JP2004189545A - 放線菌を含む有機肥料ペレットおよびその使用法 - Google Patents
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Abstract
【課題】肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットを開発する。
【解決手段】発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形することによって、上記課題が解決される。
【選択図】 なし
【解決手段】発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形することによって、上記課題が解決される。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物生育の促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレット、その製造方法ならびに該有機肥料ペレットを用いる植物栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リサイクルに関する関心の高まりから、農業廃棄物、畜産廃棄物、食品廃棄物および生活系廃棄物を発酵堆肥化し、農園芸用資材として利用しようとする活動が盛んとなっている。堆肥化については、農業廃棄物、畜産廃棄物、食品廃棄物および生活系廃棄物を、発酵槽や堆肥化施設で発酵させて堆肥化する方法が一般的である。このような堆肥の大部分は発酵完了後、袋詰めもしくはそのまま供給されているのが現状である。しかし、堆肥は年間を通じて需要があるわけではなく、その利用時期は栽培開始前などに限られている。さらに、大量の畜産廃棄物を排出し、大量の堆肥が生産される地域が、必ずしも堆肥を大量に消費する地域ではない。このような場合、堆肥を保存もしくは流通させる必要が生じるが、発酵完了後、そのままもしくは袋詰めされたのみの堆肥は、保存や流通には適していない。そこで、堆肥の保存や流通を容易にする技術として、堆肥を成形および乾燥してペレット化する技術が利用されている。
【0003】
例えば、有機肥料ペレットについては、「肥料とその肥料製造法とその肥料を含んだ土壌改良材とその土壌改良材を含んだ土」(特許文献1)、「発酵堆肥化ペレットとその使用法」(特許文献2)、「ガーデン用肥料」(特許文献3)などの事例がある。また、有機肥料ペレットを製造する方法としては、「肥料の製造方法」(特許文献4)、「完熟有機質肥料、その製造方法及び製造装置」(特許文献5)、「鶏糞肥料の製造方法」(特許文献6)などが考案されている。
【0004】
一方、植物病害、特に土壌病害を防除することは農業生産や緑化活動にとって不可欠な事柄である。しかし、土壌病害を防除することは非常に困難である。土壌病害の主なものには、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物による病害が挙げられる。一般に、これらの病害を防除する方法としては、臭化メチルなどの殺菌剤を用いて土壌燻蒸する方法が採られている。しかし、土壌への殺菌剤の散布は、周辺の土壌や水質を汚染するなど、環境への負荷が大きく、問題となっている。そこで、環境負荷の少ない植物病害防除法の1つとして、土壌病害の病原菌に拮抗する微生物を選抜し、それを土壌に施用することにより、土壌病害を防除する試みが為されている。
【0005】
例えば、バーティシリウム病害の防除が、マロイス(Marois)ら(非特許文献1)によって試みられている。さらに、ストレプトミセス属の放線菌を用いるバーティシリウム病害の防除が、草刈ら(非特許文献2)によって行われている。また、バーティシリウム病害の防除に有効な菌株として、Streptomyces gomishimensisCD-3株が出願されている(特許文献7)。また本発明者も、バーティシリウム病害の防除に有効な菌株として、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)を出願している(特許文献8)。
【0006】
しかし、ストレプトミセス属に代表される土壌病害の病原菌に拮抗する放線菌を有機肥料ペレットに添加すること、即ち、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットの形態の農業資材については検討されていない。例えば、前述の「完熟有機質肥料、その製造方法及び製造装置」(特許文献5)には、製造過程に放線菌類を添加することが記載されているが、この放線菌類の添加は堆肥化過程での堆肥化促進が目的であり、植物病害の防除効果に関する検討は為されていない。その原因としては、病原菌に拮抗する放線菌をペレット化工程に添加しても、他の微生物との競合やペレット化の加熱乾燥工程により該放線菌の量が激減することが考えられた。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−41379号公報
【特許文献2】
特開平9−142980号公報
【特許文献3】
特開2000−1388号公報
【特許文献4】
特開2001−151585号公報
【特許文献5】
特開2001−354487号公報
【特許文献6】
特開2002−160986号公報
【非特許文献1】
マロイス(Marois)ら、「Plant Disease」、Vol.66、1982年、p.1166-1168
【非特許文献2】
草刈ら、「関西病虫研報」、第32巻、1990年、p.17-20
【特許文献7】
特許第1818558号明細書
【特許文献8】
特開平11−155561号公報
【特許文献9】
特開平6−56616号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットの開発を試みた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形することによって、放線菌が他の微生物との競合やペレット製造中の加熱乾燥により減少するのを抑制することができ、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットが得られることを見い出した。
【0010】
即ち、本発明は、上記のような有機肥料ペレット、該ペレットの製造方法、ならびに、該ペレットを、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土もしくは圃場全体に混合して植物を栽培することからなる植物栽培方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる放線菌は、植物土壌病害の原因微生物であるフザリウム(Fusarium)属、バーティシリウム(Verticillium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタナリア(Alternaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属の糸状菌や、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属の細菌の少なくとも1つに対し、その増殖を抑制する抗生物質を生産する微生物であれば、いずれの微生物であってもよい。
【0012】
好ましい放線菌は、ストレプトミセス(Streptomyces)属、スポリキタヤ(Sporrichthya)属、ストレプトバーティシリウム(Streptoverticillium)属に属する微生物からなる群より選ばれる。
さらに好ましくは、ストレプトミセス属に属するStreptomyces albogriseolus、Streptomyces albulus、Streptomyces antibioticus、Streptomyces antifibrinolyticus、Streptomyces aureofaciens、Streptomyces avermitili、Streptomyces cellulosae、Streptomyces chartreusisi、Streptomyces coeruleorubidus、Streptomyces diastatochromogenes、Streptomyces flocculus、Streptomycesfradiae、Streptomyces fungicidicus、Streptomyces galilaeus、Streptomyces griseus、Streptomyces hygroscopicus、Streptomyces kanamyceticus、Streptomyces lavendulae、Streptomyces lividans、Streptomyces olivaceus、Streptomyces olivochromogenus、Streptomyces peusetius、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces purpurascens、Streptomyces rimosus、Streptomyces tendae、Streptomyces venezuelae、Streptomyces verticillatus、Streptomycesverticillium、Streptomyces violaceoruber、Streptomyces viridosporus、もしくは、ストレプトバーティシリウム属に属するStreptoverticillium abikoense、Streptoverticillium baldaccii、Streptoverticillium cinnamoneum、Streptoverticillium griseocarneumからなる群より選ばれる。
【0013】
最も好ましい放線菌は、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)からなる群より選ばれる。なお、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)は、独立行政法人産業技術総合研究所に平成9年10月28日に寄託されている。
【0014】
有機肥料ペレットを製造する際に、本発明において用いる放線菌を、その培養物の形態で使用することができるが、放線菌を担体に担持させて使用するのが好ましい。このようにすることにより、有機肥料ペレットの製造工程において、放線菌が、他の微生物との競合により、また、ペレットの加熱乾燥中に減少するのを抑制することができる。
【0015】
放線菌担持用の担体としては、炭、軽石、ひる石、貝化石、ピートモス、(焼成)ケイソウ土、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、バーミキュライトなどの多孔性物質が好ましく、炭、活性炭および(焼成)ケイソウ土が特に好ましい。炭としては、木材を炭化させたもの、あるいは、樹皮、オガクズ、ヤシ殻、バーク、モミ殻などを炭化させたものであってよく、粉末状のものが好ましい。
【0016】
本発明において用いる発酵および堆肥化した有機性廃棄物としては、有機性廃棄物を発酵させ堆肥化したものであればその種を問わない。具体的には、牛糞、豚糞、鶏糞などの畜産廃棄物、稲わら、籾がら、野菜の収穫残査、剪定枝などの農業廃棄物、ジュース絞りかす、茶殻、廃糖蜜、ビール酵母などの食品廃棄物、生ゴミなどの生活系廃棄物を、発酵槽や堆肥化施設で発酵させ堆肥化したものが挙げられる。
【0017】
次に、本発明の有機肥料ペレットの製造法について説明する。
本発明に用いる放線菌は、しょ糖・硝酸塩培地(しょ糖 30g、NaNO3 2g、K2PO4 1g、MgSO4・7H2O 0.5g、KCl 0.5g、FeSO4・7H2O 0.01gを水1000mlに溶解したもの)、ブドウ糖・アスパラギン培地(ブドウ糖 10g、アスパラギン 0.5g、K2HPO4 0.5gを水1000mlに溶解したもの)、グリセリン・アスパラギン培地(グリセリン 10g、アスパラギン1g、K2HPO4 1gを水1000mlに溶解したもの)などの液体培地を用いて培養することができる。
【0018】
液体培地のpH、培養日数、培養温度、回転培養の回転速度などは、培養する微生物に最適なものに調整する。例えば、ストレプトミセス属OG-012株を用いる場合、培地のpHは6.0〜6.8、培養日数は3〜7日、培養温度は37〜39℃、回転培養の回転速度は150〜450rpmに調整する。
【0019】
放線菌を上記の担体に担持させるには、上記の担体を滅菌し、これに上記のように液体培養した放線菌を培地成分と共に加え、混合する。担体1Lに対して培養培地100〜500mlを加えるのが好ましい。この混合物を、培養する微生物の最適条件下に静置し、1日に1〜5回撹拌を行って、嫌気培養になるのを避けながら固体培養する。例えば、ストレプトミセス属OG-012株を用いる場合、培養日数は3〜10日、培養温度は37〜39℃に調整する。固体培養終了後に、通風乾燥などによって乾燥し、放線菌を担持した多孔性物質を得る。
【0020】
次いで、放線菌を担持した多孔性物質を、有機性廃棄物と混合する。放線菌を担持した多孔性物質を、有機肥料ペレット製造工程の有機性廃棄物撹拌過程で混合するのが望ましい。その際、混合を容易にするために水分添加を行う必要があるが、その水分率(w/v)は、使用する有機性廃棄物の種類によって異なり、通常は10〜50%、好ましくは20〜40%の範囲に調整してよい。さらに、放線菌を担持した多孔性物質の添加量は、多孔性物質に担持された放線菌の菌量、製造する有機肥料ペレットに含有される放線菌の菌量、さらに、混合および乾燥工程における放線菌菌量の減少率に鑑みて調整してよい。
【0021】
有機肥料ペレットの成形工程は、従来の有機肥料ペレット成形工程と同様に、ディスクペレッターなどの圧縮固形器を用いて行ってよい。その後の乾燥工程は、40〜100℃、好ましくは60〜80℃の範囲で実施するのが好ましい。最終水分率(w/w)は、使用する有機性廃棄物の種類によって異なるが、通常は5〜30%、好ましくは5〜15%の範囲に調整してよい。
【0022】
このように製造された本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、有機肥料ペレット1gあたりに放線菌を102〜1010cfu(コロニー形成単位)含有しているのが好ましく、さらに有機肥料ペレット1gあたりに放線菌を103〜106cfu含有しているのが好ましい。
【0023】
本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土もしくは圃場全体に混合して使用することができる。本発明の有機肥料ペレットの使用量は、ペレットに含まれる放線菌の濃度や、その施用法により大きく異なるが、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土に混合して使用する場合には、培土1Lあたりのペレットの使用量として、1〜1,000g、好ましくは5〜500gを使用すればよい。さらに、圃場全体に混合して使用する場合には、圃場面積10a(アール)あたりのペレットの使用量として、10kg〜10t(トン)、好ましくは100kg〜5tを使用すればよい。
【0024】
本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、発酵および堆肥化した有機性廃棄物の有機肥料成分だけでなく、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物の増殖を抑制する放線菌を高濃度で含有することを特徴としている。従って、本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットを使用することにより、植物の生育促進だけでなく、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物による植物土壌病害を安定的かつ効果的に防除することができる。
【0025】
具体的に、本発明の有機肥料ペレットにより防除可能な植物土壌病害としては、例えば次のものが挙げられる。即ち、フザリウム病害としては、キュウリつる割れ病、メロンつる割れ病、ダイコン萎黄病、ピーマン実腐病、イチゴ萎黄病、ホウレンソウ立ち枯れ病、ネギ乾腐病、ナス半枯病、レタス根腐病、トマト萎ちょう病、ユリ茎腐病、サクラソウ萎ちょう病、カーネーション萎ちょう病などが挙げられ、バーティシリウム病害としては、ナス半身萎ちょう病、トマト半身萎ちょう病、ピーマン半身萎ちょう病、キュウリ半身萎ちょう病、ダイコン黒点病、ハクサイ黄化病、イチゴ半身萎ちょう病、ホウレンソウ萎ちょう病、フキ半身萎ちょう病、ウド半身萎ちょう病、オクラ半身萎ちょう病、キク半身萎ちょう病などが挙げられ、ピチウム病害としては、ホウレンソウ立ち枯れ病、メロン苗立ち枯れ病、キンギョソウ苗立ち枯れ病などが挙げられ、リゾクトニア病害としては、ホウレンソウ株腐病、トマト苗立ち枯れ病、カーネーション茎腐病、カラー株腐れ病、ニチニチソウ苗立ち枯れ病などが挙げられ、アルタナリア病害としては、ネギ黒紋病、ダイコン黒斑病、ハクサイ黒斑病、ナス褐斑病、ホウレンソウ灰色斑点病、カーネーション斑点病、トルコギキョウ花らい腐敗病などが挙げられる。
【0026】
また、フィトフトラ病害としては、ダイス茎疫病、ソラマメ疫病、サトイモ疫病、キュウリ疫病、キュウリ灰色疫病、メロン疫病、スイカ褐色腐敗病、トマト褐色腐敗病、ナス褐色腐敗病、ピーマン疫病、イチゴ根腐れ病、タマネギ白色疫病などが挙げられ、コロテシリウム病害としては、エダマメ白絹病、ソラマメ白絹病、サツマイモ白絹病、ジャガイモ白絹病、キュウリ白絹病、スイカ白絹病、トマト白絹病、ナス白絹病、ピーマン白絹病、タマネギ白絹病、ネギ白絹病などが挙げられ、ロセリニア病害としては、サツマイモ白紋羽病、ジャガイモ白紋羽病、カンキツ白紋羽病、リンゴ白紋羽病などが挙げられ、ヘリコバシディウム病害としては、エダマメ紫紋羽病、サツマイモ紫紋羽病、ネギ紫紋羽病、アスパラガス紫紋羽病、カンキツ紫紋羽病、リンゴ紫紋羽病などが挙げられ、ペロノスポーラ病害としては、ダイコンべと病、ハクサイべと病、キャベツべと病、イチゴべと病、ネギべと病、ホウレンソウべと病などが挙げられる。
【0027】
さらに、シュードモナス病害としては、ソラマメ青枯病、インゲン青枯病、ジャガイモ青枯病、レタス腐敗病、トマト青枯病、ナス青枯病、ピーマン青枯病などが挙げられ、リゾプス病害としては、ジャガイモ腐敗病、ユリ腐敗病、イチゴ腐敗病などが挙げられ、キサントモナス病害としてはアルファルファ黒腐病、ダイコン黒腐病、エダマメ黒腐病、メロン褐斑細菌病、ニンジン斑点細菌病、カンキツかいよう病、ストック黒腐病、グラジオラス角斑病などが挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1:有機肥料ペレットの製造
放線菌を担持させた担体、放線菌の培養液、ならびに、牛糞堆肥を用いて有機肥料ペレットを製造した。
放線菌として、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)、OG-013株(FERM P-16494)およびピチウム属菌に対して拮抗性を有するStreptomyces sp. WS-182株[特許文献9に記載された放線菌株、株式会社グリーンテック(前身は株式会社環境緑化資源開発センター)より入手]を用いた。
【0029】
(a)放線菌を担持させた担体
以下の表1に示すように、各放線菌を、炭または焼成ケイソウ土に担持させ、培養することにより、放線菌を担持させた担体A〜Cを調製した。
【表1】
【0030】
(b)放線菌の培養液
以下の表2に示すように、各放線菌を、しょ糖・硝酸塩培地で培養することにより、放線菌の培養液D〜Fを調製した。
【表2】
【0031】
(c)ペレット
次に、放線菌を担持させた担体A〜Cおよび放線菌の培養液D〜Fを用いて、有機肥料ペレット1〜6を製造した。
有機性廃棄物として牛糞堆肥を使用した。牛糞堆肥に、担体A〜Cもしくは培養液D〜Fを、放線菌の菌濃度が牛糞堆肥1gあたり1×106cfuとなるように混合した。その際に水分率は、約40%(w/v)とした。
その後、ディスクペレッターにより圧縮固形化し、60℃で8時間の乾燥を行った。製造した有機肥料ペレットの最終水分率(w/w)は、12〜15%の範囲であった。
【0032】
製造した有機肥料ペレット1〜6に含有される放線菌量を調べた結果を、以下の表3に示す。
【表3】
表3の結果から、有機肥料ペレットの製造において、放線菌を担持した担体を使用すると、放線菌の種類によらず、放線菌の培養液を使用したときと比較して、残存放線菌の量が多くなり、植物病害の防除効果の高い有機肥料ペレットを製造しうることが明らかである。
【0033】
次に、製造した有機肥料ペレットの植物病害防除効果を調べた。
実施例2:キュウリつる割れ病(フザリウム病害)に対する防除効果
ストレプトミセス属OG-012を添加した実施例1の有機肥料ペレット1を使用した。比較例1として、ストレプトミセス属OG-012を添加せずに、ペレット1と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0034】
実施例1のペレット1および比較例1の有機肥料ペレットによるキュウリつる割れ病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
播種用培土としてメトロミックス(グレース社製)を用い、培土をプラグトレー(容積25ml)に詰め、キュウリ(「北進」:タキイ種苗)を播種し、3週間栽培を行った。この育苗期の栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0035】
キュウリの栽培土壌には、赤玉土とメトロミックスを体積比1:1で混合した土壌を使用した。栽培土壌に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したキュウリつる割れ病の病原菌フザリウム・オキスポーラム(Fusarium oxyporum)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0036】
この病害土壌に、実施例1のペレット1もしくは比較例1の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し50gの割合で完全混合し、これを1/5000アールのマグネルポットに詰め、プラグトレーで栽培したキュウリの苗を1株ずつ植え付けた。このようなポットを、ペレット1および比較例1の各区あたり25ポットずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0037】
栽培終了後、病徴を、
0:発病せず、
1:下葉に黄変が認められる、
2:下葉に褐変が認められる、
3:上位葉に褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区25体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の病徴が現れた個体数の割合を発病率とした。
【0038】
このように測定した各区の発病度および発病率を以下の表4に示す。
【表4】
これらの結果から、ストレプトミセス属OG-012を添加した有機肥料ペレットは、キュウリつる割れ病(フザリウム病害)に対する防除効果を有していることが明らかになった。
【0039】
実施例3:ハクサイ黄化病(バーティシリウム病害)に対する防除効果
ストレプトミセス属OG-013を添加した実施例1の有機肥料ペレット2を使用した。比較例2として、ストレプトミセス属OG-013を添加せずに、ペレット2と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0040】
実施例1のペレット2および比較例2の有機肥料ペレットによるハクサイ黄化病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
播種用培土としてメトロミックス(グレース社製)を用い、培土をプラグトレー(容積25ml)に詰め、ハクサイ(「優黄」:タキイ種苗)を播種し、4週間栽培を行った。この育苗期の栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0041】
ハクサイの栽培土壌には、赤玉土を使用した。赤玉土に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したハクサイ黄化病の病原菌バーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahliae)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0042】
この病害土壌に、実施例1のペレット2もしくは比較例2の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し40gの割合で完全混合し、容積約5Lのプランター(長さ約30cm×幅約12cm×深さ約15cm)に詰めた。さらに、対照として有機肥料ペレットを混合せずに病害土壌のみを容積約5Lのプランターに詰めた。各プランターにハクサイ苗を2本ずつ植え付けた。このようなプランターを、ペレット2、比較例2および対照の各区あたり10プランターずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0043】
栽培終了後、地際部で栽培個体を収穫し、その横断面の維管束の褐変を、
0:褐変せず、
1:1/3未満の褐変が認められる、
2:1/3以上2/3未満の褐変が認められる、
3:2/3以上の褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区20個体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の褐変が現れた個体数の割合を発病率とした。さらに、栽培後の地上部新鮮重を測定した。
【0044】
このように測定した各区の発病度、発病率および地上部新鮮重を以下の表5に示す。
【表5】
これらの結果から、ストレプトミセス属OG-013を添加した有機肥料ペレットは、ハクサイ黄化病(バーティシリウム病害)に対する防除効果を有しており、さらにストレプトミセス属OG-013を添加しない有機肥料ペレットよりも高い植物生長促進効果を有していることが明らかになった。
【0045】
実施例4:ホウレンソウ立ち枯れ病(ピチウム病害)に対する防除効果
ピチウム属菌に対して拮抗性を有するStreptomyces sp. WS-182株を添加した実施例1の有機肥料ペレット3を使用した。比較例3として、放線菌Streptomyces sp. WS-182株を添加せずに、ペレット3と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0046】
実施例1のペレット3および比較例3の有機肥料ペレットによるホウレンソウ立ち枯れ病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
ホウレンソウの栽培土壌には、赤玉土を使用した。赤玉土に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したホウレンソウ立ち枯れ病の病原菌ピチウム・デバルヤナム(Pythium debaryanam)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0047】
この病害土壌に、実施例1のペレット3もしくは比較例3の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し20gの割合で完全混合し、容積約20Lのプランター(長さ約50cm×幅約20cm×深さ約20cm)に詰めた。各プランターにホウレンソウの種子を20粒ずつ播種した。このようなプランターを、ペレット3および比較例3の各区あたり5プランターずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0048】
栽培終了後、病徴を、
0:発病せず、
1:下葉に黄変が認められる、
2:下葉に褐変が認められる、
3:上位葉に褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区100個体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の病徴が現れた個体数の割合を発病率とした。
【0049】
このように測定した各区の発病度および発病率を以下の表6に示す。
【表6】
これらの結果から、Streptomyces sp. WS-182株を添加した有機肥料ペレットは、ホウレンソウ立ち枯れ病(ピチウム病害)に対する防除効果を有していることが明らかになった。
【0050】
【発明の効果】
本発明に従い、植物病害の病原菌に拮抗する放線菌を担体に担持させ、これを有機肥料ペレットの製造において使用することにより、放線菌が他の微生物との競合やペレット製造中の加熱乾燥により減少するのを抑制することができる。即ち、本発明により、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットを製造することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物生育の促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレット、その製造方法ならびに該有機肥料ペレットを用いる植物栽培方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、リサイクルに関する関心の高まりから、農業廃棄物、畜産廃棄物、食品廃棄物および生活系廃棄物を発酵堆肥化し、農園芸用資材として利用しようとする活動が盛んとなっている。堆肥化については、農業廃棄物、畜産廃棄物、食品廃棄物および生活系廃棄物を、発酵槽や堆肥化施設で発酵させて堆肥化する方法が一般的である。このような堆肥の大部分は発酵完了後、袋詰めもしくはそのまま供給されているのが現状である。しかし、堆肥は年間を通じて需要があるわけではなく、その利用時期は栽培開始前などに限られている。さらに、大量の畜産廃棄物を排出し、大量の堆肥が生産される地域が、必ずしも堆肥を大量に消費する地域ではない。このような場合、堆肥を保存もしくは流通させる必要が生じるが、発酵完了後、そのままもしくは袋詰めされたのみの堆肥は、保存や流通には適していない。そこで、堆肥の保存や流通を容易にする技術として、堆肥を成形および乾燥してペレット化する技術が利用されている。
【0003】
例えば、有機肥料ペレットについては、「肥料とその肥料製造法とその肥料を含んだ土壌改良材とその土壌改良材を含んだ土」(特許文献1)、「発酵堆肥化ペレットとその使用法」(特許文献2)、「ガーデン用肥料」(特許文献3)などの事例がある。また、有機肥料ペレットを製造する方法としては、「肥料の製造方法」(特許文献4)、「完熟有機質肥料、その製造方法及び製造装置」(特許文献5)、「鶏糞肥料の製造方法」(特許文献6)などが考案されている。
【0004】
一方、植物病害、特に土壌病害を防除することは農業生産や緑化活動にとって不可欠な事柄である。しかし、土壌病害を防除することは非常に困難である。土壌病害の主なものには、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物による病害が挙げられる。一般に、これらの病害を防除する方法としては、臭化メチルなどの殺菌剤を用いて土壌燻蒸する方法が採られている。しかし、土壌への殺菌剤の散布は、周辺の土壌や水質を汚染するなど、環境への負荷が大きく、問題となっている。そこで、環境負荷の少ない植物病害防除法の1つとして、土壌病害の病原菌に拮抗する微生物を選抜し、それを土壌に施用することにより、土壌病害を防除する試みが為されている。
【0005】
例えば、バーティシリウム病害の防除が、マロイス(Marois)ら(非特許文献1)によって試みられている。さらに、ストレプトミセス属の放線菌を用いるバーティシリウム病害の防除が、草刈ら(非特許文献2)によって行われている。また、バーティシリウム病害の防除に有効な菌株として、Streptomyces gomishimensisCD-3株が出願されている(特許文献7)。また本発明者も、バーティシリウム病害の防除に有効な菌株として、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)を出願している(特許文献8)。
【0006】
しかし、ストレプトミセス属に代表される土壌病害の病原菌に拮抗する放線菌を有機肥料ペレットに添加すること、即ち、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットの形態の農業資材については検討されていない。例えば、前述の「完熟有機質肥料、その製造方法及び製造装置」(特許文献5)には、製造過程に放線菌類を添加することが記載されているが、この放線菌類の添加は堆肥化過程での堆肥化促進が目的であり、植物病害の防除効果に関する検討は為されていない。その原因としては、病原菌に拮抗する放線菌をペレット化工程に添加しても、他の微生物との競合やペレット化の加熱乾燥工程により該放線菌の量が激減することが考えられた。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−41379号公報
【特許文献2】
特開平9−142980号公報
【特許文献3】
特開2000−1388号公報
【特許文献4】
特開2001−151585号公報
【特許文献5】
特開2001−354487号公報
【特許文献6】
特開2002−160986号公報
【非特許文献1】
マロイス(Marois)ら、「Plant Disease」、Vol.66、1982年、p.1166-1168
【非特許文献2】
草刈ら、「関西病虫研報」、第32巻、1990年、p.17-20
【特許文献7】
特許第1818558号明細書
【特許文献8】
特開平11−155561号公報
【特許文献9】
特開平6−56616号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットの開発を試みた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形することによって、放線菌が他の微生物との競合やペレット製造中の加熱乾燥により減少するのを抑制することができ、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットが得られることを見い出した。
【0010】
即ち、本発明は、上記のような有機肥料ペレット、該ペレットの製造方法、ならびに、該ペレットを、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土もしくは圃場全体に混合して植物を栽培することからなる植物栽培方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明において用いる放線菌は、植物土壌病害の原因微生物であるフザリウム(Fusarium)属、バーティシリウム(Verticillium)属、ピチウム(Phytium)属、リゾクトニア(Rhizoctonia)属、アルタナリア(Alternaria)属、フィトフトラ(Phytophthora)属、コロテシリウム(Corticilium)属、ロセリニア(Rosellinia)属、ヘリコバシディウム(Helicobasidium)属、ペロノスポーラ(Peronospora)属の糸状菌や、シュードモナス(Pheseudomonas)属、リゾプス(Rhizopus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属の細菌の少なくとも1つに対し、その増殖を抑制する抗生物質を生産する微生物であれば、いずれの微生物であってもよい。
【0012】
好ましい放線菌は、ストレプトミセス(Streptomyces)属、スポリキタヤ(Sporrichthya)属、ストレプトバーティシリウム(Streptoverticillium)属に属する微生物からなる群より選ばれる。
さらに好ましくは、ストレプトミセス属に属するStreptomyces albogriseolus、Streptomyces albulus、Streptomyces antibioticus、Streptomyces antifibrinolyticus、Streptomyces aureofaciens、Streptomyces avermitili、Streptomyces cellulosae、Streptomyces chartreusisi、Streptomyces coeruleorubidus、Streptomyces diastatochromogenes、Streptomyces flocculus、Streptomycesfradiae、Streptomyces fungicidicus、Streptomyces galilaeus、Streptomyces griseus、Streptomyces hygroscopicus、Streptomyces kanamyceticus、Streptomyces lavendulae、Streptomyces lividans、Streptomyces olivaceus、Streptomyces olivochromogenus、Streptomyces peusetius、Streptomyces phaeochromogenes、Streptomyces purpurascens、Streptomyces rimosus、Streptomyces tendae、Streptomyces venezuelae、Streptomyces verticillatus、Streptomycesverticillium、Streptomyces violaceoruber、Streptomyces viridosporus、もしくは、ストレプトバーティシリウム属に属するStreptoverticillium abikoense、Streptoverticillium baldaccii、Streptoverticillium cinnamoneum、Streptoverticillium griseocarneumからなる群より選ばれる。
【0013】
最も好ましい放線菌は、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)からなる群より選ばれる。なお、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)は、独立行政法人産業技術総合研究所に平成9年10月28日に寄託されている。
【0014】
有機肥料ペレットを製造する際に、本発明において用いる放線菌を、その培養物の形態で使用することができるが、放線菌を担体に担持させて使用するのが好ましい。このようにすることにより、有機肥料ペレットの製造工程において、放線菌が、他の微生物との競合により、また、ペレットの加熱乾燥中に減少するのを抑制することができる。
【0015】
放線菌担持用の担体としては、炭、軽石、ひる石、貝化石、ピートモス、(焼成)ケイソウ土、ゼオライト、パーライト、ベントナイト、バーミキュライトなどの多孔性物質が好ましく、炭、活性炭および(焼成)ケイソウ土が特に好ましい。炭としては、木材を炭化させたもの、あるいは、樹皮、オガクズ、ヤシ殻、バーク、モミ殻などを炭化させたものであってよく、粉末状のものが好ましい。
【0016】
本発明において用いる発酵および堆肥化した有機性廃棄物としては、有機性廃棄物を発酵させ堆肥化したものであればその種を問わない。具体的には、牛糞、豚糞、鶏糞などの畜産廃棄物、稲わら、籾がら、野菜の収穫残査、剪定枝などの農業廃棄物、ジュース絞りかす、茶殻、廃糖蜜、ビール酵母などの食品廃棄物、生ゴミなどの生活系廃棄物を、発酵槽や堆肥化施設で発酵させ堆肥化したものが挙げられる。
【0017】
次に、本発明の有機肥料ペレットの製造法について説明する。
本発明に用いる放線菌は、しょ糖・硝酸塩培地(しょ糖 30g、NaNO3 2g、K2PO4 1g、MgSO4・7H2O 0.5g、KCl 0.5g、FeSO4・7H2O 0.01gを水1000mlに溶解したもの)、ブドウ糖・アスパラギン培地(ブドウ糖 10g、アスパラギン 0.5g、K2HPO4 0.5gを水1000mlに溶解したもの)、グリセリン・アスパラギン培地(グリセリン 10g、アスパラギン1g、K2HPO4 1gを水1000mlに溶解したもの)などの液体培地を用いて培養することができる。
【0018】
液体培地のpH、培養日数、培養温度、回転培養の回転速度などは、培養する微生物に最適なものに調整する。例えば、ストレプトミセス属OG-012株を用いる場合、培地のpHは6.0〜6.8、培養日数は3〜7日、培養温度は37〜39℃、回転培養の回転速度は150〜450rpmに調整する。
【0019】
放線菌を上記の担体に担持させるには、上記の担体を滅菌し、これに上記のように液体培養した放線菌を培地成分と共に加え、混合する。担体1Lに対して培養培地100〜500mlを加えるのが好ましい。この混合物を、培養する微生物の最適条件下に静置し、1日に1〜5回撹拌を行って、嫌気培養になるのを避けながら固体培養する。例えば、ストレプトミセス属OG-012株を用いる場合、培養日数は3〜10日、培養温度は37〜39℃に調整する。固体培養終了後に、通風乾燥などによって乾燥し、放線菌を担持した多孔性物質を得る。
【0020】
次いで、放線菌を担持した多孔性物質を、有機性廃棄物と混合する。放線菌を担持した多孔性物質を、有機肥料ペレット製造工程の有機性廃棄物撹拌過程で混合するのが望ましい。その際、混合を容易にするために水分添加を行う必要があるが、その水分率(w/v)は、使用する有機性廃棄物の種類によって異なり、通常は10〜50%、好ましくは20〜40%の範囲に調整してよい。さらに、放線菌を担持した多孔性物質の添加量は、多孔性物質に担持された放線菌の菌量、製造する有機肥料ペレットに含有される放線菌の菌量、さらに、混合および乾燥工程における放線菌菌量の減少率に鑑みて調整してよい。
【0021】
有機肥料ペレットの成形工程は、従来の有機肥料ペレット成形工程と同様に、ディスクペレッターなどの圧縮固形器を用いて行ってよい。その後の乾燥工程は、40〜100℃、好ましくは60〜80℃の範囲で実施するのが好ましい。最終水分率(w/w)は、使用する有機性廃棄物の種類によって異なるが、通常は5〜30%、好ましくは5〜15%の範囲に調整してよい。
【0022】
このように製造された本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、有機肥料ペレット1gあたりに放線菌を102〜1010cfu(コロニー形成単位)含有しているのが好ましく、さらに有機肥料ペレット1gあたりに放線菌を103〜106cfu含有しているのが好ましい。
【0023】
本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土もしくは圃場全体に混合して使用することができる。本発明の有機肥料ペレットの使用量は、ペレットに含まれる放線菌の濃度や、その施用法により大きく異なるが、播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土に混合して使用する場合には、培土1Lあたりのペレットの使用量として、1〜1,000g、好ましくは5〜500gを使用すればよい。さらに、圃場全体に混合して使用する場合には、圃場面積10a(アール)あたりのペレットの使用量として、10kg〜10t(トン)、好ましくは100kg〜5tを使用すればよい。
【0024】
本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットは、発酵および堆肥化した有機性廃棄物の有機肥料成分だけでなく、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物の増殖を抑制する放線菌を高濃度で含有することを特徴としている。従って、本発明の放線菌を含有する有機肥料ペレットを使用することにより、植物の生育促進だけでなく、フザリウム属、バーティシリウム属、ピチウム属、リゾクトニア属、アルタナリア属などに属する微生物による植物土壌病害を安定的かつ効果的に防除することができる。
【0025】
具体的に、本発明の有機肥料ペレットにより防除可能な植物土壌病害としては、例えば次のものが挙げられる。即ち、フザリウム病害としては、キュウリつる割れ病、メロンつる割れ病、ダイコン萎黄病、ピーマン実腐病、イチゴ萎黄病、ホウレンソウ立ち枯れ病、ネギ乾腐病、ナス半枯病、レタス根腐病、トマト萎ちょう病、ユリ茎腐病、サクラソウ萎ちょう病、カーネーション萎ちょう病などが挙げられ、バーティシリウム病害としては、ナス半身萎ちょう病、トマト半身萎ちょう病、ピーマン半身萎ちょう病、キュウリ半身萎ちょう病、ダイコン黒点病、ハクサイ黄化病、イチゴ半身萎ちょう病、ホウレンソウ萎ちょう病、フキ半身萎ちょう病、ウド半身萎ちょう病、オクラ半身萎ちょう病、キク半身萎ちょう病などが挙げられ、ピチウム病害としては、ホウレンソウ立ち枯れ病、メロン苗立ち枯れ病、キンギョソウ苗立ち枯れ病などが挙げられ、リゾクトニア病害としては、ホウレンソウ株腐病、トマト苗立ち枯れ病、カーネーション茎腐病、カラー株腐れ病、ニチニチソウ苗立ち枯れ病などが挙げられ、アルタナリア病害としては、ネギ黒紋病、ダイコン黒斑病、ハクサイ黒斑病、ナス褐斑病、ホウレンソウ灰色斑点病、カーネーション斑点病、トルコギキョウ花らい腐敗病などが挙げられる。
【0026】
また、フィトフトラ病害としては、ダイス茎疫病、ソラマメ疫病、サトイモ疫病、キュウリ疫病、キュウリ灰色疫病、メロン疫病、スイカ褐色腐敗病、トマト褐色腐敗病、ナス褐色腐敗病、ピーマン疫病、イチゴ根腐れ病、タマネギ白色疫病などが挙げられ、コロテシリウム病害としては、エダマメ白絹病、ソラマメ白絹病、サツマイモ白絹病、ジャガイモ白絹病、キュウリ白絹病、スイカ白絹病、トマト白絹病、ナス白絹病、ピーマン白絹病、タマネギ白絹病、ネギ白絹病などが挙げられ、ロセリニア病害としては、サツマイモ白紋羽病、ジャガイモ白紋羽病、カンキツ白紋羽病、リンゴ白紋羽病などが挙げられ、ヘリコバシディウム病害としては、エダマメ紫紋羽病、サツマイモ紫紋羽病、ネギ紫紋羽病、アスパラガス紫紋羽病、カンキツ紫紋羽病、リンゴ紫紋羽病などが挙げられ、ペロノスポーラ病害としては、ダイコンべと病、ハクサイべと病、キャベツべと病、イチゴべと病、ネギべと病、ホウレンソウべと病などが挙げられる。
【0027】
さらに、シュードモナス病害としては、ソラマメ青枯病、インゲン青枯病、ジャガイモ青枯病、レタス腐敗病、トマト青枯病、ナス青枯病、ピーマン青枯病などが挙げられ、リゾプス病害としては、ジャガイモ腐敗病、ユリ腐敗病、イチゴ腐敗病などが挙げられ、キサントモナス病害としてはアルファルファ黒腐病、ダイコン黒腐病、エダマメ黒腐病、メロン褐斑細菌病、ニンジン斑点細菌病、カンキツかいよう病、ストック黒腐病、グラジオラス角斑病などが挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1:有機肥料ペレットの製造
放線菌を担持させた担体、放線菌の培養液、ならびに、牛糞堆肥を用いて有機肥料ペレットを製造した。
放線菌として、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)、OG-013株(FERM P-16494)およびピチウム属菌に対して拮抗性を有するStreptomyces sp. WS-182株[特許文献9に記載された放線菌株、株式会社グリーンテック(前身は株式会社環境緑化資源開発センター)より入手]を用いた。
【0029】
(a)放線菌を担持させた担体
以下の表1に示すように、各放線菌を、炭または焼成ケイソウ土に担持させ、培養することにより、放線菌を担持させた担体A〜Cを調製した。
【表1】
【0030】
(b)放線菌の培養液
以下の表2に示すように、各放線菌を、しょ糖・硝酸塩培地で培養することにより、放線菌の培養液D〜Fを調製した。
【表2】
【0031】
(c)ペレット
次に、放線菌を担持させた担体A〜Cおよび放線菌の培養液D〜Fを用いて、有機肥料ペレット1〜6を製造した。
有機性廃棄物として牛糞堆肥を使用した。牛糞堆肥に、担体A〜Cもしくは培養液D〜Fを、放線菌の菌濃度が牛糞堆肥1gあたり1×106cfuとなるように混合した。その際に水分率は、約40%(w/v)とした。
その後、ディスクペレッターにより圧縮固形化し、60℃で8時間の乾燥を行った。製造した有機肥料ペレットの最終水分率(w/w)は、12〜15%の範囲であった。
【0032】
製造した有機肥料ペレット1〜6に含有される放線菌量を調べた結果を、以下の表3に示す。
【表3】
表3の結果から、有機肥料ペレットの製造において、放線菌を担持した担体を使用すると、放線菌の種類によらず、放線菌の培養液を使用したときと比較して、残存放線菌の量が多くなり、植物病害の防除効果の高い有機肥料ペレットを製造しうることが明らかである。
【0033】
次に、製造した有機肥料ペレットの植物病害防除効果を調べた。
実施例2:キュウリつる割れ病(フザリウム病害)に対する防除効果
ストレプトミセス属OG-012を添加した実施例1の有機肥料ペレット1を使用した。比較例1として、ストレプトミセス属OG-012を添加せずに、ペレット1と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0034】
実施例1のペレット1および比較例1の有機肥料ペレットによるキュウリつる割れ病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
播種用培土としてメトロミックス(グレース社製)を用い、培土をプラグトレー(容積25ml)に詰め、キュウリ(「北進」:タキイ種苗)を播種し、3週間栽培を行った。この育苗期の栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0035】
キュウリの栽培土壌には、赤玉土とメトロミックスを体積比1:1で混合した土壌を使用した。栽培土壌に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したキュウリつる割れ病の病原菌フザリウム・オキスポーラム(Fusarium oxyporum)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0036】
この病害土壌に、実施例1のペレット1もしくは比較例1の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し50gの割合で完全混合し、これを1/5000アールのマグネルポットに詰め、プラグトレーで栽培したキュウリの苗を1株ずつ植え付けた。このようなポットを、ペレット1および比較例1の各区あたり25ポットずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0037】
栽培終了後、病徴を、
0:発病せず、
1:下葉に黄変が認められる、
2:下葉に褐変が認められる、
3:上位葉に褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区25体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の病徴が現れた個体数の割合を発病率とした。
【0038】
このように測定した各区の発病度および発病率を以下の表4に示す。
【表4】
これらの結果から、ストレプトミセス属OG-012を添加した有機肥料ペレットは、キュウリつる割れ病(フザリウム病害)に対する防除効果を有していることが明らかになった。
【0039】
実施例3:ハクサイ黄化病(バーティシリウム病害)に対する防除効果
ストレプトミセス属OG-013を添加した実施例1の有機肥料ペレット2を使用した。比較例2として、ストレプトミセス属OG-013を添加せずに、ペレット2と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0040】
実施例1のペレット2および比較例2の有機肥料ペレットによるハクサイ黄化病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
播種用培土としてメトロミックス(グレース社製)を用い、培土をプラグトレー(容積25ml)に詰め、ハクサイ(「優黄」:タキイ種苗)を播種し、4週間栽培を行った。この育苗期の栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0041】
ハクサイの栽培土壌には、赤玉土を使用した。赤玉土に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したハクサイ黄化病の病原菌バーティシリウム・ダーリエ(Verticillium dahliae)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0042】
この病害土壌に、実施例1のペレット2もしくは比較例2の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し40gの割合で完全混合し、容積約5Lのプランター(長さ約30cm×幅約12cm×深さ約15cm)に詰めた。さらに、対照として有機肥料ペレットを混合せずに病害土壌のみを容積約5Lのプランターに詰めた。各プランターにハクサイ苗を2本ずつ植え付けた。このようなプランターを、ペレット2、比較例2および対照の各区あたり10プランターずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0043】
栽培終了後、地際部で栽培個体を収穫し、その横断面の維管束の褐変を、
0:褐変せず、
1:1/3未満の褐変が認められる、
2:1/3以上2/3未満の褐変が認められる、
3:2/3以上の褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区20個体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の褐変が現れた個体数の割合を発病率とした。さらに、栽培後の地上部新鮮重を測定した。
【0044】
このように測定した各区の発病度、発病率および地上部新鮮重を以下の表5に示す。
【表5】
これらの結果から、ストレプトミセス属OG-013を添加した有機肥料ペレットは、ハクサイ黄化病(バーティシリウム病害)に対する防除効果を有しており、さらにストレプトミセス属OG-013を添加しない有機肥料ペレットよりも高い植物生長促進効果を有していることが明らかになった。
【0045】
実施例4:ホウレンソウ立ち枯れ病(ピチウム病害)に対する防除効果
ピチウム属菌に対して拮抗性を有するStreptomyces sp. WS-182株を添加した実施例1の有機肥料ペレット3を使用した。比較例3として、放線菌Streptomyces sp. WS-182株を添加せずに、ペレット3と同様に製造した有機肥料ペレット(牛糞堆肥ペレット)を使用した。
【0046】
実施例1のペレット3および比較例3の有機肥料ペレットによるホウレンソウ立ち枯れ病に対する病害防除効果を確認する試験は以下の通りとした。
ホウレンソウの栽培土壌には、赤玉土を使用した。赤玉土に、予めPDB培地(ポテト・デキストロース・ブロス:DIFCO社製)で培養したホウレンソウ立ち枯れ病の病原菌ピチウム・デバルヤナム(Pythium debaryanam)を、培土1Lあたりのcfuが105となるように完全混合し、これを病害土壌とした。
【0047】
この病害土壌に、実施例1のペレット3もしくは比較例3の有機肥料ペレットを、土壌1Lに対し20gの割合で完全混合し、容積約20Lのプランター(長さ約50cm×幅約20cm×深さ約20cm)に詰めた。各プランターにホウレンソウの種子を20粒ずつ播種した。このようなプランターを、ペレット3および比較例3の各区あたり5プランターずつ作成し、6週間栽培を行った。栽培条件は、明期16時間25℃、暗期8時間20℃であり、湿度は70%とした。
【0048】
栽培終了後、病徴を、
0:発病せず、
1:下葉に黄変が認められる、
2:下葉に褐変が認められる、
3:上位葉に褐変が認められる、
4:枯死、
の5段階の発病指数で評価した。
各区100個体の発病指数の平均値を発病度とし、発病指数3以上の病徴が現れた個体数の割合を発病率とした。
【0049】
このように測定した各区の発病度および発病率を以下の表6に示す。
【表6】
これらの結果から、Streptomyces sp. WS-182株を添加した有機肥料ペレットは、ホウレンソウ立ち枯れ病(ピチウム病害)に対する防除効果を有していることが明らかになった。
【0050】
【発明の効果】
本発明に従い、植物病害の病原菌に拮抗する放線菌を担体に担持させ、これを有機肥料ペレットの製造において使用することにより、放線菌が他の微生物との競合やペレット製造中の加熱乾燥により減少するのを抑制することができる。即ち、本発明により、肥料成分による生育促進効果だけでなく、植物病害の防除効果をも有する有機肥料ペレットを製造することができる。
Claims (5)
- 発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形した有機肥料ペレット。
- 放線菌が、ストレプトミセス属、スポリキタヤ属およびストレプトバーティシリウム属に属する微生物からなる群より選ばれる少なくとも1つの微生物である請求項1に記載の有機肥料ペレット。
- 放線菌が、ストレプトミセス属OG-012株(FERM P-16493)およびOG-013株(FERM P-16494)からなる群より選ばれる少なくとも1つの微生物である請求項1に記載の有機肥料ペレット。
- 発酵および堆肥化した有機性廃棄物を、植物病害を防除する微生物である放線菌を担持させた担体と混合し、圧縮固形化により定型に成形することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機肥料ペレットの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の有機肥料ペレットを播種用培土、育苗用培土、挿し木用培土もしくは圃場全体に混合して植物を栽培することを特徴とする植物栽培方法。
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