JP4426938B2 - 商品展示体 - Google Patents
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ストリップバッグ展示と呼ばれる、陳列棚を必要としない商品の展示販売方法が知られている。ストリップバッグ展示とは、図1に示したようにディスプレイストリップと呼ばれる所定巾のテープ材に複数の商品を取り付けて吊り下げるという展示形態である。この展示形態であれば、陳列棚を必要とせず、商店のレジ横やホテルのフロント等のあらゆる場所において展示販売が可能である。
これに対して、片面にヒートシール層を設けることにより、商品が封入された袋を直接ヒートシールして接着することができるディスプレイストリップが提案されている。このディスプレイストリップを用いれば、商品を封入した袋をディスプレイストリップに取り付ける工程を、商品を袋に封入する一連の工程と連続して自動化することが極めて容易である。
以下に本発明を詳述する。
本明細書において、イージーピール性とは、ヒートシール等の方法により貼り付けたフィルム等を、被着体からヒトの手を用いて容易にかつ破損しないように剥離できる性質を意味し、イージーピール性樹脂組成物とは、フィルム等と被着体との貼り合わせに用いたときにこのようなイージーピール性を発揮させることができる樹脂組成物を意味する。本発明においては、ディスプレイストリップから、袋の表面を傷めることなく、袋を容易に取り外せることが要求されることから、袋の表面層の引張破壊強度よりも低い引張り強度で、主としてディスプレイストリップの内部において凝集破壊が起こることが好ましい。この場合、ディスプレイストリップを構成する層間での剥離や、ディスプレイストリップと袋表面との界面での剥離を伴っていてもよい。従って、本発明において、イージーピール性樹脂組成物は、袋の表面との接着性に寄与する成分(以下、接着成分ともいう)の他に、イージーピール性に寄与する成分(以下、凝集破壊成分ともいう)を含んでいる。
上記凝集破壊成分としては、シーラント層に相手となる袋の表面層よりも破壊しやすいイージーピール性を付与できるものであれば特に限定されず、例えば、スチレン系ポリマー、ポリブテン−1等が挙げられる。
上記スチレン系ポリマーとしては、例えば、スチレン−ブチレン共重合体、スチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−オレフィンブロック共重合体等のスチレン系エラストマー等が挙げられる。これらのスチレン系ポリマー、ポリブテン−1は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記シーラント層は単層からなるものであってもよいし、複数の層からなるものであってもよい。上記シーラント層が単層からなる場合にあっては、上記接着成分と凝集破壊成分との含有量としては特に限定されず、相手方の袋の表面層にあわせて適宜選択される。一般に、接着成分の含有量が多いほどヒートシール性が高くなり、凝集破壊成分の含有量が多いほど凝集破壊が起こりやすくなる。また、上記シーラント層の袋とヒートシールする側の接着成分の含有量が大きくなるように配合してもよい。
本発明のディスプレイストリップでは、更に、ヒートシールにより結合したシーラント層と袋の表面とを剥離するとき、袋の表面層の引張破断強度よりも低い初期荷重により剥離が始まり、かつ、剥離が完了するまで初期荷重に相当する荷重を連続的に又は断続的にかけつづけることを要することが好ましい。
本発明のディスプレイストリップに取り付ける商品を封入する袋としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)層/印刷層/ポリエチレン(PE)層/アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート(PET)層/ポリエチレン(PE)層/無延伸ポリプロピレン(CPP)層からなるもの;透明蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)層/印刷層/無延伸ポリプロピレン(CPP)層からなるもの等の袋の表面が二軸延伸ポリマーであるもの;ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層/印刷層/ポリエチレン(PE)層/アルミニウム蒸着ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層からなるもの等が挙げられる。
また、上記シーラント層が剥離層とヒートシール層を含む複数の層からなる場合には、共押出し成形法にて作製することができる。
本発明のディスプレイストリップと商品が封入された袋とがヒートシールにより結合されてなる商品展示体もまた、本発明の1つである。
厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ60μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、ショウレックスアロマーフィルムTPF1)を通常のドライラミネート方法を用いてラミネートした積層体を、35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
坪量換算70g/m2の厚さの紙を基材層として、接着剤を介してこの上にヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPH)を積層し、得られた積層体をスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ35μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、ショウレックスアロマーフィルムTP9)を通常のドライラミネート方法を用いてラミネートした積層体を、35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、ショウレックスアロマーフィルムTPF1)及び通常押出しサンドラミネーションに使用される低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを押し出して、PET(50μm)/LDPE(30μm)/TPF1(40μm)のラミネートフィルムを得た。得られたラミネートフィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
秤量90g/m2のコート紙にシーラブル無延伸ポリプロピレン(二村化学工業製、商品名「FCMN」)をドライラミネートし、これをスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材層として、この上に厚さ30μmの低密度ポリエチレン層とシーラント層として厚さ30μmの汎用の無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製、商品名「P1128」)をこの順に積層し、これをスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
袋構成:ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層(20μm)/印刷層/ポリエチレン(PE)層(10μm)/アルミニウム蒸着ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層(20μm)
実施例1で作製したディスプレイストリップに結合した袋を取り外す際にかかる荷重の変化を図8に、比較例1において作製したディスプレイストリップに結合した袋を取り外す際にかかる荷重の変化を図9に、また、袋の表面層について行った引張強度の測定結果を図10に示した。
また、得られたこれらのサンプルについて、人手によるダンボール箱への梱包作業及び梱包された状態から取出して展示を行うまでに脱落した商品の数を計数したところ実施例1で作製したディスプレイストリップを用いた場合には、全く商品の脱落がなかったのに比べて、比較例1で作製したディスプレイストリップを用いた場合には、梱包時には10個中3個が脱落し、展示時には更に4〜5個が脱落した。
袋材として、シーラブル二軸延伸ポリプロピレン層20μm/低密度ポリエチレン層10μm/シーラブルアルミ蒸着二軸延伸ポリプロピレン層20μmの構成からなる厚さ50μmのフィルムを準備した。
ディスプレイストリップと袋材とを、熱傾斜試験機(東洋精機製作所社製、 HEATGRADIENT)を用い、シール温度190℃、シール時間0.5sec、シール圧力0.4MPaの条件にてシールを行った。
その結果、実施例2、3で作製したディスプレイストリップを用いた場合には、袋表面を傷めることなく、ディスプレイストリップが取り外せたのに対して、比較例2、3で作製したディスプレイストリップの場合には、袋表面層に亀裂が入り、袋表面相内部に破壊が進んだ。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層として、この上に印刷層、厚さ30μmのポリエチレン層、及び、透明シーラント層として厚さ20μmの凝集破壊成分としてスチレン−ブタジエン共重合体を含有する無延伸ポリプロピレンフィルムをこの順に積層し、得られた積層体をスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。得られたディスプレイストリップの断面を表す模式図を図15に示した。
坪量換算70g/m2の厚さの紙を基材層として、この上に厚さ30μmのポリエチレン層、及び、透明シーラント層として厚さ20μmの実施例4で用いたスチレン−ブタジエン共重合体を含有する無延伸ポリプロピレンフィルムをこの順に積層し、得られた積層体をスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。得られたディスプレイストリップの断面を表す模式図を図16に示した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム上に、厚さ50μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(東セロ社製、CMPSシリーズ013C)を通常のドライラミネート方法を用いてラミネートした積層体を、35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、プロピレン−エチレン共重合体、ポリエチレン及びポリブテンー1からなる押出しフィルム(PB−1)、及び、通常押出しサンドラミネーションに使用される低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを押し出して、PET(50μm)/LDPE(30μm)/PB−1(50μm)のラミネートフィルムを得、得られたラミネートフィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、凝集破壊型のイージーピール性を有するVMXフィルム(ジェイフィルム社製、XB15FT)及び通常押出しサンドラミネーションに使用される低密度ポリエチレン(LDPE)フィルムを押し出して、PET(50μm)/LDPE(20μm)/XB15FT(30μm)のラミネートフィルムを得、得られたラミネートフィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ12μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材とし、凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、アロマーフィルムTP6)をタンデムラミネーターを用いてポリエチレンフィルム及びアルミ蒸着二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(VMAL−PET)フィルムとともに押出しサンドラミネーションし、PET(12μm)/PE(12μm)/VMAL−PET(12μm)/PE(12μm)/TP6(35μm)の5層フィルムを得、得られた5層フィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ30μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムに印刷を行う。一方、厚さ40μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、アロマーフィルムTPF−1)の片面にアルミ蒸着を行った。得られた2枚のフィルム印刷面とアルミ蒸着面とをあわせて、通常のドライラミネート方法にてラミネート行い、積層フィルムを得、得られた積層フィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
片面に印刷を行った厚さ25μm二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの印刷面上に、片面にアルミ蒸着を行った凝集破壊型のイージーピール性を有するフィルム(昭和電工プラスチックプロダクツ社製、アロマーフィルムTPF−1)及びエチレンアクリル酸共重合体(EAA)フィルムを押出しラミネートすることにより、PET(25μm)/印刷層/EAA(15μm)/VM−AlTPF−1(40μm)からなる積層フィルムを得、得られた積層フィルムを35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを基材層として、この上に厚さ30μmの低密度ポリエチレン層とシーラント層として厚さ40μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するの無延伸ポリプロピレンフィルム(シングルサイト触媒系直鎖状ポリエチレン60重量%と、プロピレン単独重合体20重量%と、スチレン含有量が67重量%であるスチレンブタジエン水素添加ポリマー20重量%とを含有する樹脂組成物からなる厚さ8μmの接着層と、エチレン含有量が4.5重量%であるプロピレンーエチレンランダム共重合体40重量%と、直鎖状ポリエチレン60重量%とを含有する樹脂組成物からなる厚さ32μmの支持層とからなる)をこの順に積層し、これをスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリプロピレンフィルムを基材層として、この上に厚さ30μmの低密度ポリエチレン層とシーラント層として厚さ20μmの凝集破壊型のイージーピール性を有するの無延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業社製、商品名「FCMSO」)をこの順に積層し、これをスリッターを用いて35mm巾にスリットすることによりディスプレイストリップを作製した。
厚さ30μmの低密度ポリエチレン層の代わりに、ノンソルボンド(大日精化工業社製、商品番号XC−231(主剤)とXA−126(硬化剤)とを10:4の比率で混合したもの)を接着剤として、ドライミネーションにより1.0g/m2を塗布して、基材層とシーラント層とを接着した以外は実施例4と同様にして、ディスプレイストリップを作製した。
厚さ30μmの低密度ポリエチレン層の代わりに、接着剤(タケダ社製、商品名「タケラックA969V/タケネートA5」を用いて、ドライラミネーションにより、1.0g/m2を塗布して、基材層とシーラント層とを接着した以外は実施例4と同様にして、ディスプレイストリップを作製した。
2 商品を封入した袋
3 シーラント層
4 基材層
5 シーラント層(袋側)
6 印刷層(袋側)
7 シール部位
8 透明シーラント層(スチレン−ブタジエン共重合体を含有する無延伸ポリプロピレンフィルム)
9 ポリエチレン層
10 印刷層
11 基材層(二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム)
12 紙
Claims (4)
- ディスプレイストリップと商品が封入された袋とがヒートシールにより結合されてなる商品展示体であって、
前記ディスプレイストリップは、少なくとも基材層と、凝集破壊型のイージーピール性を有するシーラント層とからなるものであり、
前記袋は、凝集破壊成分を含まない、ヒートシール性の樹脂からなる表面層を有する二軸延伸フィルムを具備する積層フィルムから構成され、前記表面層が袋の外側表面に配置されており、
前記袋の外側表面と、前記ディスプレイストリップのシーラント層とは、ヒートシールにより結合されており、
ヒートシールにより結合した前記ディスプレイストリップのシーラント層と前記袋の表面とを剥離すると前記ディスプレイストリップのシーラント層が破壊して前記商品が封入された袋の表面を損傷することなく取り外すことができるものである
ことを特徴とする商品展示体。 - ディスプレイストリップのシーラント層は、イージーピール性樹脂組成物を含有する接着層と、支持層とからなる請求項1記載の商品展示体。
- ディスプレイストリップの基材層とシーラント層とは、接着剤により積層されている請求項1又は2記載の商品展示体。
- ディスプレイストリップの基材層とシーラント層との間に、更に、ポリエチレン、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体のアイオノマーからなる層が積層されている請求項1、2又は3記載の商品展示体。
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