JP5605267B2 - 繊維強化樹脂材とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、繊維強化樹脂材とその製造方法にかかり、特にその端面が補強された繊維強化樹脂材と、繊維強化樹脂材の端面の補強方法に特徴のある繊維強化樹脂材の製造方法に関するものである。
樹脂に強化用繊維材が混入されてなる繊維強化樹脂材(繊維強化プラスチック(FRP))は、軽量かつ高強度であることから、自動車産業や建設産業、航空産業など、様々な産業分野で使用されている。
たとえば自動車産業においては、ピラーやロッカー、床下フロアなどの車両の骨格構造部材や、ドアアウターパネルやフードなどの意匠性が要求される非構造部材に上記繊維強化樹脂材が適用され、車両の強度保証を図りながらその軽量化を実現し、低燃費で環境フレンドリーな車両を製造する試みがおこなわれている。
繊維強化樹脂材の製造方法は多岐に亘るが、たとえばその代表例として、径が数μmの長繊維や短繊維がマトリックス樹脂内にランダムに、もしくは所定の配向をもって埋設されたプリプレグシートや、長繊維よりも長い連続繊維がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)からなるプリプレグシートを成形型内で積層し、加熱処理することで製造される。また、同様に連続繊維を含有するプリプレグシートを使用し、各プリプレグシート内の連続繊維の配向を0度、90度、±45度等に積層して擬似等方材を形成したり、連続繊維からなる経糸と緯糸からなる織物をマトリックス樹脂内に含有させてなるプリプレグシートを使用し、やはりそれらを成形型内で積層し、加熱処理する製造方法などもある。なお、このように成形型内にプリプレグシート(ここではプリフォーム)を積層し、加熱処理して繊維強化樹脂材(ここでは繊維強化プラスチック)を製造する成型方法が特許文献1に開示されている。
このように、繊維材がマトリックス樹脂内に含有されてなるプリプレグシートを使用して繊維強化樹脂材が製造されるが、プリプレグシート自体は内部に多数の繊維材を含有しているために自身の強度(引張強度、曲げ強度等)は強いものの、複数のプリプレグシートが積層された際の界面強度は相対的に弱い。
たとえば、図5を参照に平面状もしくは湾曲状の車両のボンネットBが繊維強化樹脂材Sから成形される場合を取り上げると、この繊維強化樹脂材Sは複数のプリプレグシートP,…の積層体からなり、その端面にはプリプレグシートP,P間の界面が剥き出しになっている。
ボンネットが通常一般の金属素材からなる場合は、その端面処理が比較的容易であることから、たとえば端面を巻き返して処理することができ、部材端面、ひいては繊維強化樹脂材全体の外観意匠性(見栄え)も良好なものとなる。
しかし、図示するようにプリプレグシートP,…の積層体からなる繊維強化樹脂材でボンネットBが成形されている場合は、金属板のように容易に折り返すことはできず、したがって、その端面がそのまま剥き出しとなっていることから繊維強化樹脂材の外観意匠性を損ない、これが課題の一つとなっている。
さらに、図示するようにプリプレグシートP,P間の界面が外部に剥き出しになっていることで、繊維強化樹脂材Sに外力が加わった際に、端面に臨んでいる構造弱部であるシート界面を起点にプリプレグシートPが捲れ上がったり、端面に臨むシート界面を起点に部材内にクラックが進展したり、さらには、端面に臨むシート界面から水分が部材内に浸透して部材強度を低下させるといった構造上の課題を有している。
なお、繊維強化樹脂材には、プリプレグシートが積層されてできた形態以外の形態のものも当然に存在しているが、このような繊維強化樹脂材であったとしても、広範な繊維強化樹脂材を所望形状および寸法で切断加工する際には、形成される部材端面に臨む繊維材が切断されてしまうことから、繊維強化樹脂材の中央領域に比してやはり端面の強度は低くなり易い。そして、繊維強化樹脂材に外力が作用した際にはこの構造弱部である端面から亀裂等が進展し易いこと、また、端面の折り返しが容易でないことはプリプレグシートの積層体からなる繊維強化樹脂材と変わるものでない。
したがって、いかなる形態の繊維強化樹脂材であっても、構造弱部である端面を如何にして補強するか、同様にこの端面の外観意匠性を如何にして向上させるか、の双方の課題を同時に満足する技術開発が当該技術分野における急務の解決課題となっている。
特開2010−76356号公報
本発明は上記する問題に鑑みてなされたものであり、繊維強化樹脂材の端面が構造弱部とならず、しかも外観意匠性にも優れた繊維強化樹脂材とその製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成すべく、本発明による繊維強化樹脂材の製造方法は、繊維強化樹脂からなる中空体の該中空を潰すようにして積層体を製作し、別途用意された繊維強化樹脂部材の端面から側面に亘る端面領域にこの積層体を被せ、繊維強化樹脂からなる積層体と繊維強化樹脂部材を一体化させて繊維強化樹脂材を製造するものである。
本発明の製造方法は、繊維強化樹脂部材の端面の所望範囲に繊維強化樹脂からなる中空体の該中空を潰してできた積層体を被せ、この積層体と繊維強化樹脂部材を一体化して繊維強化樹脂材を製造するものである。
ここで、端面が補強される繊維強化樹脂部材は、長繊維や短繊維がマトリックス樹脂内にランダムに、もしくは所定の配向をもって埋設されたプリプレグシートを成形型内で積層させたものや、長繊維よりも長い連続繊維がマトリックス樹脂内に一方向に配向された一方向材(UD材)からなるプリプレグシートを成形型内で積層したもの、連続繊維を含有する複数のプリプレグシートを使用し、成形型内で各プリプレグシート内の連続繊維の配向を0度、90度、±45度等に積層して擬似等方材を形成したもの、連続繊維からなる経糸と緯糸からなる織物をマトリックス樹脂内に含有させてなるプリプレグシートを使用し、やはり成形型内でそれらを成形型内で積層したものなどを挙げることができる。なお、この積層された形態には、アウターパネルとインナーパネルを積層させたものも含んでいる。またさらに、プリプレグシートの積層体のみならず、別途の成形型内で射出成形やRTM成形、SMC成形等されて製作された部材であってもよい。いずれの形態であれ、繊維強化樹脂部材の端面の一部もしくは全部の状態は、切断加工によって切断された繊維材が端面に臨んでいる状態、もしくは、積層体の界面が端面に臨んでいる状態となっており、いずれの状態であっても端面が構造弱部であることからその補強を必要とする。
また、中空体もしくは積層体を構成するマトリックス樹脂は熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミ樹脂などを使用でき、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの結晶性プラスチック、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどの非結晶性プラスチックを使用できる。
さらに、中空体もしくは積層体を構成するマトリックス樹脂内に含有されている繊維材(短繊維、長繊維、連続繊維)としては、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステルなどの有機繊維のいずれか一種もしくは2種以上の混合材を使用することができる。
一方、上記繊維強化樹脂部材の端面を補強するための部材として、繊維強化樹脂からなる中空体の該中空を潰すようにして繊維強化樹脂からなる積層体を製作する。
この繊維強化樹脂からなる積層体も、上記で挙げたいずれか一種のマトリックス樹脂内に繊維材が含有されたものであるが、繊維強化樹脂部材と積層体双方のマトリックス樹脂は同一であるのが好ましい。最終的に加熱処理や加圧処理で双方を一体化する際になじみが良好であり、密着強度も高くなるからである。
ここで、中空体がプリプレグシートから形成される場合の該中空体の製作方法としては、たとえば芯材の周りにプリプレグシートを巻き付け、芯材を抜いて中空のプリプレグシートを製作する方法などを挙げることができる。ここで、プリプレグシートのマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合は、プリプレグシートを加熱して軟化させた後に芯材周りにプリプレグシートを巻き付けるのがよい。
用意された繊維強化樹脂部材の端面に中空が潰されてなる積層体を被せて仮のユニット体(中間ユニット)を形成し、これを成形型内に収容する。
ここで、繊維強化樹脂部材の端面への積層体の被せ形態としては、たとえば繊維強化樹脂部材が平面視矩形の場合に、この矩形輪郭の全周に被せる形態のほか、最終製品である繊維強化樹脂材が実際に適用される際に(たとえば繊維強化樹脂材がボンネットであってこれが車両に組まれた際)大きな外力を受ける端面のみに被せる形態などを挙げることができる。中空が潰され、したがって端面のない積層体で少なくも補強したい繊維強化樹脂部材の端面の所望領域を包囲することにより、補強箇所において繊維強化樹脂部材と積層体のいずれの端面も存在せず、もって繊維強化樹脂部材の端面の所望範囲の効果的な補強を実現することができる。仮に、繊維強化樹脂部材の端面を補強する積層体自体の端面が繊維強化樹脂部材の補強したい端面領域に存在してしまうと、積層体自体がその端面を起点として破損や劣化することが想定され、長期に亘って繊維強化樹脂部材の端面の所望範囲を効果的に補強できなくなってしまう。
繊維強化樹脂部材の端面に積層体を所望形態で被せたら、これを成形型内に収容し、成形型内で加熱処理および/または加圧処理を施して双方を一体化させることで繊維強化樹脂材が製造される。
なお、上記一体化の別の方法としては、繊維強化樹脂部材の端面に積層体を所望形態で被せ、少なくともこの被せ箇所をシートで包囲し、シート内を真空吸引することで積層体を繊維強化樹脂部材の端面に強固に押し込んで一体化する方法もある。
上記する本発明の製造方法を適用することで、切断加工によって切断された繊維材が臨んでいる繊維強化樹脂部材の端面の所望範囲や、プリプレグシートの積層体の界面が臨んでいる繊維強化樹脂部材の端面の所望範囲が、中空が潰されてできた繊維強化樹脂からなる積層体で完全に包囲されて補強されていることから、構造弱部となり得る端面を起点とした剥がれや亀裂の進展、水分の内部浸入などが解消された高強度でかつ高耐久な繊維強化樹脂材を製造することができる。
さらに、繊維強化樹脂部材の端面が繊維強化樹脂からなる積層体で所望に包囲されていることから、繊維強化樹脂部材を折り返す等することなしに、外観意匠性に優れた繊維強化樹脂材を得ることができる。
また、本発明は繊維強化樹脂材にも及ぶものであり、これは、繊維強化樹脂からなる中空体の該中空が潰れてできた積層体が繊維強化樹脂部材の端面から側面に亘る端面領域を被覆し、積層体と繊維強化樹脂部材が一体化されてなるものである。
既述するように、繊維強化樹脂からなる中空体の該中空が潰されてできた積層体にて繊維強化樹脂部材の端面が包囲されて補強されたものであることから、構造弱部の端面を起点とした部材の破損や劣化が抑制され、水分の浸入も抑制され、もって繊維強化樹脂材として期待される初期の高い強度を有し、高耐久性な繊維強化樹脂材となる。この水分浸入の抑制に関しては、たとえば繊維強化樹脂部材がアウターパネルとインナーパネルを接着剤で貼り合わせて重ねた構成のものである場合に、浸入した水分で接着剤による接着が剥がされるという課題の解消にも繋がる。
さらに、繊維強化樹脂部材の端面が積層体で所望に包囲されていることから、端面が外部に臨んでいる従来構造の繊維強化樹脂材に比して外観意匠性に優れた繊維強化樹脂材となる。
以上の説明から理解できるように、本発明の繊維強化樹脂材とその製造方法によれば、繊維強化樹脂からなる中空体の該中空が潰れてできた積層体が繊維強化樹脂部材の端面の全部(全周)もしくは一部を包囲して補強することから、高強度かつ高耐久で、しかも外観意匠性に優れた繊維強化樹脂材を得ることができる。
本発明の繊維強化樹脂材の製造方法を説明した図であって、用意された繊維強化樹脂部材の一実施の形態を示した図である。 図1に続いて製造方法を説明した図であって、(a)、(b)、(c)の順にプリプレグシートの積層体を製作するフロー図である。 図1,2に続いて製造方法を説明した図であって、かつ、製造された本発明の繊維強化樹脂材の一実施の形態を示した図である。 図1,2に続いて製造方法を説明した図であって、かつ、製造された本発明の繊維強化樹脂材の他の実施の形態を示した図である。 従来構造の繊維強化樹脂材を示した斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、図示する繊維強化樹脂材や繊維強化樹脂部材の積層体は平面視矩形の平板であるが、これ以外の湾曲形状、湾曲面と平面が連続した3次元形状、傾斜する2以上の平面が連続した3次元形状など、任意の形状形態を対象としたものである。また、図示例は、繊維強化樹脂部材の端面の一部をプリプレグシートの積層体で包囲したものであるが、繊維強化樹脂部材の端面の全周がプリプレグシートの積層体で包囲されるものであってもよいことは勿論のことである。また、繊維強化樹脂部材の端面を補強する部材として、プリプレグシートの中空体の該中空を潰してできた積層体を例示しているが、プリプレグシート以外にも、射出成形にて成形された中空体を潰してなる積層体などを使用してもよいことは勿論のことである。なお、製造過程で使用される成形型等の図示は省略している。
図1,2,3は、順に本発明の繊維強化樹脂材の製造方法のフロー図となっており、図1は本発明の繊維強化樹脂材の製造方法を説明した図であって、用意された繊維強化樹脂部材の一実施の形態を示した図であり、図2は、図1に続いて製造方法を説明した図であって、図2a、b、cの順にプリプレグシートの積層体を製作するフロー図であり、図3は図1,2に続いて製造方法を説明した図であって、かつ、製造された本発明の繊維強化樹脂材の一実施の形態を示した図である。
図1で示す繊維強化樹脂部材2は、マトリックス樹脂1a内に1方向に連続繊維1bが配向して含有された複数のプリプレグシート1を積層させたものであり、各プリプレグシート1の連続繊維1bの配向が0度と90度をなす擬似等方材である。
なお、用意される繊維強化樹脂部材は図示する擬似等方材以外にも、連続繊維配向が±45度をなす擬似等方材や、0度、90度、±45度をなす擬似等方材のほか、連続繊維が同一方向に配向されたプリプレグシートを積層してなる一方向材(UD材)、連続繊維材からなる経糸と緯糸からなる織物をマトリックス樹脂内に含有させてなるプリプレグシートの積層体などを挙げることができる。
また、プリプレグシート1を構成するマトリックス樹脂1aは熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよく、熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂やフェノール樹脂、メラミ樹脂などを使用でき、熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ナイロン(PA:ナイロン6、ナイロン66など)、ポリアセタール(POM)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの結晶性プラスチック、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ABS樹脂、熱可塑性エポキシなどの非結晶性プラスチックを使用できる。さらに、プリプレグシート1を構成するマトリックス樹脂1a内に含有されている連続繊維1bとしては、ボロンやアルミナ、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニアなどのセラミック繊維や、ガラス繊維や炭素繊維といった無機繊維、銅や鋼、アルミニウム、ステンレス等の金属繊維、ポリアミドやポリエステルなどの有機繊維のいずれか一種もしくは2種以上の混合材を使用することができる。
図示する繊維強化樹脂部材2は、平面視矩形の平板状を呈しており、4つの端面2aを有するものであるが、最終製品である繊維強化樹脂材の使用形態において、端面の全周の中で補強対象領域Tが特に補強を要する領域となっているものとする。
一方、図1で示す繊維強化樹脂部材2を用意することと並行して、もしくはこれと前後して、上記する端面2aの補強対象領域Tに配設されるプリプレグシートの積層体を製作する。
まず、図2aで示すように、芯材Cの周囲にプリプレグシートを巻装して中空のプリプレグシート3を形成する。ここで、芯材C周りに巻装されるプリプレグシート3も繊維強化樹脂部材2を構成するプリプレグシート1と同様にマトリックス樹脂内に繊維材が含有されたものであるが、プリプレグシート1とプリプレグシート3が同素材の樹脂からなる形態が双方のなじみ、良好な密着性の観点から好ましい。
また、プリプレグシート3のマトリックス樹脂が熱可塑性樹脂からなる場合は、これをその融点(結晶性プラスチックの場合)もしくはガラス転移点(非結晶性プラスチックの場合)付近の温度で熱処理して軟化させ、これを芯材周りに巻装するのがよい。
図2bで示すように、巻装されたプリプレグシート3から芯材Cを取り外して中空のプリプレグシート3を形成し、図2cで示すようにこれに上下もしくは左右で挟んでプレス加工することにより、中空が潰されてなるプリプレグシートの積層体3Aが製作される。この積層体3Aの長さは、繊維強化樹脂部材2における端面の補強対象領域Tの長さと同程度もしくはこれよりも長い長さとなっている。
複数のプリプレグシート1が積層されてなる繊維強化樹脂部材2と中空が潰されてなるプリプレグシートの積層体3Aが用意されたら、図1で示す繊維強化樹脂部材2の端面の補強対象領域Tにプリプレグシートの積層体3Aを被せて中間ユニットを作成する。
ここで、繊維強化樹脂部材2とプリプレグシートの積層体3Aの一体化の方法として以下、2つの形態を説明する。そして、それぞれの方法で製造された繊維強化樹脂材を図3,4に示している。
まず、図3で示す繊維強化樹脂材10の製造方法(一体化方法)を概説する。図示する繊維強化樹脂材10の製造に際しては、繊維強化樹脂部材2が常温で所望の硬度(強度)を有するように、プリプレグシート1が熱可塑性樹脂からなるマトリックス樹脂で成形されたものを適用する。
作成された中間ユニットに対し、端面の補強対象領域Tに被せられたプリプレグシートの積層体3Aを不図示のシートで覆い、シート内を真空吸引して減圧する。この減圧によって積層体3Aを繊維強化樹脂部材2に強固に押し付けて全体を一体化させ、図3で示す繊維強化樹脂材10が製造される。
一方、図4で示す繊維強化樹脂材10Aは、繊維強化樹脂部材2の端面の補強対象領域Tにプリプレグシートの積層体3Aが完全に埋め込まれた部材である。
図示する繊維強化樹脂材10Aの製造に際しては、繊維強化樹脂部材2を常温で比較的柔らかい熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂としたプリプレグシート1で形成しておき、プリプレグシートの積層体3Aも同様にそのマトリックス樹脂を熱硬化性樹脂からなるものとしておく。
作成された中間ユニットを不図示の成形型に収容し、加熱処理と加圧処理を実施して、積層体3Aを繊維強化樹脂部材2内に埋め込みながらマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂を硬化させることによって双方の一体化を図り、図示する繊維強化樹脂材10Aが製造される。
図示する繊維強化樹脂材10,10Aはいずれも、繊維強化樹脂部材2の端面の補強対象領域Tがプリプレグシートの積層体3Aで包囲されて補強されたものであることから、構造弱部である端面2aを起点とした部材の破損や劣化が抑制され、水分の浸入も抑制され、もって繊維強化樹脂材として期待される初期の高い強度を有し、かつ高耐久性な繊維強化樹脂材となっている。
さらに、繊維強化樹脂部材10,10Aの端面2aの所望領域がプリプレグシートの積層体3Aで所望に包囲されていることから、その端面が外部に臨んでいる従来構造の繊維強化樹脂材に比して外観意匠性に優れた繊維強化樹脂材となっている。図3,4からも明らかなように、中空が潰され、したがって端面のないプリプレグシートの積層体3Aで繊維強化樹脂部材2の端面の補強対象領域Tを完全に包囲することにより、この補強対象領域Tにおいて繊維強化樹脂部材2やプリプレグシートの積層体3Aの端面は存在していない。すなわち、補強対象領域Tにおいて繊維強化樹脂部材2や積層体3Aの端面を完全に解消することができ、もって繊維強化樹脂部材2の端面の補強対象領域Tを長期に亘って効果的に補強することができる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1…プリプレグシート、1a…マトリックス樹脂、1b…連続繊維、2…繊維強化樹脂部材、2a…端面、3…中空のプリプレグシート、3a…中空、3A…中空が潰されてなるプリプレグシートの積層体、10,10A…繊維強化樹脂材、T…端面の補強対象領域、C…芯材

Claims (9)

  1. 繊維強化樹脂からなる中空体の該中空を潰すようにして積層体を製作し、別途用意された繊維強化樹脂部材の端面から側面に亘る端面領域にこの積層体を被せ、繊維強化樹脂からなる積層体と繊維強化樹脂部材を一体化させて繊維強化樹脂材を製造する繊維強化樹脂材の製造方法。
  2. 前記中空体が繊維強化樹脂のプリプレグシートから形成されている請求項1に記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  3. 積層体と繊維強化樹脂部材の前記一体化が、成形型内における加熱処理および/または加圧処理によっておこなわれる請求項1または2に記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  4. 積層体と繊維強化樹脂部材の前記一体化が、該積層体が被せられた箇所をシートで包囲し、シート内を真空吸引することによっておこなわれる請求項1または2に記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  5. 前記中空体がプリプレグシートから形成される場合は、芯材の周りにプリプレグシートを巻き付け、芯材を抜いて中空のプリプレグシートを製作する請求項2、または請求項2に従属する場合の請求項3または4に記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  6. 積層体と繊維強化樹脂部材が同じマトリックス樹脂からなる請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂材の製造方法。
  7. 繊維強化樹脂からなる中空体の該中空が潰れてできた積層体が繊維強化樹脂部材の端面から側面に亘る端面領域を被覆し、積層体と繊維強化樹脂部材が一体化されてなる繊維強化樹脂材。
  8. 前記中空体が繊維強化樹脂のプリプレグシートから形成されている請求項7に記載の繊維強化樹脂材。
  9. 積層体と繊維強化樹脂部材が同じマトリックス樹脂からなる請求項7または8に記載の繊維強化樹脂材。
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