JP6162665B2 - フォトニック結晶共振器 - Google Patents

フォトニック結晶共振器 Download PDF

Info

Publication number
JP6162665B2
JP6162665B2 JP2014166379A JP2014166379A JP6162665B2 JP 6162665 B2 JP6162665 B2 JP 6162665B2 JP 2014166379 A JP2014166379 A JP 2014166379A JP 2014166379 A JP2014166379 A JP 2014166379A JP 6162665 B2 JP6162665 B2 JP 6162665B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photonic crystal
core
base
resonance
medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014166379A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016042547A (ja
Inventor
新家 昭彦
昭彦 新家
納富 雅也
雅也 納富
松尾 慎治
慎治 松尾
謙悟 野崎
謙悟 野崎
浩司 武田
浩司 武田
倉持 栄一
栄一 倉持
硴塚 孝明
孝明 硴塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2014166379A priority Critical patent/JP6162665B2/ja
Publication of JP2016042547A publication Critical patent/JP2016042547A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6162665B2 publication Critical patent/JP6162665B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Semiconductor Lasers (AREA)

Description

本発明は、フォトニック結晶を用いたフォトニック結晶共振器に関する。
近年、インターネットにおける爆発的なトラフィックの増加に対応するため、ノード間を結ぶ伝送には光が用いられ、低損失性を生かして大容量化が実現されている。また、ボード間、ラック間と言った近距離の伝送においても、光の高速性を生かして電気の配線の置き換えが進んでいる。さらには、LSI(Large Scale Integration)のチップ間、チップ内においても、電気配線のボトルネックが指摘され、光による配線の可能性の検討が進められている。このような光配線の光源として、マイクロキャビティレーザが用いられている。マイクロキャビティレーザは、大規模な光集積回路あるいはLSIとの集積化を目指したミクロンオーダのサイズのレーザである。
このような中で、フォトニック結晶共振器を持つマイクロキャビティレーザが、注目を集めている(非特許文献1,非特許文献2,非特許文献3参照)。特に、非特許文献2では、非特許文献1などに示されたデバイスにおいて現れる、デバイスの温度上昇とキャリアの拡散という特性低下の2つの主要因を、埋め込みヘテロ(buried heterostructure;BH)構造により解消する手段が提案されている。
ここで、上述したマイクロキャビティレーザについて、図7を用いて説明する。図7は、マイクロキャビティレーザの構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。断面図は、光が導波する方向に垂直な面を示している。このマイクロキャビティレーザは、まず、InP基板からなる基部301と、基部301に設けられた柱状の複数の中空構造(格子要素)302とからなるフォトニック結晶303に、線欠陥からなるコア304を設けている。中空構造302は、例えば平面視で三角格子状に配列している。また、コア304は、周期的な間隔で設けられた中空構造302の中に、線状に連続した部分の中空構造302をなくした構造であり、この領域に光が導波する。このように中空構造302を設けていない領域は、一般に線欠陥と呼ばれている。
上述した構成のフォトニック結晶303のコア304は、共振部321と、共振部321を挾む2つのミラー領域322とから構成され、共振部321のコア304に、活性媒質305が設けられて(埋め込まれて)いる。活性媒質305は、InGaAs層からなるコア層(量子井戸層)の上下を、InGaAsPからなるクラッド層(障壁層)で覆った構成とされている。このように、ミラー領域322に挾まれた共振部321により、フォトニック結晶共振器が構成される。InGaAsは、バンドギャップエネルギーが波長1.55μm付近に対応し、InGaAsPは、バンドギャップエネルギーが波長1.2μm付近に対応している。
このマイクロキャビティレーザは、活性媒質305が、基部301に埋め込まれたBH構造となっているため、活性媒質305の励起に伴い生じる熱を効率的に放出でき、かつ共振部321への高いキャリア閉じ込めを実現できる。
図8は、ミラー領域322、共振部321を、それぞれを無限長の導波路とみなしたときの光導波モードの分散曲線を示す図である。線欠陥(コア304)の無い場合、このフォトニック結晶デバイスは、フォトニックバンドギャップ(PBG)と呼ばれるストップバンドを有する。この帯域では、光はフォトニック結晶デバイス内を伝搬することができないが、線欠陥(コア304)を導入することにより、図8に示される導波モードの帯域において、光は線欠陥(コア304)内を伝搬することができる。
ここで、PBGの低周波数端をωPBGとし、ミラー領域322の導波モードの低周波数端をωMirrorとし、共振部321の導波モードの低周波数端(導波モードエッジ)をωcavityとする。また、ωPBGとωMirrorとの間のギャップを、ミラー帯域と呼ぶこととする。
図7を用いて説明した構成では、フォトニック結晶デバイスを構成する基部301よりも屈折率の大きな活性媒質305が、共振部321に埋め込まれているため、共振部321の導波モードは、ミラー領域321の導波モードより低周波数側にシフトした導波モードを有することになる。つまり、ミラー帯域において、ミラー領域322には導波モードが存在せず、共振部321にのみ導波モードが存在する条件が成立する。言い換えると、共振部321を伝搬する光を、光を通さないミラー領域322で挟み込む状態となっており、これにより、共振部321に光を閉じ込める共振器を構成することが可能となる。
なお、これらの導波モードは、無限長の導波路で定義される。一方で、実際の共振器は有限長であり、無限長である導波路よりも実効屈折率が下がる。このため、共振器の基底モードの共鳴周波数は、導波モード端の周波数よりも必ず小さくなる。
さらに、BH構造を用いたレーザをフォトニック結晶線欠陥光導波路と結合させることにより、面内光出力も可能とする構造が提案されている(非特許文献3参照)。フォトニック結晶を用いたマイクロキャビティレーザは、将来の平面光集積回路用の光源として有望視されている。また、同類の構造が光メモリなど光情報処理用のデバイスとしても注目を集めている(非特許文献4参照)。
K. Nozaki et al. , "Room temperature continuous wave operation and controlled spontaneous emission in ultrasmall photonic crystal nanolaser", Optics Express, vol.15, no.12, pp.7506-7514, 2007. S. Matsuo et al. , "High-speed ultracompact buried heterostructure photonic-crystal laser with 13 fJ of energy consumed per bit transmitted", Nature Photonics, vol.4, pp.648-654, 2010. S. Matsuo et al. , "20-Gbit/s directly modulated photonic crystal nanocavity laser with ultra-low power consumption", Opt. Express, vol.19, no.3, pp.2242-2250, 2011. K. Nozaki et al. ,"Ultralow-power all-optical RAM based on nanocavities", Nature Photonics, vol.6, pp.248-252, 2012.
しかしながら、非特許文献2〜4で提案されるBH構造では、レーザの出力パワーを上げるためには、体積の大きなBH構造を用いることになるが、この場合、次に示す問題が発生する。体積の大きなBH構造では、共振器が複数の共鳴モードを有する状態となる。この結果、マルチモード発振となってしまうか、あるいは、単一モードで発振してもどのモードが発振するか不確定となるなどの問題が生じてしまう。
図7を用いて説明した構成では、共鳴モードの基底モードは、ωcavity近くの共鳴周波数をもち、高次モードはこの周波数とωMirrorの間に現れる。共鳴モード間隔は、共振器の長さで決定されるため、共振器長が長くなると、この帯域に現れるモード数が増えることになる。共振部に埋め込まれているフォトニック結晶本体と異なる屈折率の媒質部の体積は、断面積と共振長の掛け算で与えられるが、断面積が大きいと横モードが、共振長が長いと縦モードが増えることになる。
以上に説明したように、フォトニック結晶を用いた従来のフォトニック結晶共振器では、共振部を構成している媒質部の体積を大きくすると、複数の共鳴モードが存在する状態となるという問題があった。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、フォトニック結晶共振器における共鳴モードが削減できるようにすることを目的とする。
本発明に係るフォトニック結晶共振器は、基部および基部に対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられて基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備える板状のフォトニック結晶と、フォトニック結晶の中央部を通過して所定の方向に直線状に延在して格子要素が形成されていないコアと、コアに設けられた共振部と、コアの共振部を挾む領域に設けられたミラー領域と、基部とは屈折率の異なる材料から構成されてコアの共振部に埋め込まれた媒質部とを備え、共振部の媒質部が形成されている領域は、他の領域より薄くされ、媒質部と基部との屈折率の大小関係は、格子要素と基部との屈折率の大小関係とは逆にされている。
上記フォトニック結晶共振器において、フォトニック結晶の表面側の媒質部の上に形成された溝部を備え、溝部を形成することで、共振部の媒質部が形成されている領域は、他の領域より薄くされていればよい。
上記フォトニック結晶共振器において、基部の平面上でコアが延在している第1方向に対して垂直な第2方向にコアを挾んで隣り合う2つの格子要素による第1格子要素対と、第1方向において第1格子要素対に隣り合い、第2方向にコアを挾んで隣り合う2つの格子要素による第2格子要素対との間に媒質部の両端部は配置されているとよい。
以上説明したように、本発明によれば、共振部の媒質部が形成されている領域は、他の領域より薄くしたので、フォトニック結晶共振器における共鳴モードが削減できるようになるという優れた効果が得られる。
図1は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。 図2は、フォトニック結晶共振器における共鳴モード形状を、波長1530−1560nmの範囲において、1nmの波長間隔でプロットした分布図である。 図3は、溝の深さと、それぞれの共鳴モードの共鳴波長・Q値・モード体積の関係を示す特性図である。 図4は、本発明の実施の形態2におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。 図5は、実施の形態2における媒質部205の配置とQ値の関係を示す特性図である。 図6は、本発明の実施の形態2における他のフォトニック結晶共振器の一部構成を示す断面図である。 図7は、マイクロキャビティレーザの構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。 図8は、図7のマイクロキャビティレーザにおけるミラー領域322、共振部321を、それぞれを無限長の導波路とみなしたときの光導波モードの分散曲線を示す特性図である。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
[実施の形態]
はじめに、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。
このフォトニック結晶共振器は、基部101および基部101に形成された柱状の複数の格子要素102を備える板状のフォトニック結晶103から構成されている。格子要素102は、対象とする光の波長以下の間隔で周期的に基部101に設けられている。また、格子要素102は、屈折率が基部101とは異なる。複数の格子要素102は、例えば平面視で三角格子状に配列している。
ここで、以下では、図1の(a)に示されている基部101(フォトニック結晶103)の面を表面とする。また、図1の(b)においては、紙面上側を表面とし、紙面下側を裏面とする。なお、図1の(b)は、コア104の延在方向におけるコア104の中心線を通る断面を示している。
また、フォトニック結晶共振器は、フォトニック結晶103の中央部を通過して所定の方向に直線状に延在して格子要素102が形成されていないコア104を備える。コア104は、いわゆる線欠陥である。また、コア104は、共振部121と、共振部121を挾む領域に設けられたミラー領域122とを備える。
また、共振部121においては、基部101とは屈折率の異なる材料から構成された媒質部105が埋め込まれている。なお、媒質部105と基部101との屈折率の大小関係は、格子要素102と基部101との屈折率の大小関係とは逆にされている。屈折率の大小関係が、基部101>格子要素102であるなら、基部101<媒質部105となっていればよい。また、基部101<格子要素102であるなら、基部101>媒質部105となっていればよい。
例えば、基部101は、InPから構成され、格子要素102は、例えば、基部101を表面側から裏面側に貫通する円筒形状の貫通孔であり、空気から構成されている。また、媒質部105を、InGaAs層からなるコア層(量子井戸層)の上下を、InGaAsPからなるクラッド層(障壁層)で覆った構成の活性媒質とすれば、本フォトニック結晶共振器によりレーザが構成できる。
加えて、共振部121の媒質部105が形成されている領域は、他の領域より薄くされている。実施の形態1では、図1の(b)に示すように、基部101(フォトニック結晶103の表面)側の媒質部105上に、溝(溝部)106を設けることで、共振部121の媒質部105が形成されている領域を、他の領域より薄くしている。溝106の内部は空気(空間)となる。
また、実施の形態1において、媒質部105の両端部は、基部101の平面上でコア104の延在方向(x軸方向)に対して垂直な方向(y軸方向)にコア104を挾んで隣り合う格子要素102による格子要素対107,108の間に配置されている。なお、図1において示している寸法は、1例である。
上述した実施の形態1では、共振部121を薄くすることで、共振器長を変えることなく、共振部121の導波モードの低周波数端(導波モードエッジ)ωcavityを、ミラー領域122の導波モードの低周波数端ωMirrorに近づけている。以下、共振部121の媒質部105が形成されている領域を、他の領域より薄くすることによる効果について、図2,図3を用いて説明する。
図2において、(a)は、図7を用いて説明した構成のフォトニック結晶共振器における共鳴モード形状を、波長1530−1560nmの範囲において、1nmの波長間隔でプロットしたものである。ここでは、図7に示すフォトニック結晶共振器の右半分の領域の磁界強度分布を示している。上記帯域において、3つの共鳴モード(0th, 1st ,2nd )が現れている。
また、図2の(b)は、実施の形態1におけるフォトニック結晶共振器の共鳴モード形状を、波長1530−1560nmの範囲において、1nmの波長間隔でプロットしたものである。ここでも、図1における右半分の領域の磁界強度分布を示している。上記帯域において、3つの共鳴モード(0th, 1st ,2nd)が現れている。
また、図2の(b)では、媒質部105の上に形成している溝106の深さを10nm,20nm,30nmと変化させた場合について示している。また、図3は、上記溝の深さと、それぞれの共鳴モードの共鳴波長・Q値・モード体積の関係を示す特性図である。
溝106の深さが増えるにつれ、それぞれのモードが短波長側にシフトし、ωMirrorの近辺でモード体積が急増、あるいはモードが消滅している。これは、ωMirrorより短波長側では、ミラー領域122が導波路となるため、ωMirror近辺で光閉じ込め効果が弱まり、ωMirrorより短波長側で共鳴モードがこの導波路を通して共振器外に漏れ出るためである。この効果により、実施の形態1の場合、溝106の深さを30nmとすることで、単一モード化が実現される。
[実施の形態2]
次に、本発明の実施の形態2におけるフォトニック結晶共振器について、図4を用いて説明する。図4は、本発明の実施の形態2におけるフォトニック結晶共振器の構成を示す平面図(a)および断面図(b)である。
このフォトニック結晶共振器は、基部201および基部201に形成された柱状の複数の格子要素202を備える板状のフォトニック結晶203から構成されている。格子要素202は、対象とする光の波長以下の間隔で周期的に基部201に設けられている。また、格子要素202は、屈折率が基部201とは異なる。複数の格子要素202は、例えば平面視で三角格子状に配列している。
以下では、図4の(a)に示されている基部201(フォトニック結晶203)の面を表面とする。また、図4の(b)においては、紙面上側を表面とし、紙面下側を裏面とする。なお、図4の(b)は、コア204の延在方向におけるコア204の中心線を通る断面を示している。
また、フォトニック結晶共振器は、フォトニック結晶203の中央部を通過して所定の方向に直線状に延在して格子要素202が形成されていないコア204を備える。コア204は、いわゆる線欠陥である。また、コア204は、共振部221と、共振部221を挾む領域に設けられたミラー領域222とを備える。
また、共振部221においては、基部201とは屈折率の異なる材料から構成された媒質部205が埋め込まれている。なお、媒質部205と基部201との屈折率の大小関係は、格子要素202と基部201との屈折率の大小関係とは逆にされている。屈折率の大小関係が、基部201>格子要素202であるなら、基部201<媒質部205となっていればよい。また、基部201<格子要素202であるなら、基部201>媒質部205となっていればよい。
例えば、基部201は、InPから構成され、格子要素202は、例えば、基部201を表面側から裏面側に貫通する円筒形状の貫通孔であり、空気から構成されている。また、媒質部205を、InGaAs層からなるコア層(量子井戸層)の上下を、InGaAsPからなるクラッド層(障壁層)で覆った構成の活性媒質とすれば、本フォトニック結晶共振器によりレーザが構成できる。
また、共振部221の媒質部205が形成されている領域は、他の領域より薄くされている。実施の形態2でも、図4の(b)に示すように、基部201(フォトニック結晶203の表面)側の媒質部205上に、溝206を設けることで、共振部221の媒質部205が形成されている領域を、他の領域より薄くしている。溝206の内部は空気(空間)となる。
上述した構成は、前述した実施の形態1と同様である。実施の形態2では、媒質部205の一端が、第1格子要素対207aと第2格子要素対207bとの間に配置され、媒質部205の他端が、第1格子要素対208aと第2格子要素対208bとの間に配置されている。例えば、媒質部205の両端が、第1格子要素対207a,208aと第2格子要素対207b,208bとの中間に配置されている。
第1格子要素対207a,208aは、基部201の平面上でコア104が延在している第1方向に対して垂直な第2方向にコア104を挾んで隣り合う2つの格子要素の対である。また、第2格子要素対207b,208bは、第1方向において第1格子要素対207a,208aに隣り合い、第2方向にコア104を挾んで隣り合う2つの格子要素の対である。実施の形態2の状態は、前述した実施の形態1と比較すると、媒質部205の第1方向の両端位置が、フォトニック結晶103の格子定数の半分ずれていることになる。なお、図4において示している寸法は、1例である。
上述した構成の実施の形態2によれば、共鳴モードの散乱が軽減できるようになる。以下、図5を用いてより詳細に説明する。図5は、媒質部205の配置とQ値の関係を示す特性図である。図5の(a)は、実施の形態1における溝106の深さとQ値との関係を示し、(b)は、実施の形態2における溝206の深さとQ値との関係を示している。
いずれの場合も、溝が深くなるにつれQ値が低減され、深さが30nmのとき単一モードが満足されている。特に、図5の(b)に示す実施の形態2では、単一モードが満足される溝206の深さにおいても、105のQ値が確保されており、溝206の影響による共鳴モードの散逸が小さい構造となっていることがわかる。
このように、媒質部105の両端の位置が、y軸方向にコア104を挾んで隣り合う格子要素102の間に配置されている実施の形態1と、媒質部205の両端の位置が、y軸方向にコア204を挾んで隣り合う格子要素202の間より、格子定数の半分ずれている実施の形態2とを比較した場合、実施の形態2の方が、Q値が高くなる。なお、実施の形態2では、実施の形態1に対して格子定数の半分だけずらしたが、必要なのは高いQ値を得られることであって、高いQ値が得られるのであれば、格子定数の半分に限定されるものではない。
以上に説明したように、本発明によれば、媒質部の上に溝部を形成して空間とすることにより、高次の共鳴モードをミラー領域から漏らし、共鳴モード数を削減できる。また、共振部の導波モードの低周波数端ωcavityを、ミラー領域の導波モードの低周波数端ωMirrorに近づける本発明の技術は、閉じ込めの強さを調整できることから、モードの形状のコントロールも可能である。さらに、溝の形成は、共振器を作製した後に実施でき、共振器を作製した後の加工により、当該共振器の共鳴モードの波長・モード数・形状の調整が可能である。
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内で、当分野において通常の知識を有する者により、多くの変形および組み合わせが実施可能であることは明白である。例えば、図6の断面図に示すように、媒質部205の上面に到達する溝209を形成してもよい。この場合、媒質部205の上面が露出することになる。
また、上述では、フォトニック結晶の一方の面側において、媒質部の上に溝を形成したが、これに限るものではない。フォトニック結晶の両面より、媒質部を挟む状態に溝を形成し、媒質部が形成されている領域を、他の領域より薄くしてもよい。
101…基部、102…格子要素、103…フォトニック結晶、104…コア、105…媒質部、106…溝、107,108…格子要素対、121…共振部、122…ミラー領域。

Claims (3)

  1. 基部および前記基部に対象とする光の波長以下の間隔で周期的に設けられて前記基部とは異なる屈折率の柱状の複数の格子要素を備える板状のフォトニック結晶と、
    フォトニック結晶の中央部を通過して所定の方向に直線状に延在して前記格子要素が形成されていないコアと、
    前記コアに設けられた共振部と、
    前記コアの前記共振部を挾む領域に設けられたミラー領域と、
    前記基部とは屈折率の異なる材料から構成されて前記コアの前記共振部に埋め込まれた媒質部と
    を備え、
    前記共振部の前記媒質部が形成されている領域は、他の領域より薄くされ、
    前記媒質部と前記基部との屈折率の大小関係は、前記格子要素と前記基部との屈折率の大小関係とは逆にされている
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  2. 請求項1記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記フォトニック結晶の表面側の前記媒質部の上に形成された溝部を備え、
    前記溝部を形成することで、前記共振部の前記媒質部が形成されている領域は、他の領域より薄くされている
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
  3. 請求項1または2記載のフォトニック結晶共振器において、
    前記基部の平面上で前記コアが延在している第1方向に対して垂直な第2方向に前記コアを挾んで隣り合う2つの前記格子要素による第1格子要素対と、
    前記第1方向において前記第1格子要素対に隣り合い、第2方向に前記コアを挾んで隣り合う2つの前記格子要素による第2格子要素対と
    の間に前記媒質部の両端部は配置されている
    ことを特徴とするフォトニック結晶共振器。
JP2014166379A 2014-08-19 2014-08-19 フォトニック結晶共振器 Active JP6162665B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014166379A JP6162665B2 (ja) 2014-08-19 2014-08-19 フォトニック結晶共振器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014166379A JP6162665B2 (ja) 2014-08-19 2014-08-19 フォトニック結晶共振器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016042547A JP2016042547A (ja) 2016-03-31
JP6162665B2 true JP6162665B2 (ja) 2017-07-12

Family

ID=55592164

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014166379A Active JP6162665B2 (ja) 2014-08-19 2014-08-19 フォトニック結晶共振器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6162665B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2022185518A1 (ja) * 2021-03-05 2022-09-09

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4054348B2 (ja) * 2003-08-29 2008-02-27 国立大学法人京都大学 2次元フォトニック結晶共振器
JP5363578B2 (ja) * 2009-09-01 2013-12-11 日本電信電話株式会社 フォトニック結晶デバイス
JP5612620B2 (ja) * 2012-02-28 2014-10-22 日本電信電話株式会社 フォトニック結晶デバイス
JP5886709B2 (ja) * 2012-07-27 2016-03-16 日本電信電話株式会社 フォトニック結晶共振器の作製方法およびフォトニック結晶共振器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016042547A (ja) 2016-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9531150B2 (en) Method and system for parity-time symmetric optics and nonreciprocal light transmission
US20110286489A1 (en) All-silicon raman amplifiers and laser based on micro ring resonators
JP5304780B2 (ja) 光スイッチ及びその製造方法
JP4769658B2 (ja) 共振器
JP2016115783A (ja) 光素子
JP5596825B1 (ja) フォトニック結晶共振器
JP2018156104A (ja) 光導波路、それを用いた光部品および波長可変レーザ
WO2003081305A1 (fr) Resonateur optique interferenciel a cristal photonique bidimensionnel a defauts ponctuels, et reflecteur optique
JP5695135B2 (ja) フォトニック結晶デバイス
JP2007133331A (ja) 導波路及びそれを有するデバイス
JP2010003895A (ja) ファイバレーザ用光ファイバ及びファイバレーザ
JP6324843B2 (ja) 光閉じ込め構造
JP6162665B2 (ja) フォトニック結晶共振器
JP2007133332A (ja) 導波路及びそれを有するデバイス
JP6416703B2 (ja) フォトニック結晶連結共振器
JP4964726B2 (ja) 光共振器構造
Kassa-Baghdouche et al. Planar photonic crystal nanocavities with symmetric cladding layers for integrated optics
JP6317278B2 (ja) フォトニック結晶共振器の設計方法
JP2006267207A (ja) 光共振器
JP3876863B2 (ja) アド・ドロップフィルタ
JP2007134401A (ja) 光ゲート・フィルタ、光集積回路、及びパルス・レーザ装置
JP2017010974A (ja) フォトニック結晶結合共振器
WO2020013171A1 (ja) フォトニック結晶光素子
JP2016004147A (ja) 光回路
JPWO2006103850A1 (ja) 導波路素子及びレーザ発生器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160912

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170613

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6162665

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150