JP5601618B2 - 光学フィルター、表示セル及び表示装置 - Google Patents

光学フィルター、表示セル及び表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学フィルター、表示セル及び表示装置に関するものである。
金属微粒子には、入射光と前記金属微粒子内の電子の振動の共鳴(表面プラズモン共鳴)によって、入射光中の特定の波長を吸収する現象があることが知られている。古くから、この現象を利用し、特定の金属微粒子をガラスに混ぜてステンドグラスとして利用されてきている。また、最近では、光学フィルターや塗料への応用も図られている。
前記金属微粒子の表面プラズモン共鳴スペクトルは、金属微粒子を構成する金属の種類、粒子の大きさ、形状、周囲の屈折率に依存している。この特性を用いた光学フィルターとして、特許第4348720号には、ナノロッド状の金属微粒子を形成し、前記金属ナノロッドを樹脂に混合して分散させたフィルム状であって、可視光から近赤外光前記ナノロッドの短軸と長軸の長さを調整して、可視光から近赤外光の間の波長の光を選択的に吸収する光学フィルターが開示されている。
また、特開2005−126310号公報には、貴金属をナノロッド状に形成し、ナノロッドの短軸及び長軸に由来する性質を発現させ、ガラス等に近赤外線遮蔽性及び意匠性を付与できる光学フィルターが開示されている。
例えば、カラー表示可能な液晶表示パネルでは、各画素が、赤の光(R波長域の光)、緑の光(G波長域の光)、青の光(B波長域の光)それぞれを透過するように構成されている。各光を透過させる部材として、上述の光学フィルターが用いられることが多い。すなわち、特許4348720号公報に記載のカラーフィルターや特開2005−126310号公報に記載のカラーフィルターで、RGBの各光を透過させる光吸収スペクトルのカラーフィルターを形成し、各色のカラーフィルターを適度に画素に敷き詰め、そのカラーフィルターに入射する光を調整することで、画素の色を決定している。
特許4348720号公報 特開2005−126310号公報
しかしながら、特許4348720号公報のカラーフィルターは、ロッド状の微粒子の長軸に起因する吸収波長を有するカラーフィルターであり、特開2005−126310号公報では、ナノロッドの短軸及び長軸に起因する吸収波長を有したカラーフィルターであり、一度製造したカラーフィルターの吸収、透過、散乱波長を調整、変化させることはできず、予め異なる吸収、透過、散乱波長を有する複数種類のカラーフィルターが必要である。
また、RGBの各カラーフィルターを用いる場合、前記カラーフィルターはRGBいずれか一色を表示するので、他の色の光を遮断する構成となっており、光の利用効率が悪くなる。
そこで本発明は、金属微粒子を用い、吸収される、透過する、あるいは拡散する波長を調整できる光学フィルターを提供することを目的とする。また、このような光学フィルターを用いた表示セル、前記表示セルを備えた表示装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、2つ以上の形状異方軸を持つ複数の金属微粒子が、可視域の光を透過する透明誘電体の表面又は内部に向きをそろえて設置されているフィルター部と、前記フィルター部を透過する透過光の偏光方向と、前記金属微粒子の形状異方軸の向きとを、相対的に変化させる方向調整手段とを備えることを特徴とする光学フィルターを提供する。
この構成によると、透過光の偏光方向と、前記金属微粒子の形状異方性の向きを、相対的に変化させるという容易な方法で、前記金属微粒子の、どの方向で起きる表面プラズモン共鳴を利用するかを調整することができる。あるいは、表面プラズモン共鳴波長の光を吸収させるか、散乱させるかを選択することができる。また、本光学フィルターは、長軸と短軸に対応した2色に加え、長軸および短軸の中間の偏光方向を入射すると、表面プラズモン共鳴波長がシフトすることから、1つの光学フィルターで表示させる色を2〜4色とすることが可能である。
このことから、フルカラー表示を行う従来のRGBそれぞれの波長の光を抽出するカラーフィルターを用いるものに比べて、光学フィルターの枚数を減らすことができ、開口率を大きくすることができ、光利用効率を高めることができる。また、光学フィルターを従来通り3枚使った場合でも、1枚で表示できる色の選択肢が4色であれば、色表現の範囲を広くできる。
上記構成において、前記方向調整手段は、透過光の偏光方向を、金属微粒子の形状異方軸に平行または垂直な方向に回転させるものであってもよい。この構成によると、液晶素子などの既存の簡易な方法で金属微粒子の表面プラズモン共鳴波長を調整することができる。
上記構成において、前記透明誘電体は前記複数の金属微粒子を回転自在に支持しており、前記方向調整手段が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、向きを揃えた状態で回転させるものであってもよい。この構成によると、偏光方向を回転させる手段が必要ないため、光の透過率の低下を抑制することができる。これにより、消費エネルギーを低減することができる。
上記構成において、偏光方向が前記金属微粒子の形状異方軸の2軸のいずれとも平行及び垂直になっていない入射光が前記フィルター部に入射するようにしてもよい。この構成によると、表面プラズモン共鳴波長の光を吸収させるか、散乱させるかを選択することができるため、1枚の光学フィルターで、より多くの色を表現することができるため、色表現の範囲を広くできる。
上記構成において、前記フィルター部に入射する入射光の偏光方向と、前記金属微粒子の形状異方軸の向きとを、相対的に変化させる第2の方向調整手段を備えていてもよい。この構成によると、高い光利用効率で、表面プラズモン共鳴波長の光を吸収させるか、散乱させるかを選択することができるため、1枚の光学フィルターで、より多くの色を表現することができるため、色表現の範囲を広くできる。
上記構成において、前記透明誘電体は前記複数の金属微粒子を回転自在に支持しており、前記方向調整手段又は前記第2の方向調整手段のいずれか一方が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、向きを揃えた状態で回転させてもよい。この構成によると、偏光方向を回転させる手段が必要ないため、光の透過率の低下を抑制することができる。これにより、消費エネルギーを低減することができる。
上記構成において、前記複数の金属微粒子が3つの形状異方軸を持ち、前記方向調整手段が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、前記透明誘電体の面直方向にも回転させるものであってもよい。この構成によると、前記金属微粒子が3つの表面プラズモン共鳴波長を持つことになるため、1枚の光学フィルターでフルカラー表示が可能な光学フィルターとなる。よって、光学フィルターの枚数を減らすことができるため、光利用効率を高くすることができる。
上記構成において、前記複数の金属微粒子が光の照射方向に配列されており、その配列間隔は、金属微粒子の照射方向の長さの5倍以上である。この構成によると、金属微粒子の相互作用によるピークシフトを防ぐことができるため、金属微粒子単体の吸収ピークのみを考えて、金属微粒子の形状を設計することができる。
本発明は、上記いずれかの光学フィルターと、可視域の光を出射する光源と、前記光学フィルターに入射する光の強度を調整する光強度調整部とを備えている表示セルを提供する。
この構成によると、1つの光学フィルターで2色およびその混色を表現できる透過型表示装置となる。よって、フルカラー表示するために必要なフィルターの枚数を2枚以下とすることが可能であるため、開口率が高く、光の利用効率を高めることができる。
さらに、長軸と短軸に対応した2色に加え、長軸および短軸の中間の偏光方向を入射すると、表面プラズモン共鳴波長がシフトすることから、3つの共鳴波長を用いてフルカラーを表示させることも可能となる。また、金属微粒子を3次元的に回転させる場合には、1枚の光学フィルターで3つの表面プラズモン共鳴波長を持つことになるため、1枚の光学フィルターでフルカラー表示が可能となる。よって、光学フィルターの枚数を減らすことができるため、光利用効率を高くすることができる。
上記構成において、前記光学フィルターを2枚備え、前記2枚の光学フィルターの両方が、前記金属微粒子の表面プラズモン共鳴波長が赤色の補色となる波長を含むフィルター部を備えていてもよい。
この構成によると、人間の目の感度が低い赤色を、2枚の光学フィルターで表現することで、赤色に対する開口率が上がるため、入射光強度を高めなくてもよく、消費エネルギーを低減することが可能である。
本発明は、上記いずれかの表示セルを複数個備えており、前記複数個の表示セルを2次元配列している表示装置を提供する。
上記構成において、表示装置が、画像データが入力されるデータ入力部と、前記方向調整手段を制御する方向調整部駆動回路と、前記光強度調整部を制御する光強度調整部駆動回路と、前記画像データに基づいて前記各表示セルで表示する色及び強度を決定し、前記色及び強度に基づいて各表示セルの前記方向調整手段及び前記光強度調整部とを駆動するように、前記方向調整部駆動回路及び前記光強度調整部駆動回路に指示を出す演算部を備えていてもよい。
本発明によると、金属微粒子を用いる光学フィルターであって、吸収、透過、拡散波長を調整可能である光学フィルターを提供することを目的とする。また、このような光学フィルターを用いた表示セル、前記表示セルを備えた表示装置を提供することができる。
本発明にかかる光学フィルターの一例を示す斜視図である。 吸収スペクトルのピーク波長と、銀の金属微粒子に対する入射光の偏光方向との関係を示す図である。 吸収スペクトルのピーク波長と、銀の金属微粒子に対する入射光の偏光方向との関係を示す図である。 吸収スペクトルのピーク波長と、銀の金属微粒子に対する入射光の偏光方向との関係を示す図である。 平面上に配列した金属微粒子直後の電場の偏光依存性を示す図である。 透過スペクトルと、銀の金属微粒子の層数との関係を示す図である。 透過スペクトルと、銀の金属微粒子の層の間隔との関係を示す図である。 透過スペクトルと、銀の金属微粒子に対する透過光の偏光方向との関係を示す図である。 本発明にかかる光学フィルターの他の例を示す斜視図である。 本発明にかかる表示装置の一例を示す概略図である。
以下に本発明の実施形態について図面を参照して説明する。まず、本発明にかかる光学フィルターの構成及び製造方法について説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明にかかる光学フィルターの一例の概略斜視図である。なお、以下説明する図において、特段の記載のない場合、図1等に示しているように、紙面左右方向をX方向、紙面奥行き方向をY方向、紙面上下方向をZ方向とする。
図1に示すように、第1の光学フィルター1は、入射光のうち、特定波長域の光が透過する(特定波長域の光を吸収する)フィルターである。第1の光学フィルター1は、偏光板2、方向調整部3(方向調整手段)及びフィルター部4を備えており、光入射側(光源側)から、フィルター部4、方向調整部3、偏光板2の順番に配置されている。
フィルター部4は、透明誘電体41と、金属微粒子42とを備えている。透明誘電体41は、金属微粒子42を分散させるための基板であり、一定の光(ここでは、可視光領域の光)に対して透明な基板である。透明誘電体41は、ガラス基板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の有機フィルムを用いることができる。
金属微粒子42は、表面プラズモン共鳴を起こす金属であり、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、白金、パラジウム等がよく用いられている。図1に示すように、金属微粒子42はY方向の長さがX方向の長さよりも長い楕円球形状を有している。このX方向、Y方向、Z方向の長さは、数nmから100nm程度である。詳細は後述するが、この金属微粒子42の長さとその相対的な比率(以下、アスペクト比と称する)及び入射光の偏光方向によって、フィルター部4を透過する光のうち吸収(散乱)される波長が決定される。なお、図1に示す金属微粒子42は、楕円球形状のような角部が丸いものであるが、これに限定されるものではなく、例えば直方体や円柱、楕円柱のように角部が丸くないものでもよい。金属微粒子は、少なくとも異なる2方向で長さが異なるように形成されていればよい。
図1に示すように、金属微粒子42は、透明誘電体41の表面に分散されている。金属微粒子42は、全て同じ形状及び大きさを有するとともに、配向を同じくして、等間隔に並んで配置されている。なお、金属微粒子42は透明誘電体41の内部に分散されていてもよく、配向方向が同じであれば、等間隔でなくてもよい。金属微粒子42を透明誘電体41に配列する方法は、例えば、流動法、ラングミュアーブロジェット法、バブルインフレート法、電界による配列及びロールツーロール方式等がある。
また、図1に示すフィルター部4では、金属微粒子42が2次元(X方向及びY方向)配列されているが、3次元配列されていてもよい。また、金属微粒子42の量(単位面積或いは単位体積当たりの量)は多いほうがよいが、金属微粒子42同士が接触したり、接近しすぎたりすると、単体のときとは異なる光学特性となる場合がある。光学特性の変化を抑制するために、金属微粒子42間の距離は、ある程度以上の開いていることが好ましいことが知られている。詳細は、後述する。
フィルター部4は次のようにして作製される。ガラス、プラスチック、高分子などの固体の透明誘電体41の表面に、金属膜を成膜し、その後、金属微粒子42となる部分をマスクし、フォトリソグラフィープロセスなどにより、周囲の部分を除去する。また、透明誘電体41として光硬化樹脂を用いる場合、金属微粒子42を所望の向きに揃えた後、光硬化樹脂を硬化させ、金属微粒子42を固定してもよい。なお、作成方法はこれに限定されるものではない。
方向調整部3は、透過する光の偏光方向を相対的に変化させるものである。方向調整部3は、液晶を備えた光学素子であり、所定の間隔をあけて平行に配置された一対の平板電極基板の間に液晶が充填されている。方向調整部3は、偏光板2とフィルター部4との間に配置されている。方向調整部3は、外部から駆動用の電気信号が送られる(液晶に電圧が印加される)ことにより、入射された直線偏光を回転させることができる。なお、方向調整部3の液晶を挟む電極は、できれば透明が好ましく、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)等を用いた透明電極を挙げることができる。
また、方向調整部3は、液晶を用いたものに限定されるものではなく、例えば、ファラデー素子や1/2波長板を用いたものであってもよい。ファラデー素子とは磁界によって透過する光の偏光方向を調整する素子であり、液晶同様、電極に外部から動作の電気信号を入力することで、入射された直線偏光を回転させることができる。また、1/2波長板であれば、ユーザが手動で回転又は外部信号により自動で回転させることで、入射された直線偏光を回転させることができる。なお、方向調整部3として偏光板を回転させる構成であってもよい。この場合、方向調整部3が偏光板2を兼ねる構成としてもよい。
なお、方向調整部3として液晶を用いる場合、フィルター部4の透明誘電体41を方向調整部3の一方の電極基板と兼用とすることも可能である。この構成の場合、例えば、次の方法で作製される。透明誘電体41であるガラスの一面に金属微粒子42を分散させ、もう一面に透明電極としてITO膜を高周波スパッタ法により形成した後、フォトリソグラフィー法により電極パターンを形成する。その後、配向膜を塗布し、ラビングした後、他方の電極基板を透明誘電体41に平行に配置し、他方の電極基板と透明誘電体41の間に液晶を充填し、封入する。以上の方法で、方向調整部3とフィルター部4とを一体的に作製することが可能である。
偏光板2は、透過光から特定の直線偏光のみを取り出すものであり、従来よく知られた、偏光板と同じ構成を有している。透過光は偏光板2を通過することで特定の偏光方向の光が取り出される。なお、図1に示す第1の光学フィルター1では、偏光板2は偏光方向がX方向(X偏光)の光を取り出すように配置されている。
ここで、フィルター部4による特定波長を吸収(散乱)する機構の説明を、具体的なシミュレーション結果に基づいて説明する。フィルター部4は金属微粒子42に光が入射したときにおきる表面プラズモン共鳴を利用し、特定波長(表面プラズモン共鳴波長或いは単に共鳴波長と称する場合がある)を吸収(散乱)している。
フィルター部4の表面プラズモン共鳴波長を説明するため、まず、空気中に存在する金属微粒子に入射光が入射したときに表面プラズモン共鳴によって吸収される波長について図面を参照して説明する。図2A−図2Cは、金属微粒子として銀の微粒子に所定の偏光方向の光が入射したときの散乱断面積の近接場成分を示す図である。図2A−図2Cの結果は、異なる形状モデルの銀の微粒子に光を入射させたシミュレーションを行って得られたものである。
図2A−図2Cのシミュレーションに用いた銀の微粒子の形状モデル及び入射光との関係は次のとおりである。図2AはX方向のサイズが5nm、Y方向のサイズが20nm、Z方向のサイズが100nmである銀の金属微粒子が空気中に存在するときZ方向に進行する光の偏光方向をX方向及びY方向とした結果である。図2BはX方向のサイズが20nm、Y方向のサイズが100nm、Z方向のサイズが5nmである銀の金属微粒子が空気中に存在するときZ方向に進行する光の偏光方向をX方向及びY方向としたときの結果である。図2CはX方向のサイズが5nm、Y方向のサイズが100nm、Z方向のサイズが20nmである銀の金属微粒子が空気中に存在するときZ方向に進行する光の偏光方向をX方向及びY方向としたときの結果である。
すなわち、図2A−図2Cは同じ形状(アスペクト比)及びサイズの銀の微粒子と入射光の偏光方向とを相対的に回転させたときの結果である。なお、入射光は銀の微粒子によりレイリー散乱されるものとして計算している。散乱断面積の近接場成分とは、金属微粒子(銀の微粒子)に照射された光による近接場光の発生、すなわち、表面プラズモン共鳴の強度に対応するものである。遠視野で見ると、近接場光は吸収されたことになるので、この波長を除いた光、つまり、表面プラズモン共鳴による近接場光の波長(表面プラズモン共鳴波長)の補色の光が見える。このことから、図2A−図2Cは入射光に対する吸収スペクトルと捉えることが可能である。
すなわち、図2A−図2Cは、銀の微粒子に対する入射光の入射方向及び偏光方向が変化したときの吸収波長の変化を示している。図2Aの構成では、X偏光の光が入射したとき、330nmの近辺の波長が吸収され、Y偏光の光が入射したとき、430nm近辺の波長が吸収されていることがわかる。同様に図2Bの構成では、X偏光の光が入射したとき、430nmの近辺の波長が吸収され、Y偏光の光が入射したとき、940nmの近辺の波長が吸収されていることがわかる。さらに、図2Cの構成ではX偏光の光が入射したとき、330nmの近辺の波長が吸収され、Y偏光の光が入射したとき、940nmの近辺の波長が吸収されていることがわかる。
以上のことから、入射光の偏光方向と金属微粒子の異方軸との相対角度を調整することで、吸収される光の波長(透過する光の波長)を決めることができる。例えば、図2Cの構成において、偏光方向がランダムであったり、円偏光、45度偏光であったり等で、X偏光成分とY偏光成分の両方の偏光成分を持っている光が入射したとする。このとき、入射光のX偏光成分は330nmの近辺の波長が吸収される。また、入射光のY偏光成分は940nmの近辺の波長が吸収される。
次に、二次元配列した銀の金属微粒子の共鳴スペクトルについて説明する。図3はFDTDシミュレーションを行った結果であり、そのモデルは次のとおりである。X方向のサイズが30nm、Y方向のサイズが60nm、Z方向のサイズが10nmである楕円柱形状の銀の金属微粒子を、100nmの周期でXY平面内に二次元配列した。入射光はZ方向に伝播する平面波であり、その偏光方向はX軸に対して45度傾いている。そして、図3は、金属微粒子を二次元配列した領域の直後の電場のうち、X成分、Y成分、45度成分の強度を示す図である。
電場強度とは、主に金属微粒子(銀の微粒子)で励起された表面プラズモン共鳴により増強された電場の強度である。電場強度はほとんどが金属微粒子の近傍に存在する近接場光として現れ、一部が散乱光として遠視野に伝播する。遠視野で見ると、近接場光は吸収されたことになるため、この近接場光の波長を除く波長の光、つまり、表面プラズモン共鳴波長の補色が見えることになる。遠視野では表面プラズモン共鳴波長の補色の光が観察されることから、図3は金属微粒子を透過した光から偏光方向が、X方向、Y方向、45度方向である光を取り出したときの、各成分での吸収スペクトルと捉えることができる。なお、以下の説明では、二次元配列された金属微粒子の光進行方向後方に偏光板を配置し、偏光板を動かして、X方向、Y方向、45度方向の光を取り出したとして説明する。
以上のことを踏まえて、図3について説明する。図3において、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が0度(X偏光)のとき、460nm近辺の波長のみに吸収ピークを有している、すなわち、金属微粒子が二次元配列された領域を透過した光のうちX偏光成分は、遠視野において460nm近辺の波長が吸収されている。一方、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が90度(Y偏光)のとき、650nm近辺の波長のみにピークを有している、すなわち、金属微粒子が二次元配列された領域を透過した光のうちY偏光成分は、遠視野において650nm近辺の波長が吸収されている。偏光板で取り出す透過光の偏光方向が0度(X偏光)/90度(Y偏光)のときには、発生している2つのピークのうち、金属微粒子の短軸/長軸に依存した吸収の効果のみを取り出すことができている。
そして、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が45度のとき、460nm(偏光方向が0度のときの吸収ピーク)及び650nm(偏光方向が90度のときの吸収ピーク)の両方の波長で吸収ピークを有している、つまり、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が45度のとき両方の波長成分が吸収された光が出射している。これにより、偏光板で取り出す透過光の偏光方向と金属微粒子の2つの形状異方軸のどちらとも平行でない角度とすることで、金属微粒子の短軸/長軸に依存した吸収ピークを有するものとすることができる。
また、図3に示しているように、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が45度のときの460nmの電場強度が偏光方向が0度のときに対して約半分となっている。同様に、偏光板で取り出す透過光の偏光方向が45度のときの650nmの電場強度が偏光方向が90度のときに対して約半分となっている。これより、偏光板で取り出す透過光の偏光方向と金属微粒子の2つの形状異方軸となす角度が、どのような比率とするかによって、吸収ピークの吸収強度を変えることが可能である。すなわち、金属微粒子の形状異方性と偏光板を透過する光の偏光方向との相対角度を調整することにより、金属微粒子の形状異方性の2方向の各方向に対応した吸収ピークの吸収強度を変えることができる。
以上のことより、フィルター部の金属微粒子の形状及び配列と、偏光板で取り出す透過光の偏光方向とを適切に調整することで、光学フィルターの吸収ピークの位置を所望の位置に設定することができる。すなわち、光学フィルターを所望の吸収スペクトルを持つ光学フィルターとすることができる。なお、図3のシミュレーションでは、入射光を45度偏光としたが、ランダムな偏光や円偏光のように、XとY両方の偏光成分を持っている場合でも、同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の光学フィルター1では、フィルター部4は透明誘電体41に金属微粒子42を拡散させた構成であり、金属微粒子42が2次元配列されている。そして、第1の光学フィルター1では方向調整部3でフィルター部4を透過した透過光の偏光方向を調整している。そして、方向調整部3を透過した光が偏光板2を透過することで特定の直線偏光(特定の偏光方向の光)を取り出している。これにより、フィルター部4から透過する透過光の偏光方向を調整できる構成となっている。
この構成の第1の光学フィルター1の動作は以下のとおりとなる。上述したとおり、入射光のうち、X偏光の成分によって金属微粒子42のX方向のサイズに対応した表面プラズモン共鳴が発生し、X方向のサイズに起因した波長域の光が吸収される(図1において、金属微粒子42はX方向が短軸となっているので、図3のシミュレーションで用いた金属微粒子を用いた場合、吸収ピークの波長は460nmとなる)。
また、入射光のうち、Y偏光の成分によって金属微粒子42のY方向のサイズに対応した表面プラズモン共鳴が発生し、Y方向のサイズに起因した波長域の光が吸収される(図1において、金属微粒子42はY方向が短軸となっているので、図3のシミュレーションで用いた金属微粒子を用いた場合、吸収ピークの波長は短軸方向の650nmとなる)。
図1に示す第1の光学フィルター1において、偏光板2の偏光方向がX方向(X偏光)であるとすると、方向調整部3がフィルター部4を透過した光の偏光方向を回転させない場合、金属微粒子42のX方向のサイズに対応した波長域(460nm)以外の光が透過する。つまり、金属微粒子42のX方向のサイズに対応した波長域に吸収ピークを有する光(X方向成分とする)が透過する。
一方、方向調整部3がフィルター部4を透過した光の偏光方向を90度回転させると、金属微粒子42のY方向サイズに対応した波長域(650nm)以外の光が透過する。つまり、金属微粒子42のY方向のサイズに対応した波長域に吸収ピークを有する光(Y方向成分とする)が透過する。
さらに、方向調整部3を調整し、フィルター部4を透過した光の偏光方向を0度から90度の間で回転させると、X方向成分とY方向成分を備えた光が透過する。つまり、フィルター部4を透過した光には金属微粒子42のX方向の表面プラズモン共鳴とY方向の表面プラズモン共鳴が発生しており、偏光板2で取り出す透過光は、フィルター部4を透過した光のX方向成分とY方向成分の、方向調整部3で設定した偏光方向に対して射影した強度の比率で重ね合わせとなっている。例えば、透過光の偏光方向が0度に近いほどX方向成分が多くなり、90度に近いほどY方向成分が多くなる。
このことから、第1の光学フィルター1では、方向調整部3でフィルター部4を透過した光の偏光方向を回転させ、偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を調整することで、透過光の吸収スペクトルを調整することができる。これにより、1個の第1の光学フィルター1で多彩な色を再現することが可能である。
次に、二次元配列した銀の金属微粒子に光を入射させ、透過光を遠視野で観察したときの吸収スペクトルについて説明する。図4Aは、二次元配列した銀の金属微粒子を光の照射方向に重ねて配置したときの層数と遠視野における電場強度との関係を示す図であり、図4Bは、二次元配列した銀の金属微粒子を光の照射方向に重ねて配置したときの層間間隔と遠視野における電場強度との関係を示す図である。
図4Aにおいて、破線は図3と同じ構成(すなわち1層)のときの吸収スペクトルであり、点線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔100nmで5層重ねた構成のときの吸収スペクトルであり、実線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔100nmで8層重ねた構成のときの吸収スペクトルを示している。なお、5層と8層の結果については、他のグラフと重ならないよう、縦軸をずらして表示している。
図4Aに示しているように、1層、5層及び8層いずれの場合でも、図3において偏光方向が0°のときの吸収のピークと同じ波長付近で電場強度が下がっている。すなわち、図3に示した金属微粒子直後の電場強度は、表面プラズモン共鳴により増強された電場であり、遠視野ではこの表面プラズモン共鳴波長の補色の光が観察されてということである。さらに、複数層重ねた場合でもその吸収スペクトルは、図3における偏光方向0°のときの吸収スペクトルと対応する。そして図7Aに示しているとおり、金属微粒子を重ねる層数が多くなると、表面プラズモン波長において吸収される光の量が増え、このことから、コントラストを高くすることが可能である。
図4Bにおいて、破線は図3と同じ構成(すなわち1層)のときの吸収スペクトルであり、点線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔30nmで8層に重ねた構成のときの吸収スペクトルであり、鎖線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔50nmで8層に重ねた構成のときの吸収スペクトルであり、一点鎖線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔60nmで8層に重ねた構成のときの吸収スペクトルであり、実線は図3と同じ形状の金属微粒子を間隔70nmで8層に重ねた構成のときの吸収スペクトルを示している。なお8層のときの結果は、他のグラフと重ならないよう、縦軸をずらして表示している。
図4Bに示すように、間隔が30nmの構成では1層の構成に比べて吸収ピークがシフトしている。一方で、間隔が50nm以上の構成では吸収ピークが1層の構成とほぼ同じ位置に戻っている。これは、層間の間隔が狭いことで、近傍の粒子同士で相互作用が発生して吸収ピークの波長がシフトしているものと考えられる。そして、間隔を50nm以上に広げることにより、近傍の粒子同士で相互作用が起きなく(起きにくく)、吸収ピークの波長が1層のときとほぼ同じ波長に戻っていると考えられる。
この相互作用しなくなる十分な間隔は、金属微粒子の光照射方向の長さに依存する。すなわち、本シミュレーションにおいて、金属微粒子のZ方向の長さは10nmであり、上述のように近傍の粒子同士で相互作用が発生しにくい十分な間隔である50nmは、金属微粒子のZ方向の長さの約5倍にあたる。よって、金属微粒子を並べたときの光の照射方向の間隔は、金属微粒子の照射方向の長さの5倍以上とするのが好ましい。このように、近傍の金属微粒子同士の間隔を相互作用が起きない間隔にしておくことで、金属微粒子の相互作用によるピークシフトを防ぐことができるため、金属微粒子単体の吸収ピークのみを考えて、金属微粒子の形状を設計することができる。
以上のことから、本発明の第1の光学フィルター1は、金属微粒子42の長軸と短軸(図1ではY方向とX方向)それぞれに対応した2つの表面プラズモン共鳴波長に吸収ピークを有する構成とすることが可能である。これにより、本発明の第1の光学フィルターは金属微粒子42を適切に選択することで、赤色及び青色を発現する第1の光学フィルターと緑色(及び赤色)を発現する第1の光学フィルターとすることが可能であり、2枚の第1の光学フィルターでフルカラー表示が可能である。吸収波長が固定された従来の光学フィルター(例えば、RGBに塗り分けられたカラーフィルター)に対して、光学フィルターの枚数が少なくなる分、光利用効率を高めることが可能である。
以上、方向調整部3がフィルター部4を透過した光の偏光方向を回転させることで、金属微粒子42と偏光板2で取り出す透過光の偏光方向との相対関係を調整する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、方向調整部が、金属微粒子42を回転させる構成であってもよい。この場合、金属微粒子42が回転しやすいように透明誘電体41がジェル或いは液体であることが好ましい。金属微粒子42を回転させ、偏光板2で取り出す透過光の偏光方向との相対関係を調整しても同様の光学フィルターを得ることができる。
金属微粒子42に電圧を印加することで、金属微粒子42の長軸が電圧間の方向になるように配列することが知られている。そこで、金属微粒子42を回転させる方法としては、方向調整部3がフィルター部4に電界を発生させることができる構成(例えば、電極)とし、金属微粒子42に電界を作用させることで、金属微粒子42を配列させるものを挙げることができる。
この特徴を利用し、電極を2対設け、電極間にかける電圧を調整することにより、金属微粒子42を3次元的に回転させることも可能である。金属微粒子42を3次元的に回転させることで、1枚の光学フィルターで3つの表面プラズモン共鳴波長を持つことになるため、1枚の光学フィルターでフルカラー表示が可能な光学フィルターとすることが可能であり、従来のカラーフィルターに対し、光利用率をさらに高めることが可能である。
次に、入射光を直線偏光とした場合について、詳細に考察する。図5は遠視野における透過スペクトルのFDTDシミュレーション結果を示す図である。X成分が破線、Y成分が実線、金属微粒子42の長軸方向の成分が点線、短軸方向の成分が太線である。入射光の偏光方向はX方向であり、金属微粒子42が45度傾いた方向に設置されている。金属微粒子42の形状は図3のシミュレーションと同じであり、間隔200nmで8層重ねている。
これより、フィルター部4を透過した光のX成分は、金属微粒子42の長軸方向の表面プラズモン共鳴波長(650nm)および短軸方向の表面プラズモン共鳴波長(460nm)の光が吸収され、他の波長の光が透過していることがわかる。一方、Y成分は、長軸および短軸方向の表面プラズモン共鳴波長の光が散乱され、透過していることがわかる。
金属微粒子42に対して、45度傾いた偏光方向の光が入射されているため、表面プラズモン共鳴が金属微粒子42の長軸方向と短軸方向の両方で起きる。フィルター部4を透過する光のX成分を取り出すと、入射光と同じ偏光方向であるため、表面プラズモン共鳴が起きない波長の光は、そのまま透過し、表面プラズモン共鳴波長の光が吸収されて見える。一方、フィルター部4を透過する光のY成分を取り出すと、入射光と直交する偏光方向であるため、表面プラズモン共鳴が起きない波長の光は、透過できず、表面プラズモン共鳴波長の光が散乱して見える。
この現象を用いることにより、本第1の光学フィルターでは、以下のように色を表現することができる。
金属微粒子42の向きに対して入射光の偏光方向を平行・垂直とならないよう傾けておけば、方向調整部3の調整による偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を、入射光の偏光方向と平行とすることにより、長軸および短軸方向の表面プラズモン共鳴の吸収が観察され、長軸および短軸方向の表面プラズモン共鳴波長の補色を表現できることになる。図5では、長軸方向の表面プラズモン共鳴波長は約650nm(赤色)であり、短軸方向の表面プラズモン共鳴波長は約460nm(青色)であり、これらの補色である緑色が表現できる。
一方、方向調整部3を調整したことによる偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を、入射光の偏光方向と垂直とすることにより、長軸および短軸方向の表面プラズモン共鳴による散乱が観察され、長軸および短軸方向の表面プラズモン共鳴波長の色、すなわち紫色を表現できる。
また、方向調整部3を調整し偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を金属微粒子42の長軸方向にすることにより、長軸方向の表面プラズモン共鳴の吸収が観察され、長軸方向の表面プラズモン共鳴波長の補色である青緑色を表現できることになる。一方、方向調整部3を調整し偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を金属微粒子42の短軸方向にすることにより、短軸方向の表面プラズモン共鳴の吸収が観察され、短軸方向の表面プラズモン共鳴波長の補色である黄色を表現できることになる。
よって、金属微粒子42の向きに対して入射光の偏光方向を傾けておき、方向調整部3を動作させ偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を45度ずつ調整すれば、青緑、紫、青、黄色を表現することができる。
なお、図5でわかるように、方向調整部3を調整し偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を金属微粒子42の長軸・短軸方向にした場合と、45°傾けた場合とでは、ピーク位置が異なっている。この原因は、入射光の偏光方向を45°傾けることにより、完全な長軸・短軸方向以外の方向の表面プラズモン共鳴の影響を受けているためであると考えられる。つまり、この現象を利用して、吸収波長を調整することもできる。
なお、上記において、方向調整部3は偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を回転させるとして説明したが、金属微粒子42の方向を調整してもよい。ただし、この場合、入射光との相対角度も調整しなければならない。例えば、入射光の偏光方向と金属微粒子42の方向が平行または垂直であると、上述したように4色を表現することはできない。また、入射光の偏光方向と金属微粒子42の方向が平行または垂直以外の状態であっても、長軸方向の表面プラズモン吸収と短軸方向の表面プラズモン吸収の寄与する割合が変化する。
(第2の実施形態)
次に、本発明にかかる光学フィルターの他の例について図面を参照して説明する。図6は本発明にかかる光学フィルターの他の例を示す斜視図である。図6に示すように第2の光学フィルター11は、フィルター部4の方向調整部3と反対側の面に第2方向調整部31が備えられている。それ以外の部分は、図1に示す第1の光学フィルター1と同じ構成であり、実質光同じ部分には同じ符号を付してある。すなわち、第2の光学フィルター11では、第2方向調整部31を用いて入射光の偏光方向を調整する点が、第1の光学フィルター1と異なっている。
第2方向調整部31は、方向調整部3と同様、液晶を備えた光学素子であってもよいし、ファラデー素子や1/2波長板を用いたものであってもよい。この場合、入射光は直線偏光であるとする。また、偏光板を回転させてもよく、この場合、入射光が直線偏光でなくてもよい。
例えば、第2方向調整部31を調整し、入射光の偏光方向と金属微粒子42の長軸方向とを平行にし、方向調整部3を調整し、透過光の偏光方向を金属微粒子42の長軸方向と平行とすることにより、金属微粒子42の長軸方向の表面プラズモン共鳴による吸収が観察される。これにより、第2の光学フィルター11では金属微粒子42の長軸方向の表面プラズモン共鳴波長の補色の光が出射される。
この構成の第2の光学フィルター11によると、入射光の偏光方向と金属微粒子42の長軸方向とが平行・垂直でない(例えば、入射光の偏光方向が金属の長軸方向に対して45度傾いている)第1の光学フィルターに、同じ波長の光を透過させる場合よりも光の利用効率が高くなる。一方、方向調整部3を調整し、透過光の偏光方向を第2方向調整部31の調整による入射光の偏光方向と垂直にすることにより、光源の光は透過しなくなり、黒色を表現できることになる。
また、第2方向調整部31を調整し、入射光の偏光方向を金属微粒子42の長軸方向と垂直(短軸方向と平行)にし、方向調整部3を調整し、透過光の偏光方向を入射光の偏光方向と平行とすることにより、金属微粒子42の短軸方向の表面プラズモン共鳴の吸収が観察され、短軸方向の表面プラズモン共鳴波長の補色を表現できることになる。
この構成の第2の光学フィルター11によると、入射光の偏光方向と金属微粒子42の長軸方向とが平行・垂直でない(例えば、入射光の偏光方向が金属の長軸方向に対して45度傾いている)第1の光学フィルターに、同じ波長の光を透過させる場合より、光の利用効率が高くなる。一方、方向調整部3を調整し、透過光の偏光方向を入射光の偏光方向と垂直にすることにより、光源からの光は透過しなくなり、黒色を表現できることになる。
第2の光学フィルター11では、光源から出射される光の偏光方向が(設計等によって)予め決められたものと異なる場合でも、第2方向調整部31で調整し、入射光の偏光方向を予め決められた偏光方向とすることができる。所望の吸収スペクトルを備えた光学フィルターを得るための光源に対する制限が少ない。さらにいうと、第2の光学フィルター11では光方向が調整されていない光源を用いても、所望の吸収スペクトルを備えることが可能である。
なお、上記において、第2方向調整部31は入射光の偏光方向を調整するとしているが、金属微粒子42の方向を調整する構成であってもよい。この場合、方向調整部3は、金属微粒子42の方向も考慮して偏光板2で取り出す透過光の偏光方向を調整しなければならない。
本発明の光学フィルター(第1の光学フィルター1及び第2の光学フィルター11)では、透過光の偏光方向を調整することで、透過光が所望の波長域に吸収スペクトルを持つように変更することができる。これにより、1つの光学フィルターで多彩な色(例えば、2〜4色)を再現することが可能である。
(第3の実施形態)
次に本発明にかかる表示装置について図面を参照して説明する。図7は本発明にかかる表示装置の一例の概略配置図である。図7に示す表示装置100は、説明の便宜上、1つの表示セル10で構成されているものとしているが、実際には複数個の表示セル10が縦横にマトリクス状(例えば、縦1080個×横1920個)に配列されるものである。なお、以下の説明では表示セル10について主に説明する。また、本実施形態では第1の光学フィルターを用いているがこれに限定されるものではなく、第2の光学フィルターを用いてもよい。
表示装置100は透過型の表示装置であり、観察者によって、第1の光学フィルター1a、1b側(偏光板2側)から観察される。図7に示すように、表示装置100は、表示セル10と、演算部91と、表示データ入力部92と、方向調整部駆動回路93と、光強度調整部駆動回路94とを備えている。
表示セル10は、X方向に並んだ2つのサブセル10a、10bに分けられており、第1の光学フィルター1a、1bと、光源5と光強度調整部6a、6bとを備えている。光学フィルター1a、1bはX方向に並んで配置されている。そして、サブセル10aとサブセル10bとはそれぞれ異なる表示(異なる色の表示)が可能となっている。
光源5は、可視光を放射するものであればよい。なお、フルカラー表示を行う場合、光源5は白色光を放射するものが好ましい。光源5として、例えば、蛍光灯、白熱電球、LED、レーザ光源などが上げられる。なお、光源5の光を全面に照射する拡散板、導光板等を設けてもよい。光源5が、例えば、レーザ光源のように、直線偏光の光を出射する場合、レーザ光源を偏光方向が金属微粒子の長軸及び短軸のいずれとも平行とならないように設置することで、フルカラー表示に対応させることができる。また、光源5と光学フィルター1a、1bとの間に1/4波長板などを配置し、円偏光変換したのち、フィルター部4a、4bに入射するようにしてもフルカラー表示に対応させることができる。
光強度調整部6a、6bは、金属微粒子42a、42bに入射する光の強度(換言すると、光の透過度合)を調整するものである。光強度調整部6a及び6bは光学フィルター1a、1bを総合して所望の色に見えるようにするものであり、入射光が直線偏光の場合、偏光板と液晶素子を組み合わせたものとすることができる。すなわち、光強度調整部6a、6bの液晶で偏光方向を回転させ、光強度調整部6a及び6bの偏光板に照射すればよい。このとき、光強度調整部6a、6bを透過した光は、一定の偏光方向を持っており、光強度調整部6a、6bは、透過した光の偏光方向がフィルター部4a、4bの金属微粒子42a、42bの長軸及び短軸と所定の角度をなすように配置されている。
また、入射光がランダム偏光や円偏光の場合は、光強度調整部6a、6bとして、電荷を与えることで、色が変わるエレクトロクロミック材料を用いてもよい。エレクトロクロミック材料を用いた光強度調整部6a、6bに電圧をかけることで透過する光の強度(透過度合)を変化させることができる。なお、本実施形態では、光強度調整部6a、6bを光源5とフィルター部4a、4bの間に設置しているが、光源5の後であれば、どこに設置してもよい。
光学フィルター1aは偏光板2、方向調整部3a、フィルター部4aを備えている。同様に、光学フィルター1bは、偏光板2、方向調整部3b、フィルター部4bを備えている。なお、偏光板2は、光学フィルター1a、1bで共通の部材となっている。また、以下、方向調整部3a、3bは、液晶素子であり、入射光の偏光方向を調整するものとして説明するが、入射光の偏光方向と金属微粒子42a、42bの異方性の向きを相対的に変化できるものであればよく、これに限定されるものではない。
光学フィルター1a及び1bにおいて、偏光板2、方向調整手段3a、3b、フィルター部4a、4b(透明誘電体41a、41b及び金属微粒子42a、42b)については、上述の光学フィルター1の通りであるが、光学フィルター1aと光学フィルター1bとで、金属微粒子42a、42bの形状が異なっている。例えば、サブセル10aで赤色から青色までの色を表示し、サブセル10bで緑色を表示すれば、表示セル10で3原色、すなわち、フルカラーを表現することができる。
なお、人間の目は赤色の感度が低いため、赤色をサブセル10aだけで表示する場合、入射光の強度を強くする必要がある。サブセル10aとサブセル10bの両方で赤色を表示できるようにすれば、赤色表示時の開口率が上がるため、入射光強度を強くする必要がなくなる。以上のことから、表示セル10では、サブセル10aで赤色及び青色を表示し、サブセル10bで赤色及び緑色を表示する。光学フィルター1aは赤色及び青色を発現し、光学フィルター1bは赤色及び緑色を発現する。
図7に示す表示セル10において、サブセル10aは赤色及び青色を表示するので、フィルター部4aは490〜500nmと580〜595nmの2つの波長領域に吸収ピークを持つような金属微粒子42aを備えている。サブセル10bは緑色及び赤色を表示するので、フィルター部4bは、750〜800nmと490〜500nmに吸収ピークを持つような金属微粒子42bを備えている。
方向調整部駆動回路93は、演算部91から与えられたデータに基づいて、方向調整部3a、3bに電気信号を送り、フィルター部4a、4bを透過した光のうち、所望の偏光方向を選択させるためのものである。光強度調整部駆動回路94は、演算部91から与えられたデータに基づいて、光強度調整部6a、6bに電気信号を送り、光強度調整層6a、6bを透過する光強度を制御するものである。なお、光源5がサブセル10a、10bごとにそれぞれに独立している構成の場合、光強度調整部駆動回路94が、光源5に電気信号を送り、発光強度の調整を行う構成であってもよい。このとき、光強度調整部6a、6bを省略することができ、サブセル10a、10bの光の透過率を高めることが可能である。
方向調整部3a、3bは液晶素子であることから、対向に配置された電極が設置されている。また、光強度調整部6a、6bも液晶素子を挟んで電極が設置される。これらの電極はできれば透明であることが好ましく、例えばインジウム錫酸化物(ITO)またはインジウム亜鉛酸化物(IZO)等の透明電極を用いることができる。また、方向調整部3aと光強度調整部6a、方向調整部3bと光強度調整部6bは中央に共通の電極(例えば、接地電極)を備えるようにしてもよい。
表示データ入力部92は、例えば、DVD装置、BD装置等のディスク装置やPC等から送られ、表示装置100で表示する画像、映像のデータが入力される部分である。なお、入力される画像、映像データは、表示セル10ごとの色データ、輝度データを備えたデータを挙げることができる。演算部91は、表示データ入力部92から与えられた画像、映像データを、本表示セル10で表示するために、各セルに対する入射光の強度及び透過光の偏光方向を演算し、その結果を光強度調整部6a、6bおよび方向調整部3a、3bへ出力する処理回路を含む。
次に表示装置100の動作について説明する。まず、表示データ入力部92に画像・映像データが入力される。演算部91は、画像・映像データに基づいて各表示セル10での色及び強度を決定し、色の情報より入射光の強度と、フィルター部4a、4bから選択する透過光の偏光方向を算出する。そして、演算部91は、透過光の偏光方向の情報を含む信号を方向調整部駆動回路93に、強度の情報を含む信号を光強度調整部駆動回路94にそれぞれ送信する。
方向調整部駆動回路93は演算部91からの信号に基づいて方向調整部3a、3bに駆動信号を送る。また、光強度調整部駆動回路94は演算部91からの信号に基づいて光強度調整部6a、6bに駆動信号を送る。なお、方向調整部3a、3bに送られる駆動信号は独立した信号であり、液晶を駆動するための電圧を電極基板に印加するものである。同様に、光強度調整部6a、6bに送られる駆動信号も独立した信号であり、液晶を駆動するための電圧を電極基板に印加するものである。
光強度調整部駆動回路94から駆動信号を受けることで光強度調整部6aおよび6bは、光源5からの光の透過率を調整し、方向調整部3a、3bに入射する入射光の強度を調整する。光強度調整部6a、6bによって強度が調整された入射光がフィルター部4a、4bに入射する。一方で、方向調整部駆動回路からの駆動信号を受けることで方向調整部3a、3bは、フィルター部4a、4bを透過した光の偏光方向を回転調整する。フィルター部4a、4bに入射した光は、金属微粒子42a、42bの形状異方性と偏光板2で取り出す透過光の偏光方向によって決められた波長が吸収される。このようにして、サブセル10a、10bすなわち表示セル10で所望の色表示がなされる。
以下に、本発明にかかる表示セル10で赤色、緑色、青色、これらの中間色、白色、黒色のそれぞれを表示する場合について説明する。
赤色を表示する場合は以下のとおりである。方向調整部駆動回路93が、方向調整部3a、3bをフィルター部4a、4bから透過する光の偏光方向を赤色が表示されるように制御する。そして、光強度調整部駆動回路94が光強度調整部6a、6bを制御し、方向調整部3a、3bへの入射光の強度を最適な強度にする。表示セル10の各部をこのように制御することで、サブセル10a、10bの両方で赤色が表示される。これにより、表示セル10は、赤色表示となる(遠視野において赤色表示となる)。
緑色を表示する場合は以下のとおりである。方向調整部駆動回路93が、方向調整部3bをフィルター部4bから透過する光の偏光方向を緑色が表示されるように制御する。そして、光強度調整部駆動回路94が光強度調整部6bを制御し、方向調整部3bへの入射光の強度を最適な強度にする。また、光強度調整部駆動回路94が光強度調整部6aを制御し、フィルター部4aへの入射光を遮断(入射光の強度をゼロに)する。表示セル10の各部をこのように制御することで、サブセル10aでは表示がされず(黒表示)、サブセル10bでは緑色が表示される。これにより、表示セル10は、緑色表示となる(遠視野において緑色表示になる)。
青色を表示する場合は以下のとおりである。方向調整部駆動回路93が、方向調整部3aをフィルター部4aから透過する光の偏光方向を青色が表示されるように制御する。そして、光強度調整部駆動回路94が光強度調整部6aを制御し、方向調整部3aへの入射光の強度を最適な強度にする。また、光強度調整部駆動回路94が光強度調整部6bを制御し、フィルター部4bへの入射光を遮断(入射光の強度をゼロに)する。表示セル10の各部をこのように制御することで、サブセル10aでは青色が表示され、サブセル10bでは表示がされない(黒表示)。これにより、表示セル10は、青色表示となる(遠視野において青色表示となる)。
赤色、青色及び緑色の相対的な強度を適切に調整することで、中間色の表示が可能である。さらに、サブセル10aで赤色及び青色を、サブセル10bで緑色又は赤色及び緑色を表示するようにすることで、表示セル10は白色表示となる。
さらに、黒色表示を行う場合は、フィルター部4a、4bに光を入射させないよう、光強度調整部駆動回路94で光強度調整部6a、6bを調整すればよい。
以上より、表示装置100が、本発明の光学フィルター1a、1bを利用しており、金属微粒子42a、42bの形状異方性と透過光の偏光方向の相対角度を調整することで、1つのサブセルで2色およびその混色を表現できる。このことから、フルカラー表示するために必要なフィルターの枚数を2枚以下とすることが可能である。
従来のRGB塗りわけ形カラーフィルターを用いる場合、表示セルは赤色(R)表示サブセル、緑色(G)表示サブセル及び青色(B)表示サブセルを備えている。例えば、赤色(R)表示を行うときは、緑色(G)表示サブセル及び青色(B)表示サブセルが暗表示となり2つの画素が点灯しなくなる。すなわち、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)表示を行う場合、従来の表示セルでは、66%の無点灯領域が発生する。
上述のように、本発明にかかる表示セル10では、偏光方向制御することで、カラーチューナブルなことから、赤色表示のときは、サブセル10a、10bが点灯するので、無点等領域が発生しない。また、緑色表示のときはサブセル10aが、青色表示のときサブセル10bが無点灯となるので、無点灯領域が66%から50%に縮小し、光の利用効率が高く、明るい表示が可能或いは同じ表示を行う場合の消費エネルギーを低減することが可能である。
さらに、本発明の光学フィルターは、長軸と短軸に対応した2つの共鳴波長に加え、長軸および短軸の中間の偏光方向を入射し表面プラズモン共鳴のピークをシフトさせ、第3の共鳴波長を加えることができる。このような光学フィルターを用いることで、1個の光学フィルターでフルカラーに必要なRGB全ての色(RGBに対応した波長の光)を発現させることができ、表示セルは1個の光学フィルター、すなわち、1個のサブセルでフルカラー表示が可能となる。この場合、無点灯領域がなくなるため、光の利用効率をさらに高めることが可能である。また、方向調整部駆動回路93、光強度調整部駆動回路94も簡略化することが可能である。
なお、フィルター部4a、4bとして上述に限定されるものではなく、フィルター部4aが490〜500nmと580〜595nmの2つの波長領域に吸収ピークを持つ構成とした場合、フィルター4bでは、少なくとも緑色を表示すればよく、フィルター4bは750〜800nmに吸収ピークを持つようにすればよい。このように構成することで、サブセル10aは青色から赤色までの色を表示し、サブセル10bは緑色を表示でき、表示セル10でフルカラー表示が可能となる。さらに、フィルター部4bのもう1つの吸収ピークを435〜480nmとすることで、サブセル10bは補色として黄色を表示できる。サブセル10aで赤色及び青色、サブセル10bで緑色及び黄色を表示できることで、表示セル10で、RGBYの4原色による高精細な色の表現が可能である。このとき、サブセル10aで青色、サブセル10bで黄色を表示すれば、擬似白色を表示することもできる。フィルター部4bを750〜800nmに吸収ピークを持つとともに、もう1つの吸収ピークとして、可視域以外(400nm未満、または800nm以上)とすることで、サブセル10bで白色を表示できる。
以上、表示装置100として、第1の光学フィルター1を利用し、フィルター部4a、4bがそれぞれ2色およびその混合色を表現することで、表示セル10(サブセル10a、10b)で赤色、緑色、青色、これらの中間色、白色、黒色のそれぞれを表示する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、フィルター部4a、4bを透過する光の偏光方向を調整することで、フィルター部4a、4bがそれぞれ3色、4色およびその混合色を表現することが可能である。そして、このような構成のフィルター部4a、4bを備えた第1の光学フィルター1及び(又は)第2の光学フィルター11を用いることで、組み合わせにより表現できる色が増えるため、表示装置100の色再現性を高めることができる。
また、上述のとおり第2の光学フィルター11はコントラストを高める効果を有しているため、表示装置に第2の光学フィルター11を利用することで、色再現性が高く高コントラストな表示装置100とすることができる。
また、表示セル10において、3個のサブセルを備える構成としてもよい。通常のRGB3画素の構成では、色度図においてRGBのピーク波長3点で囲まれる三角形の範囲が色表現領域になるが、本光学フィルターを利用すれば、R、G、B以外の波長にも点を取ることができるため、色度図上の再現領域三角形の形が変えることができる。すなわち、色表現範囲を広くすることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこの内容に限定されるものではない。また本発明の実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の改変を加えることが可能である。
本発明にかかる光学フィルターは、フルカラー表示を行う表示装置用のカラーフィルターとして利用することが可能である。
1、1a、1b 光学フィルター
2 偏光板
3、31、3a、3b 方向調整部
4、4a、4b フィルター部
41、41a、42b 透明誘電体
42、42a、42b 金属微粒子
5 光源
6a、6b 光強度調整部
91 演算部
92 表示データ入力部
93 方向調整部駆動回路
94 光強度調整部駆動回路
10 表示セル
100 表示装置

Claims (14)

  1. 2つ以上の形状異方軸を持つ複数の金属微粒子が、可視域の光を透過する透明誘電体の表面又は内部に向きをそろえて設置されているフィルター部と、
    前記フィルター部を透過する光の波長の選択を行うため、前記フィルター部を透過する透過光の偏光方向又は前記金属微粒子の形状異方軸の向きの少なくとも一方を適宜変化させ、透過光の偏光方向又は前記金属微粒子の形状異方軸の向きを相対的に変化させることができる方向調整手段とを備えることを特徴とする光学フィルター。
  2. 前記方向調整手段は、透過光の偏光方向を、金属微粒子の形状異方軸に平行または垂直な方向に回転させる請求項1に記載の光学フィルター。
  3. 前記透明誘電体は前記複数の金属微粒子を回転自在に支持しており、
    前記方向調整手段が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、向きを揃えた状態で回転させる請求項1に記載の光学フィルター。
  4. 前記複数の金属微粒子が3つの形状異方軸を持ち、
    前記方向調整手段が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、前記透明誘電体の面直方向にも回転させる請求項3に記載の光学フィルター。
  5. 偏光方向が前記金属微粒子の形状異方軸の2軸のいずれとも平行及び垂直になっていない入射光が前記フィルター部に入射する請求項1に記載の光学フィルター。
  6. 前記フィルター部に入射する入射光の偏光方向と、前記金属微粒子の形状異方軸の向きとを、相対的に変化させる第2の方向調整手段を備えている請求項3に記載の光学フィルター。
  7. 前記透明誘電体は前記複数の金属微粒子を回転自在に支持しており、
    前記方向調整手段又は前記第2の方向調整手段のいずれか一方が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、向きを揃えた状態で回転させる請求項6に記載の光学フィルター。
  8. 前記複数の金属微粒子が3つの形状異方軸を持ち、
    前記方向調整手段が前記複数の金属微粒子を、前記透明誘電体上または内部において、前記透明誘電体の面直方向にも回転させる請求項7に記載の光学フィルター。
  9. 前記複数の金属微粒子が光の照射方向にも配列されており、前記光の照射方向の配列間隔は、金属微粒子の光の照射方向の長さの5倍以上である請求項1から請求項8のいずれかに記載の光学フィルター。
  10. 請求項1から請求項9のいずれかに記載の光学フィルターと、
    可視域の光を出射する光源と、
    前記光学フィルターに入射する光の強度を調整する光強度調整部とを備えている表示セル。
  11. 前記光学フィルターを2枚備え、
    前記2枚の光学フィルターの両方が、前記金属微粒子の表面プラズモン共鳴波長が赤色の補色となる波長を含むフィルター部を備えている請求項10に記載の表示セル。
  12. 画像データが入力されるデータ入力部と、
    前記方向調整手段を制御する方向調整部駆動回路と、
    前記光強度調整部を制御する光強度調整部駆動回路と、
    前記画像データに基づいて前記各表示セルで表示する色及び強度を決定し、前記色及び強度に基づいて前記表示セルの前記方向調整手段及び前記光強度調整部とを駆動するように、前記方向調整部駆動回路及び前記光強度調整部駆動回路に指示を出す演算部を備えた請求項10又は請求項11に記載の表示セル。
  13. 請求項10又は請求項11に記載の表示セルを複数個備えており、
    前記複数個の表示セルを2次元配列している表示装置。
  14. 画像データが入力されるデータ入力部と、
    前記方向調整手段を制御する方向調整部駆動回路と、
    前記光強度調整部を制御する光強度調整部駆動回路と、
    前記画像データに基づいて前記各表示セルで表示する色及び強度を決定し、前記色及び強度に基づいて各表示セルの前記方向調整手段及び前記光強度調整部とを駆動するように、前記方向調整部駆動回路及び前記光強度調整部駆動回路に指示を出す演算部を備えた請求項13に記載の表示装置。
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