JPH0465379A - 動物糞を用いた肥料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野コ 本発明は鶏糞、豚糞、牛糞等の動物の糞を用いた肥料に
関するものである。

［従来の技術］ この種の動物糞は農家が原料を自給し、自分でつくる自
給有機質肥料として、或いは堆きゆう肥として昔から用
いられている。こうした有機質肥料は化学肥料を多用し
て悪化した土壌を改良するのに効果的である。

しかし、家畜の多頭羽飼育がすすむにつれて、動物糞は
一箇所から大量に発生するため、悪臭、水質汚濁、害虫
発生などの公害問題を引起こすようになってきた。

特に、動物糞の不快な臭気のため、土壌改良用の肥料と
して大量生産しても流通過程における防臭が困難である
上、使用時には悪臭が漂うため、現実の利用度は少ない
。

従来、この点を改良するために、発酵処理した鶏糞等の
動物糞をベレット状にし、その周りをゼオライト系天然
鉱物砂でコーティングした、取扱いか簡単で完全に脱臭
され肥料分に富む粒状土壌改良材が提案されている（実
開昭６Ｏ−６７３３６）。

［発明か解決しようとする課題］ しかし、上記土壌改良材では発酵処理した動物糞を使用
するが、この完全発酵は堆積状態にした動物糞を適宜切
り返しながら、３週間以上放置して腐熟させる必要があ
り、その間やはり上記公害を引起こす問題点があった。

また速成で発酵させる方法及び装置が知られているが、
発酵コストが高価になる問題点があった。

また上記土壌改良材では発酵処理して残臭のある動物糞
の周囲を上記天然鉱物粉末でコーティングすることによ
り、その臭気を遮断することかできる利点を有するが、
その反面実際に上記土壌改良材を肥料として使用した場
合、雨水等により土壌改良材が水分を吸収すると、天然
鉱物皮膜が破れ、再び臭気を放つようになる。このため
従来の土壌改良材は多数の人間がやってくるゴルフ場の
芝生や、密閉されたビニール／’％ウス内の農作物等の
肥料には不向きて、その利用価値が低い欠点かあった。

本発明の目的は、上記問題点を解決するもので、完全に
発酵していなくても、流通過程は勿論、使用時にも臭気
を発散させず、取扱いが簡単で、利用価値の高い、安価
な動物糞を用いた肥料を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明の肥料は、完全発酵
した或いは完全発酵前の砂状又は粒状に形成された乾燥
動物糞が糊剤及び芳香剤を含むコーディング剤により被
包されたものである。

本発明の動物糞は、鶏糞、豚糞、牛糞等である。

特に鶏糞か砂状又は粒状化し易く、芳香剤による芳香発
散効果があるため好ましい。出発原料となる動物糞は、
完全発酵処理した腐熟度が完熟なものが好ましいが、完
全発酵していない腐熟度か中熱、未熟なものでも、或い
は腐熟度が生のままの、即ち動物から排泄されたばかり
の生糞でも乾燥状態にあればよい。この乾燥程度は含水
率が鶏糞の場合５〜３０％、豚糞の場合３０〜６０％、
牛糞の場合１０〜４０％である。動物糞は公知の動物糞
加工機により乾燥しながら、或いは乾燥した後、砂状又
は粒状に形成される。乾燥置体の外径は砂状の場合１〜
４　ｍｍ、粒状の場合５〜１０ｍｍである。

上記範囲は、芳香剤による芳香発散効果を高めるため、
或いは動物糞の腐熟度に応じて決められる。

砂状又は粒状に形成された動物糞は糊剤及び芳香剤を含
むコーティング剤により被包される。糊剤は小麦粉又は
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体から選ば
れるが、安価で入手し易い小麦粉又はカルボキシメチル
セルロースが好ましい。小麦粉は乾燥置体の含水率又は
その形状に応じて薄力粉又は強力粉のいずれを用いても
よい。

本発明の肥料は消臭剤による悪臭のマスキングに留まら
ず、肥料の取扱い時、使用時に芳香を漂わせて悪臭を抑
制するところに特徴がある。従って、その芳香剤は植物
性香料もしくは動物性香料の天然香料、又は天然系合成
香料もしくは石油化学系合成香料、或いはこれらを調合
した調合香料を主成分とする。調合香料に用いられる合
成香料としては、例えば−ｃ＝ｃ−ｃ＝ｏの結合をもつ
シトラール、へりオトロピン、バニリン、クマリン等が
挙げられる。調合香料は揮発度が低く保留性に富むよう
に基礎剤（ベースノート）を５０重量％以上含むものが
望ましい。また芳香剤とは別にラウリルメタアクリレー
ト、ゲラニールクロトネート、グリコオキザール等の消
臭剤をコーティング剤に加えてもよい。

本発明のコーティング剤に更に卵白を含有させると、砂
状又は粒状の肥料に光沢が出て、しかもべとつきが無く
なり好ましい。

コーティング剤は水１００重量％に対して糊剤１〜６重
量％、芳香剤０５〜５重量％及び卵白０〜３０重量％の
配合比でこれらを均一に混練することにより調製される
。糊剤は１重量％未満であるとコーティング剤の接着性
能か低下する。６重量％を越えると粘度か高くなりすぎ
る。芳香剤は０５重量％未満であると、動物糞の悪臭成
分より強い芳香臭成分が発散せす、悪臭を抑えることが
できない。芳香剤か５重量％を越えると、また卵白か３
０重量％を越えると糊剤の接着性能が劣化しかつ経済的
でない。腐熟度の低い動物糞は悪臭成分がより強いため
、芳香剤を上記範囲の上限値に近い量たけ加える。また
卵白を用いた場合も芳香剤の殺菌能による卵白の腐敗を
防ぐ意味から芳香剤を上記範囲内で多めにコーティング
剤に混入する。

上記コーティング剤のコーテイング量は動物糞の形状に
より異なる。即ち砂状前は比表面積が大きいため、コー
ティング剤は砂状前１００重量％に対して８〜１５重量
％用いられ、また粒状糞は緻密で比表面積が砂状前より
小さいため、コーティング剤は粒状糞１００重量％に対
して２〜７重量％用いられ、それぞれ翼体の周囲に塗工
される。

第１図は砂状動物糞の断面図、第２図は極小の円柱状の
動物糞の断面図である。１０は動物糞、１１はコーティ
ング剤である。

［作　用］ 本発明の肥料は未使用状態では動物糞の糊剤等が悪臭を
遮断するため、芳香剤の香気が肥料取扱い者の嗅覚を刺
激し、悪臭に対する感覚を無くする。

また肥料を農作物に使用し、雨水等の吸水によりコーテ
イング膜が破壊されても、芳香剤の香料が動物糞の悪臭
成分より高い蒸気圧を有するため、香りの性質を変化さ
せる。即ち芳香剤によって全体の蒸気成分を変化させ、
悪臭の蒸気分圧を小さくする。

［発明の効果］ 以上述べたように、本発明の動物糞を用いた肥料は、未
使用の状態は勿論、肥料として使用したときにも悪臭を
放たす、周囲に芳香を発散させるため、環境を保全しな
がらゴルフ場の芝生やビニールハウス内の農作物等の生
育を助長するすることができる。この結果、有機質肥料
としての利用価値が高まり、家畜の多頭羽飼育者にとっ
て処分に困窮していた動物糞を産業廃棄物としてでなく
、大量消費の見込まれる有用な肥料とすることができる
。

特に、卵白をコーティング剤に用いれば、肥料に光沢を
付与し、そのべとつきを解消する以外に食用に不向きな
鶏卵の工業的利用度を高める利点がある。

［実施例］ 次に本発明の詳細な説明する。

完熟していない未発酵の悪臭の極めて強い鶏糞を公知の
鶏糞加工機により乾燥し、かつ直径３〜５ｍｍで長さ７
〜１０ｍｍの円柱状のペレットとした。

この乾燥した鶏糞を分析したところ、平均成分は水分１
３０％、窒素（Ｎ）１．７％、りん酸（Ｐ２Ｏ３）２９
％、カリ（ＫｚＯ）　１　、８％、カルシウム（Ｃａｂ
）５６％、マグネシウム（ＭｇＯ）　０　、９％であっ
た。

一方、水１０００ｋｇにカルボキシメチルセルロース（
ＣＭＣ）　２０　ｋｇ、花香型芳香剤１０ｋｇ及び卵白
２００ｋｇを混練機により均一に混練してコーティング
剤を調製した。

攪拌機に入れたベレット状の乾燥鶏糞１００ｋｇに対し
て上記コーティング剤５ｋｇを投入し、乾燥鶏糞の周囲
にコーティング剤を被包した。得られた肥料は芳香剤の
香りか漂い、しかも卵白により光沢があり、しかもへと
っきが無かった。

この肥料をゴルフ場の芝生の生育用に散布したところ、
雨上がりの好天の日でも鶏糞の悪臭は感じられす、鶏糞
の臭気と芳香剤の臭気が混ざった、えも言われぬ香気が
微かに漂った。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の砂状動物糞からなる肥料の拡大断面図
。 第２図は本発明の粒状動物糞からなる肥料の拡大断面図
。 １０：動物糞、 １１：コーティング剤。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １）完全発酵した或いは完全発酵前の砂状又は粒状に形
   成された乾燥動物糞が糊剤及び芳香剤を含むコーティン
   グ剤により被包された動物糞を用いた肥料。 ２）糊剤が小麦粉又はカルボキシメチルセルロースであ
   る請求項１記載の動物糞を用いた肥料。 ３）コーティング剤が卵白を含む請求項１又は２記載の
   動物糞を用いた肥料。