JP5483800B2 - 光透過装置の設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は光透過装置の設計方法、光学素子、撮像素子、光スイッチング素子、及び化学センサ装置に関し、特に、光学素子やセンサ素子に用いられるプラズモン光学素子の設計方法に関する。
従来、電磁波のフィルタリングには、色素の吸収を利用する方法や誘電体多層膜のブラ
ッグ反射を利用する方法が用いられてきた。一方、特許文献1に開示されているように、金属薄膜に円形の開口を開けることで局在プラズモン共鳴による異常透過が生じ、波長選択、集光機能が実現できることが、近年明らかになった。
また、近年、医療における診断や食品の検査等において、バイオセンサの需要がますます増大しており、小型かつ低コストで、高速センシングの可能なバイオセンサの開発が求められている。このため、電極やFETを用いて電気化学的検出を行うバイオセンサが開発されてきた。また、さらなる集積化、低コスト化が可能で、かつ測定環境を選ばないセンサが求められており、表面プラズモン共鳴をトランスジューサとして用いたバイオセンサが有望視されている。これは、全反射型プリズム表面に設けた金属薄膜に発生させた表面プラズモン共鳴を用い、抗原抗体反応における抗原の吸着の有無など、物質の吸着の有無を検出するものである。特許文献2には、表面プラズモンの特性を利用して屈折率を測定する化学センサ装置が開示されている。ここで用いられているセンサ素子は、1つの透過ピーク波長によってセンシングをおこなうものである。
特許第3008931号公報 特開2003−270132号公報
金属薄膜上の開口アレイは、もっぱら局在プラズモン共鳴による透過強度の増大の点で注目されていた。開口アレイは一方でフィルタとしての特性も備えているが、S/N(信号対ノイズ比)が必ずしも高くなかった。また、開口アレイを屈折率センサに適用する場合、測定精度を高めるためには複数の波長領域に対するフィルタ機能を備えているのが有利であるが、そのような装置はいまだ実現されていない。
円形や正方形の開口が形成された金属薄膜においては、開口径(または辺長)を変化させることによって透過スペクトルが変化する。しかし、開口径を大きくすると、プラズモンによらない透過成分が増加して、透過スペクトル幅がブロードになってしまい、開口径を小さくすると、透過率が減少してしまうという問題があった。このため、透過スペクトル幅を広げることなく、透過率も低下させることなく、透過光スペクトルの波長領域を調整することが求められている。
本発明により提供される光透過装置の設計方法は、金属薄膜と、金属薄膜の面内に形成され、長辺と短辺とを備えた、光照射により局在プラズモン共鳴を生ずる矩形開口であって、可視光領域の光が矩形開口から透過するようにされた矩形開口と、を有する光透過装置の設計方法である。本設計方法は、矩形開口を透過する光の透過率が最大となる透過ピーク波長を定めるステップと、短辺の寸法を、入射する光の波長よりも小さく定めるステップと、長辺の寸法を、透過ピーク波長が得られるように定めるステップと、を有している。
矩形開口の長辺方向寸法を調整することによって、矩形開口の主に長軸方向で生じる局在プラズモン共鳴の波長を制御することができる。このため、所望の透過ピーク波長に応じて矩形開口の長辺方向寸法を選択することで、任意の波長帯域の光を任意の強度で透過させることができる。また、長辺方向寸法のみを調整することによって、透過スペクトル幅を広げることなく、透過率も低下させることなく、透過光スペクトルの波長領域を調整することができる。
本発明の態様は、矩形開口を備え、局在プラズモン共鳴を生じる金属薄膜を用いた光透過装置の設計方法において、矩形開口の長辺方向寸法の変化に伴って透過波長が変化する性質を利用した、光透過(フィルタリング)装置の設計方法である。
本発明は、矩形開口を透過する光の透過率が最大となる透過ピーク波長を定めるステップと、短辺の寸法を、入射する光の波長よりも小さく定めるステップと、長辺の寸法を、透過ピーク波長が得られるように定めるステップと、を有している。透過率が最大となる透過ピーク波長は、光透過装置の設計仕様に基づき、所定の値に設定される。
本発明で得られる光透過装置の全体構成を図1に示す。光透過装置100は、金属薄膜101と、金属薄膜101の面内に形成された矩形開口102とを有している。矩形開口102は、長辺と短辺とを有し、長辺は寸法L(以下、長辺の寸法L)を、短辺は寸法S(以下、短辺の寸法S)を有している。短辺の寸法Sは、透過する光の波長以下の大きさである。矩形開口102に入射した光は、局在プラズモン共鳴によって矩形開口102を透過するが、その透過スペクトルはバンドパス特性を持っているため、本発明で得られる光透過装置はフィルタとして利用できる。本発明では、矩形開口を透過する光の透過率が最大となる透過ピーク波長に応じて長辺の寸法Lが選択されている。このように、長辺の寸法Lを変化させる(調整する)ことで、透過率とピーク幅とを大きく変化させることなく、透過ピーク波長を変化させることができる。具体的数値の一例として、厚さ20nmの金薄膜に形成した短辺寸法50nmの矩形開口の場合、長辺寸法が100nm、200nmではピーク波長は、それぞれ750nm、1000nm程度である。
また、矩形開口を透過する光の透過率が最大となる透過ピークのピーク幅に応じて短辺の寸法Sが選択されている。すなわち、本発明の一実施形態は、矩形開口を透過する光の透過ピーク幅を定めるステップを有し、短辺の寸法を定めるステップは、透過ピーク幅が得られるように定めることを含むものである。透過ピーク幅は、光透過装置の設計仕様に基づき、所定の値に設定される。ここで、透過ピーク幅とは、透過スペクトルの示す光透過波長帯域の幅であり、通常、透過強度がピークの半分となる値(半値幅)で表される。このように、短辺の寸法Sを変化させる(調整する)ことで、透過ピーク幅を変化させることができる。具体的には、上記数値例の場合、長辺寸法200nmの矩形開口に対し、短辺寸法が50nm、100nmでは、ピーク幅はそれぞれ150nm、200nm程度である。
ここで、厚さ20nm〜200nmの金薄膜に対し、幅100nmの矩形開口の長さを変えたときのピーク波長の変化を示したグラフを図2に示す。このグラフを参照すれば、ある材質の金属薄膜に矩形開口を形成する場合に、膜厚、幅を一定とすれば、長さを長くすることによって、ピーク波長を長波長側に変化させることができることがわかる。このことを利用して、例えば、厚さ50nmの金薄膜に対し、幅100nmの矩形開口でピーク波長が1000nmの透過スペクトルを得るためには、このグラフを参照して、長さを250nmとすればよいことがわかる。
また、厚さ20nm〜100nmの金薄膜に対し、長さ300nmの矩形開口の幅を変えたときのピーク幅の変化を示したグラフを図3に示す。このグラフを参照すれば、ある材質の金属薄膜に矩形開口を形成する場合に、膜厚、長さを一定とすれば、幅を小さくすることによって、ピーク幅を狭くする方向に変化させることができることがわかる。このことを利用して、例えば、厚さ100nmの金薄膜に対し、長さ300nmの矩形開口でピーク幅が200nmの透過スペクトルを得るためには、このグラフを参照して、長さを150nmとすればよいことがわかる。
また、図2のグラフを参照すれば、金属薄膜の厚さが20nm〜200nmの範囲では、金属薄膜の厚さを厚くすることにより、ピーク波長は短波長側に変化させることができる。また、上記のピーク波長の値は、金属薄膜の材質によって少し異なり、例えば、厚さ50nmの金属薄膜に長さ300nm、幅100nmの矩形開口を設ける場合、金、銀では1100nm、アルミニウムでは960nmとなる。
金属に適切な波長の電磁波を入射させると、局在プラズモン共鳴を励起することができる。局在プラズモン共鳴を効果的に生じさせるためには、金属薄膜は、銀、金、またはアルミニウムなどから製作されていることが望ましい。局在プラズモン共鳴とは、光波長以下のスケールの金属ドットまたは開口に特徴的に生じる現象で、金属中の自由電子の存在と金属の誘電分散の特性とに起因している。金属微粒子に生じる局在プラズモン共鳴はステンドグラスの着色の原因でもあり、古くからその存在が知られていた。一方で、金属薄膜に開口を開けた場合でも局在プラズモン共鳴が励起されることが最近分かってきた。特許文献1によれば、局在プラズモン共鳴によって、光の異常透過とバンドパス特性が観測されている。本来、開口の大きさが波長以下の場合は、回折限界の制限により電磁波はほとんど透過しない。しかし、金属薄膜に開けた開口では、局在プラズモンが励起され、プラズモンの形態で開口を透過することができるようになる。開口の形状によってプラズモン共鳴の波長が決まり、その波長の光のみを透過するために、当該金属薄膜の開口はバンドパス特性を示す。
開口径および開口の配列ピッチを変化させることで、このバンドパス特性を調整できることが知られている。透過ピーク波長を長波長化するためには開口径を大きくすればよい。逆に短波長化するためには開口径を小さくすればよい。しかしながら、図4(b)に示すように、円形、正方形等の開口径が大きくなると、透過ピーク幅が広がり、ピーク強度も高くなる。一方、開口径が小さくなると、同図(a)に示すように、透過ピーク幅が狭くなり、ピーク強度も低くなる。
本願発明者らは、本発明において矩形開口の長辺方向寸法を調整することで透過ピーク波長を変化させることができる理由を以下のように考えている。矩形開口への入射光のうち、長軸と直交する方向の偏光成分によって、その矩形開口の長辺の内壁に局在プラズモンが励起される。矩形開口に励起される局在プラズモン電荷分布の変化により形成する電磁場を考えると、矩形開口の長軸方向を軸とする磁気双極子の作る電磁場と等価であることが分かる。矩形開口の長辺方向寸法を調整することは、磁気双極子の長さを調整していることに他ならず、図5に示すように、双極子の長さの変化によって共鳴波長が変化すると解釈できる。単純に開口径を小さくした場合では、回折限界の制限が厳しくなり、透過率が減少してしまう。開口径を大きくした場合は、回折限界による制限が緩和され、プラズモン共鳴を経ずに直接伝搬光として透過する短波長成分が増加する。その結果として、前述のようにピーク強度の変化やピーク幅の変化が生じてしまう。本発明では、図6に示すように、矩形開口の長辺方向寸法を調整することで、磁気双極子の極間長さのみを変化させ、ピーク幅やピーク強度を変動させることなく、透過ピーク波長を変化させることを実現することができる。
上記のように、矩形開口に対する照射光において長軸と直交する方向の偏光成分の透過光ピーク波長が矩形開口の長辺寸法によって規定される。短辺寸法が照射光波長の1/10より小さい場合は、長軸方向の偏光成分が励起する局在プラズモンの開口内伝搬損失が大きく、長軸と直交する方向の偏光成分に比べてほとんど透過しない。矩形開口への照射光が無偏光の場合、実質的には、矩形開口透過光の透過ピーク波長は、長軸と直交する方向の偏光成分のみを有する光を照射した場合と同等となる。
なお、上記の説明では、金属薄膜中に形成する開口の形状として、矩形を例に挙げて説明したが、本発明の概念は、長辺と短辺を有するような開口形状であれば良く、一例として、角丸の長方形、長円、楕円の開口形状も本発明の概念に含まれる。
本発明の光透過装置の設計方法によれば、矩形開口の長辺方向寸法を調整することによって、矩形開口の主に長軸方向で生じる局在プラズモン共鳴の波長を制御することができる。このため、所望の透過ピーク波長に応じて矩形開口の長辺方向寸法を選択することで、任意の波長帯域の光を任意の強度で透過させることができる。また、長辺方向寸法のみを調整することによって、透過スペクトル幅を広げることなく、透過率も低下させることなく、透過光スペクトルの波長領域を調整することができる。
(第1の実施形態)
図7に、本発明を用いて得られる光透過装置の一例である色分解用カラーフィルタを示す。金属薄膜501に形成された矩形開口502の集合である矩形開口アレイ503に光が入射すると、金属の界面で局在プラズモンが励起され、プラズモンの形で開口を透過し、裏面で再び伝搬光と結合して透過する。透過光は局在プラズモン共鳴の性質から、矩形開口502の形状に依存する透過ピーク波長を持つ。矩形開口502は、2次元のアレイ状に配列されているが、1次元のアレイ状に配列されていてもかまわない。矩形開口502は、長辺寸法の異なる複数種類の矩形開口502R,502G,502Bよりなっている。矩形開口アレイ503は、矩形開口アレイ503R,503G,503Bよりなっている。図7の矩形開口アレイはCCD、CMOSセンサなどの2次元撮像素子の色分解用カラーフィルタとして用いることが可能である。色分解用カラーフィルタの特性としては、透過ピークの中心波長は等色関数から得られるR(赤),G(緑),B(青)それぞれの濁りのない波長にし、R,G,Bが適切な重なりを持つようにピーク幅が求められる。矩形開口502R,502G,502Bは、各々、R,G,Bのカラーフィルタとしての機能を有している。本光透過装置によれば、長軸方向寸法によって透過ピーク波長を決定し、短軸方向の長さによってピーク幅を決めることができる。透過光の偏光依存性が問題となる場合は、図8に示すように、矩形開口の半分を、残りの矩形開口に対して金属薄膜の面内で90度傾けて配置してもよい。つまり、長辺の方向が金属薄膜の面内で90度傾いたものと、そうでないものと、を混在して配置してもよい。換言すれば、矩形開口の一部は、長辺の方向Lが、金属薄膜の面内で、他の矩形開口に対して90度傾いて配置されていてもよい。
図8のように配置することで、隣接する開口同士の形成する電場分布の重なりを軽減することもできる。一般的に、隣接する開口の距離が近づくほど透過スペクトルのピーク形状が広がる傾向にあるが、この配列とすることで、ピーク形状の拡がりを抑制しつつ開口の配置密度を高めることができる。その結果、透過ピーク波長の透過率の向上や光学特性の改善が可能となる。
(第2の実施形態)
図9に、本発明を用いて得られる光透過装置の一例である光スイッチング素子の概念図を示す。光源706からの白色光を偏光子702で偏光させた後に、矩形開口アレイ703を透過させる。偏光子702で偏光させることによって、透過光の色みを変化させることができる。なお、本実施形態においては、矩形開口の短辺寸法を照射光波長に比べて小さくしすぎることなく、短軸方向の偏光に対しても必要な透過光強度が得られるようにする。
矩形開口アレイ703の矩形開口(図示せず)は偏光方向に依存した透過特性を持っている。矩形開口に短軸方向に偏光した、すなわち偏光方向が短辺の方向に平行である光を入射させると、図10(a)のように長軸方向に対応した長波長側の透過ピーク波長が現れる。長軸方向に偏光した光を入射させると、図10(b)のように短軸方向に対応した短波長側の透過ピーク波長が現れる。短軸方向、長軸方向両方の成分をもつ偏光を入射させると、短軸方向、長軸方向それぞれの方向の偏光の透過特性を重ね合わせた特性を示す。この特性から、図11に示すように、入射光の金属薄膜901に対する偏光方向θを変化させることによって、透過光のスペクトルを変化させ、透過光の色みを変化させる光スイッチング素子を実現することができる。本実施形態においても、長軸方向寸法を調整することによって、透過ピーク波長を適宜に設定することが可能となる。
(第3の実施形態)
図12に、本発明を利用して得られた化学センサ装置の一例についての概念図を示す。光透過装置である矩形開口アレイ1003の入射面側に設けられた光源1006からの光を、矩形開口アレイ1003に入射させ、矩形開口アレイ1003の出射面側に設けられた透過光のスペクトル検出器1004で受光する。矩形開口アレイ1003には、被測定物1005が界面に接して設けられている。スペクトル検出器1004によって透過スペクトルを取得し、透過ピーク波長または透過ピーク強度の変化を検出して化学センシングを実現する。矩形開口アレイ1003の入射面に予め被検査物質1005を捕捉する捕捉体物質(図示せず)を吸着させておくことで、被検査物質1005の高感度センシングが可能となる。矩形開口(図示せず)の長辺寸法および短辺寸法は、ともに光の波長より小さく形成されている。
矩形開口の透過スペクトルは局在プラズモン共鳴の共鳴条件によって決まる。局在プラズモン共鳴の条件を決める要素は、金属薄膜の元素、矩形開口の3次元形状や金属が界面で接する物質の誘電率などがある。矩形開口アレイの表面に接する物質の誘電率の値により、局在プラズモン共鳴波長が異なるので、透過ピーク波長も異なる。そこで、透過ピーク波長の変化を測定することで矩形開口アレイに接する物質をセンシングすることが可能になる(図13)。具体的には、まず、長辺寸法と短辺寸法とを有する矩形開口を備えた金属薄膜を準備する。次に、光を、溶液中で、金属薄膜の表面に被測定物を接触させないで、矩形開口に入射させ、矩形開口から透過させる(基準ステップ)。これは比較対象となる基準スペクトル(図13(b)の実線)を得るためにおこなわれる。次に、光を、溶液中で、金属薄膜の表面に被測定物を接触させて、矩形開口に入射させ、矩形開口から透過させる(比較ステップ)。これによって、被測定物の存在によって透過ピーク波長がシフトしたスペクトル(図13(b)の破線)が得られる。次に、基準ステップにおいて、光の透過率が最大となる透過ピーク波長と、比較ステップにおいて、光の透過率が最大となる透過ピーク波長との波長差から、被測定物の誘電率を求めることができる。
ところで、溶液中でセンシングを行なう場合、溶液が吸収してしまう波長をさけてセンシングを行なう必要がある。例えば、水の場合、その吸収波長帯域は、950−1050nm、および1400nm以上である。本実施形態では、矩形開口の長辺方向寸法を調整し、透過ピーク波長を変化させることによって、溶液の吸収波長帯を避けることができる。透過ピーク波長の位置を変化させる単純な方法は開口の径を調整することであるが、開口径を大きくすると透過ピークの幅が広がってしまい、検出感度が低下してしまう。本実施形態では、図14(c)に示すように、矩形開口の長辺方向寸法を調整することによって透過ピーク波長を変化させている。これによって、図14(b)に示すように透過ピーク波長のピーク幅が広がることなく、図14(a)に示す溶液の吸収波長帯域を避けた位置に調整することができ、高感度センシングが実現できる。このように、長辺方向寸法は、基準ステップにおける透過ピーク波長の溶液による吸収率に応じて選択されている。
なお、本発明は、この外にも上記の光透過装置の設計方法によって設計された、可視光領域の色に対応する光の透過スペクトルを備える開口からなることを特徴とする光透過装置に適用することもできる。
本発明は、上記の光透過装置の設計方法によって設計された、可視光領域の色に対応する光の透過スペクトルを備える開口からなり、異なる色に対応する透過スペクトルを備える開口が、同一平面上に配列していることを特徴とする光透過装置にも適用できる。
また、本発明は、上記の光透過装置の設計方法によって設計された、可視光領域の色に対応する光の透過スペクトルを備える開口が、入射光が光検出器に至る経路中に配置されていることを特徴とする光検出器に適用することもできる。
さらに、本発明は、上記の光透過装置の設計方法によって設計された、可視光領域の色に対応する光の透過スペクトルを備える複数の開口が、入射光が光検出器に至る経路中に配置されていることを特徴とする撮像素子に適用することもできる。
本発明の第1の実施形態に係る光透過装置の概念図である。 矩形開口の長さと透過スペクトルのピーク波長の関係を説明するグラフである。 矩形開口の幅と透過スペクトルのピーク幅の関係を説明するグラフである。 開口の大きさと透過スペクトルの関係を説明する概念図である。 磁気双極子の極間長さと透過スペクトルを説明する概念図である。 開口の形状と透過スペクトルの関係を説明する概念図である。 イメージセンサ用カラーフィルタの外観図である。 偏光依存性のないイメージセンサ用カラーフィルタの外観図である。 本発明の第2の実施形態に係る光スイッチング素子の構成図である。 長辺方向寸法および短辺方向寸法と透過スペクトルの関係を説明する概念図である。 光スイッチング素子の透過特性を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る化学センサ装置の構成図である。 金属薄膜界面での誘電率の変化と透過スペクトルの関係を説明する概念図である。 矩形開口の形状と透過スペクトルの関係を説明する概念図である。
符号の説明
100 光透過装置
101,501 金属薄膜
102,502 矩形開口
503,703,1003 矩形開口アレイ
1004 スペクトル検出器
1005 被検査物質
706,1006 光源
L 長辺の寸法
S 短辺の寸法

Claims (7)

  1. 金属薄膜と、
    前記金属薄膜の面内に形成され、長辺と短辺とを備えた、光照射により局在プラズモン共鳴を生ずる矩形開口であって、可視光領域の光が該矩形開口から透過するようにされた矩形開口と、
    を有する光透過装置の設計方法であって、
    前記矩形開口を透過する光の透過率が最大となる透過ピーク波長を定めるステップと、
    前記短辺の寸法を、入射する光の波長よりも小さく定めるステップと、
    前記長辺の寸法を、前記透過ピーク波長が得られるように定めるステップと、
    を有することを特徴とする光透過装置の設計方法。
  2. 前記矩形開口を透過する光の透過ピーク幅を定めるステップを有し、
    前記短辺の寸法を定めるステップは、前記透過ピーク幅が得られるように定めることを含むことを特徴とする請求項1に記載の光透過装置の設計方法。
  3. 前記金属薄膜の膜厚と、前記短辺の寸法と、を一定の値とし、前記長辺の寸法を定めることを特徴とする請求項1に記載の光透過装置の設計方法。
  4. 前記入射する光の偏光方向は前記短辺の方向に平行であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の光透過装置の設計方法。
  5. 複数の前記矩形開口を、1次元または2次元のアレイ状に配列させることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の光透過装置の設計方法。
  6. 前記矩形開口は、前記長辺の寸法の異なる複数種類の矩形開口よりなる請求項5に記載の光透過装置の設計方法。
  7. 前記矩形開口の一部は、前記長辺の方向が、前記金属薄膜の面内で、他の前記矩形開口に対して90度傾いて配置されている、請求項5に記載の光透過装置の設計方法。
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