JP2007261992A - 土壌病害抑止剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】土壌に施用して、微生物の土壌への定着性を高め、多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、その機能を発揮して、各種の糸状菌や細菌などに由来する土壌病害を抑止することができ、しかも土壌への施用が簡便で使いやすく、施設栽培および露地栽培の圃場に容易に適用できる土壌病害抑止剤の提供。
【解決手段】枯草菌から選択される2種以上の枯草菌を必要所定数と、乳酸菌から選択される2種以上の乳酸菌を必要所定数と、前記枯草菌により単糖類に分解可能な多糖類から選択される少なくとも1種の多糖類を所定量含む微生物組成物であって、土壌に施用する前はいずれも休眠状態にある微生物組成物を主成分として含む土壌病害抑止剤により課題を解決できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、土壌病害抑止剤に関するものであり、更に詳細には、土壌病害を防除するための特定の複数の微生物を含む微生物組成物を主成分として含む土壌病害抑止剤に関するものである。
土壌病害は、土壌の病原微生物(病原菌)が植物に感染して引き起こされる病気であって、感染した植物は生育が弱り、枯死する場合もある。単一の作物または類縁の作物を同じ圃場で連続して栽培すると、土壌の微生物の種類に偏りが生じ、特に栽培している作物に病気を引き起こす微生物(病原菌)が増加して土壌病害が発生し、土壌の病原菌の数が多いほど土壌病害の被害は大きくなる。土壌病害の被害が発生した圃場では、作物の生育が弱り、枯死する場合もあるので、収量が低下し、被害が圃場全面に発生した場合には収穫皆無となる。
このため、土壌病害は作物を栽培している農家にとって最も恐ろしい病気であって、土壌病害を防ぐ対策が求められている分野である。
土壌病害を防ぐには土壌の病原菌を殺す土壌消毒法、土壌病害に抵抗性のある品種を栽培する方法、果菜類では土壌病害に抵抗性のある台木を接木して栽培する方法、土壌病害に拮抗性のある菌を使う方法などがある。
土壌消毒法には化学薬剤を使う方法、熱を使う方法、湛水による方法などがある。
化学薬剤を使う消毒方法には、臭化メチル薬剤、クロルピクリン薬剤、テロン薬剤などの薬剤を土壌に灌注し、薬剤の力で土壌の病原菌を殺し、土壌病害の発生を防ぐ方法があり、土壌の病原菌を殺すとともに、病原菌を抑止している菌も同時に殺す。
このため、化学薬剤による消毒が不十分な場合や連作した場合には、生き残った病原菌が急激に増殖して、土壌病害の被害が大きくなる。加えて、化学薬剤は使用後に環境中に放出され、環境に負荷を与えるとともに、人体に害を及ぼすことがある。
熱を使う消毒方法には、太陽熱や蒸気、熱水を熱源とする方法がある。これらの方法は圃場にビニールを敷くために、露地栽培の広い圃場では利用できなく、施設栽培の比較的狭い圃場で利用されている。太陽熱による土壌消毒は、土壌の温度が上がる時期、特に夏期に行われるため、これらの時期に植物を栽培している圃場では利用できない。
蒸気や熱水を熱源とする方法は、蒸気や熱水を発生させる装置が、大きく使用しにくい上に、蒸気や熱水を圃場に散布する作業は、大変暑い中で行われるため重労働となる。蒸気による消毒は、熱が土壌の表層までしか伝わらず、下層の部分の消毒が不十分で土壌消毒の効果が弱い。熱水による消毒は、多量の熱水を圃場に散布するため排水の不良な圃場では、散布した水が圃場に残り土壌の乾きが遅くなり、消毒後の栽培が遅れるという問題がある。
このように、太陽熱や蒸気、熱水を使う消毒方法には、使用の制限があり、利用する場合にも利便性に欠ける点がある。
湛水による消毒方法は、圃場に水を貯め土壌を酸欠状態にして病原菌や線虫を殺す方法である。温度の高い時期ほど土壌は酸欠状態になりやすく消毒効果も高い。しかし、水が豊富にあり、水を貯めることができる圃場でしか利用できず、病原菌の中には厚膜胞子を形成して酸欠状態でも生き残る菌があるため、厚膜胞子を形成する病原菌には湛水による消毒効果が弱い。
抵抗性品種を栽培した場合でも土壌病害が発生することがある。抵抗性がやや弱い品種を栽培した場合や植物の生育が弱ったときに抵抗性が低下した場合、土壌の病原菌密度が高く、病原菌の感染力、発病力が高い場合などである。また、土壌病害に対して抵抗性の品種がないことがあり、この場合には土壌病害を防ぐことができない。
抵抗性台木を使う栽培は、果菜類の栽培で行われており、メロンやスイカ、キュウリなどのウリ科作物、ナスやトマトなどのナス科作物で行われている。抵抗性台木を使った栽培でも、抵抗性品種を栽培した場合と同様に土壌病害が発生することがある(ウリ科の黒点根腐病など)。
病原菌に拮抗性のある菌を使って土壌病害を防ぐ方法が、数多く試みられてきた(例えば、特許文献1〜5参照)。
一方、本発明者等は、測定対象病原菌が異なってもその都度、病害抑止性の評価を行うことなく、糸状菌に対する生育の抑止性が既知である複数の土壌について特定のトマト萎ちょう病菌を用いて病害抑止性の評価して基準を作成しておき、その基準に基づいて被検土壌の各種の糸状菌に起因する植物の土壌病害の被害発生とその程度を予測診断し、土壌病害を防ぐための効果的な対策を示す土壌診断方法を提案した(特許文献6参照)。
特開昭64−90107号公報 特開平3−80072号公報 特開平5−64580号公報 特開平7−267811号公報 特許第3140430号公報 特願2006−79071
上記のように土壌病害を防ぐために様々な方法が行われている。
しかし、化学薬剤による消毒は、病原菌だけでなく病原菌を抑えている菌も殺すことから、消毒が不十分な場合や連作した場合には生き残った病原菌が急激に増えて、土壌病害の被害が大きくなり、さらに化学薬剤は環境に負荷を与え、人体に害を及ぼすことがある。
太陽熱や蒸気、熱水の熱を使った消毒は、使用場面や使用時期に制限があり、利便性が悪い。
湛水による消毒は、水が豊富にあり、水を貯めることができる圃場でしか利用できず、さらに厚膜胞子を形成する病原菌には湛水による消毒効果が弱い。
抵抗性品種を栽培した場合や抵抗性台木を使った栽培をした場合でも、土壌病害の被害が発生することがあり、ある土壌病害に対して抵抗性の品種や台木がない場合がある。
また、病原菌に拮抗性のある菌を使って土壌病害を防ぐ方法が、数多く試みられてきたが実用的に成功した例はほとんどない。病原菌と拮抗菌の1対1の関係では効果がある場合でも、その他の多種多様な菌が存在している土壌の環境では効果が見られない。また、拮抗菌を土壌に加えた場合には、拮抗菌の定着性が悪く、土壌の環境に適応できずに衰退して消滅することがある。このため、拮抗菌による土壌病害の防止法はほとんど成功していない。特定の病原菌にしか拮抗性を示さない菌を使った場合には、使用用途が限られ市場が小さくなり販売しても利益が得られないことがある。
本発明の目的は、土壌病害抑止剤に含まれる微生物の土壌への定着性を高め、多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、その機能を発揮させることができる土壌病害抑止剤であって、土壌に施用することで、化学薬剤のように土壌に存在する病原菌を抑えている菌を殺すことはなく、各種の糸状菌や細菌などに由来する土壌病害を抑止する能力を維持し、さらにこの抑止する能力を高めることで土壌病害を防ぐことができ、しかも製剤の形態にすることにより土壌への施用が簡便で使いやすく、施設栽培および露地栽培の圃場に容易に適用できる土壌病害抑止剤を提供することである。
前記課題を解決するための本発明の請求項1記載の土壌病害抑止剤は、枯草菌から選択される2種以上の枯草菌を必要所定数と、乳酸菌から選択される2種以上の乳酸菌を必要所定数と、前記枯草菌により単糖類に分解可能な多糖類から選択される少なくとも1種の多糖類を所定量含む微生物組成物であって、土壌に施用する前はいずれも休眠状態にある微生物組成物を主成分として含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項2記載の土壌病害抑止剤は、請求項1記載の土壌病害抑止剤において、前記枯草菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであり、前記乳酸菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであることを特徴とするものである。
本発明の請求項3記載の土壌病害抑止剤は、請求項1あるいは請求項2記載の土壌病害抑止剤において、前記枯草菌がバチルス(Bacillus)属の細菌であって、コアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種の2種を含むことを特徴とするものである。
本発明の請求項4記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、前記乳酸菌が糖類から乳酸を生成する細菌であって、ラクトバチルス(Lactobacillus )属のラクチス(lactis)種、プランタルム(plantarum)種、ブルガリクス(bulgaricus)種、ブレビス(brevis)種、アシドフィラス(acidophilus)種、エントロコッカス(Entorococcus)属のヒラエ(hirae)種、ハエカリス(haecalis)種、ストレポトコッカス(Strepotococcus)属のサーモフィラス(thermophilus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)属のアシディラクチシ(acidilactici)種から選択される2種以上の菌であって、単糖類を栄養として増殖することを特徴とするものである。
本発明の請求項5記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、前記多糖類がデンプン、セルロース、キチンおよびこれらの類縁化合物あるいはこれらの多糖類を含有する動植物、海藻、微生物由来の物質であることを特徴とするものである。
本発明の請求項6記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、土壌に施用することで、土壌による各種の糸状菌に由来する土壌病害を抑止する能力を高めることができることを特徴とするものである。
本発明の請求項1記載の土壌病害抑止剤は、枯草菌から選択される2種以上の枯草菌を必要所定数と、乳酸菌から選択される2種以上の乳酸菌を必要所定数と、前記枯草菌により単糖類に分解可能な多糖類から選択される少なくとも1種の多糖類を所定量含む微生物組成物であって、土壌に施用する前はいずれも休眠状態にある微生物組成物を主成分として含むことを特徴とするものであり、
土壌病害抑止剤を土壌に施用する前はこれらの多種の微生物は休眠状態にあるので、安定して保存したり、移送したりでき、取扱性に優れる上、この土壌病害抑止剤を土壌に施用することで、枯草菌および乳酸菌が水分を吸収して休眠状態から発芽して活動を開始し、枯草菌が多糖類を栄養源として増殖し、この多糖類の分解物である単糖類を乳酸菌が栄養源として増殖し、増殖した枯草菌と乳酸菌が土壌に定着して、多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、各種の糸状菌や細菌に由来する土壌病害を抑止する機能を発揮することができ、しかも土壌への施用が簡便で使いやすく、施設栽培および露地栽培の圃場に容易に適用できるという顕著な効果を奏する。
本発明の請求項2記載の土壌病害抑止剤は、請求項1記載の土壌病害抑止剤において、前記枯草菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであり、前記乳酸菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであることを特徴とするものであり、
枯草菌と乳酸菌が必要充分な量(個/g)含まれているので、多種多様な菌が存在している土壌の環境中でも増殖でき、そして増殖した枯草菌と乳酸菌が土壌に定着し、各種糸状菌や細菌などに由来の土壌病害を抑止する機能をより確実に発揮できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項3記載の土壌病害抑止剤は、請求項1あるいは請求項2記載の土壌病害抑止剤において、前記枯草菌がバチルス(Bacillus)属の細菌であって、コアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種の2種を含むことを特徴とするものであり、
これらの枯草菌は、土壌病害抑止剤に含まれている多糖類を栄養源として増殖し、土壌に定着して多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、各種の糸状菌や細菌に由来する土壌病害を抑止する機能を確実に発揮できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項4記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、前記乳酸菌が糖類から乳酸を生成する細菌であって、ラクトバチルス(Lactobacillus )属のラクチス(lactis)種、プランタルム(plantarum)種、ブルガリクス(bulgaricus)種、ブレビス(brevis)種、アシドフィラス(acidophilus)種、エントロコッカス(Entorococcus)属のヒラエ(hirae)種、ハエカリス(haecalis)種、ストレポトコッカス(Strepotococcus)属のサーモフィラス(thermophilus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)属のアシディラクチシ(acidilactici)種から選択される2種以上の菌であって、単糖類を栄養として増殖することを特徴とするものであり、
これらの乳酸菌は枯草菌によって土壌病害抑止剤に含まれている多糖類から分解された単糖類を栄養として増殖し、土壌に定着し、各種の糸状菌や細菌に由来する土壌病害を抑止する機能を確実に発揮できるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項5記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、前記多糖類がデンプン、セルロース、キチンおよびこれらの類縁化合物あるいはこれらの多糖類を含有する動植物、海藻、微生物由来の物質であることを特徴とするものであり、
枯草菌が、土壌病害抑止剤に含まれているこれらの多糖類を栄養源として増殖し易く、土壌に定着して土壌病害を抑止する機能を発揮し易くなり、さらに、枯草菌によって土壌病害抑止剤に含まれているこれらの多糖類から分解された単糖類を栄養として乳酸菌が増殖し、土壌に定着して土壌病害を抑止する機能を発揮し易くなり、しかもこれらの多糖類は安価で入手も容易であるというさらなる顕著な効果を奏する。
本発明の請求項6記載の土壌病害抑止剤は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の土壌病害抑止剤において、土壌に施用することで、土壌による各種の糸状菌に由来する土壌病害を抑止する能力を高めることができることを特徴とするものであり、
枯草菌が土壌病害抑止剤に含まれている多糖類を栄養源として増殖し、土壌に定着して特に各種の糸状菌に由来する土壌病害を抑止する機能を発揮し、さらに枯草菌によって土壌病害抑止剤に含まれている多糖類から分解された単糖類を栄養として乳酸菌が増殖し、土壌に定着して特に各種の糸状菌に由来する土壌病害を抑止する機能を発揮できるというさらなる顕著な効果を奏する。
次に本発明の内容を詳細に説明する。
図1は、本発明の土壌病害抑止剤を土壌に施用した時の作用機構を模式的に説明する説明図である。
本発明の土壌病害抑止剤は土壌に施用する前は前記の枯草菌および乳酸菌は休眠状態にあるが、本発明の土壌病害抑止剤を土壌に施用すると、枯草菌および乳酸菌が水分を吸収して休眠状態から発芽して活動を開始する。
そして枯草菌が土壌病害抑止剤中の多糖類を栄養源として、増殖し、土壌に定着し、その機能を発揮する。
一方、枯草菌が多糖類を分解して生成した分解物である単糖類を乳酸菌が栄養源として、増殖し、土壌に定着し、その機能を発揮する。
増殖した枯草菌と乳酸菌が土壌に定着して、乳酸その他の脂肪酸が生成され抗菌作用を発揮するので、多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、各種の糸状菌や細菌などに由来する土壌病害を抑止することができる。
本発明の土壌病害抑止剤を化学薬剤や熱による土壌消毒をした後に土壌に施用して、低下した各種の糸状菌由来の土壌病害を抑止する能力を回復することで、生き残った病原菌の急激な増殖を防止し、不十分な土壌消毒や連作の場合に起こる土壌病害の拡大を防ぐことが好ましい。
土壌をビニールで被覆後、本発明の土壌病害抑止剤を土壌に施用して土壌で被覆し、太陽にさらして太陽熱で加熱すると、土壌の水分を吸収して枯草菌が休眠状態から発芽して活発に活動し、多糖類を栄養源として枯草菌が早く増殖し、土壌に定着し、その機能を発揮することができる。
抵抗性品種や抵抗性台木を使った栽培でも、土壌の病原菌密度が高い場合や抵抗性が弱い場合、栽培している植物の生育が弱り抵抗力が低下した場合などに発生する土壌病害を本発明の土壌病害抑止剤の土壌施用を行うことで防ぐことができる。
本発明の土壌病害抑止剤は、土壌に施用することで、前記のように土壌の水分を吸収して枯草菌と乳酸菌が休眠状態から発芽して活動し、土壌病害抑止剤に含まれている多糖類を栄養源として枯草菌が増殖し、この多糖類が分解して生成した単糖類を乳酸菌が栄養源として増殖し、さらに土壌病害抑止剤には枯草菌および乳酸菌がそれぞれ2種類以上含まれているために、土壌の環境に適した枯草菌および乳酸菌が土壌に確実に定着して活動することができる。
本発明の土壌病害抑止剤は、固体であり、例えば粉状またはペレットなどに成型しておくと、施設栽培の圃場および露地栽培の圃場に簡便に施用でき、使いやすくなる。
本発明で用いる枯草菌は多糖類を単糖類に分解可能であればよく特に限定されない。バチルス(Bacillus)属の細菌であって、コアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種は、土壌病害抑止剤に含まれている多糖類を栄養源として増殖し、土壌に定着して多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、各種の糸状菌や細菌などに由来する土壌病害を抑止する機能を確実に発揮できるので好ましく使用できる。
本発明で用いる枯草菌であるバチルス(Bacillus)属の細菌は、コアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種の2種を含み、純粋培養されたそれぞれの菌株を種菌として菌の栄養を含む公知の培地で大量培養して得られる。
本発明で用いる乳酸菌は枯草菌により多糖類から分解生成された単糖類を資化して増殖し、乳酸を生成するものであればよく特に限定されない。
ラクトバチルス(Lactobacillus )属のラクチス(lactis)種、プランタルム(plantarum)種、ブルガリクス(bulgaricus)種、ブレビス(brevis)種、アシドフィラス(acidophilus)種、エントロコッカス(Entorococcus)属のヒラエ(hirae)種、ハエカリス(haecalis)種、ストレポトコッカス(Strepotococcus)属のサーモフィラス(thermophilus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)属のアシディラクチシ(acidilactici)種から選択される乳酸菌は、枯草菌によって土壌病害抑止剤に含まれている多糖類から分解された単糖類を栄養として増殖し、土壌に定着し、各種糸状菌や細菌などに由来の土壌病害を抑止する機能を確実に発揮できるので好ましく使用できる。
本発明において用いる乳酸菌は、これらの乳酸菌から選択される2種以上の菌を含み、純粋培養されたそれぞれの菌株を種菌として菌の栄養を含む公知の培地で大量培養して得られる。
本発明の土壌病害抑止剤中の枯草菌および乳酸菌はいずれも必要所定数含まれていることが必要である。
枯草菌と乳酸菌が必要所定数含まれていると、多種多様な菌が存在している土壌中でも枯草菌と乳酸菌が増殖し、土壌に定着し易く、機能を確実に発揮することができる。
本発明の土壌病害抑止剤中の枯草菌と乳酸菌の必要所定数はいずれも1×103 〜1×1011個/gの範囲であることが好ましい。
1×103 個/g未満であると、多種多様な菌が存在している際に土壌中で枯草菌も乳酸菌も増殖し難く、土壌に定着できず、機能を発揮できない恐れがある。
1×1011個/gを超えて枯草菌や乳酸菌を土壌病害抑止剤に含ませることは可能であるが、不経済である。
本発明の土壌病害抑止剤に所定量含まれる多糖類としては、デンプン、セルロース、キチンおよびこれらの類縁化合物あるいはこれらの多糖類を含有する動植物、海藻、微生物由来の物質であることが好ましい。
前記類縁化合物としては、例えばカルボキシメチルセルロース、キトサンなどを挙げることができる。
枯草菌が土壌病害抑止剤に含まれているこれらの多糖類を栄養源として増殖し易く、土壌に定着して土壌病害を抑止する機能を発揮し易くなり、さらに枯草菌によって土壌病害抑止剤に含まれているこれらの多糖類から分解された単糖類を栄養として乳酸菌が増殖し、土壌に定着して土壌病害を抑止する機能を発揮し易くなり、しかもこれらの多糖類は安価で入手も容易である。
多糖類を含む前記物質としては、デンプンの場合にはイモ類、穀物やその副産物(米ぬか、フスマ、コーンジャム)などがあり、セルロースを含む物質としては、紙や綿、製紙工場から産出されるペーパースラッジ、綿屑などがあり、キチンを含む物質としては、カニ殻などの甲殻類の動物から得られる物質があり、原料の価格、入手可能な量などから原料を選択して使用することが好ましい。
中でも、フスマや米ぬかはデンプンを含有している安価な原料であり、枯草菌の栄養となり、次いで分解されて生成した単糖類は乳酸菌の栄養となる。また、デンプンは、枯草菌により分解され易い速効性の栄養である。
ペーパースラッジは製紙過程で生じる原料でセルロースを含み、安価である。カニ殻はカニの加工過程で生じる原料でキチンを含み、安価である。これらセルロースやキチンを含む原料は、枯草菌の栄養となり、次いで分解されて生成した単糖類は乳酸菌の栄養になる。またセルロースやキチンはデンプンと比較して、枯草菌による分解が遅い遅効性の栄養源である。
フスマや米ぬかなどのデンプンを含む原料は速効性の栄養となり、ペーパースラッジなどのセルロースを含む原料やカニ殻などのキチンを含む原料は遅効性の栄養となり、これらの原料を併用すると、初期から長期にわたり、枯草菌や乳酸菌の微生物に栄養を供給できるので本発明において好ましい。
また、これらの多糖類から分解されて生成した糖類が土壌中のマンガンを可溶化して、植物の根から吸収され易くなり、そして植物の根から吸収されたマンガンの作用によりリグニンの合成が増進されるので、根の病原菌に対する抵抗力を高める効果がる。
本発明で用いる多糖類の配合量は特に限定されないが、本発明の土壌病害抑止剤全体に対して10〜99質量%が好ましい。
本発明の土壌病害抑止剤中の菌をいずれも休眠状態にしておく方法は、具体的には、例えば、低温に維持する方法、栄養不足にする方法、乾燥状態に維持する方法など、あるいはこれらの組み合わせなどを挙げることができる。
中でも、本発明の土壌病害抑止剤の微生物組成物を調製する際あるいは調製後にあるいは製剤した後、乾燥して本発明の土壌病害抑止剤全体に対して水分の含有量が2〜10質量%の範囲内とし、それを防湿性・防水性を有する包装体に充填して密封して保存するなどして水分の含有量を2〜10質量%の範囲内に維持するように制御する方法は、前記菌をいずれも容易に経済的に休眠状態にしておくことができるので好ましい。
水分の含有量が2質量%未満では乾燥にエネルギーを要し不経済になる上、死滅する菌も多くなる恐れがあるので好ましくなく、10質量%を超えると休眠状態にしておくことができないので好ましくない。
本発明で用いる包装体は特に限定されるものではなく、好ましくは、防湿性・防水性を有し密封保存できる容器などの包装体であり、具体的には、例えば、袋、樽、瓶、箱、缶、カートン、クレート、ドラム缶、つぼ、タンク、運送コンテナなどの容器を挙げることができる。これらの包装体の材質も特に限定されるものではなく樹脂、金属、木、紙、ガラス、セラミックス、あるいはこれらの組み合わせなどいずれも使用できる。
本発明の土壌病害抑止剤は、必要所定数の枯草菌および乳酸菌と、所定量の多糖類を含む物質を公知の装置、方法を用いて混合することで調合ができ、混合した粉体状そのもの、またはペレット、顆粒剤、錠剤、パック剤、カプセルなどの形態に成型したものがある。
本発明でいう顆粒剤とは、粉末状の固体状微生物組成物を顆粒状に造粒したものであり、その形状は造粒法により異なり、球状を呈するものから不定形のものまで種々存在する。顆粒剤の平均粒径は約0.01〜10mm、好ましくは約0.02〜4mmの範囲である。
本発明でいうペレットとは、粉末状の微生物組成物を円柱形に圧縮成型したものであり、大きさは直径約1〜20mm、長さ約1〜50mmの範囲であり、1粒当たりの重量は約0.01〜30gが好ましい。
本発明の土壌病害抑止剤は、例えば10a当たりに10kg〜1tを、手撒きや、散粒機によって土壌に施用することで、土壌による各種の糸状菌由来の土壌病害を抑止する能力を高めることができ、土壌病害を抑止することができる。
本発明の土壌病害抑止剤において、さらに腐植酸を含むと、腐植酸は前記多種の微生物の棲家となるとともに、微生物組成物の成型がし易くなるので本発明において好ましく使用できる。
本発明で用いる腐植酸の配合量は特に限定されないが、微生物組成物全体に対して1〜10質量%が好ましい。
本発明の土壌病害抑止剤は、必要に応じて肥料成分とともに施用することができる。
また、肥料成分以外に、ゼオライト、ベントナイト、バーミキュライト、泥炭、パーライト、腐食酸質資材、木炭、ポリエチレンイミン系資材、ポリビニールアルコール系資材などの土壌改良剤を混合することも可能である。
本発明の土壌病害抑止剤の一般的な施用方法は、播種または定植前の圃場に施用して耕うんし、土壌とよくなじませる。土壌の水分を吸収した土壌病害抑止剤は、これに含まれる枯草菌や乳酸菌が増殖し、土壌に定着し、その機能を発揮する。圃場が乾燥していて、土壌の水分が少ない場合には灌水をして水分を補給する必要がある。
また、土壌病害抑止剤を施用して枯草菌や乳酸菌が急激に増殖している期間は、土壌中の酸素が少なくなり、発芽障害や根の伸長阻害が起こるので、施用して一定期間を過ぎてから、播種または定植する必要がある。この一定期間とは、夏期で10日以上、春秋期で15日以上、冬期で20〜30日である。
また、育苗用の土壌にも同様にして使用することができる。
播種または定植後に使用する場合には、土壌の表面に蒔くことができる。
以下、実施例および比較例により、本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
(実施例1)
(枯草菌の調製)
バチルス(Bacillus)属のコアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種を純粋培養した菌株を種菌として、菌の栄養を含む液体で、これら2種の菌を混合培養し、培養液を遠心分離し、残渣を凍結乾燥して、土壌病害抑止剤に使う枯草菌を調整した。得られた枯草菌をミクロメーターにより菌数を測定した。
(乳酸菌の調製)
ラクトバチルス(Lactobacillus )属のラクチス(lactis)種、プランタルム(plantarum)種、ブルガリクス(bulgaricus)種、ブレビス(brevis)種、アシドフィラス(acidophilus)種、エントロコッカス(Entorococcus)属のヒラエ(hirae)種、ハエカリス(haecalis)種、ストレポトコッカス(Strepotococcus)属のサーモフィラス(thermophilus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)属のアシディラクチシ(acidilactici)種を純粋培養した菌株を種菌として、菌の栄養を含む液体で、これらの菌を混合培養し、培養液を遠心分離し、残渣を凍結乾燥して、土壌病害抑止剤に使う乳酸菌を調整した。得られた乳酸菌をミクロメーターにより菌数を測定した。
(本発明の土壌病害抑止剤の調製)
デンプンを含むフスマや米ぬか、セルロースを含むペーパースラッジの所定量に、先に調整した枯草菌と乳酸菌をそれぞれ1×103 〜1×1011個/gになるように加えて混合して土壌病害抑止剤を調整した。
土壌病害抑止剤をポット試験に使う場合には、混合した土壌病害抑止剤を粉砕して均一な状態にしてから使い、圃場試験に使う場合には、ペレットに成型して撒きやすい状態にしてから使った。
(実施例1)
土壌病害抑止剤を土壌に施用することで土壌による各種の糸状菌由来の土壌病害を抑える能力(抑止率)を高める試験結果を次に示す。
先に調整した土壌病害抑止剤1gを熊本県阿蘇郡の多腐植質黒ぼく土壌500mlと混合してプラスチックポットに詰め、土壌水分を圃場容水量の60%になるように水を加え25℃の恒温室で1ヶ月間静置して、下記の方法(前記特許文献6参照)により抑止率を測定した。抑止率の測定結果を表1に示した。
(比較例1)
比較対照として土壌病害抑止剤を混合しない土壌についても実施例1と同様に処理して、抑止率を測定し、抑止率の測定結果を表1に示し、実施例1の抑止率と比較した。
(抑止率の測定法)
予めPSA平板培地で培養したトマト萎ちょう病菌J1を約5mmのコルクボーラーで打ち抜き、この菌叢を新たに作成したPSA平板培地の中心部に置き、25℃のインキュベーターで24時間培養して、菌叢から伸びた菌糸の先端部位に印をつけ、抑止率測定用平板培地を作成する。
被検土壌を2mmの篩を通過させ、これをオートクレーブで殺菌した海砂と1対9の割合で混合する。この土壌と海砂の混合物を半量づつに分け、一方をオートクレーブで120℃、1時間の条件で殺菌する。この殺菌した混合物と殺菌していない混合物をそれぞれ、先に作成した抑止率測定用平板培地に被覆する。
被覆する混合物の量は、直径85mmのプラスチックシャーレを使った平板培地1個あたり約20gを使用する。混合物を被覆した平板培地を25℃のインキュベーターで3日間培養する。
培養した平板培地の菌叢から伸びた菌糸の先端部位に印をつけ、被覆前に印をつけた位置からの伸長距離を測定する。ここで殺菌した混合物を被覆した場合の菌糸の伸長距離をA、混合物そのものを被覆した場合の菌糸の伸長距離をBとすると、土壌の病原菌に対する抑止率(%)は次式(1)によって求められる。
抑止率(%)=[(A−B)/A]×100 式(1)
Figure 2007261992
(抑止率の比較)
表1から、実施例1の土壌病害抑止剤を混合した土壌の抑止率は、91%となり、何も混合していない比較例1の土壌の抑止率は73%となり、土壌病害抑止剤を土壌に施用することで土壌による各種の糸状菌由来の土壌病害を抑止する能力を高めることができたことが判る。
(実施例2)
本発明の土壌病害抑止剤の施用によるキュウリ苗立枯れ病の抑止試験の結果を次に示す。
市販の育苗培土(MKK野菜1号、南九州化学工業株式会社製)に土壌病害抑止剤を0.2質量%添加して混合し、25日後にセルトレイに詰めた。このセルトレイに予めPSA平板培地で培養したキュウリに苗立枯れ病を引き起こすピシウム(Pythium )菌を、約5mmのコルクボーラーで打ち抜いた菌叢をセルに1個づつ置き病害土壌を作成した。
3日後にキュウリ(品種:四葉)の種をは種して、苗立枯れ病の発病株率を調査した。この結果を表2に示す。
(比較例2)
同時に土壌病害抑止剤を添加しない対照区を設けて、実施例2と同様に処理を行い、苗立枯れ病の発病株率を調査した。この結果を表2に示し、実施例2の発病株率と比較した。
Figure 2007261992
表2から、実施例2の土壌病害抑止剤を添加した試験区の発病株率は9%となり、比較例2の土壌病害抑止剤を添加しない対照区の発病株率は82%となり、土壌病害抑止剤の添加でキュウリ苗立枯れ病の発病株率を劇的に下げることができ、土壌病害の抑止効果が認められたことが判る。
(実施例3)
土壌病害抑止剤の施用によるホウレンソウ萎ちょう病の抑止試験および抑止率の向上試験の結果を次に示す。
熊本県上益城郡のTH氏の施設圃場では、ホウレンソウを10年以上連作しており、萎ちょう病が発生している。この圃場で太陽熱消毒を10日間した後に、圃場の片側半分に土壌病害抑止剤を約1aに6kgを施用(試験区)して、10日後にホウレンソウの種をは種し、17日後と23日後に1m2 あたりの残存株数を3ヶ所調査した。同時に、土壌を採取して前記の方法により、抑止率を測定した。これらの結果を表3に示した。
(比較例3)
土壌病害抑止剤を施用しない(対照区)もう片側半分の残存株数も実施例3と同様にして調査し、残存株数および抑止率を測定した。これらの結果を表3に示した。
Figure 2007261992
表3から、1m2 あたりの残存株数を3ヶ所調査した残存株数は、実施例3(試験区)で17日後が342株、23日後が283株あり、比較例3(対照区)で17日後が292株、23日後が184株あり、比較例3(対照区)の残存株数が実施例3(試験区)の残存株数よりも少なく、消失した株数も多かったことが判る。
また、表3から、土壌の抑止率は実施例3(試験区)の土壌が62%、比較例3(対照区)の土壌が53%で、実施例3(試験区)の抑止率が比較例3(対照区)より高くなったことが判る。
この試験圃場は、太陽熱消毒の期間が10日間と短かったために消毒効果が弱く、萎ちょう病の病原菌が生き残り、萎ちょう病が発生し、さらに、太陽熱消毒で土壌の抑止率は比較例3(対照区)が53%で低かったが、本発明の土壌病害抑止剤の施用により(実施例3(試験区))、土壌の抑止率を62%まで高めることができ、萎ちょう病の発生を抑え被害を軽減できたことが判る。
本発明の土壌病害抑止剤は、土壌に施用する前は多種の微生物が休眠状態にあるので、安定して保存したり、移送したりでき、取扱性に優れる上、本発明の土壌病害抑止剤を土壌に施用すると、枯草菌および乳酸菌が水分を吸収して休眠状態から発芽して活動を開始し、枯草菌が多糖類を栄養源として増殖し、この多糖類の分解物である単糖類を乳酸菌が栄養源として増殖し、増殖した枯草菌と乳酸菌が土壌に定着して、多種多様な菌が存在している土壌の環境中で、各種の糸状菌や細菌などに由来する土壌病害を抑止する機能を発揮することができ、しかも土壌への施用が簡便で使いやすく、施設栽培および露地栽培の圃場に容易に適用できるという顕著な効果を奏するので、産業上の利用価値が高い。
本発明の土壌病害抑止剤を土壌に施用した時の作用機構を模式的に説明する説明図である。

Claims (6)

  1. 枯草菌から選択される2種以上の枯草菌を必要所定数と、乳酸菌から選択される2種以上の乳酸菌を必要所定数と、前記枯草菌により単糖類に分解可能な多糖類から選択される少なくとも1種の多糖類を所定量含む微生物組成物であって、土壌に施用する前はいずれも休眠状態にある微生物組成物を主成分として含むことを特徴とする土壌病害抑止剤。
  2. 前記枯草菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであり、前記乳酸菌の必要所定数が1×103 〜1×1011個/gであることを特徴とする請求項1記載の土壌病害抑止剤。
  3. 前記枯草菌がバチルス(Bacillus)属の細菌であって、コアギュランス(coagulans )種およびサブチリス(subtilis)種の2種を含むことを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載の土壌病害抑止剤。
  4. 前記乳酸菌が糖類から乳酸を生成する細菌であって、ラクトバチルス(Lactobacillus )属のラクチス(lactis)種、プランタルム(plantarum)種、ブルガリクス(bulgaricus)種、ブレビス(brevis)種、アシドフィラス(acidophilus)種、エントロコッカス(Entorococcus)属のヒラエ(hirae)種、ハエカリス(haecalis)種、ストレポトコッカス(Strepotococcus)属のサーモフィラス(thermophilus)種、ペディオコッカス(Pediococcus)属のアシディラクチシ(acidilactici)種から選択される2種以上の菌であって、単糖類を栄養として増殖することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の土壌病害抑止剤。
  5. 前記多糖類がデンプン、セルロース、キチンおよびこれらの類縁化合物あるいはこれらの多糖類を含有する動植物、海藻、微生物由来の物質であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の土壌病害抑止剤。
  6. 土壌に施用することで、土壌による各種の糸状菌に由来する土壌病害を抑止する能力を高めることができることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の土壌病害抑止剤。
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