JP5597150B2 - 電気自動車用充電スタンド - Google Patents

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Description

本発明は、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などに設置される電気自動車用充電スタンドに関するものである。
近年、二酸化炭素の排出量や石油(ガソリンや軽油など)の消費量を削減することができて地球環境に優しい自動車として、内燃機関(ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなど)と電動機(モータ)を併用して走行するハイブリッド自動車や電動機のみで走行する電気自動車が注目を集めている。また、ハイブリッド自動車の形態として、現在は走行中に二次電池を充電するものが主流であるが、家庭用の交流電源(商用交流電源)を用いて駐車中に二次電池を充電し、初めに電動機で走行するとともに二次電池の残容量が低下したら内燃機関で走行するものも近く市販される予定である。尚、後者の形態の自動車はプラグインハイブリッド自動車と呼ばれている。
ところで、電気自動車やプラグインハイブリッド自動車(以下では、これら2種類の自動車を合わせて「電気自動車」と呼ぶ。)が普及するためには、二次電池を充電するためのインフラを整備する必要がある。具体的には、自動車専用道路のサービスエリアや商業施設の駐車場、あるいは集合住宅の駐車場などの公共の場(パブリック・スペース)に不特定多数の人が利用可能な電源(コンセント)を多数設置しなければならない。ここで、屋外にコンセントを設置するものとして、下部が地中に埋設されたポール内にコンセントを配設し、住戸内(屋内)の住宅用分電盤から分岐された給電線を前記コンセントに接続してなるコンセント装置(電源ポールとも呼ばれる。)が従来より提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されている電源ポールは、円筒状のポールの上部に扉付きのケーシングが取り付けられ、2つのコンセントがケーシング内に収納されて構成されており、ケーシングの扉を開いた状態でケーシング内のコンセントに電源プラグが差込接続されるものである。
特開平10−223339号公報
ところで、電気自動車とコンセントの電気的な接続は、通常、それぞれの電気自動車に用意された専用の充電ケーブルによって行われる。そのため、パブリック・スペースに設置される充電スタンドにおいては、悪戯や盗難を目的として充電中の充電ケーブルがコンセントから抜き取られることを防止するため、さらには充電中にコンセントや電源プラグに人の手が触れることを防止するため、充電ケーブルの電源プラグがコンセントに差込接続された状態で扉を閉じ且つ施錠できることが望ましい。これに対して特許文献1に記載されている電源ポールを充電スタンドに利用した場合、扉で閉塞されるケーシング内に2つのコンセントが設置されており、一方のコンセントに充電ケーブルを接続して1台の電気自動車を充電している間は扉が閉じられているので、他方のコンセントに充電ケーブルを接続することができず、実質的に1台の電源ポールでは同時に複数台の電気自動車を充電することが困難であった。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、充電中の安全性を確保しつつ複数台の電気自動車を同時に充電することが可能な電気自動車用充電スタンドを提供することにある。
本発明の電気自動車用充電スタンドは、電気自動車を充電するための充電ケーブルの電源プラグが挿抜自在に接続される複数のコンセントと、各コンセント毎に設けられ、各コンセントが配設されている収納空所内を個別且つ開閉自在に閉塞し、タンド本体の周面に対して回動自在に設けられた複数の扉と、前記扉を閉めた状態で施錠するロック装置と、扉が開けられているときは前記コンセントへの通電をオフし、且つ扉が閉じられているときに前記コンセントへの通電をオンするインターロック装置とを、前記スタンド本体に備え、前記扉が閉められたときに前記コンセントに接続された前記充電ケーブルを前記スタンド本体の外に引き出すための隙間が設けられ、複数の前記コンセント及び扉は、前記スタンド本体内部において縦方向に並設されていることを特徴とする。
この電気自動車用充電スタンドにおいて、前記コンセントを保持する筐体に前記扉が回動自在に枢着されてなる複数のコンセントユニットを備え、これら複数のコンセントユニットが前記スタンド本体に着脱自在に収納されてなることが好ましい。
本発明の電気自動車用充電スタンドは、充電中の安全性を確保しつつ複数台の電気自動車を同時に充電することが可能になるという効果がある。
本発明の実施形態を示し、(a)は扉が閉じ且つコンセントブロックが閉位置にある状態の正面図、(b)は扉が開き且つコンセントブロックが開位置にある状態の正面図である。 同上の背板並びに最上部のコンセントブロック以外のコンセントブロックを外した状態の背面図である。 同上におけるコンセントユニットを示し、(a)は扉が閉じ且つコンセントブロックが閉位置にある状態の斜視図、(b)は扉が開き且つコンセントブロックが開位置にある状態の斜視図である。 同上の一部省略した左側断面図である。 同上の扉が開き且つコンセントブロックが開位置にある状態を示す一部省略した斜視図である。 同上の扉が閉じ且つコンセントブロックが閉位置にある状態を示す一部省略した斜視図である。 (a)は同上の使用状態を説明するための平面図、(b)は従来例の使用状態を説明するための平面図である。 本発明の別の実施形態を示し、扉が開き且つコンセントブロックが開位置にある状態の平面図である。
以下、図面を参照して本発明に係る電気自動車用充電スタンド(以下、充電スタンドと略す。)の実施形態を詳細に説明する。
本実施形態の充電スタンドは、図1に示すように電気自動車を駐車する地面に立設される筒状のスタンド本体1と、電気自動車を充電するための充電ケーブル100(図7参照)の電源プラグ(図示せず)が挿抜自在に接続される複数(4つ)のコンセント20と、スタンド本体1の周面に対して回動自在に設けられた複数(4つ)の扉13とを備えている。
スタンド本体1は、長尺の矩形板状に形成された3枚の金属板(左側板2,右側板3,背板4)を組み立てることで前面並びに天面、底面がそれぞれ開口した角筒状に形成されている。また、スタンド本体1の最上部には円環状の蛍光ランプFL(図3参照)が配設されており、アクリル樹脂などの透光性材料からなるランプカバー5がスタンド本体1の天面に取着されて蛍光ランプFLを覆っている。尚、蛍光ランプFLはスタンド本体1内に収納される点灯回路(図示せず)により、時刻あるいは周囲の明るさに応じて自動的に点灯・消灯する。
左側板2並びに右側板3の内側面には、幅細の矩形板状に形成された取付板6,6が上下方向に沿い且つ左右方向に突出するようにして形成されている(図2参照)。そして、取付板6,6には、後述するようにコンセントユニット10を取り付けるための複数のねじ孔6aが上下方向に沿って等間隔に貫設されている。
また、スタンド本体1前面における最上部並びに最下部には、矩形板状の上パネル7A並びに下パネル7Bが取り付けられている。そして、スタンド本体1内において上パネル7Aの下端から下パネル7Bの上端までの空間に、合計4つのコンセントユニット10が縦方向(上下方向)に並べて収納される(図1参照)。
コンセントユニット10は、図3に示すように前面並びに上部背面と天面及び底面が開口する角筒状に形成された筐体11と、筐体11内の上部に保持されるコンセントブロック12と、筐体11の下部前面を回動自在に閉塞する扉13とを具備している。コンセントブロック12は、コンセント20を保持する保持体21と、保持体21の前面側に設けられる扁平な矩形箱状のコンセントパネル22とを具備している。保持体21は、図3(b)並びに図4に示すように略台形状に形成された左右一対の側板21a,21bと、両側板21a,21bの下端縁を連結する矩形平板状の底板21cとが一体に形成されている。そして、底板21cの上面にコンセント20が取り付けられ、底板21cに貫設されている貫通孔21dを通してコンセント20の差込口20aが底板21cの下面側に露出している(図3(b)参照)。尚、コンセント20は従来周知のものであって、差込口20aから差し込まれる電源プラグの接触子(栓刃)を受ける刃受(図示せず)や刃受を外部の電線と接続するための端子(図示せず)が絶縁材料製のケース(図示せず)に収納されて構成されている。
コンセントブロック12は、コンセントパネル22の左右両側面の上部において筐体11上部の前部両側面に回動自在に軸支されるとともに、図示しないねじりコイルばねによってコンセントパネル22の下端が前方へ移動する回動向き(以下、この回動向きを「開く向き」と呼ぶ。)に弾性付勢されている。すなわち、コンセントブロック12は、図3(a)及び図4に示すようにコンセントパネル22が筐体11の上部前面を閉塞する閉位置と、図3(b)に示すように保持体21の底板21cが筐体11の前面(スタンド本体1の前面)よりも前方へ突出する開位置との間で回動自在となっている。また、コンセントブロック12には、ねじりコイルばねのばね力に抗して閉位置を維持するためのプッシュラッチ(図示せず)と、コンセントブロック12が閉位置から開位置に回動する速度を減速させるための減速機構(図示せず)が取り付けられている。
扉13は扁平な矩形箱状に形成されており、図3(b)に示すように上下一対のヒンジ部14,14によって右側端部が筐体11の前面下部に軸支されている。また、扉13の背面側には、硬貨を投入することで施錠可能となり且つ解錠すると施錠時に投入した硬貨が返却されるロック装置15が取着されており、扉13の前面にロック装置15の鍵孔部15aが露出している。さらに、扉13の背面側下部と筐体11の内側面下部とがアーム機構16によって連結されており、このアーム機構16により扉13の回動範囲が規制されるとともに扉13が開位置(図3(b)に示す位置。以下同じ。)で保持される。尚、扉13が閉位置(図3(a)に示す位置。以下同じ。)にあるとき、扉13の下端と筐体11の下端との間に充電ケーブル100を通すための隙間が空くようになっている。
また、コンセントユニット10にはインターロック装置(図示せず)が設けられており、このインターロック装置によって、コンセントブロック12が開位置にあるときはコンセント20への通電がオフされ、コンセントブロック12が閉位置にあるときにだけコンセント20への通電がオンされるようになっている。
上述のように構成されるコンセントユニット10は、前面側からスタンド本体1内の収納空所8内に収納され、一対の取付板6,6に対して筐体11がねじ止めされることでスタンド本体1に対して固定される。ここで、図2に示すようにスタンド本体1には同一寸法の4つの収納空所8が上下方向に並設されており、これら4つの収納空所8の何れにもコンセントユニット10を収納することができる。ここで、取付板6,6に取り付けられたコンセントユニット10の筐体11とスタンド本体1の背板4との間には外部から引き込まれる複数の電源ケーブル(図示せず)を左右方向に並べて配線するための配線スペースが設けられている(図4参照)。また、筐体11の背面上部と背板4との間にそれぞれブレーカBRが設置され、配線スペースに配線された電源ケーブルがブレーカBRの1次側に接続されるとともに、ブレーカBRの2次側が図示しない電線によりインターロック装置を介してコンセント20と接続されている。
次に、本実施形態の充電スタンドの使用手順について説明する。まず、扉13を開いてからコンセントパネル22の前面を押すと、プッシュラッチのラッチが外れてコンセントブロック12が閉位置から開位置まで回動する(図5参照)。尚、コンセントパネル22の下端部には、前後方向において扉13の上端部と重なる規制片22aが下向きに突設されており、扉13が閉まっている状態でプッシュラッチのラッチが外れても規制片22aが扉13に当接することでコンセントブロック12が回動しないようになっている。そして、充電ケーブル100の電源プラグの接触子を差込口20aに差し込むことでコンセント20に充電ケーブル100を接続する。このとき、コンセント20の差込口20aがスタンド本体1の前面よりも前方へ突出しているので、電源プラグを差込口20aに差し込む作業が容易に行えるものである。しかも、スタンド本体1前面より前方へ突出したコンセント20の差込口20aが水平面よりも下を向いているため、雨天時に差込口20aに雨水が掛かるのを防ぐことができるものである。
電源プラグをコンセント20に接続した後、コンセントパネル22の前面を押してコンセントブロック12を開位置から閉位置まで回動させるとともにプッシュラッチをラッチさせてコンセントブロック12を閉位置に固定する。続いて、ロック装置15に硬貨を投入してから扉13を閉め、図示しない鍵を用いてロック装置15を施錠する。このとき、充電ケーブル100は閉めた扉13の下端と、下側の収納空所8に収納されている別のコンセントユニット10のコンセントパネル22の上端との間に形成されている隙間を通してスタンド本体1の外に引き出される。
一方、電気自動車の充電が終了すれば、ロック装置15を解錠して扉13を開き、コンセントブロック12を閉位置から開位置に回動した後、電源プラグをコンセント20の差込口20aから引き抜く。ここで、コンセントブロック12が開位置にあるときはインターロック装置によってコンセント20への通電がオフされているため、電源プラグをコンセント20の差込口20aに抜き差しする際の感電事故を防ぐことができる。
電源プラグをコンセント20から引き抜いた後、コンセントパネル22の前面を押してコンセントブロック12を開位置から閉位置まで回動させるとともにプッシュラッチをラッチさせてコンセントブロック12を閉位置に固定する。続いて、ロック装置15から返却された硬貨を回収してから扉13を閉める(図6参照)。
図7(a)は本実施形態の充電スタンドを駐車場に設置した状態を模式的に示した平面図であり、図7(b)は特許文献1に記載されている電源ポール200,200を同じ駐車場に設置したときの平面図である。図7(b)に示すように、従来の電源ポール200では、電気自動車EVを駐車する2台分のスペース毎に1台の電源ポール200を設置しなければならず、しかも、2台の電気自動車EVを同時に充電するためにはケーシングの扉を開いたままにしておかなければならない。そのため、電気自動車EVの所有者が充電中に駐車場から離れた場合、充電ケーブル100が持ち去られてしまったり、子供が悪戯でコンセント20から充電ケーブル100の電源プラグを引き抜いてしまうといった不具合の生じる虞がある。
これに対して本実施形態の充電スタンドでは、図7(a)に示すように電気自動車EVを駐車する4台分のスペース毎に1台を設置すればよく、設置のためのコストが削減できるものである。さらに、それぞれにコンセント20が配設されている収納空所(本実施形態においては収納空所8のうちのコンセントユニット10の筐体11内部)が扉13によって個別に閉塞できるので、充電ケーブル100の盗難防止や悪戯防止などの安全性を確保しつつ複数台の電気自動車EVを同時に充電することが可能となる。
また本実施形態の充電スタンドでは、それぞれにコンセント20(コンセントユニット10)を収納するための複数の収納空所8がスタンド本体1内部において縦方向(上下方向)に並設されているため、複数の収納空所がスタンド本体内部において横方向(水平方向)に並設される場合と比較して、スタンド本体1を設置するために必要な面積(設置スペース)が少なくて済み、その結果、限られた土地(スペース)に設置可能な台数を増やすことができるという利点がある。さらに、コンセント20と扉13を筐体11に取り付けてモジュール化したコンセントユニット10を、スタンド本体1の各収納空所8内にそれぞれ着脱自在に収納する構造を採用しているので、コンセント20の個数や位置(スタンド本体1に対する上下方向の位置)を設置場所において自由に選択・変更することができて設置作業やメンテナンス作業が容易に行えるという利点がある。
ところで、本実施形態の充電スタンドでは、スタンド本体1の周方向において4つの扉13が全て同じ位置(スタンド本体1の前面)に設けられているが、これに限定されるものではなく、複数の扉13のうちの少なくとも一つが他の扉13と異なる位置に設けられていても構わない。例えば、図8はスタンド本体1を上方から見た平面図であり、4つの扉13がそれぞれ角筒状のスタンド本体1の4つの面(前面、左側面、右側面、背面)に設けられている。このような構成を採用すれば、特に図7(a)に示すような設置状況において、それぞれの電気自動車EVを充電するために充電ケーブル100の電源プラグをコンセント20に接続する際の作業性が向上するとともに、充電中における充電ケーブル100の引き回しが容易になるという利点がある。但し、図8に示すように必ずしも4つの扉13の位置を全て異ならせる必要はなく、スタンド本体1の3面(例えば、前面と左右両側面)あるいは2面(例えば、前面と背面)にのみ扉13を設けても構わない。
1 スタンド本体
8 収納空所
10 コンセントユニット
13 扉
20 コンセント
20a 差込口

Claims (2)

  1. 電気自動車を充電するための充電ケーブルの電源プラグが挿抜自在に接続される複数のコンセントと、各コンセント毎に設けられ、各コンセントが配設されている収納空所内を個別且つ開閉自在に閉塞し、タンド本体の周面に対して回動自在に設けられた複数の扉と、前記扉を閉めた状態で施錠するロック装置と、扉が開けられているときは前記コンセントへの通電をオフし、且つ扉が閉じられているときに前記コンセントへの通電をオンするインターロック装置とを、前記スタンド本体に備え、前記扉が閉められたときに前記コンセントに接続された前記充電ケーブルを前記スタンド本体の外に引き出すための隙間が設けられ、複数の前記コンセント及び扉は、前記スタンド本体内部において縦方向に並設されていることを特徴とする電気自動車用充電スタンド。
  2. 前記コンセントを保持する筐体に前記扉が回動自在に枢着されてなる複数のコンセントユニットを備え、これら複数のコンセントユニットが前記スタンド本体に着脱自在に収納されてなることを特徴とする請求項1記載の電気自動車用充電スタンド
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