JP5536836B2 - 設計方法及びリフレクトアレー - Google Patents

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開示される発明はリフレクトアレー等に関連する。
移動通信システムにおける伝搬環境又はエリアを改善するためにリフレクトアレーがしばしば使用される。リフレクトアレーは入射波を反射する際、鏡面反射方向だけでなく、所望方向にも反射させることができる。従来のリフレクトアレーについては特許文献1に記載されている。
特開2012-34331号公報
従来のリフレクトアレーの場合、入射波、鏡面反射波及び所望方向の反射波は同一平面内になければならず、入射波及び鏡面反射波により規定される面内の方向とは異なる任意の方向に入射波を反射させることはできない。このため、設計の自由度が制限されてしまうことが懸念される。また、それらが同一平面内に存在するので、鏡面反射波に起因して所望方向の反射波が劣化してしまうことも懸念される。
開示される発明の課題は、第1の方向からの入射波を任意の第2の方向に反射させることが可能なリフレクトアレーを提供することである。
開示される発明によるリフレクトアレーの設計方法は、
入射波を所望方向に反射するリフレクトアレーの設計方法であって、
複数の素子が所定の素子間隔で整列している構造に所定の周波数の電波が入射して反射した場合の素子の反射位相を、隣接する素子のパッチ間のギャップサイズの関数として求め、反射位相及びギャップサイズの対応関係をメモリに保存するステップと、
前記リフレクトアレーを構成する複数の素子のうちの特定の素子が、特定の反射位相で前記電波を反射するように、該特定の素子のギャップサイズを前記対応関係に従って決定することを、前記リフレクトアレーを構成する複数の素子各々について実行するステップとを有し、
反射位相及びギャップサイズの前記対応関係は、所定のギャップサイズの前後2つのギャップサイズにおいて同じ値の反射位相が存在することを示し、
隣接する素子間の素子間隔及びギャップサイズが一定である構造に電波が入射して反射した場合に、反射波の反射位相を周波数の関数とすると、前記所定の周波数の前後2つの周波数において同じ値の反射位相が存在し、
隣接する素子のパッチ間のギャップサイズが一定である構造に前記所定の周波数の電波が入射して反射した場合に、反射波の反射位相を素子間隔の関数とすると、前記所定の素子間隔の前後2つの素子間隔において同じ値の反射位相が存在する、リフレクトアレーの設計方法である。
開示される発明は第1の方向からの入射波を任意の第2の方向に反射させることが可能なリフレクトアレーを提供することができる。
リフレクトアレーの原理を説明するための説明図。 マッシュルーム構造により素子が形成されている様子を示す図。 素子の代替構造を例示する図。 リフレクトアレーの拡大平面図。 リフレクトアレーの平面図。 マッシュルーム構造による素子の等価回路図。 マッシュルーム構造による素子のパッチのサイズWxと反射位相との関係を示す図。 垂直制御が行われる場合のリフレクトアレーの平面図。 垂直制御用のパッチの一例を示す図。 垂直制御用のパッチの別の例を示す図。 垂直制御用のパッチの別の例を示す図。 リフレクトアレーの入射波と反射波の関係を一般的に示す図。 リフレクトアレーを構成する複数の素子各々の中心座標が(mΔx,nΔy,0)にある様子を示す図。 位相差αmnと反射波(θr,φr)との関係を示す図。 入射波のz軸からの偏角θiを固定した場合の反射角θr及びφrの関係を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相の一例を示す図。 リフレクトアレーを構成するように並んだ一列分の素子を示す図。 反射波の強度を示す図。 反射波の散乱断面積を示す図。 設計パラメータと反射位相との相互関係を示す図。 リフレクトアレーを形成するように整列した20個の素子の各々が実現すべき反射位相を示す図。 電波が入射角θiで入射し反射角θrで反射する様子を示す図。 リフレクトアレーの一部分を示す図。 入射角θiが70度及び30度のそれぞれの場合について反射位相の周波数特性を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相の周波数特性を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相と素子間隔との間の関係を示す図。 異なるギャップサイズについて素子の反射位相と素子間隔との間の関係を示す図。 ギャップサイズが0.1mmの場合及び1mmの場合の反射位相の差分と素子間隔との間の関係を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の関係においてスプリアス共振が生じていない様子のシミュレーション結果を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の関係においてスプリアス共振が生じている様子のシミュレーション結果を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の理論による関係及びシミュレーションによる関係を示す図。 リフレクトアレーを構成する素子のパッチ間のギャップサイズを決定する設計手順を示すフローチャート。 スプリアス部分を使用しないで設計した場合のリフレクトアレーの1周期分を示す図。 図31の「理論」のグラフにおいて、シミュレーションに採用されたギャップサイズ及び反射位相の16個の組み合わせを示す図。 16個の素子のギャップサイズと反射位相との対応関係を表の形式で示す図。 真空中でリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す図(φ=90度)。 真空中でリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す図(φ=41度(所望方向))。 スプリアス部分を使用して設計した場合のリフレクトアレーの1周期分を示す図。 1周期分のリフレクトアレーの側面図(上側)及び平面図(下側)を示す図。 図31の「シミュレーション」のグラフにおいて、シミュレーションに採用されたギャップサイズ及び反射位相の20個の組み合わせを示す図。 20個の素子のギャップサイズと反射位相との対応関係を表の形式で示す図。 真空中でリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す図(φ=90度)。 真空中でリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す図(φ=45度(所望方向))。
添付図面を参照しながら以下の観点から実施形態を説明する。図中、同様な要素には同じ参照番号又は参照符号が付されている。
1.リフレクトアレー
2.入射波を任意の方向に反射させる
3.変形例
3.1 反射位相がx軸方向に一定でありy軸方向に変化する変形例
3.2 所望の反射位相を実現できない場合
4.ギャップ可変スプリアス共振
4.1 反射位相
4.2 二共振
4.3 設計方法
4.4 スプリアス部分を使用するか否かによる相違
これらの項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。
<1.リフレクトアレー>
まず、開示される発明で前提となるリフレクトアレーを説明する。図1は、リフレクトアレーの原理を説明するための説明図を示す。図示されているように、地板上に整列した複数の素子各々による反射波の位相が、隣接する素子同士の間で徐々に変化していたとする。図示の例の場合、隣接する素子各々による反射波の位相差は90度である。電波は等位相面(破線で示されている)に垂直な方向に進行するので、個々の素子からの反射位相を適切に調整しつつ、素子を二次元的に配置することでリフレクトアレーを形成し、入射波を所望の方向に反射させることができる。
図2は、リフレクトアレー用の素子として使用可能なマッシュルーム構造を示す。マッシュルーム構造は、接地プレート51と、ビア52と、パッチ53とを有する。接地プレート51は、多数のマッシュルーム構造に対して共通の電位を供給する導体である。Δx及びΔyは、隣接するマッシュルーム構造におけるビア間のx軸方向の間隔及びy軸方向の間隔をそれぞれ示す。Δx及びΔyは、マッシュルーム構造1つ分に対応する接地プレート51のサイズを表す。一般に、接地プレート51は多数のマッシュルーム構造が並んだアレイと同程度に大きい。ビア52は、接地プレート51とパッチ53とを電気的に短絡するために設けられる。パッチ53は、x軸方向にWxの長さを有し、y軸方向にWyの長さを有する。パッチ53は、接地プレート51に対して平行に距離tを隔てて設けられ、ビア52を介して接地プレート51に短絡される。図示の簡明化のため、図2ではマッシュルーム構造が2つしか示されていないが、リフレクトアレーには、このようなマッシュルーム構造がx軸及びy軸方向に多数設けられている。
図2に示す例の場合、リフレクトアレーを構成する個々の素子はマッシュルーム構造で構成されている。しかしながらこのことは実施の形態に必須ではない。電波を反射する任意の素子でリフレクトアレーが形成されてよい。例えば、正方形のパッチの代わりに、リング状の導電性パターン(図3(1))、十字型の導電性パターン(図3(2))、並列的な複数の導電性パターン(図3(3))等を有する素子が使用されてもよい。また、マッシュルーム構造において、パッチと接地プレートとを接続するビアがない構造(図3(4))が使用されてもよい。ただし、上記のように素子にマッシュルーム構造を採用することは、小さな反射素子を簡易に設計できる等の観点から好ましい。
図4は、図2に示されているようなリフレクトアレーの拡大平面図を示す。線pに沿って一列に並んだ4つのパッチ53と、その列に隣接して線qに沿って並んだ4つのパッチ43とが示されている。パッチの数は任意である。図5は図2及び図4に示すような素子がxy平面上に多数整列してリフレクトアレーを形成している様子を示す。
図6は、図2、図4、図5に示すマッシュルーム構造の等価回路を示す。図4の線pに沿って並ぶマッシュルーム構造のパッチ53と、線qに沿って並ぶマッシュルーム構造のパッチ53との間のギャップに起因して、キャパシタンスCが生じる。更に、線pに沿って並ぶマッシュルーム構造のビア52、及び線qに沿って並ぶマッシュルーム構造のビア52に起因して、インダクタンスLが生じる。したがって、隣接するマッシュルーム構造の等価回路は、図6右側に示されるような回路になる。すなわち、等価回路において、インダクタンスLとキャパシタンスCとが並列に接続されている。キャパシタンスC、インダクタンスL、表面インピーダンスZs及び反射係数Γは、次のように表すことができる。
Figure 0005536836
数式(1)において、ε0は真空の誘電率を表し、εrはパッチ同士の間に介在する材料の比誘電率を表す。素子間隔は上記の例の場合、x軸方向のビア間隔Δxである。ギャップは隣接するパッチ同士の隙間であり、上記の例の場合、(Δx-Wx)である。Wxはx軸方向のパッチの長さを表す。すなわち、arccosh関数の引数は、素子間隔とギャップとの比率を表す。数式(2)において、μはビア同士の間に介在する材料の透磁率を表し、tはパッチ53の高さ(接地プレート51からパッチ53までの距離)を表す。数式(3)において、ωは角周波数を表し、jは虚数単位を表す。数式(4)において、ηは自由空間インピーダンスを表し、Φは位相差を表す。
図7は、図2、図4及び図5に示すようなマッシュルーム構造のパッチのサイズWxと反射位相との関係を示す。概して、マッシュルーム構造(素子)の反射位相は、共振周波数において0になり、共振周波数は上記のキャパシタンスC及びインダクタンスLにより決定される。従って、リフレクトアレーの設計においては、個々の素子が適切な反射位相を実現するように、キャパシタンスC及びインダクタンスLを適切に設定する必要がある。図中、実線は理論値を示し、丸印でプロットされているものは有限要素法解析によるシミュレーション値を示す。図7は、4種類のビアの高さ又は基板の厚みtの各々について、パッチのサイズWxと反射位相との関係を示す。t02は距離tが0.2mmである場合のグラフを表す。t08は距離tが0.8mmである場合のグラフを表す。t16は距離tが1.6mmである場合のグラフを表す。t24は距離tが2.4mmである場合のグラフを表す。ビア間隔Δx及びΔyは、一例として2.4mmである。
グラフt02より、厚さを0.2mmとすることにより、反射位相を175度の周辺にできることがわかる。しかし、パッチのサイズWxが0.5mmから2.3mmまで変化しても、反射位相の差は1度以下となり、反射位相の値はほとんど変化しない。グラフt08より、厚さを0.8mmとすることにより、位相を160度の周辺とすることができる。またこのとき、パッチのサイズWxが0.5mmから2.3mmまで変化すると、反射位相は約162度から148度まで変化するが、変化の範囲は14度と、小さい。グラフt16より、厚さを1.6mmとすると位相は145度以下となり、パッチのサイズWxが0.5mmから2.1mmに変化する場合、反射位相は144度から107度に緩慢にしか減少していないが、サイズWxが2.1mmより大きくなると、反射位相は急激に減少し、サイズWxが2.3mmの場合に、反射位相は、シミュレーション値(丸印)で54度及び理論値(実線)で0度に達する。グラフt24の場合、パッチのサイズWxが0.5mmから1.7mmに変化する場合、反射位相は117度から90度に緩慢にしか減少していないが、サイズWyが1.7mmより大きくなると、反射位相は急激に減少し、サイズWxが2.3mmの場合に、反射位相は、-90度に達する。
図2、図4及び図5に示すようなマッシュルーム構造で素子を形成する場合、y軸方向のパッチサイズWyは全ての素子で同一であり、x軸方向のパッチサイズWxが素子の場所によって異なる。しかしながら、パッチサイズWyが全ての素子で共通することは必須ではなく、素子毎に異なるように設計することも可能である。ただし、パッチサイズWyが全ての素子で同一であるマッシュルーム構造を用いてリフレクトアレーを設計する場合、設計が簡易になり、x軸方向のパッチサイズWxを、素子の場所に応じて決定すればよい。具体的には、様々なビアの高さ又は基板の厚みtの内、設計に使用するもの(例えば、t24)を選択し、整列する複数のパッチ各々のサイズが、そのパッチの位置で必要な反射位相に応じて決定される。例えば、t24が選択されていた場合において、あるパッチの位置で必要な反射位相が72度であった場合、パッチのサイズWxは約2mmである。同様にして、他のパッチについてもサイズが決定される。理想的には、リフレクトアレーの中で整列している1つの素子群全体による反射位相の変化が360度であるように、パッチサイズが設計されていることが好ましい。
ところで、図4及び図5に示す構造において、電界Eの振幅方向がx軸方向である電波がリフレクトアレーに入射した場合、反射波は反射位相が変化している方向、すなわちx軸方向に対して横方向(y軸方向)に進む。このようにして反射波を制御することを便宜上「水平制御」と言及する。しかしながら本発明は水平制御に限定されない。例えば、図4及び図5に示す構造の代わりに、図8に示すような構造でリフレクトアレーを構成し、電界の振幅方向がy軸方向である電波を、電界の方向に対して並行に、すなわち縦方向(y軸方向)に反射させることが可能である。このようにして反射波を制御することを便宜上「垂直制御」と言及する。垂直制御を行う場合において、パッチサイズとギャップはいくつかの方法によって決めることができる。例えば、図9に示すように素子の間隔Δyを共通とし且つ個々のパッチを非対称にしてもよいし、図10に示すように個々のパッチを対称にし且つ素子の間隔を異ならせてもよいし、図11に示すように素子の間隔Δyを共通とし且つ個々のパッチを対称に設計してもよい。これらは一例に過ぎず、適切な如何なる方法でパッチサイズ及びギャップが決定されてもよい。
<2.入射波を任意の方向に反射させる>
図12はリフレクトアレーに入射する入射波とそこから反射する反射波との関係を一般的に示している。図示の例の場合、入射波は(rθφ)極座標において、θ=θi及びφ=φiの方向から到来し、反射波はθ=θr及びφ=φrの方向へ進んでいる。原点はリフレクトアレーにおける1つの素子に対応する。上述したように、素子は典型的にはマッシュルーム構造の素子であるが、実施の形態はこれに限定されない。入射波が進行する方向に沿う入射単位ベクトルuiは、次のように書ける。
ui=(uix,uiy,uiz)=(sinθicosφi,sinθisinφi,cosθi) ・・・(5)
反射波が進行する方向に沿う反射単位ベクトルurは、次のように書ける。
ur=(urx,ury,urz)=(sinθrcosφr,sinθrsinφr,cosθr) ・・・(6)
図13に示すように、リフレクトアレーを構成する複数の素子各々の中心座標が、(mΔx,nΔy,0)にあるとする。ただし、m=0,1,2,...Nx及びn=0,1,2,...Nyであり、Nxはmの最大値及びNyはnの最大値である。x軸方向にm番目及びy軸方向にn番目の素子(便宜上、mn番目の素子と言及する)の位置ベクトルrmnは、次のように書ける。
rmn=(mΔx,nΔy,0) ・・・(7)
この場合、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、次のように書ける。
αmn=k0(rmn・ui−rmn・ur)+2πN ・・・(8)
ただし、「・」はベクトルの内積を表す。k0は電波の波数(2π/λ)を表し、λは電波の波長を表す。(8)式に(5)-(7)式を代入すると、次のように書ける。
αmn=k0(mΔx ×sinθicosφi+nΔy×sinθisinφi−mΔx×sinθrcosφrーnΔy×sinθrsinφr)
=k0mΔx(sinθicosφiーsinθrcosφr)+k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)・・・(9)
ただし、2πN=0であるとしたが、一般性は失われない。なお、αmnは数式(9)により任意の値に設定可能であるが、ある1周期分の素子配列をxy平面上で反復的に設けることでリフレクトアレーを構成する観点からは、αmnは360度の約数(例えば、18度)であることが好ましい。
数式(9)を参照するに、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、一般的には、Δx及びΔyに依存している。これは、リフレクトアレーが任意の方向(θr,φr)に電波を反射させるためには、原則として、個々の素子の反射位相αmnがx軸方向に徐々に変化すると共に、y軸方向にも徐々に変化しなければならないことを示す。x軸方向及びy軸方向の双方向に反射位相を変化させることは、不可能ではないが容易でない。しかしながら、数式(9)において、仮に、Δyに乗算されている(sinθisinφi−sinθrsinφr)が恒等的に0に等しかったとすると、位相αmnはΔyには依存しなくなり、Δxにのみ依存するようになる。その場合、位相αmnは、x軸方向に徐々に変化するが、y軸方向には一定であってもよい。このように、個々の素子で実現すべき反射位相が、x軸方向には変化するがy軸方向には一定であるようにすることで、任意の方向に入射波を反射させるリフレクトアレーを簡易に実現できる。
Δyに乗算されている(sinθisinφi−sinθrsinφr)が0に等しい場合、次式が成立する。
sinθisinφi=sinθrsinφr ・・・(10)
これは、図12において入射波の入射単位ベクトルuiのy成分の大きさと反射波の反射単位ベクトルurのy成分の大きさとが等しいことを示す。すなわち、入射単位ベクトル及び反射単位ベクトルのy成分同士が等しい場合、個々の素子で実現すべき反射位相を、x軸方向に変化させる一方、y軸方向には一定であるようにできる。数式(10)は、次のようにも書ける。
sinθr=sinθisinφi/sinφr ・・・(11)
θr=arcsin(sinθisinφi/sinφr) ・・・(12)
従って、反射波のx軸からの偏角φrに基づいて、反射波のz軸からの偏角θrを一意に決定できる。目下の場合、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、次のように書ける。
αmn=k0mΔx(sinθicosφiーsinθrcosφr)
=k0mΔx[sinθicosφiー(sinθisinφi/sinφr)×cosφr] ・・・(13)
従って、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、反射波のx軸からの偏角φrにより一意に決定される。
一例として、入射波のx軸からの偏角φiが270度であったとする。この場合、sinφi=-1及びcosφi=0であるので、次のように書ける。
θr=arcsin(-sinθi/sinφr) ・・・(14)
αmn=k0mΔx[(sinθi/sinφr)×cosφr] ・・・(15)
図14は反射位相又は位相差αmnと反射波(θr,φr)との関係(上記の数式(13))を示す。シミュレーションでは、リフレクトアレーにおける素子同士の間隔Δxは4mmであり、電波の周波数は11GHzであるとした。また、入射波のz軸からの偏角はθi=20度であり、入射波のx軸からの偏角はφi=270度であるとした。位相差αmn=0の場合、反射波のz軸からの偏角θrは20度及びx軸からの偏角φrは90度となっており、これは鏡面反射を示す。図示されているように、位相差αmnが0から45度まで増加する場合に、反射波のz軸からの偏角θrは20度から徐々に増加して約67度に達する一方、反射波のx軸からの偏角φrは90度から徐々に減少して約22度に達している。
図15は入射波のz軸からの偏角θiを固定した場合の反射角θr及びφrの関係を示す。図示の例では入射角θiが10度、20度、45度及び70度の場合の反射角θr及びφrの関係が示されている。入射角のx軸からの偏角φiは270度である。入射角θiが10度の場合において、反射波のz軸からの偏角θrが10度である場合、反射波のx軸からの偏角φrは90度になっている。これは鏡面反射に対応する。図示の例の場合、反射角φrが90度である状態は鏡面反射を示す。何れの入射角θiについても、概して、反射角θrが90度に近づくように増加するにつれて、反射角φrは減少している。
図16は数式(13)に示すような関係式を用いて、リフレクトアレーを構成する素子の反射位相を決定した様子を示す。リフレクトアレーを構成する素子はx軸方向に4mm間隔で整列し(Δx=4mm)、かつy軸方向にも4mm間隔で整列している(Δy=Δx=4mm)。上述したように、数式(10)を満たす場合、素子で実現すべき反射位相αmnは、x軸方向には徐々に変化するが、y軸方向には一定であってよい。このため、図示の例の場合、反射位相はx軸方向に18度ずつ変化する一方、y軸方向には変化していない。
図17は図16に示すような方法で素子の反射位相を実現するように並べた素子の一部を示す。図17にはx軸方向に並ぶ一列分の素子しか示されていないが、実際にはy軸方向にも同様な素子列が存在し、リフレクトアレーを構成している。シミュレーションでは、80mm×80mmのリフレクトアレーを想定し、周期境界の条件と共に、以下の条件の下で反射波の強度を算出した。
電波の周波数=11GHz
地板(接地プレート)とパッチとの間に介在する材料の誘電率=8.85×10-12
地板(接地プレート)とパッチとの間に介在する材料の透磁率=1.26×10-6
入射波のz軸からの偏角θi=20度
入射波のx軸からの偏角φi=270度
所望方向(θr,φr)=(29度,45度)
この場合、図18に示すように、反射波のメインビームがz軸となす偏角θrは29度となり、 x軸となす偏角φrは45度であり、所望方向に一致している。
図19は反射波の散乱断面積を示す。図18に示されているように、所望方向は(θr,φr)=(29度,45度)の方向である。入射方向は(θi,φi)=(20度,270度)である。従って、鏡面反射の方向は、(θi,φi)=(20度,90度)である。図19では、この鏡面反射が生じる面内での散乱断面積(破線)と、所望方向における散乱断面積(実線)とが対比されている。図示されているように、θr=29度付近において、所望方向のレベルは鏡面反射方向のレベルよりも約20dBも高くなっている。このように実施の形態によれば、任意の所望方向に反射波を強く形成することができる。
<3.変形例>
<<3.1 反射位相がx軸方向に一定でありy軸方向に変化する変形例>>
上記の説明では、数式(10)を満たすようにすることで、素子で実現すべき反射位相αmnが、x軸方向には徐々に変化するが、y軸方向には一定であるようにしている。しかしながら実施の形態はこの例に限定されず、逆に、素子で実現すべき反射位相αmnが、y軸方向には徐々に変化するが、x軸方向には一定であるようにもできる。その場合、数式(9)において、仮に、Δxの係数である(sinθicosφiーsinθrcosφr)が恒等的に0になる必要がある。この場合、次式が成立する。
sinθicosφi=sinθrcosφr ・・・(16)
これは、図12において入射波の入射単位ベクトルuiのy成分と反射波の反射単位ベクトルurのx成分とが等しいことを示す。入射及び反射単位ベクトルのx成分同士が等しい場合に、個々の素子で実現すべき反射位相を、y軸方向に変化させる一方、x軸方向には一定であるようにできる。数式(16)は、次のようにも書ける。
sinθr=sinθicosφi/cosφr ・・・(17)
θr=arcsin(sinθicosφi/cosφr) ・・・(18)
従って、反射波のx軸からの偏角φrから、反射波のz軸からの偏角θrを一意に決定できる。この場合、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、次のように書ける。
αmn=k0nΔy(sinθisinφi−sinθrsinφr)
=k0nΔy[sinθisinφi−(sinθicosφi/cosφr)×sinφr] ・・・(19)
従って、mn番目の素子で実現すべき反射位相αmnは、反射波のx軸からの偏角φrにより一意に決定される。
よって、<2.入射波を任意の方向に反射させる>及び<3.変形例>による説明を総合すると、リフレクトアレーを構成する複数の素子のうちの任意の或る素子(mn)による反射波の位相は、第1の軸(x軸又はy軸)方向においてmn番目の素子に隣接する素子による反射波の位相と所定値(上記の例では、18度)だけ異なりかつ第2の軸(y軸又はx軸)方向においてその素子に隣接する素子による反射波の位相と等しい、と言える。更に、入射単位ベクトルuiの第2の軸方向成分の大きさは、反射単位ベクトルurの第2の軸方向成分の大きさと等しい、とも言える。
<<3.2 所望の反射位相を実現できない場合>>
リフレクトアレーが電波を所望の方向に適切に反射できるようにするには、所定数個(例えば、N個)の素子各々による反射位相の差分の合計(N×Δφ)が360度(一般的には、360度の自然数倍)になることが好ましい。しかしながら、製造工程における制約等に起因して、0度から360度までの任意の反射位相を常に実現できるとは限らない。図20は或る設計パラメータと反射位相との相互関係を示す。設計パラメータは、例えば隣接する素子のパッチ同士の間の隙間(ギャップ)でもよいし、他の量でもよい。例えば、電波の周波数、素子間の間隔(素子の中心点から隣接する素子の中心点までの距離)や、パッチのサイズ等が設計パラメータとして使用されてもよい。何れの設計パラメータが使用されるにせよ、場合によっては、実現できない反射位相が生じる可能性がある。図20に示す例の場合、-180度から+90度付近までの反射位相は、0から4までの範囲内の設計パラメータ(例えば、0以上4mm以下のギャップ)を選ぶことで実現できるが、+90度から+180付近までの反射位相を実現することは困難である。
図21はリフレクトアレーを形成するように整列した20個の素子の各々が実現すべき反射位相を示す。360度÷20個=18(度/個)であるので、隣接する素子による反射位相差は18度であるように設計されるべきである。しかしながら上述したように意図する反射位相を実現できない場合がある。図示の例の場合、12ないし14番目の素子がそれぞれ実現すべき反射位相、162度、144度、126度を実現することが困難である。この場合、12ないし14番目の素子をどのようにするかについて、いくつかの選択肢がある。
(a)第1の選択肢は、反射位相を実現できない12ないし14番目の素子についてはパッチを設けることなく誘電体材料を露出させることである。
(b)第2の選択肢は、意図する反射位相を実現できない素子を金属板で置換することである。上記の例の場合、12ないし14番目の素子が、単なる金属板で置換される。例えば、12ないし14番目の素子の場所の地板が露出される。この選択肢の場合、12ないし14番目の素子の場所で生じる反射位相は180度になる。
(c)第3の選択肢は、反射位相を実現できない素子について、実現できる何れかの反射位相を設定することである。上記の例の場合、例えば、12ないし14番目の3つの素子の反射位相が、11番目の素子の反射位相(-180度)に揃えられてもよいし、或いは15番目の素子の反射位相(+108度)に揃えられてもよい。
<4.ギャップ可変スプリアス共振>
<4.1 反射位相>
次に、リフレクトアレーを構成する素子による反射波の反射位相と設計パラメータとの関係を考察する。設計パラメータは、例えば、電波の周波数(f)、素子間の間隔(Δx、Δy)、素子のパッチサイズ(Wx、Wy)、隣接する素子のパッチ同士の間の隙間又はギャップサイズ(gx、gy)等であるが、これらに限定されない。以下の説明において、リフレクトアレーに入射して反射する電波は、電場の振幅方向が反射面に沿っているTM波であるとする。反射面とは入射波及び反射波を含む平面である。リフレクトアレーはマッシュルーム構造で形成された複数の素子を含む。図22に示すように、電波は入射角θiの方向からリフレクトアレーに入射し、反射角θrの方向へ反射するものとする。リフレクトアレーは多数の素子が基板に設けられている構造を有し、個々の素子は地板とパッチとそれらの間の誘電体基板とを有するマッシュルーム構造で形成され、地板及びパッチはビアを介して接続されている。地板はグランドプレート又は接地面とも言及される。図23はリフレクトアレーの一部分を示す。図には4つの素子しか示されていないが、実際には更に多数の素子が存在する。なお、説明の便宜上、本願においてはリフレクトアレーを構成する素子の地板に垂直な方向がz軸であるとするが、座標軸の取り方は任意である。
図23に示すような構造を有するリフレクトアレーにTM波がz軸に対して入射角θiで入射する場合、反射波の反射位相Γは次のように表現できる。
Figure 0005536836
ただし、共振周波数rfは、
rf=fp/√εr ・・・(7)
により表現されるものとする。fpはプラズマ周波数を示す。εrはパッチ及び地板の間に介在する誘電体基板の比誘電率を示す。プラズマ周波数fpはプラズマ波数kpと次の関係を満たす。
fp=kpc/(2π) ・・・(8)
ただし、cは光速を示す。プラズマ波数kpは素子間隔Δxと次の関係を満たす。
Figure 0005536836
ただし、dvはビアの直径を示す。なお、上記の数式(5)において、εZZはビアに沿った金属媒体の実効誘電率を示しており、以下の数式(10)で表される。εhはマッシュルームを構成する基板の比誘電率を示し、η0は自由空間のインピーダンスを示す。k0は自由空間の波数を示し、kはマッシュルーム媒体の波数を示しており、以下の数式(11)で表される。kzは波数ベクトル(波動ベクトル)のz成分を表しており、以下の数式(12)で表される。
Figure 0005536836
なお、数式(5)におけるZgは表面インピーダンスを示し、次式の関係を満たす。
Figure 0005536836
ここで、ηeffは以下の数式(14)で表される、実効インピーダンスを示し、αは以下の数式(15)で表されるグリッドパラメータである。
Figure 0005536836
<4.2 二共振>
次に、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相の周波数特性を考察する。具体的には、
設計周波数=11GHz(波長=27.3mm)、
基板の厚みt=1mm、
誘電体の比誘電率εr=10.2及び
素子間隔Δx=Δy=2.25mm
とした場合、
共振周波数rfは、10.5GHzであった。このとき、反射位相がゼロとなる周波数は、この構造のスプリアス共振の現象により、低い周波数と高い周波数の2箇所にあらわれ同相になる。したがって、この二つの反射位相がゼロとなる周波数の間で位相が360度一回転する。上記の数値例は単なる一例に過ぎず、適切な如何なる数値が使用されてもよい。なお、図23及び以下の説明において、素子間隔は、隣接する素子のビア同士の間の距離ΔV(Δx又はΔy)として定義されてもよいし、別の定義が使用されてもよい。例えば、隣接するパッチ間のギャップの中心から次のギャップの中心までの距離ΔPが、素子間隔であると定義されてもよい。
図24は、入射角θiが70度及び30度のそれぞれの場合について反射位相の周波数特性を示す。破線は入射角θi=30度の場合の理論値を示す。図24の説明における「理論値」は上記の(数式(5))を用いて算出された値である。反射位相φの理論値は(数式(5))の反射係数Γの偏角又は位相角(φ=arg(Γ))として求めることができる。丸印は入射角θi=30度の場合について電磁解析ツール(HFSS)により求めた反射位相のシミュレーション値を示す。実線は入射角θi=70度の場合の反射位相の理論値を示す。四角印は入射角θi=70度の場合について電磁解析ツール(HFSS)により求めた反射位相のシミュレーション値を示す。何れも11GHz付近において共振しているが、反射位相の周波数特性は入射角に依存して異なっていることが分かる。このように、マッシュルーム構造にTM波が斜めから入射する場合(入射がz軸に対して0度より大きな入射角をなす場合)、共振周波数rfは、10.5GHzであり、ここで反射位相は−180度から+180度へ(連続的に)変化する。この場合、反射位相が0となる周波数(反射位相の正負が逆転する周波数)は、図24に示されているように、約8.75GHzと12.05GHzの二箇所に現れている。すなわち、8.75GHzから12.05GHzまで周波数が変化する間に、位相が360度変化している。この反射位相が0となる周波数は上記のrfとは別にマッシュルーム構造の共振周波数と呼ばれ、正面入射では約9.5GHzの1箇所で共振するのに対して、斜めTM入射では2箇所で共振するため二共振と呼ぶことができる。
このような二共振の特性が得られるのは、反射位相と周波数との間だけでなく、反射位相と他の設計パラメータとの間でも生じることが分かった。設計パラメータは、例えば、電波の周波数(f)、素子間の間隔(Δx、Δy)、素子のパッチサイズ(Wx、Wy)、隣接する素子のパッチ同士の間の隙間又はギャップサイズ(gx、gy)等であるが、これらに限定されない。
図25は、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相と周波数との間の関係についてのシミュレーション結果を示す。ただし、図24に示す例とは異なり、誘電体の比誘電率εrが4.5であり、ビアホールの直径dvが0.35mmであり、素子のパッチ間の隙間(ギャップサイズ)gx=gy=0.2mmであるとしている。図示されているように約11GHzの周波数において共振している。
図26は、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相と素子間隔との間の関係についてのシミュレーション結果を示す。この例においても、誘電体の比誘電率εrが4.5であり、ビアホールの直径dvが0.35mmであり、素子のパッチ間の隙間(ギャップサイズ)gx=gy=0.2mmであるとしている。図示されているように素子間隔が約3.842mmであった場合(Δx=Δy=3.842mm)に共振が生じている。
図27も、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相と素子間隔との間の関係についてのシミュレーション結果を示す。この例においても、誘電体の比誘電率εrが4.5であり、ビアホールの直径dvが0.35mmであるが、素子のパッチ間の隙間(ギャップサイズ)が、gx=gy=0.1mmの場合とgx=gy=1mmである場合とが比較されている。図26及び図27に示すように、素子間隔が約3.842mmであった場合(Δy=3.842mm)に共振が生じている。更に、図28は図27におけるギャップ0.1mmの場合及び1mmの場合の反射位相の差分と素子間隔との間の関係を示す。図示されているように、プラズマ共振が生じる素子間隔(Δy=3.842mm)において反射位相の差分は0になり、その素子間隔の前後で反射位相の差分にピークが生じている。
図24-28は反射位相と周波数又は素子間隔との間の対応関係を示していた。特に、図26に示すような反射位相と素子間隔との間に成立する対応関係を用いてリフレクトアレーを構成する個々の素子を設計する場合、素子の反射位相毎に素子間隔を変える必要がある。これは設計可能な構造や反射位相を変化させる軸方向に大きな制約を課し、設計の自由度が小さくなってしまうことが懸念される。本発明の発明者等は、TM斜め入射でスプリアス共振が生じるような周波数及び素子間隔を固定して、素子のギャップサイズを変化させると、特定のギャップサイズで二共振の特性が得られることを見出した。このような性質は上記の数式(5)からは導出できず、シミュレーション又は実験を行うことで始めて見出される。以下に示す実施の形態はこの性質を利用して、特定の周波数及び特定の素子間隔において、ギャップサイズを可変にした場合に得られるグラフに基づいて素子の反射位相及びギャップサイズを決定することで、リフレクトアレーを構成する。以下、反射位相と素子のパッチ間の隙間(ギャップサイズ)との間の対応関係を考察する。
図29は、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の関係についてのシミュレーション結果を示す。ギャップサイズとは隣接する素子のパッチ同士の間の隙間(gx、gy)である。この例においても、誘電体の比誘電率εrが4.5であり、ビアホールの直径dvが0.35mmであるが、素子間隔は3.5mmである。図示の例の場合、ギャップサイズが0から1mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して約80度に至り、その後ギャップサイズが増えても反射位相は高々130度程度までしか達していない。従って、図示の例の場合、130度から180度の範囲内の反射位相を実現することは困難である。
図30も図29と同様に、図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の関係についてのシミュレーション結果を示す。ただし、素子間隔が4.0mmである点が図23に示す例と異なる。図示の例の場合、ギャップサイズが0から1.4mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して180度に至っている。更に、ギャップサイズが1.4mmから2.5mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して約120度に至り、その後ギャップサイズが増えても反射位相は高々130度程度までしか達していない。図示の例によれば、-180度から+180度までの任意の反射位相を実現できるギャップサイズが存在することが分かる。しかも、-180度から130度までの反射位相を実現するギャップサイズは2通り存在し、130度から180度までの反射位相を実現するギャップサイズは1通りしか存在しない。このように二共振が生じるのは、図26-28において共振をもたらす周波数(図24及び図25における11GHz)において、共振をもたらす素子間隔(図26-28における3.842mm)よりも大きな素子間隔において、ギャップサイズを可変にした場合であることが分かった。
図31も図23に示すようなリフレクトアレーを構成する素子の反射位相とギャップサイズとの間の関係についてのシミュレーション結果を示す。上述したように、ギャップサイズは、図23におけるgxやgyに該当し、目下の例では簡明化のためにgx=gyであるとしている。図31には2つのグラフが示されており、「理論」のグラフは、上記の数式(5)に示されている反射係数Γの偏角又は位相角(arg(Γ))として導出された反射位相の理論値を表す。「シミュレーション」のグラフは、図23に示すように整列している素子に電波が入射した場合に、個々の素子からの反射位相を電磁解析ツール(HFSS)により算出したシミュレーション結果を表し、これは図30に示すグラフと同じである。シミュレーションにおいては、電波の周波数が11GHzであり、基板の厚みが1mmであり、素子間隔が共振をもたらす3.842mmよりも僅かに大きな4mmであり、入射角θiが20度であり、誘電体材料の比誘電率が4.5であるとしている。
図31における「シミュレーション」のグラフのうち「理論」のグラフと異なっている部分は、「スプリアス」、「スプリアス値」又は「スプリアス部分」等と言及される。「理論」のグラフの場合、ギャップサイズが0から1.0mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して約130度に至り、その後ギャップサイズが増えても反射位相は高々145度程度までしか達していない。従って「理論」のグラフを用いて設計する場合、145度から180度までの反射位相を実現することは困難であることになる。しかしながら図23に示すようなリフレクトアレーを想定して実際にシミュレーションを行って反射位相とギャップサイズの関係を調べたところ、「理論」のグラフと一部一致していない「シミュレーション」のグラフが得られた。「シミュレーション」のグラフの場合、ギャップサイズが0から1.4mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して180度に至る一方、ギャップサイズが1.4mmから2.5mmに増える際に、反射位相は-180度から急激に増加して約120度に至り、その後ギャップサイズが増えても反射位相は高々130度程度までしか達していない。このように「理論」のグラフが実際のシミュレーション結果と大きく異なる現象は、少なくとも本願出願前に公知ではない。従って、二共振をもたらすような周波数及び素子間隔(厳密にはその素子間隔よりに大きな素子間隔)において、所望の反射位相を実現するギャップサイズを選択することで、±180度の任意の範囲内で反射位相を実現できる。そのような素子によりリフレクトアレーを構成することで、優れた反射特性のリフレクトアレーを作成することができる。
<4.3 設計方法>
図32を参照しながら、リフレクトアレーを構成する素子のパッチ間のギャップを決定する設計手順を説明する。図32には、そのような設計手順の一例を示すフローチャートが示されている。フローはステップ3201から始まり、ステップ3203に進む。
ステップ3201において、事前に決定する必要があるパラメータ及び事前に決定することが可能なパラメータの値が決定される。例えば、設計周波数、誘電体基板の厚み、誘電体基板の比誘電率、電波の入射角、電波の反射角等のパラメータの値が予め決定される。これらのパラメータに従って、反射位相とギャップサイズとの間にどのような関係が成り立つかが決まる。目下の例の場合、図24及び図25に示すような二共振をもたらす周波数が使用され、かつ図26-28に示すような二共振をもたらす素子間隔より大きな素子間隔が固定的に使用される。その結果、反射位相はギャップサイズに対して二共振の特性を示すことになる。
ステップ3203において、素子に電波が入射して反射する場合の反射位相とギャップサイズの間に成立する関係を表すデータ(対応関係)が取得される。そのようなデータの具体例は図30や図31に示すような対応関係を示すデータである。このような対応関係のデータは、図30のグラフや図31における「シミュレーション」のグラフである。あるいは、対応関係のデータは実験により求められてもよい。何れにせよ、あるギャップサイズで素子が多数(理論的には無限個)並んでいるモデル構造に、電波が入射角θiで入射して反射する場合の反射位相が個々のギャップサイズについて算出又は測定される。様々なギャップサイズについて反射位相を求めることで、図30や図31に示すような対応関係のデータを取得することができる。ステップ3205において、反射位相がギャップサイズの関数として求められ、その関数を表すデータがメモリに記憶される。
ステップ3207において、特定の素子が実現しなければならない反射位相が決定される。図30のグラフや図31の「シミュレーション」のグラフの場合、特定の値の反射位相(図30、図31に示す例では-180度から130度までの範囲内の反射位相)を実現するギャップの値は2通り存在する。これに対して、別の特定の値の反射位相(図30、図31に示す例では130度から180度までの範囲内の反射位相)を実現するギャップの値は1通りしか存在しない。例えば、反射位相が0度を実現するギャップサイズは、約0.5mm及び約1.6mmの2通り存在する。この場合、何れのギャップサイズが使用されてもよいが、一例として、「理論」のグラフに近い方の値を使用することが考えられる。「理論」のグラフからは導出できない反射位相(図31において丸い枠で囲まれているスプリアス部分)については、その値を実現するギャップサイズは1通りしかなく、この値がそのまま使用される。上述したように、シミュレーションにより得られたグラフのうち、「理論」のグラフから逸脱している部分又は値は、「スプリアス」、「スプリアス値」又は「スプリアス部分」等と言及される。
ステップ3209において、特定の素子が実現しなければならない反射位相に対応するギャップサイズが、メモリに記憶されている対応関係のデータに従って決定される。決定されたギャップサイズ及び想定されている所定の素子間隔から、パッチサイズが導出される。例えば、リフレクトアレーの原点に位置する素子の反射位相が決定され、その反射位相を実現するためのギャップサイズが原点の素子#0について決定される。
ステップ3211において、全ての素子についてギャップサイズが決定されたか否かが判定され、未だ決定されていない素子があれば、フローはステップ3207に戻って残りの素子について、反射位相及びギャップサイズが決定される。例えば、原点の素子のギャップサイズが決定された後に、原点の素子に隣接する素子#1が実現しなければならない反射位相が決定され、メモリに記憶されている対応関係を参照することで、その反射位相に対応するギャップサイズを求め、それを素子#1のギャップサイズとして決定し、以下同様に全ての素子のギャップサイズが反復的に決定される。ステップ3211において、全ての素子についてギャップサイズが決定されている、と判定された場合、フローはステップ3213に進み、終了する。
このように、特定の素子が適切な特定の反射位相を実現するように、特定の素子のギャップサイズを、事前に取得した対応関係に従って決定する手順が、複数の素子各々について反復される。すなわち、反射位相を決定し、素子の位置(位置ベクトル)及びギャップサイズを決定する手順を反復することで、個々の素子の具体的なギャップサイズが決定される。
なお、xy平面上に存在するリフレクトアレーを構成する素子のパッチ間のギャップサイズは、図4及び図5に示すような構造で実現してもよいし、或いは図8−11に示すような構造で実現してもよい。
<4.4 スプリアス部分を使用するか否かによる相違>
次に、リフレクトアレーの設計において、図31に示すようなスプリアス部分を使用する場合と使用しない場合の相違を考察する。図33はスプリアス部分を使用しないで設計した場合、すなわち図31の「理論」のグラフに基づいて設計した場合のリフレクトアレーの一部分(1周期分)を示す。このような部分がy軸方向に40個並べられ、x軸方向に2つ並べられ、x軸方向に140mm及びy軸方向に140mmの長さを有するリフレクトアレーが想定されている。x軸方向に16個の素子が並べられ、途中の素子4つ分の領域には素子が形成されていない。この領域は、「理論」のグラフにおいて実現できない反射位相の領域に対応する。図34は図31の「理論」のグラフにおいて、シミュレーションに採用されたギャップサイズ及び反射位相の16個の組み合わせ(設計値)を示す。この設計例の場合、素子間隔は3.5mmであり、二共振が生じない場合の数値例が使用されている。図示の例の場合、130度から180度までの反射位相を実現できない。図35は16個の素子のギャップサイズと反射位相との対応関係を表の形式で示している。図示されているように、反射位相は0度から18度ずつ変化しているが、±180度、162度、144度、126度の4種類の反射位相は、「理論」のグラフでは実現できないので、それらに対応するギャップサイズの欄は空白になっている。これは、図33に示すリフレクトアレーにおいて素子が形成されていない領域に対応する。
図36及び図37は、真空中でこのようなリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す。入射波のz軸からの偏角はθi=20度でありx軸からの偏角φi=270度であり、所望方向の反射波のz軸からの偏角はθr=31度でありx軸からの偏角φr=41度である。すなわち、<2.入射波を任意の方向に反射させる>において説明したように、入射波と鏡面反射波とを含む平面に反射波が存在しないように、リフレクトアレーが設計されている。図36はyz平面(φr=90度)における反射波の強度レベルをz軸からの偏角θの変数として示している。図中、Eθのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のθ方向成分を表し、Eφのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のφ方向成分を表す。入射角θi=20であるので、θ=20度におけるピークは鏡面反射成分を表す。図37も図36と同様に反射波の強度レベルをz軸からの偏角と共に示すが、φ=41度の平面における強度レベルである点が異なる。目下の例の場合、所望方向はθr=31度及びφr=41度であるので、これは所望方向を含む平面である。図示されているように、θ=31度においてピークが生じており、これは所望方向の電波のレベルが強いことを示す。
図38はスプリアス部分を使用して設計した場合、すなわち図31の「シミュレーション」のグラフに基づいて設計した場合のリフレクトアレーの一部分(1周期分)を示す。このような部分がy軸方向に40個並べられ、x軸方向に2つ並べられたリフレクトアレーが想定されている。このリフレクトアレーはx軸方向に140mm及びy軸方向に140mmの長さを有する。図33に示す構造とは異なりx軸方向に20個全ての素子が並べられ、素子が形成されていない領域はない。図39は図38に示す1列分(1周期分)のリフレクトアレーの側面図(上側)及び平面図(下側)を示す。図40は図31の「シミュレーション」のグラフに従って、シミュレーションに採用されたギャップサイズ及び反射位相の20個の組み合わせ(設計値)を示す。図41は20個の素子のギャップサイズと反射位相との対応関係を表の形式で示す。図示されているように、反射位相は0度から18度ずつ変化し、-162度、-180度を含む全ての種類の反射位相が実現されている。
図42及び図43は、真空中でこのようなリフレクトアレーに11GHzの電波が入射して反射した場合のシミュレーション結果を示す。入射波のz軸からの偏角はθi=20度でありx軸からの偏角φi=270度であり、所望方向の反射波のz軸からの偏角はθr=29度でありx軸からの偏角φr=45度である。すなわち、<2.入射波を任意の方向に反射させる>において説明したように、入射波と鏡面反射波とを含む平面に反射波が存在しないように、リフレクトアレーが設計されている。図42はyz平面(φr=90度)における反射波の強度レベルをz軸からの偏角θに対して示している。図中、Eθのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のθ方向成分を表し、Eφのグラフは反射波の電界ベクトルを(rθφ)極座標で表現した場合のφ方向成分を表す。入射角θi=20であるので、θ=20度におけるピークは鏡面反射成分を表す。鏡面反射方向以外の方向の不要な電波(サイドローブ又はグレーティングローブ)が低く抑制されている。この点、そのような不要な電波がかなり高いレベルで生じている図36に示す例と異なる。図43も図42と同様に反射波の強度レベルをz軸からの偏角と共に示すが、φ=45度の平面における強度レベルである点が異なる。目下の例の場合、所望方向はθr=29度及びφr=45度であるので、これは所望方向を含む平面である。図示されているように、θ=29度においてピークが生じており、これは所望方向の電波のレベルが強いことを示す。図示の例の場合、所望方向(θ=29度)以外の方向の不要な電波(サイドローブ又はグレーティングローブ)が低く抑制されている。この点、そのような不要な電波がかなり高いレベルで生じている図37に示す例と異なる。このように実施の形態によれば、図31に示すようなスプリアス部分を活用することで、反射特性に優れたリフレクトアレーを実現することができる。
以上、リフレクトアレーにより電波を反射させる実施の形態を説明してきたが、開示される発明は上記の形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。例えば、本発明は、入射波を任意の方向に反射させる適切な如何なるリフレクトアレーに適用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。また、発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず、同様な結果をもたらす他の数式が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。

Claims (3)

  1. 入射波を所望方向に反射するリフレクトアレーの設計方法であって、
    複数の素子が所定の素子間隔で整列している構造に所定の周波数の電波が入射して反射した場合の素子の反射位相を、隣接する素子のパッチ間のギャップサイズの関数として求め、反射位相及びギャップサイズの対応関係をメモリに保存するステップと、
    前記リフレクトアレーを構成する複数の素子のうちの特定の素子が、特定の反射位相で前記電波を反射するように、該特定の素子のギャップサイズを前記対応関係に従って決定することを、前記リフレクトアレーを構成する複数の素子各々について実行するステップとを有し、
    反射位相及びギャップサイズの前記対応関係は、所定のギャップサイズの前後2つのギャップサイズにおいて同じ値の反射位相が存在することを示し、
    隣接する素子間の素子間隔及びギャップサイズが一定である構造に電波が入射して反射した場合に、反射波の反射位相を周波数の関数とすると、前記所定の周波数の前後2つの周波数において同じ値の反射位相が存在し、
    隣接する素子のパッチ間のギャップサイズが一定である構造に前記所定の周波数の電波が入射して反射した場合に、反射波の反射位相を素子間隔の関数とすると、前記所定の素子間隔の前後2つの素子間隔において同じ値の反射位相が存在する、リフレクトアレーの設計方法。
  2. 第1の軸方向及び該第1の軸方向と直交する第2の軸方向に整列しかつ入射波を反射する複数の素子を有し、前記入射波を、該入射波及び鏡面反射波を含む面内にはない所望方向に反射するリフレクトアレーであって、
    前記複数の素子の各々が地板及びパッチを少なくとも含み、
    前記複数の素子のうちの任意の或る素子による反射波の位相が第1の条件、第2の条件及び第3の条件を満たすように、前記複数の素子のパッチ同士の間のギャップが設定され、
    前記第1の条件は、前記或る素子による反射波の位相が、前記第1の軸方向において該或る素子に隣接する素子による反射波の位相と所定値だけ異なりかつ前記第2の軸方向において該或る素子に隣接する素子による反射波の位相と等しいことであり、
    前記第2の条件は、前記入射波の進行方向に沿う入射単位ベクトルの前記第2の軸方向成分の大きさが、前記反射波の進行方向に沿う反射単位ベクトルの前記第2の軸方向成分の大きさと等しいことであり、
    前記第3の条件は、前記第1の軸方向に整列する複数の所定数個の素子のパッチ間のギャップ最小値から最大値まで徐々に変化し、該複数の所定数個の素子の反射波の位相360度の範囲にわたって前記所定値毎に変化することである、リフレクトアレー。
  3. 前記複数の素子の各々がマッシュルーム構造により形成されている、請求項2に記載のリフレクトアレー。
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