JP5601484B1 - コンクリート構造物の脱塩方法及び脱塩装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で効率的にコンクリート構造物の脱塩を行うことができる脱塩方法及び脱塩装置を提供する。
【解決手段】
コンクリート構造物の脱塩装置1は、タンク11に収容されている金属錯体の水溶液から、加圧ポンプ12及びボイラー機能付きリザーブタンク13を用いて金属錯体を含む加圧熱水を生成し、その生成した加圧熱水を噴射ノズル14からコンクリート構造物20の表面に対して100℃以上の状態で噴射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート構造物の脱塩方法に関し、特に加圧熱水を用いて脱塩を行う脱塩方法及び脱塩装置に関する。
コンクリート構造物中の塩分を除去するための技術として、コンクリート構造物の表面に設けた外部電極と当該構造物の内部の鋼材である内部電極との間に、電解質溶液を介して電流を与えることによって、塩分を電気化学的に除去する方法が従来提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照。)。この方法では、例えば電流密度等を適宜変化させることによって、効率良く脱塩を行うことができる。
特開2006−328886号公報 特開平8−119768号公報
しかしながら、上述した従来の脱塩方法の場合、コンクリート構造物の表面を電解質溶液で覆う必要がある等、装置が大がかりになるという問題がある。また、通電期間は少なくとも数日を要するため、コンクリート構造物の表面の広い範囲にわたって脱塩を行うことは極めて困難であるという問題もある。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、大がかりな装置を必要とすることなく、効率的に脱塩を行うことができるコンクリート構造物の脱塩方法及びその方法を実施するための脱塩装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様のコンクリート構造物の脱塩方法は、アルカリ成分を含有する金属錯体を含む加圧熱水を生成する加圧熱水生成工程と、生成された加圧熱水を、100℃以上の状態でコンクリート構造物の表面に対して噴射する噴射工程とを有している。
上記態様において、前記金属錯体がチタン錯体であることが好ましい。
また、上記態様の噴射工程において、150℃未満の加圧熱水を噴射することが好ましい。この場合に、135℃以上の加圧熱水を噴射することがより好ましい。
また、上記態様の噴射工程において、前記コンクリートの表面に対して過熱水蒸気を供給することが好ましい。
さらに、上記態様の加圧熱水生成工程において、アルコールが添加された金属錯体を含む加圧熱水を生成することが好ましい。
また、本発明の一の態様のコンクリート構造物の脱塩装置は、アルカリ成分を含有する金属錯体を含む加圧熱水を生成する加圧熱水生成部と、前記加圧熱水生成部によって生成された加圧熱水を、100℃以上の状態でコンクリートの表面に対して噴射する噴射部とを備えている。
本発明によれば、従来に比して簡易な構成で効率的にコンクリート構造物の脱塩を行うことができる。
本発明の実施の形態1に係る脱塩装置の構成を模式的に示す図。 加圧熱水が噴射された場合におけるコンクリート構造物の表面の様子を模式的に示す断面図。 加圧熱水が噴射された場合におけるコンクリート構造物の表面の様子を模式的に示す断面図。 加圧熱水が噴射された場合におけるコンクリート構造物の表面の様子を模式的に示す断面図。 本発明の実施の形態2に係る脱塩装置の構成を模式的に示す図。 過熱水蒸気を供給する供給部を備える脱塩装置の構成の一部を模式的に示す図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の脱塩装置の構成を模式的に示す図である。図1に示すように、本実施の形態の脱塩装置1は、所定の内部空間を有する本体ケース10と、その本体ケース10の内部に収容されているタンク11、加圧ポンプ12、及びボイラー機能付きリザーブタンク13と、噴射ノズル14と、本体ケース10及び噴射ノズル14間を連結する連結ホース15と、噴射ノズル14及び脱塩対象のコンクリート構造物20の表面間を所定の間隔で保持するための棒状部材で構成された間隔保持具16と、その間隔保持具16の先端に取り付けられたローラー17とを備えている。
タンク11には、水溶性チタン錯体の水溶液が所定量収容されている。この水溶液のTi含有量は0.2重量%乃至2.0重量%(TiO換算で0.71重量%乃至7.11重量%)程度である。このタンク11に収容されている水溶液は、加圧ポンプ12によって所定の圧力まで加圧され、耐圧容器で構成されたリザーブタンク13へ送り出される。リザーブタンク13は、加圧ポンプ12から供給された加圧水溶液を、100℃以上の所定の温度まで加熱して貯蔵する。このようにして得られた加圧熱水は、加圧ポンプ12の作用により、連結ホース15を介してリザーブタンク13から噴射ノズル14へ供給され、その噴射ノズル14の先端に設けられている開口部からコンクリート構造物20の表面に対して噴射される。
なお、本体ケース10とコンクリート構造物20との間が比較的離れている場合、連結ホース15を長くする必要が生じる場合がある。そのような場合、連結ホース15に保温材又はシート状のヒーター等を巻回することも考えられる。
図1において符号100で示すように、加圧熱水は、噴射ノズル14の開口部から放射状に広がるように噴射される。このとき、その中心付近100Aは100℃以上で液体の状態を保持しており、その周囲100Bは気化して蒸気となっている。
噴射ノズル14の先端とコンクリート構造物20の表面との間隔tは、間隔保持具16によって一定に保たれる。そして、噴射ノズル14からの加圧熱水の噴射が所定時間(5秒以内)なされた後、ローラー17をコンクリート構造物20の表面上で摺動させることにより、間隔tを前回の噴射の場合と同一に保持したまま、他の範囲に加圧熱水を噴射する。間隔tは、噴射された加圧熱水の滞空時間に比例する。この間隔tが長すぎると、噴射された加圧熱水がコンクリート構造物20の表面に到達する前に水蒸気化する割合が高くなり、当該表面における脱塩効果が小さくなってしまう。広い範囲にわたって一定の脱塩効果を生じさせるためにも、噴射ノズル14の先端とコンクリート構造物20の表面との間隔tを適当な値に設定した上で、他の範囲に加圧熱水を噴射する際にもその間隔を保持できることが好ましい。なお、間隔保持具16を伸縮自在な棒状部材等で構成することにより、間隔tを調節可能にすることがより好ましい。
噴射ノズル14から噴射される加圧熱水の圧力(噴射圧力)は、その流量(吐出量)によって変動する。流量が15L/分の場合は18〜25MPaの範囲が好ましく、流量がそれよりも少ない場合は10〜18MPaの範囲が、それよりも多い場合は25MPa以上であることが好ましい。噴射圧力がこれらの範囲内の場合、噴射ノズル14の先端とコンクリート構造物20の表面との距離にもよるものの、加圧熱水の温度は、噴射ノズル14からの噴射時とコンクリート構造物20の表面の到達時とでほとんど差異はないといえる。
なお、加圧熱水の温度及び噴射圧力の様々な組み合わせを得るためには、例えば、リザーブタンク13のボイラー機能の能力を一定とした上で噴射圧力を変化させる方法が簡便である。噴射ノズル14の開口が一定である場合、噴射圧力によって流量が変化する。ここで、流量は温度に反比例するため、噴射圧力を調節することにより、加圧熱水の温度を容易に制御することが可能になる。本実施の形態においては、コンクリート構造物20の表面に到達したときに、加圧熱水の温度が100℃以上の状態となるように、噴射圧力が調節される。
次に、上述したように構成された脱塩装置1によってコンクリート構造物20の表面に加圧熱水が噴射された場合の作用効果について説明する。
図2A乃至図2Cは、脱塩装置1によってコンクリート構造物20の表面に加圧熱水が噴射された場合における当該表面の様子を模式的に示す断面図である。図2Aに示すように、コンクリート構造物20の表面には微少な凹部21,21,…が形成されており、その凹部21,21,…の内部には、塩化イオン及び塩化ナトリウム等のコンクリートを劣化させる要因となる物質(以下、「劣化要因物質」という)30が付着している。なお、この凹部21,21,…は表面から1乃至25mm程度の厚みに形成されている。脱塩装置1の噴射ノズル14から噴射された加圧熱水100Aは、コンクリート構造物20の表面に到達し、凹部21,21,…の内部に進入する。なお、上述したように、コンクリート構造物20の表面に到達したときの加圧熱水100Aの温度が100℃以上となるように噴射圧力が制御されるため、凹部21,21,…の内部に進入した加圧熱水100Aの温度も100℃以上の状態となっている。
図2Bに示すように、上述したようにして凹部21,21,…の内部に進入した加圧熱水100Aは、常圧であるために気化して水蒸気101になる。このときに相転移による急激な体積膨張が起こり、水蒸気101がジェット流のような流れになって凹部21,21,…の内部の奥深くまで浸透する。このときの物理的な作用によって、凹部21,21,…の内部に付着している劣化要因物質30が除去され、脱塩が実現される。1モルの水が水蒸気になると22.4リットルとなるので、約18ccの水が22.4リットルの水蒸気に膨張する現象が瞬時に起こり、このときの約1240倍の体積変化に伴う圧力による物理的作用によって、劣化要因物質30が除去されることになる。なお、凹部21,21,…は閉じた空間ではないため、水から水蒸気への体積膨張時における圧力は瞬時に開放され、コンクリート構造物20の表面にダメージを与えることはない。したがって、コンクリート構造物20の表面を傷めることなく、劣化要因物質を除去して脱塩を行うことができる。
このように、本実施の形態では加圧熱水の相転移を利用しているため、その加圧熱水の温度は100℃以上である必要がある。なお、100℃未満の場合でも、その加圧熱水がコンクリート構造物の表面に浸透すれば劣化要因物質を除去することは可能であるが、その場合は加圧熱水の圧力により当該表面がダメージを受けるという問題がある。また、その浸透の深さは高々10mm以下程度である。本実施の形態のように加圧熱水の温度を100℃以上とすることにより、コンクリート構造物の表面にダメージを与えることがなく、しかも25mm程度の奥深くまで浸透させることができる。
本実施の形態では、凹部21,21,…の内部に付着している劣化要因物質30が除去されるのみではなく、これと共に、加圧熱水100Aに含有されているチタン錯体がコンクリート構造物20の表面に常温溶射により吹き付けられ、凹部21,21,…の内部にも浸透する。その結果、劣化要因物質30の除去により脱塩が行われた後、図2Cに示すように、コンクリート構造物20の表面に酸化チタンを含有する保護層40が形成される。これにより、新たに生成される劣化要因物質とコンクリートとの化合を抑制することができ、また、酸性雨によるコンクリートの劣化を抑制すること等が可能になる。
なお、凹部21,21,…の内部への浸透性を高めるために、チタン錯体を含む水溶液にアルコールを添加した上で加圧熱水を生成することが好ましい。これにより、加圧熱水がコンクリート構造物20の表面に噴射された場合に、凹部21,21,…の内部に確実に浸透させた上で保護層を形成することができるため、コンクリートの劣化をより一層抑制することができる。
以上のとおり、本実施の形態では、コンクリート構造物20の表面に対して脱塩処理を行うと共に、当該表面に酸化チタンを含有する保護層を形成することができる。これにより、コンクリート構造物の劣化防止策を効率良く施すことが可能になる。
ところで、加圧熱水の温度が高いほど、コンクリート構造物の表面における劣化要因物質の除去能力を高めることができるため、より高い脱塩効果を得ることができる。しかしながら、チタン錯体を含有していない単なる熱水の場合、その温度が140℃程度を超えると酸触媒としての機能が強くなり、コンクリート構造物の脱カルシウム化が進み、中性化を促進してしまうという問題が生じ得る。他方、本実施の形態のように、チタン錯体を含む水溶液を加圧熱水として利用する場合に、そのチタン錯体としてアルカリ性の状態のものを用いることにより、このような問題が解消される。この場合は140℃を超えたとしても酸触媒として働かないためにコンクリートの中性化を促進することがなく、しかも、高い脱塩効果を得ることができる。
[温度範囲]
上述したように、チタン錯体を含む水溶液を加圧熱水として利用することによって、高い温度の加圧熱水を用いることが可能になる。但し、温度が高くなりすぎると、コンクリートの脱カルシウム化が進み、中性化を招くおそれがある。以下では、本実施の形態における加圧熱水の適切な温度範囲について説明する。
本発明者は、加圧熱水の適切な温度範囲を検討すべく、下記の実験を行った。まず、Ti含有量が2.0重量%(TiO換算で7.11重量%)の水溶液を生成し、これにアルコールを50:50体積%で混合することによりタンク11に収容するTi含有量が1.0重量%(TiO換算で3.6重量%)の水溶液を得た。そして、加圧熱水の温度、噴射圧力を変化させながら、コンクリート構造物20の表面に対する加圧熱水の噴射を行った。下記の表1乃至表4はそれぞれ、加圧熱水の温度が135℃、140℃、145℃及び150℃の場合の結果を示している。なお、下記の各表における「噴射角度」は、噴射ノズル14の中心軸と広がって噴射された加圧熱水とがなす角度を意味している。
Figure 0005601484
Figure 0005601484
Figure 0005601484
Figure 0005601484
上記の各表中の「カルサイト析出」と示されている欄には、加圧熱水の噴射後にコンクリート構造物20の表面においてカルサイトの析出が確認された場合は“○”が、確認されなかった場合は“×”がそれぞれ記載されている。カルサイトの析出が確認されたということは、コンクリート構造物20の中性化が促進されていることを意味しているため好ましくない。そこで、この「カルサイト析出」の欄に注目すると、表1乃至表3に示すように、135℃,140℃及び145℃の場合は噴射圧力に関わらずカルサイトの析出が確認されていないことが分かる。他方、表4を参照すると、150℃の場合は噴射圧力が29.4MPaのときを除いてカルサイトの析出が確認されている。ここで、噴射圧力が29.4MPaのときにカルサイトの析出が確認できなかったのは、実際にはカルサイトが析出されたものの噴射圧力が高かったためにそのカルサイトが流されてしまい、その結果検出することができなかったものと推測される。すなわち、加圧熱水が150℃の場合は噴射圧力に関わらずカルサイトが析出したものと考えられる。これは、酸触媒としての機能が働いたためと推測される。以上の結果に基づくと、加圧熱水の温度は150℃未満であることが好ましい。また、加圧熱水の温度は100℃以上であれば良いが、高い脱塩効果を得るためにはより高い方が望ましく、その観点から135℃以上であることが好ましいといえる。
なお、本発明者は、比較例として、加圧熱水がチタン錯体を含まず水のみである場合について、同様の実験を行った。下記の表5乃至表7はそれぞれ、加圧熱水(水のみ)の温度が120℃、125℃及び130℃の場合の結果を示している。
Figure 0005601484
Figure 0005601484
Figure 0005601484
上記の表5乃至表7に示すように、加圧熱水がチタン錯体を含まず水のみである場合、噴射圧力が29.4MPaのときと、温度が120℃で噴射圧力が6.9MPaのときとを除いて、カルサイトの析出が確認されている。ここで、噴射圧力が29.4MPaのときにカルサイトの析出が確認できなかったのは、上記の表4の場合と同様の理由によると推測される。このように加圧熱水が水のみの場合、その温度が高くなると酸触媒としての機能が強くなるため、カルサイトが析出されてしまう。
(実施の形態2)
実施の形態1においては、タンク11がチタン錯体の水溶液を収容しており、この水溶液に対して加圧加熱処理を行うことによりチタン錯体を含有する加圧熱水が生成されている。これに対し、本実施の形態では、まず水に対して加圧加熱処理を施して加圧熱水を生成し、これにチタン錯体の水溶液を混合することによってチタン錯体を含有する加圧熱水を生成する。
図3は、実施の形態2の脱塩装置の構成を模式的に示す図である。図3に示すように、連結ホース15の中途に、チタン錯体の水溶液が収容されている第2タンク18が接続されている。この第2タンク18に収容されている水溶液のTi含有量は2.0重量%(TiO換算で7.11重量%)程度である。なお、本実施の形態の脱塩装置2のその他の構成については実施の形態1の場合と同様であるため、同一符号を付して説明を省略する。
本実施の形態の場合、タンク11には、水が所定量収容されている。この水は、加圧ポンプ12によって所定の圧力まで加圧され、耐圧容器で構成されたリザーブタンク13へ送り出される。リザーブタンク13は、加圧ポンプ12から供給された加圧水を、100℃以上の所定の温度まで加熱した上で貯蔵する。このようにして得られた加圧熱水は、加圧ポンプ12の作用により、連結ホース15を介してリザーブタンク13から噴射ノズル14へ供給される。このとき、第2タンク18に収容されているチタン錯体の水溶液が負圧により連結ホース15内に吸い込まれ、加圧熱水に混合される。これにより、チタン錯体を含有する加圧熱水が生成され、噴射ノズル14からコンクリート構造物20の表面に対して噴射される。
(その他の実施の形態)
上述した各実施の形態では、チタン錯体を含む水溶液を加圧熱水として利用しているが、チタン錯体以外の金属錯体を含む水溶液を加圧熱水として用いるようにしてもよい。ここで、「金属錯体」とは、錯体を構成する金属の析出ナノ粒子を含むものであって、重曹又はNaOHなどの水溶性アルカリ成分も含むものである。具体的には、硅酸ナトリウム及び硅酸カリウム等の金属錯体を用いることが可能である。その他にも、Li,Na,K,Ca2+,Sr2+,Ba2+,Cd2+,Cu2+,Mn2+,Zn2+,La3+,Ni2+,Mg2+,Co2+,Fe2+等の置換活性な金属錯体、及びCr3+,Co3+,Ru2+,Rh3+,Ir3+,Pt2+等の置換不活性な金属錯体を用いることができる。なお、置換活性な金属錯体は異性体を作らずに1種類の金属で錯体を作るため、安定しており、本発明に用いるのに好ましい。
また、噴射ノズルから噴射された加圧熱水に加え、過熱水蒸気による加温・加圧を実施する構成とすることもできる。ここで、過熱水蒸気とは、常圧で100℃以上に加熱された状態の水蒸気をいう。図4は、過熱水蒸気を供給する供給部を備える脱塩装置の構成の一部を模式的に示す図である。図4に示すように、この形態の脱塩装置は、噴射ノズル14の先端を覆う有底円筒状のカバー部50と、その先端がカバー部50に覆われ、過熱水蒸気を供給するための供給ノズル51とを備えている。この供給ノズル51は、公知の方法で過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気装置(図示せず)と接続されており、その過熱水蒸気生成装置によって生成された過熱水蒸気をその先端の開口部から放出するように構成されている。なお、その他の構成については上述した各実施の形態と同様である。この脱塩装置の場合、図4に示すとおり、コンクリート構造物20の表面のうち加圧熱水の噴射範囲となる領域をカバー部50で覆い、この状態で噴射ノズル14からチタン錯体を含有する加圧熱水を噴射すると共に、供給ノズル51から過熱水蒸気を放出する。これにより、コンクリート構造物20の表面のうち加圧熱水の噴射範囲となる領域の高温加圧状態を保つことができ、加圧熱水による脱塩効果をより一層高めることができる。
本発明のコンクリート構造物の脱塩方法及び脱塩装置は、例えば堤防及びトンネル等の大規模なコンクリート構造物の脱塩方法及び脱塩装置などとして有用である。
1,2 脱塩装置
10 本体ケース
11 タンク
12 加圧ポンプ
13 ボイラー機能付きリザーブタンク
14 噴射ノズル
15 連結ホース
16 間隔保持具
17 ローラー
20 コンクリート構造物
21 凹部
30 劣化要因物質
40 保護層
50 カバー部
51 供給ノズル

Claims (7)

  1. アルカリ成分を含有する金属錯体を含む加圧熱水を生成する加圧熱水生成工程と、
    生成された加圧熱水を、100℃以上の状態でコンクリート構造物の表面に対して噴射
    する噴射工程と
    を有する、コンクリート構造物の脱塩方法。
  2. 前記金属錯体がチタン錯体である、
    請求項1に記載のコンクリート構造物の脱塩方法。
  3. 前記噴射工程において、150℃未満の加圧熱水を噴射する、
    請求項1又は2に記載のコンクリート構造物の脱塩方法。
  4. 前記噴射工程において、135℃以上の加圧熱水を噴射する、
    請求項3に記載のコンクリート構造物の脱塩方法。
  5. 前記噴射工程において、前記コンクリートの表面に対して過熱水蒸気を供給する、
    請求項1乃至4の何れかに記載のコンクリート構造物の脱塩方法。
  6. 前記加圧熱水生成工程において、アルコールが添加された金属錯体を含む加圧熱水を生
    成する、
    請求項1乃至5の何れかに記載のコンクリート構造物の脱塩方法。
  7. アルカリ成分を含有する金属錯体を含む加圧熱水を生成する加圧熱水生成部と、
    前記加圧熱水生成部によって生成された加圧熱水を、100℃以上の状態でコンクリー
    トの表面に対して噴射する噴射部と
    を備える、コンクリート構造物の脱塩装置。
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