JP5604228B2 - チラー - Google Patents

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Description

本発明は、例えば産業機器、計測機器、食品加工機器、理化学機器などの温度を一定に保つ働きをするチラーに関するものである。
一般に、チラーは、フロンなどの冷媒を循環させる冷媒回路と、水、水およびエチレングリコールの混合液、無機塩水溶液などのブラインを循環させるブライン回路とから成り、冷却器を介して冷媒とブラインとの熱交換を行っている。主にブラインの冷却に用いられるが、加温に用いられる場合もある。
このようなチラーは例えば下記の特許文献1に開示されている。特許文献1記載のチラーは、圧縮機、電磁開閉弁、凝縮器、弁開度可変の膨張弁、および冷却器の冷媒流路を順次環状に連結して構成される冷媒回路と、冷却器内で冷媒流路との間で熱交換するブライン流路、ヒータ、外部の負荷側熱交換器、タンク、およびポンプを順次環状に連結して構成されるブライン回路とから構成されている。更に、冷媒回路における膨張弁の上流側と冷却器の下流側とを接続した第1バイパス回路を備えたことにより、凝縮器からの冷媒を膨張弁および冷却器を通すことなく圧縮機に吸入させるようにするとともに、この第1バイパス回路に冷媒流量を調整する制御弁を設けたことにより、広いブライン温度範囲にわたり安定して運転でき、ブライン温度を精度良く制御できるものであるとされている。
特開2008−75919号公報
特許公報1記載のチラーは、上記のように広いブライン温度範囲にわたり安定して運転できブライン温度を精度良く制御できるとされているが、冷媒回路における圧縮機吐出側の冷媒圧力が上昇しすぎると、ハイカットと称される冷媒回路の異常停止をさせなければならない。また、冷媒回路における圧縮機吐出側の冷媒温度が上昇しすぎても、冷媒回路中で使用されている冷凍機油の劣化を引き起こすこととなり、これに起因して冷媒回路の異常停止を招くおそれがある。更には、冷媒回路における冷却器出側の冷媒温度が下がりすぎると、冷却器でのブライン凍結によるブライン配管の破裂を誘引し、これによる冷媒回路の異常停止を招く場合も考えられる。
しかしながら、上記した特許公報1記載のチラーでは、圧縮機吐出側における冷媒圧力の過度の上昇、圧縮機吐出側における冷媒温度の過度の上昇、あるいは、冷却器出側における冷媒温度の過度の低下に関する対策は何ら考慮されていない。そのために、圧縮機吐出側における冷媒圧力や冷媒温度が上がりすぎたり、冷却器出側における冷媒温度が下がりすぎたりした場合には、異常停止に係る設定圧力値や設定温度値に達するまで成すすべなく看過せざるを得ず、運転を引き延ばしたくてもできなかったのである。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、冷媒回路の異常停止をできるだけ回避して運転を少しでも引き延ばすことのできるチラーの提供を第1の目的とし、液バック、軸受摩耗、潤滑系統不良など圧縮機に対する悪影響を未然に回避することのできるチラーの提供を第2の目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るチラーは、吐出容量可変の圧縮機、電磁開閉弁、凝縮器、弁開度可変の膨張弁、および冷却器の冷媒流路を順次環状に連結して構成される冷媒回路と、冷却器内で冷媒流路との間で熱交換するブライン流路、タンク、ポンプ、および外部の負荷側熱交換器を順次環状に連結して構成されるブライン回路と、冷媒回路における圧縮機吐出側の圧力を検出する高圧圧力センサと、冷媒回路における圧縮機吐出側の温度を検出する吐出冷媒温度センサと、冷媒回路における冷却器出側の温度を検出する冷却器出側冷媒温度センサと、を有するチラーにおいて、高圧圧力センサにより検出された圧縮機吐出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値を下回るまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する第1高圧圧力調整手段と、吐出冷媒温度センサにより検出された圧縮機吐出側温度が、予め設定されている所定吐出冷媒温度値を上回ったとき、所定吐出冷媒温度値以下になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する吐出冷媒温度調整手段と、冷却器出側冷媒温度センサにより検出された冷却器出側温度が、予め設定されている異常停止のための第1所定冷媒温度値よりも高い第2所定冷媒温度値を下回ったとき、前記第2所定冷媒温度値以上になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する冷却器出側冷媒温度調整手段と、を具備して成り、更に、冷媒回路における圧縮機吸入側の圧力を検出する低圧圧力センサと、低圧圧力センサにより検出された圧縮機吸入側圧力が、予め設定されている第2所定低圧圧力値を下回ったとき、第2所定低圧圧力値以上になるまで圧縮機の吐出容量を第1所定容量ずつ下げて運転し、検出された圧縮機吸入側圧力が第2所定低圧圧力値以上になったとき、圧縮機の吐出容量を第1所定容量よりも小さな第2所定容量ずつ下げて、第2所定低圧圧力値よりも大きな第3所定低圧圧力値以上になるまで運転する第2低圧圧力調整手段と、を備えていることを特徴とするものである。
また、前記した構成において、冷媒回路における圧縮機と電磁開閉弁の間から分岐し膨張弁と冷却器の間に合流するように接続されてキャピラリを有するバイパス回路と、冷媒回路の電磁開閉弁を閉じて圧縮機からの冷媒をバイパス回路を経て冷却器に流す加熱運転手段と、加熱運転手段による加熱運転中に、高圧圧力センサにより検出された圧縮機出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値よりも低く設定された第3所定高圧圧力値を下回るまで冷媒回路の電磁開閉弁を開いて運転する第2高圧圧力調整手段と、を備えているものである。
本発明に係るチラーによれば、第1高圧圧力調整手段により、圧縮機吐出側の圧力が上昇して異常停止用の第1所定高圧圧力値に近づいたときに、一時的に圧縮機の吐出容量を下げて運転するので、圧縮機吐出側圧力を下げることができる。これにより、冷媒回路の高圧異常停止を回避して運転を引き延ばすことが可能となる。また、吐出冷媒温度調整手段により、圧縮機吐出側温度が上昇して所定吐出冷媒温度値を上回ったときに、一時的に圧縮機の吐出容量を下げて運転するので、圧縮機吐出側温度を所定吐出冷媒温度値以下に下げることができる。これにより、冷媒回路中の冷凍機油の劣化を防止することができ、冷媒回路の早期停止を回避できる。そして、冷却器出側冷媒温度調整手段により、冷媒回路における冷却器出側温度が低下して第1所定冷媒温度値に近づいたときに、一時的に冷媒回路における圧縮機の吐出容量を下げて運転するので、冷媒の冷却器出側温度を上げることができる。これにより、冷却器でのブライン凍結を防止して冷媒回路およびブライン回路の異常停止を回避し運転を引き延ばすことが可能となる。
更に、第2低圧圧力調整手段を備えるので、冷媒回路の圧縮機吸入側圧力が第2所定低圧圧力値を下回ったとき、第2所定低圧圧力値よりも大きな第3所定低圧圧力値以上になるまで圧縮機の吐出容量を下げて運転するので、圧縮機吸入側圧力を迅速に第3所定低圧圧力値以上にすることができる。その結果、圧縮機の潤滑系統に生じる恐れのある支障を回避することができる。
また、加熱運転手段と第2高圧圧力調整手段を備えるので、加熱運転時に圧縮機吐出側圧力が上昇して第1所定高圧圧力値に近づいたときに、一時的に冷媒回路の電磁開閉弁を開いて運転するので、圧縮機吐出側圧力を下げることができる。これにより、冷媒回路の異常停止を回避して運転を引き延ばすことが可能となる。
本発明の実施形態に係るチラーの回路構成図である。 前記チラーの制御系統を示すブロック構成図である。 前記チラーおよびこれを付設した精密工作機械の外観図である。 前記チラーの入口水温、出口水温および負荷の経時変化を示すグラフの図である。 前記チラーの冷水供給温度と周囲温度との関係を示すグラフの図である。 前記チラーの負荷比率と成績係数との関係を示すグラフの図である。 実施形態1に係るチラーの制御動作を示すフローチャートの図である。 実施形態2,3に係る前記チラーの別の制御動作を示すフローチャートの図である。 本発明の実施形態4,5に係る前記チラーの他の制御動作を示すフローチャートの図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態4,5は本発明を具体化した例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
実施形態1:
図1は本発明の実施形態に係るチラーの回路構成図、図2は前記チラーの制御系統を示すブロック構成図、図3は前記チラーおよびこれを付設した精密工作機械の外観図である。
各図において、この実施形態に係るチラー1は、冷媒を循環させて冷凍サイクル動作を行なう冷媒回路38と、ブライン(この例では水)を循環させて冷媒回路38の冷媒との間で熱交換を行なうブライン回路39と、これら冷媒回路38およびブライン回路39を収容した本体ケーシング46とを備えている。前記した冷媒回路38は、吐出容量可変の圧縮機2、電磁開閉弁3、凝縮器36、ストレーナ5、指令入力に対し弁開度が1次関数的に可変であるリニア膨張弁6、冷却器7の冷媒流路7A、および、アキュムレータ8が、冷媒配管9を介して順次環状に連結されて構成されている。前記したブライン回路39は、冷媒流路7Aとの間で熱交換する冷却器7内のブライン流路7B、流入管19、水Wを貯留するタンク4、タンク4内の水Wを送り出すポンプ20、および、負荷側熱交換器33が、水配管18を介して順次環状に連結されて構成されている。負荷側熱交換器33は、外部の精密工作機械35(図3参照)内の温度を一定に保つために精密工作機械35に配備されている。
冷媒回路38において圧縮機2吐出側の冷媒配管9には、圧縮機2吐出側の冷媒圧力を検出する高圧圧力センサ10、第1所定高圧圧力値(この例では冷媒圧力4.15mPa)で冷媒回路38を強制的に異常停止させる高圧スイッチ11、圧縮機2吐出側の冷媒温度を検出する吐出冷媒温度センサ41、および、冷媒出し入れ用のチャージ弁12が配備されている。アキュムレータ8吸入側の冷媒配管9には、圧縮機2吸入側の冷媒圧力を検出する低圧圧力センサ17、圧縮機2吸入側の冷媒温度(冷却器7出側の冷媒温度に相当する)を検出する吸入冷媒温度センサ40、および、冷媒出し入れ用のチャージ弁16が配備されている。前記したバイパス回路13は、冷媒回路38における圧縮機2と電磁開閉弁3の間から分岐してリニア膨張弁6と冷却器7の間に合流するように接続されており、途中にキャピラリ14およびバイパス電磁開閉弁15が配備されている。そして、本体ケーシング46内の凝縮器36の近傍には、本体ケーシング46の吸込口34から機外空気を吸い込んで凝縮器36に送風する送風機30,30が設置されている。また、本体ケーシング46には、制御器42を内蔵した電気ボックス29が設置されている。
ブライン回路39においてポンプ20出側の水配管18には、出口水温度WTを検出する出側水温センサ21と、ポンプ20出側の水圧を検出する水圧計22が配備されている。そして、ポンプ20出側の水配管18は接続水配管31を介して負荷側熱交換器33の入側と接続され、冷却器7入側の水配管18は接続水配管32を介して負荷側熱交換器33の出側と接続されている。前記した流入管19の先端とポンプ20の吸込口はタンク4内に配置されている。タンク4は蓋付き容器であり、ポンプ20を起動・停止させるための水位スイッチ23と、外部から水Wを見るための液面計24を有している。また、タンク4は蓋ドレン排水口25,給水口26,オーバフロー口27、およびタンクドレン排水口28とそれぞれ配管接続されている。タンク4内の水位は、液面計24を通して外部から確認し人手により給水口26から水Wを給水してもよいし、図示せぬフロート式の給水弁をタンク4に設け、このフロート式給水弁により自動的に給水するようにしても構わない。
尚、図1中に1点鎖線で囲んだ2次設備60は一般的なチラーで採用されている設備あるが、水Wを貯留するタンク61、一端がタンク61内に配置され他端がポンプ20出側の水配管18に接続される水配管62、一端がタンク61内に配置され他端が冷却器7入側の水配管18に接続される水配管63、一端がタンク61内に配置され他端が負荷側熱交換器33の入側に接続される水配管64、一端がタンク61内に配置され他端が負荷側熱交換器33の出側に接続される水配管65、水配管64に配備された2次側ポンプ68、2次側ポンプ68吸込側の水配管64と水配管65とをつなぐ分岐水配管66、および、分岐水配管66と水配管64の分岐位置に配備された三方流路切替弁67から構成されている。本実施形態のチラー1は2次設備60を備えていないが、このような2次設備60をチラー1に付設することは可能である。
チラー1の制御系統を図2に示す。既述した制御器42は、CPU37を中心として構成され、データバスDBを介してメモリMや入出力機器とデータ通信可能に配線接続されている。すなわち、データバスDBのデータ入力側には、高圧圧力センサ10、低圧圧力センサ17、吐出冷媒温度センサ41、吸入冷媒温度センサ40、出口水温センサ21、水位スイッチ23、外部入力器43などが接続されている。データバスDBのデータ出力側には、リニア膨張弁6、電磁開閉弁3、バイパス電磁開閉弁15、ポンプ20を駆動するそれぞれのドライバDが接続され、圧縮機2を駆動するモータ45に回転数制御用のインバータ周波数指令信号を出力するインバータ装置44が接続されている。そして、CPU37は、後でそれぞれ詳述する、第1高圧圧力調整手段48の機能、吐出冷媒温度調整手段49の機能、冷却器出側冷媒温度調整手段50の機能、第1低圧圧力調整手段51の機能、過熱度算出手段52の機能、過熱度調整手段53の機能、第2低圧圧力調整手段54の機能、加熱運転手段55の機能、第2高圧圧力調整手段56の機能、および、一般的なPI制御を行なう通常運転手段57の機能を有している。これら各手段の機能を実行するプログラムソフトウェアはプログラムデータとして予めメモリMに格納されており、必要に応じメモリMから読み出されて使用される。
また、後でそれぞれについて詳述する、第1所定高圧圧力値、第2所定高圧圧力値、第3所定高圧圧力値、所定吐出冷媒温度値、第1所定冷媒温度値、第2所定冷媒温度値、第1所定低圧圧力値、第2所定低圧圧力値、第3所定低圧圧力値、所定過熱度値、第1所定容量、第2所定容量や、低圧圧力センサ17により検出された低圧圧力LPから冷媒飽和温度Teを換算するための換算テーブルデータなどが、予め外部入力器43から設定入力されメモリMに格納されている。そして、上記した構成のチラー1は、例えば図3に示す精密工作機械35の負荷側熱交換器33に接続水配管31,32で接続されて使用される。
上記したチラー1の動作を説明する。初めに、ブライン回路39の水W(ブラインの一例)を冷却する「冷却運転」を説明する。
先ず、冷却運転における冷媒回路38の動作について述べる。
インバータ装置44により回転数制御されるモータ45駆動の圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、電磁開閉弁3を通って凝縮器36に入り、ここで周囲の空気により冷却され、自らは高温・高圧の液冷媒となる。この液冷媒はストレーナ5を通り、リニア膨張弁6で減圧されて低圧の気液2相冷媒となる。そして、気液2相冷媒は冷却器7においてブライン流路7B内の水と熱交換して蒸発し、低温・低圧のガス冷媒になったのち、アキュムレータ8を経て圧縮機1に戻るという冷凍サイクル動作を繰り返す。冷却器7で冷媒と熱交換されるのは、負荷側の例えば精密工作機械35を冷却して温度が上昇した水である。制御器42のCPU37は、圧縮機2に吸入される冷媒の吸入冷媒温度Tsと、低圧圧力センサ17により検出された低圧圧力LPから換算された冷媒飽和温度Teとの差である過熱度SHを算出し、算出された過熱度SHが設定目標SH範囲4〜7℃となるように、圧縮機2の回転数、リニア膨張弁6の弁開度VOなどのPI制御を行なう。
次に、ブライン回路39の動作について述べる。
冷却器7において、冷媒流路7Aの冷媒により冷却されたブライン流路7Bの水Wは、流入管19からタンク4内に流入して貯留される。その後、タンク4内の水Wはポンプ20により汲み上げられ水配管18および接続水配管31を経て負荷側熱交換器33に送水され精密工作機械35を冷却する。この冷却により温度上昇した水は接続水配管32および水配管18を経て冷却器7のブライン流路7Bに戻り、冷媒流路7A内の冷媒の蒸発によって再び冷却された後にタンク4に流入するという循環を繰り返す。タンク4内の水位が低下したときは、例えば給水口26からの人手による給水によって所定水位まで上げられる。
そして、水温制御について述べる。
通常、客先で使用される負荷側の精密機械等の種類により所望される冷水供給温度は異なるので、供給される水Wの目標水温値は外部入力器43から客先側で予め設定して頂く。冷媒回路38は、その設定目標水温値と、検出された出口水温度WTとの差が±0.1℃となるように制御されて水Wを冷却し、冷却された水Wは負荷側熱交換器33に送水される。先ず、出側水温センサ21により出口水温度WTを検出し、検出した出口水温度WTが設定目標水温値より高い場合は圧縮機2のモータ45の回転数を変化させながら、設定目標水温値に到達させるように運転する。すなわち、水温制御は出口水温度WTと設定目標水温値との差を用いるPI制御プログラムを利用したCPU37によるマイコン制御としている。すなわち、そのときの目標モータ回転数を演算し、その演算した目標モータ回転数で運転するように、制御指令値をインバータ装置44に出力し、インバータ装置44はその制御指令値に対応したインバータ周波数で圧縮機2のモータ45を回転駆動させる。このように制御して、出口水温度WTを設定目標水温に到達させる。
続いて、水Wを加熱する「加熱運転」において、先ず冷媒回路38の動作について述べる。
加熱運転の場合は、バイパス電磁開閉弁15を開き、電磁開閉弁3を閉じる。そこで、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒はバイパス回路13に流入し、バイパス流量を規制するキャピラリ14を通って減圧され、高温・低圧のガス冷媒となる。このガス冷媒はバイパス電磁開閉弁15から冷媒配管9を経て冷却器7の冷媒流路7Aに入り、ブライン流路7Bの水Wと熱交換して水Wを加温する。このとき、冷媒は低温・低圧のガス冷媒となり、アキュムレータ8を経て圧縮機2に戻る。
次に、ブライン回路39の動作を述べる。
通常、特に冬季の装置起動前において、負荷側であるブライン回路39の水Wの水温は、設定目標水温よりも低い場合が多い。そのときは、前記した加温運転を実施して、いち早く設定目標水温まで加温した水Wを生成しタンク4内に貯留しておく。負荷側の精密工作機械35等が運転を開始すれば、必然的にブライン回路39内の水温は上昇するため、上記した冷却運転モードに戻すことができる。
このチラー1の一般的な性能として、図4に示すように、負荷量(図中の2点鎖線Aで示す)や冷却器7に戻る入口水温(図中の1点鎖線Bで示す)が変動しても、冷却器7出側の出口水温度WT(図中の実線Cで示す)が大きな変動を生じることなく、冷水を負荷側熱交換器33に供給することができる。また、負荷量が安定しているときは、図4中2ヶ所の拡大円内に示すように、出口水温度WTは設定目標水温値の±0.1℃以内と、極めて安定した冷水供給ができる。そして、高性能のインバータ装置44を採用したことにより、運転容量(モータ回転数)が20%負荷から100%負荷までの範囲で運転継続が可能である。
そして、図5に示すように、チラー1の周囲温度が−5〜43℃すなわち年間を通じて、外部入力器43からの客先の所望入力により設定可能な出口水温度WTの範囲が3℃から30℃である幅広い温度範囲の冷水を負荷側熱交換器33に供給することができる。
更に、このチラー1はインバータ装置44の制御により圧縮機2が吐出容量可変に構成されているので、チラー1による成績係数COPは、図6に示した実線D(周囲温度=0℃、出口水温度WT=5℃のとき)および1点鎖線E(周囲温度=35℃、出口水温度WT=5℃のとき)で示すように、吐出容量一定の圧縮機を用いたチラーのCOP(破線F1、F2で示す)と比べて、優れていることが判る。
次に、この実施形態1に係るチラー1の特徴的な保護制御動作を図3のフローチャートを用いて説明する。
先ず、「高圧圧力上昇保護制御」を説明する。
一般に、外気温などの周囲温度が高い場合、冷媒回路38における圧縮機2吐出側の高圧圧力HPが上昇する。高圧圧力HPが4.15mPaに達すると、冷媒回路38はハイカットと称される異常停止が行なわれる。冷媒回路38が停止すると負荷側機器(例えば図3の精密工作機械35)を止めざるを得ないので、できる限り冷媒回路38の停止を回避することが望ましい。
そこで、図7(a)のプログラム1で示すように、CPU37は、高圧圧力センサ10で検出された高圧圧力HPを取り込む(ステップS1、以下ステップを省略しSのみで表す)。そして、取り込んだ高圧圧力HPが3.8mPa以上(S2のY)で且つ4.15mPa以上(S3のY)であると、高圧圧力HPが異常であるとして冷媒回路38およびブライン回路39を強制的に停止させる(S4)。一方、高圧圧力HPが3.8mPa以上(S2のY)で且つ4.15mPa未満(S3のN)である場合、CPU37はインバータ装置44を制御して圧縮機2のモータ45の回転数を10rps(1秒当り10回転)下げ、その状態で所定時間(冷媒回路38の制御状態が落ち着くまでの時間であり、例えば120秒間)の運転を行なう(S5)。その後、高圧圧力センサ10により今回検出された高圧圧力HPが前回検出された高圧圧力HPを下回っていなければ(S6、S7のN)、S5〜S7の処理を繰り返す。そうして、今回の高圧圧力HPが前回の高圧圧力HPを下回っていれば(S7のY)、高圧圧力HPが3.8mPaを下回るのを待ち(S8、S9のN)、高圧圧力HPが3.8mPaを下回ったときに(S9のY)、CPU37の通常運転手段57が冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S10)。以上の制御を繰り返してハイカットを回避し、冷媒回路38の運転を継続させる。
すなわち、CPU37の第1高圧圧力調整手段48は、高圧圧力センサ10により検出された圧縮機2吐出側の高圧圧力HPが、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値(この例では4.15mPa)よりも低い第2所定高圧圧力値(この例では3.8mPa)以上になったとき、この第2所定高圧圧力値を下回るまで圧縮機2の吐出容量(回転数に対応)を徐々に下げて運転するのである。
次に、「吐出冷媒温度上昇防止制御」を説明する。
一般に、負荷側水温が低く且つ周囲温度が高い条件(冷凍サイクル条件としては高圧圧力HPが高く低圧圧力LPが低くなる条件)下では、圧縮機2吐出側の吐出冷媒温度DTが上昇する場合が生じる。そして、吐出冷媒温度DTが110℃以上になると、冷媒回路38で使用されている冷凍機油の劣化を生じるおそれがある。
そこで、図3(b)のプログラム2で示すように、CPU37は、吐出冷媒温度センサ41で検出された吐出冷媒温度DTを取り込む(S11)。そして、取り込んだ吐出冷媒温度DTが110℃を上回っていると(S12のY)、CPU37はインバータ装置44を制御して圧縮機2のモータ45の回転数を定格最大回転数の10%ほど下げ、その状態で既述した所定時間の運転を行なう(S13)。その後、吐出冷媒温度センサ41により検出された吐出冷媒温度DTが110℃以下になっていなければ(S14、S15のN)、S13〜S15の処理を繰り返す。そうして、今回検出した吐出冷媒温度DTが110℃以下であれば(S15のY)、CPU37の通常運転手段57が冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S16)。
すなわち、CPU37の吐出冷媒温度調整手段49は、吐出冷媒温度センサ41により検出された圧縮機2の吐出側の吐出冷媒温度DTが、予め設定されている所定吐出冷媒温度値(この例では110℃)を上回ったとき、この所定吐出冷媒温度値以下になるまで圧縮機2の吐出容量(回転数に対応)を徐々に下げて運転するのである。
そして、「チラー内冷水凍結防止制御」を説明する。
一般に、冷却器7から出た冷媒について、吸入冷媒温度センサ40により検出された温度(冷却器出側温度の例)Tsが−5℃以下となると、冷却器7内で冷水の部分凍結が生じている可能性がある。そのまま放って置くと完全凍結となり、冷却器7のブライン流路7Bが凍結により破裂するおそれがある。これを防止するため、冷却器7出側の冷媒温度Tsが−12℃に達したときに冷媒回路38を異常停止させる制御が組み込まれている。しかしながら、異常停止させる前に、事前に制御で回復させることができれば、それに越したことはない。
そこで、図7(c)のプログラム3で示すように、CPU37は、吸入冷媒温度センサ(冷却器出側冷媒温度センサの例)40で検出された冷却器7出側の冷媒温度Tsを取り込み(S21)、取り込んだ冷媒温度Tsが−5℃未満(S22のY)で且つ−12℃以下(S23のY)であった場合、冷却器7内で凍結パンクのおそれがあるとして冷媒回路38およびブライン回路39を強制的に停止させる(S24)。一方、冷媒温度Tsが−5℃未満(S22のY)で且つ−12℃を上回っている(S23のN)場合、CPU37はインバータ装置44を制御して圧縮機2のモータ45の回転数を定格最大回転数の5%ほど下げ、その状態で既述した所定時間の運転を行なう(S25)。その後、吸入冷媒温度センサ40により検出された冷媒温度Tsが−5℃以上でなければ(S26、S27のN)、S25〜S27の処理を繰り返す。そうして、今回検出した冷媒温度Tsが−5℃以上になっていれば(S27のY)、CPU37の通常運転手段57が冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S28)。
すなわち、CPU37の冷却器出側冷媒温度調整手段50は、吸入冷媒温度センサ40により検出された冷却器7出側の冷媒温度Tsが、予め設定されている異常停止のための第1所定冷媒温度値(この例では−12℃)よりも高い第2所定冷媒温度値(この例では−5℃)を下回ったとき、この第2所定冷媒温度値以上になるまで圧縮機2の吐出容量(回転数に対応)を徐々に下げて運転するのである。
以上に述べたように、この実施形態1のチラー1は、「高圧圧力上昇保護制御」により、圧縮機2吐出側の高圧圧力HPが上昇して異常停止用の第1所定高圧圧力値(4.15mPa)に近づいたときに、一時的に圧縮機2のモータ45の回転数を徐々に下げて運転するので、高圧圧力HPを下げることができたり、そのときの圧力に留めたりすることができる。これにより、極力冷媒回路38の異常停止を回避して運転を引き延ばすことが可能となる。
また、「吐出冷媒温度上昇防止制御」により、圧縮機2吐出側の吐出冷媒温度DTが上昇して冷凍機油劣化防止用の所定吐出冷媒温度値(110℃)を上回ったときに、一時的に圧縮機2のモータ45の回転数を徐々に下げて運転するので、吐出冷媒温度DTを所定吐出冷媒温度値以下に下げることができる。これにより、冷媒回路38中の冷凍機油の劣化を防止することができ、冷媒回路38の早期停止を回避できる。
そして、「チラー内冷水凍結防止制御」により、冷媒回路38における冷却器7出側の冷媒温度Tsが低下して異常停止用の第1所定冷媒温度値(−12℃)に近づいたときに、一時的に冷媒回路38における圧縮機2のモータ45の回転数を徐々に下げて運転するので、冷却器7出側の冷媒温度Tsを上げたり、そのときの出側冷媒温度に留めたりすることができる。これにより、冷却器7におけるブライン凍結を防止して、極力、冷媒回路38の異常停止を回避し運転を引き延ばすことが可能となる。
尚、この種のチラーには、既述した2次設備60を備えているものが多いが、この実施形態のチラー1は2次設備60を持たなくても十分な性能を備えている。
実施形態2:
次に、「低圧圧力上昇防止制御」に係る実施形態2を説明する。
一般に、負荷側である冷却器7入側の水温が高い場合、冷媒回路38の低圧圧力LPが上昇する。この低圧圧力LPが1.15mPa以上となると、圧縮機2の軸受磨耗または機構に悪影響を与え、圧縮機2の寿命が短くなる。従って、できる限り低圧圧力LPを1.15mPa以上にしないように冷媒回路38の制御を行なう必要がある。
そこで、図8(a)のプログラム4で示すように、CPU37は、低圧圧力センサ17で検出された低圧圧力LPを取り込む(S31)。そして、取り込んだ低圧圧力LPが1.15mPa以上であると(S32のY)、CPU37はリニア膨張弁6のドライバDを制御して弁開度VOを最大弁開度の5%ほど下げ、その状態で既述した所定時間の運転を行なう(S33)。その後、低圧圧力センサ17により今回検出した低圧圧力LPが前回検出した低圧圧力LPを下回っていなければ(S34、S35のN)、S33〜S35の処理を繰り返す。そうして、今回の低圧圧力LPが前回の低圧圧力LPを下回っていれば(S35のY)、低圧圧力LPが1.15mPaを下回るのを待ち(S36、S37のN)、低圧圧力LPが1.15mPaを下回れば(S37のY)、CPU37の通常運転手段57が冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S38)。以上の制御を繰り返し、低圧圧力LPの上昇を防止する。但し、リニア膨張弁6の最低弁開度は10%を限度とする。
すなわち、CPU37の第1低圧圧力調整手段51は、低圧圧力センサ17により検出された圧縮機2吸入側の低圧圧力LPが、予め設定されている第1所定低圧圧力値(この例では1.15mPa)以上になったとき、この第1所定低圧圧力値を下回るまでリニア膨張弁6の弁開度VOを徐々に下げて運転するのである。
このように制御することにより、圧縮機2吸入側の低圧圧力LPが上昇した場合でも低圧圧力LPが第1所定低圧圧力値以上になることを極力回避することができる。これにより、圧縮機2に対する軸受摩耗などの悪影響を除去して圧縮機2の長寿命化を図ることが可能となる。
実施形態3:
続いて、「過熱度(スーパーヒート)低下防止制御」に係る実施形態3を説明する。
一般に、圧縮機2吸入側の吸入冷媒温度Tsと、低圧圧力センサ17により検出された低圧圧力LPから換算した冷媒飽和温度Teとの差は、過熱度SH(=Ts−Te)と称されている。この過熱度SHが0ということは、冷媒の過熱度がなく湿り域に入っているということを意味しており、冷媒が液状態のままで圧縮機2に戻る、いわゆる液バックとなり、圧縮機故障の原因となる。そのため、出来る限り、過熱度は2℃以上を保持する必要がある。
そこで、図8(b)のプログラム5で示すように、CPU37は、低圧圧力センサ17により検出された低圧圧力LPをメモリMの換算テーブルデータに照合して冷媒飽和温度Teを求め、この冷媒飽和温度Teと、吸入冷媒温度センサ40で検出された吸入冷媒温度Tsとの差として、過熱度SHを算出する(S41)。算出した過熱度SHが2度を下回っていると(S42のY)、CPU37はリニア膨張弁6の弁開度VOを最大弁開度の5%ほど下げ、その状態で既述した所定時間の運転を行なう(S43)。その後、低圧圧力LPおよび吸入冷媒温度Tsの検出ならびに過熱度SHの算出を行ない(S44)、算出した過熱度SHが4度以上になっていなければ(S45のN)、S43に戻ってリニア膨張弁6の弁開度VOを更に5%絞って既述した所定時間の運転を行なう。そうして、今回の過熱度SHが4度以上であれば(S45のY)、CPU37の通常運転手段57が冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S46)。以上の制御を繰り返して、過熱度SHの過度の低下を回避する。但し、リニア膨張弁6の最低弁開度は10%を限度とする。
すなわち、CPU37の過熱度算出手段52は、吸入冷媒温度センサ40により検出された圧縮機吸入側温度Tsと、低圧圧力センサ17により検出された圧縮機吸入側の低圧圧力LPとに基づいて過熱度SHを算出する。そして、過熱度調整手段53は、過熱度算出手段52により算出された過熱度SHが、予め設定されている所定過熱度値(この例では2度)を下回ったとき、所定過熱度値以上にするように冷媒回路38のリニア膨張弁6の弁開度VOを徐々に下げて運転するのである。
このように制御することにより、過熱度SHを所定過熱度値以上に上げることができ、圧縮機2への液バックを回避することができる。その結果、圧縮機2の故障を未然に防ぐことが可能となる。
実施形態4:
そして、本発明の「低圧圧力低下防止制御」に係る実施形態4を説明する。
周囲温度が低く且つ負荷側水温が低い場合、冷媒回路38の低圧圧力LPが0.47mPa以下に下がると、圧縮機2の潤滑系統に支障を生じる可能性がある。そのために、低圧圧力LPを0.47mPa以下にしないように冷媒回路38の制御を行なう必要がある。
そこで、図9(a)のプログラム6で示すように、CPU37は、低圧圧力センサ17で検出された低圧圧力LPを取り込み(S51)、取り込んだ低圧圧力LPが0.47mPaよりも小さな0.40mPaを下回っていると(S52のY)、CPU37はインバータ装置44を制御して圧縮機2のモータ45の回転数を定格最大回転数の10%ほど下げ、その状態で既述した所定時間の運転を行なう(S53)。その後、低圧圧力センサ17により低圧圧力LPを検出し(S54)、低圧圧力LPが0.40mPa以上になっていなければ(S55のN)、S53〜S55の処理を繰り返す。そうして、S54で検出した低圧圧力LPが0.40mPa以上になったとき(S55のY)、CPU37は圧縮機2のモータ45の回転数を5%ほど下げて既述した所定時間の運転を行なう(S56)。その後、検出した低圧圧力LPが0.47mPa以上になっていなければ(S57、S58のN)、S56〜S58の処理を繰り返す。そのうち、S57で検出した低圧圧力LPが0.47mPa以上に回復すると(S58のY)、CPU37の通常運転手段57は冷媒回路38をPI制御による元の通常運転に戻す(S59)。
すなわち、CPU37の第2低圧圧力調整手段54は2段階の制御を行なう。先ず、低圧圧力センサ17により検出された圧縮機2吸入側の低圧圧力LPが、予め設定されている第2所定低圧圧力値(この例では0.40mPa)を下回ったとき、第2所定低圧圧力値以上になるまで圧縮機2の吐出容量(回転数に対応)を第1所定容量(この例では10%)ずつ大きく下げて運転する。次に、検出された低圧圧力LPが第2所定低圧圧力値以上になったとき、圧縮機2の吐出容量を第1所定容量よりも小さな第2所定容量(この例では5%)ずつ徐々に下げて、第2所定低圧圧力値よりも大きな第3所定低圧圧力値(この例では0.47mPa)以上になるまで運転するのである。
このように制御することにより、冷媒回路38の低圧圧力LPを迅速に第3所定低圧圧力値以上にすることができる。その結果、圧縮機2の潤滑系統に生じる恐れのある支障を未然に回避することができる。
実施形態5:
次に、本発明の「加熱運転時の高圧保護制御」に係る実施形態5を説明する。
加熱運転モードで運転していて負荷側水温が高い場合にも、高圧圧力HPが上昇してハイカットに至ることがある。
そこで、これを防止するため、図9(b)のプログラム7で示すように、CPU37は、圧縮機2からの冷媒をバイパス回路13を経て冷却器7に流す加熱運転を行なっているときに(S61)、高圧圧力センサ10で検出された高圧圧力HPを取り込む(S62)。そして、取り込んだ高圧圧力HPが3.8mPa以上(S63のY)で且つ4.15mPa以上(S64のY)であると、高圧圧力HPが異常であるとして冷媒回路38およびブライン回路39を強制的に停止させる(S65)。一方、高圧圧力HPが3.8mPa以上(S63のY)で且つ4.15mPa未満(S64のN)の場合、CPU37は冷媒回路38の電磁開閉弁3を開き、圧縮機2からの冷媒を凝縮器36に流して高圧圧力HPを低下させる(S66)。その後、高圧圧力HPが2.8mPaを下回るのを待ち(S67、S68のN)、高圧圧力HPが2.8mPaを下回ったのちに(S68のY)、電磁開閉弁3を閉じて(S69)、通常の加熱運転に戻す(S70)。
すなわち、CPU37の加熱運転手段55は、冷媒回路38の電磁開閉弁3を閉じて圧縮機2からの冷媒をバイパス回路13から冷却器7に流す。そして、第2高圧圧力調整手段56は、加熱運転手段55による加熱運転中に、高圧圧力センサ10により検出された高圧圧力HPが、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値(この例では4.15mPa)よりも低い第2所定高圧圧力値(この例では3.8mPa)以上になったとき、第2所定高圧圧力値よりも低く設定された第3所定高圧圧力値(この例では2.8mPa)を下回るまで、冷媒回路38の電磁開閉弁3を開き、圧縮機2からの冷媒を凝縮器36に流して運転するのである。
このように制御することにより、加熱運転時に圧縮機2吐出側の高圧圧力HPが上昇し異常停止用の第1所定高圧圧力値に近づいたときに、一時的に冷媒回路38の電磁開閉弁3を開いて運転するので、高圧圧力HPを下げたり、少なくともそのときの圧力値に留めたりすることができる。これにより、冷媒回路38の異常停止を回避して運転を引き延ばすことが可能となる。
尚、上記の実施形態では、負荷側機器である精密工作機械35にチラー1を接続した例を示したが、本発明のチラーはそれに限定されるものでなく、精密工作機械35以外に、例えば分析装置、レーザ加工機、成型機、露光機、エッチング装置などの工業分野、あるいは食品製造分野、医療分野などの装置にも適用可能である。
1 チラー
2 圧縮機
3 電磁開閉弁
4 タンク
6 リニア膨張弁
7 冷却器
7A 冷媒流路
7B ブライン流路
9 冷媒配管
10 高圧圧力センサ
13 バイパス回路
14 キャピラリ
17 低圧圧力センサ
18 水配管
20 ポンプ
21 出側水温センサ
31 接続水配管
32 接続水配管
33 負荷側熱交換器
35 精密工作機械
36 凝縮器
37 CPU
38 冷媒回路
39 ブライン回路
40 吸入冷媒温度センサ(冷却器出側冷媒温度センサ)
41 吐出冷媒温度センサ
44 インバータ装置
45 モータ
48 第1高圧圧力調整手段
49 吐出冷媒温度調整手段
50 冷却器出側冷媒温度調整手
54 第2低圧圧力調整手段
55 加熱運転手段
56 第2高圧圧力調整手段
57 通常運転手段
M メモリ
W 水
DT 吐出冷媒温度
HP 高圧圧力
LP 低圧圧力
SH 過熱度
Ts 吸入冷媒温度(冷却器出側温度)
Te 冷媒飽和温度
VO 弁開度

Claims (3)

  1. 吐出容量可変の圧縮機、電磁開閉弁、凝縮器、弁開度可変の膨張弁、および冷却器の冷媒流路を順次環状に連結して構成される冷媒回路と、冷却器内で冷媒流路との間で熱交換するブライン流路、タンク、ポンプ、および外部の負荷側熱交換器を順次環状に連結して構成されるブライン回路と、冷媒回路における圧縮機吐出側の圧力を検出する高圧圧力センサと、冷媒回路における圧縮機吐出側の温度を検出する吐出冷媒温度センサと、冷媒回路における冷却器出側の温度を検出する冷却器出側冷媒温度センサと、を有するチラーにおいて、
    高圧圧力センサにより検出された圧縮機吐出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値を下回るまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する第1高圧圧力調整手段と、
    吐出冷媒温度センサにより検出された圧縮機吐出側温度が、予め設定されている所定吐出冷媒温度値を上回ったとき、所定吐出冷媒温度値以下になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する吐出冷媒温度調整手段と、
    冷却器出側冷媒温度センサにより検出された冷却器出側温度が、予め設定されている異常停止のための第1所定冷媒温度値よりも高い第2所定冷媒温度値を下回ったとき、前記第2所定冷媒温度値以上になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する冷却器出側冷媒温度調整手段と、
    を具備して成り、更に、
    冷媒回路における圧縮機吸入側の圧力を検出する低圧圧力センサと、
    低圧圧力センサにより検出された圧縮機吸入側圧力が、予め設定されている第2所定低圧圧力値を下回ったとき、第2所定低圧圧力値以上になるまで圧縮機の吐出容量を第1所定容量ずつ下げて運転し、検出された圧縮機吸入側圧力が第2所定低圧圧力値以上になったとき、圧縮機の吐出容量を第1所定容量よりも小さな第2所定容量ずつ下げて、第2所定低圧圧力値よりも大きな第3所定低圧圧力値以上になるまで運転する第2低圧圧力調整手段と、を備えていることを特徴とするチラー。
  2. 吐出容量可変の圧縮機、電磁開閉弁、凝縮器、弁開度可変の膨張弁、および冷却器の冷媒流路を順次環状に連結して構成される冷媒回路と、冷却器内で冷媒流路との間で熱交換するブライン流路、タンク、ポンプ、および外部の負荷側熱交換器を順次環状に連結して構成されるブライン回路と、冷媒回路における圧縮機吐出側の圧力を検出する高圧圧力センサと、冷媒回路における圧縮機吐出側の温度を検出する吐出冷媒温度センサと、冷媒回路における冷却器出側の温度を検出する冷却器出側冷媒温度センサと、を有するチラーにおいて、
    高圧圧力センサにより検出された圧縮機吐出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値を下回るまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する第1高圧圧力調整手段と、
    吐出冷媒温度センサにより検出された圧縮機吐出側温度が、予め設定されている所定吐出冷媒温度値を上回ったとき、所定吐出冷媒温度値以下になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する吐出冷媒温度調整手段と、
    冷却器出側冷媒温度センサにより検出された冷却器出側温度が、予め設定されている異常停止のための第1所定冷媒温度値よりも高い第2所定冷媒温度値を下回ったとき、前記第2所定冷媒温度値以上になるまで圧縮機の吐出容量を徐々に下げて運転する冷却器出側冷媒温度調整手段と、
    を具備して成り、更に、
    冷媒回路における圧縮機と電磁開閉弁の間から分岐し膨張弁と冷却器の間に合流するように接続されてキャピラリを有するバイパス回路と、
    冷媒回路の電磁開閉弁を閉じて圧縮機からの冷媒をバイパス回路を経て冷却器に流す加熱運転手段と、
    加熱運転手段による加熱運転中に、高圧圧力センサにより検出された圧縮機出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値よりも低く設定された第3所定高圧圧力値を下回るまで冷媒回路の電磁開閉弁を開いて運転する第2高圧圧力調整手段と、を備えていることを特徴とするチラー。
  3. 冷媒回路における圧縮機と電磁開閉弁の間から分岐し膨張弁と冷却器の間に合流するように接続されてキャピラリを有するバイパス回路と、
    冷媒回路の電磁開閉弁を閉じて圧縮機からの冷媒をバイパス回路を経て冷却器に流す加熱運転手段と、
    加熱運転手段による加熱運転中に、高圧圧力センサにより検出された圧縮機出側圧力が、予め設定されている異常停止のための第1所定高圧圧力値よりも低い第2所定高圧圧力値以上になったとき、第2所定高圧圧力値よりも低く設定された第3所定高圧圧力値を下回るまで冷媒回路の電磁開閉弁を開いて運転する第2高圧圧力調整手段と、を備えていることを特徴とする請求項1に記載のチラー。
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