JP5596825B1 - フォトニック結晶共振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】共振器の共鳴モードにおいて、特定のモードのQ値が、他のモードのQ値よりも極端に小さくなる構造を提供し、フォトニック結晶をベースとしたマイクロキャビティレーザの発振モード数の削減を実現する。
【解決手段】基板K1に、空気穴K2が周期的に配列されたフォトニック結晶において、空気穴K2を1列分取り除くことにより線欠陥光導波路を形成し、線欠陥光導波路に、基板K1よりも大きな屈折率を有する媒質K3を埋め込むことにより活性領域Cとし、活性領域Cを挟み込む線欠陥光導波路の2つの領域をミラー領域Mとする共振器を構成する。共振器の共鳴モードを結合して漏えいするように、周期的空気穴K2に追加して空気穴を設けてリーキー導波路を形成し、リーキー導波路は、活性領域の縦共鳴モードフィールドの節または腹となる位置と、リーキー導波路の横モードのモードフィールドの節または腹となる位置とが一致する位置に配置する。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体を用いたマイクロキャビティを実現するためのフォトニック結晶共振器に関する。
近年、インターネットにおける爆発的なトラフィックの増加に対応するため、ノード間を結ぶ伝送には光が用いられ、その低損失性を生かして大容量化が実現されている。また、ボード間、ラック間と言った近距離の伝送においても、光の高速性を生かして電気の配線の置き換えが進んでいる。さらにはLSIのチップ間、チップ内においても電気配線のボトルネックが指摘され光による配線の可能性の検討が進められている。マイクロキャビティレーザはこのような用途に用いられる、大規模な光集積回路あるいはLSIとの集積化を目指したミクロンオーダのサイズのレーザである。
このような中で、非特許文献1、2、3に示されるような、フォトニック結晶共振器を持つマイクロキャビティレーザが注目を集めている。特に、非特許文献2では、非特許文献1などに示されたデバイスにおいて現れる特性低下の2つの主要因(デバイスの温度上昇とキャリアの拡散)を、埋め込みヘテロ構造(BH構造)により解消する手段が提案されている。
更に、非特許文献3においては、BH構造を用いたレーザをフォトニック結晶線欠陥光導波路と結合させることにより、面内光出力も可能とする構造が提案されており、フォトニック結晶を用いたマイクロキャビティレーザは、将来の平面光集積回路用の光源として有望視されている。また同類の構造が光メモリなど光情報処理用のデバイスとしても注目を集めている(非特許文献4参照)。なお、フォトニック線欠陥光導波路とは、周期的な間隔で設けられた空気穴のうち、線状に連続した部分の空気穴をなくした構造であり、この空気穴をなくした領域を光が導波する。
Kengo Nozaki et al., "Room temperature continuous wave operation and controlled spontaneous emission in ultrasmall photonic crystal nanolaser" Optics Express, vol. 15, no.12, pp. 7506 -7514(2007). Shinji Matsuo et al., "High-speed ultracompact buried heterostructurephotonic-crystal laser with 13 fJ of energy consumed per bit transmitted" Nature Photon., 4, pp. 648-654 (2010). Shinji Matsuo et al., "20-Gbit/s directly modulated photonic crystal nanocavity laser with ultra-low power consumption"Opt. Express, vol. 19, pp. 2242-2250 ( 2011). Kengo Nozaki et al.,"Ultralow-power all-optical RAM based on nanocavities" Nature Photon., 6, pp. 248-252 (2012). Eiichi Kuramochi et al. "Ultrahigh-Q photonic crystal nanocavities realized by the local width modulation of a line defect",Appl.Phys. Lett., 88, 041112 (2006). Bong-shik song et al." Ultra-high-Q photonic doubleheterostructure nanocavity",Nat. Mater. 4, 207 (2005) Yoshihiro Akahane et al. "High-Q photonic nanocavity in atwo-dimensional photonic crystal",Nature, 425, 944 (2003).
しかしながら、非特許文献2、3、4で提案されるBH構造では、レーザの出力パワーを上げるために体積の大きなBH構造を用いると、共振器が複数の共鳴モードを有することになるため、マルチモード発振となってしまうか、あるいは、単一モードで発振してもどのモードが発振するか不確定となる、などの問題が生じてしまう。
本発明はこのような背景の下になされたものであり、共振器の共鳴モードにおいて、特定のフィールド形状をもつモードのQ値が、他のフィールド形状をもつモードのQ値よりも極端に小さくなる構造を提供し、フォトニック結晶をベースとしたマイクロキャビティレーザの発振モード数の削減を実現するものである。
上記の課題を解決するために、一実施形態に記載された発明は、第1の媒質としての基板に、前記第1の媒質よりも屈折率の小さい第2の媒質としての空気穴が周期的に配列されたフォトニック結晶において、前記第2の媒質を1列分取り除くことにより形成された線欠陥光導波路を形成し、該線欠陥光導波路に、前記第1の媒質よりも大きな屈折率を有する第3の媒質を埋め込むことにより、前記第3の媒質が埋め込まれた領域を活性領域とし、当該活性領域を挟み込む前記線欠陥光導波路の2つの領域をミラー領域とする共振器を構成するフォトニック結晶共振器であって、前記共振器の共鳴モードの一部を結合して漏えいするように、前記共振器の活性領域に隣接して周期的に配置された空気穴に追加して空気穴を設けて形成されたリーキー導波路を備え、前記リーキー導波路は、活性領域の縦共鳴モードフィールドの節または腹となる位置と、リーキー導波路の横モードのモードフィールドの節または腹となる位置とが一致する位置に配置されていることを特徴とするフォトニック結晶共振器である。
従来のフォトニック結晶共振器構造の一例を示す図である。 モードフィールドについて説明するための図である。 モードフィールドについて説明するための図である。 フォトニック結晶共振器構造の一例を示す図である。 奇関数の横モード形状を有する導波モード、共鳴モード、それらの組み合わせについて説明するための図である。 偶関数の横モード形状を有する導波モードへの結合を説明するための図である。 リーキー導波路と共振器との組み合わせ構造について説明する図である。 リーキー導波路と共振器との距離をパラメータとしたときのQ値の変化を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(フォトニック結晶共振器の共鳴モードフィールド)
図1は、空気穴三角格子フォトニック結晶で構成され、埋め込みヘテロ構造を有する従来のフォトニック結晶共振器構造(フォトニック結晶共振器、共振器)の一例である。図1において(a)は平面図であり、(b)は断面図である。この共振器構造は、ミラー領域Mと活性領域Cとを備えており、ミラー領域Mはフォトニック結晶線欠陥光導波路、活性領域Cはその線欠陥光導波路に屈折率の高い媒質K3を埋め込んだ埋め込みヘテロ構造となっている。ここで、基板K1はInP、空気穴K2は空気、活性領域媒質K3はInGaAsPを媒質として想定しており、それぞれの屈折率は、K3>K1>K2の関係にある。すなわち共振器は、第1の媒質としての基板に、前記第1の媒質よりも屈折率の小さい第2の媒質としての空気穴が周期的に配列されたフォトニック結晶において、前記第2の媒質を1列分取り除くことにより形成された線欠陥光導波路を形成し、該線欠陥光導波路に、前記第1の媒質よりも大きな屈折率を有する第3の媒質を埋め込むことにより、前記第3の媒質が埋め込まれた領域を活性領域とし、当該活性領域を挟み込む前記線欠陥光導波路の2つの領域をミラー領域とする共振器として構成される。
図1に示す活性領域Cの基底共鳴モードは、線欠陥に最近接する2つの空気穴の中間(図1のb−b断面線の位置)において、その磁界フィールドが必ず「節」になる。図2および図3を用いてより詳細に説明する。フォトニック結晶共振器構造に励起されるモードフィールド(共振器の共鳴モードフィールドと呼ぶ)は、通常、フォトニック結晶の周期性の影響を受けた磁界フィールド(ここでは背景フィールドと呼ぶ)と、フォトニック結晶構造の周期性を考慮しない共振器長で決定されるモードフィールドとの積となる。図2のように、活性領域Cの長手方向の中心を最近接する2つの空気穴の中間の位置にセットすると、背景フィールドは、最近接する2つの空気穴の中間の位置が必ず「節」となる、すなわち共振器縦方向(長手方向)に奇関数の磁界フィールド(奇モード)となるため、共振器の共鳴モードフィールドは、(奇関数)×(偶関数)=(奇関数)となる。
一方、図3のように、それより半周期分だけ共振器縦方向にずれた位置に共振器の中心をセットすると、背景フィールドは偶関数の磁界フィールド(偶モード)となるため、共振器の共鳴モードフィールドは、(偶関数)×(偶関数)=(偶関数)となる。
例えば、図1に記載のフォトニック結晶共振器構造は、埋め込み構造の長さ(LBJ)が格子定数(α)の10倍程度であれば、凡そ3つの共鳴モードを有する。例えば、共振器の中心を穴と穴の中間に配置すると、基底(0th)、一次(1st)、2次(2nd)モードは、奇、偶、奇、の順番となる(図5(d)参照)。
上記の共鳴モードフィールドの発生は、埋め込みヘテロ構造を有するフォトニック結晶共振器に限られない。その理由は、共鳴モードフィールドの節の位置が、フォトニック結晶の周期によって上記の位置に固定されるためである。つまり、フォトニック結晶内の線欠陥の幅を部分的に変調した共振器(非特許文献5、6参照)や、線欠陥を空気穴で終端した共振器(非特許文献7参照)など、フォトニック結晶線欠陥をベースとする共振器においてもこの共鳴モードフィールドは成立する。
(フォトニック結晶共振器)
次に、本実施形態にかかるフォトニック結晶共振器を説明する。図4は、空気穴三角格子フォトニック結晶で構成され、埋め込みヘテロ構造を有する本発明に係るフォトニック結晶共振器構造の一例である。従来のフォトニック結晶共振器を示す図1と比較して、共振器構造にリーキー導波路Lを備える点に違いがある。その他、図1と同じ構成については、説明を省略する。リーキー導波路Lは、活性領域Cの縦方向(すなわち光が伝搬する方向)の中心位置を通り、活性領域Cに垂直な線上に空気穴を追加して設けた部分である。リーキー導波路Lの伝搬特性ならびに活性領域Cとの共鳴モードとの結合条件について、以下で詳述する。
(奇関数・偶関数の横モード形状を有するリーキー導波路)
図5は、奇関数の横モード形状を有する導波モードと、共鳴モードと、それらの組み合わせについて説明する図である。図5において、(a)は導波路構造を示し、(b)は磁界フィールドパターンを示し、(c)はリーキー導波路の導波モードを示し、(d)は共鳴モードのフィールドパターンを示し、(e)は導波モードと共鳴モードとの結合のフィールドパターンを示す。図5(a)は、ΓK方向に等間隔で並んだ2つの空気穴の間に同じ形状の穴を1つ配置してΓK方向に並んだ近接3つ穴構造を、ΓKと直交するΓM方向に周期的に配した構造からなるリーキー導波路を示している。この近接3つ穴構造を構成する3つの空気穴がΓM方向にα×31/2間隔(α:空気穴の間隔)で周期的に配置されている。なお、図5(a)は、図4に示すリーキー導波路の一部を示しており、図4の共振器長手方向が図5(a)のΓKと一致する。
図5(a)のリーキー導波路はΓM方向に光を伝搬させる導波路であり、図中鎖線で示される中心線を挟んで反対称の磁界フィールド形状を有する(図5(b))。すなわち、奇モードのモードフィールドとなる。また、その導波帯域は、フォトニックバンドギャップ(PBG)の低周波数側の半分を占め、上述の共振器の共鳴モードが現れる周波数帯域をカバーする広い帯域を有する。このような構成のリーキー導波路は、同じ対称性を持つモード、すなわち「奇」モードのみ選択的にカップルする「リークパス」として働く。このようなリーキー導波路を共振器構造に備えることにより、「奇」モードのQ値を、「偶」モードよりも極端に小さくすることが可能となる。
より詳細には、図5(a)のリーキー導波路の横モード(ΓK方向のモード)は、3つ穴構造の中心を「節」とする奇モードとなる。ここで注目すべき点は、導波モードの分散曲線が空気のライトライン(Z=kΓM 、Z:規格化周波数、kΓM:規格化波数)より常に高周波数側に存在することである。つまり、リーキーな導波路となっており、この導波路に結合した光は、フォトニック結晶面外に放出されることになる。
図5(d)および図5(e)は、図5(a)のリーキー導波路がない場合、および有する場合の活性領域を伝搬する光の磁界フィールドパタンを示している。図5(d)に示すように、共振器の中心を最近接する2つの空気穴の中間の位置にセットしているため、共振器縦方向ΓKに奇関数の背景フィールドが形成されるため、0th、2ndが「奇」モードとなる。
このような共振器構造の縦方向(すなわち光が伝搬する方向)の中心位置を通り、基板面内かつ活性領域の縦方向に垂直な線上に空気穴を追加した構造のリーキー導波路を備える(図5(a))。リーキー導波路の横モード(ΓK方向のモード)は、リーキー導波路の中心が「節」となる。フォトニック結晶共振器構造の共鳴モード(縦共鳴モードフィールド)の「節」の位置と、リーキー導波路の横モードの「節」の位置とを一致させた場合、フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードのうち、リーキー導波路と同じ対称性を持つモードのみ、リーキー導波路に結合される。すなわち、図5(e)に示されるように、リーキー導波路には「奇」モードである0th、2nd共鳴モードが選択的に結合する。導波路がリーキーであるため、「奇」モードのQ値は、「偶」モードに比べ極めて小さくなる。
また、図7(b)のように、フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードの「腹」と、リーキー導波路の横モードの「節」を一致させると、リーキー導波路は「奇」モードとなり、同じ対称性のモード(ここでは奇モード)のみ結合される、すなわち1st共鳴モードが選択的に結合する。
図5(e)では、フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードの「節」と、リーキー導波路の横モードの「節」を一致させたため、同じ対称性のモード(ここでは奇モード)のみ結合される、すなわち0th、2nd共鳴モードが選択的に結合する。一方、図6のように、フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードの「節」と、リーキー導波路の横モードの「腹」を一致させると、リーキー導波路は「偶」モードとなり、同じ対称性のモード(ここでは偶モード)のみ結合される、すなわち1st共鳴モードが選択的に結合する。ここで図6(a)に示される導波路構造は、点線丸で囲われた部分の空気穴径をその他の穴の70%に縮小することにより、対称性が「偶」となるリーキーモードを有している。
また、フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードの「腹」と、リーキー導波路の横モードの「腹」を一致させると、リーキー導波路は「偶」モードとなり、同じ対称性のモード(ここでは偶モード)のみ結合される、すなわち0th、2nd共鳴モードが選択的に結合する。
フォトニック結晶共振器構造の共鳴モードとリーキー導波路の横モードのとの組み合わせにより結合するモードをまとめると、表1に示す通りになる。フォトニック結晶共振器が「節」の場合、共鳴モードの基底が奇関数となるので、0th、2nd共鳴モードが奇関数、1st共鳴モードが偶関数となる。また、フォトニック結晶共振器が「腹」の場合、共鳴モードの基底が偶関数となるので、1st共鳴モードが奇関数、0th、2nd共鳴モードが偶関数となる。また、リーキー導波路が節の時は、フォトニック結晶共振器の奇関数の共鳴モードを結合し、リーキー導波路が腹の時は、フォトニック結晶共振器の偶関数の共鳴モードを結合する。
フォトニック結晶共振器構造の共鳴モード(縦共鳴モードフィールド)の「腹」ないし「節」と、リーキー導波路の横モードのモードフィールドの「腹」ないし「節」との位置を一致させると、フォトニック結晶共振器構造に励起される共鳴モードのうち、リーキー導波路と同じ「対称性」のモードのみが、選択的にリーキー導波路に結合する。すなわち、リーキー導波路に結合できるモードのQ値を選択的に小さくすることができる。
フォトニック結晶共振器構造およびリーキー導波路の「節」と「腹」との位置を一致させればよいため、例えばリーキー導波路を設ける位置を、図4と比較して、活性領域の縦方向中心位置からずらしても、同様の効果を得ることができる。図4のように、活性領域Cの縦方向中心位置に配置することが最も高い効果が期待できる。
なお、この効果は、近接3つ穴を繋げても、つながった構造を直方体の穴に置き換えても、導波モードのフィールド分布はほとんど同じであるため、同様の効果を得ることができる。
(共振器とリーキー導波路の結合によるQ値の低下)
次に、リーキー導波路と共振器の距離をパラメータとしたときのQ値の変化を示す。図7は、リーキー導波路が「奇」モードであり、共振器が「奇」モードまた「偶」モードとなる配置を示し、7(a)、図7(b)はそれぞれ、基底共鳴モードが「奇」モード、基底共鳴モードが「偶」モードとなる共振器の配置を示している。図8は、図7に示す共振器について、ΓM方向に延伸するリーキー導波路を活性領域に近接させたときのQ値の変化を示す図である。なお、共振器とリーキー導波路の組み合わせ構造、及びそれらの磁界フィールドパターンは、共振器の長手方向の中心軸を境に対称となるため、上半分のみ表示している。
図8(a)においては、共振器を構成するフォトニック結晶線欠陥に最近接する2つの穴の中間に共振器の中心がくるように共振器の長さを設定しているため、リーキー導波路に接続する位置は「節」となり、基底共鳴モードが「奇」モードとなる。そのため、リーキー導波路を共振器に近づけるに従い、0th、2ndモードのQ値が低下する。特に、導波路−共振器間隔がゼロ、つまり、リーキー導波路の先端部を構成する近接3つ穴が、埋め込み構造に最近接の穴列の位置に配置されたとき、1stモードのみが存在する状態となる。
図8(b)においては、図8(a)と比較し、半周期分だけ共振器長手方向にずらした位置に共振器の中心がくるように共振器の長さを設定しているため、リーキー導波路に接続する位置は「腹」となり、基底共鳴モードが「偶」モードとなる。そのため、リーキー導波路を共振器に近づけるに従い、1stモードのQ値が低下する。
このように特定のモードのQ値を減じる効果は、リークパスとして用いるフォトニック結晶導波路の磁界が奇関数の横モード形状を有し、フォトニック結晶共振器の共鳴モードの磁界が奇関数の縦モード形状を有し、導波路と共振器がフォトニック結晶面内で直行するように、共振器中央の両サイドを導波路で挟み込むことで得ることができる。
また前述のように、共鳴モードフィールドの節の位置は、フォトニック結晶の周期によって固定されているため、埋め込み構造の中心がリーキー導波路の中心軸から多少ずれたとしても、共鳴モードフィールドの節の位置は、リーキー導波路の中心軸と合致する。そのため、多少の位置ずれがあったとしても、偶モードと奇モードのどちらか一方のモードのQ値を選択的に低下させることが可能となる。
さらに、フォトニック結晶内の線欠陥の幅を部分的に変調した共振器(非特許文献5、6参照)や、線欠陥を空気穴で終端した共振器(非特許文献7参照)など、フォトニック結晶線欠陥をベースとする共振器も同様の共振器の特徴を持つため、このような共振器においても、偶モードと奇モードのどちらか一方のモードのQ値を選択的に低下させることが可能となる。
以上の結果は、フォトニック結晶共振器とそれに直行するようにフォトニック結晶導波路を組み合わせることにより、導波路横方向のモードの対称性と合致する共振器縦方向モードのQ値を、合致しないモードのQ値よりも極端に小さくすることが可能であることを示すものである。
リーキー導波路Lの幅は、図7では、空気穴2つ分、すなわち近接3つ穴構造の幅である場合が例に挙げられているが、穴の数でデジタルに幅を変えるとすると、最適な導波路幅は図4に記載の穴3つ分である。ただし、シングルモード導波路となる条件であれば、この幅に限定されない。マルチモード導波路では、導波路の対称性を利用して共鳴モードとの結合を切り替えることが不可能となる。
リーキー導波路の長さについては、極限的に短くとも、すなわち穴3つが一列のみに設けられていても、リーキーな共振器となる。この共振器モードが結合することにより、導波路モードとなり、その帯域も広がる。2列以上でも効果があることが確認されている。
リーキー導波路が、共振器の片側のみ(例えば図4の上半分のリーキー導波路のみ)備えていた場合であっても、同様の効果が得られるが、リーキー導波路によるQ値の低減効果は低下する。
K1 基板
K2 空気穴
K3 活性領域媒質
M ミラー領域
C 活性領域

Claims (5)

  1. 第1の媒質としての基板に、前記第1の媒質よりも屈折率の小さい第2の媒質としての空気穴が周期的に配列されたフォトニック結晶において、前記第2の媒質を1列分取り除くことにより形成された線欠陥光導波路を形成し、該線欠陥光導波路に、前記第1の媒質よりも大きな屈折率を有する第3の媒質を埋め込むことにより、前記第3の媒質が埋め込まれた領域を活性領域とし、当該活性領域を挟み込む前記線欠陥光導波路の2つの領域をミラー領域とする共振器を構成するフォトニック結晶共振器であって、
    前記共振器の共鳴モードの一部を結合して漏えいするように、前記共振器の活性領域に隣接して周期的に配置された空気穴に追加して空気穴を設けて形成されたリーキー導波路を備え、
    前記リーキー導波路は、奇モードまたは偶モードのいずれかのみを保有する導波路であり、
    前記リーキー導波路は、活性領域の縦共鳴モードフィールドの節または腹となる位置と、リーキー導波路の横モードのモードフィールドの節または腹となる位置とが一致する位置に配置されていることを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  2. 前記リーキー導波路を形成する空気穴は、前記共振器の活性領域の長手方向における中心位置から該活性領域に対して垂直に延びる方向に沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフォトニック結晶共振器。
  3. 前記リーキー導波路を形成する空気穴は、前記共振器の活性領域の長手方向に沿って3つ並んだ近接3つ穴構造であることを特徴とする請求項1に記載のフォトニック結晶共振器。
  4. 前記リーキー導波路を形成する空気穴は、前記活性領域からの距離が、前記活性領域に最近接した空気穴と同じ距離となる位置に設けることを特徴とする請求項1に記載のフォトニック結晶共振器。
  5. 前記近接3つ穴構造は、導波路長手方向に、穴間隔の31/2倍の間隔で周期的に配置されていることを特徴とする請求項3に記載のフォトニック結晶共振器。
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