JP5599521B2 - 調和振動によって励起された振動子をリセットするための制御ユニットおよび装置、ならびにヨーレートセンサ - Google Patents

調和振動によって励起された振動子をリセットするための制御ユニットおよび装置、ならびにヨーレートセンサ Download PDF

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Description

本発明は、調和振動によって励起された振動子の変位をリセットするための制御ユニット、そのような制御ユニットを含む装置、特に回転速度センサ、ならびに制御ユニットを動作させるための方法、およびそのような制御ユニットを製造するための方法に関する。
従来の制御方法は、一定、またはゆっくりとだけ変化する、コマンド変数に関連する問題を制御するために適合する方法であり、外乱によって影響される制御されたプロセス変数の値は、所定の設定点に近い値に維持される、または変化する設定点に可能な限り近い値にそれぞれ更新される。たとえばコリオリ力の解析のための微小機械回転速度センサのような幾つかの用途は、振動子であって、静止した場合においては、その共振周波数で振動する振動子の変位をリセットするための制御ループを提供する。そのようなコマンド変数としての調和振動を有する制御ループのための制御器は、従来、制御器が、コマンド変数に対応する調和振動を除いて、可能な限りほとんど運動しないように、振動子を励起している調和力信号が補償されるように設計されている。
通常、このフィードバック制御問題は、図1A〜図1Dに示された解決策によって解決される。図1Aは、機械振動子190のような被制御システムを有する装置100に関し、機械振動子の並進変位または回転変位は、センサ170によって捕捉される。振動子190は、励起方向に沿って移動可能であり、共振角周波数ωで振動可能であるように、それぞれ支持または懸架される。励起方向に沿って、調和力信号Fが振動子190に作用する。センサ170からの測定信号出力が、励起方向に沿った振動子190の運動を再現する。振動子190の運動は、振動子190の共振角周波数ωでの共振振動であって、力振幅F(外乱)によって変調された共振振動を含む。
測定信号(システム出力信号)は、復調器122を有する制御ユニット120に供給される。復調器122において、システム出力信号は、振動子190の共振角周波数ωに等しい周波数ωの調和信号に乗算され、システム出力信号のベースバンドバージョン、およびさらなる周波数変換積が形成される。ローパスフィルタ124は、より高い周波数成分、特に振動子190の二倍共振周波数2・ωの周波数成分を減衰させる。ベースバンド信号は、制御器126に供給され、該制御器は、ベースバンドにおいて動作し、該制御器の設計および数値決定には、確立された制御器設計方法を適用することができる。制御器126は、たとえば連続PI制御器であり、その積分構成要素によって、一定のコマンド変数の場合、高精度の安定位置を達成することができる。
制御器125の出力信号は、変調器128において、振動子190の共振角周波数ωに等しい周波数ωの調和信号に乗算される(変調される)。変調積は、アクチュエータ180に、制御信号として供給され、アクチュエータは、制御信号に応じて、振動子190の変位の反対方向に働く力を振動子190に力を及ぼす。制御されるべき振動子190の伝達関数は、共振角周波数ωと、振動子の減衰sと、振幅Aと、アクチュエータ、振動子190、およびセンサ170によって形成されるシステム無駄時間Tとを用いて、式(1)によって与えられることができる。
Figure 0005599521
以下においては、振動子190の減衰sは、共振角周波数よりも非常に小さいs<<ωこと、および振動子190は、調和力信号Fであって、振動子の共振角周波数ωによる励起振動を変調する振幅をそれぞれ重畳する力振幅を有する調和力信号によって、全て一緒に励起されることを仮定する。
Figure 0005599521
図1Aのアクチュエータ180、振動子190、センサ170は、その結果、図1Bに従って、加算点191、および伝達関数G(s)を有するシステムとして示すことができ、加算点191において、制御ユニット120によって生成された制御信号は、調和力信号Fに加算され、伝達関数G(s)は、式(1)に従って、加算信号に作用する。
ローパスフィルタ124であって、2・ωにおける周波数変換積を減衰させるために、振動子の二倍共振角周波数における、既に十分な減衰を示す必要があるローパスフィルタは、制御器の帯域幅、したがって力振幅Fの変化に対する反応速度を制限する。
図1Cは、伝達関数G(s)を有する連続PI制御器の出力における、出力信号u(t)を概略的に示す。制御器入力における一定の入力信号x(t)が、制御器出力における時間に比例した傾きu(t)を生成する。
増幅因子Kおよび積分動作係数Kを有する連続PI制御器に対して、ステップ応答u(t)を、入力信号としてのステップ信号σ(t)から、式(3)に従って得る。
Figure 0005599521
伝達関数G(s)は、σ(t)のL変換および式(3)によって、式(4)から得られる。
Figure 0005599521
積分構成要素から生じるs=0における極は、連続PI制御器に特徴的なものである。PI制御器は、1次の被制御システムであって、式(5)に従うシステム関数G(s)、システムパラメータK、および境界角周波数ωを有する1次の被制御システムに関連して用いられる。
Figure 0005599521
その結果、制御器パラメータ増幅因子K、および積分動作係数Kは、通常、システム関数G(s)における極(システム極)が、制御器の伝達関数G(s)の零点(制御器零点)によって補償されるように選択される。式(4)および(5)の係数を等しいと見なすことは、式(6)に従う関係によって与えられる、制御器パラメータに対する条件を与える。
Figure 0005599521
式(6)は、増幅因子Kの積分動作係数Kに対する比だけを決定する。システム伝達関数G(s)と制御器伝達関数G(s)との積は、補正された開ループの伝達関数G(s)を与える。式(5)に従うシステム極および式(4)に従う制御器零点が相殺するので、補正された開ループの伝達関数は、式(7)に従う関係によって与えられる。
Figure 0005599521
補正された開ループ周波数応答から、閉ループの安定性特性を、ナイキスト基準を介して推定することができる。補正された開ループの積分特性によって、20db/decadeで下降する絶対値特性を得る。位相は、ナイキスト基準の適用が、通常、制限される正の周波数に対して、常に−90°に等しい。位相特性は、奇関数であり、周波数0において、負の周波数に対する+90°から正の周波数に対する−90°への、180°の跳びを有する。閉ループに対する伝達関数G(s)は、一般に、式(8)に従う補正された開ループに対する伝達関数G(s)から得られる。
Figure 0005599521
式(8)から、補正された開ループの軌跡が、0≦ω<∞に対して、点−1を囲まず、点−1を通過もしないときにだけ、その結果、閉ループに対する伝達関数G(s)は安定であるということになる。これに等価な1つの条件が、補正された開ループの絶対値特性の0dbの線を介した転移において、補正された開ループの位相が−180°よりも大きいという条件である。上述の場合において、位相は、−90°で一定であるので、したがって、閉ループは、増幅因子Kの選択に依存することなく、常に安定である。
補正された開ループの絶対値特性の0dbの線を介した転移における周波数から、閉ループの帯域幅を推定することができる。増幅因子Kを介して、絶対値周波数応答は、縦座標に沿って移動させられることができ、したがって、0dbの線を介した転移、およびそれから得られる帯域幅が影響されることができる。
図1Dは、1次の被制御システムであって、境界角周波数ω=2・π・100Hzと、システムパラメータK=ωと、PI制御器であって、制御器零点がシステム極を補償するように選択され、増幅因子がK=1であるPI制御器とを有する1次の被制御システムの一例を示し、左欄の上から下において、被制御システム、制御器、補正された開ループ、および閉ループの絶対値周波数応答を示し、右欄の上から下において、被制御システム、制御器、補正された開ループ、および閉ループの位相周波数応答を示す。左下の図から、閉ループの絶対値周波数応答が3db減少した周波数によって規定される開ループの帯域幅が、近似的に、100Hzに等しいことがわかる。
標準的なPI制御器の使用は、比較的一定である共通変数を前提とし、その理由により、ほとんど一定の周波数の調和共通変数が制御されるべき用途は、復調器、および下流のローパスフィルタの使用を必要とし、該復調器および該ローパスフィルタは、調和入力信号から、対応するベースバンド信号を生成する。
本発明の課題は、静止した場合において調和的に振動する振動子の、外乱によってもたらされる変位、たとえば回転速度センサの移動可能に支持されたユニットのうちの1つの変位をリセットするための改善された制御器の概念を提供することである。この課題は、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、各従属請求項から得られる。
以下において、本発明の実施形態、それらの機能性、およびそれらの有利性が、図面を参照して説明される。実施形態の要素は、それらが互いを排除しない限りにおいて、一緒に組み合わせることができる。
調和的に励起された振動子と振動子の変位を初期化するための制御ユニットとを有する、技術水準に従う装置の略ブロック図である。 図1Aに従う装置の図式モデルである。 ベースバンドにおいて動作される連続PI制御器の伝達関数である。 技術水準に従う制御ユニットの動作を示すための、連続PI制御器の周波数応答図である。 調和コマンド変数のための連続PI制御器と無駄時間要素とを有する制御ユニットに関する、一実施形態に従う制御ユニットを有する装置の略ブロック図である。 図2Aに従うPI制御器の伝達関数を概略的に示す。 図2Aに示された制御ユニットの周波数応答図を概略的に示す。 調和コマンド変数のための離散PI制御器および無駄時間要素を有する離散PI制御器に向けられた一実施形態に従う制御ユニットを有する装置の略ブロック図である。 図3Aの制御ユニットの伝達関数を概略的に示す。 図3Aに示された制御ユニットの動作の説明のための周波数応答図を概略的に示す。 一実施形態に従ってベースバンドに変換された、図3Aの制御ユニットの簡単化されたブロック図である。 固有値特定による制御器パラメータの決定を含む、制御ユニットの製造方法の一実施形態に従って数値決定された離散制御ユニットの周波数応答略図である。 コマンド変数のための離散PI制御器、およびバンドパスに同様に働く制御器拡張を有する制御ユニットに関する一実施形態に従う制御ユニットを有する装置の略ブロック図である。 図4Aに従う制御器拡張の伝達関数を概略的に示す。 図4Aに従う制御器拡張の動作を説明するための周波数応答図である。 本発明の別の実施形態に従う回転速度センサの微小機械部分の略上面図である。 図5Aの回転速度センサの微小機械部分の略断面図である。 図5Aおよび図5Bに従う回転速度センサの略ブロック図である。 本発明のさらなる実施形態に従う回転速度センサの微小機械部分の略上面図である。 回転速度センサの動作方法の簡単化されたプロセスフローダイヤグラムである。 回転速度センサの製造方法の略プロセスフローダイヤグラムである。
図2Aに示された実施形態は、制御ユニット220を有する装置200に関し、前記制御ユニットは、積分動作係数Kを有する積分伝達素子222と、増幅因子Kを有する比例伝達素子222とを有する調和コマンド変数のためのPI制御器225を含む。調和コマンド変数のためのPI制御器225は、制御器入力における一定振幅の調和振動であって、ステップ関数で振幅変調された調和振動から、制御器出力における同一の周波数および時間に比例する振幅を有する調和振動を生成する。
図2Bは、正弦波変調されたステップ関数信号x(t)の、時間比例振幅を有する調和出力信号u(t)への、PI制御器の伝達関数GR0(s)による変換を示す。上述のPI制御器の振る舞いは、後述するような制御器パラメータK,Kの数値決定を必要とする。
式(3)と同様に、式(9)は、制御器出力信号u(t)と、x(t)=σ(t)に対する制御器入力信号x(t)との間の関係を与える。
Figure 0005599521
制御器出力信号u(t)および制御器入力信号x(t)のラプラス変換は、式(9a)および(9b)から得られる。
Figure 0005599521
したがって、調和コマンド変数のためのPI制御器の伝達関数GR0(s)は、式(10)から得られる。
Figure 0005599521
連続PI制御器225の特徴は、一般化された積分構成要素から生じるs=±jωにおける共役複素極である。制御器入力における周波数ωの調和振動に対して、PI制御器225は、制御器出力における位相シフトを生成しない。したがって、任意の位相に調整するために、制御ユニット220は、追加的に、無駄時間要素226であって、制御器無駄時間Tを有し、PI制御器225と直列である無駄時間要素を含む。したがって、制御ユニット220の制御器伝達関数G(s)は、式(11)から得られる。
Figure 0005599521
制御器パラメータK,Kは、式(11)に従う制御器伝達関数における制御器零点が、式(1)に従うシステム伝達関数における共役複素数システム極を補償するように選択される。制御器パラメータK,Kの決定のための式(1)および式(11)の係数を等しいと見なすことによって、式(12a)および(12b)を得る。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、振動子190の減衰sおよび応答角周波数ωは、s<<ωが満たされ、したがって、式(12b)が非常に良い近似で満たされるように選択される。式(12a)から、積分動作係数Kの増幅因子Kに対する比の数値決定規則としての式(12c)が得られる。
Figure 0005599521
補正された開ループの伝達関数G(s)は、システム伝達関数G(s)と制御器伝達関数G(s)との積から得られる。共役複素数システム極および共役複素数制御器零点は、式(12b),(12c)に従う適切な数値決定によって相殺するので、補正された開ループの伝達関数G(s)は、式(13)から得られる。
Figure 0005599521
従来のPI制御器を用いるフィードバック制御によって、補正された開ループの位相周波数応答における+90°から−90°への位相ジャンプが、周波数ω=0において発生する。それに対して、調和コマンド変数のために設計されたPI制御器において、180°の位相ジャンプが周波数ωにおいて発生するが、該位相ジャンプは、+90°と−90°との間である必要はない。したがって、一実施形態に従って、制御器無駄時間Tは、たとえば制御器パラメータを式(14a)に従って数値決定することによって、180°の位相ジャンプが可能な限り正確にωにおいて発生するように選択される。
Figure 0005599521
システム無駄時間Tだけによってωにおいて生成される位相は90°よりも小さく、その結果、180°の位相比は、反転制御器によって生成されることもできる。この場合、制御器無駄時間Tおよびシステム無駄時間Tによって、ωにおいて生成される位相は、それぞれ、単に、π/2に加えられなければならない。その結果、制御器無駄時間Tに対する数値決定規則は、以下の式になる。
Figure 0005599521
補正された開ループの周波数応答から、補正された開ループの安定性特性を、ナイキスト基準を介して推定することができる。補正された開ループは、一般化された積分器、およびシステム無駄時間Tと制御器無駄時間Tとの組み合わせから成る。式(14a)または式(14b)に従う制御器無駄時間Tの適切な数値決定によって、周波数ωにおける位相特性は、より低い周波数ω<ωに対する+90°と、より高い周波数ω>ωに対する−90°との間の180°ジャンプを有する。閉ループの伝達関数G(s)は、再び式(8)に従って、補正された開ループG(s)のうちの1つから得られる。
Figure 0005599521
制御器無駄時間Tが式(14a)に従って決定されたとき、補正された開ループの軌跡が、0≦ω<ωに対して、点−1を包囲も通過もしない場合、閉ループは、厳密に、その結果、安定である。
それに対して、制御器無駄時間Tが式(14b)に従って決定され、かつPI制御器225が180°の位相を生成するとき、その結果、負の実軸における補正された開ループの軌跡が、−1よりも大きい値から始まる場合、閉ループは、厳密に、その結果、安定である。
区間0≦ω<ωにおいて、絶対値特性は、ゲインクロスオーバー周波数における0dBラインと交差し、ゲインクロスオーバー周波数におけるωまでの周波数距離は、閉ループの帯域幅を決定する。増幅因子Kを介して、絶対値周波数応答、および、したがって、ゲインクロスオーバー周波数は、閉ループの、得られる帯域幅が調整可能であるように、縦座標に沿って、シフトされることができる。一実施形態に従って、増幅因子Kは、安定性規準によって与えられる範囲内で、帯域幅が最大となるように選択される。
図2Cは、システムパラメータが以下のとおりである一実施形態に対する、被制御システム、制御器、および補正された開ループの絶対値周波数応答を、左欄の上から下において示し、被制御システム、制御器、および補正された開ループの位相周波数応答を、右欄において示す。
Figure 0005599521
制御器零点は、システム極が補償されるように選択される。システム無駄時間によって生成される、ωにおける位相が90°より小さいので、180°の位相比は、制御器におけるマイナス符号(反転制御器)によって実現されることができる。増幅因子K=−1/10に対して、積分動作係数Kが式(12c)から得られ、制御器無駄時間Tが式(14b)からT=π/4・ωとして得られる。
得られる閉ループの帯域幅は、およそ500Hzに達し、ベースバンドにおいて動作される従来のPI制御器の比較例における帯域幅よりも明らかに大きい。
図2Aに示された装置は、振動子190と、制御ユニット220とを含む。振動子190は、質量であり、該質量は、励起方向に沿って移動可能であり、励起方向に沿って共振角周波数ωで振動することができる。たとえば外乱の受付がなく、静止した場合、振動子190は、共振角周波数ωを有する並進振動または回転振動を行う。この振動への力振幅によってもたらされる変位は抑制される。センサ170は、振動子190の運動を捕捉して、測定信号を出力し、該測定信号は、励起方向に沿った振動子190の変位全体を再現する。測定信号は、制御ユニット200に対する制御器入力信号に対応する。制御ユニット220は、制御器入力信号から、制御器出力信号を生成して、該制御器出力信号を、アクチュエータ180に出力する。アクチュエータ180は、振動子190の、力信号Fによってもたらされる変位に対抗して作用し、振動子190が、一定の振幅を有し、共振角周波数ωを有する調和振動を行うように、これらの変位をそれぞれ補償する。
制御ユニット220は、調和コマンド変数のためのPI制御器225を有し、PI制御器は、増幅因子Kを有する比例伝達要素224、および積分動作係数Kを有する積分伝達要素を含む。積分動作係数Kおよび増幅因子Kは、PI制御器225の制御器伝達関数の零点、および振動子190を記述するシステム伝達関数の共役複素極が、s平面において補償するように選択される。
一実施形態に従って、励起方向における変位に関する振動子190の減衰sは、振動子190の共振振動数ωよりも非常に小さく、積分動作係数Kの増幅係数Kに対する比は、秒の逆数の単位で、近似的に、減衰sに対応する。さらに、増幅因子Kは、得られる帯域幅が、それぞれの安定性要求に対して、可能な限り高いように選択されることができる。その結果、積分動作係数Kは、式(12c)に従って、減衰sおよび増幅因子Kに依存して選択される。
一実施形態に従って、アクチュエータ180、振動子190、およびセンサ170から形成されるシステムは、システム無駄時間Tを有し、制御ユニット220は、制御器無駄時間Tを有し、PI制御器225に連続的に動作する無駄時間要素226を有する。この制御器無駄時間Tは、振動子290の共振振動数ωに依存して選択され、システム無駄時間Tは、周波数ωにおける補正された開ループの位相周波数応答が、+90°から−90°に、より高い周波数に向う位相ジャンプを有するように選択される。
この実施形態の第1の変形例に従って、調和コマンド変数のためのPI制御器は、符号を反転させず、制御器無駄時間Tは、共振角周波数ωと、システム無駄時間Tおよび制御器無駄時間Tの和との積が、結果として、3π/2の値を有するように選択される。この実施形態の別の変形例に従って、PI制御器は、符号を反転させ、位相を180°だけそれぞれシフトする。制御器無駄時間Tおよびシステム無駄時間Tによってもたらされる、共振角周波数ωにおける、位相は、共振角周波数ωと、システム無駄時間Tおよび制御器無駄時間Tの和との積が、結果として、π/2の値を有するように、単に、π/2を加算するだけである。
制御ユニット220は、より高い周波数変換積を減衰させるためのローパスフィルタを必要とする、ベースバンド変換を提供しないので、制御器220は、かなり広い帯域を有して形成されることができる。制御ユニット220は、ベースバンド変換を提供する比較の制御器よりも速く外乱に反応する。
図3A〜図3Eは、制御器220が、調和コマンド変数のための離散PI制御器325であって、増幅因子Kを有する離散比例伝達要素324、および積分動作係数Kを有する離散積分伝達要素322を備える離散PI制御器を有する一実施形態に関する。一実施形態に従って、センサ170からのアナログ測定信号は、サンプリング時間Tを有するサンプリングユニット321によってサンプリングされ、離散PI制御器325のためのデジタル入力信号に変換される。別の実施形態に従って、センサ170は、デジタル測定信号を既に出力する。
アクチュエータ180、振動子190、およびセンサ170を含むシステムが、システム無駄時間Tを有する一実施形態に従って、制御ユニット220は、制御器無駄時間Tを有する離散PI制御器325と直列に配置される、無駄時間要素326を含む。以下において、システム無駄時間Tおよび制御器無駄時間Tは、式(16a)および(16b)に従って、サンプリング時間Tの倍数として表される。
Figure 0005599521
この過程において、制御器無駄時間Tは、補正開ループが、共振角周波数ωにおいて、+90°および−90°から、より高い周波数に向う位相ジャンプを有するように決定される。
一実施形態に従って、積分動作係数Kの増幅因子Kに対する比は、制御器伝達関数の制御器零点が、s平面内のシステム伝達関数の共役複素システム極を補償するように調整される。別の実施形態に従って、制御器パラメータは、等価ベースバンドシステムの閉ループの伝達関数が、二重実固有値を有するように選択される。制御ユニット220は、たとえば、デジタル回路、たとえばASIC(特定用途向け集積回路)、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)として実現される。
図3Bは、図3Aに従う調和コマンド変数のための離散PI制御器325のz伝達関数GR0(z)を示す。伝達関数GR0(z)は、PI制御器325が、ステップ関数σ(k)で変調された調和振動を含む入力信号x(k)から、同一周波数の、時間比例振幅を有する調和振動を、式(17)によって表されるような制御器出力信号u(k)として生成するように決定される。
Figure 0005599521
入力関数X(z)および出力関数U(z)は、式(18a)および(18b)に従うz変換から得られる。
Figure 0005599521
その結果、調和コマンド変数のための離散PI制御器325の伝達関数GR0(z)は、(18c)から得られる。
Figure 0005599521
一般化された積分部分によって、そのような離散PI制御器は、
Figure 0005599521
における極を有し、入力における周波数ωの調和振動について、出力における位相シフトを生成しない。それにもかかわらず任意の位相を調節できるようにするために、制御ユニット220は、一実施形態に従う、遅延βを有する無駄時間要素326を備える。その結果、無駄時間要素326および離散PI制御器325を有する、制御ユニット220の制御器伝達関数G(z)は、式(19)から得られる。
Figure 0005599521
式(1)に従う連続被制御システムのモデルは、それに応じて、離散化されなければならない。この目的のために、式(1)に従う被制御システムの伝達関数G(s)において、システム無駄時間Tは、最初は、式(16a)に従うサンプリング時間Tの倍数として表される。
Figure 0005599521
一般に、伝達関数G(s)を有する連続被制御システムの、離散化モデルのステップ伝達関数G(z)は、式(21)に従って算出されることができる。
Figure 0005599521
式(21a)〜式(21e)の省略形を用いると、振動子190に対するステップ伝達関数G(z)は、式(20)、および式(22)に従う式(21)から得られる。
Figure 0005599521
本発明の一実施形態に従って、制御器無駄時間Tは、補正開ループの位相周波数応答が、共振角周波数ωにおいて、+90°から−90°に、より高い周波数に向う位相ジャンプを有するように決定される。補正開ループに対するz伝達関数は、式(13)と同様に、式(20)に従うシステム伝達関数G(z)と、式(19)に従う制御器伝達関数G(z)との乗算から得られる。
Figure 0005599521
式(14a)および(14b)と同様に、制御器パラメータβは、補正開ループG(z)の伝達関数が、共振角周波数ωにおいて、+90°から−90°への位相ジャンプを有するように選択される。
Figure 0005599521
式(14a)と比較すると、連続制御器に関する1/2ωTの追加的部分があることがわかり、該追加的部分は、遅延を表し、追加的半サンプリング周期の離散化に遡ることができる。システム無駄時間β・Tおよび離散化によって生成される位相シフトが、ωにおいて、それぞれ90°よりも小さく、離散化、制御器無駄時間β・T、およびシステム無駄時間β・Tによって生成される位相は、単に、合計でπ/2になる必要があるという条件で、連続制御器の場合と同様に、180°の位相ジャンプは、制御器におけるマイナス符号から生成されることができる。したがって、βに対する数値決定規則は、この場合、式(24b)から得られる。
Figure 0005599521
式(24a)および(24b)は、通常、βに対する非積分値を導く。一般に、制御器パラメータβは、式(25)に従って、積分部分nと、α>1での、残りの部分1/αとを有する。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、積分部分nは、nによって表される長さに応じた遅延チェインによって近似されることができ、サンプリング周期の一部1/αは、式(26)に従う1次のオールパスフィルタによって近似されることができる。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、オールパスフィルタのパラメータαは、厳密な伝達関数
Figure 0005599521
の位相、および式(26)に従うオールパス近似の位相が、共振角周波数ωにおいて、可能な限り一致するように選択される。これらの条件から、オールパスフィルタのパラメータαに対する条件式として、式(27)を得る。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、αは、式(28)に従う関数の零点が縮小区間を介して決定されるように、決定される。
Figure 0005599521
式(25)および(28)に従うnおよびaの決定は、さらなる制御器パラメータKおよびKを決定する方法とは独立である。
制御ユニットの製造方法であって、図3Aに従う離散PI制御器325の数値決定を含む制御ユニットの製造方法の一実施形態に従って、離散PI制御器325の増幅因子Kおよび積分動作係数Kは、式(19)に従う制御器伝達関数G(z)の制御器零点が、式(22)に従うシステム伝達関数G(z)の共役複素システム極を補償するように選択される。式(19)および(22)のzについての係数を等しいと見なすことは、式(29)に従う数値決定規則を導く。
Figure 0005599521
についての係数を等しいと見なすことは、式(30)に従う数値決定規則を導く。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、振動子190の減衰sおよびサンプリング時間Tは、(31a)および(31b)に従う近似が十分に厳密であるように、s・T<<1が成立するように選択される。
Figure 0005599521
式(31a)および(31b)に従う近似を用いると、式(29)および(30)に従う2つの独立な数値決定規則は、式(32)に従う単一の数値決定規則によって近似することができる。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、積分動作係数Kの増幅因子Kに対する比は、振動子の減衰sに等しく設定される、または、ほぼ等しく設定される。上述の方法に従う離散PI制御器325の数値決定であって、制御器零点によるシステム極の補償を含む数値決定は、閉ループの良い基準作用を導く。
制御ユニットの製造方法であって、離散PI制御器325の数値決定を含む方法の別の実施形態に従って、積分動作係数Kおよび増幅因子Kは、離散PI制御器325、および振動子190の離散ベースバンドモデルから形成されるシステムに対する適切な固有値特定によって決定される。この目的のために、最初に、式(1)の振動モデルG(s)に等価であるベースバンドモデルG´(s)が仮定される。
Figure 0005599521
式(33)に従う等価ベースバンドのパラメータは、ω=0におけるG´(s)の絶対値が、ω=ωにおけるG(s)の絶対値に一致するように、式(34)に従って決定される。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、振動子190は、ω>>sが成立し、パラメータAおよびA´の間の関係が、良い近似において、式(35)によって与えられるように実現される。
Figure 0005599521
等価ベースバンドモデルG´(s)の離散化のために、式(21)と同様に、式(36)が得られる。
Figure 0005599521
式(33)および(36)から、式(37)に従う等価離散化ベースバンドモデルを得る。
Figure 0005599521
図3Dは、式(37)に従う、振動子190の離散化ベースバンドモデル190a、および、図3Aに従う、調和コマンド変数のための離散PI制御器325の制御器モデル325aであって、機能的サブユニットを有する制御器モデルを示す。制御器モデル325aの出力信号は、離散化バースバンドモデル190aの入力信号に、戻って結合されている。制御器モデル325aの機能的サブユニットは、完全または部分的に、ハードウエアだけによって、たとえば集積回路、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、ASIC(特定用途向け集積回路)、もしくはDSP(デジタルシグナルプロセッサ)によって実現され、たとえばDSP、もしくはコンピュータに実装されるソフトウエアだけによって実現され、またはハードウエアとソフトウエアとの組み合わせによって実現されることができる。
図3Dに示された離散化ベースバンドモデル190aおよび制御器モデル325aを有するシステムは、式(38a)および(38b)に従う状態モデルによって記述される。
Figure 0005599521
行列式det(z・Φ)の算出は、式(39b)に従う本システムの特性多項式を導く。
Figure 0005599521
式(39b)に従う特性多項式の零点の算出は、被制御システムの固有値λ,λを与え、それに対して特性多項式は、一般に、式(40)に従う形式において与えられることができる。
Figure 0005599521
式(39b)および(40)の係数を等しいと見なすことによって、予め決定されるべき、固有値λおよびλに依存する制御器係数が、式(41a)および(41b)から得られる。
Figure 0005599521
式(41a)および(41b)は、式(42a)および(42b)を導き、それらから制御器モデル325aの制御器係数rおよびrが、等価離散化ベースバンドモデルのパラメータおよび予め決定された固有値から決定されることができる。
Figure 0005599521
図3Aに従う制御ユニット220の増幅因子Kおよび積分動作係数Kは、図3Dの制御器モデル325aの制御器係数rおよびrから、式(43a)および(43b)に従って決定される。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、固有値λ,λは、ベースバンドシステムの過渡振動過程が、等価バンドパスシステムの過渡振動過程の包絡線を良い近似で記述するような、あまりに高い力学要請もなく、予め決定される。この過程において、ベースバンド設計のバンドパスへの伝達性は、近似的にだけ、成立し、制御器無駄時間によって、バンドパスバンドシステムに対する位相調整は、ベースバンドシステムに関して、追加的な無駄時間として作用し、該追加的な無駄時間は、制御器設計において考慮されていない。この理由により、固有値をあまりに高い力学要請をもってプリセットするとき、等価ベースバンドシステムは安定であるが、ベースバンドシステムは不安定になり得る。しかしながら、ナイキスト安定性基準を参照することによって、バンドパスバンド設計の安定性は、予め決定された固有値に対して、任意の時間において推定することができる。
制御器の数値決定方法が、固有値のプリセットを提供するとき、2つの固有値の相互に対する位置も、その結果、予め決定される。これとは反対に、相殺されたシステム極が閉ループにおける固有値として残り、通常は低い振動子の減衰において、高い時定数を導くような、極/零点補償による調和コマンド変数のためのPI制御器の数値決定において、2つの固有値の相互に対する位置の強い偏差が発生し得る。実際には、キャンセルされた固有値は、応答に何ら影響しないが、摂動によって励起されることができ、長く持続するフェーディング過程をもたらすことができる。これとは反対に、固有値プリセットを介した設計は、両方の固有値を、近似的に同じ桁にプリセットすること、および、したがって、摂動的振る舞いの好ましい影響を可能にする。一実施形態に従って、2つの固有値は、等しい値に設定される、あるいは、より大きい固有値に対して最大10%の偏差を有する、近似的に等しい値に設定される。
以下の例示的実施形態は、上述の設計方法であって、以下のパラメータを有する被制御システムのためのPI制御器325のための設計方法を示す。
Figure 0005599521
システム無駄時間によって共振周波数ωにおいて生成される位相は90°より小さいので、180°の位相比が、反転制御器(制御器における負符号)によって実現される。制御器無駄時間βTに対して、式(44)に従う数値決定規則が、その結果、式(24b)から得られる。
Figure 0005599521
極/零点補償による離散PI制御器325の数値決定を提供する方法に従って、増幅因子Kは、図2Cに示された例と同様に、たとえばK=−1/10に設定される。積分動作係数Kは、その結果、式(32)から、K・T=―2.8274・10−7となる。
図3Cは、左欄の上から下において、被制御システム、制御器、補正された開ループ、および閉ループの周波数応答の絶対値を示し、右欄において、算出された例示的実施形態の、対応する位相周波数応答を示す。閉ループの周波数応答から、およそ500Hzの、3dBの範囲の帯域幅を読み取ることができる。
反対に、離散PI制御器325が、固有値プリセットによって数値決定されるとき、固有値は、たとえば、等価ベースバンドシステムが二重実固有値λ=λ=0.98を有するように、等しく大きい値に、絶対値に従って、決定される。その結果、式(42a)および(42b)から、制御器係数r=0.14004655、およびr=1.41471261・10−3が得られる。位相調整のために必要な負符号を考慮して、離散PI制御器325の増幅因子Kおよび積分動作係数Kの値は、K=−0.14004655、およびK・T=−1.41471261・10−3となる。
図3Eは、上の図において、そのような離散PI制御器を介して制御されたバンドパスバンドシステムのステップ応答を実線として示し、等価ベースバンドシステムのステップ応答を点線として示し、等価ベースバンドシステムのステップ応答は、近似的に、離散PI制御器のステップ応答の包絡線の上側分岐に対応する。左下に閉バンドパスバンドシステムの周波数応答、および、すぐ隣に、対応する位相周波数応答が示されており、それらから、たとえば閉ループの帯域幅を読み取ることができる。
図4A〜図4Cは、制御ユニット320が、制御器拡張328であって、PI制御器、および図3Aに従う無駄時間要素326と直列に配置された制御器拡張を有する一実施形態に関する。以下において、制御器拡張328の構造が、ベースバンドのためのアナログ制御器拡張から推定される。
たとえば振動子190は、共振角周波数ωの他に、ωの共振角周波数より大きいまたは小さい機械構造共振のような、さらなる共振を有することができる。制御器拡張328は、これらのさらなる共振がより強く減衰されるように形成される。この目的を達成するために、1次の遅延要素(PT要素)であって、所望の帯域幅を超えるキンク周波数におけるさらなる極を有する遅延要素が、通常のベースバンドにおけるPI制御器に追加されるであろう。この追加的制御器極は、制御器がもはや高周波数のための比例制御器として動作していないことをもたらすが、その絶対値周波数が、20db/decadeで低下することをもたらす。ベースバンドにおけるそのような拡張のステップ応答y(k)は、式(45)に従う入力信号u(k)としてのステップ関数σ(k)から得られる。
Figure 0005599521
入力信号u(k)のz変換U(z)は、ステップ信号のz変換に対応する。
Figure 0005599521
出力信号y(k)のz変換Y(z)は、式(46b)から得られる。
Figure 0005599521
したがって、式(10)と同様に、そのようなベースバンドにおける制御器拡張の伝達関数GRE0(z)を得る。
Figure 0005599521
一実施形態に従って、バンドパスバンドにおける制御器拡張328は、今やベースバンドにおける制御器拡張と同様に、制御器拡張328が、共振角周波数ωの調和振動であって、同一周波数の調和振動を有するステップ関数によって変調された調和振動の受付に対して応答するように構成され、ベースバンド拡張のステップ応答は、図4Bの右側に示されているように、包絡線を規定する。
図4Bは、符号変調されたステップ関数u(k)の、符号振動を有する出力信号への変換を示し、該出力信号の包絡線は、バンドパスバンドにおける離散制御器拡張の伝達関数GRE0(z)に従うステップ応答から得られる。伝達関数GRE(z)を有する、バンドパスバンドにおける制御器拡張328の入力信号は、式(48)から得られる。
Figure 0005599521
制御器出力信号y(k)は、調和振動であり、該調和振動の包絡線は、ベースバンドにおけるPT制御器拡張のステップ応答に対応する。
Figure 0005599521
U(z)およびY(z)のz変換は、式(50a)および(50b)から得られる。
Figure 0005599521
バンドパスバンドのための制御器拡張328の伝達関数GRE(z)は、式(51)から得られる。
Figure 0005599521
伝達関数GRE(z)を有する制御器拡張328は、中央バンド周波数としての共振周波数ωを有する1次のバンドパスと同様に、離散PI制御器325に直列に作用する。式(52)に従う共振角周波数ω付近の狭い領域内の共振角周波数ωにおける、補正された開ループの絶対値および位相は不変である。
この領域において、補正された開ループの絶対値周波数応答は、ほとんど影響されないが、この領域の外部では、可能な不所望の共振が低下させられるように、絶対値のかなりの低下が発生する。図4Cは、式(51)に従う伝達関数GRE(z)を有する、T=1/(2・π・1000Hz)に対する制御器拡張についての、絶対値周波数応答および位相周波数応答を示す。
図5A〜図5Cは、さらなる実施形態に従う微小機械回転速度センサ500に関する。回転速度センサ500は、第1ばね要素541に懸架された、励起ユニット590、たとえば励起フレームを含む。第1ばね要素541は、励起ユニット590を、接続構造551に結合させ、接続構造551は、図5Bに示された支持基板550に固定的に接続されている。ばね要素541は、励起ユニット590の、支持基板550に関する励起方向501に沿った変位を、わずかだけ減衰させる。第2ばね要素542を越えて、検知ユニット580は、励起ユニット590に結合され、励起ユニット590に関して、励起方向501に垂直な検知方向502に主に沿って、移動可能である。励起方向501および検知方向502は、支持基板550の表面に平行する。第1および第2ばね要素541,542は、たとえば小さな断面積を有するビーム様構造であり、結合されるべき各構造の間に形成される。
一実施形態に従って、回転速度センサ500は、たとえば静電力伝達装置およびセンサである第1力伝達ユニットおよびセンサユニット561,571を含み、第1力伝達ユニットおよびセンサユニットは、励起ユニット590と検知ユニット580とから形成されるシステムを励起して、励起方向501に沿って振動させる、および/または励起ユニット590の対応する変位を捕捉することができる。回転速度センサ500は、たとえば静電力伝達装置およびセンサである第2力伝達ユニットおよびセンサユニット562,572をさらに含み、第2力伝達ユニットおよびセンサユニットは、検知ユニット580に作用する、および/または検知ユニットの変位を捕捉することができる。一実施形態に従って、第2力伝達ユニットおよびセンサユニット562,572のうちの少なくとも1つは、外乱によって生じる、または、閉ループシステムの場合、測定された変数によって生じる、検知ユニット580の変位に対抗して作用する。
回転速度センサ500の動作中、第1力伝達およびセンサユニット561,571は、たとえば励起ユニット590を、励起方向510に沿った振動に励起し、検知ユニットは、近似的に、励起ユニット590と同じ振幅および位相を有して移動する。配置が基板面に垂直な軸のまわりに回転されたとき、コリオリ力が、励起ユニットおよび検知ユニット580に作用しており、それは、検知ユニット580を、励起ユニット590に関して、励起方向502において変位させる。第2力伝達およびセンサユニット562,572は、検知ユニット580の変位、および、したがって、基板面に垂直な軸のまわりの回転運動を捕捉する。
一実施形態に従って、力伝達およびセンサユニット561,572,562,572のうちの少なくとも1つは、アクチュエータとして作用し、励起ユニット590および検知ユニット580のいずれか一方は、前述の装置200のうちの1つの意味における、振動子として作用する。
図5Cに示された回転速度センサ500の一実施形態に従って、たとえば第1力伝達およびセンサユニット561,571は、励起ユニット590を励起して、励起方向501に沿って共振角周波数ωで振動させる。前述の議論に従う制御ループにおいて、検知ユニット580の検知方向502(x2振動子)に沿った振動は、その結果、たとえば前述したような調和力信号に対応することができる。
x2振動子の変位は、励起ユニット590上に形成される共通移動可能電極に関する変化を介して、捕捉されることができる。該変化は、接続構造551を介して捉えられる。電荷増幅ユニット521は、捉えられた信号を増幅する。通常、復調ユニットは、たとえば共振角周波数ωに対応する振動を有する捉えられた信号を、それが制御ユニットに供給される前に変調し、本発明の実施形態は、非復調調和信号を、上述の意味の範囲内の測定信号として、前の議論に従う制御ユニット520に供給することを提供する。
振動に対して有効である減衰sは、共振角周波数ωよりもかなり小さい。励起フレームおよび励起ユニットをそれぞれ越えて捉えられた信号は、検知方向501に沿った励起ユニット590の運動を部分的に再現する。起源が回転速度センサの外部であり得る外乱、または、閉ループシステムにおける、測定変数は、それぞれ、振動を重ね合わせ、その振幅を変調する。制御ユニット520は、変調された調和信号から、第2力伝達およびセンサユニット562,572のための制御信号を推定し、該制御信号は、これらが、外乱または測定変数によってもたらされる変位に対抗して作用することをもたらす。増幅ユニット522は、制御信号を、第2力伝達およびセンサユニット562,572のための適切なリセット信号に変換する。制御ユニット520は、前述の制御ユニット220のうちの1つに従って、形成かつ数値決定される。調和信号の振幅変調が測定変数を再現するとき、共振周波数ωを有する調和制御信号の復調によって回転速度信号を生成する復調ユニットが、提供されることができる。
図6に示された回転速度センサ505は、励起ユニット590と検知ユニット580との間に配置されたコリオリユニット585によって、図5Aに示された回転速度センサ500と異なる。コリオリユニット585を励起ユニットに結合させる第2ばね要素542は、コリオリユニット585の、検知方向502における、励起ユニット590に相対的な変位を可能にする。支持基板550に部分的に接続されることができる第3ばね要素543は、検知ユニット580が検知方向502に沿ったコリオリユニット585の運動に追随することができるが、励起方向501における運動には追随できないように、検知ユニット580をコリオリユニット585に結合させる。検知ユニット580は、励起方向501に関して、固定されており、検知方向502に沿って移動可能である。
別の実施形態に従って、第1または第2の力伝達およびセンサユニット561,572,562,572のうちの少なくとも1つは、アクチュエータとして作用し、励起ユニット590もしくは検知ユニット580、または励起ユニット590および検知ユニット580は、前述の装置のうちの1つに従う振動子として作用し、それらは、バンドパス制御器の原理に従って動作される。この過程において、力伝達およびセンサユニット561および571は、x1振動子のための力伝達およびセンサユニットとしてそれぞれ作用し、力伝達およびセンサユニット562および572は、x2振動子のための力伝達およびセンサユニットとしてそれぞれ作用する。
別の実施形態に従う回転速度センサは、図5Aまたは図6に示されたような配置のうちの2つを含み、それらは、励起ユニットが、静止状態において互いに反対方向の振動を行うように、互いに結合されている。他の実施形態は、図5Aまたは図6に示されたような配置のうちの4つを有する回転速度センサに関し、それらは、励起ユニットのうちの、どの2つも、静止状態において反対方向の振動を行うように、互いに結合されている。
さらなる実施形態は、図2A、図3A、および図4Aに示されたような制御ユニット220に関する。制御ユニット220は、少なくとも1つの調和コマンド変数のためのPI制御器225,325を含み、少なくとも1つの調和コマンド変数のためのPI制御器は、その上に、比例伝達要素224,234、および比例伝達要素224,234に並列に配置された積分伝達要素222,322を有し、制御ユニット220の制御ユニットは、伝達要素222,224,322,324の両方に接続されている。調和コマンド変数のためのPI制御器225,325の伝達関数は、s平面内の制御器角周波数ω、またはz平面内の
Figure 0005599521
において、共役複素極を有し、Tは離散PI制御器325の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは0より大きい。
この目的のために、積分伝達要素222,322の積分動作係数、および比例伝達要素224,324の増幅因子は、調和コマンド変数のためのPI制御器225,325が、制御器入力におけるステップ関数によって変調された制御器角周波数ωの調和入力信号を制御器入力において受付けたとき、制御器角周波数ωの調和振動を制御器出力において生成することに適するように選択される。
調和コマンド変数のためのPI制御器225,325は、従来の静止コマンド変数のためのPI制御器から導出される制御器とされることもでき、s平面内またはz平面内のそれぞれにおける極の位置によって、従来の静止コマンド変数のためのPI制御器と異なる。
図7Aは、回転速度センサを動作させる方法に関する。回転速度センサの動作中、センサは、測定信号を生成し、該測定信号は、振動子(702)の変位を再現する。制御ユニットは、測定信号から、アクチュエータのための制御信号を生成し、該アクチュエータは、共振角周波数ω0を有する調和振動(704)からの振動子の変位の偏差に対抗して作用する。制御ユニットは、この目的を達成するために、比例伝達要素、および比例伝達要素と並列に配置された積分伝達要素を有し、制御ユニットの制御器入力は、両方の伝達要素に接続されている。PI制御器の伝達関数は、s平面内の振動子の共振角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
Figure 0005599521
における極を有する。ここで、TはPI制御器の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは0より大きい。
図7Bは、回転速度センサの製造方法に関する。前記方法は、制御ユニットであって、比例伝達要素、および比例伝達要素と並列に配置される積分伝達要素を有するPI制御器を有する制御ユニットを数値決定することを含み、制御ユニットの制御器入力は、両方の伝達要素に接続される。PI制御器は、伝達関数を備え、該伝達関数は、s平面内の振動子の共振角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
Figure 0005599521
における極を有し、Tは、PI制御器の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは、0より大きい。制御器角周波数ωは、この工程において、制御器角周波数ωが回転速度センサ(754)の振動子の共振角周波数に等しいように選択される。この目的を達成するために、積分伝達要素の積分動作係数、および比例伝達要素の増幅係数は、PI制御器が、ステップ関数によって変調された共振角周波数ωの調和入力信号を制御器入力において受付けたとき、増大する振幅を有する角共振周波数ωの調和振動を制御器出力において生成することに適するように選択される。

Claims (18)

  1. 制御ユニット(220)であって、比例伝達要素(224,324)、および比例伝達要素(224,324)と並列に配置される積分伝達要素(222,322)を有するPI制御器(225,325)を含み、制御ユニット(220)の制御器入力が、両方の伝達要素(222,224,322,324)に接続される制御ユニットにおいて、
    PI制御器(225,325)の伝達関数が、s平面内の制御器角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
    Figure 0005599521
    における極を有し、TはPI制御器(225,325)の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは0より大きいことを特徴とする制御ユニット。
  2. 積分伝達要素(222,322)の積分動作係数、および比例伝達要素(224,324)の増幅因子は、PI制御器(225,325)が、ステップ関数によって変調された制御器角周波数ωの調和入力信号を制御器入力において受付けたとき、増大する振幅を有する制御器角周波数ωの調和振動を制御器出力において生成することに適するように選択されることを特徴とする、請求項1に記載の制御ユニット。
  3. 移動可能に支持された振動子(190)であって、励起方向に沿った共振角周波数ωを有する振動へ励起可能な、移動可能に支持された振動子と、
    請求項2記載の制御ユニット(220)であって、制御器角周波数ωが共振角周波数ωに等しい制御ユニットと、を含む装置。
  4. 積分動作係数および増幅因子は、PI制御器(225,325)の伝達関数の零点が、振動子(190)の伝達関数の極を補償するように選択されることを特徴とする、請求項3に記載の装置。
  5. PI制御器は、連続PI制御器(225)であり、
    積分動作係数の増幅因子に対する比は、励起方向における振動子(190)の減衰sに等しいことを特徴とする、請求項3または4に記載の装置。
  6. 振動子(190)を含む被制御システムが、システム無駄時間Tを有し、
    制御ユニット(220)は、PI制御器(225)と直列に、制御器無駄時間Tを有する無駄時間要素(226)を含み、
    PI制御器(225)は反転制御器であり、共振角周波数ωと、システム無駄時間Tおよび制御器無駄時間Tとの積がπ/2に等しい、または
    PI制御器(225)は非反転制御器であり、共振角周波数ωと、システム無駄時間Tおよび制御器無駄時間Tとの積が3π/2に等しいことを特徴とする、請求項5に記載の装置。
  7. PI制御器は、離散PI制御器(325)であり、該離散PI制御器は、サンプリング時間Tを有するサンプリングから生じる離散入力信号を受付可能であり、
    振動子(190)は、励起方向における減衰sを有し、
    積分動作係数の増幅因子に対する比は、比s:(1−s・T)に等しいことを特徴する、請求項3または4に記載の装置。
  8. PI制御器は、離散PI制御器であり、該離散PI制御器は、サンプリング時間Tを有するサンプリングから生じる離散入力信号を受付可能であり、
    積分動作係数および増幅因子は、等価ベースバンドシステムの閉ループの伝達関数が二重実固有値を有するように選択されることを特徴とする、請求項3または4に記載の装置。
  9. 振動子(190,590)を含む被制御システムが、システム無駄時間β・Tを有し、
    制御ユニット(220)は、制御器無駄時間β・Tを有する無駄時間要素(326)を、離散PI制御器(325)と直列に、含み、
    離散PI制御器(325)は反転制御器であり、共振角周波数ωと、システム無駄時間β・T、制御器無駄時間β・T、および半サンプリング時間T/2の和との積がπ/2に等しい、または
    離散PI制御器(325)は非反転制御器であり、共振角周波数ωと、システム無駄時間β・T、制御器無駄時間β・T、および半サンプリング時間T/2の和との積が3π/2に等しいことを特徴とする、請求項7または8に記載の装置。
  10. PI制御器(225,325)と直列に配置され、共振角周波数ωにおいて中央周波数を有するバンドパスとして動作する制御器拡張によって特徴付けられる、請求項3〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 帯域幅1/Tを有する、制御器拡張(328)の伝達関数GRE(z)が、以下の式によって決定されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
    Figure 0005599521
  12. 前記装置は、回転速度センサ(500,505)であり、前記振動子は、回転速度センサ(500,505)の、励起ユニット(590)、コリオリユニット(585)、または検知ユニット(580)であり、
    励起ユニット(590)は、力伝達装置(561)によって励起方向に沿って変位可能であり、共振角周波数ωを有する振動に適しており、
    コリオリユニット(585)は、コリオリユニット(585)が励起方向に沿った励起ユニット(590)の運動に追随し、かつコリオリユニット(585)が励起方向に垂直な検知方向に沿って追加的に移動可能であるように、励起ユニット(590)に取り付けられており、
    検知ユニット(580)は、
    検知ユニット(580)が、励起方向に沿った励起ユニット(590)の運動に追随し、励起方向に垂直な検知方向に沿って追加的に移動可能である、または
    検知ユニット(580)が、励起方向に垂直な検知方向に沿ったコリオリユニット(585)の運動に追随し、励起方向に沿って固定される、
    ように励起ユニット(590)、もしくはコリオリユニット(585)に取り付けられることを特徴とする、請求項3〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 移動可能に支持された振動子(190)であって、励起方向において、共振角周波数ωを有する振動に励起可能な、移動可能に支持された振動子と、
    制御ユニット(220)であって、比例伝達要素(224,324)、および比例伝達要素(224,324)と並列に配置された積分伝達要素(222,322)を有するPI制御器(225,325)を含み、制御ユニット(220)の制御器入力が両方の伝達要素(222,224,322,324)に接続される制御ユニットと、
    を含む回転速度センサにおいて、
    PI制御器(225,325)の伝達関数が、s平面内の共振角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
    Figure 0005599521
    における極を有し、TはPI制御器(225,325)の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは0よりも大きいことを特徴とする方法。
  14. 振動子は、励起ユニット(590)であり、該励起ユニットは、力伝達装置(561)によって励起方向に沿って変位可能であり、共振角周波数ωを有する振動に適していることを特徴とする、請求項13に記載の回転速度センサ。
  15. 回転速度センサを動作させる方法であって、
    振動子(190)の変位を再現するセンサ(190)によって測定信号を生成することと、
    アクチュエータ(180)のための制御器信号を測定信号から生成することであって、アクチュエータ(180)は、振動子(190)の、共振角周波数ωを有する調和振動からの偏差に対抗して作用し、制御器信号は、制御ユニット(220)を用いて、測定信号から推定され、制御ユニット(220)は、比例伝達要素(224,324)、および比例伝達要素(224,324)と並列に配置された積分伝達要素(222,322)を有するPI制御器(225,325)を含み、制御ユニット(220)の制御器入力が、両方の伝達要素(222,224,322,324)に接続されている、アクチュエータのための制御器信号を測定信号から生成することと、
    を含む方法であって、
    PI制御器(225,325)の伝達関数が、s平面内の共振角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
    Figure 0005599521
    における極を有し、TはPI制御器(225,325)の離散入力信号のサンプリング時間であることを特徴とする方法。
  16. 制御ユニット(220)であって、比例伝達要素(224,324)、および比例伝達要素と並列に配置された積分伝達要素(222,322)を有するPI制御器(225,325)を含み、制御ユニット(220)の制御器入力が両方の伝達要素(222,224,322,324)に接続される制御ユニットを数値決定すること、を含む回転速度センサの製造方法において、
    PI制御器(224,325)は、s平面内の制御器角周波数ωにおける共役複素極、またはz平面内の
    Figure 0005599521
    における極を有し、TはPI制御器(225,325)の離散入力信号のサンプリング時間であり、ωは0よりも大きく、積分伝達要素(222,322)の積分動作係数、および比例伝達要素(224,324)の増幅因子は、PI制御器(225,325)が、ステップ関数によって変調された制御器角周波数ωの調和入力信号を制御器入力において受付けたとき、増大する振幅を有する制御器角周波数ωの調和振動を制御器出力において生成することに適するように選択され、
    制御器角周波数ωは、制御器各周波数ωが回転速度センサの励起ユニット(590)の共振角周波数ωに等しいように選択されることを特徴とする回転速度センサの製造方法。
  17. 積分動作係数および増幅因子は、PI制御器の伝達関数の零点が、励起ユニット(590)の伝達関数の極を補償するように選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. PI制御器は、離散PI制御器(325)であり、該離散PI制御器は、サンプリング時間Tのサンプリングから生じる離散入力信号を受付可能であり、
    積分動作係数、および増幅因子は、等価ベースバンドシステムの閉ループの伝達関数が二重実固有値を有するように選択されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
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