JP5600541B2 - キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法 - Google Patents

キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5600541B2
JP5600541B2 JP2010218848A JP2010218848A JP5600541B2 JP 5600541 B2 JP5600541 B2 JP 5600541B2 JP 2010218848 A JP2010218848 A JP 2010218848A JP 2010218848 A JP2010218848 A JP 2010218848A JP 5600541 B2 JP5600541 B2 JP 5600541B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer beads
beads
futaruimi
chelate
calcium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010218848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011116944A (ja
JP2011116944A5 (ja
Inventor
ラインホルト・クリッパー
シュテファン・ノイマン
イェンス・ストール
ミヒャエル・シェルハース
ピエール・ファンホーネ
Original Assignee
ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー filed Critical ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー
Publication of JP2011116944A publication Critical patent/JP2011116944A/ja
Publication of JP2011116944A5 publication Critical patent/JP2011116944A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5600541B2 publication Critical patent/JP5600541B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J45/00Ion-exchange in which a complex or a chelate is formed; Use of material as complex or chelate forming ion-exchangers; Treatment of material for improving the complex or chelate forming ion-exchange properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F212/06Hydrocarbons
    • C08F212/08Styrene
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/30Introducing nitrogen atoms or nitrogen-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/40Introducing phosphorus atoms or phosphorus-containing groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B1/00Electrolytic production of inorganic compounds or non-metals
    • C25B1/01Products
    • C25B1/34Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis
    • C25B1/46Simultaneous production of alkali metal hydroxides and chlorine, oxyacids or salts of chlorine, e.g. by chlor-alkali electrolysis in diaphragm cells
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C25ELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES; APPARATUS THEREFOR
    • C25BELECTROLYTIC OR ELECTROPHORETIC PROCESSES FOR THE PRODUCTION OF COMPOUNDS OR NON-METALS; APPARATUS THEREFOR
    • C25B15/00Operating or servicing cells
    • C25B15/08Supplying or removing reactants or electrolytes; Regeneration of electrolytes
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/42Treatment of water, waste water, or sewage by ion-exchange
    • C02F2001/425Treatment of water, waste water, or sewage by ion-exchange using cation exchangers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/10Inorganic compounds
    • C02F2101/20Heavy metals or heavy metal compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/02Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical
    • C08F212/04Monomers containing only one unsaturated aliphatic radical containing one ring
    • C08F212/06Hydrocarbons
    • C08F212/12Monomers containing a branched unsaturated aliphatic radical or a ring substituted by an alkyl radical
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F212/00Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by an aromatic carbocyclic ring
    • C08F212/34Monomers containing two or more unsaturated aliphatic radicals
    • C08F212/36Divinylbenzene

Description

本発明は、溶出液中のカチオンの低い残存含有率および高い再生効率で、動的吸収容量、カチオンに対する長い負荷継続期間を有するアミノメチルホスホン酸基およびイミノジメチルホスホン酸基を有するキレート樹脂を使用する水溶液からのカチオン、好ましくはアルカリ土類金属、特にカルシウムの改善された除去方法に、キレート形成性交換体自体に、ならびにまたそれらの使用に関する。
本発明によるキレート形成性交換体は、水性アルカリ金属塩溶液からのカチオンに対して、好ましくは二価カチオンに対して、特にカルシウムに対して高い動的吸収容量を示し、ここで、キレート樹脂は、官能基の高い官能性利用度および高い再生効率と同時に、高いビーズ安定性を示す。
本発明との関連で、キレート樹脂という表現はまた、キレート形成性イオン交換体またはキレート形成性交換体またはキレート官能基を有するイオン交換体を意味する。明確にするために、本発明の文脈は、一般的にまたは好ましい範囲で、任意の所望の組み合わせで示されて、本明細書で以下にリストされる全ての定義およびパラメーターを包含することが理解されるであろう。
水酸化ナトリウム溶液および塩素ガスは、大量に生産されている重要な基礎化学品である。水酸化ナトリウム溶液および塩素の最近の製造方法は、膜方法による水性塩化ナトリウム溶液の電解に基づく。高いエネルギー消費と関連する電解処理は膜で進行する。これらの膜は、マイナスに帯電したSO置換基を有するポリテトラフルオロエテン(PTFE/Teflon)からなる約0.1mm厚さの、耐塩素性カチオン交換膜である(Nafion)。OHまたはClなどの電解で形成されたアニオンは、それらを通過することができないが、プラスに帯電したNaイオンは、これらの膜を通過することができる。Clイオン不透過性のために、塩化ナトリウムで実質的に汚染されていない35%濃度の水酸化ナトリウム溶液が形成される。
膜のマイナスに帯電したSO基は、特に、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムおよびその他などの二価カチオンを吸収することができる。沈殿物が膜上に生じ、その後、膜がブロックされてしまう。結果として、膜の性能は低下する。塩素および水酸化ナトリウム溶液を与える塩化ナトリウムの反応の収率は低下し、その結果、電流密度が低下し、セル電圧が増加し、それによって、エネルギー原単位がより高くなる。同時に、同様に、膜の耐用年数−それらが取り換えられなければならないまで−は低下する。
それ故、ナトリウムを除き他のカチオンをできるだけ含まない塩化ナトリウムブラインを膜での電解処理のために提供することは絶対に必要である。
膜の製造業者は、沈澱およびまたキレート樹脂での精密精製後のブライン中に存在する最大カチオン残存濃度について、精製塩化ナトリウムブラインに対して以下の推奨値を与えている(Bayer SP IOW 4006e、2001−01)。
カルシウム2+;マグネシウム2+:<20ppb
ストロンチウム2+:<100ppb
バリウム2+:<500ppb
製造業者によって納品される塩化ナトリウムは、塩化ナトリウムブラインを与えるために水に溶解されたときに、これらの高い純度要件を満たさない。
供給原料として使用される塩化ナトリウムは、塩化ナトリウムに加えて、さらなる85種以下の化学元素を含み得る天然産物である。加えて、塩化ナトリウムの含有率は、天然産物塩化ナトリウムでかなり変動する。
電解法で塩素および水酸化ナトリウム溶液を得るために使用される塩化ナトリウムは、少なくとも約97重量%のNaClの含有率を有するべきである。
供給源に依存して、塩化ナトリウムはさらに、異なる量の前述のカチオンなどの二価およびより高原子価カチオンならびにまた、微量で、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、クロム、銅、とりわけカリウム、ならびにまた様々なアニオンを含む。
例えば、分光光度法(AAS)を用いて1991年にKrakowのGeo−Anal−Speckによって実施された、死海の乾燥によって約2億8千万年前に形成されたZechstein期の天然岩塩の最も重要な鉱物の分析は、塩の100gを基準として、0.271ppmのCa、0.03ppmのMg、4.1ppmのZn、142ppmのFe、2.7ppmのCo、432ppmのNi、0.34ppmのCu、0.09ppmのCrおよびまた6.8ppmのMnの含有率を示した。アルカリ土類金属とは無関係に、前記重金属は、電解処理中に使用される電極、好ましくは今日使用されているガス拡散電極への損傷をもたらし得る。
電解用に使用される水性塩化ナトリウム溶液中の塩化ナトリウムの濃度は、溶液の1リットル当たり250〜330グラムのNaClの範囲にある。
特に、二価カチオンの濃度は、それらが電解処理に悪影響を及ぼすので、できるだけ定量的に電解処理の前に前述の理由により除去されるべきである。
それ故、今でもアルカリ金属塩化物電解に使用されることになる水性塩化ナトリウム溶液は、電解前に2段階で精製され;第1段階では、沈澱によって、比較的大量の二価カチオンが除去される。沈澱後の水性ブライン中のそれらの濃度は、その結果約0.1〜約20ppmの範囲にある。第2段階では、ブライン中の特に二価カチオンのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムの濃度は、キレート交換体上での超濾過(overfiltration)によって、カラムからの水性溶出液において、カチオン種類に依存して、約500ppb〜約20ppbより低い残存値まで低減される。
二価カチオンの濃度が、個々にかまたは合計して、カラム溶出液中で前記値を超える場合、カラムは再生される。
二価カチオンのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムを塩化ナトリウムブラインから除去するためのキレート形成性イオン交換体の選択性は異なる。次の順序で選択性は低下する:マグネシウム>カルシウム>>ストロンチウム>バリウム>アルカリ金属(Na)。それ故、バリウムイオンは、マグネシウムイオンおよびカルシウムイオンより著しく不十分に吸収される。
膜の製造業者は、このことを考慮して、二価カチオンのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムに対して精製ブライン中の前述の異なる残存値を推奨している。
それ故、目的は、二価カチオンに対する向上された一般に高い吸収容量を示す改善された選択性を有するキレート樹脂を開発することでなければならない。
限界値より高い濃度(カルシウムおよびマグネシウムについては、キレート樹脂の水性溶出液中で20ppbのカチオンである)を超えるまでキレート樹脂が吸収した二価カチオンの量は、この場合にキレート樹脂の動的吸収容量と呼ばれる。
このようにして精製されたブラインは、電解により水酸化ナトリウム溶液および塩素に変換される−(非特許文献1)を参照されたい。
キレート形成性イオン交換体に、カチオンをもはや十分に除去することができず、カルシウムおよびマグネシウムの溶出液値で20ppbより大きい値が測定される程度まで、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムなどの前述のカチオンがロードされた場合、キレート形成性イオン交換体は、酸、好ましくは塩酸で再生されなければならない。キレート基は水素形に転化される。次に、キレート樹脂は、水性水酸化ナトリウム溶液を用いてキレート基のナトリウム形へ転化され、次に再びブラインから二価カチオンを除去することができる。
カチオンがロードされたイオン交換体の再生、水洗浄およびまた水酸化ナトリウム溶液でのナトリウム形への調整のためには、かなりの量の化学薬品および水が必要とされる。より頻繁にキレート樹脂が再生されなければならず((特許文献1)では、ローディングは26時間後にすぐに終了される)、再生が開始されなければならない。それ故、長期運転では、キレート樹脂は、1年当たり数百回も再生されなければならない。
それ故、経済的な理由および環境保護上の理由により、精製溶液中のカチオンの低い残存値、ローディング中の官能基の高度利用、および高い再生効率と同時に高いビーズ安定性のために、水性塩ブライン、特に塩化ナトリウムブラインからのカルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムなどの二価カチオンに対して高い動的吸収容量を有するキレート形成性イオン交換体が求められている。
(特許文献1)で、アミノホスホン酸基を有するキレート樹脂が記載されており、塩化ナトリウムブラインからのカルシウムおよびマグネシウムなどのカチオンに対するそれらの吸収容量がブライン試験で試験されている。
カルシウムイオンに対するその動的吸収容量が測定され、樹脂の1リットル当たり12.4〜15.8グラムのカルシウムの範囲にある。760〜1180ベッド体積のブラインが(1時間当たり10または20ベッド体積(BV)の速度で)26時間でキレート樹脂を通して濾過された。
精製ブライン中のカルシウムの濃度は20ppbであり、キレート樹脂への塩化ナトリウムブラインのローディングは、カルシウム濃度がキレート樹脂の溶出液中で500ppbを超えた時に終了された。
(特許文献2)は、アミノホスホン酸基を有するキレート樹脂を記載しており、塩化ナトリウムブラインからのカルシウムおよびマグネシウムなどのカチオンに対するそれらの動的吸収容量がブライン試験で試験された。
カルシウムイオンに対するそれの動的吸収容量が測定された。Duolite ES 467、アルキルアミノホスホン酸基を有するマクロ多孔性キレート樹脂について、樹脂の1リットル当たり9.5グラムのカルシウムである(実施例1)。
精製ブライン中のカルシウム濃度は、大半のローディングサイクルについて20ppb未満であり、キレート樹脂への塩化ナトリウムブラインのローディングは、カルシウム濃度がキレート樹脂の溶出液中で50ppbを超えた時に終了される。
(特許文献3)は、キレート基を有する単分散イオン交換体であって、キレート基として、(CH−NRがイオン交換体中に存在し、RがH、CH−COOHまたはCHP(O)(OH)であり、RがCH−COOHまたはCHP(O)(OH)であり、nが1〜4の整数である単分散イオン交換体の製造方法を開示している。
先行技術に記載されているキレート樹脂は、現在用いられている膜電解法での塩ブラインの精密精製の要件を満たさない。(特許文献1)での精製ブライン中のカルシウムの残存量は20ppbである。(特許文献2)での精製ブライン中のカルシウムの残存量は極たまに20ppb未満である。加えて、吸収されるカルシウムの量は十分には高くなく、そのため(特許文献1)ではローディングは26時間後すぐに終了され、次に再生が開始されなければならない。それ故、長期運転では、キレート樹脂は、1年当たり数百回も再生されなければならない。
大量の塩酸、水酸化ナトリウム溶液および水がそのために必要とされ、それは、大量の廃水をもたらし、この方法を非経済的で、かつ、環境に負荷をかけるものとしている。
米国特許第4,818,773号明細書 独国特許出願公開第3 704 307 A1号明細書 欧州特許出願公開第1 078 690 A2号明細書
R.M.Klipper、H.Hoffmann、T.Augustin、Ion Exchange Advances、Proceedings of IEX 92、414ページ以下のページ;Elsevier Applied Science、London、1992年
それ故、本発明の目的は、
− クロルアルカリ電解で通例起こるような、水性ブラインからの、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、およびバリウムなどのアルカリ土類金属、特にカルシウムの
− 水溶液もしくは有機液体またはそれらの蒸気からの重金属および貴金属の、特にアルカリ土類金属およびアルカリ金属の水溶液からの水銀の(特にブラインまたはアルカリ金属塩化物電解からの水銀の)
著しくより良好な除去のための新規キレート形成性交換体の提供である。
本発明は、
a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物およびまた少なくとも1種のポロジェンおよび少なくとも1種の開始剤または開始剤の組み合わせのモノマー液滴が、噴出原理(jetting principle)またはシード供給原理(seed−feed principle)によって反応させられて単分散架橋ポリマービーズを形成し、
b)前記単分散架橋ポリマービーズの1〜15重量%のサブ部分を不活性溶媒中に存在するフタルイミド誘導体のSO付加体へ導入し、35℃以下の温度で1〜15時間撹拌し、ここで、遊離SOの量がフタルイミドの1モルを基準として0.28〜0.5モルであり、その後、ポリマービーズの残りの量を、不活性溶媒中に存在するフタルイミド誘導体のSO付加体へ30〜75℃の温度で導入することによって、ポリマービーズがフタルイミド誘導体でフタルイミドメチル化され、
c)前記フタルイミドメチル化ポリマービーズがアミノメチル化ポリマービーズに転化され、そして
d)前記アミノメチル化ポリマービーズが反応させられてキレート官能基を有するイオン交換体を形成する
を特徴とする、構造要素(I)
Figure 0005600541
{式中、
Figure 0005600541
はポリマー主鎖であり、RおよびRは、互いに独立して、水素または1.4〜1.99(端値を含めて)の範囲の置換度のCHPO(OH)基である}
で表されるキレート官能基を有する単分散イオン交換体の製造方法に関する。
意外にも、本発明による方法を用いて、非常に高い総容量によって先行技術を上回る、キレート樹脂が生成され得る。
それ故、本発明はまた、
a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物およびまた少なくとも1種のポロジェンおよび少なくとも1種の開始剤または開始剤の組み合わせのモノマー液滴を、噴出原理またはシード供給原理によって反応させて単分散架橋ポリマービーズを形成する工程と、
b)前記単分散架橋ポリマービーズの1〜15重量%のサブ部分を不活性溶媒中に存在するフタルイミド誘導体のSO付加体へ導入し、35℃以下の温度で1〜15時間撹拌し、ここで、遊離SOの量がフタルイミドの1モルを基準として0.28〜0.5モルであり、その後、ポリマービーズの残りの量を、不活性溶媒中に存在するフタルイミド誘導体のSO付加体へ30〜75℃の温度で導入することによって、ポリマービーズをフタルイミド誘導体でフタルイミドメチル化する工程と、
c)前記フタルイミドメチル化ポリマービーズをアミノメチル化ポリマービーズに転化する工程と、
d)前記アミノメチル化ポリマービーズを、P−H酸化合物と組み合わせたホルマリンと懸濁液で反応させてキレート官能基を有するイオン交換体を形成する工程と
により好ましくは得られる、構造要素(I)
Figure 0005600541
{式中、
Figure 0005600541
はポリマー主鎖であり、RおよびRは、互いに独立して、水素または1.4〜1.99(端値を含めて)の範囲の置換度を有する以下の基
Figure 0005600541
である}
のキレート官能基を有し、かつ、
3.1〜3.9モル/lの総容量TCおよび70〜85nmの中央孔径を有する単分散イオン交換体に関する。
図1は、本発明を実施するための実験的構造を示す。 図2は、中央ビーズ径を測定するための測定装置を示す。
好ましい実施形態では、本発明によるキレート形成性交換体は、45〜55%の気孔率を有する。さらに好ましい実施形態では、本発明によるキレート形成性交換体は、240〜480μの中央ビーズ径を有する。さらに好ましい実施形態では、本発明によるキレート形成性交換体は、500〜700mm/gの細孔容積を有する。さらに好ましい実施形態では、本発明によるキレート形成性交換体は、70〜85nmの中央孔径を有する。
置換度は、本特許出願の場合においては、構造要素(I)においてどういう割合でアミノ基の2個の水素が、以下の基
Figure 0005600541
によって、工程d)で置換されるかを示す。
本発明によれば、置換度は、1.4〜1.99の範囲に、好ましくは1.5〜1.9の範囲に、特に好ましくは1.6〜1.8(端値を含めて)の範囲にある。
その結果として、アミノメチルホスホン酸基を有する構造要素のみならず、イミノジメチルホスホン酸基を有するものをまた含むキレート樹脂が得られる。
それ故、置換度は、構造要素(I)中の、以下の基
Figure 0005600541
の割合の尺度である。
加えて、本発明によるキレート樹脂は、生産に関連した単分散粒度分布を有する。
本出願において単分散と称される物質は、粒子の少なくとも90容量%または90質量%が、最も頻度の高い直径の周りの最も頻度の高い直径の±10%の幅を有する区間に存在する直径を有する物質である。
例えば、0.5mmの最も頻度の高い直径を有する物質の場合には、少なくとも90容量%または90質量%が0.45mm〜0.55mmのサイズ区間に存在し、0.7mmの最も頻度の高い直径を有する物質の場合には、少なくとも90容量%または90質量%が0.77mm〜0.63mmのサイズ区間に存在する。
本発明によって得られることになる中央ビーズ径または粒度分布は、240〜480μ、好ましくは250〜450μの範囲にある。本発明によるキレート形成性交換体の単分散性は、ポリマービーズ前駆体、すなわち単分散の架橋ビニル芳香族ベースポリマーが噴出原理またはシード供給原理によって製造されるという点において、プロセスに関連している。それに関しては、それらの内容が本出願のプロセス工程a)に関して本出願により本明細書によって援用される、米国特許第4,444,961号明細書、欧州特許出願公開第0 046 535A号明細書、米国特許第4,419,245号明細書または国際公開第93/12167号パンフレットの先行技術に言及されてもよい。
上記の特性を有する本発明によるキレート樹脂は、後架橋が行われることなく得られる。それらは、先行技術と比較して、クロルアルカリ電解で通例起こるような水性ブラインからのアルカリ土類金属、特にマグネシウム、カルシウム、バリウムまたはストロンチウムの著しく良好な除去および、さらに、著しく改善されたカルシウム吸収、およびまた岩塩ブライン中に微量に存在する前述の重金属に向けて改善された吸着容量を示す。
それ故、本発明によるキレート樹脂は、化学工業、エレクトロニクス産業、廃棄物処理/利用産業または電気めっきもしくは表面処理技術における使用の最も多様な分野のために、しかし特にアルカリ金属電解用のブラインを精製するために非常に好適である。
さらに、それらは、ブラインから重金属をまさしく実質的になくすことによって、クロルアルカリ電解に現在使用されているガス拡散電極、特に酸素消費電極を保護するために役立つ。
プロセス工程a)において、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物が使用される。しかしながら、2種以上のモノビニル芳香族化合物の混合物および2種以上のポリビニル芳香族化合物の混合物を使用することもまた可能である。
プロセス工程a)に好ましくは使用される本発明との関連でのモノビニル芳香族化合物は、モノエチレン系不飽和化合物、特に好ましくはスチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、アクリル酸のアルキルエステルまたはメタクリル酸のアルキルエステルである。
とりわけ好ましくは、スチレンまたはスチレンと前述のモノマーとの混合物が使用される。
プロセス工程a)用の、本発明との関連での好ましいポリビニル芳香族化合物は、多官能性のエチレン系不飽和化合物、特に好ましくはジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、トリビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、トリビニルナフタレン、1,7−オクタジエン、1,5−ヘキサジエン、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートまたはアリルメタクリレート、とりわけ好ましくはジビニルベンゼンである。
ポリビニル芳香族化合物は好ましくは、モノマーまたはそれと他のモノマーとの混合物を基準として、1〜20重量%、特に好ましくは2〜12重量%、とりわけ好ましくは4〜10重量%の量で使用される。ポリビニル芳香族化合物(架橋剤)の種類は、球形ポリマーの後の使用に関して選択される。ジビニルベンゼンの使用の場合には、ジビニルベンゼンの異性体に加えて、エチルビニルベンセンもまた含む市販のジビニルベンゼンの品質は十分である。
本発明の好ましい実施形態では、プロセス工程a)において、マイクロカプセル化モノマー液滴が使用される。
モノマー液滴のマイクロカプセル化のためには、コンプレック・コアセルベート(complex coacervates)としての使用について知られている材料、特にポリエステル、天然および合成ポリアミド、ポリウレタンまたはポリウレアが考慮される。
天然ポリアミドとして、好ましくはゼラチンが使用される。これは、特に、コアセルベートおよびコンプレックス・コアセルベートとして使用される。本発明との関連でゼラチン含有コンプレックス・コアセルベートは、とりわけ、ゼラチンと合成高分子電解質との組み合わせを意味すると見なされる。好適な合成高分子電解質は、例えば、マレイン酸、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミドおよびメタクリルアミドの包含単位を有するコポリマーである。特に好ましくは、アクリル酸およびアクリルアミドが使用される。ゼラチン含有カプセルは、例えば、ホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドなどの従来の硬化剤で硬化させることができる。ゼラチン、ゼラチン含有コアセルベートおよびゼラチン含有コンプレックス・コアセルベートでのモノマー液滴のカプセル化は、欧州特許出願公開第0 046 535A号明細書に詳細に記載されている。合成ポリマーでのカプセル化の方法は公知である。モノマー液滴に溶解した反応性成分(特にイソシアネートまたは酸塩化物)が水相に溶解した第2の反応性成分(特にアミン)と反応させられる界面縮合が好ましい。
任意選択的にマイクロカプセル化されたモノマー液滴は、重合を開始させるための少なくとも1種の開始剤または開始剤の混合物を含む。本発明による方法のための好ましい開始剤は、ペルオキシ化合物、とりわけ好ましくはジベンゾイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、ビス(p−クロロベンゾイル)ペルオキシド、ジシクロヘキシルペルオキシジカーボネート、過オクタン酸第三ブチル、第三ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサンまたは第三アミルペルオキシ−2−エチルヘキサン、およびまた、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)または2,2’−アゾビス(2−メチルイソブチロニトリル)などのアゾ化合物である。
開始剤は好ましくは、モノマー混合物を基準として、0.05〜2.5重量%、特に好ましくは0.1〜1.5重量%の量で使用される。
任意選択的にマイクロカプセル化されたモノマー液滴中のさらなる添加剤として、それらは少なくとも1種のポロジェンを含む。
微孔性またはゲル型またはマクロ多孔性という表現は、専門家による文献に詳細に既に記載されてきた。
単分散マクロ多孔性ポリマービーズは、球形ポリマー中にマクロ多孔性構造を生成するために、不活性材料、好ましくは少なくとも1種のポロジェンを重合中のモノマー混合物に加えることによって形成される。得られたポリマーを不十分に溶解させるかまたは膨潤させる有機溶媒がそのために好適である。とりわけ好ましいポロジェンは、ヘキサン、オクタン、イソオクタン、イソドデカン、メチルエチルケトン、ブタノールまたはオクタノールおよびそれらの異性体である。
モノマーに溶解するが、ポリマーを不十分に溶解させるかまたは膨潤させる有機物質(ポリマー用の沈澱剤)、例えば、脂肪族炭化水素がとりわけ好適である(Farbenfabriken Bayer DBP 1045102、1957;DBP 1113570、1957)。
米国特許第4,382,124号明細書では、ポロジェンとして、例えば、4〜10個の炭素原子を有するアルコールが、スチレン/ジビニルベンゼンをベースとする単分散マクロ多孔性ポリマービーズを製造するために使用されている。加えて、マクロ多孔性ポリマービーズの製造方法の概説が示されている。
それ故、プロセス工程a)によって製造される、本発明との関連で使用されることになるポリマービーズは、ポロジェンの使用が原因で、マクロ多孔性構造を有する。
任意選択的にマイクロカプセル化されたモノマー液滴はまた、30重量%以下(モノマーを基準として)の架橋または未架橋ポリマーを任意選択的に含むことができる。好ましいポリマーは、前述のモノマーから、特に好ましくはスチレンから誘導される。
工程a)での任意選択的にカプセル化されたモノマー液滴の中央粒径は、10〜380μm、好ましくは100〜330μmである。プロセス工程a)でカプセル化モノマー液滴から得られる単分散ポリマービーズの中央粒径は、10〜350μm、好ましくは100〜300μmである。
プロセス工程a)による単分散ポリマービーズの製造において、水相は、さらに好ましい実施形態では、溶解した重合防止剤を含むことができる。本発明との関連で考慮される防止剤は、無機および有機物質である。好ましい無機防止剤は、窒素化合物、とりわけ好ましくはヒドロキシルアミン、ヒドラジン、亜硝酸ナトリウムおよび亜硝酸カリウム、亜リン酸水素ナトリウムなどの亜リン酸の塩およびまた亜ジチオン酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオシアン酸ナトリウムおよびチオシアン酸アンモニウムなどの硫黄化合物である。
有機防止剤の例は、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、レゾルシノール、ピロカテコール、第三ブチルピロカテコール、ピロガロールおよびフェノールとアルデヒドとの縮合生成物などのフェノール系化合物である。さらなる好ましい有機防止剤は窒素化合物である。例えばN,N−ジエチルヒドロキシルアミン、N−イソプロピルヒドロキシルアミンおよびまたスルホン化またはカルボキシル化N−アルキルヒドロキシルアミン誘導体またはN,N−ジアルキルヒドロキシルアミン誘導体などのヒドロキシルアミン誘導体、例えばN,N−ヒドラジノ二酢酸などのヒドラジン誘導体、例えばN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアンモニウム塩またはN−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩などのニトロソ化合物がとりわけ好ましい。防止剤の濃度は5〜1000ppm(水相を基準として)、好ましくは10〜500ppm、特に好ましくは10〜250ppmである。
球形の単分散ポリマービーズを与えるための任意選択的にマイクロカプセル化されたモノマー液滴の重合は、水相中に任意選択的にまたは好ましくは1種以上の保護コロイドの存在下に、既に上に述べられたように進行する。好適な保護コロイドは、天然または合成の水溶性ポリマー、好ましくはゼラチン、デンプン、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸または(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸のエステルとのコポリマーである。セルロース誘導体、特に、カルボキシメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロースなどの、セルロースエステルおよびセルロースエーテルがさらに好ましい。ゼラチンがとりわけ好ましい。使用される保護コロイドの量は、水相を基準として、一般に0.05〜1重量%、好ましくは0.05〜0.5重量%である。
プロセス工程a)での球形の単分散マクロ多孔性ポリマービーズを与えるための重合は、緩衝系の存在下で、代わりの好ましい実施形態で実施することができる。重合の開始時に水相のpHを14〜6、好ましくは12〜8に設定する緩衝系が好ましい。これらの条件下に、カルボン酸基を有する保護コロイドは全部または一部が塩として存在する。このようにして、保護コロイドの作用は、良い影響を受ける。特に高度に好適な緩衝系は、リン酸塩またはホウ酸塩を含む。本発明との関連でリン酸塩およびホウ酸塩という表現はまた、相当する酸および塩のオルト形の縮合生成物を含む。水相中のリン酸塩またはホウ酸塩の濃度は0.5〜500ミリモル/l、好ましくは2.5〜100ミリモル/lである。
重合中の撹拌速度はあまり重要ではなく、従来のビーズ重合とは対照的に、粒径に影響を及ぼさない。懸濁液中に懸濁したモノマー液滴を保ち、かつ、重合熱の除去をサポートするのに十分である低い撹拌速度が用いられる。この役割のために、様々な攪拌機タイプを使用することができる。特に好適な攪拌機は、軸方向動きを有するゲート型攪拌機である。
カプセル化モノマー液滴と水相との容積比は、1:0.75〜1:20、好ましくは1:1〜1:6である。
重合温度は、使用される開始剤の分解温度に依存する。それは一般に50〜180℃、好ましくは55〜130℃である。重合期間は、0.5〜約20時間を要する。重合が低温、例えば60℃で始まり、重合転化率が進行すると共に反応温度が上昇する温度プログラムを用いることが有用であることが分かった。このようにして、例えば、安全な反応進行および高い重合転化率要件が非常に容易に満たされる。重合後に、ポリマーは、従来の方法を用いて、例えば濾過またはデカンテーションによって単離され、任意選択的に洗浄される。
プロセス工程b)において、先ずアミドメチル化剤が製造される。この目的のために、フタルイミド誘導体は溶媒に溶解され、ホルマリンと混合される。その後、水の脱離で、ビス(フタルイミド)エーテルが形成される。ビス(フタルイミド)エーテルは、任意選択的にフタルイミドエステルに転化することができる。本発明との関連で好ましいフタルイミド誘導体は、フタルイミドそのものまたは置換フタルイミド、例えばメチルフタルイミドである。
プロセス工程b)に使用される溶媒は、ポリマーを膨潤させるために好適である不活性溶媒、好ましくは塩素化炭化水素、特に好ましくはジクロロエタンまたは塩化メチレンである。
プロセス工程b)でポリマービーズはフタルイミド誘導体と縮合させられる。この場合に使用される触媒は、不活性溶媒中でフタルイミド誘導体のSO付加体をそれらから生成するために発煙硫酸、硫酸または三酸化硫黄である。
本発明によれば、35℃以下の、好ましくは5〜30℃の温度で、先ずプロセス工程a)からのポリマービーズのサブ量が不活性溶媒、好ましくは1,2−ジクロロエタン中に存在するフタルイミド誘導体のSO付加体へ導入されるような手順に従う。好ましくは、サブ量は、処理されることになるポリマービーズの総量の1〜15重量%である。遊離SOの量はここでは、フタルイミド誘導体の形成のために使用されたフタルイミドの1モルを基準として、0.28〜0.65モルである。
サブ量は次に、1〜15時間の期間にわたってバッチを撹拌することによって前述の温度でフタルイミドメチル化される。
その後、処理されることになるポリマービーズの残りの量が30〜75℃、好ましくは35〜65℃の温度で加えられる。
本研究の結果は、プロセス工程b)でのポリマービーズの段階的な添加が意外にもキレート形成性交換体のより高い収率をもたらし、同時にこれらが先行技術より高い総容量を有することを示す。
これは、ポリマービーズの高度のフタルイミドメチル化(第1置換)、使用されるポリマービーズの1グラム当たりのml単位での最終生成物のより高い収率およびキレート形成性交換体の官能化度(第2置換)で表され、先行技術と比較して著しく増加している。
増加した官能化度は、プロセス工程c)からの中間体として製造されたアミノメチル化ポリマービーズがアミノメチルホスホン酸基でより完全に官能化されていること(増加した第2置換)を意味すると見なされる。
フタル酸置換基の脱離ひいてはアミノメチル基の露出は、フタルイミドメチル化架橋ポリマービーズを、100〜250℃、好ましくは120〜190℃の温度で、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの、アルカリ金属水酸化物の水性またはアルコール性溶液で処理することによってプロセス工程c)で進行する。水酸化ナトリウム溶液の濃度は、10〜50重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲にある。この方法は、2つ以上の芳香環の置換を有するアミノアルキル含有架橋ポリマービーズの製造を可能にする。
得られたアミノメチル化ポリマービーズは、最終的に脱塩水でアルカリを含まないように洗浄される。
プロセス工程d)で、本発明によるキレート交換体は、アミノメチル含有単分散架橋ビニル芳香族ベースポリマーを、P−H酸(修正Mannich反応による)化合物(好ましくは亜リン酸、亜リン酸モノアルキルエステル、亜リン酸ジアルキルエステル)と組み合わせたホルマリン、またはS−H酸化合物(好ましくはチオグリコール酸、アルキルメルカプタン、L−システイン)と組み合わせたホルマリン、またはヒドロキシキノリンもしくはその誘導体と組み合わせたホルマリンと懸濁液で反応させることによって製造される。
特に好ましくは、ホルマリンは、亜リン酸またはジメチルホスファイトなどのP−H酸化合物と組み合わせて使用される。
懸濁媒体として、水または水性鉱酸、好ましくは水、水性塩酸または水性硫酸、とりわけ好ましくは水性塩酸または10〜40重量%、好ましくは20〜35重量%の濃度の水性硫酸が使用される。
アミノメチルホスホン酸基を有するキレート樹脂を与えるためのアミノメチル含有ポリマービーズの反応は、70〜120℃の範囲の温度で、好ましくは90〜110℃の範囲の温度で進行する。
キレート官能基を有する本発明によるイオン交換体は、水溶液および有機液体からの金属、特に重金属および貴金属ならびにそれらの化合物の吸着に好適である。キレート官能基を有する本発明によるイオン交換体は、水溶液から、特にアルカリ土類金属またはアルカリ金属の水溶液から、アルカリ金属塩化物電解用のブラインから重金属または貴金属を除去するために特に好適である。さらに、キレート官能基を有する本発明によるイオン交換体は、アルカリ金属塩化物電解に通例使用されるような、ブラインからアルカリ土類金属を除去するために好適である。それ故、本発明は、アルカリ土類金属、重金属または貴金属である、金属の吸着のための本発明によるキレート樹脂の使用に関する。
本発明の目的のための重金属および貴金属は、水銀、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、鉛、カドミウム、マンガン、ウラン、バナジウム、白金族の元素およびまた金または銀である。
好ましくは、本発明は、キレート官能基を有する本発明によるイオン交換体を用いることによる、水溶液および有機液体からの金属の吸着であって、特に好ましくは、水溶液が、アルカリ土類金属もしくはアルカリ金属の溶液またはアルカリ金属塩化物電解用のブラインである吸着に関する。
好ましい実施形態では、本発明は、本発明によるキレート樹脂を用いて、アルカリ金属塩化物電解用のブラインからのアルカリ土類金属を除去するための、好ましくはアルカリ金属塩化物電解用のブラインからのマグネシウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムの除去のための本発明によるキレート形成性交換体の使用に関する。
好ましくは、本発明は、本発明によるキレート樹脂を用いてのアルカリ金属塩化物電解用のブラインからのカルシウムの著しく改善された選択的除去に関する。
しかしながら、本発明はまた、アルカリ金属塩化物電解に使用される、膜および電極、特にガス拡散電極を保護するための本発明によるキレート形成性交換体の使用に関する。この保護は、膜および電極に有害であるアルカリ土類金属および重金属の吸収の結果として生じる。
本発明はさらに、アルカリ金属塩化物電解における膜処理の効率を上げるための本発明によるキレート形成性交換体の使用に関する。それ故、本発明はまた、本発明によるキレート樹脂を用いての、電解プロセスに有害であるアルカリ土類金属および重金属、特にカルシウムおよびバリウム、ならびにまた亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、クロムおよびマンガンの吸着によるアルカリ金属塩化物電解プロセスの効率の増加方法に関する。
脱塩水は、本発明の目的のためには、0.1〜10μSの導電率を有することによって特徴づけられ、ここで、可溶性金属イオンの含有率は、個々の成分としてのFe、Co、Ni、Mo、Cr、Cuについては1ppm以下、好ましくは0.5ppm以下、そして前記金属の合計については10ppm以下、好ましくは1ppm以下である。
[樹脂のキレート基の量−総容量(TC)の測定]
濾過カラムに100mlの交換体を充填し、カラムを1.5時間で3重量%濃度の塩酸で溶出する。次にカラムを、溶出液が中性になるまで脱塩水で洗浄する。
50mlの再生されたイオン交換体で充填したカラムに、0.1N水酸化ナトリウム溶液(=0.1規定水酸化ナトリウム溶液)を装入する。溶出液を各場合に250mlの測定フラスコに集め、総量を1N塩酸でメチルオレンジに対して滴定する。
250mlの溶出液が24.5〜25mlの1N塩酸を消費するまで、アプライを続ける。試験が完了した後に、Na形の交換体の容積を測定する。
総容量(TC)=(X・25−ΣV)・2・10−2(交換体の1リットル当たりのモル単位で)
X=溶出液分画の数
ΣV=溶出液の滴定での1N塩酸のml単位での総消費量
[中央孔径の測定]
中央孔径および粒度分布は、特にDIN 66133によって明記されるように、Hg−ポロシメトリによって測定する。
[ビーズ径の測定]
先ず、撹拌容器に5リットルの脱塩水を満たし、撹拌機を100rpmの回転速度に設定する(図2を参照されたい)。
撹拌容器のメインコックを次に開き、空気泡が測定センサー中へ通ることがないよう注意を払う。
プログラム開始後に、全部で約1000個のイオン交換体ビーズを、約100個のビーズずつ撹拌容器に注意深く加える。
図2は、中央ビーズ径を測定するための測定装置を例として示す。
図2において、
X=脱塩水のための供給
Y=攪拌機
Z=オーバーフロー
R=測定センサー、HCB 250
A=溶出液
P=PMT 2120測定計数器
B=篩
R=パソコン
D=プリンター
B=遮断弁
T=キーボード
[マニュアル評価]
粒度分布のマニュアル描写は、粒度格子(例えばSelecta No.421 1/2 A4、Schleicher & Schuell)上に測定された篩画分の容積パーセントをプロットし、曲線を形成するために個々のプロット点を結ぶことによって行われる。
横座標:%単位の個々の篩での残留物合計
縦座標:mm単位の粒径
得られた曲線に対して、元の線のセグメントにできるだけ接近する直線を引く。これらの直線とそれぞれ90%および40%残留物についての垂線との交点は、mm単位の値を与える。
90%残留物についての値は有効粒径である。
40%残留物についてグラフから求められた値を有効粒径で割ると、均等係数が得られる。
先ず、撹拌容器に5リットルの脱塩水を満たし、撹拌機を100rpmの回転速度に設定する。PMT装置、電子データ処理装置およびプリンターを、次に、PMT−2120操作ハンドブックおよびPAMASソフトウェア(バージョン2.11)に従って操作する。
撹拌容器のメインコックを次に開き、空気泡が測定センサー中へ通らないよう注意を払う。
プログラム開始後に、全部で約1000個のイオン交換体ビーズを、約100個のビーズずつ撹拌容器に注意深く加える。これは結果の歪曲をもたらすので、多過ぎるビーズが検出器へ通らないよう注意を払う。加えて、ビーズ凝集が起こらないよう注意を払う。測定は一般に7〜10分を要する。
[計算]
a)オートマチック評価
プログラム終了後に、オートマチック評価が、粒度分布、有効粒径および均等係数の測定を始める。
b)マニュアル評価
粒度分布のマニュアル描写は、粒度格子(例えばSelecta No.421 1/2 A4、Schleicher & Schuell)上に測定された篩画分の容積百分率をプロットし、曲線を作るために個々のプロット点を結ぶことによって進行する。
横座標:%単位の個々の篩での残留物合計
縦座標:mm単位の粒径
得られた曲線に対して、元の線のセグメントにできるだけ接近する直線を引く。これらの直線とそれぞれ90%および40%残留物についての垂線との交点は、mm単位の値を与える。
90%残留物についての値は有効粒径である。
40%残留物についてグラフから求められた値を有効粒径で割ると、均等係数が得られる。
[水銀細孔容積の測定]
細孔容積を、特にDIN 66135に明記されるように、Hg−ポロシメトリによって測定する。
[実施例1]
1a)スチレン、ジビニルベンゼンおよびエチルスチレンをベースとする単分散マクロ多孔性ポリマービーズの製造
10リットルのガラス反応器に、3000gの脱塩水を装入し、320gの脱塩水中の10gのゼラチン、16gのリン酸水素二ナトリウム12水和物および0.73gのレゾルシノールの溶液を加え、混合した。混合物を加熱し、25℃に維持した。撹拌しながら、その後、3.6重量%のジビニルベンゼンおよび0.9重量%のエチルスチレン(80%ジビニルベンゼンを含むジビニルベンゼンとエチルスチレンとの市販の異性体混合物として使用される)、0.5重量%のジベンゾイルペルオキシド、56.2重量%のスチレンおよび38.8重量%のイソドデカン(ペンタメチルヘプタンの高い割合を有する工業的異性体混合物)の、狭い粒度分布を有する3200gのマイクロカプセル化モノマー液滴であって、マイクロカプセルがゼラチンおよびアクリルアミドとアクリル酸とのコポリマーのホルムアルデヒド硬化コンプレックス・コアセルベートからなるモノマー液滴と、12のpHを有する3200gの水相との混合物を加えた。モノマー液滴の中央粒径は260μmであった。
このバッチを、25℃に始まり、そして95℃で終わる温度プログラムに従った温度上昇によって撹拌しながら完結まで重合させた。バッチを冷却し、32μm篩上で洗浄し、その後80℃で真空乾燥させた。250μmの中央粒径、狭い粒度分布および滑らかな表面を有する1893gの球形ポリマーを生成した。
このポリマーはチョークのような白色外観を有し、約350g/lの嵩密度を有する。
1b)アミドメチル化ポリマービーズの製造
室温で、3467gのジクロロエタン、823.9gのフタルイミドおよび579.4gの29.6重量%濃度のホルマリンを装入した。この懸濁液のpHを、水酸化ナトリウム溶液を使用して5.5〜6に設定した。その後、水を蒸留によって除去した。次に、60.4gの硫酸を加えた。生じた水を蒸留によって除去した。バッチを冷却した。30℃で、255.2gの65%濃度の発煙硫酸、その後、42.4gのプロセス工程1a)により生成した単分散ポリマービーズを加えた。懸濁液を30℃でさらに2時間撹拌した。次に、30分の間に、さらなる382gのプロセス工程1a)により生成した単分散ポリマービーズを加えた。懸濁液を70℃に加熱し、この温度でさらに6.5時間撹拌した。反応液を離水し、脱塩水を加え、残存量のジクロロエタンを蒸留によって除去した。
アミドメチル化ポリマービーズの収量:2610ml
元素分析による組成:
炭素:74.9重量%;
水素: 4.8重量%;
窒素: 5.8重量%;
残り: 酸素。
1c)アミノメチル化ポリマービーズの製造
反応器で、825.2mlの50重量%濃度の水酸化ナトリウム溶液を、脱塩水で1560mlの総容積に構成した。これに、室温で2600mlの1b)からのアミドメチル化ポリマービーズを加えた。この懸濁液を180℃に2時間加熱し、この温度で8時間撹拌した。得られたポリマービーズを脱塩水で洗浄した。
収量:4200ml
元素分析による組成:
窒素:12.2重量%;
炭素:77.2重量%;
水素: 8.1重量%;
酸素: 3.1重量%
塩基性基の量の測定:樹脂の1リットル当たり2.31モル
アミノメチル化ポリマービーズの元素組成から、芳香環(スチレンおよびジビニルベンゼン単位に由来する)当たりの統計的平均で、1.25個の水素原子がアミノメチル基で置換されたと計算することができる。
1d)アミノメチルホスホン酸基を有するキレート樹脂の製造
反応器に、室温で234mlの脱塩水を装入した。これに、450mlの実施例1c)からのアミノメチル化ポリマービーズを加えた。その後、320.2gのジメチルホスファイトを15分で加えた。混合物をさらに30分間撹拌した。その後、懸濁液を60℃に加熱した。4時間の間に、815グラムの硫酸一水和物をこれに加え、その後、混合物を還流温度に加熱した。この温度で、次に、1時間の間に、367.5グラムの水性ホルムアルデヒド溶液(29.7重量%濃度)をこれに加えた。懸濁液を還流温度でさらに6時間撹拌した。その後、バッチを冷却した。得られたキレート樹脂を脱塩水で、篩上で洗浄し、次にガラスカラムへ移した。上部から、3時間で、3リットルの4重量%濃度の水性水酸化ナトリウム溶液をこれに加え、その後、カラムを3ベッド体積の脱塩水で再び洗浄した。
ナトリウム形での樹脂収量:1010ml
元素分析による組成:
窒素: 4.5重量%
リン:14.0重量%
中央ビーズ径:413μ
キレート基の量(総容量):3.39モル/l
中央孔径:75nm
元の状態での安定性:100%無傷ビーズ
ローラー試験後の安定性:97%無傷ビーズ
膨潤安定性試験後の安定性:99%無傷ビーズ
Figure 0005600541
[実施例2]
欧州特許出願公開第1 078 690 A2号明細書によるアミノメチルホスホン酸基を有するキレート樹脂(中央ビーズ径φ0.65mm±0.05mm)と比較した、アミノメチルホスホン酸基を有するキレート樹脂(中央ビーズ径0.41mm±0.05mm)を使用する30%濃度の塩化ナトリウム溶液からのカルシウム除去。
実験の説明:
蠕動ポンプを用いて、ブラインを、測定されるべき様々な粒径のイオン交換体上に連続的にポンプ送液した。
次の実験パラメーターをここでは考慮した:
供給濃度: 12mgCa/リットル
供給pH: 8.2
供給速度: 20BV/時
カラム温度: 60℃
破過濃度: 20μgCa/リットル
樹脂の使用量: 100ml
樹脂形: Na形
実験的構造については図1を参照されたい:
A= 300gのNaCl/リットルのブラインリザーバ容器;400リットル容量
B= 300gのNaCl/リットルのブラインリザーバ容器;400リットル容量
C= 蠕動ポンプ
D= TIC(70℃)
E= ADI(カルシウム滴定)
F= 廃水
G= QIR
H= LIC
J= ブライン混合容器600リットル
K= 加熱可能なプレフィルター(操作温度70℃)
L= 加熱可能な濾過カラム(操作温度60℃)
M= ブライン移動ビーカー/ブラインは収集容器へ蠕動ポンプを用いて移動させた
TIC=温度指示調節計
ADI=Metrohm製のADI 2040プロセス分析計の省略形
QIR=品質表示記録計(この場合Qは濾液中のCa/Mg含有率である)
LIC=調節器付きの標準指圧器
測光プロセス分析計を使用して、濾過された30%濃度のNaCl溶液中のカルシウム濃度を1時間毎に測定した。濾液中のカルシウム濃度が20μgのCa/リットルを著しく超えたときに実験を終了した。
この時点で達成された濾過容積および既知のカルシウム供給濃度に基づいて、樹脂のカルシウムに対する動的吸収容量と称されるものを、これらの実験条件に関して求めた。
結果:
標準粒径(φ0.65mm±0.05mm)でのカルシウムの動的吸収容量:12.3gのCa/リットル
濾液中のカルシウムの量が20ppbを超えるまでの、超濾過されたブラインの数/量(ベッド体積)およびキレート樹脂の負荷継続期間:53時間で1060ベッド体積
微細粒径(φ0.41mm±0.05mm)のカルシウムに対する動的吸収容量:24.1gのCa/リットル
濾液中のカルシウム量が20ppbを超えるまでの、超濾過されたブラインの数/量(ベッド体積)およびキレート樹脂の負荷継続期間:96.7時間で1935ベッド体積
本発明による微粒子のキレート樹脂は、欧州特許出願公開第1 078 690 A2号明細書による標準粒径の市販のLewatit(登録商標)Monoplus TP260よりも、96%高いカルシウムに対する動的吸収容量およびまた82%長い稼働時間を有する。
微粒子のキレート樹脂は大幅により長い稼働時間を示すので、大幅により稀にしか再生される必要がない。化学薬品および水の大幅な削減がもたらされ、こうして環境にやさしい方法への寄与をもたらす。
[実施例3]
アミノメチルホスホン酸基を有する実施例2に使用された2種のキレート樹脂の特性データの比較
Figure 0005600541
413μの中央ビーズ径を有するキレート樹脂は、650μの中央ビーズ径を有するキレート樹脂と比較して、樹脂安定性の損失を示すことなく、キレート樹脂の1リットル当たりのカルシウムのグラム単位でカルシウムに対して非常に著しくより高い吸収容量、濾液中のカルシウムの量が20ppbを超えるまでの時間単位のキレート樹脂の著しく長い負荷継続期間、著しくより高い総容量およびまた孔径の高い値を示す。

Claims (3)

  1. a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物およびまた少なくとも1種のポロジェンおよび少なくとも1種の開始剤または開始剤の組み合わせのモノマー液滴が、噴出原理またはシード供給原理によって反応させられて単分散架橋ポリマービーズを形成し、
    b)前記単分散架橋ポリマービーズの1〜15重量%のサブ部分を不活性溶媒中に存在するフタルイミドのSO3付加体へ導入し、35℃以下の温度で1〜15時間撹拌し、ここで、遊離SO3の量がフタルイミドの1モルを基準として0.28〜0.65モルであり、その後、ポリマービーズの残りの量を、不活性溶媒中に存在するフタルイミドのSO3付加体へ30〜75℃の温度で導入することによって、ポリマービーズがフタルイミドでフタルイミドメチル化され、
    c)前記フタルイミドメチル化ポリマービーズがアミノメチル化ポリマービーズに転化され、そして
    d)前記アミノメチル化ポリマービーズが反応させられてキレート官能基を有するイオン交換体を形成する
    ことを特徴とする、構造要素(I)
    Figure 0005600541
    {式中、
    Figure 0005600541
    はポリマー主鎖であり、R1およびR2、水素または
    Figure 0005600541
    の基であり、ただし、一分子中に平均で、置換度について、R およびR 1.4〜1.99(端値を含めて)が前記
    Figure 0005600541
    の基である}
    で表されるキレート官能基を有する単分散イオン交換体の製造方法。
  2. 構造要素(I)
    Figure 0005600541
    {式中、
    Figure 0005600541
    は、少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物に由来するポリマー主鎖であり、R1およびR2、水素または
    Figure 0005600541
    の基であり、ただし、一分子中に平均で、置換度について、R およびR 1.4〜1.99(端値を含めて)が前記
    Figure 0005600541
    の基である}
    のキレート官能基を有し、かつ、3.1〜3.9モル/lの総容量TCおよび70〜85nmの中央孔径を有する単分散イオン交換体。
  3. a)少なくとも1種のモノビニル芳香族化合物および少なくとも1種のポリビニル芳香族化合物およびまた少なくとも1種のポロジェンおよび少なくとも1種の開始剤または開始剤の組み合わせのモノマー液滴を、噴出原理またはシード供給原理によって反応させて単分散架橋ポリマービーズを形成する工程と、
    b)前記単分散架橋ポリマービーズの1〜15重量%のサブ部分を不活性溶媒中に存在するフタルイミドのSO3付加体へ導入し、35℃以下の温度で1〜15時間撹拌し、ここで、遊離SO3の量がフタルイミドの1モルを基準として0.28〜0.5モルであり、その後、ポリマービーズの残りの量を、不活性溶媒中に存在するフタルイミドのSO3付加体へ30〜75℃の温度で導入することによって、ポリマービーズをフタルイミドでフタルイミドメチル化する工程と、
    c)前記フタルイミドメチル化ポリマービーズをアミノメチル化ポリマービーズに転化する工程と、
    d)前記アミノメチル化ポリマービーズを、P−H酸化合物と組み合わせたホルマリンと懸濁液で反応させてキレート官能基を有するイオン交換体を形成する工程と
    によって得られる、請求項2に記載のキレート官能基を有する単分散イオン交換体。
JP2010218848A 2009-09-30 2010-09-29 キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法 Expired - Fee Related JP5600541B2 (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102009047848.5 2009-09-30
DE102009047848A DE102009047848A1 (de) 2009-09-30 2009-09-30 Verfahren zur verbesserten Entfernung von Kationen mittels Chelatharzen

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2011116944A JP2011116944A (ja) 2011-06-16
JP2011116944A5 JP2011116944A5 (ja) 2013-09-12
JP5600541B2 true JP5600541B2 (ja) 2014-10-01

Family

ID=43525178

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010218848A Expired - Fee Related JP5600541B2 (ja) 2009-09-30 2010-09-29 キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US8440730B2 (ja)
EP (1) EP2305381A3 (ja)
JP (1) JP5600541B2 (ja)
CN (1) CN102029201A (ja)
DE (1) DE102009047848A1 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102013105177A1 (de) 2013-05-21 2014-11-27 Fraunhofer-Gesellschaft zur Förderung der angewandten Forschung e.V. Verfahren zur Gewinnung metallischer Anteile sowie von metallabgereichertem Material aus metallhaltigen Materialien
EP3183275B1 (de) * 2014-08-20 2018-05-23 Lanxess Deutschland GmbH Sulfonierte, aminomethylierte chelatharze
DE102014221241A1 (de) * 2014-10-20 2016-04-21 Volkswagen Aktiengesellschaft Befeuchtungseinrichtung für ein Brennstoffzellensystem sowie Brennstoffzellensystem
DE112015005452T5 (de) 2014-12-05 2017-08-17 Blue Cube Ip Llc Laugenreinigungsverfahren
JP6738145B2 (ja) * 2015-12-22 2020-08-12 学校法人福岡大学 次亜塩素酸ソーダの製造方法及び次亜塩素酸ソーダの製造装置
CN110003376B (zh) * 2019-03-11 2021-09-28 西安蓝晓科技新材料股份有限公司 一种从含镍溶液中制备硫酸镍的螯合树脂制备方法
CN110980876A (zh) * 2019-11-21 2020-04-10 武汉百富环保工程有限公司 一种从钝化液中回收铜并回用铬的处理工艺
WO2022069389A1 (de) 2020-09-30 2022-04-07 Lanxess Deutschland Gmbh Neue chelatharze

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4382124B1 (en) 1958-07-18 1994-10-04 Rohm & Haas Process for preparing macroreticular resins, copolymers and products of said process
DE2418976C3 (de) 1974-04-19 1978-10-26 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur Herstellung von wasserunlöslichen Kunstharzen mit Anionenaustauscher-Eigenschaften
DE3031737A1 (de) 1980-08-22 1982-04-01 Bayer Ag, 5090 Leverkusen Verfahren zur herstellung von perlpolymerisaten einheitlicher teilchengroesse
CA1166413A (en) 1980-10-30 1984-05-01 Edward E. Timm Process and apparatus for preparing uniform size polymer beads
US4419245A (en) 1982-06-30 1983-12-06 Rohm And Haas Company Copolymer process and product therefrom consisting of crosslinked seed bead swollen by styrene monomer
US4818773A (en) 1983-02-24 1989-04-04 Rohm And Haas Company Alkylaminophosphonic chelating resins, their preparation and use in purifying brines
DE3704307A1 (de) 1987-02-12 1988-08-25 Dow Chemical Gmbh Komplexbildendes harz des geltyps und seine verwendung zur verringerung der konzentration mehrwertiger erdalkali- und/oder schwermetallionen in loesungen
US5231115A (en) 1991-12-19 1993-07-27 The Dow Chemical Company Seeded porous copolymers and ion-exchange resins prepared therefrom
DE4328075A1 (de) * 1993-08-20 1995-02-23 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung schwachbasischer Anionenaustauscher und dafür geeigneter Reagenzien
US5710593A (en) 1996-01-22 1998-01-20 Tektronix, Inc. SCH phase adjustment for digitally synthesized video test signals
EP1078690B1 (de) * 1999-08-27 2011-10-12 LANXESS Deutschland GmbH Verfahren zur Herstellung von monodispersen Ionenaustauschern mit chelatisierenden Gruppen
DE10121163A1 (de) * 2001-04-30 2002-10-31 Bayer Ag Verfahren zur Herstellung heterodisperser Chelatharze
DE10353534A1 (de) * 2003-11-14 2005-06-16 Bayer Chemicals Ag Chelataustauscher
DE102006034659A1 (de) * 2006-07-24 2008-02-21 Lanxess Deutschland Gmbh Ionenaustauscher zur Gewinnung von Wertmetallen
DE102007034733A1 (de) * 2007-07-23 2009-01-29 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zur Herstellung monodisperser Chelatharze
DE102007034732A1 (de) * 2007-07-23 2009-01-29 Lanxess Deutschland Gmbh Verfahren zur Herstellung von Chelatharzen

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011116944A (ja) 2011-06-16
US20110089116A1 (en) 2011-04-21
US8440730B2 (en) 2013-05-14
DE102009047848A1 (de) 2011-03-31
CN102029201A (zh) 2011-04-27
EP2305381A2 (de) 2011-04-06
EP2305381A3 (de) 2011-09-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5600540B2 (ja) キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法
JP5600541B2 (ja) キレート樹脂を用いるカチオンの改善された除去方法
US6649663B1 (en) Process for preparing monodisperse ion exchangers having chelating functional groups and the use thereof
US8562922B2 (en) Picolylamine resins
US8177982B2 (en) Method of producing monodisperse chelate resins
TWI428289B (zh) 供吸收含氧陰離子之離子交換劑之調節
JP2001089524A (ja) チオ尿素基をもった新規単一分散型の交叉結合したビーズ状重合体を製造する方法、および金属化合物の吸着に対するその使用
RU2754099C2 (ru) Гранулированные полимеры на основе функционализированного кватернизированным диэтилентриамином полиакрилата, способ их получения, применение этих полимеров и способ удаления оксоанионов из водных и/или органических растворов
US8563622B2 (en) Picolylamine resins
JP2007533789A (ja) キレート交換樹脂
US20130245140A1 (en) Chelate resins
JP2002363216A (ja) ヘテロ分散性キレート樹脂の製造方法
JP5604527B2 (ja) メチレンアミノエチルスルホン酸キレート樹脂
KR20230078679A (ko) 신규 킬레이트 수지
RU2681852C2 (ru) Новые, легированные алюминием, содержащие группы иминодиуксусной кислоты хелатообразующие смолы
JP2007533578A (ja) 硫酸の精製方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130725

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130725

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140224

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140520

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140626

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140722

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5600541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees