JP2009267672A - アンテナ用一次放射器、及びアンテナ - Google Patents
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Abstract
【課題】経時的な信頼性が高く、かつ、設計自由度の高い一次放射器を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様に係るアンテナ用一次放射器1は、少なくとも先端部近傍の外周側壁が、平面視上、円形状であり、かつ当該先端部近傍の外周側壁に第1ネジ溝11が形成された一次放射器本体10と、一次放射器本体10への挿入方向に形成された貫通穴24、当該貫通穴24の内周側壁に形成され、一次放射器本体10の先端部の第1ネジ溝11と螺合する第2ネジ溝21、及び、一次放射器本体10への挿入を規制するストッパ部23を備えるキャップ20と、一次放射器本体10の先端部の開口部を被覆する被覆部材30と、を備える。被覆部材30の周縁部が、一次放射器本体10の先端面と、キャップ20のストッパ部23との間に挟持されている。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の一態様に係るアンテナ用一次放射器1は、少なくとも先端部近傍の外周側壁が、平面視上、円形状であり、かつ当該先端部近傍の外周側壁に第1ネジ溝11が形成された一次放射器本体10と、一次放射器本体10への挿入方向に形成された貫通穴24、当該貫通穴24の内周側壁に形成され、一次放射器本体10の先端部の第1ネジ溝11と螺合する第2ネジ溝21、及び、一次放射器本体10への挿入を規制するストッパ部23を備えるキャップ20と、一次放射器本体10の先端部の開口部を被覆する被覆部材30と、を備える。被覆部材30の周縁部が、一次放射器本体10の先端面と、キャップ20のストッパ部23との間に挟持されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、アンテナ用一次放射器、及びこの一次放射器を備えるアンテナに関する。
地上マイクロ波回線等に使用するパラボラアンテナにおいては、一次放射器を用いて反射鏡に電波を照射することにより、高利得が得られる。一次放射器は、電力を効率よく供給するために、一般にケーブルに比して低損失である導波管が用いられる。アンテナは、通常、屋外で使用するため、導波管の内部を錆から保護する必要がある。このため、導波管内部は、通常気密構造とし、かつ乾燥空気が充填されている。
図14に、特許文献1に記載のホーンアンテナ(一次放射器)の構成図を示す。このホーンアンテナ101は、ホーン本体102、誘電体板からなる開口カバー103、ネジ溝105、Oリング溝106、Oリング107等を備える。ホーン本体102の先端部には、開口部が設けられている。そして、その開口部は、開口カバー103により被覆することにより内部を気密構造としている。
具体的には、ホーンアンテナ101の開口端の一部104をネジ溝105により、ホーン本体102に対して着脱可能な構造としている。また、開口端の一部104とホーン本体102との接合面に、気密保持用のOリング溝106を設けている。そして、開口カバー103の端を、開口端の一部104とホーン本体102の接合面の間に挟持し、開口端の一部104をホーン本体102にネジにより圧着することにより、開口カバー103を固定するとともに気密性を確保している。
図15に、特許文献2に記載のフィードホーン一体型電波受信用コンバータ(LNB(Low Noise Block Down Converters))の断面図を示す。同図に示すように、LNBは、高周波回路基板等が内装される本体部150と、衛星からの電波を受信するフィードホーン部151とを備える。フィードホーン部151は、第1フィードホーン部151aと、第2フィードホーン部151bとを有する。第1フィードホーン部151aは本体部150側に位置し、その先端部近傍にネジ部153を有する。第2フィードホーン部151bの先端部近傍にもネジ部153を有し、ネジ部153を介して第1と第2フィードホーン部151a、151bが接続されている。そして、第1と第2フィードホーン部151a、151b間には、シート130が挟持され、これにより第1フィードホーン部151a内部の気密性を確保している。
図16に、特許文献3に記載の一次放射器の一部拡大図を示す。同図に示すように、導波管の本体部160の開口先端部161の外周面には、フィードホーン162の開口後端部163を嵌めこむための環状段差部164が形成されている。また、フィードホーン162の開口後端部163の内周面には、導波管の環状段差部に嵌め込むための環状凹部165が形成されている。フィードホーン162は、この環状凹部165を導波管160の環状段差部に嵌め込むことによって接続される。また、フィルム状のシート部材166は、フィードホーン162を嵌めこむ前の環状段差部164の環状先端面に接着剤167を介して接着されている。
実開昭60−121304号公報 第3図、第3−4頁
特開2003−243901号公報 第2図、段落番号0023−0031
特開2004−120348号公報 第1図、段落番号0023−0028
一次放射器の開口部の形状は、開口部から放射される指向特性を決定する重要なファクターである。また、実際に運用される周波数は複数あり、高い周波数になるほど開口径が小さくなる。所望の指向特性を得るために、実機評価での試行錯誤を繰り返して一次放射器の開口部形状を決定する場合が多く、設計には多大な労力を要している。
上記特許文献1に記載のホーンアンテナ101においては、ホーン本体102にOリング溝106が配設されている構造を採用しているため、設計自由度が高いとは言えなかった。特許文献2に記載のLNBにおいては、気密構造を形成するシート130が、フィードホーン部150の長手方向の略中央部分である導波管の中間部分に配設されている。このように、電気的に不連続とならない導波管の中間にシートを配置する構造は、電気特性に与える影響を小さくすることができる点において優れている。しかしながら、シート130の外側に位置する領域の経時的な劣化が懸念される。特許文献3に記載の一次放射器においては、導波管160の内圧が上昇してフィードホーン162の位置が外側にずれると、シート166の気密不良となる恐れがある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、経時的な信頼性が高く、かつ、設計自由度の高い一次放射器を提供することである。
本発明に係るアンテナ用一次放射器は、少なくとも先端部近傍の外周側壁が、平面視上、円形状であり、かつ当該先端部近傍の外周側壁に第1ネジ溝が形成された一次放射器本体と、前記一次放射器本体への挿入方向に形成された貫通穴、当該貫通穴の内周側壁に形成され、前記一次放射器本体の先端部の前記第1ネジ溝と螺合する第2ネジ溝、及び、前記一次放射器本体への挿入を規制するストッパ部を備えるキャップと、前記一次放射器本体の先端部の開口部を被覆する被覆部材と、を備える。そして、前記被覆部材の周縁部が、一次放射器本体の先端面と、前記キャップの前記ストッパ部との間に挟持されている。
本発明によれば、経時的な信頼性が高く、かつ、設計自由度の高い一次放射器を提供することができるという優れた効果を有する。
以下、本発明を適用した実施形態の一例について説明する。なお、本発明の趣旨に合致する限り、他の実施形態も本発明の範疇に属し得ることは言うまでもない。
[実施形態1]
図1に、本実施形態1に係るパラボラアンテナ等のアンテナ用一次放射器の一例を説明するための模式的な分解斜視図を、図2(a)に、本実施形態1に係るアンテナ用一次放射器の上面図を、図2(b)に同分解断面図を示す。また、図3に、本実施形態1に係るアンテナ用一次放射器の切断部断面図を示す。この一次放射器1は、一次放射器本体(以下「本体」とする)10、キャップ20、被覆部材であるシート30、シール材31を備える。一次放射器1の本体10の内部には、乾燥空気が充填せしめられている。
図1に、本実施形態1に係るパラボラアンテナ等のアンテナ用一次放射器の一例を説明するための模式的な分解斜視図を、図2(a)に、本実施形態1に係るアンテナ用一次放射器の上面図を、図2(b)に同分解断面図を示す。また、図3に、本実施形態1に係るアンテナ用一次放射器の切断部断面図を示す。この一次放射器1は、一次放射器本体(以下「本体」とする)10、キャップ20、被覆部材であるシート30、シール材31を備える。一次放射器1の本体10の内部には、乾燥空気が充填せしめられている。
本体10は、筒状構造の導波管により構成されている。本体10は、平面視上、円形状となっており、先端部近傍の外周側壁には、キャップ20と嵌合させるための第1ネジ溝11が形成されている。なお、本体10において、第1ネジ溝11の形成部の外周側壁が少なくとも、平面視上、円形状となっていればよく、種々の変形が可能である。
キャップ20は、一次放射器の気密性を保持するシート30を固定する部材であるとともに、指向特性を良好に保持する役割を担う。キャップ20には、本体10への挿入方向に貫通穴24が形成されている。そして、この貫通穴の内周側壁には、本体10に設けられた第1ネジ溝11と螺合する第2ネジ溝21が形成されている。また、キャップ20には、本体10へのキャップ20の挿入を規制するストッパ部23が設けられている。そして、キャップ20の内周の開口径W1は、本体10の内周の開口径W2と略同一となるように構成されている。より具体的には、キャップ20を本体10に取り付けた際、キャップ20に設けられた貫通穴24の露出する領域の内周の開口径W1が、本体10の先端部の開口部の内周の開口径W2と略同一となるように構成されている。
キャップ20の先端には、チョーク構造25が設けられている。チョーク構造25の形状やサイズは、用途や求められる性能等に応じて、適宜選定することができる。本実施形態1に係るチョーク構造25は、平面視上、中心が同一である円形の枠体状である溝部26を3つ備えている(図1〜3参照)。換言すると、平面視上、中心が同一である円形の枠体状である突出構造部27を4つ備えている。チョーク構造25を設けることにより、一次放射器1の電界面と磁界面の指向特性を改善し、より良好なアンテナ放射特性を得ることができる。
シート30は、一次放射器内部の気密性を保つ役割を担うと共に、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)等の反射特性を良好に保つ役割を担う。シート30としては、電波の透過性が良く、かつ気密性に優れるものを用いる。このようなものとして、ガラス繊維にテフロン(登録商標)をコーティングしたラミネートシート等を挙げることができる。シート30の外径は、本体10の先端面12の外径(第2ネジ溝21の部分を除く)と略同一のものを用いる。そして、本体10の先端面12に、平面視上、本体10と重なるようにシート30をシール材31を介して載置する。これにより、シート30により本体10が被覆され、かつ気密性が確保される。
本実施形態1においては、シート30と本体10との間にパッキンを用いて気密性を確保せず、シール材31により気密性を確保している。パッキンを用いる場合には、一次放射器の外径に応じて、最適なパッキンを用意する必要があった。市販品において、適合するパッキンがあるとは限らず、特注すると、コスト上昇は避けられない。本実施形態1によれば、シール材を用いているので、一次放射器の外径や形状によらず、同一のものを適用することができる。
シール材31は、特に限定されず市販のものを用いることができる。汎用性、取り扱い容易性の観点からは、ペースト状のものを用いることが好ましい。また、組立工程の簡便化の観点から、接着性を有するシール材を用いることが好ましい。接着性のシール材31を用いることにより、本体10とシート30とを接着せしめた後に、キャップ20を本体10にネジにより圧着することにより、シート30を固定するとともに気密性を確保することができる。
シール材30の塗布は、キャップ20を本体10に嵌合せしめる際に、本体10とシート30との接合面全体に行き渡る分量、及び位置に行う。本体10に対してキャップ20をねじ込み、その圧力によって本体10とシート30の間に塗布されたシール材を接着面に行き渡らせることができ、一次放射器内部を簡便に気密構造にすることができる。シート30は、本体10の先端面12と、キャップ20のストッパ部23との間に挟持されることになる。
キャップ20を本体10に嵌合せしめると、前述したように、両者の内周の開口径が略一致し、一体的に一次放射器として機能する。また、キャップ20と本体10との間にシート30を設け、本体10の内部を気密構造とすることができるので、特許文献2に比して外気に晒される領域を最小限に抑え、経時的な劣化を抑制して信頼性の高い製品を提供することができる。
次に、一次放射器の先端部近傍の形状と、指向特性の関係について説明する。パラボラアンテナに代表されるアンテナ用一次放射器の開口部は、導波管を用いることが多い。開口の形状は様々あるが、この開口から放射される指向特性は、アンテナとしての放射特性を決定するものである。サイドローブを抑え、開口効率が良く十分な利得が得られる放射特性を実現するには、一次放射器から軸対称な電波が放射されて反射鏡に照射されることが望ましい。
まず、比較例1として、円形導波管の指向特性について、3Dシュミレーションマシンへのモデル入力により検討した結果について説明する。図4(a)に、比較例1に係る円形導波管201の上面図を、図4(b)に、同円形導波管201の断面図を示す。円形導波管201は、同図に示すように、円形の筒状体からなる導波管により構成されている。図4(b)中の円形導波管201の位相中心先端215において、反射鏡(不図示)の方位(0〜90°)に対する磁界面、及び電界面の振幅特性を検討した。その結果を図5に示す。図5中の実線は磁界面の振幅特性を示し、破線は電界面の振幅特性を示している。図5より、円形導波管201を用いた場合、反射鏡の方位0〜90°のうちの0〜60°近辺までの方位において、磁界面と電界面の振幅特性が一致していることがわかる。
次に、比較例2として、3Dシュミレーションマシンへのモデル入力によりフランジ構造を有する一次放射器の指向特性について検討した結果について説明する。図6に、比較例2に係る一次放射器301の分解斜視図を示す。一次放射器301は、フランジ部316を有する本体310、シート330、パッキン332、リング333等を備える。
本体310の開口部分には、カバーを兼ねてシート330が装荷されている。シート330は、フランジ部316の上面とリング333の間にパッキン332、及びシート330が挟持され、多数のボルト(不図示)を用いて、リング333をシート330に押し付け、パッキン332を圧着させることにより内部の気密を保持する。なお、3Dシュミレーションは、シート330を挟持しない構造において検討した。
図7(a)に、一次放射器301の上面図を、図7(b)に、同一次放射器301の断面図を示す。図7(b)中の一次放射器301の位相中心先端315において、反射鏡(不図示)の方位(0〜90°)に対する磁界面、及び電界面の振幅特性を検討した。その結果を図8に示す。図8中の実線は磁界面の振幅特性を示し、破線は電界面の振幅特性を示している。
図8の結果より、一次放射器301においては、磁界面と電界面の振幅特性のプロファイルが、反射鏡の全方位においてずれていることがわかる。これは、一次放射器301の先端部であるフランジが持つ平面部分により、磁界面と電界面の電流の振る舞いに差が生じるためである。図8の特性は、縦軸に示すLevelを同じ等高線で描くと楕円状になる。これは、一次放射器の指向特性が軸対象ではないことを示している。すなわち、良好な放射特性が得られないことになる。そして、所望の指向特性を得るためには、前述したように一次放射器の開口部の形状設計を試行錯誤により行う必要がある。
次に、本実施形態1に係る一次放射器1の指向特性について、3Dシュミレーションマシンへのモデル入力により検討した結果について説明する。なお、前記比較例2と同様に、シート30を挟持しない構造において3Dシュミレーションを実施した。
図9(a)に、シート30を取り付けていない一次放射器1の上面図を、図9(b)に、同一次放射器1の断面図を示す。図9(b)中の一次放射器1の位相中心先端15において、反射鏡(不図示)の方位(0〜90°)に対する磁界面、及び電界面の振幅特性を検討した。その結果を図10に示す。同図より、反射鏡の全方位(0〜90°)において、磁界面の振幅特性のプロファイルと電界面の振幅特性のプロファイルがほぼ同じであることがわかる。すなわち、本実施形態1に係る一次放射器1の指向特性は良好な特性を示すことがわかる。なお、本実施形態1においては、指向特性を改善させるためにキャップ20の上面にチョーク構造25を設けている。チョーク構造25を設けることにより、指向特性と組み立て効率の両面において、より有利な構造とすることができる。
本実施形態1によれば、ねじ込み構造型のキャップを用いて、シート30を固定する構造とすることにより、組立工程を簡便にして作業効率を上げることができる。組立時間を短縮することができるため、生産効率の向上につながる。しかも、気密の保持には市販のシール材を使用することができるため安価に組み立てることができる。
また、キャップ20と本体10との間にシート30を設け、本体10の内部を気密構造とすることができるので、外気に晒される領域を最小限に抑えることができる。さらに、ねじ込み構造を採用することにより、内圧が上昇した場合にも、キャップ20と本体10のネジ山がかみ合っているため、キャップ20が外側に位置ずれするのを規制することができる。その結果、キャップ20と本体10により挟持されているシート30の固定を確実に行い、シートの気密性が低下することを防止することができる。以上により、経時的な劣化を抑制して信頼性の高い製品を提供することができる。
また、ねじ込み構造にすることにより、シート30の固定及び気密化を、前述したようにボルトやOリングを用いずに実現することができる。このため、一次放射器本体10の先端部に余分な部位を付加する必要がない。余分な部位を付加する必要がなく、シンプルな外観とすることも可能である。その結果、電気・機構の両方の観点から設計自由度が増加する。しかも、余分な部位がないために、所望の指向特性を得やすい。
本実施形態1に係る一次放射器によれば、周波数帯によらずに、指向特性を満足するものを設計しやすい。例えば、主に国内のマイクロ回線で使用されている周波数帯(6〜7GHz近辺)において、好適に適用することができる。また、従来、設計が難しかった小型タイプのもの(例えば、最近、回線が多く構築されている高周波数帯(18GHz帯以上)で使用する小型タイプのもの)においても、本件発明を好適に適用することができる。特に、小型化が必要な円形導波管開口部、若しくは矩形導波管を使用している場合でも先端部分を軸対象の円形開口として構成し、気密を保持する等の目的を持つ構造を実現する必要がある場合などに有効である。本実施形態1においては、チョーク構造を備えているので、一次放射器の電界面と磁界面の指向特性を揃え、良好なアンテナ放射特性を容易に得ることができる。
また、本実施形態1においては、本体10の内周の開口径と、キャップ20の内周の開口径が略一致するように設計している。キャップ部の内周開口径が先端に向かって大きくなるようなテーパ形状等を採用していないので、加工が容易であり、切削加工により製造することが可能である。従って、少量多品種を生産する場合に、特に好適に利用することができる。また、キャップ20自体の小型化、単純化を実現しているので、部品点数を削減し、コスト削減を図ることができる。また、構造を単純化しているので、歩留まりを向上させることができる。さらに、チョーク構造25を除き、キャップ20の外周径を同一としているので、外径にテーパ形状を設ける場合に比して、キャップ20自体の機械的強度を高めることができる。
なお、本実施形態1においては、本体1の内周の開口形状として、平面視上、円形状のものを例として説明したが、これに限定されるものではなく、矩形状のものであってもよい。キャップ20の内周側壁にネジ溝が形成されていない領域についても同様である。但し、キャップ20の第2ネジ溝21を設ける領域、及び本体10の第1ネジ溝11を設ける領域においては、ネジの廻し込みが可能であるように開口形状を平面視上、円形状とする必要がある。
また、本実施形態1においては、チョーク構造を備えた例について説明したが、チョーク構造を備えていなくてもよい。チョーク構造の形状等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。また、本実施形態1においては、本体10の先端部の開口部の内周の開口径と、キャップ20を本体10に取り付けた際、キャップ20の貫通穴の露出する領域の内周の開口径を略同一とした例について述べたが、キャップ20の当該領域の開口径は、指向特性を考慮して、本発明の趣旨を逸脱しない範囲にて種々の変形が可能である。例えば、キャップ20の前記開口径部分が、先端に向かって大きくなるようなテーパ形状を採用してもよい。キャップ20の外径についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能であり、例えば、テーパ形状を採用してもよい。
また、本実施形態1においては、ガラス繊維にテフロン(登録商標)をコーティングしたラミネートシートを用いた例について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、耐候性、防水性に優れるテフロン(登録商標)単独の誘電体板からなる被覆部材を用いてもよい。
[実施形態2]
次に、上記実施形態1とは異なる一次放射器の一例について説明する。以降の説明において、上記実施形態1と同一の要素部材には、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
次に、上記実施形態1とは異なる一次放射器の一例について説明する。以降の説明において、上記実施形態1と同一の要素部材には、同一の符号を付し、適宜その説明を省略する。
本実施形態2に係る一次放射器は、キャップの構造を除く基本的な構成は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る一次放射器1においては、キャップにチョーク構造を備えていたのに対し、本実施形態2に係る一次放射器1aにおいては、キャップにチョーク構造を備えていない点において相違する。
図11に、本実施形態2に係るアンテナ用一次放射器1aの一例を説明するための模式的な分解斜視図を示す。また、図12(a)に、本実施形態1に係る一次放射器の上面図を、図12(b)に同分解断面図を示す。キャップ20aは、本体10の外径よりも一回り大きい外径を有する筒体構造となっている。本体10とキャップ20aとは、上記実施形態1と同様にシート30を挟持し、かつ相互に嵌合せしめられている。
キャップ20aの筒状構造の内周側壁には、第1ネジ溝11と螺合して、本体10とキャップ20aとを嵌合する第2ネジ溝21が形成されている。また、本体10へのキャップ20の挿入を規制するストッパ部23が設けられている。本実施形態2に係るキャップ20aには、チョーク構造を設けず、シート30を挟持し、かつ本体10への挿入を規制するストッパ部23を設けるための最小限の厚みD1のみ、本体10先端よりも突出する構造となっている。これにより、シート30を一次放射器1aの先端部に設置することができる。その結果、より経時的な劣化を抑制して、信頼性の高い一次放射器を提供することができる。また、キャップ20aの構造がシンプルであるので、切削工程により容易に製造することができる。従って、少量多品種を生産する場合に、特に好適に利用することができる。また、コスト削減を図ることができる。
本実施形態2によれば、上記実施形態1と同様に、組立工程を簡便にして作業効率を上げることができる。また、組立時間を短縮することができるため、生産効率の向上につながる。また、市販のシール材を使用することができるので安価に組み立てることができる。さらに、Oリングやボルト等の余分な部位を付加する必要がないため、設計自由度が増加する。しかも、余分な部位がないために所望の指向特性を得やすい。また、上記実施形態1と同様の理由により、経時的な劣化を抑制して信頼性の高い一次放射器を提供することができる。
[実施形態3]
本実施形態3に係る一次放射器は、キャップの構造を除く基本的な構成は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る一次放射器1においては、チョーク構造の突出構造部の高さが外側にある突出構造部ほど高さが大きくなるように構成されていたのに対し、本実施形態3に係る一次放射器1bにおいては、キャップのチョーク構造の突出構造部の高さが内側にある突出構造部ほど高さが大きくなるようにしている点において相違する。
本実施形態3に係る一次放射器は、キャップの構造を除く基本的な構成は上記実施形態1と同様である。すなわち、上記実施形態1に係る一次放射器1においては、チョーク構造の突出構造部の高さが外側にある突出構造部ほど高さが大きくなるように構成されていたのに対し、本実施形態3に係る一次放射器1bにおいては、キャップのチョーク構造の突出構造部の高さが内側にある突出構造部ほど高さが大きくなるようにしている点において相違する。
図13に、本実施形態3に係るキャップ20bの模式的な斜視図を示す。同図に示すように、キャップ20bの表面側には、チョーク構造25bが設けられている。本実施形態3に係るチョーク構造25bは、平面視上、中心が同一である円形の枠体状である溝部26を2つ備えている(図1〜3参照)。換言すると、平面視上、中心が同一である円形の枠体状である突出構造部27を3つ備えている。これらの突出構造部27は、本実施形態1においては外径の小さいもの方が、高さが大きくなるようにした。
チョーク構造25bを設けることにより、一次放射器1の電界面と磁界面の指向特性を改善し、良好なアンテナ放射特性を得ることができる。本実施形態3によれば、上記実施形態1と同様の効果を得ることができる。
1 一次放射器
10 一次放射器本体(本体)
11 第1ネジ溝
12 先端面
20 キャップ
21 第2ネジ溝
23 ストッパ
24 貫通穴
25 チョーク構造
26 溝
27 突起構造
30 シート
31 シール材
10 一次放射器本体(本体)
11 第1ネジ溝
12 先端面
20 キャップ
21 第2ネジ溝
23 ストッパ
24 貫通穴
25 チョーク構造
26 溝
27 突起構造
30 シート
31 シール材
Claims (6)
- 少なくとも先端部近傍の外周側壁が、平面視上、円形状であり、かつ当該先端部近傍の外周側壁に第1ネジ溝が形成された一次放射器本体と、
前記一次放射器本体への挿入方向に形成された貫通穴、当該貫通穴の内周側壁に形成され、前記一次放射器本体の先端部の前記第1ネジ溝と螺合する第2ネジ溝、及び、前記一次放射器本体への挿入を規制するストッパ部を備えるキャップと、
前記一次放射器本体の先端部の開口部を被覆する被覆部材と、を備え、
前記被覆部材の周縁部が、一次放射器本体の先端面と、前記キャップの前記ストッパ部との間に挟持されているアンテナ用一次放射器。 - 前記被覆部材の前記周縁部と前記一次放射器本体の先端面とは、シール材を介して接着せしめられていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ用一次放射器。
- 前記被覆部材が、シートであることを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ用一次放射器。
- 前記キャップには、チョーク構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナ用一次放射器。
- 前記一次放射器本体の先端部の前記開口部の内周の開口径と、前記キャップを前記一次放射器本体に取り付けた際、前記キャップに設けられた前記貫通穴の露出する領域の内周の開口径が略同一であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナ用一次放射器。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のアンテナ用一次放射器を備えるアンテナ。
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- 2008-04-24 JP JP2008113538A patent/JP2009267672A/ja active Pending
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