JP5599325B2 - 映像伝送装置 - Google Patents

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この発明は、例えば、所定の停車所間を移動する移動体内で撮影された映像データを、その移動体の停車中にネットワークを介して地上システムに伝送する映像伝送装置に関するものである。
一般的に移動体に搭載された映像伝送装置から地上システムへ映像データを伝送する際、IPプロトコルが用いられており、例えば移動体としての列車の客室や通路や扉の監視を行うための映像監視システムにおいても、IPネットワークをベースとした構成が導入されている。このような映像監視システムは、IPネットワークに対応した監視カメラと車上記録装置により構成され、監視カメラで撮影した映像データをIPネットワークを介して車上記録装置に記録するようにしている。車上記録装置では、異常が発生しなければ古い映像データから新しい映像データが上書きされ、異常が発生すると記録映像データの必要な箇所を検索して持ち出すようにして運用されている。このような車上記録装置は、例えば複数の列車に分散して設置されている上に、列車が遠隔地に移動した後や運行中の場合もあって、映像データの収集に手間がかかり、映像データを一元管理することができない。
そこで、列車等に搭載された監視カメラの映像データを車上−地上ネットワーク経由で駅舎や車両基地等の地上システムに伝送し、地上システム側でも保持するシステムを想定する。単純には、車上記録装置と地上システム側の地上記録装置に同時に映像データを伝送するシステムが考えられるが、列車が走行中の場合は、広域無線回線を使用する必要があり、回線使用料等のコスト面から現実的に使用するのは困難である。一方、車上−地上ネットワークとして、駅等に設置された無線ネットワーク(ミリ波、無線LAN)を用いて、列車が駅に停車中に車上記録装置に記録された映像データを伝送する方法が開示されている。例えば、特許文献1によれば、車上記録装置に映像データを記録する際に、全映像データに対して重要度のランク付けを行っておき、重要度のランク順に映像データを伝送することで、重要度の高い映像データを優先的に地上システムに伝送するよう構成されている。
特開2010−28754号公報
しかしながら、特許文献1の映像伝送装置は、伝送対象の映像データが大容量の場合、移動体の停車所における停車時間中に、伝送対象の映像データを全て伝送することができないという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、必要な映像データを移動体の停車所における停車時間中に全て伝送させることができる映像伝送装置を提供することを目的とする。
この発明に係る映像伝送装置は、所定の停車所間を移動する移動体に搭載され、該移動体内を撮影する撮影部と、撮影部で撮影された映像データを記録パラメータを用いて記録する記録部と、移動体の運行情報を管理する運行管理部と、無線ネットワークとの通信接続を制御し、無線ネットワークの帯域情報を記録する通信制御部と、移動体の移動開始時に運行管理部からの運行情報と通信制御部に記録された帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量で映像データを記録するための条件である記録パラメータを算出し、その記録パラメータを用いて記録部に記録された映像データを、移動体の停車所における停車時に記録部から抽出して、無線ネットワークを介して地上システムへ伝送する伝送制御部とを備えたものである。
この発明に係る映像伝送装置によれば、所定の停車所間を移動する移動体に搭載され、該移動体内を撮影する撮影部と、撮影部で撮影された映像データを記録パラメータを用いて記録する記録部と、移動体の運行情報を管理する運行管理部と、無線ネットワークとの通信接続を制御し、無線ネットワークの帯域情報を記録する通信制御部と、移動体の移動開始時に運行管理部からの運行情報と通信制御部に記録された帯域情報を用いて、移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量で映像データを記録するための条件である記録パラメータを算出し、その記録パラメータを用いて記録部に記録された映像データを、移動体の停車所における停車時に記録部から抽出して、無線ネットワークを介して地上システムへ伝送する伝送制御部とを備えて構成したことにより、停車予定時間中に伝送可能なデータ量で伝送対象の映像データを地上システムへ伝送することができる。その結果、必要な映像データを移動体の停車所における停車時間中に全て伝送させることができる。
この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置を用いた映像監視システムの構成を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置の処理動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置における映像データの記録条件を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置を搭載した移動体の運行状態を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置で用いる運行情報(運行管理テーブル)と帯域情報(帯域テーブル)の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置の処理動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置で生成される運行管理テーブルと帯域テーブルの一例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置で生成される伝送可能データ量テーブルの一例を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置で生成される映像データの記録条件を示す図である。 この発明の実施の形態2に係る映像伝送装置で生成される記録パラメータテーブルを示す図である。 この発明の実施の形態3に係る映像伝送装置の処理動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の処理動作を示すフロー図である。 この発明の実施の形態4に係る映像伝送装置の他の処理動作を示すフロー図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係る映像伝送装置を用いた映像監視システムを示している。映像監視システム1は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置10と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、移動体の停車所における停車時に無線ネットワーク30を介して通信可能に接続されるよう構成されている。
監視装置20は、無線通信制御部21と地上記録部22が地上ネットワーク20aを介して接続され構成されている。監視装置20は、例えば駅、車両基地、監視センター等として地上にそれぞれ設置され、無線通信制御部21により映像伝送装置10からの映像データを受信し、受信した映像データを地上記録部22に記録するよう機能する。ここでは監視装置20が、移動体が停車する所定の停車所に設置されているものとして説明する。なお、監視装置20は、外部のネットワーク20bを介して図示しない外部機器へ映像データを提供できるよう構成されている。
映像伝送装置10は、鉄道車両としての列車、路線バス等の路線上の所定の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部15がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。
監視カメラ11は、移動体に設置され移動体内を撮影する撮影部として機能する。監視カメラ11は、例えば移動体としての列車の各車両内に設置され客室や通路や扉周辺の映像を撮影し、撮影した映像データを出力する。
車上記録部12は、監視カメラ11で撮影された映像データを記録するよう機能し、例えば記録媒体としてHDD(Hard disk drive)やSSD(Solid State Drive)が使用されている。
また、車上記録部12は、映像データの記録パラメータとして予め設定された固定値の映像記録条件を記憶しており、伝送制御部15からの要求に応じて映像記録条件を出力する。
運行管理部13は、移動体の停車所毎の到着時刻と出発時刻を示す運行情報を管理するよう機能する。運行管理部13は、例えば運行情報として予め移動体が停車する停車所毎に到着予定時刻と出発予定時刻を記憶しており、図示しない移動体の運転制御装置等から列車の到着、出発を示す状態情報とその時刻を取得して実際の到着時刻と実際の出発時刻も記録する。運行管理部13は、伝送制御部15からの要求に応じて到着予定時刻、出発予定時刻、実際の到着時刻、実際の出発時刻を運行情報として出力する。
無線通信制御部14は、映像伝送装置10内の車上ネットワーク10aと監視装置20の地上ネットワーク20aとの間の無線ネットワーク30を介した通信接続を制御するよう構成されている。無線通信制御部14は、例えば車上ネットワーク10aと無線ネットワーク30が通信接続可能か判定し、通信接続可能であると判定した場合に車上ネットワーク10aと無線ネットワーク30の通信接続を行う。
また、無線通信制御部14は、移動体の停車所毎に、無線ネットワーク30を介して監視装置20の地上ネットワーク20aとの通信接続を行う際、無線ネットワーク30の伝送帯域を確認し、この伝送帯域を用いて単位時間当たりに伝送できるデータ量を示す帯域情報を生成する。
伝送制御部15は、移動体が停車所に到着したタイミングで、運行管理部13からの運行情報と無線通信制御部14からの帯域情報を用いて、移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量(伝送可能データ量)を算出し、その伝送可能データ量に基づき車上記録部12から伝送対象映像データを抽出して、移動体の停車所における停車時に無線ネットワーク30を介して監視装置20へ伝送するよう機能する。
伝送制御部15は、例えば運行管理部13から移動体が停車所に到着したことを示す信号とその到着時刻(実際の到着時刻)及び出発予定時刻を取得して運行管理テーブルとして記録し、無線通信制御部14から帯域情報を取得して帯域テーブルとして記録する。伝送制御部15は、到着時刻と出発予定時刻を用いて停車予定時間を算出し、停車予定時間と帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量(伝送可能データ量)を算出する。また、伝送制御部15は、現在の停車所における到着時刻と前停車所で映像データを伝送した時の到着時刻を元にして、前停車所に到着した時以降に車上記録部12で記録した伝送対象映像データの記録時間を算出し、映像データの記録時間と車上記録部12に予め記録された映像記録条件を用いて伝送対象データ量を算出する。また、伝送制御部15は、伝送可能データ量と伝送対象データ量を用いて、伝送対象映像データを伝送可能なデータ量で出力するためのデータ量削減率を算出する。伝送制御部15は、前停車所に到着した時以降に車上記録部12で記録した伝送対象映像データに対してデータ量削減率を用いてデータ量削減処理を行い、データ量削減処理後の映像データを無線ネットワーク30を介して監視装置20へ伝送する。
次に、図2から図5を用いて実施の形態1の映像伝送装置10の処理動作を説明する。図2は実施の形態1の映像伝送装置10の処理動作のフローを示している。図3は予め設定された映像記録条件である。図4は移動体の運行状態を示しており、図5は図4のB駅停車時における運行情報と帯域情報を示している。ここでは、映像伝送装置10が移動体としての列車に搭載され、監視装置20が列車の停車所として各駅に配置されている例を示す。以下、映像伝送装置10の処理動作を以下の3フェーズに分けて説明する。
(1)フェーズ1:列車走行時
(2)フェーズ2:列車B駅到着時
(3)フェーズ3:列車B駅停車中
(1)フェーズ1
映像伝送装置10は、例えば列車の運転開始時に電源を投入されることで処理動作を開始し、監視カメラ11が列車の各車両内の客室や通路や扉周辺の映像を撮影して映像データを出力すると、車上記録部12が車上ネットワーク10a経由で接続された監視カメラ11からの映像データを常時記録する(ステップST101)。監視カメラ11と車上記録部12は、列車の運転開始以降フェーズ2,3においても、この処理動作を継続する。
このとき、映像伝送装置10には、例えば図3に示すような映像データの映像記録条件31が予め設定されており、車上記録部12に記憶されている。映像記録条件31としては、映像伝送装置10内に接続された監視カメラ11の台数を示す接続カメラ台数、映像データを記録する際の圧縮方式を示す映像記録形式、映像サイズ、1フレーム当たりの記録容量(記録容量/フレーム)、記録フレームレートが設定されており、ここでは接続カメラ台数が「8台(ch)」、映像記録形式が「JPEG(Joint Photographic Experts Group)」、映像サイズが「640×480」、記録容量/フレームが「31kB(kilo Bytes)/f(frame)」、記録フレームレートが「2fps(frame per second)/ch」と設定されている。この設定の場合、車上記録部12は、1分間に29760kB(960フレーム)の映像データを常時記録し、車上記録部12におけるHDDの容量が1TBであれば約560時間分の映像データを記録することができる。なお、車上記録部12は、HDDの容量いっぱいに映像データが記録された場合、記録時刻の最も古い映像データから順次上書きを行うことで、列車運行中に入力された映像データを常時記録するようにしている。
(2)フェーズ2
ここで、映像伝送装置10を搭載した列車は、運行を開始すると、図4に示すように時刻t0にA駅に到着して停車状態S1となり時刻t1にA駅を出発する。列車は走行状態S2となり時刻t2にB駅に到着する。
映像伝送装置10の運行管理部13は、列車がB駅に到着し、図示しない列車の運転制御装置等から列車が到着して停車状態S1となったことを示す状態情報とその時刻t2を取得すると、列車がB駅に到着した信号とともにその到着時刻t2及び出発予定時刻t3を伝送制御部15へ出力する。
伝送制御部15は、運行管理部13から列車がB駅に到着した信号とともに到着時刻t2及び出発予定時刻t3が入力されると、その到着時刻t2及び出発予定時刻t3を記録する(ステップST102)。
無線通信制御部14は、列車がB駅に到着すると、例えばB駅に設けられている無線ネットワーク30と車上ネットワーク10aとの通信接続を行い、その際、無線ネットワーク30の伝送帯域を確認し、単位時間当たりに伝送できるデータ量を示す帯域情報を生成する。
伝送制御部15は、無線通信制御部14から無線ネットワーク30の帯域情報を取得し、記録する(ステップST103)。このとき、伝送制御部15は、運行開始から取得した運行情報と帯域情報に基づき、図5に示すような運行管理テーブル51と帯域テーブル52を生成して記録する。運行管理テーブル51は、A駅到着時刻t0が「09:00:00」、A駅出発時刻t1が「09:02:00」、B駅到着時刻t2が「09:05:00」、B駅出発予定時刻t3が「09:07:00」であることを示している。帯域テーブル52は、A駅到着時において接続した無線ネットワーク30の帯域情報W(t0)が「5Mbps(bits per second)」、B駅到着時において接続した無線ネットワーク30の帯域情報W(t2)が「5Mbps」であることを示している。
伝送制御部15は、運行管理テーブル51に記録したB駅(現駅)における到着時刻t2「09:05:00」と出発予定時刻t3「09:07:00」の差分から停車予定時間「120秒」を算出する。伝送制御部15は、算出した停車予定時間と帯域テーブル52に記録したB駅(現駅)における帯域情報W(t2)を下記式(1)のように乗算して伝送可能データ量を算出する(ステップST104)。
伝送可能データ量=帯域情報 × 停車予定時間
=5Mbps × 120s
=600Mb=75000kB ・・・(1)
ただし、ここでは無線ネットワーク30の伝送可能帯域を100%使用できるものとする。
伝送制御部15は、運行管理テーブル51に記録したB駅(現駅)における到着時刻t2「09:05:00」とA駅(前駅)における到着時刻t0「09:00:00」の差分を求め、前回伝送時としてのA駅(前駅)の到着時刻からB駅(現駅)の到着時刻までに記録された伝送対象映像データの映像記録時間「300秒」として算出する。伝送制御部15は、算出した映像記録時間と車上記録部12に予め記録された映像記録条件31に基づき、A駅(前駅)からB駅(現駅)までに撮影されるであろう映像データのデータ量を示す伝送対象データ量を下記式(2)のように算出する(ステップST105)。
伝送対象データ量=1フレーム当たりの記録データ量 × 記録フレームレート × 接続カメラ台数 × 映像記録時間
=31kB/f × 2fps/ch × 8ch × 300s
=148800kB ・・・(2)
伝送制御部15は、下記式(3)のように、ステップST104で算出した伝送可能データ量をステップST105で算出した伝送対象データ量で割り、映像データ伝送時に伝送対象映像データを伝送可能なデータ量で出力するためのデータ量削減率を算出する(ステップST106)。
データ量削減率=伝送可能データ量 / 伝送対象データ量
=75000kB / 148800kB
=0.504・・・≒50% ・・・(3)
(3)フェーズ3
伝送制御部15は、フェーズ2の処理を終えると、車上記録部12に常時記録された映像データの中からA駅(前駅)到着時刻t0「09:00:00」からB駅(現駅)到着時刻t2「09:05:00」までに記録された伝送対象映像データを取得する。伝送制御部15は、フェーズ2のステップST106で算出したデータ量削減率「50%」に基づき、取得した伝送対象映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。このとき、伝送制御部15は、例えば以下の方法のいずれか、または組み合わせによりデータ量削減処理を行う。
・各監視カメラの記録フレームの1/2間引き処理を行う。例えば、記録フレームレートを「2fps/ch」から「1fps/ch」に削減する。
・各フレームの記録サイズの1/2処理を行う。例えば、映像サイズを「640×480」から「452×339」に小さくする。
・映像データの圧縮方式を変更する。例えば、映像記録形式を「JPEG」から「H.264」に変更して高圧縮率で記録する。
伝送制御部15は、データ量削減処理後の伝送対象映像データを無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する(ステップST107)。
以上のように、実施の形態1の映像伝送装置10は、所定の停車所間を移動する移動体に搭載され、該移動体内を撮影する監視カメラ11(撮影部)と、監視カメラ11で撮影された映像データを記録する車上記録部12(記録部)と、移動体の運行情報を管理する運行管理部13と、無線ネットワーク30との通信接続を制御し、無線ネットワーク30の帯域情報を記録する無線通信制御部14(通信制御部)と、移動体の停車所における停車時に、運行管理部13からの運行情報と無線通信制御部14からの帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を算出し、運行管理部13からの運行情報と車上記録部12に予め記録された映像記録条件から伝送対象データ量を算出し、該伝送対象データ量と移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を用いてデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率に基づき映像データのデータ量削減処理を行って車上記録部12から映像データを抽出して、無線ネットワーク30を介して地上システムとしての監視装置20へ伝送する伝送制御部15とを備えるよう構成したことにより、伝送対象映像データのデータ量が移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量より大きい場合であっても伝送対象映像データのデータ量を削減して、停車予定時間中に伝送可能なデータ量で伝送対象映像データを伝送することができる。その結果、必要な映像データを停車時間中に確実に伝送することができるという効果が得られる。
また、実施の形態1の映像伝送装置10は、移動体が停車所に到着したタイミングで、移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を算出するよう構成したことにより、到着時間から出発時間までの時間を用いて、より効率的に停車時間中に伝送対象映像データを伝送することができるという効果が得られる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、伝送対象映像データのデータ量を削減して伝送する構成について説明した。実施の形態2は、予めデータ量を調整して記録した映像データを伝送する構成について説明する。
ここで、実施の形態2の映像監視システムの構成は、実施の形態1の映像監視システム1における伝送制御部15以外の構成が同様であるため図示を省略し、映像監視システム1、映像伝送装置10、伝送制御部15以外は図1と同一の符号を用いて説明する。なお、実施の形態2においては、実施の形態1と区別するため、図1における映像監視システム1を映像監視システム2と記載し、映像伝送装置10を映像伝送装置210と記載し、伝送制御部15を伝送制御部215と記載して説明する。
映像監視システム2は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置210と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、無線ネットワーク30を介して通信可能に接続され構成されている。監視装置20は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
映像伝送装置210は、鉄道車両としての列車、路線バス等の路線上の所定の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部215がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。監視カメラ11、車上記録部12、運行管理部13、無線通信制御部14は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
伝送制御部215は、移動体の運行開始時に、運行管理部13からの運行情報と無線通信制御部14に記録された過去の帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能な映像データの記録パラメータを算出し、その記録パラメータに基づき車上記録部12に記録された映像データを、移動体の停車所における停車時に車上記録部12から抽出して、無線ネットワーク30を介して地上システムとしての監視装置20へ伝送するよう機能する。
伝送制御部215は、例えば移動体の運行開始時に、予め運行管理部13から停車所毎に移動体の到着予定時刻及び出発予定時刻を取得して運行管理テーブルとして記録し、無線通信制御部14から帯域情報を取得して帯域テーブルとして記録する。この帯域テーブルは、後述する図7に示すように、例えば停車所毎に無線通信制御部14からの帯域情報の過去10回の平均値が記録されている。
伝送制御部215は、運行情報の到着予定時刻と出発予定時刻を用いて停車予定時間を算出し、停車予定時間と帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量(伝送可能データ量)を停車所毎に算出して伝送可能データ量テーブルに記録する。
伝送制御部215は、停車所毎の到着予定時刻の差分から、各停車所間において車上記録部12に記録された伝送対象映像データの記録時間を算出する。
伝送制御部215は、停車所毎の伝送可能データ量と停車所間毎の伝送対象映像データの記録時間と車上記録部12に記録された映像記録条件を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能な映像データの記録パラメータを算出し、停車所間毎の新たな映像記録条件として記録パラメータテーブルに記録する。
伝送制御部215は、停車所間毎の記録パラメータと運行管理テーブルの運行情報に基づき、変更した記録パラメータで監視カメラ11からの映像データを車上記録部12に記録させる。
伝送制御部215は、運行管理部13からの運行情報に基づき、移動体の停車所における停車時に、車上記録部12から前停車所の到着時刻と現在の停車所の到着時刻との間に記録された伝送対象の映像データを抽出し、無線ネットワーク30を介して監視装置20へ伝送する。
次に、図6から図10を用いて実施の形態2の映像伝送装置210の処理動作を説明する。図6は映像伝送装置210の処理動作のフローを示している。図7は映像伝送装置210の伝送制御部215の内部テーブルとしての運行管理テーブル71と帯域テーブル72を示しており、図8は映像伝送装置210の伝送制御部215の内部テーブルとしての伝送可能データ量テーブル81を示しており、図9は映像伝送装置210における映像データの映像記録条件91を示しており、図10は映像伝送装置210の伝送制御部215の内部テーブルとしての記録パラメータテーブル101を示している。ここでは、映像伝送装置210が移動体としての列車に搭載され、監視装置20が列車の停車所として各駅に配置されている例を示す。以下、映像伝送装置210の処理動作を以下の3フェーズに分けて説明する。
(1)フェーズ1:記録パラメータの算出
(2)フェーズ2:映像データの記録
(3)フェーズ3:映像データの伝送
(1)フェーズ1
映像伝送装置210は、例えば列車の運転開始時に電源を投入されることで処理動作を開始する。映像伝送装置210の伝送制御部215は、運行管理部13から列車の運行情報を入手し、図7に示すような列車の停車するA駅からG駅毎の到着予定時刻(t0、t2、t4,t6,t8,t10,t12)と出発予定時刻(t1,t3,t5,t7,t9,t11,t13)を記録する運行管理テーブル71として記録する(ステップST201)。
伝送制御部215は、無線通信制御部14から各駅の無線ネットワーク30の帯域情報を取得し、図7に示すような列車の停車するA駅からG駅毎の過去分の帯域情報W(t0)=5Mbps,W(t2)=6Mbps,W(t4)=8Mbps,W(t6)=5Mbps,W(t8)=10Mbps,W(t10)=6Mbps,W(t12)=5Mbpsを帯域テーブル72として記録する(ステップST202)。
伝送制御部215は、運行管理テーブル71の到着予定時刻と出発予定時刻の差分から駅毎の停車予定時間として、A駅の停車予定時間が120秒、B駅の停車予定時間が120秒、C駅の停車予定時間が120秒、D駅の停車予定時間が120秒、E駅の停車予定時間が120秒、F駅の停車予定時間が120秒、G駅の停車予定時間が60秒、を算出する。伝送制御部215は、駅毎の停車予定時間と帯域テーブル72の駅毎の帯域情報を元にして乗算を行い、駅毎に停車予定時間中に伝送可能な伝送可能データ量を算出する(ステップST203)。
このとき、伝送制御部215は、例えばB駅における伝送可能データ量を算出する際、下記式(4)のように算出する。
伝送可能データ量=帯域情報 × 停車予定時間
=6Mbps × 120s
=720Mb=90000kB・・・(4)
ただし、ここでは無線ネットワーク30の伝送可能帯域を100%使用できるものとする。
伝送制御部215は、同様の手順でA駅の伝送可能データ量「75000kB」、C駅の伝送可能データ量「120000kB」、D駅の伝送可能データ量「75000kB」、E駅の伝送可能データ量「150000kB」、F駅の伝送可能データ量「90000kB」、G駅の伝送可能データ量「37500kB」を算出し、図8に示すように、駅毎の停車時間、駅毎の帯域情報、駅毎の伝送可能データ量を伝送可能データ量テーブル81として記録する。
伝送制御部215は、駅毎の到着予定時刻と前駅到着予定時刻との差分から、駅間毎に伝送対象映像データの予定記録時間を算出する(ステップST204)。ここでは、A駅−B駅間の予定記録時間が300秒、B駅−C駅間の予定記録時間が300秒、C駅−D駅間の予定記録時間が420秒、D駅−E駅間の予定記録時間が300秒、E駅−F駅間の予定記録時間が360秒、F駅−G駅間の予定記録時間が360秒である。
伝送制御部215は、伝送可能データ量と映像データの予定記録時間と図9に示す映像記録条件91を用いて、各駅間毎に映像データの記録パラメータを算出する(ステップST205)。このとき、伝送制御部215は、例えばA駅到着時刻からB駅到着時刻までの時間に記録された伝送対象映像データの記録パラメータを、下記式(5)のように算出する(ステップST205)。
記録パラメータ=伝送可能データ量÷予定記録時間÷1フレーム当たりの記録データ量÷接続カメラ台数
=90000kB ÷ 300s ÷ 31kB/f ÷ 8ch
=1.21fps/ch ・・・(5)
伝送制御部215は、式(5)と同様の手順でB駅−C駅間の記録パラメータ「1.61fps/ch」、C駅−D駅間の記録パラメータ「0.72fps/ch」、D駅−E駅間の記録パラメータ「2.02fps/ch」、E駅−F駅間の記録パラメータ「1.01fps/ch」、F駅−G駅間の記録パラメータ「0.42fps/ch」を算出する。
伝送制御部215は、各駅間毎の記録パラメータを算出すると、各駅間毎の記録時間、駅毎の伝送可能データ量、各駅間毎の記録パラメータを図10に示すような記録パラメータテーブル101として記録する。
(2)フェーズ2
伝送制御部215は、列車が運行を開始すると、運行管理部13からの運行情報と記録パラメータテーブル101の駅毎の記録パラメータを用いて、監視カメラ11から入力された映像データを車上記録部12に記録させる(ステップST206)。ここでは、伝送制御部215が、まずA駅−B駅間の記録パラメータを用いてA駅−B駅間で撮影された映像データを車上記録部12に記録し、以降、順次列車が各駅に到着する度に対応する記録パラメータに変更して監視カメラ11からの映像データを車上記録部12に記録する。
(3)フェーズ3
伝送制御部215は、運行管理部13からの運行情報に基づき各駅に到着したタイミングで、車上記録部12に記録した伝送対象映像データを抽出し、無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する(ステップST207)。ここでは、伝送制御部215は、列車がA駅を出発しB駅に到着すると、A駅−B駅間で撮影された映像データを車上記録部12から抽出し無線ネットワーク30経由で監視装置20へ伝送し、以降、順次列車が各駅に到着する度に現在停車中の駅に対応する前駅到着時刻から現駅到着時刻までの間に撮影された映像データを車上記録部12から抽出し無線ネットワーク30経由で監視装置20へ伝送する。
以上のように、実施の形態2の映像伝送装置210は、所定の停車所間を移動する移動体に搭載され、該移動体内を撮影する監視カメラ11(撮影部)と、監視カメラ11で撮影された映像データを記録する車上記録部12(記録部)と、移動体の運行情報を管理する運行管理部13と、無線ネットワーク30との通信接続を制御し、無線ネットワーク30の帯域情報を記録する無線通信制御部14(通信制御部)と、移動体の運行開始時に、運行管理部13からの運行情報と無線通信制御部14に記録された帯域情報を用いて移動体の停車所毎における停車予定時間中に伝送可能なデータ量を算出し、伝送可能なデータ量と運行管理部13からの運行情報を用いて停車所間の映像データの記録パラメータを算出し、その記録パラメータに基づき車上記録部12に記録された映像データを、移動体の停車所における停車時に車上記録部12から抽出して、無線ネットワーク30を介して地上システムとしての監視装置20へ伝送する伝送制御部215とを備えるよう構成したことにより、伝送対象映像データのデータ量を伝送可能なデータ量で車上記録部12に記録することができる。その結果、映像伝送装置210は、移動体の停車中に伝送対象映像データを確実に地上システムに伝送することができるという効果が得られる。
なお、実施の形態2における映像伝送装置210では、地上システムとしての監視装置20へ伝送するための映像データを車上記録部12に記録しているが、伝送制御装置215に記録するよう構成してもよい。
実施の形態3.
実施の形態2においては、予め各駅間で撮影される映像データのデータ量が伝送可能データ量となるよう記録パラメータを変更設定する構成について説明したが、移動体の運行時に運行遅延が発生した場合、到着予定時刻と実際の到着時刻とが大きくずれて伝送対象映像データの記録時間が予定記録時間よりも長くなり、移動体の停車時間中に伝送対象映像データの全てを地上システムへ伝送することができない。そこで、実施の形態3は、実施の形態2の構成において、移動体の運行遅延が発生した際に伝送対象映像データのデータ量を削減してから伝送する構成について説明する。
ここで、実施の形態3の映像監視システムの構成は、実施の形態2の映像監視システム2における伝送制御部215以外の構成が同様であるため図示を省略し、映像監視システム2、映像伝送装置210、伝送制御部215以外は図1と同一の符号を用いて説明する。なお、実施の形態3においては、実施の形態1,2と区別するため、図1における映像監視システム1を映像監視システム3と記載し、映像伝送装置10を映像伝送装置310と記載し、伝送制御部15を伝送制御部315と記載して説明する。
映像監視システム3は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置310と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、無線ネットワーク30を介して通信可能に接続され構成されている。監視装置20は、実施の形態2と同等の構成であるため説明を省略する。
映像伝送装置310は、鉄道車両としての列車、バス等の所定の路線の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部315がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。監視カメラ11、車上記録部12、運行管理部13、無線通信制御部14は、実施の形態2と同等の構成であるため説明を省略する。
伝送制御部315は、実施の形態2の伝送制御部215の機能に加え、移動体が停車所に到着した際、運行管理部13からの運行情報に基づき移動体の到着時刻が到着予定時刻より遅いと判定した場合、運行情報と記録パラメータから伝送対象データ量を算出し、運行管理部13からの運行情報と無線通信制御部14からの帯域情報を用いて移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を算出し、該伝送対象データ量と前記移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を用いてデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率を用いて映像データのデータ量削減処理を行うよう機能する。
伝送制御部315は、例えば運行管理部13から移動体が停車所に到着したことを示す信号とその到着時刻(実際の到着時刻)を取得し、運行管理テーブルに記録すると、実際の到着時刻と到着予定時刻を比較する。伝送制御部315は、実際の到着時刻が到着予定時刻と同一の場合、実施の形態2の伝送制御部215と同様の処理を行い伝送対象映像データを無線ネットワーク30を経由して監視装置20へ伝送する。
一方、伝送制御部315は、実際の到着時刻が到着予定時刻より遅いと判定した場合、運行管理テーブルに記録した運行管理部13の運行情報から実際の到着時刻と前回映像データを伝送した時の到着時刻との差分を実際の伝送対象映像データの記録時間として算出する。伝送制御部315は、伝送対象映像データの記録時間と車上記録部12からの映像記録条件を用いて実際の伝送対象データ量を算出する。伝送制御部315は、伝送対象データ量と伝送可能なデータ量を用いてデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率に基づき車上記録部12からの映像データのデータ量を削減して地上システムとしての監視装置20へ伝送する。なお、このとき、伝送制御部315は、運行管理部13の運行情報を参照し停車時間が変更されている場合、伝送可能データ量を再計算するよう構成してもよい。
次に、図11を用いて実施の形態3の映像伝送装置310の処理動作を説明する。図11は実施の形態3の映像伝送装置310の処理動作のフローを示している。ここでは、映像伝送装置310が移動体としての列車に搭載され、監視装置20が列車の停車所として各駅に配置されている例を示す。また、列車の通常運行における映像伝送装置310の処理動作に用いる各データ(運行情報、帯域情報、伝送可能データ量、映像記録条件)は実施の形態2で上述した図7から図10と同様であるものとする。以下、映像伝送装置310の処理動作を以下の3フェーズに分けて説明する。
(1)フェーズ1:記録パラメータ算出
(2)フェーズ2:映像データの記録
(3)フェーズ3:映像データの伝送
図11において、(1)フェーズ1のステップST301からステップST305は、実施の形態2で上述した図6のステップST201からステップST205の処理動作と同様であり、(2)フェーズ2のステップST306は、実施の形態2で上述した図6のステップST206の処理動作とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
(3)フェーズ3
映像伝送装置310の伝送制御部315は、運行管理部13から列車がB駅に到着したことを示す信号とその到着時刻(実際の到着時刻)「09:06:00」を取得すると、実際の到着時刻「09:06:00」と運行管理テーブル71の到着予定時刻「09:05:00」を比較して列車の運行が遅延しているかを判定し、実際の到着時刻が到着予定時刻より遅いため列車の運行が遅延していると判定する。伝送制御部315は、列車の運行が遅延していると判定すると、B駅(現在の停車駅)における到着時刻「09:06:00」と前回映像データ伝送時のA駅における到着時刻「09:00:00」との差分「360秒」(360s)と、運行開始時に算出した記録パラメータ「1.21fps/ch」と、図9に示す映像記録条件としての、1フレーム当たりの記録容量「31kB/f」、接続カメラ台数「8台」(8ch)とを用いて下記式(6)のようにA駅−B駅間の伝送対象データ量を計算する。
A駅−B駅間の伝送対象データ量=1フレーム当たりの記録容量×記録パラメータ×接続カメラ台数×(B駅の到着時刻−A駅の到着時刻)
=31kB/f × 1.21fps/ch × 8ch × 360s
=108029kB ・・・(6)
伝送制御部315は、A駅−B駅間の伝送対象データ量「108029kB」と、図8に示すB駅の伝送可能データ量「90000kB」を用いて下記式(7)のように映像伝送時のデータ削減率を算出する(ステップST307)
B駅におけるデータ削減率=伝送可能データ量÷伝送対象データ量
=90000kB / 108029kB
=0.833・・・≒83% ・・・(7)
伝送制御部315は、A駅−B駅間に記録された伝送対象映像データを車上記録部12から抽出し、算出したデータ削減率「83%」を元に、車上記録部12に記録された伝送対象映像データのデータ削減処理を行い、無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する(ステップST308)。ここで、伝送対象映像データのデータ削減処理は実施の形態1におけるデータ削減処理に準拠するため、具体的な説明を省略する。
以上のように、実施の形態3の映像伝送装置310は、実施の形態2の効果に加え、運行管理部13からの運行情報に基づき移動体の到着時刻が到着予定時刻より遅いと判定した場合、運行情報と映像データの記録パラメータから伝送対象データ量を算出し、該伝送対象データ量と移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を用いてデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率に基づき映像データのデータ量削減処理を行ってから、無線ネットワーク30を介して地上システムとしての監視装置20へ伝送する伝送制御部315を備えるよう構成したことにより、移動体の停車所における到着時刻が到着予定時刻より遅延した場合でも、移動体の停車所における停車中に伝送対象映像データを確実に地上システムに伝送可能な環境を構築することができるという効果が得られる。
実施の形態4.
実施の形態1または実施の形態3においては、移動体の停車所における到着時に伝送対象映像データのデータ削減処理を行って地上システムに伝送する構成について説明したが、到着時に計画していた無線ネットワークの伝送帯域が確保できなかった場合や、停車時間が計画より短くなってしまった場合、移動体の停車時間中に伝送対象映像データを完全に伝送することができない。そこで、実施の形態4は、移動体の前停車所における伝送対象映像データの伝送未完了部分を次の停車所における伝送対象映像データに組み込んで伝送する構成について説明する。
ここで、実施の形態4の映像監視システムの構成は、実施の形態1の映像監視システム1または実施の形態3の映像監視システム3における伝送制御部15,315以外の構成が同様であるため図示を省略し、映像監視システム1,3、映像伝送装置10,310、伝送制御部15,315以外は図1と同一の符号を用いて説明する。なお、実施の形態4においては、実施の形態1,3と区別するため、図1における映像監視システム1を映像監視システム4と記載し、映像伝送装置10を映像伝送装置410と記載し、伝送制御部15を伝送制御部415と記載して説明する。
映像監視システム4は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置410と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、無線ネットワーク30を介して通信可能に接続され構成されている。監視装置20は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
映像伝送装置410は、鉄道車両としての列車、路線バス等の路線上の所定の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部415がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。監視カメラ11、車上記録部12、運行管理部13、無線通信制御部14は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
伝送制御部415は、実施の形態1の伝送制御部15または実施の形態3の伝送制御部315の構成に加え、移動体の前停車所における停車中に映像データの伝送が完了しなかった場合、伝送終了時に未完了の映像データ上の時刻を記録しておき、次の停車所における停車時に前停車所で記録した時刻を用いて伝送対象映像データに未伝送映像データのデータ量を組み込んで伝送対象データ量を算出するよう機能する。
次に、図12を用いて実施の形態4の映像伝送装置410の処理動作の一例を説明する。図12は実施の形態4の映像伝送装置410の処理動作のフローを示している。ここでは、映像伝送装置410が移動体としての列車に搭載され、監視装置20が列車の停車所として各駅に配置されている例を示す。列車の通常運行における映像伝送装置410の処理動作に用いる各データ(運行情報、帯域情報、映像記録条件)は上述した図3の映像記録条件31、図7の運行管理テーブル71、帯域テーブル72で示す値と同様であるものとする。以下、映像伝送装置410の処理動作を以下の3フェーズに分けて説明する。
(1)フェーズ1:列車走行時
(2)フェーズ2:列車C駅到着時
(3)フェーズ3:列車C駅停車中
(1)フェーズ1
映像伝送装置410におけるステップST401は、上述した実施の形態1のステップST101と同様であるため説明を省略する。
(2)フェーズ2
ここで、映像伝送装置410は、B駅(前駅)において、伝送対象としての時刻「09:00:00」から時刻「09:05:00」までに記録された映像データの全てを伝送完了できず、前駅における停車時間中に伝送対象データの伝送を終了した際、伝送制御部415がB駅出発時刻「09:07:00」の伝送終了時における未完了の映像データ上の時刻「09:04:00」を記録している。
運行管理部13は、列車がB駅を出発しC駅に到着すると、図示しない列車の運転制御装置等から列車が停車状態S1になったことを示す状態情報とその時刻t4「09:10:00」を取得すると、列車がC駅に到着した信号とともにその到着時刻t4「09:10:00」及び出発予定時刻t5「09:12:00」を伝送制御部415へ出力する。
伝送制御部415は、運行管理部13から列車がC駅に到着した信号が入力され、C駅における到着時刻t4「09:10:00」及び出発予定時刻t5「09:12:00」を記録する(ステップST402)。
無線通信制御部14は、列車がC駅に到着すると、例えばC駅に設けられている無線ネットワーク30と車上ネットワーク10aとの通信接続を行い、その際、C駅における無線ネットワーク30の伝送帯域を確認し、単位時間当たりに伝送できるデータ量「8Mbps」を示す帯域情報W(t4)を生成する。
伝送制御部415は、無線通信制御部14から無線ネットワーク30の帯域情報W(t4)「8Mbps」を取得し、記録する(ステップST403)。
伝送制御部415は、C駅(現駅)における到着時刻t4「09:10:00」と出発予定時刻t5「09:12:00」の差分から停車予定時間「120秒」を算出する。伝送制御部415は、停車予定時間「120秒」とC駅(現駅)停車中における帯域情報W(t4)を下記式(8)のように乗算して伝送可能データ量を算出する(ステップST404)。
伝送可能データ量=帯域情報 × 停車予定時間
=8Mbps × 120s
=960Mb=120000kB ・・・(8)
ただし、ここでは無線ネットワーク30の伝送可能帯域を100%使用できるものとする。
伝送制御部415は、C駅(現駅)における到着時刻t4「09:10:00」とB駅(前駅)において記録した伝送未完了映像データ上の時刻「09:04:00」との差分を求め、伝送対象映像データの映像記録時間「360秒」として算出する。伝送制御部415は、算出した映像記録時間「360秒」と車上記録部12からの映像記録条件91に基づき、B駅(前駅)からC駅(現駅)までに撮影された映像データのデータ量を示す伝送対象データ量を下記式(9)のように算出する(ステップST405)。
伝送対象データ量=1フレーム当たりの記録データ量 × 記録フレームレート × 接続カメラ台数 × 映像記録時間
=31kB/f × 2fps/ch × 8ch × 360s
=178560kB ・・・(9)
伝送制御部415は、下記式(10)のように、ステップST404で算出した伝送可能データ量をステップST405で算出した伝送対象データ量で割り、映像データ伝送時に伝送対象映像データを伝送可能なデータ量で出力するためのデータ量削減率を算出する(ステップST406)。
データ量削減率=伝送可能データ量 / 伝送対象データ量
=90000kB / 178560kB
=0.504・・・≒50% ・・・(10)
(3)フェーズ3
伝送制御部415は、フェーズ2の処理を終えると、車上記録部12に常時記録された映像データの中からB駅における伝送終了時の映像データ上の時刻「09:04:00」からC駅(現駅)到着時刻t4「09:10:00」までに記録された伝送対象映像データを取得する。伝送制御部415は、フェーズ2のステップST406で算出したデータ量削減率「50%」に基づき、取得した伝送対象映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。このとき、伝送制御部415は、例えば以下の方法のいずれか、または組み合わせによりデータ量削減処理を行う。
・各監視カメラの記録フレームの1/2間引き処理を行う。例えば、記録フレームレートを「2fps/ch」から「1fps/ch」に削減する。
・各フレームの記録サイズの1/2処理を行う。例えば、映像サイズを「640×480」から「452×339」に小さくする。
・映像データの圧縮方式を変更する。例えば、映像記録形式を「JPEG」から「H.264」に変更して高圧縮率で記録する。
伝送制御部415は、データ量削減処理後の伝送対象映像データを無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する(ステップST407)。
このとき、伝送制御部415は、何らかの理由で駅出発時に伝送対象映像データの全てを伝送完了できず、C駅(現駅)の停車中における伝送対象データの伝送を終了した際、伝送制御部415がC駅出発時刻「09:12:00」の伝送終了時における映像データ上の時刻を記録する。
次に、図13を用いて実施の形態4の映像伝送装置410の処理動作の別の一例を説明する。図13は実施の形態4の映像伝送装置410の処理動作の別の一例のフローを示している。列車の通常運行における映像伝送装置410の処理動作に用いる各データ(運行情報、帯域情報、映像記録条件)は上述した実施の形態3の図7の運行管理テーブル71、帯域テーブル72、図9の映像記録条件91で示す値と同様であるものとする。以下、映像伝送装置410の処理動作を以下の3フェーズに分けて説明する。
(1)フェーズ1:記録パラメータ算出
(2)フェーズ2:映像データの記録
(3)フェーズ3:映像データの伝送
図13において、(1)フェーズ1のステップST421からステップST425は、実施の形態3で上述した図11のステップST301からステップST305の処理動作と同様であり、(2)フェーズ2のステップST426は、実施の形態3で上述した図11のステップST306の処理動作とそれぞれ同様であるため説明を省略する。
(3)フェーズ3
ここで、映像伝送装置410は、B駅(前駅)において、伝送対象としての時刻「09:00:00」から時刻「09:05:00」までに記録された映像データの全てを伝送完了できず、前駅における停車時間中に伝送対象データの伝送を終了した際、伝送制御部415がB駅出発時刻「09:07:00」の伝送終了時における映像データ上の時刻「09:04:00」を記録している。
運行管理部13は、列車がB駅を出発しC駅に到着すると、C駅(現駅)における到着時刻t4「09:10:00」とB駅(前駅)において記録した映像データ上の時刻「09:04:00」との差分を求め、伝送対象映像データの映像記録時間「360秒」として算出する。伝送制御部415は、算出した映像記録時間「360秒」と車上記録部12からの映像記録条件91に基づき、B駅(前駅)からC駅(現駅)までに撮影された映像データのデータ量を示す伝送対象データ量を上記式(9)と同様に算出する。
伝送制御部415は、ステップST423で算出した伝送可能データ量「90000kB」を伝送対象データ量「178560kB」で割り、上記式(10)と同様に計算して、移動体のC駅における停車時間中に伝送対象映像データを伝送可能なデータ量で出力するためのデータ量削減率を算出する(ステップST427)。
伝送制御部415は、車上記録部12に常時記録された映像データの中からB駅における伝送終了時の映像データ上の時刻「09:04:00」からC駅(現駅)到着時刻t4「09:10:00」までに記録された伝送対象映像データを取得する。伝送制御部415は、ステップST427で算出したデータ量削減率に基づき、取得した伝送対象映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。
このとき、伝送制御部415は、何らかの理由で駅出発時に伝送対象映像データの全てを伝送完了できず、C駅(前駅)の停車中における伝送対象データの伝送を終了した際、伝送制御部415がC駅出発時刻「09:12:00」の伝送終了時における映像データ上の時刻を記録する。
以上のように、実施の形態4の映像伝送装置410は、上述した実施の形態1,3,4の効果に加え、移動体の停車中に映像データの伝送が完了しなかった場合、伝送が未完了の映像データ上の時刻を記録しておき、その時刻を用いて次停車所での伝送対象の映像データに未完了の映像データを組み込んで伝送対象データ量を算出する伝送制御部415を備えるよう構成したことにより、前停車所における未伝送の映像データを現在の停車所における伝送対象映像データに追加して地上システムに伝送することができる。その結果、移動体の前停車所において映像データの伝送が完了しなかった場合でも、次の停車所における停車時間中に未伝送の映像データを確実に地上システムに伝送することができるという効果が得られる。
実施の形態5.
実施の形態4においては、列車が走行状態または停車状態であっても、異なる監視カメラ11からの映像データであっても、映像データを記録する際の記録パラメータは同じ値を用いていたが、実施の形態5では、異なる走行状態の時間帯毎または監視カメラ11毎に異なる記録パラメータを用いて映像データを記録する構成について説明する。
ここで、実施の形態5の映像監視システムの構成は、実施の形態1の映像監視システム1、実施の形態3の映像監視システム3、または実施の形態4の映像監視システム4における伝送制御部15,315,415以外の構成が同様であるため図示を省略し、映像監視システム1,3,4、映像伝送装置10,310,410、伝送制御部15,315,415以外は図1と同一の符号を用いて説明する。なお、実施の形態5においては、実施の形態1,3,4と区別するため、図1における映像監視システム1を映像監視システム5と記載し、映像伝送装置10を映像伝送装置510と記載し、伝送制御部15を伝送制御部515と記載して説明する。
映像監視システム5は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置510と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、移動体の停車所における停車時に無線ネットワーク30を介して通信可能に接続されるよう構成されている。監視装置20は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
映像伝送装置510は、鉄道車両としての列車、路線バス等の路線上の所定の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部515がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。監視カメラ11、車上記録部12、運行管理部13、無線通信制御部14は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
伝送制御部515は、実施の形態1の伝送制御部15、実施の形態3の伝送制御部315、または実施の形態4の伝送制御部415の構成に加え、映像データの記録時間帯毎または監視カメラ11毎に設定された割合に応じてデータ量削減率を算出するよう機能する。
伝送制御部515は、例えば映像データの記録時間帯として、移動体の走行状態毎に、移動体の走行状態時と停車状態時が1:2の割合に設定され、同じ監視カメラ11でも移動体の走行中は記録フレームレートを低く、停車中は記録フレームレートを高く設定したり、監視カメラ11毎に記録フレームレートを変更して設定したりすることで映像データのデータ量を調整して記録することができる。
次に、実施の形態5の映像伝送装置510の処理動作について説明する。ここでは、一実施例として、実施の形態1の動作処理に実施の形態5の動作処理を追加する場合を想定し、映像データの記録時間帯として、移動体の走行状態毎に、移動体の走行状態時と停車状態時が1:2の割合に設定されているものとする。
映像伝送装置510の伝送制御部515は、上述した実施の形態1のステップST104と同様に算出した伝送可能データ量「75000kB」に対して、下記式(11)と式(12)のように、列車の走行状態時と停車状態時で1:2の割合に分割する。
停車状態時の伝送可能データ量
=75000kB × 2/3=50000kB ・・・(11)
走行状態時の伝送可能データ量
=75000kB × 1/3=25000kB ・・・(12)
ただし、ここでは無線ネットワーク30の伝送可能帯域を100%使用できるものとする。
伝送制御部515は、運行管理部13からの運行情報に基づき、A駅(前駅)における到着時刻t0「09:00:00」から出発時刻t1「09:02:00」までの120秒を停車状態時の映像記録時間とし、A駅(前駅)における出発時刻t1「09:02:00」からB駅(現駅)における到着時刻t2「09:05:00」までの180秒を走行状態時の映像記録時間として算出する。伝送制御部515は、算出した停車状態時または走行状態時の映像記録時間と車上記録部12に記録された映像記録条件31に基づき、停車状態時の伝送対象データ量を下記式(13)のように算出し、走行状態時の伝送対象データ量を下記式(14)のように算出する。
停車状態時の伝送対象データ量
=31kB/f × 2fps/ch × 8ch× 120s
=59520kB ・・・(13)
走行状態時の伝送対象データ量
=31kB/f × 2fps/ch × 8ch × 180s
=89280kB ・・・(14)
伝送制御部515は、上述した停車状態時の伝送可能データ量と停車状態時の伝送対象データ量、走行状態時の伝送可能データ量と走行状態時の伝送対象データ量を元にして、下記式(15)と式(16)のように、B駅(現駅)停車中に映像データの伝送を行う際のそれぞれのデータ削減率を列車の状態毎に算出する。
停車状態のデータ削減率=50000kB / 59520kB
=0.840・・・≒84% ・・・(15)
走行状態のデータ削減率=25000kB / 89280kB
=0.280・・・≒28% ・・・(16)
伝送制御部515は、車上記録部12に常時記録された映像データの中から、A駅(前駅)到着時刻t0「09:00:00」から出発時刻t1「09:02:00」までの停車状態時の映像データと、A駅(前駅)における出発時刻t1「09:02:00」からB駅(現駅)における到着時刻t2「09:05:00」までの走行状態時の映像データを取得する。伝送制御部515は、停車状態のデータ量削減率「84%」に基づき停車状態時の映像データのデータ量を削減し、走行状態のデータ量削減率「28%」に基づき走行状態時の映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。
伝送制御部515は、データ量削減処理後の各伝送対象映像データを無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する。
なお、実施の形態5の処理動作は、実施の形態1の処理動作に追加して説明したが、実施の形態2,3の処理動作に追加すれば記録パラメータに対しても適用できる。
以上のように実施の形態5の映像伝送装置510は、実施の形態1、実施の形態3、または実施の形態4の効果に加え、映像データの記録時間帯毎(移動体の走行状態毎)または複数の監視カメラ11(撮影部)毎に設定された割合に応じてデータ量削減率または記録パラメータを算出する伝送制御部515を備えるよう構成したことにより、移動体の状態に応じて映像データの記録データ量を調整することができる。その結果、さらに効率的に映像データを記録して地上システムとしての監視装置20に伝送することができるという効果が得られる。
実施の形態6.
実施の形態5においては、移動体の停車所到着時刻までに車上記録部12に記録された過去の映像データだけを伝送対象として監視装置20に伝送する構成について説明したが、現在のライブ映像データを伝送することができない。そこで、実施の形態6は、過去の映像データに加えて現在のライブ映像データを監視装置20に伝送する構成について説明する。
ここで、実施の形態6の映像監視システムの構成は、実施の形態1の映像監視システム1、実施の形態3の映像監視システム3、または実施の形態4の映像監視システム4における伝送制御部15,315,415以外の構成が同様であるため図示を省略し、映像監視システム1,3,4、映像伝送装置10,310,410、伝送制御部15,315,415以外は図1と同一の符号を用いて説明する。なお、実施の形態6においては、実施の形態1,3,4と区別するため、図1における映像監視システム1を映像監視システム6と記載し、映像伝送装置10を映像伝送装置610と記載し、伝送制御部15を伝送制御部615と記載して説明する。
映像監視システム6は、車上システムとして移動体に搭載された映像伝送装置610と地上システムとして移動体外部に設置された監視装置20が、無線ネットワーク30を介して通信可能に接続され構成されている。監視装置20は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
映像伝送装置610は、鉄道車両としての列車、路線バス等の路線上の所定の停車所に停車するよう運行される移動体に搭載されており、監視カメラ(撮影部)11、車上記録部(記録部)12、運行管理部13、無線通信制御部(通信制御部)14、伝送制御部615がそれぞれ車上ネットワーク10aを介して接続され構成されている。監視カメラ11、車上記録部12、運行管理部13、無線通信制御部14は、実施の形態1と同等の構成であるため説明を省略する。
伝送制御部615は、実施の形態1の伝送制御部15または実施の形態3の伝送制御部315の構成に加え、車上記録部12に記録された過去の映像データとライブ映像データにそれぞれ所定の割合で分配するよう映像データ毎のデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率を用いて映像データ毎にデータ量削減処理を行い、映像データを同時に地上システムとしての監視装置20へ伝送するよう機能する。伝送制御部615は、例えばライブ映像データのデータ量と過去の映像データのデータ量が1:2の割合となるよう設定して、ライブ映像データと過去の映像データを同時に伝送できるように構成されている。
次に、実施の形態6の映像伝送装置610の動作処理について説明する。ここでは、一実施例として、実施の形態1の動作処理に実施の形態6の動作処理を追加する場合を想定しており、ライブ映像データが現在停車中のB駅で撮影されているものとし、ライブ映像データのデータ量と過去の映像データのデータ量が1:2の割合で設定されているものとする。
映像伝送装置610の伝送制御部615は、上述した実施の形態1のステップST104と同様の手法で算出した伝送可能データ量「75000kB」に対して、下記式(17)と式(18)のように、ライブ映像データと過去の映像データで1:2の割合に分割する。
ライブ映像データの伝送可能データ量
=75000kB × 1/3 = 25000kB ・・・(17)
過去の映像データの伝送可能データ量
=75000kB × 2/3 = 50000kB ・・・(18)
ただし、ここでは無線ネットワーク30の伝送可能帯域を100%使用できるものとする。
伝送制御部615は、上述した実施の形態1のステップST105で上記式(2)と同様の手法で算出した伝送対象データ量「148800kB」と過去の映像データの伝送可能データ量「50000kB」を用いて、下記式(19)のようにデータ削減量を算出する。
過去の映像データのデータ削減量=50000kB / 148800kB
=0.337・・・≒34% ・・・(19)
伝送制御部615は、車上記録部12に常時記録された映像データの中からA駅(前駅)到着時刻t0「09:00:00」からB駅(現駅)到着時刻t2「09:05:00」までに記録された伝送対象映像データを取得する。伝送制御部615は、データ量削減率「34%」に基づき、取得した伝送対象映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。伝送制御部615は、データ量削減処理後の伝送対象映像データを無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する。
伝送制御部615は、運行管理部13から取得した運行情報を元に、B駅(現駅)における到着時刻t2「09:05:00」とB駅(現駅)における出発予定時刻t3「09:07:00」の差分を求め、ライブ映像データの映像記録時間「120秒」として算出する。伝送制御部615は、算出した映像記録時間と車上記録部12に記録された映像記録条件31に基づき、伝送対象データ量を下記式(20)のように算出する。
ライブ映像データの伝送対象データ量
=31kB/f × 2fps/ch × 8ch × 120s
=59520kB ・・・(20)
伝送制御部615は、ライブ映像データの伝送対象データ量「59520kB」と伝送可能データ量「25000kB」を用いて、下記式(21)のようにデータ削減量を算出する。
ライブ映像データのデータ削減量=25000kB / 59520kB
=0.420・・・≒42% ・・・(21)
伝送制御部615は、車上記録部12を介して取得したライブ映像データを取得する。伝送制御部615は、データ量削減率「42%」に基づき、ライブ映像データのデータ量を削減するデータ量削減処理を行う。伝送制御部615は、データ量削減処理後のライブ映像データを無線ネットワーク30経由で地上システムとしての監視装置20に伝送する。
なお、実施の形態6の処理動作は、実施の形態1の処理動作に追加して説明したが、実施の形態3の処理動作に追加しても同様に適用できる。
以上のように実施の形態6の映像伝送装置610は、実施の形態1、実施の形態3、または実施の形態4の効果に加え、車上記録部12に記録された過去の映像データとライブ映像データを分割するようそれぞれのデータ量削減率を算出し、各データ量削減率を用いて別々にデータ量削減処理を行い、車上記録部12に記録された過去の映像データとライブ映像データを同時に地上システムとしての監視装置20へ伝送する伝送制御部615を備えるよう構成したことにより、ライブ映像データも同時に地上システムとしての監視装置20へ伝送することができるという効果が得られる。
なお、本発明の実施の形態においては、移動体として列車を一例として説明したが、列車以外にも所定の停車所間を移動して運行される高速バスのような移動体であってもよい。また、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1,2,3,4,5,6 映像監視システム、10,210,310,410,510,610 映像伝送装置、10a 車上ネットワーク、11 監視カメラ(撮影部)、12 車上記録部(記録部)、13 運行管理部、14 無線通信制御部(通信制御部)、15,215,315,415,515,615 伝送制御部、20 監視装置、20a 地上ネットワーク、20b 外部のネットワーク、21 無線通信制御部、22 地上記録部、30 無線ネットワーク、31,91 映像記録条件、51,71 運行管理テーブル、52,72 帯域テーブル、81 伝送可能データ量テーブル、101 記録パラメータテーブル。

Claims (6)

  1. 所定の停車所間を移動する移動体に搭載され、該移動体内を撮影する撮影部と、
    前記撮影部で撮影された映像データを記録パラメータを用いて記録する記録部と、
    前記移動体の運行情報を管理する運行管理部と、
    無線ネットワークとの通信接続を制御し、前記無線ネットワークの帯域情報を記録する通信制御部と、
    前記移動体の移動開始時に前記運行管理部からの運行情報と前記通信制御部に記録された帯域情報を用いて前記移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量で映像データを記録するための条件である記録パラメータを算出し、その記録パラメータを用いて前記記録部に記録された映像データを、前記移動体の停車所における停車時に前記記録部から抽出して、前記無線ネットワークを介して地上システムへ伝送する伝送制御部と、
    を備えたことを特徴とする映像伝送装置。
  2. 前記伝送制御部は、前記運行管理部からの運行情報に基づき移動体の到着時刻が到着予定時刻より遅いと判定した場合、前記運行情報と映像データの記録パラメータから伝送対象データ量を算出し、該伝送対象データ量と前記移動体の停車予定時間中に伝送可能なデータ量を用いてデータ量削減率を算出し、そのデータ量削減率に基づき映像データのデータ量削減処理を行ってから、前記無線ネットワークを介して地上システムへ伝送する
    ことを特徴とする請求項1記載の映像伝送装置。
  3. 前記伝送制御部は、移動体の停車中に映像データの伝送が完了しなかった場合、伝送が未完了の時刻を記録して、次停車所での伝送対象の映像データに未完了の映像データを組み込んで伝送対象データ量を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の映像伝送装置。
  4. 前記伝送制御部は、映像データの記録時間帯毎または複数の前記撮影部毎に設定された割合に応じてデータ量削減率を算出する
    ことを特徴とする請求項2記載の映像伝送装置。
  5. 前記伝送制御部は、映像データの記録時間帯毎または複数の前記撮影部毎に設定された割合に応じて記録パラメータを算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の映像伝送装置。
  6. 前記伝送制御部は、前記記録部に記録された映像データとライブ映像データを分割するようそれぞれのデータ量削減率を算出し、各データ量削減率を用いて別々にデータ量削減処理を行い、前記記録部に記録された映像データとライブ映像データを同時に地上システムへ伝送する
    ことを特徴とする請求項2記載の映像伝送装置。
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