JP5595249B2 - 水石けん吐出器 - Google Patents
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この種の水石けん吐出器として、シリンダと、シリンダの内側に形成され、水石けんを一時的に貯留する液室と、タンク内の水石けんを液室に供給する液供給通路上に設けられ、タンクから液室に向う水石けんの流れを許容する一方、逆方向の流れを阻止する一方向性の第1逆止弁と、シリンダの内面に移動可能に内嵌したピストン及びピストンから液室とは反対方向に延びるロッド部と、水石けんを吐出する吐出部と、液室内の水石けんを吐出部に流出させる液流出通路上に設けられ、吐出部に向う水石けんの流れを許容する一方、逆方向の流れを阻止する一方向性の第2逆止弁と、シリンダの外側でロッド部の端部に設けられた押込操作部とを含んだ構造のものが従来公知である。
例えば下記特許文献1,特許文献2,特許文献3にこの種縦設置式の水石けん吐出器が開示されている。
一方、縦の取付壁に対して横向きをなす状態に取り付けられる水石けん吐出器も知られている。
例えば下記特許文献4に、この種の横設置式の水石けん吐出器が開示されている。
横設置式の水石けん吐出器の場合、図8の模式図に示すようにピストン200及びロッド部204が横向きをなす状態で、同じく横向きをなすシリンダ206の内部に移動可能に挿入されるため、シリンダ206の外部でロッド部204の端部に設けられる押込操作部としてのヘッド部208の重み等でロッド部204及びピストン200が傾きを生じ易い。
この傾き状態では、ピストン200のヘッド部208とは反対側の後端部の上部と、ヘッド部208側の前端部の下部とがシリンダ206の内面に部分的に強く当接し、その状態でピストン200がシリンダ206内面を摺動運動することとなる。
これによりシリンダの内面が損傷して、そのことが水石けんの漏れに繋がる問題を解消することができる。
更にピストンがシリンダの内面に対して円滑に相対運動できるようになるため、操作性も良好となすことができる。
このようにすれば、ピストンの後端部と前端部とを全周に亘ってシリンダの内面に対し非接触状態とすることが可能となり、ピストン摺動によってシリンダの内面が損傷するのをより確実に防止することが可能となる。
しかしながらこれらを一体に構成すると、ヘッド部の重みでピストンに傾きが生じたとき、摺動ガイドのガイド部が妨げになり弁座部材がピストンと平行に傾けなくなるため、シール位置がずれてしまう。
そうなるとボールが弁座面に当ったときに片当り等を生じてシール不良を起してしまう恐れが生ずる。
このようにしておけば、弁座部材を単に筒状をなすピストンに内嵌しただけであっても、或いは弁座部材の抜け防止のための別途の部材を設けなくても、摺動ガイドの蓋としての働きにより、弁座部材がピストンから抜けてしまうのを防止することが可能となる。
このようにしておけば、シリンダの内面に対する摺動ガイドの摺動を円滑化することができる。
図1において、10は後方の壁に取り付けられた手洗器で、鉢部12と、その後側から立ち上るバックガード部14とを一体に有している。
鉢部12は底部に排水口を有し、そこに排水管16が接続されている。
この手洗器10には、バックガード部14を縦の取付壁としてそこに手洗水栓18の吐水部20と、本実施形態の水石けん吐出器22とが取り付けられている。
混合部30は水,湯の供給管を兼ねた一対のクランク脚26,28を有しており、それらクランク脚26,28において後方の壁に固定されている。
この本体ボックス24からは電源コード32が延び出しており、その先端の差込プラグが電源コンセントに差込接続されている。
このタンク34は、後方の壁に取り付けられてそこに保持されている。
このタンク34からは、タンク34内の水石けんを吸い上げるチューブ36が上向きに延び出している。チューブ36の上端部は水石けん吐出器22に接続されている。
このチューブ36の内部の通路は、タンク34の水石けんを後述の液室40に供給する液供給通路38(図2参照)を成している。
またタンク34の前面側の上部には、前方斜め上向きをなす傾斜部35が設けられており、そこに水石けんの補給口37が同じく前方斜め上向きで設けられている。
尚39は、この補給口37を閉鎖するキャップである。
図2に示しているようにこの実施形態の水石けん吐出器22は、縦の取付壁としてのバックガード部14に対し横向きをなす状態で設置されている。即ちこの実施形態の水石けん吐出器22は横設置式のものである。
本体ボデー42は、図中右端側に雄ねじ管44を有しており、この雄ねじ管44がバックガード部14の取付穴46を挿通してその裏側に突き出している。
この本体ボデー42には、同じく円筒状をなす金属製のシリンダ56が内嵌状態に組み付けられ、保持されている。
このシリンダ56の内側には、上記のタンク34から液供給通路38を通じて供給された水石けんを一時的に貯留する液室40が形成されている。
弁ケース58は前端部(図中左端部)外周面に雄ねじ部を有し、その雄ねじ部において、シリンダ56の内面の雌ねじ部にねじ結合されている。
この弁ケース58の後端部には細径の差込口60が設けられており、そこに上記の可撓性のチューブ36が差込接続されている。
弁ケース58には、テーパ状の弁座面62を有する弁座部64が一体に構成されており、この弁座部64とボール66とによって、ボール弁から成る一方向性の第1逆止弁68が構成されている。
この第1逆止弁68は、タンク34から上記の液室40に向う水石けんの流れのみを許容し、逆方向の流れを阻止する。
このばね受部材70は、円筒部72と、その左端の円板状のばね受部74とを有しており、その円筒部72が弁ケース58に内嵌する状態に弁ケース58に挿入されている。
ばね受部74は、径方向外方に張り出したフランジ部76を有していて、このフランジ部76が、シリンダ56にねじ込まれた弁ケース58の先端と、シリンダ56に形成された段付部とで図中左右方向に挟持される状態に、弁ケース58及びシリンダ56に対し固定されている。
コイルスプリング78は、図中左端をばね受部74に当接させ、また右端をボール押えを兼ねたスプリングガイド80に当接させ、その付勢力をスプリングガイド80を介してボール66に対し、これを右方即ち閉弁方向に及ぼしている。
このガイド部84は、コイルスプリング78の形状を直線状に保持して、その曲り変形を防止する働きをなしている。
この貫通孔83もまた、液供給通路38の一部を成している。
そしてシリンダ56の軸方向外側において、このロッド部96の端部に押込操作部となるヘッド部98が連結されている。
ここでピストン94及びこれと一体をなすロッド部96は金属製とされている。
コア部材100には、後述する液流出通路の一部をなす縦孔106が設けられている。
このコア部材100にはまた、縦孔106に連続して横向きをなす接続孔が設けられており、その接続孔の内周面の雌ねじ部に対して、ロッド部96の端部の外周面の雄ねじ部がねじ結合されている。
このコア部材100とシリンダ56における上記のフランジ部88との間には、金属製のコイルスプリング112が介挿されており、このコイルスプリング112によってヘッド部98が図中左方、即ち前方への突出し方向に付勢されている。
図に示しているように、ピストン94の外周面には一対のUパッキン(シール部材)116が互いに向きを逆向きにして装着されており、これらUパッキン116によって、ピストン94の外面とシリンダ56の内面とが水密にシールされている。
ここでスプリングガイド126は、上記のスプリングガイド80と同様の構成のもので、ボール122を押圧する押圧部82と軸状のガイド部84とを有している。
そしてこのスプリングガイド126の押圧部82に対して、スプリング124の図中右端が当接せしめられ、またその左端が上記ロッド部96に形成された段付部127に当接せしめられている。
ピストン94及びこれと一体をなすロッド部96は、ピストン94の図中左端、即ちヘッド部98側の前端がこのストッパ部材128に当接することで図中左方への移動量が規定される。
この摺動ガイド130は、シリンダ56の内面に接してピストン94の摺動ガイドをなす部材であって、全体として円筒状をなしている。
摺動ガイド130は、実質的にはこのガイド部134においてシリンダ56の内面に接触し、ピストン94の摺動ガイドをなす。
ここでガイド部134は突条140においてピストン94よりも大径をなしており、それら突条140がピストン94よりも径方向外方に突出せしめられている(図4の部分拡大図参照)。
このため閉弁時において、ボール122が弁座部材118の弁座面120に対して片当り等を生じてシール不良を起してしてしまうといったことは生じない。
尚、摺動ガイド130における挿入部132の外面とピストン94の内面との間、及び弁座部材118の外面とピストン94の内面との間には、所定の隙間即ち嵌合クリアランスが設けられている。
この前端側の摺動ガイド142は、図4及び図6に示すようにリング状をなしていて、ピストン94の外面に形成された環状の嵌込溝144に嵌込状態に組み付けられている。
尚このリング状をなす摺動ガイド142は、図6に示しているように周方向所定個所で分断されていて、その分断により弾性的に拡径可能とされている。
摺動ガイド142は、これを拡径させることによってピストン94の嵌込溝144に嵌め込まれ装着される。
摺動ガイド142は、実質的にはこの突条140をシリンダ56の内面に接触させてピストン94の移動ガイドをなす。
この点は摺動ガイド130においても同様である。
尚この摺動ガイド142及び上記の摺動ガイド130におけるガイド部134の、軸方向両端の外周縁部の形状は半径Rの断面円弧形状となしてある。ここでRは0.2mm以上となしておくことが望ましい。
図7(A)は、ヘッド部98を押込操作する前の状態を表している。このとき液室40には水石けんが一時的に貯留された状態にある。
この状態で図7(B)に示しているようにヘッド部98を図中右向きに押込操作し、ピストン94を液室40に向けて図中右方に前進移動させると、液室40に貯留されていた水石けんが、コイルスプリング125の付勢力に抗して第2逆止弁124を開弁させながら、液流出通路114を通じて吐出ノズル108へと流出し、更にそこから図中下向きに吐出される。
その状態でヘッド部98に加えていた押込力を除くと、コイルスプリング112の付勢力でヘッド部98が図中左方に突き出され、またこれとともにヘッド部98に連結されたロッド部96と一体のピストン94が図中左方に後退移動せしめられる。
そしてピストン94が図中左方の移動端まで移動したところで、コイルスプリング78の付勢力によって第1逆止弁68が閉弁せしめられる。
先ず吐出ノズル108をヘッド部98から外した上で、ヘッド部98における化粧カバー102とスリップリング104とを取り外し、更にねじ固定部材86を本体ホデー42から外した上で、ヘッド部98におけるコア部材100,ロッド部96及びこれと一体のピストン94、更にその内部構造をなす第2逆止弁124,スプリングガイド126,コイルスプリング125,摺動ガイド142,130等を一体のユニットとして、本体ボデー42から取り外すことで、内部のメンテナンス作業を行うことができる。
このようなメンテナンス作業に際して、その都度吐出ノズル108がヘッド部98のコア部材100に対して繰返し脱着されることから、強度の要求されるコア部材100が金属ブロックにて構成されている。
これによりシリンダ56の内面が損傷して、そのことが水石けんが吐出されなかったり、又は水石けんの漏れに繋がる問題を解消することができる。
更にピストン94がシリンダ56の内面に対して円滑に相対運動できるようになるため、操作性も良好となすことができる。
例えばピストン94の後端側の上部及び前端側の下部においてのみ摺動ガイドがシリンダ56の内面に接触するようにそれら摺動ガイドを構成しておくといったことも可能であるし、またピストン94の後端側の摺動ガイドをリング状となして、これをピストン94の外面に嵌着するようになすことも可能であるし、或いはシリンダ56を金属以外の硬質材料で構成するといったことも可能であるなど、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた形態で構成可能である。
20 吐水部
22 水石けん吐出器
34 タンク
38 液供給通路
40 液室
56 シリンダ
62,120 弁座面
64 弁座部
66,122 ボール
68 第1逆止弁
94 ピストン
96 ロッド部
98 ヘッド部
108 吐出ノズル(吐出部)
114 液流出通路
118 弁座部材
124 第2逆止弁弁
130,142 摺動ガイド
134 ガイド部
140 突条
Claims (6)
- (a)縦の取付壁に対して横向きをなす状態に取り付けられるシリンダと、(b)該シリンダの内側に形成され、水石けんを一時的に貯留する液室と、(c)タンク内の水石けんを該液室に供給する液供給通路上に設けられ、該タンクから該液室に向う水石けんの流れを許容する一方、逆方向の流れを阻止する一方向性の第1逆止弁と、(d)前記シリンダに移動可能に内嵌したピストン及び該ピストンから前記液室とは反対方向の前方に延びるロッド部と、(e)水石けんを吐出する吐出部と、(f)前記液室内の水石けんを該吐出部に流出させる液流出通路上に設けられ、該吐出部に向う水石けんの流れを許容する一方、逆方向の流れを阻止する一方向性の第2逆止弁と、(g)前記シリンダの外側で前記ロッド部の端部に設けられた押込操作部としてのヘッド部と、を有し、該ヘッド部の押込操作による前記ピストンの前記液室側への移動によりポンプ作用で水石けんを該液室から押し出して前記吐出部から吐出する横設置式の水石けん吐出器において、
前記ピストンの前記ヘッド部とは反対側の後端側の少なくとも上部と該ヘッド部側の前端側の少なくとも下部とに、前記シリンダ及び該ピストンとは別体をなし、該ピストンから径方向外方に突出して該シリンダの内面に接触し該ピストンの摺動の案内をなす、該シリンダよりも軟らかい材質の樹脂から成る摺動ガイドを該ピストンに固定状態に設けたことを特徴とする水石けん吐出器。 - 請求項1において、前記摺動ガイドは前記ピストンより大径をなす環状の外周部を有していて、該外周部が前記シリンダの内面に嵌合するものとなしてあることを特徴とする水石けん吐出器。
- 請求項1,2の何れかにおいて、前記ピストンを筒状となして前記液流出通路を該ピストンの内部を通って設けてあるとともに、前記第2逆止弁をボール弁となしてあり、
前記ピストンには、ボールを弁座面に軸方向に当接させて閉弁時のシールを行う該第2逆止弁の、前記ピストンとは別体の筒状の弁座部材を内嵌してあるとともに、
前記後端側の摺動ガイドが、前記ピストンの後端の開口から挿入されて該ピストンに内嵌する挿入部と、該ピストンの軸方向外側位置で該挿入部から径方向外方に突出し、前記シリンダの内面に接触し該ピストンの摺動の案内をなすガイド部とを有する筒形状に構成してあり、
前記弁座部材と前記摺動ガイドとの内側の中空部にて前記液流出通路の一部が形成してあるとともに、それら弁座部材と摺動ガイドとが軸方向に互いに分割してあることを特徴とする水石けん吐出器。 - 請求項3において、前記後端側の摺動ガイドを、前記弁座部材の前記ピストンからの抜け防止の蓋となしてあることを特徴とする水石けん吐出器。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記摺動ガイドの外面には径方向外方に突出して軸方向に延びる突条が周方向に間隔を隔てて複数設けてあることを特徴とする水石けん吐出器。
- 請求項1〜5の何れかにおいて、前記摺動ガイドの軸方向端の外周縁部の形状が断面円弧形状となしてあることを特徴とする水石けん吐出器。
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