JP6324843B2 - 光閉じ込め構造 - Google Patents

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Description

本発明は、フォトニック結晶を用いた光閉じ込め構造に関する。
近年、インターネットにおける爆発的なトラフィックの増加に対応するため、ノード間を結ぶ伝送には光が用いられ、低損失性を生かして大容量化が実現されている。また、ボード間、ラック間と言った近距離の伝送においても、光の高速性を生かして電気の配線の置き換えが進んでいる。さらには、LSI(Large Scale Integration)のチップ間、チップ内においても、電気配線のボトルネックが指摘され、光による配線の可能性の検討が進められている。このような光配線の光源として、マイクロキャビティレーザが用いられている。マイクロキャビティレーザは、大規模な光集積回路あるいはLSIとの集積化を目指したミクロンオーダのサイズのレーザである。
このような中で、フォトニック結晶共振器を持つマイクロキャビティレーザが、注目を集めている(非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3参照)。特に、非特許文献2では、非特許文献1などに示されたデバイスにおいて現れる、デバイスの温度上昇とキャリアの拡散という特性低下の2つの主要因を、埋め込みヘテロ(buried heterostructure;BH)構造により解消する手段が提案されている。
ここで、上述したマイクロキャビティレーザについて、図8を用いて説明する。図8は、マイクロキャビティレーザの構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。断面図は、光が導波する方向に垂直な面を示している。このマイクロキャビティレーザは、まず、InP基板からなる基部301と、基部301に設けられた柱状の複数の中空構造302とからなるフォトニック結晶303に、線欠陥からなるコア304を設けている。中空構造302は、例えば平面視で三角格子状に配列している。また、コア304は、周期的な間隔で設けられた中空構造302の中に、線状に連続した部分の中空構造302をなくした構造であり、この領域に光が導波する。このように中空構造302を設けていない領域は、一般に線欠陥と呼ばれている。
上述した構成のフォトニック結晶303のコア304は、共振部321と、共振部321を挾む2つのミラー領域322とから構成され、共振部321のコア304に、活性媒質305が設けられて(埋め込まれて)いる。活性媒質305は、InGaAs層からなるコア層(量子井戸層)の上下を、InGaAsPからなるクラッド層(障壁層)で覆った構成とされている。このように、ミラー領域322に挾まれた共振部321により、フォトニック結晶共振器が構成される。InGaAsは、バンドギャップエネルギーが波長1.55μm付近に対応し、InGaAsPは、バンドギャップエネルギーが波長1.2μm付近に対応している。
このマイクロキャビティレーザは、活性媒質305が、基部301に埋め込まれたBH構造となっているため、活性媒質305の励起に伴い生じる熱を効率的に放出でき、かつ共振部321への高いキャリア閉じ込めを実現できる。
図9は、ミラー領域322、共振部321を、それぞれを無限長の導波路とみなしたときの光導波モードの分散曲線を示す図である。線欠陥(コア304)の無い場合、このフォトニック結晶デバイスは、フォトニックバンドギャップ(PBG)と呼ばれるストップバンドを有する。この帯域では、光はフォトニック結晶デバイス内を伝搬することができないが、線欠陥(コア304)を導入することにより、図9に示される導波モードの帯域において、光は線欠陥(コア304)内を伝搬することができる。
ここで、PBGの低周波数端をωPBGとし、ミラー領域322の導波モードの低周波数端をωMirrorとし、共振部321の導波モードの低周波数端(導波モードエッジ)をωcavityとする。また、ωPBGとωMirrorとの間のギャップを、ミラー帯域と呼ぶこととする。図8を用いて説明した構成では、フォトニック結晶デバイスを構成する基部301よりも屈折率の大きな活性媒質305が、共振部321に埋め込まれているため、共振部321の導波モードは、ミラー領域321の導波モードより低周波数側にシフトした導波モードを有することになる。つまり、ミラー帯域において、ミラー領域322には導波モードが存在せず、共振部321にのみ導波モードが存在する条件が成立する。言い換えると、共振部321を伝搬する光を、光を通さないミラー領域322で挟み込む状態となっており、これにより、共振部321に光を閉じ込める共振器を構成することが可能となる。
さらに、BH構造を用いたレーザをフォトニック結晶線欠陥光導波路と結合させることにより、面内光出力も可能とする構造が提案されている(非特許文献3参照)。フォトニック結晶を用いたマイクロキャビティレーザは、将来の平面光集積回路用の光源として有望視されている。また、同類の構造が光メモリなど光情報処理用のデバイスとしても注目を集めている(非特許文献4参照)。
ところで、上述では、基部とは異なる屈折率の媒質(活性媒質)を埋め込んだ共振部を、ミラー領域により挾んで共振器を構成しているが、図10に示すように、線欠陥によるコア404の幅を、共振部421では太くすることで、共振器とすることもできる(非特許文献5参照)。
この共振器構造は、まず、InP基板からなる基部401と、基部401に設けられた柱状の複数の中空構造402とからなるフォトニック結晶403に、線欠陥からなるコア404を設けている。中空構造402は、例えば平面視で三角格子状に配列している。また、コア404は、前述同様に、周期的な間隔で設けられた中空構造402の中に、線状に連続した部分の中空構造402をなくした構造(線欠陥)であり、この領域に光が導波する。
上述した構成のフォトニック結晶403のコア404は、共振部421と、共振部421を挾む2つのミラー領域422とから構成され、共振部421のコア404に、幅広領域405が設けられている。幅広領域405は、灰色とした中空構造402を、導波方向に垂直な方向へコア404より離れて移動(シフト)させた状態となっている。この領域の(灰色とした)中空構造402は、他の中空構造402とは異なる周期となっている。
上述した幅広領域405により、共振部421の導波モードは、ミラー領域422の導波モードより低周波数側にシフトした導波モードを有することになる(非特許文献5参照)。つまり、ミラー帯域において、ミラー領域422には導波モードが存在せず、共振部421にのみ導波モードが存在する条件が成立する。言い換えると、共振部421を伝搬する光を、光を通さないミラー領域422で挟み込む状態となっており、これにより、共振部421に光を閉じ込める共振器を構成することが可能となる。
K. Nozaki et al. , "Room temperature continuous wave operation and controlled spontaneous emission in ultrasmall photonic crystal nanolaser", Optics Express, vol.15, no.12, pp.7506-7514, 2007. S. Matsuo et al. , "High-speed ultracompact buried heterostructure photonic-crystal laser with 13 fJ of energy consumed per bit transmitted", Nature Photonics, vol.4, pp.648-654, 2010. S. Matsuo et al. , "20-Gbit/s directly modulated photonic crystal nanocavity laser with ultra-low power consumption", Opt. Express, vol.19, no.3, pp.2242-2250, 2011. K. Nozaki et al. ,"Ultralow-power all-optical RAM based on nanocavities", Nature Photonics, vol.6, pp.248-252, 2012. E. Kuramochi et al. ,"Ultrahigh-Q photonic crystal nanocavities realized by the local width modulation of a line defect", Applied Physice Letters, vol.88, 041112, 2006. H. Takesue et al. ,"An on-chip coupled resonator optical waveguide single-photon buffer", Nature Communications, 3725, 2013.
ところで、フォトニック結晶には、未だ見いだされていない新たな構成で様々な機能を発現させることができる可能性を有している。
本発明は、以上の観点に鑑みてなされたものであり、フォトニック結晶を用いて新たな機能が実現できるようにすることを目的とする。
本発明に係る光閉じ込め構造は、基部および基部に対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられて基部とは異なる屈折率の柱状の複数の第1格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、フォトニック結晶本体の中央部を通過して第1方向に直線状に延在して第1格子要素が形成されていないコア部と、コア部に形成され、第1格子要素とは異なる周期で第1方向に配列され、基部とは異なる屈折率の柱状の複数の第2格子要素と、コア部の第2格子要素が形成されている領域に設けられた光閉じ込め領域とを備え、基部の平面において第1方向に直交する第2方向に、第1格子要素と第2格子要素とが直列する部分が、光閉じ込め領域に配置され、第2格子要素と基部との屈折率の大小関係は、第1格子要素と基部との屈折率の大小関係と同じにされている。
上記光閉じ込め構造において、基部とは屈折率の異なる材料から構成され、第2格子要素が形成されている領域のコア部に埋め込まれた媒質部を備える。
上記光閉じ込め構造において、媒質部が形成されたコア部の光閉じ込め領域より構成された共振部と、媒質部が形成されたコア部の共振部を挾む領域で構成されたミラー領域とを備え、共振部とミラー領域とで共振器が構成されているようにしてもよい。
また、上記光閉じ込め構造において、媒質部が形成されたコア部より構成された共振部と、コア部の媒質部を挾む領域で構成されたミラー領域とを備え、光閉じ込め領域は、共振部の内部に備えられ、共振部とミラー領域とで共振器が構成されているようにしてもよい。
上記光閉じ込め構造において、第1格子要素は、三角格子または四角格子に配列されていればよい。
以上説明したことにより、本発明によれば、フォトニック結晶を用いて新たな機能が実現できるようになる。
図1は、本発明の実施の形態における光閉じ込め構造の構成を示す平面図である。 図2は、本発明の実施の形態における光閉じ込め構造の一部構成を示す平面図である。 図3は、構造I(領域131),構造II(領域132),構造III(領域133)の各々における伝搬モードの分散曲線を示す特性図である。 図4は、本発明の実施の形態における光閉じ込めポテンシャルの効果を説明するための磁界フィールド分布を示す分布図である。 図5は、本発明の実施の形態における光閉じ込め構成を適用した結合共振器光導波路の一部構成を示す平面図である。 図6は、本発明の実施の形態における光閉じ込め構成を適用した結合共振器光導波路の伝搬モードの分散曲線を示す特性図である。 図7は、本発明の実施の形態における他の光閉じ込め構造の構成を示す平面図である。 図8は、マイクロキャビティレーザの構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。 図9は、図8のマイクロキャビティレーザにおけるミラー領域322、共振部321を、それぞれを無限長の導波路とみなしたときの光導波モードの分散曲線を示す図である。 図10は、フォトニック結晶を用いた光共振器の構成を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における光閉じ込め構造の構成を示す平面図である。この光閉じ込め構造は、基部101および基部101に設けられた複数の第1格子要素102を備えるフォトニック結晶本体103を備える。第1格子要素102は、対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられている。また、第1格子要素102は、基部101とは異なる屈折率とされ、柱状とされている。第1格子要素102は、例えば、基部101を貫通する円筒形状の貫通孔であり、空気から構成されている。また、フォトニック結晶本体103には、この中央部を通過してx軸方向(第1方向)に直線状に延在し、第1格子要素102が形成されていないコア部104を備えている。
上述した構成は、フォトニック結晶を用いた従来よりある光導波路の構成である。このような光導波路を構成するフォトニック結晶本体103において、本発明においては、コア部104に、基部101とは異なる屈折率の柱状の複数の第2格子要素105を、第1格子要素102とは異なる周期でx軸方向に配列している。1列の第2格子要素105が、x軸方向に配列している。第2格子要素105は、第1格子要素102と同様に、貫通孔あるいは窪み構造とすればよい。なお、図中、第1格子要素102と区別するために、第2格子要素105は、灰色で示している。
ここで、基部101の平面においてx軸方向に直交するy軸方向(第2方向)に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列する部分が、光閉じ込め領域121に配置されていることが重要となる。図1に示した例では、コア部104の延在方向中央部において、y軸方向に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列する部分が配置されている。従って、この例では、コア部104の延在方向中央部に、光閉じ込め領域121が配置されることになる。
なお、第2格子要素105と基部101との屈折率の大小関係は、第1格子要素102と基部101との屈折率の大小関係と同じにされていればよい。例えば、屈折率の大小関係が、基部101>第1格子要素102であるなら、基部101>第2格子要素105となっていればよい。また、基部101<第1格子要素102であるなら、基部101<第2格子要素105となっていればよい。なお、第2格子要素105は、第1格子要素102と同径の柱状としてもよく、異なる径の柱状としてもよい。
上述した構成において、第2格子要素105は、第1格子要素102とは異なる周期としているので、図1,図2に示すように、領域131,領域132,領域133の各領域は、モードエッジ周波数がずれた状態となっている。
領域131では、y軸方向に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列するが、これよりy軸方向に離れた領域では、y軸方向に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列しない。このような状態を、構造Iとする。
また、この例では、図1に示すコア部104の両端部(領域133)に近い領域132においては、x軸方向に隣り合う2つの第2格子要素105の中間部と、第1格子要素102とが、y軸方向に直列した状態となっている。なおこれは、x軸方向に隣り合う第1格子要素102の中間部と、第2格子要素105とが、y軸方向に直列した状態と同様である。これらで示される状態を、構造IIとする。
また、第2格子要素105を設けていない領域133においては、コア部104を挾んでy軸方向に隣り合う2つの第1格子要素102の間には、第2格子要素105もなく、また、x軸方向に隣り合う2つの第2格子要素105の中間部もない。このような状態を、構造IIIとする。
このように、コア部104に、第2格子要素105を、第1格子要素102とは異なる周期でx軸方向に配列して設けることで、y軸方向に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列する部分を中心とした光閉じ込め領域121に、光を閉じ込めることができるようになる。また、光閉じ込め領域121の両脇の領域は、ミラー領域となり、これらで、光共振器が構成できる。
光閉じ込めについてより詳細に説明する。まず、図3を用いて伝搬モードについて説明する。図3は、構造I(領域131),構造II(領域132),構造III(領域133)の各々における伝搬モードの分散曲線を示す特性図である。図3において、(a)が構造Iにおける分散曲線、(b)が構造IIにおける分散曲線、(c)が構造IIIにおける分散曲線である。なお、基部101は、InPから構成し、第1格子要素102,第2格子要素105は、円筒形状の貫通孔(空気)である。また、第2格子要素105の半径は、フォトニック結晶本体103のフォトニック結晶格子定数の10%としている。
前述したように、構造I,構造II,構造IIIは、各々のモードエッジ周波数がずれた関係になっている。構造Iと構造IIを挟む領域は、構造Iと構造IIの間の分散特性を有し、そのモードは構造IIに対するミラーバンドの中に存在する。このため、第2格子要素105と第1格子要素102との、x軸方向の相対位置関係が少しずつずれているコア部104においては、構造I(光閉じ込め領域121)に、緩やかな光閉じ込めポテンシャルが構成される。
次に、上述した光閉じ込めポテンシャルの効果について、図4を用いて説明する。光閉じ込め構造の中心が構造I,端が構造IIとなり、これらで共振器が構成されるように、異周期の構造体(第2格子要素105)をBH型フォトニック結晶共振器構造に施してある。これは、図1を用いて説明した光閉じ込め構造の、第2格子要素105が形成されているコア部104の領域に、図8を用いて説明した活性媒質を埋め込んだ構造である。
図4に濃淡で示されているように、「y軸方向に第1格子要素と第2格子要素とが直列する領域」と、「x軸方向に隣り合う2つの第2格子要素の中間部と第1格子要素とが、y軸方向に直列する領域」との間に生まれる閉じ込めポテンシャルによって、共振器構造の中央付近(光閉じ込め領域121)に、光が閉じ込められていることがわかる。このように、フォトニック結晶本体103とは異なる周期性の第2格子要素105をコア部104に導入し、コア部104の延在方向に構造Iと構造IIの間の構造を連続的につなぎ合わせることで、構造Iの近辺(光閉じ込め領域121)に光閉じ込めポテンシャルを構成することが可能となる。
上述した実施の形態によれば、光閉じ込め領域121のコア部104に、基部101より屈折率の大きな媒質部を設ける必要が無く、屈折率は同じまたは小さくてもよい。また、光閉じ込め領域121のコア部104を異なる幅とする必要が無い。例えば、部分的(光閉じ込め領域のみ)に活性媒質を設ける必要が無いので、第2格子要素105を設けてある全域において、コア部104に活性媒質を埋め込む構造としても、光閉じ込めが実現できる。例えば、構造InP基板からなる基部101のコア部104に、構造InGaAs層からなるコア層(量子井戸層)の上下を、構造InGaAsPからなるクラッド層(障壁層)で覆った構成の活性媒質を埋め込む構成とすることができる。
ところで、上述した光閉じ込め構造の原理により、この光閉じ込め構造を繰り返すことで、結合共振器光導波路(CROW:coupled resonator optical waveguides、非特許文献6参照)を構成することも可能である。
ここで、共振器間のモード結合が強く、共振器の数が多ければ、光導波路になる。例えば、単層のエタロン膜が共振器になり、これを多層に積層すると層数分の透過スペクトルピークを持つようになり、各層の間隔をつめるとピーク間隔が広がり(帯域が広がり)、共振器の数が多いと連続的なスペクトル帯域を有する、いわゆるバンドバスフィルタになる。このバンドバスフィルタの透過帯域を、導波モードとして利用しているのがCROWとなる。
例えば、図5に示すように、上記光閉じ込め構造とした複数のユニット141を繰り返して連結すればよい。ユニット141毎に、第1格子要素102とは異なる周期で第2格子要素105がx軸方向に配列している。また、ユニット141毎に、y軸方向に、第1格子要素102と第2格子要素105とが直列する構造Iと、x軸方向に隣り合う第1格子要素102の中間部と、第2格子要素105とが、y軸方向に直列した構造IIとを備える。各ユニット141において、コア部104の中心部に構造IIが配置され、端に構造Iが配置されている。なお、図5においても、第1格子要素102と区別するために、第2格子要素105は、灰色で示している。
上記構成としたユニット141を無限に繰り返した場合、図6の(c)に示す分散特性となる。なお、図6の(a),(b)は、それぞれ構造Iまたは構造IIのみでユニット141を構成した場合の分散特性である。図6(a)(b)の間の帯域151に、ユニット141を繰り返した構造の導波路モードが出現している。帯域151において構造IIの領域は導波モードを持たないことは明らかであり、そのことより、図6の(c)に示すモードは、領域Iに閉じ込められた共振器モードが周期的に連結したCROWモードであることがわかる。
CROWモードは、光の遅延効果を利用し、光バッファとして使用できる効果がある。共振器が1つでも光の伝搬速度は小さくなるが、単一の共振器では透過帯域が狭すぎ、実用的ではない。前述したバンドパスフィルタとの類似性より、CROWは、広い透過帯域を確保しつつ、共振器の特徴である伝搬速度を下げるため、実用的な光バッファを得ることができる。以上の結果は、フォトニック結晶線欠陥にフォトニック結晶とは周期の異なる変調を与えることにより、光閉じ込めポテンシャルを構成可能であることを示しており、これを基にする共鳴モードや導波モードを創出できることを示している。
次に、本発明の実施の形態における他の光閉じ込め構造について、図7を用いて説明する。本発明の実施の形態における、他の光閉じ込め構造の構成を示す平面図である。
この光閉じ込め構造は、基部201および基部201に設けられた複数の第1格子要素202を備えるフォトニック結晶本体203を備える。第1格子要素202は、対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられている。また、第1格子要素202は、基部201とは異なる屈折率とされ、柱状とされている。第1格子要素202は、例えば、基部201を貫通する円筒形状の貫通孔であり、空気から構成されている。また、フォトニック結晶本体203には、この中央部を通過してx軸方向(第1方向)に直線状に延在し、第1格子要素202が形成されていない線欠陥からなるコア部204を備えている。
また、コア部204は、共振部221と、共振部221を挾む2つのミラー領域222とから構成され、共振部221のコア部204に、基部201とは屈折率の異なる材料からなる媒質部205が設けられて(埋め込まれて)いる。このように、ミラー領域222に挾まれた共振部221により、フォトニック結晶共振器が構成される。
また、媒質部205を活性な媒質から構成することで、上記フォトニック結晶共振器をBH構造のレーザ(マイクロキャビティレーザ)とすることができる。この構成は、図8を用いて説明した構成と同様である。
ここでは、上述した構成としたフォトニック結晶共振器の共振部221を構成する媒質部205を配置したコア部204に、基部201とは異なる屈折率の柱状の複数の第2格子要素206を、第1格子要素202とは異なる周期でx軸方向に配列している。この場合においても、第2格子要素206は、第1格子要素202と同様に、貫通孔あるいは窪み構造とすればよい。なお、図中、第1格子要素202と区別するために、第2格子要素206は、灰色で示している。
ここで、基部201の平面においてx軸方向に直交するy軸方向(第2方向)に、第1格子要素202と第2格子要素206とが直列する部分が、共振部221の中央部に配置されていることが重要となる。共振部221の中央部に、前述した構造Iが配置され、共振部221の両端部に、前述した構造IIが配置されている。この構成では、共振器を構成している共振部221の中央部に、さらに光閉じ込めがなされるものとなる。
以上に説明したように、本発明によれば、第1格子要素とは異なる周期で第1方向に配列され、基部とは異なる屈折率の柱状の複数の第2格子要素をコア部に形成して光閉じ込め領域としたので、フォトニック結晶を用いて新たな機能が実現できるようなる。例えば、前述したように、本発明によれば、単一の共振器では実現できない広い透過帯域を確保した光バッファが実現できるようになる。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、前述では、媒質部で共振部とした共振器において、第2格子要素を共振部に設けるようにしたが、これに限るものではない。例えば、線欠陥光導波路の幅を部分的に変調した共振部に、第2格子要素を共振部に設けるようにしてもよい。また、上述では、第1格子要素を平面視で三角格子状に配列した場合について説明したが、これに限るものではなく、四角格子に配列してもよい。
101…基部、102…第1格子要素、103…フォトニック結晶本体、104…コア部、105…第2格子要素、121…光閉じ込め領域、131,132,133…領域。

Claims (5)

  1. 基部および前記基部に対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられて前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の第1格子要素を備えるフォトニック結晶本体と、
    フォトニック結晶本体の中央部を通過して第1方向に直線状に延在して前記第1格子要素が形成されていないコア部と、
    前記コア部に形成され、前記第1格子要素とは異なる周期で前記第1方向に配列され、前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の第2格子要素と、
    前記コア部の前記第2格子要素が形成されている領域に設けられた光閉じ込め領域と
    を備え、
    前記基部の平面において前記第1方向に直交する第2方向に、前記第1格子要素と前記第2格子要素とが直列する部分が、前記光閉じ込め領域に配置され、
    前記第2格子要素と前記基部との屈折率の大小関係は、前記第1格子要素と前記基部との屈折率の大小関係と同じにされている
    ことを特徴とする光閉じ込め構造。
  2. 請求項1記載の光閉じ込め構造において、
    前記基部とは屈折率の異なる材料から構成され、前記第2格子要素が形成されている領域の前記コア部に埋め込まれた媒質部を備える
    ことを特徴とする光閉じ込め構造。
  3. 請求項2記載の光閉じ込め構造において、
    前記媒質部が形成された前記コア部の前記光閉じ込め領域より構成された共振部と、
    前記媒質部が形成された前記コア部の前記共振部を挾む領域で構成されたミラー領域と
    を備え、
    前記共振部と前記ミラー領域とで共振器が構成されている
    ことを特徴とする光閉じ込め構造。
  4. 請求項2記載の光閉じ込め構造において、
    前記媒質部が形成された前記コア部より構成された共振部と、
    前記コア部の前記媒質部を挾む領域で構成されたミラー領域とを備え、
    前記光閉じ込め領域は、前記共振部の内部に備えられ、
    前記共振部と前記ミラー領域とで共振器が構成されている
    ことを特徴とする光閉じ込め構造。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光閉じ込め構造において、
    前記第1格子要素は、三角格子または四角格子に配列されている
    ことを特徴とする光閉じ込め構造。
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