JP5603397B2 - アンテナおよび無線装置 - Google Patents
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Description
本発明の目的は、広い角度範囲の指向性を有するアンテナなどを提供することにある。
このようなアンテナにおいて、導波管は、一端部から導波管の内側に入り込んで設けられた電波入出部の伝搬領域に接する部分の内径が、他の部分の内径に比べ小さく設定されていることを特徴とすることができる。
また、電波入出部は、入出領域の導波管側に電波を反射する反射器を備えることを特徴とすることができる。
さらに、反射器は、電波の強度を設定するチョーク溝を有することを特徴とすることができる。
さらにまた、導波管は断面が円形であって、電波は円偏波であることを特徴とすることができる。
そして、導波管の他端部に設けられ、給電された電気信号を電波に変換し、または入射した電波を電気信号に変換する変換部をさらに備えることを特徴とすることができる。
[第1の実施の形態]
<飛行体100>
図1は、第1の実施の形態が適用される飛行体100に搭載されるアンテナ1とその指向性の一例を示す図である。ここでは、飛行体100として、ヘリコプターを例として示している。図1(a)は、飛行体100であるヘリコプターが水平飛行する状態を示し、図1(b)は、飛行体100であるヘリコプターの姿勢が空中において斜めに傾いた(前のめり)状態を示している。
なお、図1(a)、(b)には、地表200および地表200上に設けられた基地局4を併せて示している。
ここで、電波の送受信に対する指向性とは、電波を受信するときは、予め定められた受信感度が得られる角度の範囲をいう。また、電波を送信するときは、予め定められた送信出力が得られる角度の範囲をいう。なお、指向性3aでは、矢印で受信感度の大きさ(強さ)および送信出力の大きさ(強さ)を示している。
そして、角度は、アンテナ1において電波を伝搬する導波管11(図2参照)の中心軸(以下では、アンテナ1の軸とする。)の方向を0°とし、中心軸の右側を+とし、左側を−とする。
図2は、第1の実施の形態におけるアンテナ1の断面図および上面図の一例を示す図である。図2(a)は断面図、図2(b)は後述する電波入出部12側から見た上面図である。なお、図2(a)に示す断面図は、図2(b)のIIa−IIa線での断面である。アンテナ1は、電波の送信および受信ができる。
そして、アンテナ1における、電波入出部12、導波管保持体14、コネクタ保持体16は、導波管11の中心軸(図2(a)のA−A線)を軸とする回転体である。なお、前述したように、導波管11の中心軸をアンテナ1の軸と表記する。よって、アンテナ1の軸もA−A線である。
以下順に説明する。
ここでは、例として7GHz帯の電波を伝搬するとする。そして、導波管11の内径φoは32mm、導波管11の長さは180mmに設定されている。なお、7GHz帯とは、Cバンド(6.425〜6.57GHz)およびDバンド(6.87〜7.125GHz)の両バンドをカバーする。
また、導波管11の一端部は、後述する反射器19を保持できるように外側が太くなっている。
そして、図2(a)に示すように、電波入出部12は、導波管11の中心軸に沿って、導波管11の外部に位置する入出領域12a、導波管11の内部に設けられた伝搬領域12b、さらに伝搬領域12bに繋がって、導波管11の内部に設けられた整合領域12cを備えている。
ここでは、電波入出部12は、例えば、比誘電率εrが2.1のポリテトラフルオロエチレンで構成されている。
また、電波入出部12の表面(導波管11から遠い側)は、導波管11の中心軸に垂直な平面で構成されている。一方、電波入出部12の裏面(導波管11に近い側)の周辺部は、後述するチョーク溝19a付きの反射器19と組み合わされるように凹凸が設けられている。
なお、導波管保持体14は、導波管11と同様に、銅、アルミニウムなどの金属で構成されてもよく、他の材料で構成されてもよい。
コネクタ15の代わりに他の導波管を用いる場合には、コネクタ15の他に、コネクタ保持体16、変換器17、円偏波発生器18を要せず、導波管11と他の導波管とがフランジなどで接続される。
コネクタ保持体16は、導波管11の他端部を終端する部材であるので、導波管11と同様に、銅、アルミニウムなどの電気伝導度の大きい金属で構成されている。
円偏波発生器18は、板状の部材であって、変換器17が出力した直線偏波を円偏波に変換する。
なお、変換器17および円偏波発生器18も、導波管11と同様に、銅、アルミニウムなどの電気伝導度の大きい金属で構成されている。そして、変換器17および円偏波発生器18は、変換部の一例である。
そして、前述したように、反射器19のチョーク溝19aが電波入出部12の裏面に設けられた凹凸と対向するようになっている。
図3は、第1の実施の形態におけるアンテナ1の動作の概要を説明する図である。ここでは、図2(a)において導波管11、電波入出部12、反射器19を示している。
円偏波発生器18により発生された電波は、導波管11の内壁で反射しつつ、電波入出部12の整合領域12cに入射する。整合領域12cに入射した電波は、伝搬領域12bに入射し、伝搬領域12bと導波管11の内面との界面で反射を繰り返しつつ、入出領域12aに入射する。
このようにすることで、入出領域12aから電波が出射する角度を調整できる。よって、アンテナ1から電波が出射される角度の範囲、すなわち指向性を制御(調整)することができる。
第1の実施の形態では、電波入出部12の伝搬領域12bの外径を導波管11の内径φoとした。この場合、電波入出部12の伝搬領域12bでは、電波の波長が、自由空間(空気)での波長を比誘電率εrの平方根で除した値になる。このため、伝搬領域12bでは、導波管11が伝搬する電波の波長に比べて大きくなって、複モードが発生してしまう。
そこで、第2の実施の形態では、電波入出部12の伝搬領域12bの外径を、伝搬領域12bの比誘電率εr、すなわち伝搬領域12bにおける電波の波長に基づいて、小さくした。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、同じ部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
図5は、第2の実施の形態におけるアンテナ1の断面図および上面図の一例を示す図である。図5(a)は断面図、図5(b)は後述する電波入出部12側から見た上面図である。なお、図5(a)に示す断面図は、図5(b)のVa−Va線での断面である。アンテナ1は、電波の送信および受信ができる。
第2の実施の形態のアンテナ1は、第1の実施の形態におけるアンテナ1と異なって、補助導波管13を備えている。また、第2の実施の形態のアンテナ1では、補助導波管13を備えたことにより、第1の実施の形態のアンテナ1と電波入出部12の形状が異なっている。
なお、図5(b)では、導波管11、電波入出部12、円偏波発生器18を表記し、他の部材の表記を省略する。
そして、図5(a)に示すように、補助導波管13は、導波管11の一端部から導波管11の内部に、導波管11の一端部と補助導波管13の一端部とが一致するように嵌め込められ、導波管11に固定される。
なお、導波管11および補助導波管13をまとめて、導波管と呼ぶことがある。
そして、補助導波管13の長さは、電波入出部12の伝搬領域12bの長さとなるように設定されている。
なお、補助導波管13は、導波管として機能するので、導波管11と同様に、銅、アルミニウムなどの電気伝導度の大きい金属で構成されている。
第1の実施の形態で説明したと同様に動作し、電波入出部12を設けているので、電波入出部12を設けない場合に比べ、電波の出射する角度の範囲すなわち指向性を広げることができる。電波を送信する場合について説明したが、受信する場合も同様である。
さらに、電波入出部12の伝搬領域12bにおける導波管11(具体的には補助導波管13)の内径φeを、伝搬領域12bの比誘電率εr、すなわち伝搬領域12bにおける電波の波長に基づいて、自由空間(空気)での導波管11の内径φoに比べて小さくしているので、複モードなどの発生が抑制される。
第2の実施の形態では、電波入出部12の伝搬領域12bにおける導波管11(具体的には補助導波管13)の内径φeを、自由空間(空気)での導波管11の内径φoに比べて小さく設定しているので、電波が伝搬領域12bから入出領域12aに入射する角度の範囲が広くなる。これによっても、アンテナ1から電波の出射する角度の範囲、すなわち指向性が広がっている。
7GHz帯(Cバンド(6.425〜6.567GHz)およびDバンド(6.87〜7.125GHz))において、リターンロス−14dB以下(VSWR1.5)と優れた特性を示した。
いずれの周波数fにおいても、180°前後の半値幅が得られている。すなわち、第2の実施の形態におけるアンテナ1は、軸に対して半球状の指向性を有している。
第1の実施の形態および第2の実施の形態では、導波管11は断面が円形の円形導波管であった。第3の実施の形態では、導波管11を断面が四角形(方形)である方形導波管とした。
他の構成は、第2の実施の形態と同様であるので、同じ部分の説明を省略して、異なる部分を説明する。
図8は、第3の実施の形態におけるアンテナ1の断面図および上面図の一例を示す図である。図8(a)は断面図、図8(b)は電波入出部12側から見た上面図である。なお、図8(a)に示す断面図は、図8(b)のVIIIa−VIIIa線での断面である。アンテナ1は、電波の送信および受信ができる。
ここでは、変換器17が変換部の一例である。
補助導波管13の電波入出部12の伝搬領域12bに接する部分、すなわち補助導波管13の内側は、導波管11とつながって、導波管として機能する。
方形導波管では、磁場(H)が振動する側の大きさ(幅または奥行き)は、伝搬する電波の波長によって決まる。一方、電場(E)が振動する側の大きさ(奥行きまたは幅)は、大きくも小さくも設定できる。そこで、方形導波管の電場(E)が振動する側の大きさを小さくすると、前述した回折効果によって、電波が出射する角度の範囲、すなわち指向性を広げることができる。
しかし、方形導波管の電場(E)が振動する側の大きさを小さくすると、大きい場合に比べて電波の強度が弱くなってしまう。
また、アンテナ1を飛行体100に搭載するとして説明したが、広い指向性が求められるアンテナに適用できる。
Claims (7)
- 電波を伝搬させる導波管と、
誘電体で構成されるとともに、前記導波管の一端部に接して当該導波管の開口を覆うとともに当該導波管の中心軸と直交する方向にはみ出して設けられて電波が入射または電波を出射する入出領域と、当該導波管の当該一端部から当該導波管の内側に入り込んで設けられて電波を伝搬する伝搬領域とを備えた電波入出部と、を備え、
前記電波入出部における前記入出領域と前記伝搬領域とが連続して設けられ、当該伝搬領域は、前記導波管の前記内側と向かい合う面が、当該導波管の当該内側に接するように当該導波管に詰め込まれているとともに、
電波を出射する場合に、前記電波入出部の前記伝搬領域を伝搬した電波が、前記入出領域における前記導波管の中心軸の方向に沿った部分及び当該導波管の中心軸と直交する方向にはみ出した部分を伝搬して、当該導波管の中心軸の方向から当該導波管の中心軸と直交する方向に広がって出射されることを特徴とするアンテナ。 - 前記導波管は、前記一端部から当該導波管の内側に入り込んで設けられた前記電波入出部の前記伝搬領域に接する部分の内径が、他の部分の内径に比べ小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記電波入出部は、前記入出領域の前記導波管側に電波を反射する反射器を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
- 前記反射器は、電波の強度を設定するチョーク溝を有することを特徴とする請求項3に記載のアンテナ。
- 前記導波管は断面が円形であって、前記電波は円偏波であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 前記導波管の他端部に設けられ、給電された電気信号を電波に変換し、または入射した電波を電気信号に変換する変換部をさらに備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のアンテナ。
- 電波を伝搬させる導波管と、誘電体で構成されるとともに、当該導波管の一端部に接して当該導波管の開口を覆うとともに当該導波管の中心軸と直交する方向にはみ出して設けられて電波が入射または電波を出射する入出領域と、当該導波管の当該一端部から当該導波管の内側に入り込んで設けられて電波を伝搬する伝搬領域とを備えた電波入出部と、を有するアンテナと、
前記アンテナに、当該アンテナが出射する電波に変換される電気信号を送信し、または入射した電波から変換された電気信号を受信する送受信部と、を備え、
前記アンテナの前記電波入出部における前記入出領域と前記伝搬領域とが連続して設けられ、当該伝搬領域は、前記導波管の前記内側と向かい合う面が、当該導波管の当該内側に接するように当該導波管に詰め込まれているとともに、
電波を出射する場合に、前記アンテナにおける前記電波入出部の前記伝搬領域を伝搬した電波が、前記入出領域における前記導波管の中心軸の方向に沿った部分及び当該導波管の中心軸と直交する方向にはみ出した部分を伝搬して、当該導波管の中心軸の方向から当該導波管の中心軸と直交する方向に広がって出射されることを特徴とする無線装置。
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