿菌であるから、袋詰めパッキングされた後の枯草菌は、胞子の中で休眠しているので、保存性が高いことになる。
【0026】
本発明により製造される有機肥料は、植物の必要な栄養素成分の窒素、リン、カリウム分を成分コントロール(ミネラルバランス)した原材料に、カルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、セレン、モリブデンなどの微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加え、さらに枯草菌(バチルス菌)によって堆肥化されるので、植物への吸収が良く成長が促進され、光合成・リン触媒などの活性がさらに進み、成長ホルモンの増殖を助けることになる。
【0027】
本発明により製造される有機肥料は、枯草菌(バチルス属菌)が発酵分解菌として働き、病気の原因となる雑菌の繁殖を抑制する効果によって他の雑菌が繁殖することがない。
【0028】
なお、上記発明の実施形態では、枯草菌である納豆菌と同じバチルス・サブチルス属に属したグラム陽性の有胞子性桿菌であるバチルス・サブチルス、(Bacillus Subtilis)菌やバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus Thuringiensis)菌などが選定されるが、これら枯草菌に加えて、グラム陽性の有胞子性乳酸菌を使用することで、発酵を促進させることができる。
【0029】
上記グラム陽性の有胞子性乳酸菌として、バチルスコアグランス(Bacillus Coagulans)やスポロラクトバチルス(Sporolactobacillus)を選定することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による有機肥料の製造方法は、植物の必要な栄養素成分をコントロールした原材料に、必須微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加え、枯草菌を用いて堆肥化させるので、植物への吸収が良く成長が促進され、有機培土として使用した場合の収益が向上するとともに芳香が高く高品質で安全な農作物が生産できる。
【0031】
また、本発明により作られる有機肥料は、必須ミネラルバランスと必須アミノ酸9種(アミノ酸プール値)が成立することによって、植物が吸収しやすい型で重要な栄養素成分を含有し、土壌微生物による土壌改良材効果と灰色カビや立枯れ病などの病原菌や原虫(根こぶセン虫など)の抑制効果及び蛾、コガネムシなどの病害虫を抑制する効果を合わせ持つ。
【0032】
また、本発明により作られる有機肥料は、枯草菌(バチルス属菌)の産出物(アイチュリンやワーワクチンなど)などによって、土壌微生物としての化成肥料傷害や連作傷害などに対しての土壌改良材効果がある。
【0033】
さらに、本発明により作られる有機肥料は、病害虫を抑制する効果があるので有機培土として使用した場合に植物の収穫を高めることができる。
【0034】
なお、この有機肥料で作られた農作物を喫食することにより、社会的に問題のある平均的基礎体温の低下(免疫力の低下)や味覚障害などの栄養素又は微量ミネラルの不足から起因する諸病の改善、予防ができる。
【0035】
枯草菌(バチルス菌)によって堆肥化された有機肥料を用いて適正に土壌混合された培土においては、殺菌処理により一時的に菌数が減少するが、枯草菌(バチルス菌)が持つ有胞子の特性によって、休眠状態から再び有益菌として働くことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機肥料の製造方法の工程順を示すブロック図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
植物の育成に用いられる肥料には有機肥料と化学肥料がある。有機肥料は、牛糞、豚糞、鶏糞、食品汚泥、油粕などの原材料を適宜配合混合して自然発酵することで作られる。化学肥料は植物に必要な必須ミネラルを含む材料を適宜混合することで作られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
有機肥料は、配合混合した原材料を自然発酵することで作られるので、植物の育成に必要な栄養素や微量ミネラルの配合がコントロールされておらず、栄養バランスの片寄りが生じるとともに、自然発酵による有益菌以外の雑菌の繁殖による病害虫の発生で植物の育成が阻害される。
【0004】
また、従来の有機肥料では、自然発酵方式による有益菌以外の雑種菌(病原菌類のクロストリジウム菌、レジオネラ菌、病原性大腸菌群、サルモネラ菌、糸状菌、芽胞細菌類など他多数)の繁殖によって、堆肥化に時間がかかるとともに不完全発酵による環境汚染の問題が生じる。
【0005】
さらに、従来の有機肥料は、植物の育成に必要な栄養素成分がコントロールされずに片寄っていることから、化学肥料との併用が必要となる。
【0006】
化学肥料は、利便性があるものの近年その大量使用によって硝酸性窒素による地下水汚染や高濃度含有野菜などの環境汚染の問題が拡大しその使用が懸念されている。
【0007】
本発明は、上記した点を考慮してなされたもので、不完全発酵による環境汚染の問題が生じることなく、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料を作ることができる有機肥料の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機肥料の製造方法は、家畜の排泄物や食物廃棄物を含む原材料を植物に応じた成分コントロールし、原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む補助材料を加え、原材料に枯草菌を加えて枯草菌により堆肥化することで、原材料の不完全発酵による環境汚染の問題がなく、植物の育成に必要な栄養素成分と土壌改良材効果と病害虫抑制効果を持つ有機肥料を作ることができる。
【0009】
本発明の有機肥料の製造方法は、植物の育成に重要な栄養素分をコントロールした原材料へ土壌微生物としての土壌改良効果と病害虫を酵素分解による加水分解で抑制する効果を持つ枯草菌を発酵分解菌として使用することで、病気の原因となる雑菌の繁殖を抑制することができる。
【0010】
本発明により作られた有機肥料は、枯草菌を発酵分解菌として、栄養素をコントロール(ミネラルバランス)した原材料を発酵分解堆肥化するので、植物への吸収が良く、汚水による環境汚染の問題が発生することがない。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明による有機肥料の製造方法の工程順のブロック図を示す。
【0012】
本発明の有機肥料の製造方法は、家畜の排泄物や食物廃棄物を含む原材料を植物に応じた成分コントロールし、成分コントロールした原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻の補助材料を加え、補助材料を加えた原材料に枯草菌を加えて撹拌し、原材料を枯草菌により堆肥化することで構成される。
【0013】
上記原材料は、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウム成分を成分コントロールするために、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などから適宜選定される。
【0014】
家畜の排泄物や食物廃棄物を原材料のうち、例えば、鶏糞は窒素3.0%、リン4.5%、カリウム4.0%、豆類粕は窒素7.0%、リン1.5%、カリウム2.0%、米糠は窒素2.5%、リン5.5%、カリウム1.0%を含有している。そのため、上記原材料の配合比によって、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウムの量を決めることができる。
【0015】
植物に必要なミネラルであるカルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、セレン、モリブデンなどを含む補助材料としては、黒雲母、白雲母、黒曜石、トルマリン鉱石、輝石、角閃石、長石、カンラン石、沸石、セル石などの天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻がある。
【0016】
必須微量ミネラルとして天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を利用する目的は、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などの原材料による栄養素成分コントロール(ミネラルバランス)だけでは補えない植物に重要な栄養素である必須微量ミネラルのカルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅u、セレン、モリブデンなどの補給することである。
【0017】
枯草菌として、納豆菌と同じバチルス・サブチルス属に属したグラム陽性の有胞子性桿菌が利用される。例として、微生物としての土壌改良効果があり、灰色カビ、立枯れ病などの病原菌や原虫(根こぶセン虫など)の抑制効果があるバチルス・サブチルス(Bacillus Subtillis)菌及び蛾やコガネムシなどの天敵微生物であるバチルス・チューリシゲンシス(Bacillus Thuringiensis)菌などが選定される。
【0018】
枯草菌(バチルス属菌)を利用する目的は、土壌微生物による土壌の改良効果と、枯草菌が有益菌として働き立枯れ病などの原因となる雑菌や原虫の繁殖を抑制する効果と、蛾やコガネムシなどの害虫の抑制効果である。
【0019】
つぎに、有機肥料の製造方法について説明する。
原材料は、家畜の排泄物である牛糞、豚糞、鶏糞や食物廃棄物となる食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑などから選定される。植物の育成に必要な窒素、リン、カリウムを、鶏糞においては窒素3.0%、リン4.5%、カリウム4.0%含み、豆類粕においては窒素7.0%、リン1.5%、カリウム2.0%含み、米糠においては窒素2.5%、リン5.5%、カリウム1.0%含む。
【0020】
まず、原材料の配合比を、植物の育成に重要な栄養素分である窒素、リン、カリウムを成分コントロール(ミネラルバランス)するために決める。果樹用としての原材料の配合比は、原材料が窒素5%、リン4%、カリウム3%に成分コントロールするように決められる。
【0021】
つぎに、配合比を決めた原材料を、窒素、リン、カリウムが適当に分布されるように撹拌混合する。
【0022】
つぎに、撹拌混合した原材料に、原材料の成分コントロールだけでは補うことができない必須微量ミネラル分を補給するために、必須微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加えて撹拌混合する。
【0023】
つぎに、必須微量ミネラル分を加えた原材料に発酵分解菌としての枯草菌(バチルス属菌)を加え、撹拌混合する。
【0024】
つぎに、原材料を枯草菌(バチルス属菌)により常温で4ヶ月間発酵させ堆肥化する。この発酵段階において、原材料は枯草菌(バチルス属菌)により、65℃〜70℃の発酵温度で分解が進む。この発酵期間中に切り返しによるエアレーションを実施する。菌特性としては、通性嫌気性菌であるが、不有酸素状況であればよい。
【0025】
つぎに、堆肥化された有機肥料を計量し、パッキングする。有機肥料に含まれる枯草菌(バチルス属菌)は、グラム陽性の有胞子性桿菌であるから、袋詰めパッキングされた後の枯草菌は、胞子の中で休眠しているので、保存性が高いことになる。
【0026】
本発明により製造される有機肥料は、植物の必要な栄養素成分の窒素、リン、カリウム分を成分コントロール(ミネラルバランス)した原材料に、カルシウム、マグネシウム、鉄、硫黄、ホウ素、塩素、マンガン、亜鉛、銅、セレン、モリブデンなどの微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加え、さらに枯草菌(バチルス菌)によって堆肥化されるので、植物への吸収が良く成長が促進され、光合成・リン触媒などの活性がさらに進み、成長ホルモンの増殖を助けることになる。
【0027】
本発明により製造される有機肥料は、枯草菌(バチルス属菌)が発酵分解菌として働き、病気の原因となる雑菌の繁殖を抑制する効果によって他の雑菌が繁殖することがない。
【0028】
なお、上記発明の実施形態では、枯草菌である納豆菌と同じバチルス・サブチルス属に属したグラム陽性の有胞子性桿菌であるバチルス・サブチルス、(Bacillus Subtilis)菌やバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus Thuringiensis)菌などが選定されるが、これら枯草菌に加えて、グラム陽性の有胞子性乳酸菌を使用することで、発酵を促進させることができる。
【0029】
上記グラム陽性の有胞子性乳酸菌として、バチルスコアグランス(Bacillus Coagulans)やスポロラクトバチルス(Sporolactobacillus)を選定することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明による有機肥料の製造方法は、植物の必要な栄養素成分をコントロールした原材料に、必須微量ミネラル分を含んだ天然鉱石や卵殻、貝殻、蟹殻を加え、枯草菌を用いて堆肥化させるので、植物への吸収が良く成長が促進され、有機培土として使用した場合の収益が向上するとともに芳香が高く高品質で安全な農作物が生産できる。
【0031】
また、本発明により作られる有機肥料は、必須ミネラルバランスと必須アミノ酸9種(アミノ酸プール値)が成立することによって、植物が吸収しやすい型で重要な栄養素成分を含有し、土壌微生物による土壌改良材効果と灰色カビや立枯れ病などの病原菌や原虫(根こぶセン虫など)の抑制効果及び蛾、コガネムシなどの病害虫を抑制する効果を合わせ持つ。
【0032】
また、本発明により作られる有機肥料は、枯草菌(バチルス属菌)の産出物(アイチュリンやワーワクチンなど)などによって、土壌微生物としての化成肥料傷害や連作傷害などに対しての土壌改良材効果がある。
【0033】
さらに、本発明により作られる有機肥料は、病害虫を抑制する効果があるので有機培土として使用した場合に植物の収穫を高めることができる。
【0034】
なお、この有機肥料で作られた農作物を喫食することにより、社会的に問題のある平均的基礎体温の低下(免疫力の低下)や味覚障害などの栄養素又は微量ミネラルの不足から起因する諸病の改善、予防ができる。
【0035】
枯草菌(バチルス菌)によって堆肥化された有機肥料を用いて適正に土壌混合された培土においては、殺菌処理により一時的に菌数が減少するが、枯草菌(バチルス菌)が持つ有胞子の特性によって、休眠状態から再び有益菌として働くことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による有機肥料の製造方法の工程順を示すブロック図である。
Claims (4)
- 家畜の排泄物や食物廃棄物を含む原材料を植物に応じた成分コントロールし、原材料に植物に必要な微量ミネラル分を含む補助材料を加え、原材料に土壌微生物による土壌改良効果と病害虫を抑制する効果を持つ枯草菌を加え、原材料を枯草菌により堆肥化することを特徴とする有機肥料の製造方法。
- 家畜の排泄物は、牛糞、豚糞、鶏糞を含み、食物廃棄物は、食品汚泥、油粕、米糠、豆類粕、籾殻、ビール粕、大鋸屑を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機肥料の製造方法。
- 補助材料は、天然鉱石、卵殻、貝殻、蟹殻を含むことを特徴とする請求項1に記載の有機肥料の製造方法。
- 枯草菌は、バチルス・サブチルス(Bacillus Subtilis)菌であることを特徴とする請求項1に記載の有機肥料の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002206833A JP2004051380A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 有機肥料の製造方法 |
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JP2002206833A JP2004051380A (ja) | 2002-07-16 | 2002-07-16 | 有機肥料の製造方法 |
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Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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KR100704109B1 (ko) | 2005-11-14 | 2007-04-06 | 조규성 | 축산분뇨를 이용한 고효율액비 제조 시스템 |
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JP2009161358A (ja) * | 2007-12-28 | 2009-07-23 | Etsuro Sakagami | 植物生長促進剤の製造方法及びこの製造方法を用いて得られる植物生長促進剤 |
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