JP5606605B2 - 配管部材 - Google Patents

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本発明は、化学工場、上下水道、農・水産業、半導体製造分野、食品分野などの各種産業の配管ラインに使用される配管部材に関するものであり、さらに詳しくは、定期的に配管部材のキャップナットが着脱されるときに、専用の治具を用いずにキャップナットの取り外しや締め付けが容易に行うことができる配管部材に関するものである。
従来、Y型ストレーナなどのキャップを取り外す治具として図8に示すようなキャップ用巻締め治具があった。その構成は、外周面に複数本の縦リブ101が形成されたキャップ102を巻き締めるための巻締め治具103であり、キャップ102の外周面に対応した内曲面104を有し、複数本の縦リブ101間に全て係合し、各縦リブ101を巻き締め方向に押圧する複数の押圧部105を具備したものであり、これにより均一な巻締め力をキャップ102に対して付与することができるものであった。
特開2004−276156号公報
しかしながら、前記従来のキャップ用巻締め治具は、それ自身が特殊工具であり一般的に用いられる工具では無く、且つキャップ102の締付け作業を行う場合、キャップ102外周面に巻締め力を伝達する縦リブ101を有することが前提であり、専用の巻締め治具103とこれに対応する専用のキャップ102を準備する必要があることから、作業上の制約が発生する等の問題があった。また、キャップ102の口径ごとに巻締め治具103を準備しなければならない問題があり、巻締め治具103は、中央の支軸106にレンチ107を嵌合させて巻締めを行うため、キャップ102の口径が大きくなるとキャップ102の巻締めに必要な締め付け力も大きくなり、レンチ107の長さを非常に長く取らなければならず、巻締め治具103も大きなサイズになるので治具が重たく嵩張る上に保管場所のスペースを多く取るという問題があった。
本発明は、以上のような従来技術の問題点を鑑みなされたものであり、専用の治具を用いずにキャップナットの取り外しや締め付けが容易に行うことができ、メンテナンスを容易にできる配管部材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の配管部材の構成を説明すると、本体と、該本体に螺着されるキャップナットを有する配管部材において、該キャップナットに取っ手が着脱可能に設けられ、前記取っ手が90度に折り畳み可能であり、且つ角度固定手段を有することを第1の特徴とする。
前記キャップナットにアダプタ部が取り付けられ、該アダプタ部に前記取っ手が係合されていることを第2の特徴とする。
前記キャップナットにネジ孔が設けられており、該ネジ孔に取っ手が着脱可能に接続されたことを第3の特徴とする。
前記取っ手が棒状であることを第4の特徴とする。
前記取っ手にトルク制御機構が設けられていることを第5の特徴とする。
前記取っ手が伸縮可能であることを第6の特徴とする。
前記配管部材がストレーナであることを第7の特徴とする。
前記ストレーナが、下部に開口された中空室が設けられ、該中空室に連通する連通口を有する台座と、該連通口に連通する第一流路と、該中空室に連通する第二流路とを有する本体と、該中空室の開口を閉塞する蓋体と、該本体の連通口に連通して配置されたフィルタと、該本体に螺合することにより該蓋体を該本体に固定するキャップナットとを具備することを第8の特徴とする。
前記配管部材がバルブ、管継手、ポンプであることを第9の特徴とする。
本発明は以上のような構造をしており、以下の優れた効果を得ることができる。
(1)専用の治具を用いることなくキャップナットの取り外しができ、取り付け時に漏れが起こることのない適切な締め付け力でキャップナットの締め付けを行うことができる。
(2)キャップナットの外側に治具を係合させる縦リブなどを設ける必要が無く、どのようなキャップナットの形状にも対応できる。
(3)キャップナットの取り外し及び取り付け作業が容易に素早く行えるのでメンテナンスの作業時間が短縮できる。
(4)キャップナットの取り外し及び取り付けの必要が無いときは取っ手を取り外すことができ、配管ラインにおいて取っ手が邪魔にならない。また、取っ手を90度に折り畳んだり伸縮可能にして配管ラインにおいて取っ手が邪魔にならないようにすることもできる。
(5)取っ手にトルクレンチを用いることでキャップナットの締め付けトルクをあらかじめ設定して締め付けることで適正な力でキャップナットを締め付けることができる。
本発明の配管部材の第一の実施形態を示す縦断面図である。 図1の取っ手を取り外したときの状態を示す縦断面図である。 本発明の配管部材の第二の実施形態を示す要部拡大正面図である。 本発明の配管部材の第三の実施形態を示す要部拡大正面図である。 本発明の配管部材の第四の実施形態を示す要部拡大斜視図である。 本発明の配管部材を使用した一例を示す図である。 本発明の配管部材を使用した別の一例を示す図である。 従来のキャップ用巻締め治具を示す斜視図である。
以下、本発明の配管部材がストレーナである第一の実施形態について図1に基づいて説明するが、本発明が本実施形態に限定されないことは言うまでもない。
図において、ポリ塩化ビニル(以下、PVCと記す)製の本体1はY型管状に形成され、本体1の下部に中空室2が設けられ、中空室2に連通する連通口3を有する台座4と、中空室2から下方へ開口する開口部5を有している。本体1両端面には第一開口部6及び第二開口部7が形成され、第一開口部6と連通口3に各々連通する第一流路8と、第二開口部7と中空室2に各々連通する第二流路9とを有している。
PVC製の蓋体10は有底円筒状に形成され、有底側の端部外周には鍔部11が設けられ、中央部には本体1の開口部5内周とシールされるOリング12を有する環状溝が設けられている。蓋体10の他端部にはフィルタ14が挿入される格子状円筒形状のフィルタ保持部13が設けられている。
網目が設けられたフィルタ14は円筒状に形成され、蓋体10のフィルタ保持部13内に挿入して配置される。フィルタ14は蓋体10内周のフィルタ保持部13のある境目部分に形成された当接部15に当接させ、フィルタ保持部13端部にリング状のフィルタ押さえ16を嵌合させることで当接部15とフィルタ押さえ16で挟持してフィルタ保持部材13内で保持される。フィルタ14を装着した蓋体10は、本体1の開口部5からフィルタ押さえ16の一端側に設けられた環状突起が本体1の台座4に嵌合する位置まで挿入すると共に、中空室2の開口部5を閉塞する。なお、フィルタ14は網目の他に小孔やスリットが設けられたものでも良い。
PVC製のキャップナット17は円筒状に形成され、一方の端部内周に本体1開口部5外周に設けられた雄ネジ部18に螺着される雌ネジ部19が設けられており、もう一方の端部には内周方向へ突出する内鍔部20が設けられている。キャップナット17は、蓋体10の鍔部11端面に内鍔部20が当接し、本体1の雄ネジ部18に螺着することで、蓋体10を固定する。また、キャップナット17外周部には蓋体10の鍔部11付近に連通するネジ孔21が設けられており、ネジ孔21に棒状の取っ手22が脱着可能に螺着固定されている。ネジ孔21は開口部5の中心軸に対称の位置に2箇所設けられている。なお、ネジ孔21は、開口軸5の中心軸から放射状等間隔の位置に複数設けると締め付け時の負荷が分散されるので好適であり、作業性の良さから2箇所に設けることがより好適である。また、ネジ孔21は貫通孔でなく有底孔であっても良い。
円筒状のPVC製の第一キャップナット23、第二キャップナット24は、キャップナット17と同様の形状なので説明を省略する。第一キャップナット23は、本体1の第一開口部6側でOリングを介して第一鍔付き短管25の鍔部端面に当接し、本体1の第一開口部6側外周の雄ネジ部に螺着して、第一鍔付き短管25を本体1に固定する。第二キャップナット24も同様に、本体1の第二開口部7側で螺着して第二鍔付き短管26を本体1に固定する。
次に第一の実施形態の作用について説明する。
ストレーナに流入した流体は、本体1の第一開口部6から第一流路8を通って台座4の連通口3からフィルタ14内部へ流入し、フィルタ14を通過して流体中の異物が除去される。異物が除去された流体は、中空室2から第二流路9を通過して、第二開口部7から外部へと流出される。なお、流体の流れは逆方向でも良く、開口部5を上方へ向くように配置しても同様の効果を得ることができる。
次に、フィルタを交換する作業手順について説明する。
まず、取っ手22を握ってキャップナット17を回動して取り外す。このとき、取っ手22を握ってキャップナット17を緩めるため、取っ手に対して強い力を加える必要なくキャップナット17を緩めて取り外すことができる。また、キャップナット17は円筒状であるため特に口径が大きくなると持ちにくく、取っ手22が持ち手の役割を果たす。キャップナット17を本体1から取り外した後、蓋体10を本体1から引き抜いて蓋体10に取り付けられたフィルタ14を交換し、蓋体10を再度本体1に挿入する。次にキャップナット17を締め付けて蓋体10を固定することで交換したフィルタ14を本体1内で保持する。このキャップナットを締め付ける際に、取っ手22を握って締め付けを行うことで専用の治具などを使うことなく漏れが起こることのない適切な締め付け力でキャップナット17を締め付けることができる。特に大口径のストレーナにおいては、人の力のみでキャップナットを締め付けるだけでは締め付け力が不足するため、本願の構成により大口径でも十分な締め付け力を簡単に得られるので好適である。
以上の作業手順により、取っ手22はキャップナット17の外周に取り付けられているので、取っ手の無い場合よりも強いトルク力でキャップナット17の回動が可能となり、専用の治具を用意する必要なくキャップナット17の取り外しや取り付けを行うことができ、フィルタ14の交換作業を容易に短時間で行うことができる。
ここで、取っ手22はキャップナット17から着脱自在に設けられており、必要に応じて通常使わない場合にはネジ孔21から取り外しても良く、取っ手22を取り外しておけば配管ラインにおいて取って22が邪魔になることは無い。取っ手22を取り外した場合、図2のようにキャップナット17にネジ孔21が設置された形態となる。このネジ孔21により棒状以外の取っ手22を取り付けたり、キャップナット17の締め付け取り外しに都合の良い部材を取り付けることができる。また、キャップナット17にアダプタ部(図5参照)を取り付けて、キャップナット17を回動させるときにアダプタ部に取っ手22を係合させて使用しても良い。
次に本発明の第二の実施形態について図3に基づいて説明する。
取っ手27は根元の部分で90度の折り畳みが可能な構成となっている。このとき90度折り畳んだ状態で角度が動かないようにロック部材やバネなど(図失せず)による角度固定手段で角度が固定されている。本実施形態の他の部位は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
第二の実施形態の作用は、フィルタ交換のためキャップナット17の取り付けや取り外しの時には取っ手を一直線にして開いた状態で使用し、フィルタ交換以外のときは取っ手27を90度折り畳むことで配管ラインにおいて取っ手27が邪魔にならないようにするができる。また、取っ手27の状態の外観形状(一直線の状態、90度曲げた状態)を通水時とフィルタ交換作業中を識別する標識として利用することが可能である。本実施形態の他の部位の作用は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
次に本発明の第三の実施形態について図4に基づいて説明する。
取っ手28は長手方向にスライドさせて伸縮可能な構成となっている。なお、取っ手28はさらに90度に折り畳み可能にしても良い。本実施形態の他の部位は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
第三の実施形態の作用は、フィルタ交換のためキャップナット17の取り付けや取り外しの時には取っ手28を伸ばした状態で使用し、フィルタ交換以外のときは取っ手28を縮めることで配管ラインにおいて取っ手28が邪魔にならないようにすることができる。また、取っ手28の状態の外観形状(伸びた状態、縮んだ状態)で通水時とフィルタ交換作業中を表示する標識として利用することが可能である。本実施形態の他の部位の作用は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
次に第四の実施形態について図5に基づいて説明する。
キャップナット17のネジ孔にはアダプタ部29が螺着して取り付けられ、アダプタ部29には後記トルクレンチ31に嵌合する凸部30が設けられている。
取っ手であるトルクレンチ31は、トルクレンチ31の先端部にアダプタ部29の凸部30に嵌合する凹部が設けられている。トルクレンチ31がアダプタ部29に嵌合した時にトルクレンチ31がキャップナット17に取り付けられた取っ手として機能する。なお、アダプタ部29とトルクレンチ31の凹凸の嵌合形状は逆であっても良く、他の嵌合形態であっても良い。本実施形態の他の部位は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
第四の実施形態の作用は、フィルタ交換のためキャップナットの取り付け取り外し時にはトルクレンチで締め付けを行う際、トルクレンチの締め付けトルクをあらかじめ設定して締め付けることで適正な力でキャップナットを締め付けることができる。また、トルクレンチを取っ手として使用しないときにはトルクレンチをアダプタ部から外すことで、取っ手が配管ラインにおいて邪魔になることがなくなる。また、トルクレンチは市販品のものを使用できるので新たに専用の工具を作らなくても良く、トルクレンチも嵩張ることがないので治具の保管も容易で場所をとらなくて済む。本実施形態の他の部位の作用は第一の実施形態と同様なので説明を省略する。
本発明において、配管部材は本体1にキャップナット17を締め付ける構成のものであれば良く、例えば図6に示すようなダイヤフラムバルブのキャップナット32に取っ手33を設けても良く、ボールバルブ、ストップバルブ、ボールチェックバルブ、排水弁(いずれも図示せず)その他のバルブに設けても良い。また、図7に示すようなプレハブジョイントのキャップナット34に取っ手35を設けても良く、伸縮継手(図示せず)などの他の管継手、ポンプ(図示せず)などに設けても良い。特に図1に示すようなフィルタ14の交換のために定期的にキャップナット17を外す必要のあるストレーナに好適に使用される。
また、本発明において、配管部材の本体1、蓋体10、フィルタ押さえ、キャップナット17、第一、第二キャップナット23、24、第一、第二鍔付き短管25、26の材質は、PVC、ポリプロピレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレンなどの樹脂、鉄、銅、銅合金、真鍮、アルミニウム、ステンレスなどの金属などいずれでも良い。
1 本体
2 中空室
3 連通口
4 台座
5 開口部
6 第一開口部
7 第二開口部
8 第一流路
9 第二流路
10 蓋体
11 鍔部
12 Oリング
13 フィルタ保持部
14 フィルタ
15 当接部
16 フィルタ押さえ
17 キャップナット
18 雄ネジ部
19 雌ネジ部
20 内鍔部
21 ネジ孔
22 取っ手
23 第一キャップナット
24 第二キャップナット
25 第一鍔付き短管
26 第二鍔付き短管
27 取っ手
28 取っ手
29 アダプタ部
30 凸部
31 トルクレンチ

Claims (9)

  1. 本体と、該本体に螺着されるキャップナットを有する配管部材において、該キャップナットに取っ手が着脱可能に設けられ、前記取っ手が90度に折り畳み可能であり、且つ角度固定手段を有することを特徴とする配管部材。
  2. 前記キャップナットにアダプタ部が取り付けられ、該アダプタ部に前記取っ手が係合されていることを特徴とする請求項1記載の配管部材。
  3. 前記キャップナットにネジ孔が設けられており、該ネジ孔に取っ手が着脱可能に接続されたことを特徴とする請求項1記載の配管部材。
  4. 前記取っ手が棒状であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の配管部材。
  5. 前記取っ手にトルク制御機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の配管部材。
  6. 前記取っ手が伸縮可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の配管部材。
  7. 前記配管部材がストレーナであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の配管部材。
  8. 前記ストレーナが、
    下部に開口された中空室が設けられ、該中空室に連通する連通口を有する台座と、該連通口に連通する第一流路と、該中空室に連通する第二流路とを有する本体と、
    該中空室の開口を閉塞する蓋体と、
    該本体の連通口に連通して配置されたフィルタと、
    該本体に螺合することにより該蓋体を該本体に固定するキャップナットとを具備することを特徴とする請求項7記載の配管部材。
  9. 前記配管部材がバルブ、管継手、ポンプであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の配管部材。
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