JP5603991B1 - プラズモンジェネレータの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】信頼性の高いプラズモンジェネレータを製造する。
【解決手段】プラズモンジェネレータの製造方法は、金属多結晶体よりなり、後にプラズモンジェネレータとなるプラズモンジェネレータ予定部を含む初期膜501を形成する工程と、少なくともプラズモンジェネレータ予定部において、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜501を加熱する工程と、初期膜501の加熱を停止する工程と、加熱を停止する工程の後で、初期膜501を加工してプラズモンジェネレータを形成する工程とを備えている。プラズモンジェネレータを形成する工程は、プラズモンジェネレータ予定部に、近接場光を発生する前端面を形成する工程を含む。
【選択図】図9

Description

本発明は、記録媒体に近接場光を照射して記録媒体の保磁力を低下させて情報の記録を行う熱アシスト磁気記録に用いられるプラズモンジェネレータの製造方法に関する。
近年、磁気ディスク装置等の磁気記録装置では、高記録密度化に伴い、薄膜磁気ヘッドおよび記録媒体の性能向上が要求されている。薄膜磁気ヘッドとしては、基板に対して、読み出し用の磁気抵抗効果素子(以下、MR(Magnetoresistive)素子とも記す。)を有する再生ヘッド部と書き込み用の誘導型電磁変換素子を有する記録ヘッド部とを積層した構造の複合型薄膜磁気ヘッドが広く用いられている。磁気ディスク装置において、薄膜磁気ヘッドは、磁気記録媒体の表面からわずかに浮上するスライダに設けられる。
磁気記録装置において、記録密度を高めるためには、記録媒体の磁性微粒子を小さくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子を小さくすると、磁性微粒子の磁化の熱安定性が低下するという問題が発生する。この問題を解消するには、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすることが効果的である。しかし、磁性微粒子の異方性エネルギーを大きくすると、記録媒体の保磁力が大きくなって、既存の磁気ヘッドでは情報の記録が困難になるという問題が発生する。
上述のような問題を解決する方法として、いわゆる熱アシスト磁気記録という方法が提案されている。この方法では、保磁力の大きな記録媒体を使用し、情報の記録時には、記録媒体のうち情報が記録される部分に対して記録磁界と同時に熱も加えて、その部分の温度を上昇させ保磁力を低下させて情報の記録を行う。情報が記録された部分は、その後、温度が低下して保磁力が大きくなり、磁化の熱安定性が高まる。以下、熱アシスト磁気記録に用いられる磁気ヘッドを、熱アシスト磁気記録ヘッドと呼ぶ。
熱アシスト磁気記録では、記録媒体に対して熱を加える方法としては、近接場光を用いる方法が一般的である。近接場光を発生させる方法としては、レーザ光によって励起されたプラズモンから近接場光を発生する金属片であるプラズモンジェネレータを用いる方法が知られている。また、一般的に、近接場光の発生に利用されるレーザ光は、スライダに設けられた導波路によって、スライダの媒体対向面の近傍に設けられたプラズモンジェネレータに導かれる。
プラズモンジェネレータは、媒体対向面に配置された前端面を有している。この前端面は、近接場光を発生する。プラズモンジェネレータに励起された表面プラズモンは、プラズモンジェネレータの表面に沿って前端面に伝播される。その結果、前端面において表面プラズモンが集中し、この表面プラズモンに基づいて前端面より近接場光が発生される。
特許文献1には、導波路の表面と金属構造体(プラズモンジェネレータ)の表面とをギャップを介して対向させ、導波路を伝播する光に基づいて導波路の表面で発生するエバネッセント光を用いて、金属構造体に表面プラズモンを励起させ、この表面プラズモンに基づいて近接場光を発生させる技術が開示されている。
特開2011−146097号公報
導波路によってプラズモンジェネレータに導かれた光のエネルギーの一部は、プラズモンジェネレータにおいて熱に変換される。プラズモンジェネレータが発生する近接場光のエネルギーの一部も、プラズモンジェネレータにおいて熱に変換される。これらのことから、熱アシスト磁気記録ヘッドの動作中に、プラズモンジェネレータの温度が上昇する。プラズモンジェネレータは、一般的に、Au、Ag等の電気伝導率の大きな金属の多結晶体によって構成されている。このようなプラズモンジェネレータが高温になると、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒の凝集と成長が生じ、それに伴い、プラズモンジェネレータが変形するおそれがある。このプラズモンジェネレータの変形は、例えば、プラズモンジェネレータの前端面が、媒体対向面の他の部分に比べて大きく窪むように生じる。このようにプラズモンジェネレータが変形すると、プラズモンジェネレータが所望の加熱能力を発揮できなくなる。以上のことから、従来のプラズモンジェネレータでは、信頼性が低いという問題点があった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、信頼性の高いプラズモンジェネレータを製造できるようにしたプラズモンジェネレータの製造方法、ならびに、それぞれ信頼性の高いプラズモンジェネレータを有する複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
本発明の製造方法によって製造されるプラズモンジェネレータは、表面プラズモンが励起されるプラズモン励起部と、表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する前端面とを有している。本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、金属多結晶体よりなり、後にプラズモンジェネレータとなるプラズモンジェネレータ予定部を含む初期膜を形成する工程と、少なくともプラズモンジェネレータ予定部において、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜を加熱する工程と、初期膜の加熱を停止する工程と、加熱を停止する工程の後で、初期膜を加工してプラズモンジェネレータを形成する工程とを備えている。プラズモンジェネレータを形成する工程は、プラズモンジェネレータ予定部に前端面を形成する工程を含んでいる。
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法において、初期膜を加熱する工程では、加熱用光を初期膜に照射してもよい。
また、本発明のプラズモンジェネレータの製造方法は、更に、初期膜を形成する工程と初期膜を加熱する工程の間で、初期膜の上に、加熱用光に対する反射率が初期膜よりも小さい反射防止膜を形成する工程を備えていてもよい。この場合、初期膜を加熱する工程では、加熱用光を反射防止膜に照射してもよい。
本発明の製造方法によって製造される複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの各々は、上面を有する基板と、基板の上面の上方に配置された記録ヘッド部と、基板の上面と記録ヘッド部との間に配置された再生ヘッド部と、記録媒体に対向する媒体対向面とを備えている。記録ヘッド部は、情報を記録媒体に記録するための記録磁界を発生する主磁極と、光を伝播させるコアとクラッドとを有する導波路と、プラズモンジェネレータとを有している。プラズモンジェネレータは、コアを伝播する光に基づいて表面プラズモンが励起されるプラズモン励起部と、媒体対向面に配置されて表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する前端面とを有している。
本発明の複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、それぞれ後に複数の熱アシスト磁気記録ヘッドとなる複数のヘッド予定部が配列された基礎構造物を作製する工程と、基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離すると共に、複数のヘッド予定部の各々に媒体対向面を形成することによって、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備えている。基礎構造物を作製する工程は、金属多結晶体よりなり、後に複数の熱アシスト磁気記録ヘッドに対応する複数のプラズモンジェネレータとなる複数のプラズモンジェネレータ予定部を含む初期膜を形成する工程と、少なくとも複数のプラズモンジェネレータ予定部において、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜を加熱する工程と、初期膜の加熱を停止する工程とを含んでいる。複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程において、各プラズモンジェネレータ予定部に前端面が形成されて、複数のプラズモンジェネレータ予定部がそれぞれ複数のプラズモンジェネレータになる。
本発明の複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、初期膜を加熱する工程では、加熱用光を初期膜に照射してもよい。
また、本発明の複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、基礎構造物を作製する工程は、更に、初期膜を形成する工程と初期膜を加熱する工程の間で、初期膜の上に、加熱用光に対する反射率が初期膜よりも小さい反射防止膜を形成する工程を含んでいてもよい。この場合、初期膜を加熱する工程では、加熱用光を反射防止膜に照射してもよい。
また、本発明の複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法において、初期膜を加熱する工程では、複数のプラズモンジェネレータ予定部を順次加熱してもよいし、複数のプラズモンジェネレータ予定部を一括して加熱してもよい。
また、本発明の複数の熱アシスト磁気記録ヘッドにおいて、コアは、コアを伝播する光に基づいてエバネッセント光を発生するエバネッセント光発生面を有し、クラッドは、エバネッセント光発生面とプラズモン励起部との間に介在する介在部を有していてもよい。プラズモン励起部において、表面プラズモンは、エバネッセント光発生面より発生されるエバネッセント光と結合することによって励起される。
本発明のプラズモンジェネレータの製造方法および複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法では、プラズモンジェネレータの前端面を形成する前に、少なくともプラズモンジェネレータ予定部において、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜を加熱する。これにより、プラズモンジェネレータの使用時における複数の結晶粒の成長、およびそれに伴うプラズモンジェネレータの変形が抑制される。従って、本発明によれば、信頼性の高いプラズモンジェネレータ、ならびに、それぞれ信頼性の高いプラズモンジェネレータを有する複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを製造することが可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 図4Aないし図4Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図4Aないし図4Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図4Aないし図4Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図5Aないし図5Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図5Aないし図5Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図5Aないし図5Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図6Aないし図6Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図6Aないし図6Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図6Aないし図6Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図7Aないし図7Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図7Aないし図7Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 図7Aないし図7Cに示した工程に続く工程を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における加熱工程を示す説明図である。 プラズモンジェネレータに使用され得る材料の反射率を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における加熱工程を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における一工程を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法における加熱工程を示す説明図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図2および図3を参照して、本発明の第1の実施の形態における熱アシスト磁気記録ヘッドの構成について説明する。図2は、熱アシスト磁気記録ヘッドの構成を示す断面図である。図3は、熱アシスト磁気記録ヘッドの媒体対向面を示す正面図である。
本実施の形態に係る熱アシスト磁気記録ヘッドは、垂直磁気記録用であり、回転する記録媒体の表面から浮上するスライダの形態を有している。記録媒体が回転すると、記録媒体とスライダとの間を通過する空気流によって、スライダに揚力が生じる。スライダは、この揚力によって記録媒体の表面から浮上するようになっている。
図2に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、記録媒体80に対向する媒体対向面40を備えている。ここで、X方向、Y方向、Z方向を以下のように定義する。X方向は、記録媒体80のトラック横断方向すなわちトラック幅方向である。Y方向は、媒体対向面40に垂直な方向である。Z方向は、スライダから見た記録媒体80の進行方向である。X方向、Y方向、Z方向は互いに直交している。
図2および図3に示したように、熱アシスト磁気記録ヘッドは、アルミニウムオキサイド・チタニウムカーバイド(Al23・TiC)等のセラミック材料よりなり、上面1aを有する基板1と、この基板1の上面1a上に配置された絶縁材料よりなる絶縁層2と、この絶縁層2の上に配置された磁性材料よりなる下部シールド層3と、絶縁層2の上において下部シールド層3の周囲に配置された絶縁層4とを備えている。絶縁層2,4は、例えばアルミナ(Al23)によって形成されている。Z方向は、基板1の上面1aに垂直な方向でもある。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、下部シールド層3の上に配置された再生素子としてのMR(磁気抵抗効果)素子5と、下部シールド層3および絶縁層4の上においてMR素子5の周囲に配置された絶縁層6と、MR素子5および絶縁層6の上に配置された磁性材料よりなる上部シールド層7と、絶縁層6の上において上部シールド層7の周囲に配置された絶縁層8とを備えている。絶縁層6,8は、例えばアルミナによって形成されている。下部シールド層3から上部シールド層7までの部分は、再生ヘッド部を構成する。
MR素子5の一端部は、媒体対向面40に配置されている。MR素子5には、GMR(巨大磁気抵抗効果)素子またはTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子等の磁気抵抗効果を示す感磁膜を用いた素子を用いることができる。GMR素子およびTMR素子は、一般的には、自由層と、固定層と、これらの間に配置されたスペーサ層と、固定層におけるスペーサ層とは反対側に配置された反強磁性層とを有している。自由層は、信号磁界に応じて磁化の方向が変化する強磁性層である。固定層は、磁化の方向が固定された強磁性層である。反強磁性層は、固定層との交換結合により、固定層における磁化の方向を固定する層である。スペーサ層は、GMR素子においては非磁性導電層であり、TMR素子においてはトンネルバリア層である。
GMR素子としては、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ平行な方向に流すCIP(Current In Plane)タイプでもよいし、磁気的信号検出用の電流を、GMR素子を構成する各層の面に対してほぼ垂直な方向に流すCPP(Current Perpendicular to Plane)タイプでもよい。MR素子5がTMR素子またはCPPタイプのGMR素子の場合には、下部シールド層3と上部シールド層7は、センス電流をMR素子5に流すための電極を兼ねていてもよい。MR素子5がCIPタイプのGMR素子の場合には、MR素子5と下部シールド層3の間と、MR素子5と上部シールド層7の間に、それぞれ絶縁膜が設けられ、これらの絶縁膜の間に、センス電流をMR素子5に流すための2つのリードが設けられる。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、非磁性材料よりなり、上部シールド層7および絶縁層8の上に配置された非磁性層10と、非磁性層10の上に配置された磁性材料よりなるリターン磁極層11と、非磁性層10の上においてリターン磁極層11の周囲に配置された絶縁層12とを備えている。リターン磁極層11は、媒体対向面40に配置された端面を有している。非磁性層10および絶縁層12は、例えばアルミナによって形成されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、媒体対向面40から離れた位置においてリターン磁極層11の一部の上に配置された2つの連結部13A,13Bと、リターン磁極層11の他の部分および絶縁層12の上に配置された絶縁層14と、この絶縁層14の上に配置されたコイル15とを備えている。連結部13A,13Bは、磁性材料によって形成されている。連結部13A,13Bは、それぞれ、リターン磁極層11の上に配置された第1層と、この第1層の上に順に配置された第2層、第3層および第4層とを有している。連結部13Aの第1層と連結部13Bの第1層は、トラック幅方向(X方向)に並ぶように配置されている。コイル15は、平面渦巻き形状をなし、連結部13A,13Bの第1層を中心として巻回されている。コイル15は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層14は、例えばアルミナによって形成されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コイル15の巻線間に配置された絶縁層16と、コイル15の周囲に配置された絶縁層17と、コイル15および絶縁層16,17の上に配置された絶縁層18とを備えている。絶縁層16は、例えばフォトレジストによって形成されている。絶縁層17,18は、例えばアルミナによって形成されている。連結部13A,13Bの第1層は、絶縁層14,17に埋め込まれている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有する導波路を備えている。コア20は、媒体対向面40により近い端面20aと、下面20bと、上面であるエバネッセント光発生面20cと、下面20bとエバネッセント光発生面20cとを接続する2つの側面とを有している。端面20aは、媒体対向面40に配置されていてもよいし、媒体対向面40から離れた位置に配置されていてもよい。図2および図3には、端面20aが媒体対向面40に配置された例を示している。
クラッドは、クラッド層19,21,22を含んでいる。クラッド層19は、絶縁層18の上に配置されている。コア20は、クラッド層19の上に配置されている。クラッド層21は、クラッド層19の上においてコア20の周囲に配置されている。コア20のエバネッセント光発生面20cおよびクラッド層21の上面は平坦化されている。クラッド層22は、エバネッセント光発生面20cおよびクラッド層21の上面の上に配置されている。
コア20は、近接場光の発生に用いられるレーザ光を通過させる誘電体材料によって形成されている。コア20には、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光が入射され、このレーザ光はコア20内を伝播する。クラッド層19,21,22は、コア20の屈折率よりも小さい屈折率を有する誘電体材料によって形成されている。コア20の材料としては、例えば、Ta等の酸化タンタル、SiONまたは酸化ニオブが用いられる。クラッド層19,21,22の材料としては、例えばアルミナやSiOが用いられる。
連結部13A,13Bの第2層は、絶縁層18およびクラッド層19に埋め込まれている。連結部13A,13Bの第3層は、クラッド層21に埋め込まれている。連結部13Aの第3層と連結部13Bの第3層は、コア20のトラック幅方向(X方向)の両側において、コア20に対して間隔をあけて配置されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、プラズモンジェネレータ50を備えている。プラズモンジェネレータ50は、コア20のエバネッセント光発生面20cとの間にクラッド層22の一部が介在するように、クラッド層22の上に配置されている。プラズモンジェネレータ50は、金属によって形成されている。具体的には、プラズモンジェネレータ50は、例えば、Au、Ag、Al、Cu、Pd、Pt、Rh、Irのいずれか、またはこれらのうちの複数の元素よりなる合金によって形成されている。プラズモンジェネレータ50の形状については、後で詳しく説明する。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、クラッド層22の上においてプラズモンジェネレータ50の周囲に配置された誘電体層23と、プラズモンジェネレータ50の一部と誘電体層23を覆うように配置された誘電体層24と、プラズモンジェネレータ50および誘電体層24の上に配置された誘電体層25とを備えている。誘電体層24の厚み(Z方向の寸法)は、媒体対向面40から離れた位置且つプラズモンジェネレータ50の上において、媒体対向面40から離れるに従って、徐々に大きくなった後、一定の大きさになっている。誘電体層23〜25は、例えばアルミナによって形成されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、コア20との間にプラズモンジェネレータ50を挟む位置に配置された磁性材料よりなる主磁極26と、主磁極26の周囲に配置された誘電体層27とを備えている。主磁極26は、プラズモンジェネレータ50の上面と、誘電体層24の前記端面と、誘電体層24の上面のそれぞれの一部の上方に位置するように、誘電体層25の上に配置されている。主磁極26は、媒体対向面40に配置された前端面と、下面と、上面とを有している。連結部13A,13Bの第4層は、クラッド層22および誘電体層23〜25,27に埋め込まれている。主磁極26、誘電体層27および連結部13A,13Bの第4層の上面は平坦化されている。誘電体層27は、例えばSiOによって形成されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、誘電体層27の上に配置されたコイル28と、コイル28を覆うように配置された絶縁層29と、主磁極26、連結部13A,13B、誘電体層27および絶縁層29の上に配置された磁性材料よりなるヨーク層30とを備えている。ヨーク層30は、主磁極26と連結部13A,13Bを磁気的に連結している。コイル28は、平面渦巻き形状をなし、ヨーク層30のうち連結部13A,13Bの上に配置された部分を中心として巻回されている。コイル28は、銅等の導電材料によって形成されている。絶縁層29は、例えばフォトレジストによって形成されている。
熱アシスト磁気記録ヘッドは、更に、ヨーク層30を覆うように配置された保護層31を備えている。保護層31は、例えばアルミナによって形成されている。
リターン磁極層11からヨーク層30までの部分は、記録ヘッド部を構成する。コイル15,28は、記録媒体80に記録する情報に応じた磁界を発生する。リターン磁極層11、連結部13A,13B、ヨーク層30および主磁極26は、コイル15,28が発生する磁界に対応した磁束を通過させる磁路を形成する。コイル15,28は、主磁極26において、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束が同じ方向に流れるように、直列または並列に接続されている。主磁極26は、コイル15によって発生された磁界に対応する磁束とコイル28によって発生された磁界に対応する磁束とを通過させて、垂直磁気記録方式によって情報を記録媒体80に記録するための記録磁界を発生する。
以上説明したように、本実施の形態に係る熱アシスト磁気記録ヘッドは、上面1aを有する基板1と、基板1の上面1aの上方に配置された記録ヘッド部と、基板1の上面1aと記録ヘッド部との間に配置された再生ヘッド部と、記録媒体80に対向する媒体対向面40とを備えている。記録ヘッド部は、再生ヘッド部に対して、記録媒体80の進行方向(Z方向)の前側(トレーリング側)に配置されている。
記録ヘッド部は、コイル15,28と、主磁極26と、導波路と、プラズモンジェネレータ50とを有している。導波路は、光を伝播させるコア20と、コア20の周囲に配置されたクラッドとを有している。本実施の形態では、特に、コア20は、図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光を伝播させる。クラッドは、クラッド層19,21,22を含んでいる。
次に、図1を参照して、プラズモンジェネレータ50の形状について詳しく説明する。図1は、熱アシスト磁気記録ヘッドの要部を示す斜視図である。図1に示したように、プラズモンジェネレータ50は、下面であるプラズモン励起部50aと、上面50bと、2つの側面50c,50dと、前端面50eと、後端面50fとを有している。前端面50eは、媒体対向面40に配置され、プラズモン励起部50a、上面50bおよび2つの側面50c,50dを連結している。前端面50eは、後で説明する原理によって近接場光を発生する。媒体対向面40に平行なプラズモンジェネレータ50の断面の形状は、例えば矩形である。プラズモンジェネレータ50の厚み(Z方向の寸法)は、媒体対向面40からの距離によらずにほぼ一定である。
また、図1に示したように、プラズモンジェネレータ50は、媒体対向面40の近傍に配置された細幅部51と、この細幅部51よりも媒体対向面40から遠い位置に配置された幅広部52とを備えている。媒体対向面40およびコア20のエバネッセント光発生面20cに平行な方向(X方向)についての細幅部51の幅は、媒体対向面40からの距離によらずに一定であってもよいし、媒体対向面40に近づくに従って小さくなっていてもよい。幅広部52は、細幅部51に対して前端面50eとは反対側に位置して細幅部51に連結されている。幅広部52のトラック幅方向(X方向)の幅は、細幅部51との境界の位置では細幅部51と等しく、それ以外の位置では細幅部51よりも大きくなっている。
プラズモン励起部50aは、エバネッセント光発生面20cに対して所定の間隔をもって対向している。クラッド層22は、エバネッセント光発生面20cとプラズモン励起部50aとの間に介在する介在部22aを含んでいる。クラッド層22はクラッドの一部であることから、クラッドが介在部22aを含んでいるとも言える。
次に、本実施の形態における近接場光発生の原理と、近接場光を用いた熱アシスト磁気記録の原理について詳しく説明する。図示しないレーザダイオードから出射されたレーザ光はコア20に入射される。図2に示したように、レーザ光60は、コア20内を媒体対向面40に向けて伝播して、プラズモンジェネレータ50の近傍に達する。コア20のエバネッセント光発生面20cは、コア20を伝播するレーザ光60に基づいてエバネッセント光を発生する。すなわち、エバネッセント光発生面20cにおいてレーザ光60が全反射することによって、エバネッセント光発生面20cは、介在部22aにしみ出すエバネッセント光を発生する。プラズモンジェネレータ50では、プラズモン励起部50aにおいて、上記エバネッセント光と結合することによって表面プラズモンが励起され、この表面プラズモンが前端面50eに伝播され、この表面プラズモンに基づいて前端面50eが近接場光を発生する。
前端面50eより発生された近接場光は、記録媒体80に向けて照射され、記録媒体80の表面に達し、記録媒体80の磁気記録層の一部を加熱する。これにより、その磁気記録層の一部の保磁力が低下する。熱アシスト磁気記録では、このようにして保磁力が低下した磁気記録層の一部に対して、主磁極26より発生される記録磁界を印加することによってデータの記録が行われる。
本実施の形態では、プラズモンジェネレータ50は、細幅部51と幅広部52とを有している。本実施の形態によれば、幅広部52が設けられていない場合に比べて、プラズモン励起部50aの面積を大きくして、より多くの表面プラズモンを励起させることができる。これにより、本実施の形態によれば、十分な強度の近接場光を発生させることが可能になる。
次に、本実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。以下の説明は、本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法の説明を含んでいる。本実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、それぞれ後に複数の熱アシスト磁気記録ヘッドとなる複数のヘッド予定部が配列された基礎構造物を作製する工程と、基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離すると共に、複数のヘッド予定部の各々に媒体対向面40を形成することによって、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備えている。基礎構造物を作製する工程では、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1となる部分を含むウェハ上に、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの基板1以外の構成要素を形成する。
以下、図4Aないし図7C、図9を参照して、基礎構造物を作製する工程について詳しく説明する。図4Aないし図7Cは、基礎構造物を作製する過程における積層体の一部、すなわち1つのヘッド予定部に対応する部分を示している。図4Aないし図7Aならびに図4Bないし図7Bは、積層体の一部を示す断面図である。図4Cないし図7Cは、積層体の一部を示す平面図である。図9は、加熱工程を示す説明図である。図4Aないし図7Aは、それぞれ、主磁極26の前端面と交差し、媒体対向面40および基板1の上面1aに垂直な断面を示している。図4Bないし図7Bは、それぞれ、積層体の一部における媒体対向面40が形成される予定の位置の断面を示している。図4Aないし図7Aならびに図4Cないし図7Cにおいて、記号“ABS”は、媒体対向面40が形成される予定の位置を表している。図4Aないし図7Cに関する各工程の説明は、1つのヘッド予定部に対応する部分に注目して行うが、実際には、上記各工程は、複数のヘッド予定部に対応する部分について同時に行われる。
図4Aないし図4Cに示したように、基礎構造物を作製する工程では、まず、基板1の上に絶縁層2を形成する。次に、絶縁層2の上に下部シールド層3を形成する。次に、下部シールド層3を覆うように絶縁層4を形成する。次に、例えば化学機械研磨(以下、CMPと記す。)によって、下部シールド層3が露出するまで絶縁層4を研磨する。次に、下部シールド層3および絶縁層4の上に、MR素子5および絶縁層6を形成する。次に、MR素子5および絶縁層6の上に上部シールド層7を形成する。次に、上部シールド層7を覆うように絶縁層8を形成する。次に、例えばCMPによって、上部シールド層7が露出するまで絶縁層8を研磨する。
次に、上部シールド層7および絶縁層8の上に非磁性層10を形成する。次に、非磁性層10の上にリターン磁極層11を形成する。次に、リターン磁極層11を覆うように絶縁層12を形成する。次に、例えばCMPによって、リターン磁極層11が露出するまで絶縁層12を研磨する。次に、リターン磁極層11および絶縁層12の上に、絶縁層14を形成する。
次に、絶縁層14を選択的にエッチングして、絶縁層14に、リターン磁極層11の上面を露出させる2つの開口部を形成する。次に、この2つの開口部の位置で、リターン磁極層11の上に、連結部13A,13B(図2参照)のそれぞれの第1層を形成する。次に、絶縁層14の上にコイル15を形成する。次に、コイル15の巻線間に絶縁層16を形成する。次に、積層体の上面全体の上に、絶縁層17を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16が露出するまで絶縁層17を研磨して、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上面を平坦化する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層、コイル15および絶縁層16,17の上に、絶縁層18を形成する。
次に、絶縁層18を選択的にエッチングして、絶縁層18に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上面を露出させる2つの開口部を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第1層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を形成する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層を覆うようにクラッド層19を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層が露出するまでクラッド層19を研磨する。次に、連結部13A,13Bのそれぞれの第2層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層を形成する。
次に、クラッド層19の上にコア20を形成する。次に、クラッド層19およびコア20を覆うように、クラッド層21を形成する。次に、例えばCMPによって、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層およびコア20が露出するまでクラッド層21を研磨する。次に、コア20およびクラッド層21の上にクラッド層22を形成する。次に、クラッド層22の上に、金属多結晶体よりなる初期膜501を形成する。図4Cに示したように、1つのヘッド予定部に対応する部分において、初期膜501は、連続したプラズモンジェネレータ予定部50Pと除去予定部501Rとを含んでいる。プラズモンジェネレータ予定部50Pは、後にプラズモンジェネレータ50となる部分である。除去予定部501Rは、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程において除去される部分である。初期膜501全体は、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドに対応する複数のプラズモンジェネレータ50となる複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pと、複数の除去予定部501Rとを含んでいる。初期膜501の厚みは、例えば100μm程度である。
図5Aないし図5C、図9は、次の工程を示す。この工程では、まず、少なくとも複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜501を加熱する。この工程を加熱工程と呼ぶ。図5A、図5Bおよび図9において、実線の矢印は、加熱用光を表している。本実施の形態では、加熱用光は、初期膜501に直接照射される。加熱用光としては、例えばレーザ光が用いられる。加熱用光を照射するための照射装置は、例えば、レーザ光を出射するレーザ光源と、このレーザ光源から出射されたレーザ光を走査する走査装置とを含んでいる。
図9において、符号100Pは、基礎構造物を作製する過程における積層体を示している。この積層体100Pの上面には、初期膜501が露出している。図9において、点線で示した複数の領域50Qは、初期膜501のうち、加熱用光が照射されるべき最小限の領域を示している。複数の領域50Qは、それぞれ複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pを含んでいる。
本実施の形態では、複数の領域50Qに順次、加熱用光が照射されるように、加熱用光を走査しながら連続的に初期膜501に照射する。図9において、破線の矢印は、初期膜501上における加熱用光の経路を表している。これにより、初期膜501に含まれる複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pが順次加熱される。次に、初期膜501の加熱を停止する。
初期膜501のうち、少なくとも複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pは、加熱用光によって、例えば300℃以上になるように加熱される。これにより、初期膜501のうち、少なくとも複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長する。複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pにおける加熱後の金属多結晶体の結晶粒径は、加熱前に比べて、2倍以上であることが好ましく、4倍以上であることがより好ましい。
加熱用光によって初期膜501を効果的に加熱できるように、加熱用光の波長は、初期膜501(プラズモンジェネレータ50)を構成する材料に応じて、その材料における光の反射率が小さくなる波長の範囲内から選択することが好ましい。図10は、初期膜501(プラズモンジェネレータ50)に使用され得る材料であるAu、Ag、Alの反射率を示している。図10において、横軸は波長を示し、縦軸は反射率を示している。なお、図10に示した反射率は、屈折率と消衰係数を用いて計算によって求めたものである。図10に示したように、190〜500nmの波長の範囲内で、Auの反射率は小さくなる。そのため、初期膜501の材料がAuである場合には、加熱用光の波長は、190〜500nmの範囲内から選択することが好ましい。
初期膜501の材料がAuである場合における加熱工程の条件の一例を以下に示す。加熱用光は、波長が445nm、出力が7200mWのレーザ光とする。初期膜501上における加熱用光の走査速度は30mm/sとする。このような条件で初期膜501を加熱したところ、プラズモンジェネレータ予定部50Pの温度は500℃以上になった。また、プラズモンジェネレータ予定部50Pにおける金属多結晶体の結晶粒径は、加熱前が約80nmであったのに対し、加熱後は約390nmになった。
なお、後で詳しく説明するが、初期膜501の加熱に伴ってMR素子5の温度が上昇すると、MR素子5の特性が劣化するおそれがある。そこで、上記の条件で初期膜501を加熱した後に、疑似静的試験装置(Quasi Static Tester)を用いてMR素子5の特性(外部磁界に対するMR素子5の磁気抵抗の変化)を調べたところ、MR素子5の特性の劣化は見られなかった。
図6Aないし図6Cは、初期膜501の加熱を停止した後の工程を示す。この工程では、加熱後の初期膜501を選択的にエッチングして、複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pに対応する複数のパターン化膜502を形成する。複数のパターン化膜502の各々は、プラズモンジェネレータ予定部50Pおよび除去予定部501Rからなる。初期膜501のエッチングは、例えば、フォトリソグラフィを用いて形成したエッチングマスクを用いて、イオンビームエッチングによって行う。初期膜501のエッチング後、エッチングマスクは除去される。
図7Aないし図7Cは、次の工程を示す。この工程では、まず、クラッド層22およびパターン化膜502を覆うように、誘電体層23を形成する。次に、例えばCMPによって、パターン化膜502が露出するまで誘電体層23を研磨する。次に、パターン化膜502の一部および誘電体層23の上に誘電体層24を形成する。次に、パターン化膜502および誘電体層24の上に誘電体層25を形成する。次に、クラッド層22および誘電体層23〜25を選択的にエッチングして、クラッド層22および誘電体層23〜25に、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上面を露出させる開口部を形成する。次に、誘電体層25の上に主磁極26を形成し、連結部13A,13Bのそれぞれの第3層の上に、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を形成する。次に、主磁極26および連結部13A,13Bのそれぞれの第4層を覆うように誘電体層27を形成する。次に、例えばCMPによって、主磁極26および連結部13A,13Bのそれぞれの第4層が露出するまで誘電体層27を研磨する。
次に、誘電体層27の上にコイル28を形成する。次に、コイル28を覆うように絶縁層29を形成する。次に、主磁極26、連結部13A,13Bのそれぞれの第4層、誘電体層27および絶縁層29の上に、ヨーク層30を形成する。次に、ヨーク層30を覆うように保護層31を形成する。次に、保護層31の上面に配線や端子等を形成する。以上の一連の工程により、基礎構造物が完成する。
次に、図8Aないし図8Cを参照して、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程について説明する。図8Aないし図8Cは、基礎構造物に含まれる複数のヘッド予定部のうちの1つを示している。図8Aは、ヘッド予定部を示す断面図である。図8Bは、ヘッド予定部を示す正面図である。図8Cは、ヘッド予定部を示す平面図である。図8Aは、主磁極26の前端面と交差し、媒体対向面40および基板1の上面1aに垂直な断面を示している。図8Bは、媒体対向面40を示している。
複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程では、前述のように、基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離すると共に、複数のヘッド予定部の各々に媒体対向面40を形成することによって、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する。媒体対向面40の形成は、基礎構造物を切断することによって形成された面を研磨することによって行われる。この複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程において、複数のパターン化膜502から複数の除去予定部501Rが除去されると共に、複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pにそれぞれ前端面50eが形成されて、複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pがそれぞれ複数のプラズモンジェネレータ50になる。
以上説明したように、本実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法は、基礎構造物を作製する工程と、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備えている。基礎構造物を作製する工程は、金属多結晶体よりなり、複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pを含む初期膜501を形成する工程と、少なくとも複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜501を加熱する工程と、初期膜501の加熱を停止する工程とを含んでいる。複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程において、各プラズモンジェネレータ予定部50Pに前端面50eが形成されて、複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pがそれぞれ複数のプラズモンジェネレータ50になる。
本実施の形態に係るプラズモンジェネレータ50の製造方法は、金属多結晶体よりなり、プラズモンジェネレータ予定部50Pを含む初期膜501を形成する工程と、少なくともプラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜501を加熱する工程と、初期膜501の加熱を停止する工程と、加熱を停止する工程の後で、初期膜501を加工してプラズモンジェネレータ50を形成する工程とを備えている。プラズモンジェネレータ50を形成する工程は、プラズモンジェネレータ予定部50Pに前端面50eを形成する工程を含んでいる。プラズモンジェネレータ50を形成する工程は、図6Aないし図6Cに示した工程から、図8Aないし図8Cに示した工程までの一連の工程を含んでいる。
本実施の形態では、プラズモンジェネレータ50の前端面50eを形成する前に、少なくともプラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて初期膜501を加熱する。これにより、熱アシスト磁気記録ヘッドの使用時、すなわちプラズモンジェネレータ50の使用時における複数の結晶粒の成長、およびそれに伴うプラズモンジェネレータ50の変形が抑制される。
なお、前端面50eを形成した後にプラズモンジェネレータ50を加熱すると、プラズモンジェネレータ50が変形して、前端面50eの位置が変化するおそれがある。これに対し、本実施の形態では、初期膜501を加熱した後に、前端面50eを形成するため、加熱工程に起因して、プラズモンジェネレータ50の前端面50eの位置が変化することはない。
以上のことから、本実施の形態によれば、信頼性の高いプラズモンジェネレータ50、ならびに、それぞれ信頼性の高いプラズモンジェネレータ50を有する複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを製造することが可能になる。
また、本実施の形態によれば、MR素子5の特性が劣化することを防止しながら、初期膜501を加熱することができる。以下、これについて、比較例の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法と比較しながら説明する。比較例の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法では、初期膜501を加熱するために、初期膜501を形成した後の積層体100P全体を、加熱炉を用いて加熱する点が、本実施の形態に係る複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法と異なっている。
積層体100Pの全体が加熱されると、積層体100Pに含まれるMR素子5も加熱される。前述のように、MR素子5として用いられるGMR素子およびTMR素子は、固定層との交換結合により、固定層における磁化の方向を固定する反強磁性層を有している。反強磁性層がブロッキング温度以上に加熱されると、反強磁性層と固定層との間の交換結合力が失われ、その結果、固定層の磁化の方向が所定の方向以外の方向に変化してしまうおそれがある。そうすると、MR素子5の特性が劣化する。そのため、比較例では、反強磁性層がブロッキング温度以上に加熱されないように、例えば200℃〜250℃の範囲内の温度で積層体100Pを加熱する必要がある。しかし、このような温度での加熱では、プラズモンジェネレータ予定部50Pにおいて、金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が十分に成長しない。この場合には、熱アシスト磁気記録ヘッドの使用時、すなわちプラズモンジェネレータ50の使用時に、プラズモンジェネレータ50である金属多結晶体を構成する複数の結晶粒の成長が生じて、プラズモンジェネレータ50が変形するおそれがある。
これに対し、本実施の形態では、加熱用光を初期膜501に直接照射することによって、初期膜501を加熱する。この場合、加熱用光は、全くあるいはほとんどMR素子5には到達しない。初期膜501が加熱されると、初期膜501とMR素子5との間の複数の層を介して、初期膜501からMR素子5へ熱が伝達され得る。しかし、加熱用光の照射時間を短くする等、加熱工程の条件を適切に設定することにより、反強磁性層がブロッキング温度以上に加熱されないように、上記熱を放散させることができる。これらのことから、本実施の形態によれば、MR素子5の特性が劣化することを防止しながら、初期膜501を十分に加熱することができる。
[第2の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るプラズモンジェネレータの製造方法ならびに複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。図11は、本実施の形態における加熱工程を示す説明図である。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、加熱工程において、初期膜501の複数の領域50Qに順次、加熱用光が照射されるように、加熱用光を走査しながら初期膜501に照射する。ただし、本実施の形態では、加熱用光が、初期膜501における複数の領域50Qには照射され、他の領域には照射されないように、加熱用光を間欠的に初期膜501に照射する。本実施の形態における加熱工程の制御は、例えばコンピュータを用いて、照射装置を制御することによって実現することができる。
本実施の形態によれば、加熱用光を複数の領域50Qにのみ照射するため、第1の実施の形態に比べて、加熱工程の時間を短縮することが可能になり、その結果、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの生産性を向上させることが可能になる。また、本実施の形態によれば、第1の実施の形態に比べて、加熱用光によって初期膜501全体に与えられる熱量を少なくすることが可能になり、その結果、MR素子5の特性の劣化をより確実に防止することが可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態に係るプラズモンジェネレータの製造方法ならびに複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。本実施の形態では、加熱工程において、高出力の加熱用光を用いて、初期膜501の複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pを一括して加熱する。加熱工程では、MR素子5の特性が劣化することを防止しながら、初期膜501を十分に加熱することができるように、加熱用光の波長、出力、照射時間等の条件が最適化される。例えば、初期膜501の材料としてAuが用いられる場合には、第1の実施の形態と同様に、加熱用光の波長は、190〜500nmの範囲内から選択することが好ましい。この場合、加熱用光を照射するための照射装置としては、例えば、高出力のUVランプが用いることができる。加熱工程は、大気中で行われてもよいし、真空中で行われてもよい。
本実施の形態において、加熱用光に対する初期膜501の反射率が十分に小さくなるような初期膜501の材料と加熱用光の波長の組み合わせを実現できる場合には、加熱用光を初期膜501に直接照射してもよい。
あるいは、初期膜501の上に、加熱用光に対する反射率が初期膜501よりも小さい反射防止膜を形成し、加熱工程では、この反射防止膜に加熱用光を照射してもよい。以下、反射防止膜に加熱用光を照射する場合を例に取って、本実施の形態に係るプラズモンジェネレータの製造方法ならびに複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの製造方法について説明する。
図12Aないし図12Cおよび図13は、反射防止膜に加熱用光を照射する加熱工程を示している。図12Aないし図12Cは、基礎構造物を作製する過程における積層体の一部、すなわち1つのヘッド予定部に対応する部分を示している。図12Aおよび図12Bは、積層体の一部を示す断面図である。図12Aは、主磁極26の前端面と交差し、媒体対向面40および基板1の上面1aに垂直な断面を示している。図12Bは、積層体における媒体対向面40が形成される予定の位置の断面を示している。図12Cは、積層体の一部を示す平面図である。図12Aおよび図12Cにおいて、記号“ABS”は、積層体における媒体対向面40が形成される予定の位置を表している。図13は、加熱工程を示す説明図である。
本実施の形態では、初期膜501を形成する工程と加熱工程の間で、初期膜501の上に反射防止膜61を形成する。反射防止膜61の材料としては、例えば、C、SiC、FeOまたはSiが用いられる。図10には、一例として、Siの反射率を示している。
加熱工程では、反射防止膜61に加熱用光を照射する。図12A、図12Bおよび図13において、実線の矢印は、加熱用光を表している。反射防止膜61に照射された加熱用光の一部は反射防止膜61に吸収され、これにより、反射防止膜61において熱が発生する。この熱は初期膜501に伝わる。また、反射防止膜61に照射された加熱用光の他の一部は、反射防止膜61を透過して初期膜501に到達して、これにより、初期膜501において熱が発生する。これらの作用により、初期膜501が加熱される。
ここで、図10を参照して、初期膜501の材料と、反射防止膜61の材料と、加熱用光の波長の組み合わせの例について説明する。図10から理解されるように、初期膜501の材料としてAu、AgまたはAlが用いられる場合には、加熱用光に対するSiの反射率が初期膜501よりも小さくなる加熱用光の波長領域が存在する。従って、初期膜501の材料としてAu、AgまたはAlが用いられる場合には、加熱用光に対するSiの反射率が初期膜501よりも小さくなる加熱用光の波長を選択し、且つ反射防止膜61の材料としてSiを用いることができる。
なお、本実施の形態では、加熱工程の後で、反射防止膜61を除去してもよいし、除去しなくてもよい。
本実施の形態によれば、加熱用光を用いて、初期膜501の複数のプラズモンジェネレータ予定部50Pを一括して加熱するので、第1および第2の実施の形態に比べて、加熱工程の時間を短縮することが可能になり、その結果、複数の熱アシスト磁気記録ヘッドの生産性を向上させることが可能になる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明において、加熱前の初期膜は、例えば、図4Cに示したプラズモンジェネレータ予定部50Pと除去予定部501Rからなる部分を1つ以上有するように、パターニングされた膜であってもよい。この場合、加熱前の初期膜は、図6Aないし図6Cに示した工程と同様の方法でパターニングして形成してもよい。あるいは、予め誘電体層に形成された1つ以上の収容部内に初期膜の材料を埋め込む方法によって、加熱前の初期膜を形成してもよい。パターニングされた膜からなる初期膜は、各実施の形態における加熱工程と同様に、加熱用光によって加熱される。
また、請求の範囲の要件を満たす限り、コア20、プラズモンジェネレータ50および主磁極26の形状や配置は、第1の実施の形態に示した例に限られず、任意である。
50…プラズモンジェネレータ、50P…プラズモンジェネレータ予定部、501…初期膜。

Claims (9)

  1. 表面プラズモンが励起されるプラズモン励起部と、前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する前端面とを有するプラズモンジェネレータの製造方法であって、
    金属多結晶体よりなり、後に前記プラズモンジェネレータとなるプラズモンジェネレータ予定部を含む初期膜を形成する工程と、
    少なくとも前記プラズモンジェネレータ予定部において、前記金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて前記初期膜を加熱する工程と、
    前記初期膜の加熱を停止する工程と、
    前記加熱を停止する工程の後で、前記初期膜を加工して前記プラズモンジェネレータを形成する工程とを備え、
    前記プラズモンジェネレータを形成する工程は、前記プラズモンジェネレータ予定部に前記前端面を形成する工程を含むことを特徴とするプラズモンジェネレータの製造方法。
  2. 前記初期膜を加熱する工程では、前記加熱用光を前記初期膜に照射することを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 更に、前記初期膜を形成する工程と前記初期膜を加熱する工程の間で、前記初期膜の上に、前記加熱用光に対する反射率が前記初期膜よりも小さい反射防止膜を形成する工程を備え、
    前記初期膜を加熱する工程では、前記加熱用光を前記反射防止膜に照射することを特徴とする請求項1記載の方法。
  4. 複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを製造する方法であって、
    各熱アシスト磁気記録ヘッドは、上面を有する基板と、前記基板の上面の上方に配置された記録ヘッド部と、前記基板の上面と前記記録ヘッド部との間に配置された再生ヘッド部と、記録媒体に対向する媒体対向面とを備え、
    前記記録ヘッド部は、情報を前記記録媒体に記録するための記録磁界を発生する主磁極と、光を伝播させるコアとクラッドとを有する導波路と、プラズモンジェネレータとを有し、
    前記プラズモンジェネレータは、前記コアを伝播する光に基づいて表面プラズモンが励起されるプラズモン励起部と、前記媒体対向面に配置されて前記表面プラズモンに基づいて近接場光を発生する前端面とを有し、
    前記方法は、
    それぞれ後に前記複数の熱アシスト磁気記録ヘッドとなる複数のヘッド予定部が配列された基礎構造物を作製する工程と、
    前記基礎構造物を切断することによって複数のヘッド予定部を互いに分離すると共に、複数のヘッド予定部の各々に前記媒体対向面を形成することによって、前記複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程とを備え、
    前記基礎構造物を作製する工程は、
    金属多結晶体よりなり、後に前記複数の熱アシスト磁気記録ヘッドに対応する複数のプラズモンジェネレータとなる複数のプラズモンジェネレータ予定部を含む初期膜を形成する工程と、
    少なくとも前記複数のプラズモンジェネレータ予定部において、前記金属多結晶体を構成する複数の結晶粒が成長するように、加熱用光を用いて前記初期膜を加熱する工程と、
    前記初期膜の加熱を停止する工程とを含み、
    前記複数の熱アシスト磁気記録ヘッドを形成する工程において、各プラズモンジェネレータ予定部に前記前端面が形成されて、前記複数のプラズモンジェネレータ予定部がそれぞれ前記複数のプラズモンジェネレータになることを特徴とする方法。
  5. 前記初期膜を加熱する工程では、前記加熱用光を前記初期膜に照射することを特徴とする請求項4記載の方法。
  6. 前記基礎構造物を作製する工程は、更に、前記初期膜を形成する工程と前記初期膜を加熱する工程の間で、前記初期膜の上に、前記加熱用光に対する反射率が前記初期膜よりも小さい反射防止膜を形成する工程を含み、
    前記初期膜を加熱する工程では、前記加熱用光を前記反射防止膜に照射することを特徴とする請求項4記載の方法。
  7. 前記初期膜を加熱する工程では、複数のプラズモンジェネレータ予定部を順次加熱することを特徴とする請求項4記載の方法。
  8. 前記初期膜を加熱する工程では、複数のプラズモンジェネレータ予定部を一括して加熱することを特徴とする請求項4記載の方法。
  9. 前記コアは、コアを伝播する光に基づいてエバネッセント光を発生するエバネッセント光発生面を有し、
    前記クラッドは、前記エバネッセント光発生面と前記プラズモン励起部との間に介在する介在部を有し、
    前記プラズモン励起部において、前記表面プラズモンは、前記エバネッセント光発生面より発生される前記エバネッセント光と結合することによって励起されることを特徴とする請求項4記載の方法。
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