JP5606666B2 - 多層積層体の製造方法 - Google Patents
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Description
次に、これらのユニット(通称「ページ」)を10回程度繰り返して重ね、プレス組立体(通称「ブック」)を構成する。
その後、このブックを、横ズレ防止用の金属製枠又は金属製容器(通称「弁当箱」)に収納した後、ホットプレス機にセットし、所定の温度および圧力で加圧成型することにより、4層基板を製造する。
4層以上の基板についても、内層コアの層数を上げることで、同様の工程で生産することが可能である。
この弁当箱は、5〜50mm厚の鉄板で造られている。この弁当箱は、基材すなわち、シート積層体の形状が異なる場合には、そのサイズを変えなければならないので、多数の金属製枠又は金属製容器(弁当箱)が必要になるという問題がある。また、この弁当箱を保管するための保管庫を完備する必要がある。
例えば、10段積層設備(ホットプレス機)1台を保有する工場において30種類の異なるサイズの基板を製造する場合、10段×30種類=300台の金属製枠又は金属製容器が必要になる。
さらには、予備品も必要となることから350台以上の金属製枠、または金属製容器及びその保管庫が必要になる。
更に、これらの金属製枠、または金属製容器は5−50mm厚の鉄板で造られていることからその重量は重く、1個あたり20kg以上の重量になるものがある。また、作業においても重量物を扱うことから作業者への負荷は大きく、また作業者は危険な作業に伴い細心の注意を必要とする。
この知見に基づき、本発明は
1)互いに相似形状のシート状材料を複数枚重ね合わせ、これを加熱及び加圧する多層積層体の製造方法において、前記シート状材料を平板状の下金型に重ね合わせて載置すると共に、当該載置したシート状材料の外辺の外側に、重ね合わせたシート材料よりも厚い耐熱性の弾性ブロックを配置し、さらにこれらの上に平板状の上金型を載せ、上下の平板状金型間で、前記弾性ブロックと重ね合わせたシート材料を加熱しながら加圧し、前記弾性ブロックの膨出により、シート材料の横ずれを防止しながら、シート材料を加熱接合する多層積層体の製造方法を提供する。
2)前記積層体が、プリント回路基板であることを特徴とする上記1)記載の多層積層体の製造方法
3)弾性ブロックが、200°C以上の耐熱性を備えていることを特徴とする上記1)又は2)記載の多層積層体の製造方法
4)シート状材料が矩形のシート材料であることを特徴とする上記1)〜3)のいずれか一項に記載の多層積層体の製造方法。
5)弾性ブロックが、シリコンゴム又はフッ素ゴムであることを特徴とする上記1)〜4)のいずれか一項に記載の多層積層体の製造方法。
6)載置したシート状材料の外辺の外側に、配置する弾性ブロックは、それぞれシート状材料の各辺よりも短く、シート状材料の1辺に対して1個又は複数個配置することを特徴とする上記1)〜5)のいずれか一項に記載の多層積層体の製造方法、を提供する。
したがって、多数種の金属製枠又は金属製容器は必要なくなり、それに伴い金型の保管等の管理費用が削減可能となる。さらに、本発明における金型(上下)は、単なる平らな鉄板等の平板状金型であることから、保管容積が大幅に節約できる大きな効果を有する。
また、横ズレ防止の弾性ブロックは小型であり、金属製の金型よりも軽いので、作業に対する負荷も軽減するというメリットがある。
さらに、従来法においては、積層時に流れ出したプリプレグが、横ずれ防止用の金属製枠又は金属製容器の側壁に付着するため、この剥離作業が必要になるが、本発明における弾性ブロックは柔らかいため、付着したプリプレグのクリーニングが容易であるという効果がある。
次に、これらのユニット(通称「ページ」)を、10回程度繰り返し、プレス用の重ね合わせた多層のシート材料(通称「ブック」)を構成する。
一般に、AC(アルミニウムと銅の接着シート)、CAC(銅−アルミニウム−銅の接着シート)は、通常矩形であって、相似形状のプリプレグ及び内層コアよりも、やや面積が大きく作製されており、図1(A)に示すようにCACの端部が若干突出する構造を有している。
この弾性ブロック(ゴムブロック)は、下金型の上に載置した重ね合わせたシート材料の厚さよりも厚い材料で、倒れ難い形状とする。例えば、六方体(さいころ形状)とするのが良い。また、弾性ブロックは、図1(C)に示すように、重ね合わせたシート材料の各辺の外側に設置する。この場合、弾性ブロックはシート材料に接触させても良いし、近接配置させても良い。
上記の通りCACの端部が若干突出する構造を有しているので、弾性ブロックはCACの端部に接触する位置にある。CACは銅箔よりも強度が高いので、図1(B)に示すように、CAC、コア、プリプレグは整列した状態にある。
一般に、シート材料を積層して接着させる時の温度が180°C程度になることから、弾性ブロックについては耐熱性が高い材料、例えばシリコンゴム(略号VMQ:耐熱限界温度230°C)又はフッ素ゴム(略号NR:耐熱限界温度230°C)を用いるのが好ましい。
次に、金型組立てが済んだ上記材料をホットプレス機へセットし、プレス加工を開始する。先ず、加圧が加わるとともに、弾性ブロックが上下金型間に押しつけられ、固定される。
その後、所定の加熱温度及び加圧力を付与することにより、プリプレグが硬化し銅箔とプリプレグが接合し、積層基板が完成する。このように、ホットプレス中に、プリプレグが溶融することで内層コアの横ずれが発生し易くなるが、本発明の弾性ブロックを使用することで、これを抑止することが可能となる。
内層コアの横ずれ防止には、大きな力は必要ではなく、図1及び図2に示すように、各辺に1個置くだけでも、十分な効果がある。
次に、これらのユニット(通称「ページ」)を、10回程度繰り返し、プレス用の重ね合わせた多層のシート材料(通称「ブック」)を構成する。
一般に、SUS板は銅箔よりも、やや面積が小さく作製されており、図3(A)に示すように銅箔の端部が若干突出する構造を有している。一般に、銅箔の端部は、図3(A)に示すように、折り曲げてセットする。
この弾性ブロック(ゴムブロック)は、下金型の上に載置した重ね合わせたシート材料の厚さよりも厚い材料で、倒れ難い形状とする。通常、六方体(さいころ形状)とするのが良い。また、弾性ブロックは、図3(C)に示すように、重ね合わせたシート材料の各辺の外側に設置する。
上記の通り銅箔の端部が若干突出する構造を有しているが、折れているので、弾性ブロックはおよそ全部の積層シートの端部に接触する位置にある。
一般に、シート材料を積層して接着させる時の温度が180°C程度になることから、弾性ブロックについては耐熱性が高い材料、例えばシリコンゴム(略号VMQ:耐熱限界温度230°C)又はフッ素ゴム(略号NR:耐熱限界温度230°C)を用いるのが好ましい。
次に、金型組立てが済んだ上記材料をホットプレス機へセットし、プレス加工を開始する。先ず、加圧が加わるとともに、弾性ブロックが上下金型間に押しつけられ、固定される。
その後、所定の加熱温度及び加圧力を付与することにより、プリプレグが硬化し銅箔とプリプレグが接合し、積層基板が完成する。このように、ホットプレス中に、プリプレグが溶融することで内層コアの横ずれが発生し易くなるが、本発明の弾性ブロックを使用することで、これを抑止することが可能となる。
内層コアの横ずれ防止には、大きな力は必要ではなく、図3及び図4に示すように、各辺に1個置くだけでも、十分な効果がある。
図1(A)、(B)、(C)に示すように、ブックを下側の積層金型(厚さ10ミリの平らな鉄板)上に組み、この4辺の中央付近にゴム製のブロックを配置した。積層時の最高温度は180°C程度になることから、本実施例では、ゴムブロックに、耐熱性が高いシリコンゴム(略号VMQ:耐熱限界温度230°C)、硬度50%を採用した。
そして、このシリコンゴムの形状についてはブック(重ね合わせたシート材料)の高さよりも5ミリ高い55ミリの立方体とした。
プレス加工を開始したところ、先ず、加圧が加わるとともに、ゴムブロックが上下金型間に押しつけられ、ブックが固定された。
その後、表1に示すように、更に圧力を加えることにより、ゴムブロックが変形し、ブックを横から押えつけCAC及びプリプレグが固定された。
このため、CACは、他に優先して図1(B)のように押し曲げられる。このような変形は、その間に存在する内層コアが抱え込まれる形になるので、内層コアのスリッピングは、さらに効果的に抑制される効果がある。
上記に示す通り、加熱中にプリプレグが溶融することでコア材料が横ずれし易くなるが、本発明のゴムブロックを採用することでこれを抑止することが可能となった。
次に、SUS板を用いた多層積層体の製造方法の具体例について説明する。
図3(A)、(B)、(C)に示すように、ブックを下側の積層金型(厚さ10ミリの平らな鉄板)上に組み、この4辺の中央付近にゴム製のブロックを配置した。積層時の最高温度は180°C程度になることから、本実施例では、ゴムブロックに、耐熱性が高いフッ素ゴムを採用した。
そして、このフッ素ゴムの形状についてはブック(重ね合わせたシート材料)の高さよりも5ミリ高い55ミリの立方体とした。
プレス加工を開始したところ、先ず、加圧が加わるとともに、ゴムブロックが上下金型間に押しつけられ、ブックが固定された。その後、更に圧力を加えることにより、ゴムブロックが変形し、ブックを横から押えつけSUS、コア、プリプレグが固定された。
上記の通り、更に所定の温度(最高温度180°C)及び圧力(30kg/cm2)を経過することでプリプレグが硬化した。この後、温度が下がった時点で、ブックを解体し、多層積層体の基板を完成させることができた。
上記に示す通り、加熱中にプリプレグが溶融することでコア材料が横ずれし易くなるが、本発明のゴムブロックを採用することでこれを抑止することが可能となった。
さらに、従来法においては、積層時に流れ出したプリプレグが、横ずれ防止用の金属製枠又は金属製容器の側壁に付着するため、この剥離作業が必要になるが、本発明における弾性ブロックは柔らかいため、付着したプリプレグのクリーニングが容易であるという効果がある。以上から、本願発明のメリットは大きく、特にプリント回路板の製造に有用である。
Claims (2)
- 互いに相似形状の矩形のシート状材料を複数枚重ね合わせ、これを加熱及び加圧する多層積層体からなるプリント回路基板の製造方法において、
AC(アルミニウムと銅の接着シート)またはCAC(銅−アルミニウム−銅の接着シート)と、プリプレグと、プリント回路基板とを含むシート状材料を、前記ACまたは前記CACの端部が前記プリント回路基板及び前記プリプレグの端部から突出するように、平板状の下金型に重ね合わせて載置すると共に、当該載置したシート状材料の外辺の外側に、当該載置したシート状材料の外辺に接するように、重ね合わせたシート材料よりも厚い200℃以上の耐熱性を有するシリコンゴム又はフッ素ゴムの弾性ブロックを、シート状材料の各辺よりもそれぞれ短く、シート状材料の1辺に対して1個又は複数個配置し、さらにこれらの上に平板状の上金型を載せ、上下の平板状金型間で、前記弾性ブロックと重ね合わせたシート材料を加熱しながら加圧し、前記弾性ブロックの膨出により、シート材料の横ずれを防止しながら、シート材料を加熱接合する多層積層体の製造方法。 - 互いに相似形状の矩形のシート状材料を複数枚重ね合わせ、これを加熱及び加圧する多層積層体からなるプリント回路基板の製造方法において、
AC(アルミニウムと銅の接着シート)またはCAC(銅−アルミニウム−銅の接着シート)と、プリプレグと、プリント回路基板とを含むシート状材料を、前記ACまたは前記CACの端部が前記プリント回路基板及び前記プリプレグの端部から突出するように、平板状の下金型に重ね合わせて載置すると共に、当該載置したシート状材料の外辺の外側に、当該載置したシート状材料の外辺に接するように、重ね合わせたシート材料よりも厚い200℃以上の耐熱性を有するシリコンゴム又はフッ素ゴムの弾性ブロックを、シート状材料の各辺よりもそれぞれ短く、シート状材料の1辺に対して1個又は複数個、位置の変更が可能に配置し、さらにこれらの上に平板状の上金型を載せ、上下の平板状金型間で、前記弾性ブロックと重ね合わせたシート材料を加熱しながら加圧し、前記弾性ブロックの膨出により、シート材料の横ずれを防止しながら、シート材料を加熱接合する多層積層体の製造方法。
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