JP4858575B2 - 放送受信用アンテナ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンテナ装置に係り、特に、ダイポールアンテナと無給電素子とを備えるアンテナ装置に関する。
テレビ放送等の送信・受信用のアンテナ装置としては、八木・宇田アンテナが知られている。八木・宇田アンテナは、一般的には、給電される放射器であるダイポールアンテナと、それに平行に設けられた無給電の導波器および反射器とを組み合わせて構成されるが、図14に示すように、ダイポールアンテナDAと無給電素子Eのみを組み合わせたアンテナ装置100も広く八木・宇田アンテナと呼ばれる。
図14に示したアンテナ装置100の場合、例えば室内に設置する等の目的で小型化する場合には、ダイポールアンテナDAとの距離dが1/4波長で済む導波器として無給電素子Eを用いることが検討の対象となる。
しかし、このアンテナ装置100を用いて地上デジタル放送のUHF帯(470〜770MHz)の電波を送受信しようとする場合、ダイポールアンテナDAと無給電素子Eとの距離dが1/4波長で済むとはいえ、最低でも100mm〜150mm程度の距離をあけることが必要となる。
そのため、少なくともダイポールアンテナDA−無給電素子E間では薄型化を図ることができず、例えば室内設置用としては、アンテナ装置100が大型になってしまうという問題がある。そして、八木・宇田アンテナ型のアンテナ装置100では、その原理上、これ以上に距離dを狭めることができず、上記の問題を解決することはできない。
この問題を解決するものとして、特許文献1に記載のアンテナ装置では、放射器がアンテナではあるが、EBG(Electromagnetic Band Gap)板の中央部にアンテナを支持し、EBG板の主面から所定の距離だけ離間した位置にEBG板に平行に周期構造上板を配置することが提案されている。このアンテナ装置では、カールアンテナと周期構造上板との距離を上記の1/4波長よりも短くしても有効に電波を送受信することができる。
特開2007−235460号公報
ところで、特許文献1に記載されたアンテナ装置の構成を図14に示したダイポールアンテナDAに応用し、カールアンテナに代えてダイポールアンテナDAをEBG板の中央部に支持し、その上方に周期構造上板を配置するようにアンテナ装置を構成することが考えられる。
しかしながら、この場合、ダイポールアンテナDAが例えば上記の地上デジタル放送のUHF帯の電波を送受信するためにその長手方向の全長が200mm〜300mm程度である場合、EBG板や周期構造上板を、それと同程度或いはそれ以上の長さを1辺の長さとする略正方形状に形成しなければならなくなる。
このように、特許文献1に記載のアンテナ装置の構成をダイポールアンテナDAに応用すれば、アンテナの電波の送受信方向については、無給電素子としての周期構造上板とアンテナとの距離を狭めることができ、薄型化を図ることが可能となるが、今度は、アンテナ装置が電波の送受信方向に対して垂直方向については大きな面積を有する構成とならざるを得ず、アンテナ装置の小型化を図ることができない。
地上デジタル放送の送受信用のアンテナ装置に限られないが、特に地上デジタル放送の送受信用のアンテナ装置では家庭の室内に設置可能であることが要請されるため、薄型化・小型化が求められる。また、ダイポールアンテナでは、その特性上、その長手方向の長さに由来する特定の周波数域の送受信感度が高くなるが、上記のように地上デジタル放送のUHF帯(470〜770MHz)は周波数帯が比較的広域であるため、アンテナ装置の送受信感度の広帯域化を図ることも求められる。
また、例えば家庭で用いられる地上デジタル放送の送受信用等のアンテナ装置は、薄型化・小型化のほか、重量が軽量であり、コストも安価であることが求められるが、当然のことながらアンテナとして適正に機能することも求められる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、小型化・薄型化を図ることができ、軽量で、安価に製造することが可能であり、かつ、送受信感度の広帯域化を図ることも可能な放送受信用アンテナ装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の放送受信用アンテナ装置は、
給電点と、前記給電点を中心として対称に配置され金属箔で形成された一対のアンテナエレメントがフィルムに貼着されて形成されたアンテナ素子と、
前記アンテナ素子の各アンテナエレメントに対して平行に配置され、前記各アンテナエレメントから離間された位置に配置され、かつ、金属箔で形成された複数のエレメントがフィルムに貼着されて形成された無給電素子と、を備え、
前記無給電素子のエレメントは、その延在方向中央に間隙を有しており、前記間隙を境界として対称に構成された、それぞれ一対のサブエレメントを有し、延在方向に直交する方向に所定の間隔を有してそれぞれ平行に配列された複数の前記エレメントを備え、
前記複数のエレメントは、互いの延在方向に直交する方向の長さ、前記サブエレメントの延在方向の長さ、前記間隙の幅、および各エレメント間の前記間隔がそれぞれ同一であり、
前記無給電素子が内部に位置固定され、背面側に向けて開口する半筐体状に形成されたフロント筐体と、前記アンテナ素子が内部に位置固定され、前面側に向けて開口する半筐体状に形成されたリア筐体とを組み付ける際に、前記フロント筐体および/または前記リア筐体の側壁の高さにより前記アンテナ素子と前記無給電素子との距離が、1/4波長よりも短い距離とされるように固定されることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記金属箔をフィルムに貼着して形成した前記無給電素子および前記アンテナ素子は、それぞれ前記フロント筐体および前記リア筐体の各内面に貼着されて位置固定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記フィルムは、PET樹脂で形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、
前記給電点は、F型コネクタを備え、
前記アンテナ素子の前記一対のアンテナエレメントは、前記F型コネクタの各接点端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記無給電素子のエレメントの間隙は、前記アンテナエレメントの延在方向に直交する方向に設けられることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記アンテナ素子と前記無給電素子との距離が、1/10波長になるように固定されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記アンテナ素子は、ダイポールアンテナで構成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記アンテナ素子は、ミアンダアンテナで構成されることを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置において、前記アンテナ素子は、ボウタイアンテナで構成されることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、アンテナ素子や無給電素子をリア筐体やフロント筐体の各内面に貼着する等して位置固定してフロント筐体とリア筐体とを組み付けるだけで、アンテナ素子と無給電素子が所定の距離だけ離間した位置に平行に配置されるようになる。そのため、図14に示した八木・宇田アンテナ型のアンテナ装置100では1/4波長までしか接近させられなかったアンテナ素子2と無給電素子3との距離Dを例えば1/10波長程度まで接近させることが可能となる。
そして、このように接近させても、少なくとも装置正面では、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100とほぼ同じ送受信感度を得ることが可能となり、装置の小型化・薄型化を図ることが可能となる。また、無給電素子のエレメントの本数を増加させる等すれば、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯を高周波数側に広げて、アンテナ装置の送受信感度の広帯域化を図ることも可能となる。
また、アンテナエレメントをフィルムに貼着させてアンテナ素子が形成され、また、エレメントをフィルムに貼着させて無給電素子が形成されるため、アンテナ素子や無給電素子を形成するために重い金属板や基板等を用いる必要がなく、素子部分を軽量に形成することが可能となる。また、フロント筐体やリア筐体を例えば樹脂材等で構成することで、アンテナ装置全体を軽量に形成することが可能となる。
さらに、各部材を上記のように構成すれば、各部材を構成する材料は安価であり、組み付け工程も貼着やネジ締め等だけで済む。このように、材料が安価であり、製造工程が容易で組立費用を抑制することが可能となるため、アンテナ装置を安価に製造することが可能となり、製造コストが高価になることを的確に抑制することが可能となる。
また、無給電素子にそれぞれ一対のサブエレメントを有する複数のエレメントを平行に配列することで、無給電素子の各エレメントの一対のサブエレメントにアンテナ素子に発生した電流と同じ向きにイメージ電流を発生させることが可能となり、アンテナ素子と無給電素子との距離をより近接させて装置の小型化・薄型化を図ることが可能となり、前記各発明の効果が有効に発揮されるとともに、有効に電波を送受信できる周波数帯をさらに高周波数側に広げて、アンテナ装置の送受信感度のさらなる広帯域化を図ることも可能となる。
さらに、複数のエレメントの形状を同一とすることで無給電素子の構成の単純化を図ることが可能となり、無給電素子を容易に、正確にかつ確実に形成することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、無給電素子とアンテナ素子とをそれぞれフロント筐体とリア筐体の各内面に貼着して位置固定することで、無給電素子とアンテナ素子が的確に位置固定され、アンテナ素子と無給電素子との距離が的確に固定される。また、それとともに、フロント筐体やリア筐体を、凹凸構造を設けずに平坦に形成することが可能となるため、アンテナ装置全体をより薄型化することが可能となり、前記発明の効果がより的確に発揮される。
請求項3に記載の発明によれば、フィルムをPET樹脂で形成することで、アンテナ素子や無給電素子等を安価に製造することが可能となり、前記各発明の効果がより的確に発揮されるとともに、アンテナ素子や無給電素子のリア筐体やフロント筐体への貼着を容易に行うことが可能となり、アンテナ装置をより簡便に製造することが可能となる。
請求項4に記載の発明によれば、給電点をF型コネクタを用いて形成することで、アンテナ素子の一対のアンテナエレメントとF型コネクタの各接点端子とをそれぞれ接続してアンテナ装置を有効に機能させることが可能となるとともに、F型コネクタは高価なものではないため、アンテナ装置の製造コストが高価になることを的確に抑制することが可能となり、前記各発明の効果が的確に発揮される。
請求項5に記載の発明によれば、前記発明の効果に加え、無給電素子のエレメントの間隙をアンテナ素子の給電点に対してアンテナエレメントの延在方向に直交する方向に設けることで、アンテナ装置が送受信する電波の指向性を、装置正面、すなわちアンテナ素子から無給電素子に向かう方向に向けることが可能となる。
請求項6に記載の発明によれば、アンテナ素子と無給電素子との距離を1/10波長としても、少なくとも装置正面では八木・宇田アンテナ型アンテナ装置とほぼ同じ性能すなわち送受信感度を得ることが可能となり、装置の小型化・薄型化を図ることが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、ダイポールアンテナで構成されたアンテナ素子において、前記各発明の効果が有効に発揮される。また、アンテナ素子をダイポールアンテナで構成すれば、アンテナ素子に特殊な構造を要しないためアンテナ装置を安価に製造することが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、ミアンダアンテナで構成されたアンテナ素子において、前記各発明の効果が有効に発揮される。また、アンテナ素子をミアンダアンテナで構成すれば、アンテナ素子やアンテナ装置の小型化を図ることが可能となる。
請求項に記載の発明によれば、ボウタイアンテナで構成されたアンテナ素子において、前記各発明の効果が有効に発揮される。また、アンテナ素子をボウタイアンテナで構成すれば、アンテナ装置で送受信可能な電波のさらなる広帯域化を図ることが可能となる。
本実施形態に係るアンテナ装置の素子部分の構成を示す斜視図である。 図1の素子部分の平面図である。 (A)エレメントを1本とした素子部分の平面図であり、(B)エレメントを6本とした素子部分の平面図である。 本実施形態に係るアンテナ装置と八木・宇田アンテナ型アンテナ装置の利得を示すグラフである。 (A)八木・宇田アンテナ型アンテナ装置において無給電素子に発生するイメージ電流の向きを説明する図であり、(B)本実施形態に係るアンテナ装置において無給電素子に発生するイメージ電流の向きを説明する図である。 本実施形態に係るアンテナ装置において、エレメントの本数(サブエレメントの対数)を変化させた場合の周波数とリターンロスとの関係を表すグラフである。 図1の素子部分を側方から見た状態を表す図である。 アンテナ素子をミアンダアンテナで構成した場合の変形例を示す斜視図である。 アンテナ素子をボウタイアンテナで構成した場合の変形例を示す斜視図である。 本実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す分解斜視図である。 (A)本実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す断面図であり、(B)(A)の円A内の拡大図である。 本実施形態に係るアンテナ装置の端部付近の構成を示す断面図である。 アンテナ装置のフロント筐体およびリア筐体の変形例の端部付近の構成を示す断面図である。 ダイポールアンテナと無給電素子とを組み合わせた八木・宇田アンテナを示す図である。
以下、本発明に係るアンテナ装置の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
[素子部分等の構成およびアンテナ装置の作動原理等について]
本実施形態に係るアンテナ装置1のアンテナ素子2や無給電素子3等の素子部分の構成およびアンテナ装置1の作動原理等について説明する。本実施形態に係るアンテナ装置1は、図1に示すように、アンテナ素子2と、無給電素子3とを備えている。なお、以下、アンテナ素子2がダイポールアンテナで構成されている場合について説明する。
なお、図1以下の各図では、素子部分の基本的な構成を把握し易いように、無給電素子3のエレメント32が、フィルム31の各面のうちアンテナ素子2と対向する側の面とは反対側の面に形成されているように図示されているが、実際には、後述する図10や図11(B)等に示すように、フィルム31のアンテナ素子2と対向する側の面に形成される。
また、図1以下の各図では、アンテナ素子2や無給電素子3を構成するフィルム23、31やアンテナエレメント21、エレメント32等は実際より分厚く図示されている。さらに、アンテナ素子2を構成するフィルム23は、図中では1枚である場合が示されているが、実際には、後述する図10等に示すように、一対の分離されたフィルム23a、23bで構成されており、一対のフィルム23a、23bにそれぞれ各アンテナエレメント21、21が貼着されている。
アンテナ素子2は、直線上に対称に配置された一対のアンテナエレメント21、21を備えており、一対のアンテナエレメント21、21を接続する部分、すなわち一対のアンテナエレメント21、21の延在方向の中心部に給電点22を備えている。本実施形態では、各アンテナエレメント21はアルミ箔等の金属箔で形成されており、アンテナ素子2は、PET(polyethylene terephthalate)樹脂で形成されたフィルム23の一方の面に図示しない両面テープを介してアンテナエレメント21、21が貼着されて形成されている。また、給電点22の構成については、後で詳しく説明する。
各アンテナエレメント21の長さL1は、例えばこのアンテナ素子2で送受信しようとする地上デジタル放送のUHF帯(470〜770MHz)内の所定の周波数に対応する波長の1/4波長の長さに設定される。
なお、本実施形態においては、アンテナ素子2は、各アンテナエレメント21の延在方向に直交する方向の長さすなわち幅が10mmの金属片とされているが、幅を含めて、特定の構成とされることが要求されるものではなく、通常の一般的なダイポールアンテナが用いられる。しかし、例えば地上デジタル放送の送受信等のアンテナ装置1に求められる目的に適合するように、アンテナ素子2を構成するダイポールアンテナの構成等が適宜設計されることは言うまでもない。
無給電素子(すなわち導波器)3は、図1に示したアンテナ装置1では、4本のエレメント32を備えて構成されている。本実施形態では、各エレメント32は、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21と同様にアルミ箔等の金属箔で形成されており、無給電素子3は、PET樹脂で形成されたフィルム31の一方の面に図示しない両面テープを介して各エレメント32が貼着されて形成されている。
アンテナ素子2と無給電素子3は、より正確に言えば、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21と無給電素子3の各エレメント32は、予め設定された所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置されており、本実施形態では、この距離Dは、1/10波長に設定されている。また、無給電素子3の各エレメント32は、それぞれアンテナ素子2の各アンテナエレメント21の延在方向に対して平行に配置されている。
また、無給電素子3の各エレメント32は、それぞれ直線上に配置された一対のサブエレメント33、33を備えて構成されている。すなわち、各エレメント32は、その延在方向中央にそれぞれ間隙34を有しており、間隙34を境界として一対のサブエレメント33、33が対称になるように構成されている。
各サブエレメント33の長さL2はすべて同一の長さに形成されている。また、各サブエレメント33の長さL2は、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21の長さL1と同等の長さに形成されており、アンテナ素子2の送受信感度が最適になるように長さL2が適宜調整される。
無給電素子3の各エレメント32の間隙34は、図1の斜視図および図2の平面図に示すように、アンテナ素子2の給電点22の上方、より正確に言えば、給電点22対して、アンテナエレメント21、21の延在方向に直交する方向に前述した所定の距離Dだけ離間した位置に設けられている。
図2に示すように、無給電素子3の各エレメント32は、それぞれ延在方向に直交する方向に所定の間隔Iを有してそれぞれ平行に配列されている。また、各エレメント32は、延在方向に直交する方向の長さすなわち幅Wや、間隙34の幅G、各エレメント32間の間隔Iがそれぞれ同一になるように形成されている。
なお、上記の各サブエレメント33の長さL2が同一という場合を含め、各エレメント32の幅W等が同一という場合、製造誤差等の範囲内での誤差は当然許容される。また、無給電素子3の各エレメント32の幅Wや各エレメント32間の間隔Iは必ずしも同一である必要はなく、各エレメント32で幅Wを異ならせ、エレメント32間の各間隔Iを異ならせて構成することも可能である。
本実施形態では、無給電素子3の各エレメント32は、前述したようにアンテナ素子2の各アンテナエレメント21の幅を10mmに形成したことにあわせて各サブエレメント33の幅Wがそれぞれ10mmとされ、それらの間隔Iが1〜2mm程度になるように形成されている。
しかし、無給電素子3の各エレメント32(各サブエレメント33)の幅Wや間隔I等の形状は、上記のような形状および図1や図2に示した形状に限定されず、例えば地上デジタル放送のUHF帯(470〜770MHz)の送受信感度が向上されるように適宜決定される。また、無給電素子3の各エレメント32の延在方向中央にそれぞれ設けられ一対のサブエレメント33、33の境界となる間隙34の幅Gを調整することでインピーダンスを調整できることが分かっており、適切なインピーダンスが得られるように間隙34の幅Gが適宜調整される。
なお、図1や図2に示したアンテナ装置1では、無給電素子3が4本のエレメント32(四対のサブエレメント33、33)を備える場合を示したが、図3(A)、(B)の平面図に示すように、無給電素子3をフィルム31上に1本のエレメント32(一対のサブエレメント33、33)だけ備えるように構成したり(図3(A)参照)、6本のエレメント32(一対のサブエレメント33、33)を備えるように構成することも可能であり、エレメントの本数(サブエレメントの対数)は特定の数に限定されず、上記のエレメントの幅Wや間隔I等にあわせて適宜決定される。
次に、上記のように構成された本実施形態に係るアンテナ装置1の素子部分の作用について説明する。
まず、図1〜図3に示した本実施形態に係るアンテナ装置1と、図14に示した一対のダイポールアンテナ−無給電素子型の八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100との送受信感度の性能を対比すると、図4に示すように、装置正面、すなわちダイポールアンテナから無給電素子に向かう方向に対しては、アンテナ装置1(図中実線)とアンテナ装置100(図中破線)とでほぼ同じ利得が得られる。
この場合、八木・宇田アンテナ型のアンテナ装置100では、ダイポールアンテナDAと無給電素子Eとの距離dは1/4波長(すなわち、この場合、無給電素子Eは導波器として用いられている。)である。また、本実施形態に係るアンテナ装置1では、無給電素子3のエレメント32(サブエレメント33)の幅Wをダイポールアンテナであるアンテナ素子2のアンテナエレメント21の幅と同一とし、エレメント32の本数を6本(サブエレメント33の対数を六対)設けた。アンテナ素子2と無給電素子3との距離Dは、前述したように1/10波長に設定されている。
このように、本実施形態に係るアンテナ装置1では、アンテナ素子2と無給電素子3との距離Dを1/10波長(40mm〜60mm程度)とし、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100の場合におけるダイポールアンテナDAと無給電素子Eとの距離d(1/4波長、100mm〜150mm程度)よりも短い距離にしても、少なくとも装置正面では、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100とほぼ同じ性能を得ることが可能となる。
なお、本実施形態に係るアンテナ装置1において、エレメント32の本数を6本(サブエレメント33の対数を六対)以外の本数、すなわち、例えば1、2、4本等に変化させた場合にも、少なくとも装置正面において、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100と同等の利得が得られるという実験結果が得られている。
上記のように、本実施形態に係るアンテナ装置1では、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100の場合よりもダイポールアンテナであるアンテナ素子2と無給電素子3との距離Dを短くすることができる。その理由は、必ずしも明確には解明されていないが、以下のように考えられている。
すなわち、図5に示すように、ダイポールアンテナが電波を送受信する際にダイポールアンテナに一定方向の電流Cが発生した場合に、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100(図5(A)参照)では、無給電素子Eに、ダイポールアンテナDAに発生した電流Cとは逆向きにイメージ電流ICが発生するのに対し、本実施形態に係るアンテナ装置1(図5(B)参照)では、無給電素子3の各エレメント32に間隙34を設けて各エレメント32を一対のサブエレメント33に分断すると、無給電素子3の各エレメント32の一対のサブエレメント33にはアンテナ素子2に発生した電流Cと同じ向きにイメージ電流ICが発生することが分かっている。
無給電素子に図5(A)、(B)に示した向きにイメージ電流ICが発生するため、図5(A)に示した八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100では、無給電素子EをダイポールアンテナDAに接近させると、無給電素子Eに発生したイメージ電流ICがダイポールアンテナDAに発生した電流Cと打ち消しあうように働いてしまう。そのため、ダイポールアンテナDAに対して無給電素子Eを1/4波長よりも短い距離dになるように接近させることができない。
それに対し、図5(B)に示した本実施形態に係るアンテナ装置1では、無給電素子3の各エレメント32の一対のサブエレメント33に発生するイメージ電流ICの向きがアンテナ素子2に発生した電流Cと同じ向きになるため、それらの距離Dを1/4波長よりも短くなるように接近させても八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100の場合のような打ち消しあいが生じない。
そのため、本実施形態に係るアンテナ装置1では、アンテナ素子2と無給電素子3との距離Dを1/4波長よりも短くすることができ、例えば1/10波長にまで接近させることが可能となると考えられている。
一方、本実施形態に係るアンテナ装置1において、エレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を変化させた場合に、電波の周波数に対するアンテナ装置1の送受信感度がどのように変化するかについても実験を行った。
実験では、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21の長さL1を例えば約490MHzの電波を送受信できるように設定し、無給電素子3の各エレメント32の各サブエレメント33の長さL2をそれと同等の適切な長さに設定した。また、アンテナ素子2と無給電素子3との距離Dを1/10波長とし、無給電素子3のエレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を、1本(一対)、2本(二対)、4本(四対)、6本(六対)に変化させた。実験はリターンロスをdB単位で測定する方法で行った。
図6に、実験結果を示す。図6のグラフに示すように、まず、アンテナ装置1の無給電素子3のエレメント32の本数を1本(サブエレメント33を一対)とした場合(グラフ中の実線Q参照)、アンテナ素子2すなわちダイポールアンテナのみを設けて無給電素子3を備えない場合(グラフ中の破線P参照)に比べて、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯が高周波数側に広がる。
すなわち、アンテナ素子2のみを設ける場合に比べて、無給電素子3を備える本実施形態に係るアンテナ装置1では、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化を図ることが可能となる。
また、図6のグラフに示すように、アンテナ装置1の無給電素子3のエレメント32の本数を2本(サブエレメント33を二対。グラフ中の実線R参照)、4本(サブエレメント33を四対。グラフ中の実線S参照)と増やしていくと、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯がさらに高周波数側に広がり、アンテナ装置1の送受信感度がより広帯域化される。
上記のように、アンテナ装置1の無給電素子3のエレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を増加させることで、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯が高周波数側に広がり、アンテナ装置1の送受信感度が広帯域化される理由は必ずしも明らかではないが、例えば図1に示したアンテナ装置1を側方から見た状態を表す図7に示すように、アンテナ素子2と無給電素子3とが距離Dだけ離間するように形成されても、アンテナ素子2のアンテナエレメント21と無給電素子3の各エレメント32との実際の距離はD1〜D4のように異なり、実際の距離D1〜D4が同一の距離ではないためであると考えられている。なお、本実施形態ではD1=D4、D2=D3となる。
なお、図6に示したように、アンテナ装置1の無給電素子3のエレメント32の本数を6本(サブエレメント33を六対。グラフ中の実線T参照)とした場合には、エレメント32の本数を4本(実線S参照)とした場合と比較してリターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯が高周波数側に広がっているとは言い難く、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化が鈍化することが分かる。
しかし、本実施形態では、上記のようにアンテナ装置1の無給電素子3のエレメント32の本数を6本とした場合にアンテナ装置1の送受信感度の広帯域化の鈍化が見られたが、これはあくまで上記の実験条件における結果である。逆の言い方をすれば、このような送受信感度の広帯域化の鈍化が生じ得ることを踏まえたうえで、送受信感度を必要な周波数帯域をカバーするように広帯域化させ、また、送受信感度がさらに向上するように、無給電素子3のエレメント32の本数(サブエレメント33の対数)やエレメント32の幅W、間隔I等が適宜決定される。
このように、上記のような素子部分の構成によれば、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21に対して平行に、かつ、各アンテナエレメント21から離間された位置に単数または複数のエレメント32を備える無給電素子3を設け、しかも、無給電素子3を、各エレメント32の延在方向中央に間隙34を設けて、間隙34を境界として対称に構成された一対のサブエレメント33でそれぞれ構成したことで、無給電素子3の各エレメント32の一対のサブエレメント33に、アンテナ素子2に発生した電流Cと同じ向きにイメージ電流ICを発生させることが可能となる。
そのため、本実施形態に係るアンテナ装置1では、八木・宇田アンテナ型のアンテナ装置100では1/4波長までしか接近させられなかったアンテナ素子2と無給電素子3との距離Dをより近接させても、図4に示したように、少なくとも装置正面では、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100とほぼ同じ送受信感度を得ることが可能となり、装置の小型化・薄型化を図ることが可能となる。
また、無給電素子3のエレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を増加させることで、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯を高周波数側に広げて、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化を図ることも可能となる。この場合、エレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を増加させても、図1〜図3等に示したように、無給電素子3自体の幅がさほど大きくなるわけではない。
そのため、前述した特許文献1に記載されたアンテナ装置の構成をダイポールアンテナに応用した場合のように装置が大型化することを防止して装置の小型化・薄型化を図りつつ、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化を図ることが可能となる。
なお、上記の実施形態では、アンテナ素子2がダイポールアンテナで構成されている場合について説明したが、この他にも、アンテナ素子2を、図8に示すようにミアンダアンテナで構成することも可能であり、図9に示すようにボウタイアンテナで構成することも可能である。
ここで、ミアンダアンテナとは、アンテナ素子2の給電点22を中心として対称に配置された各アンテナエレメント21、21がそれぞれミアンダ状に形成されているアンテナをいう。ミアンダ状に形成された各アンテナエレメント21を仮想的に直線状に引き伸ばした場合の全長でミアンダアンテナの送受信感度のピーク波長が決まる。なお、図8では、ミアンダ状に形成された各アンテナエレメント21、21が給電点22を境界とした鏡像対称に配置されているミアンダアンテナの場合が示されているが、各アンテナエレメント21、21を給電点22を中心とした点対称に配置されるように構成することも可能である。
また、ボウタイアンテナ(蝶ネクタイ型アンテナ等ともいう。)とは、三角形形状に形成された各アンテナエレメント21、21の1つの頂点が給電点22に接続され、各アンテナエレメント21、21が給電点22を中心として対称に配置された双扇形のアンテナをいう。ボウタイアンテナは、各アンテナエレメント21、21を三角形形状とすることで、同等のダイポールアンテナよりも送受信感度が広帯域化するという特徴を有する。
なお、その場合、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21と無給電素子3の各エレメント32(各サブエレメント33)とが平行であるとは、アンテナ素子2がミアンダアンテナの場合には給電点22から離れる方向に各アンテナエレメント21が延びていく場合の各アンテナエレメント21の延在方向と無給電素子3の各エレメント32の延在方向とが平行であることをいい、アンテナ素子2がボウタイアンテナの場合には三角形形状の各アンテナエレメントの給電点22を含む各中心線と無給電素子3の各エレメント32の延在方向とが平行であることをいう。
このように、アンテナ素子2をミアンダアンテナやボウタイアンテナで構成した場合にも、アンテナ素子2をダイポールアンテナで構成した上記の実施形態とまったく同様の効果を得ることができる。
また、アンテナ素子2をミアンダアンテナで構成すれば、上記の効果に加えて、送受信感度のピーク波長が同じダイポールアンテナでアンテナ素子2を構成する場合に比べて、アンテナ素子2を各アンテナエレメント21の延在方向に短く形成することが可能となり、アンテナ装置1の小型かを図ることが可能となる。
さらに、アンテナ素子2をボウタイアンテナで構成すれば、上記の効果に加えて、送受信感度がアンテナ素子2をダイポールアンテナで構成する場合よりも広帯域化され、それがさらに無給電素子3を設けることで広帯域化されるため、アンテナ装置1で送受信可能な電波のさらなる広帯域化を図ることが可能となる。
[アンテナ装置の構成等について]
次に、上記のような有利な効果を有する素子部分の構成を実現することが可能であり、しかも、小型化・薄型化を図りつつ、軽量で、安価に製造することが可能な本実施形態に係るアンテナ装置1の構成について説明する。
なお、以下では、アンテナ装置1の素子部分の構成が図1等に示した素子部分の構成であることを前提に説明し、素子部分について前述した各種の変形例については説明を省略するが、それらの変形例は以下に説明するアンテナ装置1についても適用することができる。
図10の分解図や図11(A)、(B)の断面図に示すように、アンテナ装置1では、背面側に向けて開口する半筐体状に形成されたフロント筐体11と、前面側に向けて開口する半筐体状に形成されたリア筐体12とを組み付けることにより、前述した素子部分を収納するケース10が形成されるようになっている。本実施形態では、フロント筐体11とリア筐体12とはともに樹脂で形成されている。なお、図11(B)は、図11(A)の円A内の拡大図である。
具体的には、無給電素子3は、図1等に示した状態から上下反転されて各エレメント32(各サブエレメント33)がアンテナ素子2と対向する状態とされ、各エレメント32が形成された面とは反対側のフィルム31の面に両面テープ13が貼付されて、両面テープ13を介してフロント筐体11の内面に貼着されて位置固定されている。なお、図11(B)に示すように、各エレメント32は両面テープ32aを介してフィルム31に貼着されている。
アンテナ素子2は、前述したように、フィルム23が一対のフィルム23a、23bに分離されて構成されており、各アンテナエレメント21a、21bが一対のフィルム23a、23bにそれぞれ貼着されている。そして、無給電素子3と同様に、各アンテナエレメント21が形成された面とは反対側のフィルム23(23a、23b)の面に両面テープ14が貼付されており、アンテナ素子2は、両面テープ14を介してリア筐体12の内面に貼着されて位置固定されている。
また、本実施形態では、リア筐体12とアンテナ素子2の一方のフィルム23bには、対応する位置に孔15、24が設けられており、給電点22を構成するF型コネクタ22aが孔15、24に挿入されたり螺着されるようになっている。
給電点22は、本実施形態では、F型コネクタ22aのほか、金属板からなる−側接点端子22bと、樹脂等の絶縁材からなるコネクタ固定フレーム22cと、屈曲された金属板からなる+側接点端子22dとで構成されている。
そして、上記のように孔15、24に挿入されたり螺着されたF型コネクタ22aに−側接点端子22bを外嵌させ、−側接点端子22bをアンテナ素子2の一方のアンテナエレメント21bに当接させることで、−側接点端子22bを介してF型コネクタ22aの外周部の接地端子とアンテナエレメント21bとが電気的に接続される。
また、−側接点端子22bの上側からF型コネクタ22aに、+側接点端子22dが係止されたコネクタ固定フレーム22cを外嵌して、+側接点端子22dの一端側をアンテナ素子2の他方のアンテナエレメント21aに当接させ、コネクタ固定フレーム22cをアンテナ素子2とリア筐体12にネジ25で固定したうえで、図11(A)に示すように+側接点端子22dとF型コネクタ22aの給電端子とを半田Hで半田付けすることで、+側接点端子22dを介してF型コネクタ22aの給電端子とアンテナエレメント21aとが電気的に接続される。
本実施形態では、このようにして、給電点22が形成されている。なお、図示が省略されているが、F型コネクタ22aには同軸ケーブルが接続され、同軸ケーブルを介してアンテナ素子2で受信した電波信号が外部装置に出力され、或いは外部装置からアンテナ素子2に送信する信号が供給される。また、同軸ケーブルを介してアンテナ素子2に接地電位が供給されるようになっている。
また、本実施形態では、図12の拡大図に示すように、フロント筐体11とリア筐体12とが、各側壁11a、12aの端部同士が突き当てられた状態でネジ16で螺着される等して組み付けられて、ケース10が形成されるようになっている。
その際、フロント筐体11とリア筐体12の各側壁11a、12aのそれぞれの高さが予め調整されて形成されており、上記のように組み付けられることで、アンテナ素子2と無給電素子3との相対的な位置が固定されるとともに、アンテナ素子2と無給電素子3との距離、より正確に言えば、アンテナ素子2の各アンテナエレメント21と無給電素子3の各エレメント32との距離が、前述したように例えば1/10波長等に予め設定された所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置されるようになっている。
なお、このほかにも、例えば図13(A)に示すように、フロント筐体11の側壁11aをリア筐体12の側壁12aに外装した状態で図示しないネジで螺着される等してフロント筐体11とリア筐体12とが組み付けられる場合がある。この場合には、リア筐体12の側壁12aの高さを予め調整して形成しておくことで、上記のように組み付けた際にアンテナ素子2と無給電素子3との距離が予め設定された所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置することが可能となる。
また、例えば図13(B)に示すように、リア筐体12の側壁12aをフロント筐体11の側壁11aに外装した状態で図示しないネジで螺着される等してフロント筐体11とリア筐体12とを組み付けることも可能である。この場合も、フロント筐体11の側壁11aの高さを予め調整して形成しておくことで、上記のように組み付けた際にアンテナ素子2と無給電素子3との距離が予め設定された所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置することが可能となる。
次に、本実施形態に係るアンテナ装置1の作用について説明する。
本実施形態に係るアンテナ装置1の製造の際、図10や図11(A)、(B)に示したように、アルミ箔等の金属箔で形成された各アンテナエレメント21a、21bが一対のフィルム23a、23bの一面側にそれぞれ貼着されてアンテナ素子2が形成される。
また、アルミ箔等の金属箔で形成された一対のサブエレメント33が間隙34を有する状態でアンテナ素子2のアンテナエレメント21の延在方向に対して平行に配置されるようにフィルム31に貼着されてエレメント32が形成され、また、必要な本数のエレメント32がエレメント32の延在方向に直交する方向に所定の間隔I(図2参照)を有する状態でそれぞれ平行に配列されて無給電素子(すなわち導波器)3が形成される。
そして、アンテナ素子2と無給電素子3とが、アンテナエレメント21a、21bとエレメント32とが対向する状態でそれぞれ両面テープ14、13を介してリア筐体12とフロント筐体11の各内面に貼着されて位置固定される。
また、アンテナ素子2の給電点22が、上記のように孔15、24に挿入されたり螺着されたF型コネクタ22aに−側接点端子22bやコネクタ固定フレーム22c、+側接点端子22dが取り付けられてリア筐体12に形成される。そして、本実施形態では、図12の拡大図に示したように、フロント筐体11とリア筐体12の各側壁11a、12aの端部同士が突き当てられた状態でネジ16で螺着される等して組み付けられて、ケース10が形成される。
その際、フロント筐体11とリア筐体12の各側壁11a、12aのそれぞれの高さが予め調整されて形成されているため、上記のようにしてフロント筐体11とリア筐体12とを組み付けることで、アンテナ素子2と無給電素子3との相対的な位置が固定され、しかも、アンテナ素子2と無給電素子3との距離(より正確にはアンテナ素子2の各アンテナエレメント21と無給電素子3の各エレメント32との距離)が例えば1/10波長等に予め設定された所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置される。
以上のように、本実施形態に係るアンテナ装置1によれば、アンテナ素子2や無給電素子3をリア筐体12とフロント筐体11の各内面に貼着し、フロント筐体11とリア筐体12とを組み付けるだけで、アンテナ素子2と無給電素子3が所定の距離Dだけ離間した位置に平行に配置されるようになり、前述したアンテナ装置1の素子部分の構成が実現することが可能となる。そして、前述したアンテナ装置1の素子部分の有利な効果を有効に発揮させることが可能となる。
すなわち、本実施形態に係るアンテナ装置1では、図14に示した八木・宇田アンテナ型のアンテナ装置100では1/4波長までしか接近させられなかったアンテナ素子2と無給電素子3との距離Dをより近接させ、例えば1/10波長程度まで接近させても、図4に示したように、少なくとも装置正面では、八木・宇田アンテナ型アンテナ装置100とほぼ同じ送受信感度を得ることが可能となり、装置の小型化・薄型化を図ることが可能となる。
また、無給電素子3のエレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を増加させることで、リターンロスが十分小さく有効に電波を送受信できる周波数帯を高周波数側に広げて、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化を図ることも可能となる。この場合、エレメント32の本数(サブエレメント33の対数)を増加させても、図1〜図3等に示したように、無給電素子3自体の幅がさほど大きくなるわけではない。そのため、前述した特許文献1に記載されたアンテナ装置の構成をダイポールアンテナに応用した場合のように装置が大型化することを防止して装置の小型化・薄型化を図りつつ、アンテナ装置1の送受信感度の広帯域化を図ることが可能となる。
一方、本実施形態に係るアンテナ装置1では、アンテナエレメント21をフィルム23に貼着させてアンテナ素子2が形成され、また、エレメント32をフィルム31に貼着させて無給電素子3が形成されるため、アンテナ素子2や無給電素子3を形成するために重い金属板や基板等を用いる必要がなく、素子部分を軽量に形成することが可能となる。また、フロント筐体11やリア筐体12を例えば樹脂材等で構成することで、アンテナ装置1全体を軽量に形成することが可能となる。
また、アンテナ素子2や無給電素子3をリア筐体12やフロント筐体11の各内面に貼着して形成されるため、フロント筐体11やリア筐体12を、凹凸構造を設けずに平坦に形成することができる。そのため、アンテナ装置1全体をより薄型化することが可能となる。
さらに、各部材を上記のように構成すれば、アンテナ素子2や無給電素子3等を構成する材料であるアルミ箔やPETフィルム等は安価であり、組み付け工程も貼着やネジ締め等だけで済む。このように、材料が安価であり、製造工程が容易で組立費用を抑制することが可能となるため、アンテナ装置1を安価に製造することが可能となる。
1 アンテナ装置
2 アンテナ素子
3 無給電素子
11 フロント筐体
11a フロント筐体の側壁
12 リア筐体
12a リア筐体の側壁
21、21a、21b アンテナエレメント
22 給電点
22a F型コネクタ
23、23a、23b フィルム
31 フィルム
32 エレメント
33 サブエレメント
34 間隙
D アンテナ素子と無給電素子との距離
G 間隙の幅
I 所定の間隔
L2 サブエレメントの延在方向の長さ
W エレメントの延在方向に直交する方向の長さ(幅)

Claims (9)

  1. 給電点と、前記給電点を中心として対称に配置され金属箔で形成された一対のアンテナエレメントがフィルムに貼着されて形成されたアンテナ素子と、
    前記アンテナ素子の各アンテナエレメントに対して平行に配置され、前記各アンテナエレメントから離間された位置に配置され、かつ、金属箔で形成された複数のエレメントがフィルムに貼着されて形成された無給電素子と、を備え、
    前記無給電素子のエレメントは、その延在方向中央に間隙を有しており、前記間隙を境界として対称に構成された、それぞれ一対のサブエレメントを有し、延在方向に直交する方向に所定の間隔を有してそれぞれ平行に配列された複数の前記エレメントを備え、
    前記複数のエレメントは、互いの延在方向に直交する方向の長さ、前記サブエレメントの延在方向の長さ、前記間隙の幅、および各エレメント間の前記間隔がそれぞれ同一であり、
    前記無給電素子が内部に位置固定され、背面側に向けて開口する半筐体状に形成されたフロント筐体と、前記アンテナ素子が内部に位置固定され、前面側に向けて開口する半筐体状に形成されたリア筐体とを組み付ける際に、前記フロント筐体および/または前記リア筐体の側壁の高さにより前記アンテナ素子と前記無給電素子との距離が、1/4波長よりも短い距離とされるように固定されることを特徴とする放送受信用アンテナ装置。
  2. 前記金属箔をフィルムに貼着して形成した前記無給電素子および前記アンテナ素子は、それぞれ前記フロント筐体および前記リア筐体の各内面に貼着されて位置固定されることを特徴とする請求項1に記載の放送受信用アンテナ装置。
  3. 前記フィルムは、PET樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放送受信用アンテナ装置。
  4. 前記給電点は、F型コネクタを備え、
    前記アンテナ素子の前記一対のアンテナエレメントは、前記F型コネクタの各接点端子にそれぞれ接続されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
  5. 前記無給電素子のエレメントの間隙は、前記アンテナエレメントの延在方向に直交する方向に設けられることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
  6. 前記アンテナ素子と前記無給電素子との距離が、1/10波長になるように固定されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
  7. 前記アンテナ素子は、ダイポールアンテナで構成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
  8. 前記アンテナ素子は、ミアンダアンテナで構成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
  9. 前記アンテナ素子は、ボウタイアンテナで構成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の放送受信用アンテナ装置。
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