JP7309145B2 - ブロック堆肥の製造方法及びブロック堆肥 - Google Patents

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Description

本発明は、牛糞を用いたブロック堆肥の製造方法、及び堆肥化された牛糞と副資材を主材とするブロック堆肥に関する。
近年、果樹栽培において、1年おきに収穫量が大幅に増減する隔年結果が問題となっている。この隔年結果の大きな要因の一つとして、近年疎かにされがちな土作りがあると考えられている。みかん園などの果樹園では、除草剤の多用や機械化によって土壌は硬く絞まり、団粒構造が崩壊し微生物が少ない状態が多くみられる。このような状態の地下部は空気層が少なく、微生物も少ない不健康な状態になっている。このため、例えばみかんの樹木では、細根を張ることができず、良質な肥料を供給しても吸収することができない。また、地上部で基本管理をしても、樹勢は回復せずにかえって低下してしまい、隔年結果がひどくなるといった場合もみられる。特に、みかん園等の果樹園からは毎年有機物(腐植)が消耗しているため、定期的な有機物の補給が不可欠になる。
ここで、良質な土壌改良材として、土壌の保水性と保肥性を向上させる効果が大きい牛糞堆肥が従来から用いられている。この牛糞堆肥に含有される窒素は、施用当年に作物が利用可能な形態は少なく、多くを占める難溶性の窒素は土壌に蓄積され、土壌中に蓄積された窒素は次作以降に徐々に供給される。このため、連用すると、その年に施用された堆肥から供給される窒素に加えて、前年までに施用された堆肥からも窒素が供給されることになる。この結果、牛糞堆肥の連用を続けると地力が高まり、窒素供給量が増加するいわゆる連用効果が認められ、特に隔年結果の改善に効果が大きいともいわれている。さらに、牛糞等の家畜糞尿は、畜産農家の経営拡大等により近年増加の傾向にあり、農地への適正な還元が、環境保全上等の理由からも重要な問題になっている。
しかしながら、腐植の供給には、10アール当たり1.5トンともいわれる大量の堆肥が必要であり、この大量の堆肥をトラックで搬入し、運搬しながらスコップで撒くという重労働を強いられる。このため、牛糞等の堆肥の利用が減少し、地域堆肥の利用率も低下傾向となっている。そこで、一般的な施肥機によって散布できるようにすることで省力化を図ろうと試みた牛糞堆肥成型物が提案されている(例えば特許文献1等参照)。
特許文献1に記載された牛糞堆肥成型物は、牛糞に粘土鉱物や石灰資材等を添加して得られた堆肥を、ディスクペレッター等を用いて、例えば、直径2~5mm程度、高さ3~10mm程度のペレットや、粒径2~5mm程度の粒状、あるいは直径2~50mm程度のブリケット等に成形するものである。これにより、ブロードキャスタやライムソワ等の施肥作業機による施肥を可能とし、省力化を図ろうとするものである。
特開平9-132488号公報
しかしながら、特許文献1に記載の牛糞堆肥成型物では、スピードスプレヤー等を用いて農薬散布を行う際に飛散してしまう等、施肥された状態が安定しない。また、施肥された状態によっては、施肥直後に堆肥に含まれている肥料成分が土壌に溶出しきってしまったり、反対に肥料成分が土壌に溶出する前に乾燥してしまう場合がある等、安定して肥料成分を土壌に供給することが難しい。
本発明は上記事情に鑑み、土壌に対する肥料成分の供給を安定させるための工夫がなされた、ブロック堆肥の製造方法及びブロック堆肥を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明のブロック堆肥の製造方法は、牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程と
前記成形工程と並行して、又は該成形工程の後、前記ブロックにおける前記設置面以外の表面を加熱する加熱工程を有し、
前記成形工程は、直径が15~30cmの円形の前記設置面を有し、該設置面の直径と高さの比率が5:1~5:3の円柱状の前記ブロックを成形する工程であり、
前記加熱工程は、前記ブロックにおける前記設置面以外の表面を加熱することで焼き付けて固め、該設置面からの土壌に対する前記堆肥の肥料成分の供給を確保しつつ、該設置面以外の表面からの該肥料成分の溶出を抑えるための工程であることを有することを特徴とする。
ここで、堆肥化とは、作物に対して生育障害を起こさないで地力を維持、増強し、生産性を高める成分を持たせることを目的として発酵処理することをいう。また、前記堆肥素材は特に限定されるものではなく、前記副資材として、オガクズ、モミガラ、稲わら等の一般的なものを用いることができる。なお、前記堆肥素材には、重量比において数%程度の活性炭を含有させてもよい。こうすることで、脱臭効果に加え、多孔質の活性炭により微生物の繁殖が促進され、作物の連作障害を軽減することができる。また、前記発酵堆肥化工程は、特に限定されるものではなく、適宜エアレーションや切り返しを行う一次発酵や二次発酵、粉砕、乾燥、撹拌等の一般的な工程を実施すればよい。なお、前記ブロック堆肥は、設置の安定性と運搬の容易性等を考慮し、数kg程度(例えば2~6kg)のものが好ましい。
本発明のブロック堆肥の製造方法によれば、前記ブロック堆肥が、平面状の前記設置面を有するため、該設置面を地面に設置することで設置状態が安定し、スピードスプレヤー等によって飛散してしまうおそれが軽減する。さらに、地面に設置された前記設置面から肥料成分を安定して土壌に供給することができる。すなわち、土壌に対して、肥料成分を安定して供給可能なブロック堆肥を製造することができる。またさらに、ブロック化することで運搬や施肥作業が容易になり、作業時間も短縮することが可能になる。さらに、前記設置面からの土壌に対する肥料成分の供給を確保しつつ、該設置面以外の表面がより固まりやすくなるとともに、該設置面以外の表面からの肥料成分の溶出を抑えることができる。
ここで、円形の前記設置面とは、真円の設置面に限らず、多少楕円形となった設置面も含む概念である。また、前記ブロック堆肥の設置状態の安定性の観点から、前記設置面の直径と、該ブロック堆肥の高さの比率は、5:1~5:3の範囲が好ましく、5:2の比率が特に好ましい。さらに、前記設置面の直径を15~30cm程度とし、前述の比率に含まれる高さの体積を確保すれば、内部まで乾燥せずに数年間(例えば3年程度)、土壌に対する肥料成分の供給が可能になる。
ここで、前記ブロック堆肥が、運搬時や地面に設置した状態において崩れてしまうと、崩れた部分から乾燥が始まり、土壌に対して肥料成分を供給できる期間が短くなってしまう。前記成形工程を、円形の前記設置面を有する、円柱状の前記ブロックを成形する工程とすれば、運搬時や地面に設置した状態において、前記ブロック堆肥が不用意な接触により崩れてしまうことを抑えることができる。また、本発明のブロック堆肥の製造方法において、前記発酵堆肥化工程の後であって前記成形工程の前に、CMCを前記堆肥に添加する固形化剤添加工程を有する製造方法であってもよい。
上記目的を解決する本発明の第2のブロック堆肥の製造方法は、牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程とを有し、
前記成形工程は、円形の前記設置面を有する、円柱状、円錐台状、円錐状、半球状又は砲弾状の前記ブロックを成形する工程であるとともに、前記堆肥における該設置面となる部分に対して、回転力を付与しながら力をかけて圧縮する工程であることを特徴とする。
こうすることで、前記設置面以外の表面が固まりやすくなり、該設置面からの土壌に対する肥料成分の供給を確保しつつ、運搬や設置等の作業が容易になるとともに、地面に設置した状態において、該設置面以外の表面の不用意な崩れを抑制することができる。
さらに、本発明のブロック堆肥の製造方法において、前記堆肥素材は、内城菌が含有されたものであることが好ましい。
ここで、前記内城菌は、重量比において、前記堆肥素材に1%程度含有させればよい。
内城菌は、80℃で活性化する特性を有し、糸状菌、酵母菌、細菌等の土壌菌と協働し、作物の病気を抑えて収穫量を増やし、果樹類の実も締まるといった効果が知られている。前記堆肥素材に内城菌を含有させれば、前記発酵堆肥化工程における発酵熱(約85℃)によって、有害物質や病原菌、雑草の種等が死滅するのに加え、内城菌の効能が最大限に発揮され、堆肥の臭いも軽減することができる。
上記目的を解決する本発明の第3のブロック堆肥の製造方法は、牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程と、
前記成形工程と並行して、又は該成形工程の後、前記ブロックの表面を加熱する加熱工程と、
前記加熱工程の後であって、固形化溶剤を、前記ブロックに噴霧する固形化溶剤噴霧工程を有することを特徴とする。
ここで、前記固形溶剤としては、CMC、膠、コーンスターチ、デンプン類等の生分解可能なものを水等に溶かした溶剤が好ましい。
上記目的を解決する本発明のブロック堆肥は、堆肥化された牛糞と副資材を主材とし、地面に設置するための、平面状であって円形の設置面を有する、円柱状、円錐台状、円錐状、半球状又は砲弾状のブロック状のものであり、
前記設置面は、直径が15~30cmのものであり、
前記設置面の直径と、前記ブロックの高さの比率は、5:1~5:3のものであり、
前記設置面以外の表面が固められ、該設置面と比べて、堆肥の肥料成分が該設置面以外の表面から溶出しにくいものであることを特徴とする。
本発明のブロック堆肥によれば、平面状の前記設置面を地面に設置することで設置状態が安定し、スピードスプレヤー等によって飛散してしまうおそれが軽減する。さらに、地面に設置された前記設置面から肥料成分を安定して土壌に供給することができる。すなわち、土壌に対して、肥料成分を安定して供給することができる。またさらに、ブロック化することで運搬や施肥作業が容易になり、作業時間も短縮することが可能になる。
また、本発明のブロック堆肥は、2~6kgのものであってもよい。さらに、円柱状のものであり、前記設置面と対となる円形の上面及び円筒状の側面が、加熱され、又は圧力を加えながら摩擦されることで固められたものであってもよい。
こうすることで、前記表面における前記設置面以外の部分からの肥料成分の溶出を抑えつつ、地面に設置された該設置面から肥料成分を安定して土壌に供給することができる。
本発明によれば、土壌に対して肥料成分を安定して供給させるための工夫がなされた、ブロック堆肥の製造方法及びブロック堆肥を提供することことができる。
本発明のブロック堆肥の一例を示す斜視図である。 図1に示すブロック堆肥を、みかんの樹木の周囲に配置する一例を示す平面図である。 図1に示すブロック堆肥の製造方法の一例を示すフローチャートである。 図3に示す成形工程の一例を説明するための概念図である。 図3に示す加熱工程の一例を説明するための概念図である。 図3に示すブロック堆肥の製造方法によって製造したブロック堆肥を地面に設置した状態を示す断面図である。 図1に示すブロック堆肥の変形例を示す側面図である。 ブロック堆肥の製造方法の第2実施形態を示すフローチャートである。 図8に示す成形工程の一例を説明するための概念図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。本実施形態では、みかん園に用いるブロック堆肥の態様を例に挙げて説明する。
図1は、本発明のブロック堆肥の一例を示す斜視図である。
ブロック堆肥10は、円柱状のものであり、図1における底面となる、平面状であって円形の設置面21と、この設置面21と対となる、円形の上面23と、円筒状の側面22と、からなる表面2を有している。詳しくは後述するが、ブロック堆肥10は、牛糞と副資材を主材とする堆肥をブロック状に成形されたものであって、表面2のうち、設置面21以外(上面23及び側面22)は、加熱処理等によって固められている。また、本実施形態のブロック堆肥10は、設置面21及び上面23の直径Dが25cm程度、側面22の高さHが10cm程度、重さが4kg程度に設定されている。このようにブロック化することで、運搬や施肥作業が容易になり、作業時間の短縮化を図ることができる。また、ブロック堆肥10は円柱状のものであるため、運搬時や施肥時に、不用意な接触により崩れてしまうことを抑えることができる。
図2は、図1に示すブロック堆肥を、みかんの樹木の周囲に配置する一例を示す平面図である。
図2に示すように、本実施形態では、みかんの樹木Wに対し、平面視において上下左右に1つずつ(計4つ)ブロック堆肥10が配置されている。それぞれのブロック堆肥10は、図1に示す設置面21が地面GRに設置されている。前述した大きさのブロック堆肥10を用いれば、設置状態が安定し、スピードスプレヤー等によって飛散してしまうおそれが軽減する。前述したように、本実施形態では、設置面21の直径Dを25cm程度とし、設置面21の直径Dと、ブロック堆肥10の高さHの比率を5:2に設定しているため、設置状態が非常に安定する。また、ブロック堆肥10は円柱状のものであるため、地面GRに設置した状態において、不用意な接触により崩れてしまうことを抑えることができる。
このように安定した設置状態において、数年間(例えば3年程度)、土壌Gに対して肥料成分を供給することができる(図6参照)。なお、図2において一点鎖線で示すように、定期的にブロック堆肥10の位置を変えてもよい。また、ブロック堆肥10の個数も4つに限定されず、みかんの樹木Wに対して、120度間隔で3つのブロック堆肥10を配置してもよいし、5つ以上のブロック堆肥10を配置してもよい。
ブロック堆肥10の形状は、設置状態の安定性の観点から、設置面21の直径Dと、側面22の高さHの比率は、5:1~5:3の範囲が好ましい。また、設置面21の直径Dを15~30cm程度とし、前述の比率に含まれる高さHの体積を確保すれば、ブロック堆肥10の内部まで乾燥せずに数年間、土壌G(図6参照)に対する肥料成分の供給が可能になる。さらに、ブロック堆肥10は、設置の安定性と運搬の容易性等を考慮し、2~6kg程度のものが好ましい。
図3は、図1に示すブロック堆肥の製造方法の一例を示すフローチャートである。
図3に示すように、ブロック堆肥の製造方法Sでは、始めに、牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程を実施する(ステップS1)。堆肥素材は特に限定されるものではないが、本実施形態では、重量比として、牛糞50%程度、副資材としてのオガクズ46%程度、活性炭3%程度、および内城菌1%程度を混合したものを用いている。なお、各素材の水分量は、例えば、牛糞70%程度、オガクズ30%程度、活性炭15%程度、内城菌15%程度のものを用いることができる。また、副資材としては、オガクズの他に、モミガラ、稲わら等を用いてもよい。
この堆肥素材に対して、発酵堆肥舎等にて、適宜エアレーションや切り返しをしながら一次発酵や二次発酵を行い、その後、乾燥施設等にて、撹拌、粉砕乾燥を行う等、一般的な発酵堆肥化工程を実施して堆肥化する。なお、得られた堆肥の水分量は、乾燥あるいは散水によって、例えば40~42%程度に調整される。なお、堆肥の水分量が多すぎると、比重が大きくなって通気性が損なわれ、微生物は必要な酸素を取り込めなくなる。一方、堆肥の水分量が少なすぎると、微生物は活動できなくなってしまう。
この発酵堆肥化工程(S1)によって、好気性菌の繁殖を促し、85℃程度の高温発酵により有害物質、病原菌、雑草の種等を死滅させることができる。また、80℃で活性化する内城菌の効能が最大限に発揮され、堆肥の臭いも軽減することができる。さらに、活性炭によっても堆肥の臭いが軽減されると共に、多孔質の活性炭により微生物の繁殖が促進され、作物の連作障害を軽減することができる。
次いで、本実施形態では、固形化剤を堆肥に添加する固形化剤添加工程を実施する(ステップS2)。本実施形態では、固形化剤として、CMCを採用しているが、生分解可能なものであれば特に限定されるものではなく、CMCに代えて、膠、コーンスターチ、デンプン類等を用いることができる。なお、CMCは、堆肥に対して、重量比で0.1%程度添加すればよい。
次に、堆肥を圧縮し、ブロックを成形する成形工程を実施する(ステップS3)。図4は、図3に示す成形工程の一例を説明するための概念図である。
図4に示すように、本実施形態の成形工程では型3を用いている。型3は、底型31と、底型31上に設けられた円筒状の胴型32と、胴型32内に上下動自在に配置される可動型33とを有している。なお、胴型32は、複数(例えば3つ)に分割されたもので構成してもよい。
まず、可動型33を外した状態で、底型31と胴型32とによって画定された空間に、所定量の堆肥WOを充填する。本実施形態では、胴型32の内径が25cmに設定されており、成形工程(S3)後の高さH(図1参照)が10cm程度になるように堆肥WOの充填量を調整する。
そして、充填された堆肥WOの上に可動型33を配置し、例えば5~6トン程度の力で、白抜きの矢印で示すように圧縮する。この圧縮は、複数回(例えば2、3回)行ってもよい。これにより、図1に示すブロック堆肥10の表面2における、設置面21、上面23となる部分(上面前駆部分23’)、及び側面22となる部分(側面前駆部分22’)を有するブロック(ブロック堆肥前駆体10’)が形成される。なお、この成形工程(S3)によって、設置面となる部分(設置面前駆部分21’)が圧縮されて設置面21が完成する。
次いで、ブロックの表面を加熱する加熱工程を実施する(ステップS4)。図5は、図3に示す加熱工程の一例を説明するための概念図である。
図5に示すように、胴型32及び可動型33(図4参照)を外した状態で、黒塗りの矢印で示すように、上面前駆部分23’及び側面前駆部分22’を加熱する。すなわち、加熱工程(S4)では、ブロック堆肥前駆体10’における設置面21以外の表面2を加熱する。なお、加熱手段は特に限定されるものではなく、例えばヒータ等を用いて、200℃程度で加熱すればよい。
この加熱工程(S4)によって、図では色を濃くして示すように、焼き付けて固められた、上面23及び側面22が形成される。特に、本実施形態では、固形化剤添加工程(S2)によってCMCが添加されているため、効率的に上面23及び側面22を固めることができる。なお、図5においては、ブロック堆肥前駆体10’を底型31に載せた状態で加熱工程(S4)を実施しているが、ブロック堆肥前駆体10’を底型31から持ち上げた状態でヒータ等で加熱してもよい。
なお、図3に示す固形化剤添加工程(S2)を省略し、一点鎖線で示すように、加熱工程(S4)の後に、固形化溶剤を、ブロック堆肥前駆体10’に噴霧する固形化溶剤噴霧工程を実施してもよい(ステップS5)。この固形化溶剤噴霧工程(S5)では、加熱工程(S4)で加熱したブロック堆肥前駆体10’が熱いうちに、CMC、膠、コーンスターチ、デンプン類等の生分解可能なものを水等に溶かした固形化溶剤を、上面前駆部分23’及び側面前駆部分22’に噴霧する。こうすることで、上面23及び側面22が固められたブロック堆肥10を製造することができる。
図6は、図3に示すブロック堆肥の製造方法によって製造したブロック堆肥を地面に設置した状態を示す断面図である。
図6(a)に示すように、地面GRにブロック堆肥10が設置されると、堆肥WOの肥料成分が、固められていない設置面21から土壌Gに供給される。図6(b)に示すように、ブロック堆肥10は、期間の経過とともに徐々に体積が減少して潰れていくが、ブロック堆肥10が完全に潰れてしまうまでの数年間、土壌Gに対する肥料成分の供給が継続される。ブロック堆肥10は設置面21を有するため、地面GRへの設置状態が安定する。さらに、本実施形態では、上面23及び側面22が固められているため、上面23及び側面22からの肥料成分の溶出が抑えられる。これらの結果、土壌Gに対して、肥料成分の安定した供給を継続することができる。
図7は、図1に示すブロック堆肥の変形例を示す側面図である。以下に説明する変形例においては、図1に示すブロック堆肥10との相違点を中心に説明し、図1に示すブロック堆肥10における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
本発明のブロック堆肥は、図7(a)に示すように、円形の設置面21を有する円錐台状のブロック堆肥11としてもよいし、同図(b)に示すように、円形の設置面21を有する円錐状のブロック堆肥12としてもよい。また、図7(c)に示すように、円形の設置面21を有する半球状のブロック堆肥13としてもよいし、同図(d)に示すように、円形の設置面21を有する砲弾状のブロック堆肥14としてもよい。なお、図7(c)に示すブロック堆肥13及び同図(d)に示すブロック堆肥14は、共に一点鎖線で示すように、平面状の上面23を形成してもよい。これら変形例のブロック堆肥11~14を採用すれば、図4に示す成形工程(S3)において、均等に圧縮力を付与しやすくなる。
次に、図1~図7に示す第1実施形態のブロック堆肥10及びブロック堆肥の製造方法Sの第2実施形態について説明する。以下に説明する第2実施形態においては、図1~図7に示す第1実施形態との相違点を中心に説明し、図1~図7に示す第1実施形態における構成要素の名称と同じ名称の構成要素には、これまで用いた符号を付して説明し、重複する説明は省略することがある。
図8は、ブロック堆肥の製造方法の第2実施形態を示すフローチャートである。
図8に示すように、第2実施形態のブロック堆肥の製造方法2Sでは、図3に示す第1実施形態のブロック堆肥の製造方法Sにおける、固形化剤添加工程(S2)と加熱工程(S4)とを省略している。
図9は、図8に示す成形工程の一例を説明するための概念図である。
図9(a)に示すように、成形工程(S3)では、胴型32が横向きになるように型3を配置する。また、型3は、可動型33と、可動型33と対向する部分に開閉可能に設けられた開閉型34を備えている。ブロック堆肥の製造方法2Sでは、型3に充填された堆肥WOのうち、可動型33が接する部分が、設置面となる部分(設置面前駆部分21’)になり、開閉型34に接する部分が上面となる部分(上面前駆部分23’)になる。そして、直線の白抜きの矢印と、回転を示す白抜きの矢印で示すように、可動型33に対して回転力を付与しながら力をかけて圧縮する。すなわち、堆肥WOにおける設置面前駆部分21’に対して、回転力を付与しながら力をかけて圧縮する。ここで、可動型33には、突起や溝等、設置面前駆部分21’に対して抵抗になり、設置面前駆部分21’を、いわゆるつかむことができるような手段を設けておく。これにより、上面前駆部分23’及び側面前駆部分22’が、それぞれ胴型32及び開閉型34に押し当てられた状態で回転力が付与されることで摩擦される。この結果、図では色を濃くして示すように、固まった、上面23及び側面22を形成することができる。
次いで、図9(b)に示すように、開閉型34を開き、可動型33をさらに押し込めば、ブロック堆肥15を容易に取り出すことができる。
本発明によれば、土壌に対して肥料成分の供給を安定して供給させるための工夫がなされた、ブロック堆肥の製造方法及びブロック堆肥を提供することことができる。
本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。例えば、前述の実施形態では、加熱工程S4等によって上面23及び側面22を固める態様を例に挙げて説明したが、必ずしも上面23及び側面22を固める必要はない。しかしながら、上面23及び側面22を固める態様を採用すれば、堆肥WOの肥料成分が上面23及び側面22から溶出しにくくなり、ブロック堆肥10から土壌Gに対して肥料成分を供給する期間を延ばすことができる。また、前述の実施形態では、成形工程S3の後に加熱工程S4を実施しているが、加熱機能を有する型を採用し成形工程S3と加熱工程S4を並行して実施してもよい。
なお、以上説明した各実施形態や各変形例の記載それぞれにのみ含まれている構成要件であっても、その構成要件を、他の実施形態や他の変形例に適用してもよい。
10~15 ブロック堆肥
2 表面
21 設置面
21’ 設置面前駆部分
22 側面
22’ 側面前駆部分
23 上面
23’ 上面前駆部分
3 型
31 底型
32 胴型
33 可動型
34 開閉型
G 土壌
GR 地面
S ブロック堆肥の製造方法
WO 堆肥

Claims (7)

  1. 牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
    前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程と
    前記成形工程と並行して、又は該成形工程の後、前記ブロックにおける前記設置面以外の表面を加熱する加熱工程を有し、
    前記成形工程は、直径が15~30cmの円形の前記設置面を有し、該設置面の直径と高さの比率が5:1~5:3の円柱状の前記ブロックを成形する工程であり、
    前記加熱工程は、前記ブロックにおける前記設置面以外の表面を加熱することで焼き付けて固め、該設置面からの土壌に対する前記堆肥の肥料成分の供給を確保しつつ、該設置面以外の表面からの該肥料成分の溶出を抑えるための工程であることを特徴とするブロック堆肥の製造方法。
  2. 前記発酵堆肥化工程の後であって前記成形工程の前に、CMCを前記堆肥に添加する固形化剤添加工程を有することを特徴とする請求項1記載のブロック堆肥の製造方法。
  3. 牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
    前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程とを有し、
    前記成形工程は、円形の前記設置面を有する、円柱状、円錐台状、円錐状、半球状又は砲弾状の前記ブロックを成形する工程であるとともに、前記堆肥における該設置面となる部分に対して、回転力を付与しながら力をかけて圧縮する工程であることを特徴とするブロック堆肥の製造方法。
  4. 牛糞と副資材を主材とする堆肥素材を発酵させて堆肥化する発酵堆肥化工程と、
    前記発酵堆肥化工程によって堆肥化された堆肥を圧縮し、地面に設置するための平面状の設置面を有するブロックを成形する成形工程と、
    前記成形工程と並行して、又は該成形工程の後、前記ブロックの表面を加熱する加熱工程と、
    前記加熱工程の後であって、固形化溶剤を、前記ブロックに噴霧する固形化溶剤噴霧工程を有することを特徴とするブロック堆肥の製造方法。
  5. 堆肥化された牛糞と副資材を主材とし、地面に設置するための、平面状であって円形の設置面を有する、円柱状、円錐台状、円錐状、半球状又は砲弾状のブロック状のものであり、
    前記設置面は、直径が15~30cmのものであり、
    前記設置面の直径と、前記ブロックの高さの比率は、5:1~5:3のものであり、
    前記設置面以外の表面が固められ、該設置面と比べて、堆肥の肥料成分が該設置面以外の表面から溶出しにくいものであることを特徴とするブロック堆肥。
  6. 2~6kgのものであることを特徴とする請求項5記載のブロック堆肥。
  7. 円柱状のものであり、前記設置面と対となる円形の上面及び円筒状の側面が、加熱され、又は圧力を加えながら摩擦されることで固められたものであることを特徴とする請求項5又は6記載のブロック堆肥。
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