JP5598334B2 - 粘着テープ - Google Patents
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Description
また、梱包される物品の形状に応じて、様々な形態で物品を段ボールで覆ったり梱包したりした後、その上にフィルム系テープを貼着した場合などには、フィルム系テープにねじれの応力が作用し、フィルム系テープが裂けてしまう場合もあった。
さらに、特許文献1に開示のフィルム系テープは、低温での粘着性に乏しいため、低温環境下で剥がれやすいという問題もあった。
前記ゴム系粘着剤は、粘着付与樹脂を含有し、該粘着付与樹脂は、軟化点が100℃以下の粘着付与樹脂と、軟化点が120℃以上の粘着付与樹脂とを含有することが好ましい。
本発明の粘着テープは、長さ方向に一軸延伸されたポリオレフィン系基材と、該ポリオレフィン系基材の一方の面に設けられた剥離剤層と、他方の面に設けられた粘着剤層とを有する粘着テープであって、長さ方向の引張強度が5〜50kN/mで、且つ、幅方向の引張伸び率が200〜2000%である。
ここでポリオレフィン基材の長さ方向とは、縦方向(MD(Machine Direction)方向)を意味し、幅方向とは、横方向(TD(Transverse Direction)方向)を意味する。
また、幅方向の引張強度よりも長さ方向の引張強度の方が大きいと、粘着テープに前述のようなねじれの応力が加わった場合などでも、容易に変形して応力をより緩和でき、粘着テープが浮いたり剥がれたりしない。
なお、粘着テープの長さ方向の引張強度および引張伸び率を測定する場合には、粘着テープの長さ方向に沿うように、試料を引張る。一方、粘着テープの幅方向の引張強度および引張伸び率を測定する場合には、粘着テープの幅方向に沿うように、試料を引張る。
まず、Tダイ押出法、インフレーション法、カレンダー法などにより、ポリプロピレンとポリエチレンとをブレンドしたブレンド物からなるフィルムを調製する。ついで、このフィルムを長さ方向に一軸延伸し、ポリオレフィン系基材を製造する。延伸には、公知の一軸延伸機、チューブラー延伸機などの延伸手段を利用することができる。その際、コロナ処理やアニール処理を必要に応じて施してもよい。また、延伸倍率は1〜8が好ましく、より好ましくは3〜7、さらに好ましくは4〜6である。
また、粘着剤層は、ゴム系粘着剤から形成されているため、低温環境下での粘着性に優れる。また、ゴム系粘着剤は伸縮性(弾性)にも優れるため、ゴム系粘着剤からなる粘着剤層を備えた粘着テープは、様々な形態の段ボールへの貼着に用いられた場合や、荷役、保管、輸送などの工程において、ねじれの応力が作用した場合でも、裂けたり剥がれたりしない。
また、剥離剤層は、長鎖アルキル基含有化合物からなるため、重ね貼りが可能で、また、粘着テープが貼着された段ボールなどを積み重ねても荷崩れがおこりにくい。
なお、実施例および比較例中の「部」および「%」は、特に断りのない限り、固形分または有効成分基準の「質量部」および「質量%」を示す。
ポリプロピレン(重量平均分子量(Mw):40万)とポリエチレン(密度:0.92g/cm3)のブレンド物(PEブレンド比率:7%)から、Tダイ押出し法により未延伸フィルムを成形し、ついで、該未延伸フィルムを長さ方向に延伸倍率3倍で一軸延伸して、厚さ100μmのポリオレフィン系基材を調製した。
ついで、該ポリオレフィン系基材の片面に、長鎖アルキル基含有ポリマー(長鎖アルキルペンダンド型ポリマー、商品名:ピーロイル1200、一方社油脂工業社製)をトルエンに溶解した液をワイヤーバーで均一に塗布し、100℃で20秒乾燥させ、剥離剤層を形成した。この際、塗布量は固形分換算で、0.1g/m2とした。
ついで、エラストマー成分としてスチレン−イソプレンブロック共重合体(商品名:クインタック3433N、日本ゼオン製)を50部、粘着付与樹脂として軟化点94℃の石油系樹脂(商品名:DX395、日本ゼオン製)を50部、軟化点140℃の石油系樹脂(商品名:ペトコール140HM5、東ソー製)を5部、オイル成分(商品名:サンピュアーNX−90、日本サン石油製)を10部、老化防止剤(商品名:ノクラックNS−5、大内新興化学工業社製)を1部混合して粘着剤組成物とした。そして、該粘着剤組成物を加熱溶融し、ダイコーター(商品名:パークコーターC−400、由利ロール機械社製)で、ポリオレフィン系基材における剥離剤層を設けた面とは反対面に塗布し、粘着剤層を形成した。この際、塗布量は、50g/m2とした。
このようにポリオレフィン系基材に剥離剤層および粘着剤層を形成した後、巻取り、実施例1の粘着テープを得た。粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材のPEブレンド比率、延伸倍率、厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製し、該ポリオレフィン系基材を用いて粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材のPEブレンド比率、延伸倍率、厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製し、該ポリオレフィン系基材を用いて粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材のPEブレンド比率、延伸倍率、厚みを表1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製し、該ポリオレフィン系基材を用いて粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
粘着剤組成物において、粘着付与樹脂として用いた軟化点94℃の石油系樹脂(商品名:DX395、日本ゼオン製)を20部に変更し、軟化点140℃の石油系樹脂(商品名:ペトコール140HM5、東ソー製)を30部に変更した以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得て、粘着剤層を形成し、さらに実施例1と同様にして粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
ブレンド物の代わりに、重量平均分子量(Mw)が60万のポリプロピレンのみを用い、表1に示す延伸倍率、厚みとした以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製した。ついで、実施例1と同様にして、該ポリオレフィン系基材の片面に剥離剤層を形成した。
ついで、粘着剤組成物として、アクリル系粘着剤(商品名:SK−1986H、綜研化学社製)100部にエポキシ系架橋剤(商品名:E−5C、綜研化学社製)を0.5部配合した組成物を用い、コンマコーターで塗布した以外は、実施例1と同様にして粘着剤層を形成した。このようにして製造した粘着テープの物性を表1に示す。
ブレンド物の代わりに、重量平均分子量(Mw)が40万のポリプロピレンのみを用い、表1に示す延伸倍率で二軸延伸し、表1に示す厚みとした以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製し、該ポリオレフィン系基材を用いて粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材のPEブレンド比率、延伸倍率、厚みを表1のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製し、該ポリオレフィン系基材を用いて粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材に代えて、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材として用いた以外は、実施例1と同様にして、粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
粘着剤組成物として、アクリル系粘着剤(商品名:BPS−4429、東洋インキ製造株式会社製)100部にイソシアネート系架橋剤(商品名:BHS−8515、東洋インキ製造株式会社製)を3部配合した組成物を用い、コンマコーターで塗布した以外は、実施例3と同様にして、ポリオレフィン系基材を形成した。このようにして製造した粘着テープの物性を表1に示す。
ポリオレフィン系基材のPEブレンド比率、延伸倍率、厚みを表1のようにした以外は、実施例1と同様にしてポリオレフィン系基材を調製した。
そして、比較例5と同様にして粘着剤層を形成した以外は、実施例1と同様にして粘着テープを製造した。粘着テープの物性を表1に示す。
<引張強度、引張伸び率>
引張試験機を用いてJIS K 7127(1999)に準じて、試料(粘着テープ)の測定幅:10mm、チャック間の初期距離:100mm、引張速度300mm/分の条件で、23℃、50%RH環境下で長さ方向(MD方向)、幅方向(TD方向)それぞれの引張試験を行い、粘着テープの破断時の強度(引張強度)と伸びを測定した。伸びの値から、引張伸び率を算出した。
引裂強度JIS K 7128−2(1998)(エレメンドフ引裂法)に準じて測定した。
JIS Z 0237に準拠して、23℃、50%RH環境下でSUS板に粘着テープを貼付して、180度引き剥がし粘着力(N/m)を測定した。
JIS P 3902に規定するA級280g/m2のライナーと、JIS P 3904に規定するA級125g/m2のセミ中芯を持つ厚さ5mmのA級段ボールから、図1(a)に示すように、幅W1:50mm、長さL1:200mmの長方形の段ボール片Sを切り出した。なお、ここでは、セミ中芯の波形の繰り返し方向と、長さ方向とが一致する向きに、段ボール片Sを切り出した。ついで、段ボール片Sの長手方向の両端からそれぞれ50mmの部分に片面から圧を加えて圧縮し、折り込み線11,12を形成した。
一方、図1(b)に示すように、幅(TD方向長さ)W2:25mm、長さ(MD方向長さ)L2:150mmの粘着テープTをサンプリングした。
そして、図1(c)に示すように、段ボール片Sを折り込み線11,12から折り込み、折り込んだ段ボール片Sをくるむように、粘着テープTを貼り付けた。その後、図示略の500gの圧着ロールを粘着テープT上に1往復転圧し、粘着テープTを段ボール片Sに圧着した。
圧着後直ちに、図1(d)に示すように、両方の折り込み線11,12の位置から内側に25mmの部分において、粘着テープTに対して切り込み線21,22を入れた。この切り込み線21,22は、粘着テープTにおいて、一面から他面に貫通する深さであり、粘着テープTの全幅にわたって形成されている。
このように粘着テープTが貼着された段ボール片Sを3日間放置して、切り込み線21と切り込み線22の間の部分の粘着テープTの様子を目視評価した。
なお、段ボール片Sへの粘着テープTの圧着から3日後の評価までは、以下の3種類の環境下(i)〜(iii)で行った。また、評価は以下の4基準により行った。
また、各試験環境に対して、段ボール片Sは複数個を試験に供した。
(i)0℃環境下;
(ii)23℃×50%RH環境下;
(iii)40℃×20%RH環境下;
◎:複数個の段ボール片すべてにおいて、粘着テープTは剥がれがない。
○:一部の段ボール片において、粘着テープTは剥がれはないがズレがある。
△:複数個の段ボール片のうち10%以下の個数のものについて、粘着テープの剥がれがある。
×:すべての段ボール片で、粘着テープの剥がれがある。
以下(i)および(ii)の2条件において、輸送試験を行った。そして以下の基準にて、評価した。
(条件)
(i)図2に示すように、JIS P 3902に規定するA級280g/m2のライナーと、JIS P 3904に規定するA級125g/m2のセミ中芯を持つ厚さ5mmのA級段ボール箱31に、15Kgの重量物を入れ、粘着テープ(幅50mm)T1〜T6でH貼りした。この梱包物30をトラックで300km輸送する輸送試験を行った。
なお、粘着テープを貼る順序は、はじめに上下中央部T1,T2に貼り、その上に重なるように、4辺部T3,T4,T5,T6に貼付した。
(ii)王子インターパック(株)製ハイプルエース(グレードAA700)厚さ10mm、坪量1690g/m2、幅100mmの段ボールで、図3に示すように、50kgの三角形の板状物(厚さ7mm)41の三辺をそれぞれ外側から覆い、梱包した。図中W3は100mm、αは30°である。そして、3枚の段ボール同士が重なり合う部分において、図3のように粘着テープT7〜T9を貼着した。なお、図3に示した上面同様、下面にも粘着テープを貼着した。粘着テープの貼着箇所は合計で6箇所である。また、各粘着テープのサイズは、50mm(幅)×100mm(長さ)である。このように梱包された梱包物40をトラックで300km輸送する輸送試験を行った。
◎:粘着テープの剥がれ、浮き、裂けがない。
○:一部、粘着テープの浮きが見られるが剥がれや裂けがない。
△:粘着テープの剥がれや裂けはないが、浮きが大きく、段ボール箱における重なり部分が動き易い箇所がある。
×:粘着テープの浮きが大きく段ボール箱が開いてしまうか、粘着テープに剥がれ、もしくは裂けなどの不具合がある。
比較例1:ポリオレフィン系基材がポリプロピレンのみからなるため、幅方向の引張伸び率が小さく、輸送試験の結果が良好ではなかった。また、粘着剤層がアクリル系であるため、低温でのボックスループ試験や輸送試験の結果が良好ではなかった。
比較例2:ポリオレフィン系基材がポリプロピレンのみからなり、また、二軸延伸されたものであるため、幅方向の引張伸び率が小さく、輸送試験(ii)の結果が良好ではなかった。また、粘着剤層がアクリル系であるため、低温でのボックスループ試験や輸送試験の結果が良好ではなかった。
比較例3:延伸倍率が大きく、PEブレンド率が小さいために、ポリオレフィン系基材の幅方向の引張伸び率が小さく、輸送試験(ii)の結果が良好ではなかった。
比較例4:基材がPETからなり、幅方向の引張伸び率が小さく、輸送試験(ii)の結果が良好ではなかった。
比較例5および6:粘着剤層がアクリル系であるため、低温でのボックスループ試験や輸送試験(ii)の結果が良好ではなかった。
Claims (2)
- ポリプロピレンとポリエチレンのブレンド物からなり、長さ方向に一軸延伸されたポリオレフィン系基材と、該ポリオレフィン系基材の一方の面に設けられた粘着剤層と、他方の面に設けられた長鎖アルキル基含有ポリマーからなる剥離剤層とを有する粘着テープであって、
前記粘着剤層はゴム系粘着剤から形成され、
当該粘着テープの長さ方向の引張り強度が5〜50kN/mで、且つ、幅方向の引張伸び率が200〜2000%であることを特徴とする粘着テープ。 - 前記ゴム系粘着剤は、粘着付与樹脂を含有し、
該粘着付与樹脂は、軟化点が100℃以下の粘着付与樹脂と、軟化点が120℃以上の粘着付与樹脂とを含有することを特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
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