JP5606968B2 - 仕切弁 - Google Patents
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Description
更に、上記従来の弁においては、2枚の弁板を連結する構造が採用されている。この連結構造とアクチュエータとは個別の構造部品であるので、弁体の構造が複雑であるという課題があった。
また、大口径バルブにおいては、逆圧に耐え得るためには大きな力を発生するシリンダが必要であり、弁体が大型化してしまうという課題があった。
このため、実際に空間をシールする弁板の面は、アクチュエータの内側に位置しており、この面はアクチュエータの位置からずれており、更に、この面にはピストン,シリンダ,ボルトを介してスプリングによる押し付け力(スプリングによる復元力)が伝われる。このため、この押し付け力が不十分であると、確実に仕切りをすることができず、高い信頼性を得られないという課題があった。
また、大口径バルブにおいて逆圧に耐え得るためには、或いは、特殊な形状の弁板、シールリング板、フランジに適用するためには、シリンダを除いたアクチュエータ部品を多数配置する必要があり、仕切弁の構成が複雑になるという課題があった。
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な中立弁体と、
前記中立弁体を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とする第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
を具備してなることにより上記課題を解決した。
本発明において、前記第2可動弁部には、前記第1付勢部の反力を前記第2開口部周囲の弁箱内面に伝達する反力伝達部が設けられることがより好ましい。
本発明の前記第2付勢部は、前記第2周囲領域において前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との間に形成されたエアシリンダであることが可能である。
また、本発明において、前記第2付勢部とされたエアシリンダには、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられる手段を採用することもできる。
また、前記第2付勢部とされたエアシリンダに駆動用気体を供給する供給路が形成され、該供給路には、前記第1可動弁部と前記中立弁部との流路方向位置が変更した際にも、前記第1可動弁部と前記中立弁部との間で駆動用気体を供給可能に摺動接続する接続ピン部が設けられることができる。
本発明においては、前記接続ピン部には、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられることが望ましい。
さらに、前記切り替え手段が、前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸を含むものとされてなることが可能である。
また、前記切り替え手段が、前記流路方向と交差する方向に延在し直線状に駆動される弁棒を含むものとされてなることがある。
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な可動弁部と、
前記可動弁部を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段と、
前記切り替え手段と前記可動弁部とを接続する中立弁部と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とされる第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
を具備してなることにより、中立弁部に流路方向の力を作用させることなく、第1可動弁部および第2可動弁部のみによって第1開口部を閉塞する際のシール部の変形をおこなうことができる。
本発明によれば、前記切り替え手段の機構をより小さな出力に対応したものとして、弁の小型化を図ることができるという効果を奏することができる。
また、以下の説明に用いられる各図においては、各構成要素を図面上で認識し得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法及び比率を実際のものとは適宜に異ならせてある。
本発明の技術範囲は、以下に述べる実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
図1は、本実施形態における仕切弁の構成を示す平面図であり、図2は、本発明の第1実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避動作可能位置とされている場合を示す図であり、図3は、図2の中立弁部と第1可動弁部の接続部分および第1と第2との付勢部付近を示す要部拡大図であり、図4は、本発明の第1実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が密閉閉塞位置とされている場合を示す図であり、図5は、図4の中立弁部と第1可動弁部の接続部分および第1と第2との付勢部付近を示す要部拡大図であり、図3は、本発明の第1実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図で、弁体が退避位置とされている場合を示す図である。
第1実施形態の仕切弁100は、図1〜図3に示すように、振り子型仕切弁である。
この仕切弁100は、互いに対向した第1開口部12aと第2開口部12bとが設けられた弁箱10と、弁箱10を貫通した切り替え手段としての回転軸20と、回転軸20に接続された中立弁部30と、回転軸20の軸線方向に移動可能として中立弁部30に接続された可動弁部40と、可動弁部40の厚さ方向寸法を拡大する方向に付勢されるメインバネ(第1付勢部)70と、メインバネ70の付勢方向と反対方向に伸張可能な駆動用のエアシリンダ(第2付勢部)80と、可動弁部40を弁箱10の中央位置側にしようとする位置規制用の補助バネ(第3付勢部)90と、を備えている。中立弁部30及び可動弁部40は、中立弁体を構成している。また、可動弁部40は、第2可動弁部(可動弁板部)50と第1可動弁部(可動弁枠部)60とによって構成されている。第1開口部12aから第2開口部12bに向かって流路Hが設定されている。
このように中立弁部30を回転することにより、流路Hが設けられていない中空部11とされる退避位置から第1開口部12aに対応する位置とされる流路Hの弁閉位置に可動弁部40が振り子運動で移動する。
この解除動作と退避動作とにより、可動弁部40は上記弁開閉位置から上記退避位置に退避して弁開状態とする弁開動作がおこなわれる。
弁箱10は、中空部11を有するフレームによって構成されている。フレームの図示上面には第1開口部12aが設けられており、フレームの図示下面には第2開口部12bが設けられている。
仕切弁100は、第1開口部12aが露出されている空間(第1空間)と第2開口部12bが露出されている空間(第2空間)の間に挿入される。仕切弁100は、第1開口部12aと第2開口部12bとをつなげている流路H、即ち、第1空間と第2空間とをつなげている流路Hを仕切り(閉鎖し)、この仕切り状態を開放する(第1空間と第2空間をつなぐ)。
弁箱10の中空部11には、回転軸20、中立弁部30、可動弁部40、メインバネ(第1付勢部)70、エアシリンダ(第2付勢部)80、及び補助バネ(第3付勢部)90が設けられている。
回転軸20は、流路Hとほぼ平行状態に延在して弁箱10を貫通するとともに回転可能に設けられている。
この回転軸20には、中立弁部30が固設されている。中立弁部30は、回転軸20の軸線に対して直行する方向に延在し、この方向に平行な面を有している。図1に示すように、中立弁部30は、可動弁部40に重なる円形部30aと、回転軸20の回転に伴って円形部を回転させる回転部30bとを有する。回転部30bは、回転軸20と円形部30aとの間に位置しており、回転部30bの幅は回転軸20から円形部30aに向けて徐々に増加している。これら回転軸20、中立弁部30は、弁箱10に対して回動はするが、流路H方向には位置変動しないように設けられている。
可動弁部40は略円板状とされ、円形部30aと略同心円状に形成された可動弁板部50と、この可動弁板部50の周囲を囲むように配置された略円環状の第2可動弁部60とを有する。第2可動弁部60は、中立弁部30に流路H方向に摺動可能として接続されている。また、可動弁板部50は、第2可動弁部60に摺動可能として嵌合されている。可動弁板部50と第2可動弁部60とは、メインバネ70及びエアシリンダ80によって符号B1,B2で示された方向(往復方向)に摺動しながら移動可能である。ここで、符号B1,B2で示された方向とは、可動弁板部50および第2可動弁部60の面に垂直な方向であり、回転軸20の軸方向に平行な流路H方向である。
また、可動弁板部50の外周付近における全領域には、内周クランク部50cが形成されている。また、可動弁枠部60の内周付近における全領域には、外周クランク部60cが形成されている。
第1実施形態においては、外周クランク部60cと内周クランク部50cとが、流路H方向と平行な摺動面50b、60bどうしで摺動可能に嵌合している。
この第1シール部61は、閉弁時に可動弁部40が第1開口部12aを覆っている状態で、第1開口部12aの周縁となる弁箱10の内面15aに接触し、可動弁枠部60及び弁箱10の内面によって押圧される。これによって、第1空間は第2空間から確実に隔離される(仕切り状態が確保される)。
メインバネ(第1付勢部)70は、可動弁部40の最外周となる第1周囲領域40aに隣接した第1周囲領域40bに配置されている。メインバネ70においては、可動弁枠部60を第1開口部12aに向けて(B1方向)に押圧するように、同時に、可動弁板部50を第2開口部12bに向けて(B2方向)に押圧するように復元力が生じている。これにより可動弁部40による弁閉状態において、メインバネ70は、可動弁板部50に力を加え(付勢し)、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面15bに向けて可動弁板部50を押圧して内面15bと可動弁板部50の反力伝達部59とを当接させているとともに、同時に、可動弁枠部60に力を加え(付勢し)、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面15aに向けて可動弁枠部60を押圧して内面15aと可動弁枠部60の第1シール部61とを当接させている。
メインバネ70は、第一端と第二端とを有する。第一端は、可動弁板部50の凹部50aの底面に当接している。第二端は、可動弁枠部60の凹部60aの天井面に当接している。また、図1に示すように、円環状の可動弁枠部60において、複数の第1付勢部70が周方向に沿って等間隔に設けられている。
また、メインバネ70は、第1シール部61を直接押圧できるようにするために、第1シール部61の直下付近とされる第2周囲領域40bに配置されることもできる。この場合、仕切弁においては、第1付勢部70を可動弁枠部60に設けられているので、第1付勢部70を第1シール部61の直下に位置させることが可能である。
一方、仕切弁40の厚さを減じる付勢がおこなわれているもの、あるいは、ユーティリティ設備から供給される電力等のエネルギーによって閉弁動作が行われている構造を有する仕切弁においては、ユーティリティ設備から装置へのエネルギー供給が停止した場合に閉弁動作を行うことができない場合がある。このため、このような構造においては、フェイルセーフな仕切弁を実現できない。
エアシリンダ80は、可動弁部40の最外周となる第1周囲領域40aに配置されている。エアシリンダ80においては、エアシリンダ80に駆動流体として圧縮空気が供給された際に、可動弁枠部60を第2開口部12bに向けて(B2方向)移動させる力(付勢力、圧縮空気に起因する力)が生じる。同時に、可動弁板部50を第1開口部12aに向けて(B1方向)に移動させる力(付勢力、圧縮空気に起因する力)が生じる。これによって、メインバネ70の付勢力に打ち勝って、第1開口部12aの周囲に位置する弁箱10の内面15aから可動弁枠部60を離間させるのと同時に、第2開口部12bの周囲に位置する弁箱10の内面15bから可動弁板部50を離間させる。
これにより、後述する補助バネ(第3付勢部)90の付勢力により体40は流路H方向において弁箱10の厚さ中央位置となりの弁箱10内で回動可能な状態となる。
具体的に、このエアシリンダ80は、可動弁枠部60の第1開口部12aに向けて開口した凹部60dと可動弁板部50の第2開口部12bに向けて突出した凸部50dとが勘合した状態で形成され、これら環状の凹部60dと環状の凸部50dとが摺動するように形成されている。また、このエアシリンダ80は、可動弁枠部60の周縁部に形成された円環状の空間、および、可動弁板部50の最外周に形成された突条(環状凸部)からなり、1つの円環シリンダ(円環空隙)として機能する。また、言い換えると、円環シリンダは、流路Hを囲むように形成されている。
補助バネ90は、中立弁部30と可動弁枠部60との間に設けられ、弁箱10の流路方向ほぼ中央に位置する中立弁部30に対して、弁体40の厚さ寸法が縮小した際に、弁体40を弁箱10の中央よりに付勢するものである。
補助バネ90は、中立弁部30の外周位置(図2,図4では右側位置)に設けられた開口30aを貫通して可動弁枠部60に接続された棒状の位置規制部65に設けられている。補助バネ90もメインバネ70と同様に弾性部材(例えば、スプリング、ゴム、密閉されたエアダンパーなど)である。
補助バネ90は、中立弁部30開口30aの第1開口部12a側に設けられたフランジ部30bと、位置規制部65の先端65aとに係止されて、可動弁枠部60を第2開口部12b側に移動するB2に向かう向きに付勢されている。
これにより、エアシリンダ80に圧縮空気が供給された際に、弁体40が弁箱10の流路方向ほぼ中央に向かって移動し、最終的に、弁体40が弁箱10の流路方向ほぼ中央に位置するように姿勢制御される。また、補助バネ90の付勢力は、メインバネ70の付勢力とエアシリンダ80の付勢力の差よりも遙かに小さいものとされる。つまり、弁閉状態を実現するための能動的バネあるいは、アクチュエータとしてのメインバネ70やエアシリンダ80に比べて、弁体の厚さ寸法を変化させるものであるから極めて小さなものでよい。
この構成において、メインバネ70及びエアシリンダ80は、第1シール部61に近い可動弁部40の周囲領域において、互いに近接するように並列に配置されている。エアシリンダ80は、可動弁板部50と可動弁枠部60との間に設けられた1つの円環シリンダを構成している。この構成によれば、一方向に圧縮空気第2付勢部80に供給する供給路41が1つ設けられていれば、圧縮空気を円環状のエアシリンダ80に沿ってこの円環シリンダの内部に供給することができ、弁体40の厚さ寸法の伸縮(開弁動作及び閉弁動作)を行うことができるとともに、この動作中において補助バネ90により弁体40の伸縮に伴う弁体40の流路方向位置を弁箱10中央付近に容易に維持することができる。このため、簡易かつコンパクトな構成を有するアクチュエータを実現することができる。
また、中立弁部30にはアクチュエータの力、特に弁閉状態を維持するように弁体40を密閉する際にかかる力が作用しない。このため、中立弁部30には振り子弁として弁体を揺動するに足る強度があれば充分である。また、回転軸20にもアクチュエータの力、特に弁閉状態を維持するように弁体40を密閉する際にかかる力が作用しない。このため、回転軸20振り子弁として弁体を揺動するに足る強度があれば充分である。同時に、回転軸20に弁密閉するためのモーメントが必要なものに比べて、弁体40の揺動機構の出力を抑えることができるので、この回転軸20の回動機構を小型化することができる。
この構造においては、剛性として、上記中立弁部30の強度に加えて、退避位置と弁開閉位置の間で可動弁部40を回動させる際にその自重を支える強度があれば十分である。
可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの外周面には、可動弁枠部60の環状凹部60dの内周面に当接し、可動弁板部50と可動弁枠部60との間をシールする2重シール部として、Oリング等の円環状の第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bが設けられている。
第2シール部51a,51bは、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第1開口部12aに近い中空部11とを仕切り、仕切り状態を確保する。同様に、第3シール部52a,52bは、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第2開口部12bに中空部11とを仕切り、仕切り状態を確保する。
ガイドピン62は、可動弁枠部60に固設されて流路方向に立設された太さ寸法均一の棒状体とされ、エアシリンダ80内を貫通し、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dに形成された孔部50hに嵌合している。
このガイドピン62は、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動する方向が符号B1,B2に示された方向からずれないように、かつ、可動弁板部50と可動弁枠部60とが摺動した際にもその姿勢が変化せずに平行移動をおこなうように、これらの位置規制を確実に誘導する。
また、このように、エアシリンダ80内にガイドピン62を配置することにより、可動弁板部50と可動弁枠部60とを互いに滑らかに摺動させることができる。
なお、ガイドピンの強度が十分に得られていれば、大口径を有する仕切弁においても、可動弁部60が摺動する方向がずれることが防止される。また、ガイドピン62は、特殊な形状を有する可動弁部においても流路と直行する面内配置を設定して荷重を適宜分散することでより一層開閉動作の良好な仕切弁として適用可能である。
可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの径方向外側に位置する第1外周面50fには、可動弁部60の内周面に当接する円環状のワイパー53が設けられている。同様に、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの径方向において第1外周面50fの内側である第2内周面50gには、可動弁部60の外周面に当接する円環状のワイパー54が設けられている。
ワイパー53,54、第2シール部51a,51b、第3シール部52a,52bは、いずれも、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dに配置されている。第2シール部51aは、第1開口部12a(第1空間)に近い位置に配置されている。第3シール部52aは、第2開口部12b(第2空間)に近い位置に配置されている。
また、ワイパー53,54を構成する部材(材料)として、例えば、スポンジ状のポーラスな弾性体を選択すれば、その部材の内部に潤滑油を浸透(保持)させておくことができる。
これにより、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bによってシールされるシール面に一定の膜厚を有する薄い油膜が形成された状態を維持することが可能となる。つまり、ワイパー53,54は、余剰な油膜を拭き取り、油膜が枯渇した際には一定の膜厚を有する油膜を塗布する。
第2シール部51a,51bによって仕切られたエアシリンダ80の表面には、大気圧の空間(空隙)である中間大気室55が設けられている。同様に、第3シール部52a,52bによって仕切られたエアシリンダ80の表面には、大気圧の空間(空隙)である中間大気室56が設けられている。
具体的には、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの外周面50fで第2シール部51a,51bによって仕切られた部分に中間大気室55が設けられている。また、可動弁板部50の環状凸部(突条)50dの内周面50gで第3シール部52a,52bによって仕切られた部分に中間大気室56が設けられている。中間大気室55は、可動弁枠部60の第1内周面60fと可動弁板部50の外周面50fに設けられた溝とで形成された空間であり、中間大気室56は、可動弁枠部60の第1外周面60gと可動弁板部50の第2内周面50gに設けられた溝とで形成された空間である。
つまり、加圧状態にあるエアシリンダ80に対して、1重目のシールである第2シール部51bが破れた際に、2重目のシールである第2シール部51aより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす中間大気室55および連絡路が設けられている。また、加圧状態にあるエアシリンダ80に対して、1重目のシールである第3シール部52bが破れた際に、2重目のシールである第3シール部52aより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす中間大気室56および連絡路が設けられている。
これにより、圧縮空気が弁体10内部に噴出して、仕切弁100内部、および、第1空間、第2空間、に悪影響を及ぼすことを防止できる。
例えば、第1開口部12aに近い第1空間が減圧空間であり、第2シール部51aが破損している場合においては、中間大気室55の圧力は、大気圧よりも低くなる。
また、圧縮空気が供給されているエアシリンダ80内の圧力は大気圧よりも高くなるため、第2シール部51bが破損している場合には、中間大気室55の圧力は、大気圧よりも高くなる。
同様に、第2開口部12bに近い第2空間が減圧空間であり、第3シール部52aが破損している場合においては、中間大気室56の圧力は、大気圧よりも低くなる。
また、圧縮空気が供給されているエアシリンダ80内の圧力は大気圧よりも高くなるため、第3シール部52bが破損している場合には、中間大気室56の圧力は、大気圧よりも高くなる。
例えば、と中間大気室55,56中あるいは連絡路にアラーム装置が設けられた構造、或いは、仕切弁100に接続された制御装置にアラーム装置が設けられた構造が採用されていれば、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bの異常をアラームによって報知することができる。従って、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bが破損し、内部リークが仕切弁100に発生し、メンテナンスが必要であることをすぐに認識することができる。
これにより、真空装置等の外部から検知することができない、仕切弁において発生した内部リーク等の不具合を確実に判断することができる。
仕切弁100には、図に二点差線で示すように、エアシリンダ80に駆動用気体を供給する供給路41が形成され、この供給路41は、可動弁枠部60の躯体内部、および、中立弁部30の躯体内部、回転軸10内部を経由して、仕切弁100の外部に設けられた図示しない駆動用気体供給手段に連通するよう設けられている。
この供給路41には、可動弁枠部60と中立弁部30との流路方向位置が変化した際にも、可動弁枠部60と中立弁部30との間で駆動用気体を供給可能に摺動接続する接続ピン部69が設けられる。
駆動用気体供給手段から供給された圧縮空気は、中立弁部30内部の供給路41を介して空間69aに噴出し、接続ピン部69内部の供給路41および可動弁枠部60内部の供給路41を介してエアシリンダ80に供給される。
接続ピン68には、孔部38内で接続ピン68が軸線方向(流路方向)に移動した場合でも、加圧面となる先端面68dと底面38dとの間ではなく、摺動方向となる面に、駆動用の圧縮空気が供給されて圧力が高い空間である加圧空間69aと、例えば圧力が低い空間である第2開口部1bに連通する第2空間側とを遮断する2重シール部が設けられる。
シール部は、加圧空間69aと中空部11との仕切り状態を確保できるものとされる。
同時に、段差68cおよび段差38cで形成された円環状の中間大気室69cが、この2重シールの間にあり、図示しない連絡路42に連通されることで、圧縮空気が弁箱10内部に噴出して、仕切弁100内部、および、第1空間、第2空間、に悪影響を及ぼすことを防止できる。
このようなシール部68f、68gの構成によれば、上述したエアシリンダ80における第2シール部(2重シール部)51a,51b及び第3シール部(2重シール部)52a,52bおよびガイドピン62の構成と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、可動弁板部50と可動弁枠部60とを中空部11の流路方向中央位置側に向けて移動させることで、弁箱10に弁体40が接触しないようにして回動させ、回動以外の動作が必要な機構に比べて小型で出力の小さい駆動機構によって退避位置まで弁体40を移動することができる。
この構成においては、1つの可動弁部40と3つの付勢部70,80,90とによって弁体を形成することができる。また、可動弁部40の周囲領域に配置されたメインバネ70の復元力によって可動弁板部50と可動弁枠部60とを弁箱10の内面に直接押し付けて、確実に閉弁できる。同様に、可動弁部40の周囲領域に配置されたエアシリンダ80に供給された圧縮空気の作用によって可動弁板部50と可動弁枠部60とを弁箱10の内面から離間させて、確実に回動可能状態として開弁できる。従って、第1実施形態においては、簡単な構造を有し、高い信頼性で仕切り動作を行うことができる仕切弁を実現することができる。
図7は、本発明の第2実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図であり、固定弁部と可動弁部とが嵌合されているシリンダ付近の要部拡大図である。
図7において、図1ないし図6に示した第1実施形態と同一の部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
一方、第2実施形態の可動弁部40の構造においては、図7に示すように可動弁板部50の外周に形成された外周クランク部と可動弁枠部60の内周に形成された内周クランク部とが嵌合されている。
本実施形態においては、メインバネ70が可動弁枠部60に設けられているので、メインバネ70を第1シール部61の直下に位置させることが可能である。
具体的には、弁体40の最外周である第1周囲領域40aにメインバネ70が設けられ、第1周囲領域40aに隣接した第2周囲領域40bにはエアシリンダ80が配置される。また、メインバネ70は、第1シール部61の直下に位置している。
この構造においては、メインバネ70は第1シール部61を直接押圧することができ、第1シール部61にほぼ垂直方向に荷重を直接加えることができる。
つまり、仕切弁100の構造は、作用点及び支点が存在するモーメント荷重を加える構造ではない。このため、梃子に相当する部分の構造部材(強度)は必要なく、アクチュエータの構造を簡易化することができる。また、可動弁部60に要求される剛性として、可動弁部60の自重を支えることができる強度があれば十分である。
また、このように可動弁部40の周囲領域にアクチュエータが配置された構成が大口径を有する仕切弁に適用された場合であっても、上述した同様の構造によって確実に閉弁動作及び開弁動作を行うことができ、逆圧が作用した場合においても同様の動作ができる。
具体的に、第1実施形態においては、第1外周面50fとは反対の面である内側面50gに第3シール部52b,中間大気室56,第3シール部52a,及びワイパー54が設けられているが、第2実施形態においては、第2外周面50jに第3シール部52b,中間大気室56,第3シール部52a,及びワイパー54が設けられている。
第2シール部51a,51b、ワイパー53、中間大気室55は、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第1開口部12aに近い第1空間とを仕切り、仕切り状態を確保する。同様に、第3シール部52a,52b、ワイパー54、中間大気室56は、圧力が高い空間であるエアシリンダ80と、圧力が低い空間等であって第2開口部12bに近い第2空間とを仕切り、仕切り状態を確保する。
また、ワイパー53,54の内部に潤滑油を浸透(保持)させておくことができる。
これにより、第2シール部51a,51b及び第3シール部52a,52bによってシールされるシール面に一定の膜厚を有する薄い油膜が形成された状態を維持することが可能となる。つまり、ワイパー53,54は、余剰な油膜を拭き取り、油膜が枯渇した際には一定の膜厚を有する油膜を塗布する。
図8及び図9は、本発明の第3実施形態の仕切弁の構成を説明する図である。図8は仕切弁の横断面図であり、図9は弁体が弁開閉位置に配置されている場合の仕切弁の縦断面図である。
図8及び図9において、図1ないし図6に示した第1実施形態および図7に示した第2実施形態と同一部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
第3実施形態の仕切弁300は、直動型仕切弁である。仕切弁300においては、上記第1実施形態の振り子型の仕切弁100を構成する弁体構造が、直動型仕切弁に適用されている。
ただし、上記実施形態1においては、第1開口部12a,第2開口部12b,及び可動弁部40(可動弁板部50および可動弁枠部60)の形状は、同心円形状であったが、第3実施形態においては、これらの形状の形状は、角部に丸みを有する略正方形である。
また、弁体を直動させるため、弁箱10aの横断面形状は略長方形である。中立弁部30は、切り替え手段としての弁棒25の端部に固設されている。
そして、エアシリンダ80の動作を切断しメインバネ70が作動することにより(閉弁動作)、可動弁部40の厚み寸法が増大して可動弁部40は流路Hを閉鎖する。逆に、エアシリンダ80が作動することにより可動弁部40を開いた後(開弁動作)に、弁棒25を向きD2に直進するように駆動すると、これに従って中立弁部30も向きD2に直動する。
これにより、可動弁部40は上記弁開閉位置から上記退避位置に退避する。
図11は、本発明の第4実施形態における仕切弁の構成を示す縦断面図であり、中立弁部と可動弁部(可動弁枠部)とが接続されている接続ピン部付近の要部拡大図である。
図11において、図1ないし図6に示した第1実施形態と同一の部材には同一符号を付して、その説明は省略または簡略化する。
フローティングピン68Aは、図11に示すように、孔部38に回動可能かつ軸方向に摺動可能として勘合されている図示下部側が、上述した第1実施形態と略同等の構成とされている。
固定端68Acには、固定溝68Adが周設されて、この固定溝68Adに勘合されたワッシャ等の固定部材68Aeが、貫通孔67の外側面67eに当接することでフローティングピン68Aの軸方向(流路方向)における内側方向(図示下方向)の移動を規制し位置を固定している。
フランジ部68Aaの上側となるシール面68Afと、ガス接続部68Abの上側となるシール面68Agは、対向する段差面67fおよび段差面67gとの間に、Oリング等とされるシール部材67h、67jが設けられている。
同時に、フローティングピン68Aは、シール部材67hがシール面68Afと段差面67fとに押圧されて変形するとともに、シール部材67jがシール面68Agと段差面67gとに押圧されて変形するようになっている。
このように、フローティングピン68AのOリング等とされるシール部材67h、67jが段差面67fおよび段差面67gに押圧されて変形することで、ガス接続部68Ab、および、接続位置内面67b部分がシールされる。
フローティングピン68Aの内部には、その先端面68dに開口し軸方向に沿って中心に開けられるとともに、接続位置内面67bに設けられた開口に対向する位置とされるガス接続部68Abの表面に開口する供給路41が設けられて、加圧空間69aとエアシリンダ80とを接続可能となっている。
同時に、フローティングピン68Aの位置変動時においても、太シール部68fおよび小シール部68gに変形が集中することがないので、変形・破損の可能性を低減することができ、密閉維持をより確実におこなうことができる。
また、第2付勢部80の構造として、円環状の1つのエアシリンダが採用された構造について説明したが、油圧シリンダ等とされる他の駆動流体を使用する構成を採用してもよい。この場合にも、1つの円環状のシリンダが駆動することによって弁箱10(10a,10b)の内面から可動弁板部50と可動弁枠部60との厚さ寸法を収縮させる駆動装置が第2付勢部として用いられる。
更には、楕円形に形成された開口部及び弁板、あるいは角部に丸みを有する略八角形に形成された開口部及び弁板等、あらゆる形状に形成された開口部及び弁板を本発明に適用可能である。
Claims (8)
- 仕切弁であって、
中空部と、前記中空部を挟み互いに対向するように設けられて連通する流路となる第1開口部及び第2開口部とを有する弁箱と、
前記弁箱の前記中空部内に配置され前記第1開口部を閉塞可能な中立弁体と、
前記中立弁体を、前記第1開口部に対して閉塞状態にする弁閉塞位置と前記第1開口部から退避した開放状態とする弁開放位置との間で動作する位置切り替え手段と、
を具備するものとされ、
前記中立弁体が、前記切り替え手段に接続される中立弁部と、該中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される可動弁部と、を有し、
前記可動弁部が、該可動弁部に周設され前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着されるシール部が設けられるとともに前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続される第1可動弁部と、
前記第1可動弁部を前記流路方向前記第1開口部に向けて付勢して前記シール部を前記第1開口部周囲の弁箱内面に密着可能とする第1付勢部と、
前記第1可動弁部に対して前記流路方向に摺動可能とされる第2可動弁部と、
前記第1付勢部の付勢力に対抗して前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との前記流路方向厚み寸法を収縮可能なように駆動する第2付勢部と、
前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との流路方向厚み寸法変化に対応して、前記第1可動弁部を前記中立弁部に対して流路方向位置変更可能に接続するとともに、前記第1可動弁部を前記流路方向中央位置側に付勢する第3付勢部と、
を具備してなることを特徴とする仕切弁。 - 請求項1に記載の仕切弁であって、
前記第2可動弁部には、前記第1付勢部の反力を前記第2開口部周囲の弁箱内面に伝達する反力伝達部が設けられることを特徴とする仕切弁。 - 請求項1又は請求項2に記載の仕切弁であって、
前記第2付勢部は、前記第2周囲領域において前記第1可動弁部と前記第2可動弁部との間に形成されたエアシリンダであることを特徴とする仕切弁。 - 請求項3に記載の仕切弁であって、
前記第2付勢部とされたエアシリンダに駆動用気体を供給する供給路が形成され、該供給路には、前記第1可動弁部と前記中立弁部との流路方向位置が変更した際にも、前記第1可動弁部と前記中立弁部との間で駆動用気体を供給可能に摺動接続する接続ピン部が設けられることを特徴とする仕切弁。 - 請求項3に記載の仕切弁であって、
前記第2付勢部とされたエアシリンダには、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられることを特徴とする仕切弁。 - 請求項4に記載の仕切弁であって、
前記接続ピン部には、摺動部分に2重シール部が設けられ、1重目のシールが破れた際に、2重目のシールより気体供給側に、駆動用気体を仕切弁外部に向けて逃がす連絡路が設けられることを特徴とする仕切弁。 - 請求項1に記載の仕切弁であって、
前記切り替え手段が、前記流路方向に延在する軸線を有する回転軸を含むものとされてなることを特徴とする仕切弁。 - 請求項1に記載の仕切弁であって、
前記切り替え手段が、前記流路方向と交差する方向に延在し直線状に駆動される弁棒を含むものとされてなることを特徴とする仕切弁。
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