JP5603268B2 - スピーカーエッジ用組成物 - Google Patents

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本発明は、十分な内部損失を有しながら、適度な柔軟性を有し、かつ機械的強度、低温接着性及び耐久性に優れたスピーカーエッジ用組成物に関する。
スピーカーの振動板は、スピーカーエッジにより支持されている。このスピーカーエッジには、従来、ウレタンフォーム、紙、布などが用いられてきたが、該スピーカーエッジは、振動板の余分な振動を吸収できるよう、高い内部損失を有することが求められる点では不十分であった。
熱可塑性エラストマーを用いたスピーカーエッジ材料としては、例えばエチレン−アクリル酸エステル共重合体ゴムを含有する組成物(特許文献1参照)、ポリウレタンフォームを含有する組成物(特許文献2参照)、スチレン系熱可塑性エラストマー及びポリプロピレンの混合物を主成分とする熱可塑性エラストマーを含有する組成物(特許文献3参照)、エチレン−プロピレン−ジエン化合物共重合体ゴムを含有する組成物(特許文献4参照)、軟化点が一定温度以上の熱可塑性樹脂(A)と、内部損失(tanδ)のピーク温度が一定温度範囲にあるポリマー(B)とを含むマトリックス相を形成する熱可塑性樹脂組成物(特許文献5参照)、(A)ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体から選ばれる少なくとも1種100質量部、(B)ポリオレフィン2〜20質量部及び(C)オイル70〜300質量部を含有する組成物(特許文献6参照)などが開示されている。
特開平08−275288号公報 特開平08−033095号公報 特開2004−269756号公報 特開平11−286567号公報 特開2001−59057号公報 特開2009−65476号公報
しかしながら、特許文献1〜4に記載された材料は、いずれも充分な内部損失を有していない上、振動板への追随性を上げるために柔軟性を高めると、圧縮永久歪が大きくなり耐久性が低下するため、音響特性を長期間維持できないという問題があった。また、特許文献5に記載された材料も、耐久性や低温接着性(例えば−45℃での接着性)が不十分であった。特許文献6に記載された材料は、内部損失、柔軟性及び耐久性に優れており、スピーカーエッジ用途に適したものであるが、その機械的強度及び耐久性には、さらなる改善の余地があった。
そこで、本発明の課題は、十分な内部損失を有しながら、適度な柔軟性を有し、かつ機械的強度、低温接着性及び耐久性に優れたスピーカーエッジ用組成物を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、(A)特定の水添スチレン系エラストマー、(B)ポリオレフィン及び(C)特定のオイルを含有し、各成分を特定比率にて混合した組成物であれば上記課題を解決し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[8]に関する。
[1](A)ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−1)、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−2)及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−3)から選ばれる少なくとも1種100質量部、
(B)ポリオレフィン2〜30質量部及び
(C)オイル70〜300質量部
を含有し、かつ前記成分(A)の重量平均分子量が40万を超えて100万以下であり、前記成分(C)の流動点が−30℃以下であることを特徴とするスピーカーエッジ用組成物。
[2]前記成分(C)の40℃における動粘度が1,000〜1,500mm2/sであり、重量平均分子量が1,500〜3,000である、上記[1]に記載のスピーカーエッジ用組成物。
[3]前記成分(B)がポリプロピレンである、上記[1]又は[2]に記載のスピーカーエッジ用組成物。
[4]前記成分(C)が液状ポリオレフィンオリゴマーである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載のスピーカーエッジ用組成物。
[5]前記液状ポリオレフィンオリゴマーが、エチレンとα−オレフィンとの共重合体オリゴマーである、上記[4]に記載のスピーカーエッジ用組成物。
[6]さらに(D)ポリフェニレンエーテルを含有する、上記[1]〜[5]のいずれかに記載のスピーカーエッジ用組成物。
[7]前記成分(D)が、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系アロイ、ポリフェニレンエーテル/ポリプロピレン系アロイ、及びポリフェニレンエーテル/ポリアミド系アロイから選ばれる少なくとも1種である、上記[6]に記載のスピーカーエッジ用組成物。
[8]前記成分(D)の含有量が、前記成分(A)100質量部に対して10〜100質量部である、上記[6]又は[7]に記載のスピーカーエッジ用組成物。
本発明によれば、十分な内部損失を有しながら、適度な柔軟性を有し、かつ機械的強度、低温接着性及び耐久性に優れたスピーカーエッジ用組成物を提供することができる。
また、本発明のスピーカーエッジ用組成物に成分(D)としてポリフェニレンエーテルを含有させることにより、当該組成物の耐熱性を向上させることができる。
実施例及び比較例において、振動板の耐久性を評価する方法を説明するための概要図である。
<スピーカーエッジ用組成物>
本発明のスピーカーエッジ用組成物は、後述する(A)ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体[以下、SEBSと略称する。成分(a−1)]、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体[以下、SEPSと略称する。成分(a−2)]及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体[以下、SEEPSと略称する。成分(a−3)]から選ばれる少なくとも1種、後述する(B)ポリオレフィン及び後述する(C)オイルを特定比率で含有する組成物である。
[成分(A)]
(成分(a−1):SEBS)
SEBSとしては、重量平均分子量(Mw)が40万を超えて100万以下であれば公知のものを使用でき、特に制限は無い。重量平均分子量が40万以下であると、前記の所望の性状を有する組成物が得られない。重量平均分子量が100万を超えるものは入手困難である。好ましい重量平均分子量は、40万を超えて80万以下、より好ましくは41万〜60万、さらに好ましくは41万〜50万、特に好ましくは42〜46万である。SEBSにおけるポリスチレンブロックの含有率は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜65質量%であり、ポリブタジエンブロックの水素添加率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70〜100モル%である。
かかるSEBSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEBSとしては、市販品を使用することもできる。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)[東ソー製「HLC−8020」、カラム:東ソー製「GMH−XL」(2本直列)、検出器:示差屈折率計(RI)]で単分散ポリスチレンを基準として、各重合体のポリスチレン換算で出した値であり、以下、同様である。
(成分(a−2):SEPS)
SEPSとしては、重量平均分子量(Mw)が40万を超えて100万以下であれば公知のものを使用でき、特に制限は無い。重量平均分子量が40万以下であると、前記の所望の性状を有する組成物が得られない。重量平均分子量が100万を超えるものは入手困難である。好ましい重量平均分子量は、40万を超えて80万以下、より好ましくは41万〜60万、さらに好ましくは41万〜50万、特に好ましくは42〜46万である。SEPSにおけるポリスチレンブロックの含有率は、好ましくは10〜70質量%、より好ましくは10〜40質量%であり、ポリイソプレンブロックの水素添加率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70〜100モル%である。
かかるSEPSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEPSとしては、市販品を使用することもできる。
(成分(a−3):SEEPS)
SEEPSとしては、重量平均分子量(Mw)が40万を超えて100万以下であれば公知のものを使用でき、特に制限は無い。重量平均分子量が40万以下であると、前記の所望の性状を有する組成物が得られない。重量平均分子量が100万を超えるものは入手困難である。好ましい重量平均分子量は、40万を超えて80万以下、より好ましくは41万〜60万、さらに好ましくは41万〜50万、特に好ましくは42〜46万である。ポリスチレンブロックの含有率は好ましくは10〜70質量%、より好ましくは20〜40質量%であり、ブタジエン/イソプレン共重合体ブロックの水素添加率は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70〜100モル%である。
かかるSEEPSの製造方法については特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。また、SEEPSとしては、市販品を使用することもできる。
本発明においては、成分(A)として、前記したSEBS、SEPS、SEEPSのうち、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。成分(A)としては、柔軟性、機械的強度、低温接着性及び耐久性の観点から、SEEPSが好ましい。
[成分(B)]
成分(B)のポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン/プロピレン共重合体、プロピレン/4−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)、ポリブテン−1などが挙げられる。これらの中でも、加工性及び耐熱性の観点から、JIS K7210[190℃、21.18N(2.16kgf)]に従って測定したメルトフローレート(以下、MFRと略称する。)が、0.1〜100g/10分であるポリオレフィンを使用することが好ましく、0.5〜80g/10分であるポリオレフィンを使用することがより好ましく、10〜60g/10分であるポリオレフィンを使用することがさらに好ましく、30〜60g/10分であるポリオレフィンを使用することが特に好ましい。また、成分(B)はポリプロピレンであることが好ましい。このようなポリオレフィンは市販されており、例えば「ノバテック(登録商標)BC05B」(商品名、成分;ポリプロピレン、日本ポリプロ株式会社製)、「M1600」(商品名、成分;ポリプロピレン、サンアロマー株式会社製)、「ビューロン」(登録商標、成分;ポリブテン−1、三井化学株式会社製)などがあり、これらを使用してもよい。
本発明のスピーカーエッジ用組成物における成分(B)の含有量は、前記の所望の性状を有する組成物を得る観点から、成分(A)100質量部に対して2〜30質量部であることを要し、加工性の観点から、5〜25質量部であることが好ましく、10〜25質量部であることがより好ましく、10〜20質量部であることがさらに好ましい。
なお、成分(B)には、加工性及び耐熱性を向上させる目的で、ポリスチレンを併用することができる。該ポリスチレンは、公知の製造方法で得られたものを使用でき、ラジカル重合法、イオン重合法のいずれの方法で製造してもよい。
該ポリスチレンの重量平均分子量は、好ましくは5千〜50万、より好ましくは1万〜20万であり、分子量分布は5以下のものが好ましい。該ポリスチレンとしては、例えば、ポリスチレン、スチレン単位含有量60質量%以上のスチレン−ブタジエンブロック共重合体、ゴム補強ポリスチレン、ポリα−メチルスチレン、ポリp−t−ブチルスチレンなどが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。ポリスチレンを併用する場合、ポリオレフィン/ポリスチレン=95/5〜85/15(質量比)であることが好ましい。
[成分(C)]
成分(C)のオイルとしては、流動点が−30℃以下であれば特に制限はなく、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、シリコーンオイル、芳香族系オイル、植物系オイルなどを用いることができる。これらの中でも、相溶性の観点から、パラフィン系オイル、シリコーンオイルが好ましい。なお、流動点は、JIS K 2269で規定される方法によって測定することができる。
成分(C)、特にパラフィン系オイルは、ブリード抑制等の観点から、40℃における動粘度が1,000〜1,500mm2/sであることが好ましく、1,100〜1,400mm2/sであることがより好ましく、1,100〜1,300mm2/sであることがさらに好ましい。かかる動粘度は、JIS K2283に準じて測定できる。また、成分(C)の重量平均分子量(Mw)は、加工性とブリード抑制等の観点から、1,500〜3,000であることが好ましく、2,000〜3,000であることがより好ましく、2,200〜2,600であることがさらに好ましい。
パラフィン系オイルとしては、例えば「ルーカント(登録商標)HC−100」(商品名、三井化学株式会社製、分子量:2,400、動粘度(40℃):1,300mm2/s)などが挙げられる。ナフテン系オイルとしては、例えば、出光興産株式会社製のダイアナプロセスオイルシリーズのうち、流動点が−30℃以下のものなどを使用できる。シリコーンオイルとしては、流動点が−30℃以下のストレートシリコーンオイルや変性シリコーンオイルを使用できる。植物系オイルとしては、例えば、ひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、梛子油、落花生油、木ろう、パインオイル、オリーブ油などが挙げられ、流動点が−30℃以下のものを使用できる。成分(C)は、1種を単独で使用してもよいし、相溶性が良好であれば、2種以上を併用してもよい。
成分(C)の流動点は、前記の通り−30℃以下であり、好ましくは−30〜−40℃、より好ましくは−30〜−35℃、さらに好ましくは−32〜−35℃である。
本発明のスピーカーエッジ用組成物における成分(C)の含有量は、前記の所望の性状を有する組成物を得る観点から、成分(A)100質量部に対して70〜300質量部であることを要し、柔軟性、加工性、機械的強度、硬度、低温接着性、耐久性及びスピーカーエッジの長期間の使用によるブリードの抑制などを併せて考慮すると、70〜270質量部であることが好ましく、70〜150質量部であることがより好ましく、70〜120質量部であることがさらに好ましく、70〜100質量部であることが特に好ましい。なお、成分(C)の含有量が成分(A)100質量部に対して70質量部未満であると、本発明のスピーカーエッジ用組成物の硬度が高くなり過ぎ、スピーカーエッジとしての機能を果たさなくなる。また、成分(C)の含有量が成分(A)100質量部に対して300質量部を超えると、硬度が低くなり過ぎ、スピーカーとして組み立てた際に、他の部品と緩衝する。
本発明のスピーカーエッジ用組成物においては、耐熱性を向上させる目的などで、必要に応じ、成分(D)としてポリフェニレンエーテルを含有させることができる。
[成分(D)]
成分(D)のポリフェニレンエーテルは、下記繰り返し単位
Figure 0005603268
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基又はフェニル基を表す。)からなる単独重合体又は該繰り返し単位を含む共重合体であり、本発明においては、ポリスチレン、ポリプロピレン又はポリアミドとのアロイも含む。
前記繰り返し単位中、R1〜R4が表すハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。また、R1〜R4が表す炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が挙げられる。該ポリフェニレンエーテルとしては、公知のものを使用することができ、単独重合体としては、例えばポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジフェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)などが挙げられ、共重合体としては、例えば2,6−ジメチルフェノールと1価のフェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体の如きポリフェニレンエーテル共重合体などが挙げられる。
成分(D)としては、例えば旭化成ケミカルズ株式会社製の「ザイロン(登録商標)」シリーズ、日本GEプラスチックス株式会社製の「ノリル(登録商標)」シリーズなどの市販品を使用することができる。
かかる成分(D)を本発明のスピーカーエッジ用組成物に含有させることにより、当該組成物の耐熱性が向上する。成分(D)を含有させる場合、その含有量に特に制限は無いが、成分(A)100質量部に対して10〜100質量部であることが好ましい。
[他の任意成分]
本発明のスピーカーエッジ用組成物においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、前記成分(A)〜(D)以外に、さらにその他の添加剤を加えてもよい。かかる添加剤としては、例えばセラミック、カーボンブラック、アンバー、シェンナ、カオリン、ニッケルチタンイエロー、コバルトブルー、プラマスターグレー、キノフタロン、ジケトピロロピロール、キナクリドン、ジオキサジン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーンなどの顔料:難燃剤:老化防止剤:帯電防止剤:抗菌剤:酸化防止剤:タルク、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、ガラス繊維、ガラス粉、ガラスバルーンなどの無機中空フィラー、セラミックス粉、マイカなどの無機充填剤:コルク粉末、木粉、グラファイトなどの有機充填剤:ステアリン酸などの離型剤:光安定剤:ロジン誘導体などの粘着付与剤(タッキファイヤー):「レオストマー(登録商標)B」(商品名、理研テクノス株式会社製)などの接着性エラストマー:クマロン樹脂、クマロン−インデン樹脂、フェノールテルペン樹脂などが挙げられる。かかる添加剤を加える場合、その使用量は、1種類につき、成分(A)100質量部に対して20質量部以下であることが好ましく、10質量部以下であることがより好ましく、5質量部以下であることがさらに好ましい。
[組成物の調製方法]
本発明のスピーカーエッジ用組成物の調製方法については特に制限はなく、従来公知の方法を採用することができるが、下記の方法でペレット状組成物を調製することが好ましい。
成分(A)〜(C)並びに必要に応じて成分(D)及び前記添加剤を混合し、例えば一軸混練機、二軸混練機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ニーダー、高剪断型ミキサーなどを用いて、好ましくは100〜300℃(より好ましくは120〜250℃)で溶融混練し、ペレット状組成物を調製する。
ここで、成分(C)のオイルを各成分と十分に混合するためには、特に限定するわけではないが、以下の方法で混合すればよい。例えば、スクリュー全長/シリンダ径=30以上、好ましくは50〜70であり、スクリュー全長に対する混練帯域の長さの比率が30%以上、好ましくは40〜70%である二軸混練機を用意する。予め、成分(C)の一部又は全部を、成分(A)及び(B)並びに必要に応じて成分(D)及び前記添加剤へ加えて混合しておき、用意した二軸混練機のポリマー投入口からフィードするとともに、残りの成分(C)があれば、ポリマー投入口又はサイドフィード口からフィードして溶融混練することにより、成分(C)が組成物中へ十分に混入した、ブリードし難いペレットを得ることができる。また、予め、成分(C)の一部又は全部を、成分(A)及び(B)並びに必要に応じて成分(D)及び前記添加剤へ加えて混合しておくことをせず、それぞれ同時にポリマー投入口からフィードしてもよい。
こうして得られる本発明の組成物は、硬度(ショアA)が30〜55度、好ましくは35〜50度であり、適度な柔軟性を有し、加工性が優れている。また、ガラス転移温度が−60〜−46℃、好ましくは−60〜−48℃、より好ましくは−55〜−48℃であり、低温(例えば−45℃程度)においても接着性を維持することができるといえる。また、本発明の組成物を成形して得られた成形体は、実施例に記載の方法によって測定した引裂強度が6〜9N/mm程度、好ましくは7〜9N/mmであり、機械的強度に優れる。さらに、また、本発明の組成物を成形して得られた成形体は、実施例に記載の方法により測定した亀裂数が0(ゼロ)であり、優れた耐久性を有する。そのため、以上のようにして得られる組成物は、スピーカーエッジの材料として特に適している。
なお、本発明のスピーカーエッジ用組成物は、例えば前述のようにして得られたペレット状組成物を用い、射出成形(成形条件:好ましくは金型温度30〜100℃、好ましくは樹脂温度150〜250℃)などによって成形することができる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
なお、各例における諸特性を、以下に示す方法に従って求めた。
(1)硬度
実施例又は比較例で調製したペレット状組成物について、JIS K6253(タイプAデュロメータ)に準拠してショアA硬度を測定した。
(2)内部損失(tanδ)
実施例又は比較例で調製したペレット状組成物を、金型温度80℃、樹脂温度170℃の条件で射出成形して、縦40mm、横5mm、厚さ2mmのシートを作製した。このシートについて、粘弾性スペクトロメーター「RDAIII」(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)を用い、チャック間距離2mm、動的歪1%、周波数1Hz、測定温度25℃の測定条件にて、動的粘弾性測定を行ない、内部損失(tanδ)を測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg)
実施例又は比較例で調製したペレット状組成物を、金型温度80℃、樹脂温度170℃の条件で射出成形して、縦40mm、横5mm、厚さ2mmのシートを作製した。このシートについて、粘弾性スペクトロメーター「RDAIII」(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー株式会社製)を用い、チャック間距離2mm、動的歪1%、周波数1Hzの測定条件にて、測定温度−60〜150℃の範囲にて動的粘弾性測定を行ない、内部損失(tanδ)を測定した。この際に、tanδが最も大きくなったときの測定温度をガラス転移温度とした。
(4)引裂強度
実施例又は比較例で調製したペレット状組成物を、金型温度80℃、樹脂温度170℃の条件で射出成形し、JIS K6252に準じてトラウザ形試験片を作製し、JIS K6250に規定する標準試験温度にて引裂強度を測定し、機械的強度の指標とした。
(5)耐久性(亀裂数)
実施例又は比較例で調製したペレット状組成物を、樹脂温度230℃の条件で射出成形し、試験用エッジ材を作製した。次いで、図1に示すように、試験用エッジ材10に接合している振動板1を加振器3の振動部4にネジ6で固定し、試験用エッジ材10に接合している外枠2を加振器基部5に固定した。
加振器3によってJIS C5532ノイズで振動版1を加振し、一定時間後に試験用エッジ材10に生じた亀裂数を光学顕微鏡によって観測した。
実施例1、2及び比較例1〜8
表1に示した配合で各成分を予め混合し、次いで二軸混練機(東芝機械株式会社製、TEM58BS型、スクリュー全長/シリンダ径=62.5、スクリュー全長に対する混練帯域の長さの比率=62%)にて180℃で混練し、ストランド状に押し出しながらカッターにてカットし、各ペレット状組成物を調製した。
各ペレット状組成物を用いて、前述した諸特性を求めた。結果を表1に示す。
Figure 0005603268
以下に、表1中の各成分について詳細に説明する。
1)「セプトン4077」:SEEPS、株式会社クラレ製、ポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体、重量平均分子量約30万、ポリスチレンブロック含有率30質量%
2)「セプトン4099」:SEEPS、株式会社クラレ製、ポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンからなるトリブロック共重合体、重量平均分子量約44万、ポリスチレンブロック含有率30質量%
3)「ノバテックBC05B」:ポリプロピレン、日本ポリプロ株式会社製、MFR50g/10分
4)「ダイアナプロセスオイルPW380」:パラフィン系オイル、流動点−15℃、動粘度(40℃)409mm2/s、重量平均分子量750、出光興産株式会社製、
5)「ルーカントHC−100」:パラフィン系オイル、流動点−32.5℃、動粘度(40℃)1,300mm2/s、分子量2,400、三井化学株式会社製
6)「プラマスターグレー」:顔料、大日本インキ化学工業株式会社製
表1より、本発明のスピーカーエッジ用組成物は、十分な内部損失を有しながら、適度な柔軟性を有し、かつ機械的強度、低温接着性及び耐久性に優れていることが分かる。
一方、比較例1で得られた組成物では、成分(A)の重量平均分子量が40万以下であるため、機械的強度及び耐久性が共に低い。同様に、比較例2で得られた組成物も、耐久性が低くなっている。
比較例3〜8で得られた組成物は、成分(C)の流動点が−30℃を超えていて、機械的強度及び/又は耐久性が低くなっており、さらにガラス転移温度(Tg)が−40℃以上となっていて、より低温(−45℃程度)での接着性に乏しいことが分かる。
本発明の組成物は、十分な内部損失を有しながら、適度な柔軟性を有し、かつ機械的強度、低温接着性及び耐久性に優れており、スピーカーエッジの材料として有用である。
1 振動板
2 外枠
3 加振器
4 振動部
5 加振器基部
6 ネジ
10 試験用エッジ材

Claims (8)

  1. (A)ポリスチレン−水添ポリブタジエン−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−1)、ポリスチレン−水添ポリイソプレン−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−2)及びポリスチレン−水添ブタジエン/イソプレン共重合体−ポリスチレンのトリブロック共重合体(a−3)から選ばれる少なくとも1種100質量部、
    (B)ポリオレフィン2〜30質量部及び
    (C)オイル70〜300質量部
    を含有し、かつ前記成分(A)の重量平均分子量が40万を超えて100万以下であり、前記成分(C)の流動点が−30℃以下であることを特徴とするスピーカーエッジ用組成物。
  2. 前記成分(C)の40℃における動粘度が1,000〜1,500mm2/sであり、重量平均分子量が1,500〜3,000である、請求項1に記載のスピーカーエッジ用組成物。
  3. 前記成分(B)がポリプロピレンである、請求項1又は2に記載のスピーカーエッジ用組成物。
  4. 前記成分(C)が液状ポリオレフィンオリゴマーである、請求項1〜3のいずれかに記載のスピーカーエッジ用組成物。
  5. 前記液状ポリオレフィンオリゴマーが、エチレンとα−オレフィンとの共重合体オリゴマーである、請求項4に記載のスピーカーエッジ用組成物。
  6. さらに(D)ポリフェニレンエーテルを含有する、請求項1〜5のいずれかに記載のスピーカーエッジ用組成物。
  7. 前記成分(D)が、ポリフェニレンエーテル/ポリスチレン系アロイ、ポリフェニレンエーテル/ポリプロピレン系アロイ、及びポリフェニレンエーテル/ポリアミド系アロイから選ばれる少なくとも1種である、請求項6に記載のスピーカーエッジ用組成物。
  8. 前記成分(D)の含有量が、前記成分(A)100質量部に対して10〜100質量部である、請求項6又は7に記載のスピーカーエッジ用組成物。
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