JP4551671B2 - 商品展示体及び商品展示体の製造方法 - Google Patents
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以下に本発明を詳述する。
上記シーラント層は、エチレン−ビニルアセテート共重合体を含有する。上記エチレン−ビニルアセテート共重合体は、ヒートシール性に優れる樹脂であることから、上記シーラント層と商品を封入した袋の表面とはヒートシールにより結合することができる。また、70〜150℃程度の比較的低温でヒートシール可能であることから、ヒートシール工程の高速化を容易に行うことができることに加え、上記基材層の厚さを厚くしても充分にヒートシール可能である。上記基材層の厚さを厚くすることにより、ディスプレイストリップ全体の腰を強くすることができ、また、ホールパンチ等により吊り下げ用の穴を開けた場合にも穴の周辺の強度を高くすることができる。更に、上記エチレン−ビニルアセテート共重合体は柔軟なエラストマーであることから、ヒートシールにより結合した袋を剥離する際には上記シーラント層が破壊して、袋側を損傷することがない。
上記エチレン−ビニルアセテート共重合体としては、単一のものを用いてもよいし、ビニルアセテート含量等の異なる2種以上のものを混合して用いてもよい。
上記粘着性付与剤としては特に限定されないが、例えば、ロジン樹脂、テルペン樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂及び芳香族系炭化水素樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂が好適に用いられる。
上記テルペン樹脂としては特に限定されず、例えば、テルペン、フェノール性テルペン、変性テルペン、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体、テルペン−フェノール共重合体等が挙げられる。
上記脂環族系炭化水素樹脂としては特に限定されず、例えば、スペントC4−C5留分中のジエン成分を環化2量体化したものを重合させた樹脂、シクロペンタジエン等の環状モノマーを重合させた樹脂、水素添加ジシクロペンタジエン樹脂、水素添加石油樹脂等が挙げられる。
上記芳香族系炭化水素樹脂としては特に限定されず、例えば、ビニルトルエン、インデン、スチレン重合体、α−メチルスチレン共重合体等が挙げられる。
上記粘着性付与剤としては、例えば、USP6117945号に記載されたもの等の市販のものを用いることができる。
また、上記基材層とシーラント層とは、公知のドライラミネート法により接着剤を介して積層してもよいし、溶剤や接着剤を用いないサーマルラミネート法により積層してもよい。
従来のディスプレイストリップでは、ヒートシールによりディスプレイストリップに取り付けた商品を封入した袋を取り外す際に、図3に示したように袋の表面が凝集破壊する際の衝撃により袋の印刷層等までが損傷するため、袋の印刷面を損傷したり、シール部分以外のところまで損傷したりしていた。本発明のディスプレイストリップでは、ディスプレイストリップ側のシーラント層がエチレン−ビニルアセテート共重合体を含有するものであることから、上記シーラント層が袋の表面よりも相対的に破壊しやすいものとなり、図2に示したように剥離の際には必ずディスプレイストリップ側のシーラント層が伸びながら破断するようにしてシーラント層と袋の表面との界面で剥離が起こることから、外観を損ねることなく商品を封入した袋を取り外すことができる。
即ち、シーラント層がエチレン−ビニルアセテート共重合体を含有することから、まず、袋の表面層の引張破断強度よりも低い初期荷重によりシーラント層が伸びるようして剥離が始まる(チャック間距離:A)。これにより、袋側の表面層が破壊することがないため、外観を損ねることなく商品を封入した袋を取り外すことができる。次いで、剥離が始まった後、剥離が完了(チャック間距離:B)するまで初期荷重に相当する荷重を連続的に又は断続的にかけつづけることを要することが好ましい。
また、初期荷重に相当する荷重を断続的に荷重をかけつづけるとは、初期荷重を与えた後にいったん荷重が大きく減ずることがあっても、剥離完了までには再び要する荷重が大きく増大して、初期荷重に対して±50%の範囲内の荷重がかかることを示すピークが現れることを意味する(図4a’)。
更に、上記シーラント層が剥離層とヒートシール層を含む複数の層からなる場合には、共押出し成形法にて作製することができる。
上記袋としては特に限定されず、通常用いられている袋がいずれも使用できるが、少なくともシーラント層と基材層とからなるものが好ましい。
上記袋のシーラント層としては、ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体、低密度ポリエチレン及びエチレン−酢酸ビニル共重合体からなる群より選択される少なくとも1種からなるものが好適である。
また、上記袋の表面にもシーラント層を形成する場合には、上記袋の表面のシーラント層としては、ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)フィルムからなるものが好適である。ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)フィルムとは、通常、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の表面に、プロピレン−エチレン−ブテン3元共重合体等のヒートシール性を有する樹脂からなるごく薄いターポリマー層を設けることによりヒートシール性を付与したものを意味し、とりわけ欧米では袋材に多く採用されている。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層として、シーラント層としてMFR9.5のエチレンービニルアセテート共重合体を主成分とする厚さ50μmのフィルム(東ソー社製、メルセンMX)を用いて、該基材層と該シーラント層との間に、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30μmの層になるように溶融押出しをしながら、該基材層と該シーラント層とをラミネートして、PET(50μm)/LDPE(30μm)/シーラント層(50μm)の3層構造からなるシートを得た。得られたシートを35mm幅に裁断して、ディスプレイストリップを作製した。
ヒートシール条件としては、120℃、圧力3kg/cm2、250msとした。また、袋は下記の構成のものを用いた。
袋構成:ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層(20μm)/印刷層/低密度ポリエチレン(LDPE)層(13μm)/アルミニウム蒸着ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン(OPH)層(20μm)
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層として用いて、MFR7.5のエチレンービニルアセテートを主成分とする厚さ50μmのシーラント層(東ソー社製、メルセンMX)を該基材層にドライラミネート接着剤を用いてラミネートして、PET(50μm)/シーラント層(50μm)の2層構造からなるシートを得た。得られたシートを35mm幅に裁断して、ディスプレイストリップを作製した。
得られたディスプレイストリップを用いた以外は実施例と同様にして商品展示体を作製した。
厚さ38μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層として、シーラント層としてMFR15.0のエチレンービニルアセテート共重合体を主成分とする厚さ40μmのフィルム(東ソー社製、メルセンMX)を用いて、該基材層と該シーラント層との間に、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30μmの層になるように溶融押出しをしながら、該基材層と該シーラント層とをラミネートして、PET(38μm)/LDPE(30μm)/シーラント層(40μm)の3層構造からなるシートを得た。得られたシートを35mm幅に裁断して、ディスプレイストリップを作製した。
得られたディスプレイストリップを用いた以外は実施例と同様にして商品展示体を作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層として、シーラント層としてMFR40.0のエチレンービニルアセテート共重合体を主成分とする厚さ50μmのフィルム(東ソー社製、メルセンMX)を用いて、該基材層と該シーラント層との間に、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30μmの層になるように溶融押出しをしながら、該基材層と該シーラント層とをラミネートして、PET(50μm)/LDPE(30μm)/シーラント層(50μm)の3層構造からなるシートを得た。得られたシートを35mm幅に裁断して、ディスプレイストリップを作製した。
得られたディスプレイストリップを用いた以外は実施例と同様にして商品展示体を作製した。
厚さ50μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを基材層として、シーラント層としてMFR46.0のエチレンービニルアセテート共重合体を主成分とし粘着性付与剤を含有する厚さ50μmのフィルム(東ソー社製、メルセンMX−106)を用いて、該基材層と該シーラント層との間に、低密度ポリエチレン(LDPE)を厚さ30μmの層になるように溶融押出しをしながら、該基材層と該シーラント層とをラミネートして、PET(50μm)/LDPE(30μm)/シーラント層(50μm)の3層構造からなるシートを得た。得られたシートを35mm幅に裁断して、ディスプレイストリップを作製した。
得られたディスプレイストリップを用いた以外は実施例と同様にして商品展示体を作製した。
実施例1〜3及び比較例1、2で作製した商品展示体について、以下の方法により評価を行った。
結果を表1に示した。
23℃におけるディスプレイストリップと袋とのシール強度を引張試験機(東洋精機製作所社製、ストログラフV1−C)を用いて、300mm/minの引張速度で測定した。
商品展示体を40℃の恒温槽内に吊るし、24、48及び72時間後に、ディスプレイストリップからはずれて落下した袋の数を調べた。
商品展示体から、ディスプレイストリップを吊り下げた状態で、6個の袋をひとつずつ下に引っ張り袋を剥離し、袋のヒートシールしていた部分を目視にて観察し、印刷層が損傷した等の袋側の外観に問題があったものの数を求めた。
2 商品を封入した袋
3 シーラント層
4 基材層
5 ヒートシーラブル二軸延伸ポリプロピレン層(袋側)
6 印刷層(袋側)
7 シール部位
Claims (9)
- 商品が封入された袋を複数並べて取り付けて展示するためのディスプレイストリップに、
商品が封入された袋がヒートシールにより結合されてなる商品展示体において、
前記ディスプレイストリップは、少なくとも、基材層とシーラント層とからなるものであり、前記シーラント層は、JIS K 6730に準ずる方法により測定されるメルトフローレートが1〜30であるエチレン−ビニルアセテート共重合体を含有するものであり、
前記袋は、袋の外側に配置された二軸延伸フィルムからなる基材層と袋の内側に配置されたシーラント層とからなり、
前記ディスプレイストリップのシーラント層と、前記袋の基材層の表面とが、ヒートシールにより結合されることにより、ディスプレイストリップから袋を取り外す際には、ディスプレイストリップと袋表面との界面又はディスプレイストリップのシーラント層内部の破壊により、袋の外観を傷めることなく、袋を取り外すことができることを特徴とする商品展示体。 - ディスプレイストリップのシーラント層は、更に、エチレン−ビニルアセテート共重合体に対する粘着性付与剤を含有する請求項1記載の商品展示体。
- ディスプレイストリップの基材層は、二軸延伸ポリプロピレン、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート、金属箔、紙又はこれらの積層物からなる請求項1又は2記載の商品展示体。
- ディスプレイストリップの基材層とシーラント層との間に、更に、ポリエチレン層を有する請求項1、2又は3記載の商品展示体。
- 袋の基材層とシーラント層とは、接着剤を介して積層されている請求項1記載の商品展示体。
- 袋の基材層とシーラント層とは、中間層を介して積層されている請求項1記載の商品展示体。
- 袋のシーラント層と中間層とは、接着剤を介して積層されている請求項6記載の商品展示体。
- 袋の基材層表面には、ヒートシーラブル層が形成されている請求項1記載の商品展示体。
- 商品が封入された袋を複数並べて取り付けて展示するためのディスプレイストリップに、
商品が封入された袋をヒートシールにより結合されてなる商品展示体の製造方法において、
前記ディスプレイストリップは、少なくとも、基材層とシーラント層とからなるものであり、前記シーラント層は、JIS K 6730に準ずる方法により測定されるメルトフローレートが1〜30であるエチレン−ビニルアセテート共重合体を含有するものであり、
前記袋は、袋の外側に配置された二軸延伸フィルムからなる基材層と袋の内側に配置されたシーラント層とからなり、
前記ディスプレイストリップのシーラント層と、前記袋の基材層の表面とを、シール温度、シール時間及びシール圧力を選択してヒートシールすることにより、ディスプレイストリップから袋を取り外す際には、ディスプレイストリップと袋表面との界面又はディスプレイストリップのシーラント層内部の破壊により、袋の外観を傷めることなく、袋を取り外すことができることを特徴とする商品展示体の製造方法。
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