JP5603907B2 - リフレクトアレー - Google Patents

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開示される発明はリフレクトアレー等に関連する。
移動通信システムにおける伝搬環境又はエリアを改善するためにリフレクトアレーがしばしば使用される。リフレクトアレーは入射波を反射する際、鏡面反射方向だけでなく、所望方向にも反射させることができる。従来のリフレクトアレーについては特許文献1に記載されている。
特開2012-34331号公報
従来のリフレクトアレーの場合、入射波、鏡面反射波及び所望方向の反射波は同一平面内になければならず、入射波及び鏡面反射波により規定される面内の方向とは異なる任意の方向に入射波を反射させることはできない。このため、リフレクトアレーの設計の自由度が制限されてしまう。また、入射波、鏡面反射波及び所望方向の反射波の全てが同一平面内に存在するので、鏡面反射波に起因して所望方向の反射波が劣化してしまうことも懸念される。
入射波を任意の方向に反射させるには、x軸及びy軸の双方向に反射位相が変化している必要がある。従来のリフレクトアレーでは、x軸又はy軸の何れか一方の方向に整列する所定数個の素子全体による反射位相の合計が360度になるように設計されており、この構造ではx軸及びy軸の双方向に反射位相を変化させることはできない。
開示される発明の課題は、第1の方向からの入射波を任意の第2の方向に反射させることが可能なリフレクトアレーを提供することである。
開示される発明によるリフレクトアレーは、
x軸及びy軸方向に整列しかつ入射波を反射する複数の素子を有し、前記入射波を所望方向に反射するリフレクトアレーであって、
前記複数の素子のうち前記x軸方向に隣接する素子各々からの反射波の位相差(Δαx)と前記y軸方向に隣接する素子各々からの反射波の位相差(Δαy)との比率が所定値であり、前記Δαx及びΔαyが360度(2πラジアン)の整数倍の約数である、リフレクトアレーである。
開示される発明は第1の方向からの入射波を任意の第2の方向に反射させることが可能なリフレクトアレーを提供することができる。
リフレクトアレーの原理を説明するための説明図。 マッシュルーム構造により素子が形成されている様子を示す図。 素子の代替構造を例示する図。 リフレクトアレーの拡大平面図。 リフレクトアレーの平面図。 マッシュルーム構造による素子の等価回路図。 マッシュルーム構造による素子のパッチのサイズWxと反射位相との関係を示す図。 垂直制御が行われる場合のリフレクトアレーの平面図。 垂直制御用のパッチの一例を示す図。 垂直制御用のパッチの別の例を示す図。 垂直制御用のパッチの別の例を示す図。 リフレクトアレーの入射波と反射波の関係を一般的に示す図。 リフレクトアレーを構成する複数の素子各々の中心座標が(mΔx,nΔy,0)にある様子を示す図。 シミュレーションに使用されるリフレクトアレーの構造を示す図。 反射方向と位相差との間の関係を示す図。 リフレクトアレーを形成する個々の素子が実現する反射位相を示す図。 反射波のレベルを示す図。 リフレクトアレーの別の構造を示す図。 別の構造によるリフレクトアレーの平面図。 リフレクトアレーを形成する個々の素子が実現する反射位相を示す図。
添付図面を参照しながら以下の観点から実施形態を説明する。図中、同様な要素には同じ参照番号又は参照符号が付されている。
1.リフレクトアレー
2.二次元位相差制御
3.シミュレーション結果
これらの項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。
<1.リフレクトアレー>
まず、開示される発明で前提となるリフレクトアレーを説明する。図1は、リフレクトアレーの原理を説明するための説明図を示す。図示されているように、地板上に整列した複数の素子各々による反射波の位相が、隣接する素子同士の間で徐々に変化していたとする。図示の例の場合、隣接する素子各々による反射波の位相差は90度である。電波は等位相面(破線で示されている)に垂直な方向に進行するので、個々の素子からの反射位相を適切に調整しつつ、素子を二次元的に配置することでリフレクトアレーを形成し、入射波を所望の方向に反射させることができる。
図2は、リフレクトアレー用の素子として使用可能なマッシュルーム構造を示す。マッシュルーム構造は、接地プレート51と、ビア52と、パッチ53とを有する。接地プレート51は、多数のマッシュルーム構造に対して共通の電位を供給する導体である。Δx及びΔyは、隣接するマッシュルーム構造におけるビア間のx軸方向の間隔及びy軸方向の間隔をそれぞれ示す。Δx及びΔyは、マッシュルーム構造1つ分に対応する接地プレート51のサイズを表す。一般に、接地プレート51は多数のマッシュルーム構造が並んだアレイと同程度に大きい。ビア52は、接地プレート51とパッチ53とを電気的に短絡するために設けられる。パッチ53は、x軸方向にWxの長さを有し、y軸方向にWyの長さを有する。パッチ53は、接地プレート51に対して平行に距離tを隔てて設けられ、ビア52を介して接地プレート51に短絡される。図示の簡明化のため、図2ではマッシュルーム構造が2つしか示されていないが、リフレクトアレーには、このようなマッシュルーム構造がx軸及びy軸方向に多数設けられている。
図2に示す例の場合、リフレクトアレーを構成する個々の素子はマッシュルーム構造で構成されている。しかしながらこのことは実施の形態に必須ではない。電波を反射する任意の素子でリフレクトアレーが形成されてよい。例えば、正方形のパッチの代わりに、リング状の導電性パターン(図3(1))、十字型の導電性パターン(図3(2))、並列的な複数の導電性パターン(図3(3))等を有する素子が使用されてもよい。また、マッシュルーム構造において、パッチと接地プレートとを接続するビアがない構造(図3(4))が使用されてもよい。ただし、上記のように素子にマッシュルーム構造を採用することは、小さな反射素子を簡易に設計できる等の観点から好ましい。
図4は、図2に示されているようなリフレクトアレーの拡大平面図を示す。線pに沿って一列に並んだ4つのパッチ53と、その列に隣接して線qに沿って並んだ4つのパッチ43とが示されている。パッチの数は任意である。図5は図2及び図4に示すような素子がxy平面上に多数整列してリフレクトアレーを形成している様子を示す。
図6は、図2、図4、図5に示すマッシュルーム構造の等価回路を示す。図4の線pに沿って並ぶマッシュルーム構造のパッチ53と、線qに沿って並ぶマッシュルーム構造のパッチ53との間のギャップに起因して、キャパシタンスCが生じる。更に、線pに沿って並ぶマッシュルーム構造のビア52、及び線qに沿って並ぶマッシュルーム構造のビア52に起因して、インダクタンスLが生じる。したがって、隣接するマッシュルーム構造の等価回路は、図6右側に示されるような回路になる。すなわち、等価回路において、インダクタンスLとキャパシタンスCとが並列に接続されている。キャパシタンスC、インダクタンスL、表面インピーダンスZs及び反射係数Γは、次のように表すことができる。
Figure 0005603907
数式(1)において、ε0は真空の誘電率を表し、εrはパッチ同士の間に介在する材料の比誘電率を表す。素子間隔は上記の例の場合、x軸方向のビア間隔Δxである。ギャップは隣接するパッチ同士の隙間であり、上記の例の場合、(Δx-Wx)である。Wxはx軸方向のパッチの長さを表す。すなわち、arccosh関数の引数は、素子間隔とギャップとの比率を表す。数式(2)において、μはビア同士の間に介在する材料の透磁率を表し、tはパッチ53の高さ(接地プレート51からパッチ53までの距離)を表す。数式(3)において、ωは角周波数を表し、jは虚数単位を表す。数式(4)において、ηは自由空間インピーダンスを表し、Φは位相差を表す。
図7は、図2、図4及び図5に示すようなマッシュルーム構造のパッチのサイズWxと反射位相との関係を示す。概して、マッシュルーム構造(素子)の反射位相は、共振周波数において0になり、共振周波数は上記のキャパシタンスC及びインダクタンスLにより決定される。従って、リフレクトアレーの設計においては、個々の素子が適切な反射位相を実現するように、キャパシタンスC及びインダクタンスLを適切に設定する必要がある。図中、実線は理論値を示し、丸印でプロットされているものは有限要素法解析によるシミュレーション値を示す。図7は、4種類のビアの高さ又は基板の厚みtの各々について、パッチのサイズWxと反射位相との関係を示す。t02は距離tが0.2mmである場合のグラフを表す。t08は距離tが0.8mmである場合のグラフを表す。t16は距離tが1.6mmである場合のグラフを表す。t24は距離tが2.4mmである場合のグラフを表す。ビア間隔Δx及びΔyは、一例として2.4mmである。
グラフt02より、厚さを0.2mmとすることにより、反射位相を175度の周辺にできることがわかる。しかし、パッチのサイズWxが0.5mmから2.3mmまで変化しても、反射位相の差は1度以下となり、反射位相の値はほとんど変化しない。グラフt08より、厚さを0.8mmとすることにより、位相を160度の周辺とすることができる。またこのとき、パッチのサイズWxが0.5mmから2.3mmまで変化すると、反射位相は約162度から148度まで変化するが、変化の範囲は14度と、小さい。グラフt16より、厚さを1.6mmとすると位相は145度以下となり、パッチのサイズWxが0.5mmから2.1mmに変化する場合、反射位相は144度から107度に緩慢にしか減少していないが、サイズWxが2.1mmより大きくなると、反射位相は急激に減少し、サイズWxが2.3mmの場合に、反射位相は、シミュレーション値(丸印)で54度及び理論値(実線)で0度に達する。グラフt24の場合、パッチのサイズWxが0.5mmから1.7mmに変化する場合、反射位相は117度から90度に緩慢にしか減少していないが、サイズWyが1.7mmより大きくなると、反射位相は急激に減少し、サイズWxが2.3mmの場合に、反射位相は、-90度に達する。
図2、図4及び図5に示すようなマッシュルーム構造で素子を形成する場合、y軸方向のパッチサイズWyは全ての素子で同一であり、x軸方向のパッチサイズWxが素子の場所によって異なる。しかしながら、パッチサイズWyが全ての素子で共通することは必須ではなく、素子毎に異なるように設計することも可能である。ただし、パッチサイズWyが全ての素子で同一であるマッシュルーム構造を用いてリフレクトアレーを設計する場合、設計が簡易になり、x軸方向のパッチサイズWxを、素子の場所に応じて決定すればよい。具体的には、様々なビアの高さ又は基板の厚みtの内、設計に使用するもの(例えば、t24)を選択し、整列する複数のパッチ各々のサイズが、そのパッチの位置で必要な反射位相に応じて決定される。例えば、t24が選択されていた場合において、あるパッチの位置で必要な反射位相が72度であった場合、パッチのサイズWxは約2mmである。同様にして、他のパッチについてもサイズが決定される。理想的には、リフレクトアレーの中で整列している1つの素子群全体による反射位相の変化が360度であるように、パッチサイズが設計されていることが好ましい。
ところで、図4及び図5に示す構造において、電界Eの振幅方向がx軸方向である電波がリフレクトアレーに入射した場合、反射波は反射位相が変化している方向、すなわちx軸方向に対して垂直方向又は横方向(y軸方向)に進む。このようにして反射波を制御することを便宜上「水平制御」と言及する。しかしながら本発明は水平制御に限定されない。例えば、図4及び図5に示す構造の代わりに、図8に示すような構造でリフレクトアレーを構成し、電界の振幅方向がy軸方向である電波を、電界の方向に対して並行に、すなわち縦方向(y軸方向)に反射させることが可能である。このようにして反射波を制御することを便宜上「垂直制御」と言及する。垂直制御を行う場合において、パッチサイズとギャップはいくつかの方法によって決めることができる。例えば、図9に示すように素子の間隔Δyを共通とし且つ個々のパッチを非対称にしてもよいし、図10に示すように個々のパッチを対称にし且つ素子の間隔を異ならせてもよいし、図11に示すように素子の間隔Δyを共通とし且つ個々のパッチを対称に設計してもよい。これらは一例に過ぎず、適切な如何なる方法でパッチサイズ及びギャップが決定されてもよい。
<2.二次元位相差制御>
図12はリフレクトアレーに入射する入射波とそこから反射する反射波との関係を一般的に示している。図示の例の場合、入射波は(rθφ)極座標において、θ=θi及びφ=φiの方向から到来し、反射波はθ=θr及びφ=φrの方向へ進んでいる。原点はリフレクトアレーにおける1つの素子に対応する。上述したように、素子は典型的にはマッシュルーム構造の素子であるが、実施の形態はこれに限定されない。入射波が進行する方向に沿う入射単位ベクトルuiは、次のように書ける。
ui=(uix,uiy,uiz)=(sinθicosφi,sinθisinφi,cosθi) ・・・(5)
反射波が進行する方向に沿う反射単位ベクトルurは、次のように書ける。
ur=(urx,ury,urz)=(sinθrcosφr,sinθrsinφr,cosθr) ・・・(6)
図13に示すように、リフレクトアレーを構成する複数の素子各々の中心座標が、(mΔx,nΔy,0)にあるとする。ただし、m=0,1,2,...Nx及びn=0,1,2,...Nyであり、Nxはmの最大値及びNyはnの最大値である。x軸方向にm番目及びy軸方向にn番目の素子(便宜上、mn番目の素子と言及する)の位置ベクトルrmnは、次のように書ける。
rmn=(mΔx,nΔy,0) ・・・(7)
この場合、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、次のように書ける。
αmn=k0(rmn・ui−rmn・ur)+2πN ・・・(8)
ただし、「・」はベクトルの内積を表す。k0は電波の波数(2π/λ)を表し、λは電波の波長を表す。(8)式に(5)-(7)式を代入すると、反射位相は次のように書ける。
αmn=k0(mΔx ×sinθicosφi+nΔy×sinθisinφi−mΔx×sinθrcosφrーnΔy×sinθrsinφr)
=k0mΔx(sinθicosφiーsinθrcosφr)+k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)・・・(9)
ここで、2πN=0であるとしたが、一般性は失われない。なお、αmnは数式(9)により任意の値に設定可能であるが、ある1周期分の素子配列をxy平面上で反復的に設けることでリフレクトアレーを構成する観点からは、隣接する素子間の位相差(「αmn−αm-1n」又は「αmn−αmn-1」)は360度の約数(例えば、18度)であることが好ましい。
数式(9)を参照するに、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、一般的には、Δx及びΔyに依存している。これは、リフレクトアレーが任意の方向(θr,φr)に電波を反射させるためには、原則として、個々の素子の反射位相αmnがx軸方向に徐々に変化すると共に、y軸方向にも徐々に変化しなければならないことを示す。
次に、mn番目の素子による反射位相とこの素子に隣接する素子による反射位相との差分を考察する。x軸方向に隣接する素子による反射位相差Δαxは、次のように書ける。
Δαx=αmn−αm-1n
=k0mΔx(sinθicosφi−sinθrcosφr)+k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
ーk0(m-1)Δx(sinθicosφi−sinθrcosφr)−k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
=k0Δx(sinθicosφiーsinθrcosφr) ・・・(10)
y軸方向に隣接する素子による反射位相差Δαyは、次のように書ける。
Δαy=αmn−αmn-1
=k0mΔx(sinθicosφi−sinθrcosφr)+k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
ーk0mΔx(sinθicosφi−sinθrcosφr)−k0(n-1)Δy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
=k0Δy(sinθisinφi−sinθrsinφr)・・・(11)
実施の形態では、
Δαx=γΔαy=2π/κ ・・・(12)
という関係が使用される。ここで、γは有理数であり、κは360の約数、すなわち360を割り切る整数である。数式(12)によれば、x軸方向に隣接する素子による反射位相差Δαxとy軸方向に隣接する素子による反射位相差Δαyとの比率が所定値γとなるように、パラメータの値が設定される。更に、x軸方向に隣接する素子による反射位相差Δαxが360度の約数であるように設定される。単なる一例として、所定値γは1であり、κは10である。
Δαx=γΔαyという関係は、数式(10)及び(11)により、次のように書ける。
k0Δx(sinθicosφiーsinθrcosφr)=γk0Δy(sinθisinφi−sinθrsinφr)・・・(13)
数式(12)より、Δαy=2π/(κγ) であるので、次式が得られる。
k0Δy(sinθisinφi−sinθrsinφr)=2π/(κγ)
sinθrsinφr=−2π/(k0Δyκγ)+sinθisinφi ・・・(14)
また、Δαx=2π/κ であるので、次式が得られる。
k0Δx(sinθicosφiーsinθrcosφr)=2π/κ
sinθrcosφr=−2π/( k0Δxκ)+sinθicosφi ・・・(15)
数式(14)を数式(15)で除算すると、次式が得られる。
φr=arctan([−2π/(k0Δyκγ)+sinθisinφi]/[−2π/( k0Δxκ)+sinθicosφi])・・・(16)
数式(16)によれば、入射の偏角θi及びφiから、反射波の偏角φrを算出できる。更に、数式(14)及び(15)によれば、入射波の偏角θi、φi及び反射波の偏角φrから、反射波の偏角θrを算出できる。
仮に、入射波がx軸となす偏角φiが、φi=3π/2=270度であり、素子間隔がΔx=Δyであったとすると、数式(16)は次のように書ける。
φr=arctan([−2π/(k0Δyκγ)−sinθi]/[−2π/( k0Δxκ)])
=arctan[1/γ+( k0Δxκsinθi )/(2π)]・・・(17)
また、φi=3π/2=270度の場合、数式(14)及び(15)から、次式が得られる。
θr=arcsin([−2π/(k0Δyκγ)−sinθi]/sinφr]・・・(18)
=arcsin[−2π/(k0Δxκcosφr)]・・・(19)
このように、実施の形態は数式(12)のような制約又は条件を使用するので、x軸方向に隣接する素子間の反射位相差Δαxとy軸方向に隣接する素子間の反射位相差Δαyとの比率が一定値γであり、かつΔαxは360度の約数である。Δαxが360度(2πラジアン)の約数(例えば、360/κx)(より一般的には、360度の整数倍の約数)であるので、x軸方向に整列するκ個の素子により、x軸方向に周期境界を規定することができる。また、Δαyも360度(2πラジアン)の約数(例えば、360/(κγ))(より一般的には、360度の整数倍の約数)であるので、y軸方向に整列するκγ個の素子により、y軸方向にも周期境界を規定することができる。従ってx軸及びy軸の双方向に周期境界を有するリフレクトアレーの単位構造又は基本構造を簡易に形成することができる。この単位構造又は基本構造をx軸方向及びy軸方向に反復的に形成することで、所望のサイズのリフレクトアレーを実現できる。この点、x軸又はy軸の何れか一方の方向に整列した素子によって一方の方向にしか周期境界を形成できなかった従来のリフレクトアレーと大きく異なる。実施の形態によれば、x軸及びy軸の双方向において位相差を変化させることで、入射波を任意の所望方向に反射させることができる。
<3.シミュレーション結果>
図14は<2.二次元位相差制御>において説明した原理に基づいて電波を反射するリフレクトアレーのシミュレーションに使用された単位構造を示す。図示の単位構造では、x軸方向に10個の素子が整列し、y軸方向にも10個の素子が整列している。シミュレーションでは、この単位構造がxy平面上に多数設けられていることが想定されている。kは入射波の向きを示し、E0は反射波の向きを示す。シミュレーションでは以下のパラメータの値が使用されている。
入射波の周波数=11GHz、
入射波の入射方向(θi,φi)=(10度,270度)、
反射波の所望方向(θr,φr)=(81度,52度)、
素子間の間隔Δx=Δy=4.5mm、
x軸及びy軸方向に隣接する素子の反射位相差の比率γ(=Δαx/Δαy)=1、
1周期の分割数κ=10。
図15は、反射波の方向(θr,φr)と隣接する素子間の反射位相差(Δα=Δαx=Δαy)との間の関係を示すシミュレーション結果である。入射波の方向はθi=10度及びφi=270度であり、素子間隔はΔx=Δy=4.5mmである。反射波の所望方向がθr=81度及びφr=52度であった場合、それらに対応する位相差Δαは36度であることが図15から分かる。この場合、10個の素子で360度の全範囲の位相差を実現するので、1周期の分割数κは10であればよい。
図16は、図14に示すようなリフレクトアレーを構成する個々の素子が実現すべき反射位相を示す。この例の場合、x軸方向に10素子及びy軸方向に10素子が整列しており、Δαx=Δαy=36度、γ=1、κ=10である。
図17は、図14に示すリフレクトアレーに電波が入射した場合において、z軸と81度の角度をなす円錐面内で観測される反射波の電界レベルを示す。上述したように、θr=81度は所望方向である。Eθのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のθ方向成分のレベルを示す。Eφのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のφ方向成分のレベルを示す。何れもφr=52度の方向において強いピークが生じており、他の方向のレベルは低く抑制されている。従ってこのリフレクトアレーにより、入射波を所望方向に強く反射できていることが分かる。
ところで、図14及び図16におけるリフレクトアレーのx軸及びy軸方向に整列している素子の数は10個であったが、実施の形態はこの例に限定されず、他の数値例が使用されてもよい。図18は、図14に示す構造の代わりに使用可能なリフレクトアレーの構造を示す。図示の例の場合、x軸方向に15個の素子が整列し、y軸方向にも15個の素子が整列している。図19は図18に示す構造の平面図を示す。図20は図18及び図19に示すリフレクトアレーを構成する個々の素子が実現する反射位相を示す。この例の場合、電波の周波数は11GHzであり、入射波の偏角はθi=20度及びφi=270度であり、反射波の所望方向はθr=64度及びφr=61度である。素子間隔はΔx=Δy=4.1mmである。この構造の場合、15個の素子で360どの範囲内の反射位相を実現するので、隣接する素子間の反射位相は360度÷15=24度である。
なお、ΔαxとΔαyの比率がγ=1であることも必須ではない。例えば、数式(12)(Δαx=γΔαy=2π/κ)において、κ=10、Δαx=36度、γ=2、Δαy=18度とすることも可能である。この場合、36度ずつ反射位相が異なる素子がx軸方向に10個整列し、18度ずつ反射位相が異なる素子がy軸方向に20個整列することで、リフレクトアレーの単位構造が形成される。
以上、リフレクトアレーにより電波を反射させる実施の形態を説明してきたが、開示される発明は上記の形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、入射波を任意の方向に反射させる適切な如何なるリフレクトアレーに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。また、発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず、同様な結果をもたらす他の数式が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。

Claims (5)

  1. x軸及びy軸方向に整列しかつ入射波を反射する複数の素子を有し、前記入射波を所望方向に反射するリフレクトアレーであって、
    前記複数の素子のうち前記x軸方向に隣接する素子各々からの反射波の位相差(Δαx)と前記y軸方向に隣接する素子各々からの反射波の位相差(Δαy)との比率が所定値(γ)であり、
    Δα x =γΔα y =PN/κ
    の関係が成り立ち、PNは360度(2πラジアン)の整数倍であり、κはPNの約数であり、κ≧2であり、γκ≧2であり、
    x軸方向に並ぶκ個の素子によりx軸方向に周期境界が設定され、y軸方向に並ぶγκ個の素子によりy軸方向に周期境界が設定される、リフレクトアレー。
  2. 前記複数の素子の各々が地板及びパッチを少なくとも含み、前記x軸方向において素子のパッチ同士の間のギャップが徐々に変化している、請求項1に記載のリフレクトアレー。
  3. 前記複数の素子の各々がマッシュルーム構造により形成されている、請求項1又は2に記載のリフレクトアレー。
  4. Δαx=k0Δx(sinθicosφi−sinθrcosφr)、及び
    Δαy=k0Δy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
    であり、k0は電波の波数であり、Δxはx軸方向において隣接する素子の間隔であり、Δyはy軸方向において隣接する素子の間隔であり、θiは入射波のz軸に対する偏角であり、φiは入射波のx軸に対する偏角であり、θrは反射波のz軸に対する偏角であり、φrは反射波のx軸に対する偏角である、請求項1ないし3の何れか1項に記載のリフレクトアレー。
  5. sinθr=2π/(k0Δxκcosφr)、及び
    tanφr=1/γ+( k0Δxκsinθi )/(2π)
    である、請求項4記載のリフレクトアレー。
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