JP5593860B2 - 衝撃吸収部材 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームと、車幅方向に延びるバンパレインとの間に配設される衝撃吸収部材に関するものである。
従来、自動車の燃費を向上させるとともに、これに伴って環境負荷の低減を図ること等を目的として車体を構成する鋼板の板厚を薄くし、あるいは鋼板材に代えてアルミニウム製の板材や押出材を使用する等により、車体の軽量化を図ることが行われている。しかし、薄肉鋼板やアルミニウム製板材を使用して上記衝撃吸収部材等からなる車両用構造体を形成する場合には、複数のパーツをプレス成形した後に、これらを溶接する等の複雑な工程が必要となる。特に、アルミニウム製板材を用いた場合には、各工程において要する費用が高くなるという問題があった。
そこで、アルミニウム合金鋳物材で上記車両用構造体を形成することも考えられるが、この場合には、該車両用構造体の材料特性として、大きな荷重を受けても容易に破壊されないように、例えば15%以上の全伸び特性(EL)が求められる。このようなアルミニウム合金鋳物からなる車両用構造体としては、下記特許文献1に示されるように、肉厚を、軸方向に沿って連続的または部分的に変化させた中空部を設けた構造とすることにより、車両の衝突時に一定の変形モードで軸方向に蛇腹状に塑性変形させることで優れた衝撃吸収能力が得られるようにしたものが知られている。
特開2002−39245号公報
上記特許文献1に開示された衝撃吸収部材では、車両の衝突時に上記中空部を蛇腹状に塑性変形させることにより、衝撃エネルギーを効果的に吸収して車室内等に大きな衝撃エネルギーが伝達されるのを抑制できるという利点がある。しかし、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームと、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントとの間に配設される上記衝撃吸収部材には、車両の衝突時に入力される前後荷重以外にも種々の荷重が付与されるため、これらの荷重に耐え得る強度を備えることも要求される。例えば、自動車工場で生産された自動車を自動車運搬船等に船積みし、あるいは積載車で輸送国内外の販売店に搬送する際等に、上記バンパレインフォースメントに牽引用フックを取り付け、これをロープで船体の床部に固定することが行われている。
上記牽引用フックには、自動車運搬船等に大きな揺れが発生した場合に、車体重量に対応した大きな荷重が入力されるため、上記サイドフレームとバンパレインフォースメントとの間に配設されたアルミニウム合金鋳物からなる衝撃吸収部材が上記荷重の影響を受けて顕著な塑性変形を生じることになる。このような塑性変形が上記衝撃吸収部材に発生すると、車両の衝突時に衝撃エネルギーを吸収するという機能が充分に発揮されなくなる可能性があり、この点について上記特許文献1に係る衝撃吸収部材では、何ら考慮されていなかった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材において、輸送時等における塑性変形を効果的に抑制しつつ、車両の衝突時には衝突エネルギーを効果的に吸収できるようにすることを目的としている。
請求項1に係る発明は、アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材であって、該衝撃吸収部材が、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームと、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントとの間に配設されるとともに、上記サイドフレームに連結される取付フランジと、上記バンパレインフォースメントに連結される先端壁とを有し、この先端壁と上記取付フランジとの間には、上下に相対向した上壁および下壁と、左右一対の側壁とからなる中空状部が配設され、上記取付フランジの背面に複数の凹部が設けられ
さらに上記取付フランジの隅部に、鉄系材料からなり、筒状本体部とその前後両端に設けられるドーナツ板状の鍔部とを有しかつ該鍔部の端面が上記取付フランジの端面よりも外方に突出する状態で鋳包まれるボビン状部材が配設され、
上記鍔部の端面と上記サイドフレーム端部とが当接する状態で当該サイドフレームに連結されるものである。
請求項2に係る発明は、上記請求項1に記載の衝撃吸収部材において、上記側壁の基端側部分には、その先端側部分よりも板厚が大きく形成された厚肉部が設けられたものである。
請求項3に係る発明は、上記請求項2に記載の衝撃吸収部材において、上記厚肉部が、側面視で上下方向に延びるとともに、平面視で側方に膨出した膨出部からなるものである。
請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材において、上記上壁および下壁には、上記取付フランジから先端部側に向けて延びるリブがそれぞれ設けられたものである。
請求項5に係る発明は、上記請求項4に記載の衝撃吸収部材において、上記リブが、側面視で先窄まり形状に形成されたものである。
請求項1に係る発明では、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームと、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントとの間に配設される衝撃吸収部材に、上記サイドフレームに連結される取付フランジと、上記バンパレインフォースメントに連結される先端壁とを設けるとともに、この先端壁と上記取付フランジとの間に、上下に相対向した上壁および下壁と、左右一対の側壁とからなる中空状部を配設し、上記取付フランジの背面に複数の凹部を設けたため、該取付フランジの重量をそれ程増大させることなく、その板厚を大きく設定することにより、上記衝撃吸収部材のサイドフレームに対する取り付け強度を充分に確保し、その取付状態を安定して維持することができる。したがって、アルミニウム合金鋳物材により形成された上記衝撃吸収部材の輸送時等における塑性変形を効果的に抑制できるとともに、これにより車両の衝突時には該衝撃吸収部材の機能を充分に発揮させて衝突エネルギーを効果的に吸収できるという利点がある。
請求項2に係る発明では、上記側壁の基端側部分に、その先端側部分よりも板厚が大きく形成された厚肉部を設けることにより、衝撃吸収部材の基端部を補強するように構成したため、アルミニウム合金鋳物材からなる上記衝撃吸収部材の輸送時等における塑性変形を、より効果的に抑制しつつ、車両の衝突時には該衝撃吸収部材の機能を充分に発揮させて衝突エネルギーを効果的に吸収できるという利点がある。
請求項3に係る発明では、上記厚肉部を、側面視で上下方向に延びるとともに、平面視で側方に膨出した膨出部により構成したため、上記衝撃吸収部材の重量をそれ程増大させることなく、自動車の搬送時等に、最大モーメント荷重が生じる上記衝撃吸収部材の基端部、つまり上記フランジに大きな塑性変形が生じるのを効果的に抑制できるという利点がある。
請求項4に係る発明では、上記取付フランジから先端部側に向けて延びるリブを上記衝撃吸収部材の上壁および下壁にそれぞれ設けたため、アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材の塑性変形が生じ易い部位である上記中空状部と取付フランジとの連結部を効果的に補強することができ、輸送時等における上記衝撃吸収部材の塑性変形を、さらに効果的に抑制できるという利点がある。
請求項5に係る発明では、上記リブを側面視で先窄まり形状に形成したため、簡単かつ軽量な構成で、上記中空状部と取付フランジとの連結部を効果的に補強することができるという利点がある。
さらに、上記請求項1〜請求項5に係る発明では、当該衝撃吸収部材を鋳造法により簡便に成形できるため、製造コストの面で有利である。
本発明に係る衝撃吸収部材を備えた車両の後部車体構造を示す側面断面図である。 上記車両の後部車体構造を示す平面図である。 図1のIII−III線断面図である。 上記衝撃吸収部材の具体的構成を示す斜視図である。 上記衝撃吸収部材の具体的構成を示す端面図である。 図1のVI−VI線断面図である。 衝撃吸収部材の製造工程を示す平面断面図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の比較例を示す斜視図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の第1実施例を示す斜視図である。 本発明に係る衝撃吸収部材の第2実施例を示す斜視図である。 衝撃吸収部材の変形量と荷重との対応関係を示すグラフである。 衝撃吸収部材の最大変位量および塑性変形量を示す表である。
図1および図2は、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部材を備えた車両の後部車体構造を示している。該車両は、後部車体の左右両側部において車体の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム1からなる車体側部材と、該リヤサイドフレーム1の後方側において上記両リヤサイドフレーム1の後端部同士を連結するように車幅方向に延びるバンパレインフォースメント2とを有し、上記リヤサイドフレーム1とバンパレインフォースメント2との間には左右一対の衝撃吸収部材3が配設されている。
上記リヤサイドフレーム1は、上下一対の水平壁4,5と左右一対の側壁部6,7とを有する鋼板材等の鉄系材料からなる断面長方形状の部材、または断面ハット型の部材等からなり、その後端部には後端フランジ8がスポット溶接される等の手段で固着されている。該リヤサイドフレーム1の後端フランジ8には、上記衝撃吸収部材3がボルト止めされることにより取外し可能に取り付けられている。
上記バンパレインフォースメント2は、前後に相対向した前壁部10および後壁部11と、上下に相対向した上壁部12および底壁部13とを有する鋼板材等の金属系材料からなる角パイプ状の部材、または断面ハット状の部材からなっている。上記バンパレインフォースメント2の上壁部12には、牽引用フック16の基端部が螺着されるねじ孔が形成された筒状体からなる左右一対のフック取付部材17が溶接される等により固定されている。そして、上記バンパレインフォースメント2の前壁部10に、上記衝撃吸収部材3がボルト止めされる等の手段で固着されるように構成されている。
上記衝撃吸収部材3は、アルミニウム合金鋳物材からなり、図3〜図5に示すように、上記リヤサイドフレーム1の後端フランジ8に連結ボルト18を介して連結される取付フランジ19と、上記バンパレインフォースメント2に連結ボルト20を介して連結される先端壁21とを有している。上記衝撃吸収部材3の先端壁21と上記取付フランジ19との間には、上下に相対向した上壁22および下壁23と、左右一対の側壁24,25とを有する中空状部26が配設されている。そして、車両の後部に他車が衝突するという後突事故が発生した場合等に、上記衝撃吸収部材3の中空状部26が蛇腹状に塑性変形する等により衝撃エネルギーを吸収するように構成されている。
上記取付フランジ19は、中空状部26の外周を囲繞するように延びる7mm〜15mm程度の板厚Ftを有する板状体からなり、その四隅には、上記連結ボルト18の挿通部27が設けられている。また、上記取付フランジ19の背面、つまりリヤサイドフレーム1の後端フランジ8に対する接合面には、複数の凹部28…が形成されている。当実施形態では、上記取付フランジ19の四隅に設けられた挿通部27,27間に、それぞれ一対の凹部28,28が形成されるとともに、該凹部28の深さが取付フランジ19の板厚Ftの1/2〜3/4程度に設定されている。これにより、上記取付フランジ19の相対向する挿通部27,27間には、その周縁部および中央部が厚肉に形成されるとともに、その他の部位(上記凹部28の設置部)が薄肉に形成されている。
また、上記側壁24,25の基端側部分には、その先端側部分よりも板厚が大きくなった厚肉部29が設けられている。当実施形態では、平面視で側方に膨出するとともに、側面視で上下方向に延びる膨出部からなる厚肉部29が上記側壁24,25の基端側部分に形成されている。該厚肉部29の側方への突出量Tは、上記側壁24,25の板厚t(例えば3mm)と同程度に設定されている。さらに、上記厚肉部29の前後幅Wは、側壁24,25の前後長Lの1/3〜1/5程度に設定されている。
上記衝撃吸収部材3の上壁22および下壁23には、上記取付フランジ19の端面から先端部側に向けて延びる複数枚のリブ30がそれぞれ設けられている。当実施形態では、上壁22の上面および下壁23の下面に、それぞれ3枚のリブ30が突設されている。該リブ30は、20mm程度の前後寸法と、10mm程度の上下寸法と、3mm程度の板厚とを有するとともに、側面視で先窄まりの三角形状に形成されている。
上記衝撃吸収部材3の取付フランジ19に設けられた挿通部27には、図6に示すように、上記連結ボルト18の挿通孔を有する鉄系材料からなるボビン状部材31が配設されている。該ボビン状部材31は、筒状本体部32と、その前後両端に設けられたドーナツ板状の鍔部33,34とを有している。そして、上記ボビン状部材31の端面、具体的には上記鍔部33,34の外壁面が、上記取付フランジ19の端面よりも1〜3mm程度、外方に突出した状態で、該取付フランジ19内に上記ボビン状部材31の筒状本体部32が鋳包まれるように構成されている。
また、上記衝撃吸収部材3の先端壁21には、図3および図4に示すように、該先端壁21とバンパレインフォースメント2とを連結する連結ボルト20の挿通孔が形成された連結部35が四隅に設けられるとともに、上記上壁22の前端部と下壁23の前端部と接続するように上下方向に延びる所定幅の接続部36が設けられている。なお、上記先端壁21の連結部35に、ボビン状部材を鋳包んだ構造とし、該ボビン状部材に形成された螺子孔に上記連結ボルト20を螺着するように構成することも可能である。
上記衝撃吸収部材3からなる車両用構造体を製造し、かつ該衝撃吸収部材3をリヤサイドフレーム1からなる車体側部材に連結して車体を構成するには、まず図7に示すように、ボビン状部材31の支持ピン41が突設された固定型42と、該固定型42に対して接離可能に設置された可動型43とを有する鋳造用金型44を型閉じすることにより、上記ボビン状部材31の端面をフランジ成形用空間45の外方に突設させた状態で、該フランジ成形用空間45を有する衝撃吸収部材成形用のキャビティを形成する。
上記型閉じ工程で固定型42と可動型43との間に衝撃吸収部材成形用のキャビティを形成した後、鋳造工程において、該キャビティ内に溶融状態のアルミニウム合金を高圧で注入するダイキャスト法により上記衝撃吸収部材3を鋳造する。なお、該ダイキャスト法に代え、溶融状態のアルミニウム合金をその自重で上記鋳造用金型44のキャビティ内に注入する重力鋳造法により上記衝撃吸収部材3を鋳造することも可能であるが、該衝撃吸収部材3を適正に成形して、その強度を充分に確保するという点では、上記ダイキャスト法によることが望ましい。
上記鋳造工程で製造された衝撃吸収部材3を上記鋳造用金型44から取り出してバリ取り等を行った後、連結工程において、該衝撃吸収部材3の取付フランジ19を上記リヤサイドフレーム1の後端フランジ8に連結ボルト18により固着して両者を連結する。次いで、上記衝撃吸収部材3およびリヤサイドフレーム1を有する車体構造を電着塗装工程に搬送し、電着塗装液中に浸漬した状態で電圧を印加する電着塗装を施すことにより、図6に示すように、上記取付フランジ19の端面およびこれに対向する車体側部材の壁面、つまり上記後端フランジ8の後面間に電着塗装液を進入させて、それぞれの面に電着塗膜46を形成する。
すなわち、上記衝撃吸収部材3の取付フランジ19には、ボビン状部材31の端面が取付フランジ19の端面よりも外方に突出した状態で鋳包まれているため、連結ボルト18により上記取付フランジ19をリヤサイドフレーム1の後端フランジ8に対して強固に連結した状態においても、該取付フランジ19の端面と、これに対向する後端フランジ8の後面との間には、上記ボビン状部材31の突出量に対応した隙間が形成されることになる。したがって、上記衝撃吸収部材3の取付フランジ19とリヤサイドフレーム1の後端フランジ8との間に形成された間隙内に、電着塗装工程で電着塗装液を確実に進入させることができ、これにより上記取付フランジ19の端面とこれに対向する後端フランジ8の後面とに電着塗膜46をそれぞれ容易かつ適正に形成し、上記隙間を確実にシールすることができ、上記取付フランジ19の端面が水分を介してリヤサイドフレーム1の後端フランジ8と接触することによる電食を防止することもできる。
また、上記取付フランジ19の背面には、複数の凹部28が設けられているため、該取付フランジ19の重量をそれ程増大させることなく、その板厚Ftを大きくすることが可能である。したがって、上記取付フランジ19の板厚Ftを比較的大きな値、例えば10mm程度に設定したとしても、上記凹部28の深さを例えば取付フランジ19の板厚Ftの1/2以上に設定することにより、上記衝撃吸収部材3の重量が増大するのを抑制しつつ、該衝撃吸収部材3の上記リヤサイドフレーム1に対する取り付け強度を充分に確保することができ、上記衝撃吸収部材3の取付状態を安定して維持することが可能である。
上記のように車両の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム1と、車幅方向に延びるバンパレインフォースメント2との間に配設されたアルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材3において、上記リヤサイドフレーム1の後端フランジ8に連結される取付フランジ19と、上記バンパレインフォースメント2に連結される先端壁21とを設けるとともに、この先端壁21と上記取付フランジ19との間に、上下に相対向した上壁22および下壁23と、左右一対の側壁24,25とからなる中空状部26を配設し、上記フランジの背面に複数の凹部28を設けた構造としたため、アルミニウム合金鋳物材からなる上記衝撃吸収部材3の輸送時等における塑性変形を効果的に抑制することができるとともに、これにより車両の衝突時には該衝撃吸収部材3の機能を充分に発揮させて衝突エネルギーを効果的に吸収できるという利点がある。
すなわち、上記取付フランジ19の背面に複数の凹部28を設け、該取付フランジ19の重量をそれ程増大させることなく、その板厚Ftを大きくすることにより、上記衝撃吸収部材3の上記リヤサイドフレーム1に対する取り付け強度を充分に確保することができる。このため、車体の軽量化を図るとともに充分な延性を持たせることを目的として上記衝撃吸収部材3をアルミニウム合金鋳物材により構成した場合においても、その取付状態を安定して維持することができる。したがって、上記衝撃吸収部材3を有する自動車を自動車運搬船等に船積みし、上記バンパレインフォースメント2に取り付けられた牽引用フック16に連結されたロープを船体の床部に固定した状態で自動車を搬送する際等に、上記衝撃吸収部材3において最大モーメント荷重が作用する部位である上記取付フランジ19の設置部に大きな塑性変形が生じるのを効果的に防止することができる。
上記のように自動車の搬送時に、船体の揺れ等に応じて上記牽引用フック16およびバンパレインフォースメント2から上記衝撃吸収部材3に車両の重量に対応した高荷重が入力された場合においても、上記リヤサイドフレーム1とバンパレインフォースメント2との間に配設されたアルミニウム合金鋳物からなる衝撃吸収部材3に大きな塑性変形を生じるのを効果的に防止することができる。このため、該衝撃吸収部材3の衝撃吸収機能が充分に発揮されなくなるという事態の発生を効果的に抑制し、自車の後部に他車が衝突するという後突事故の発生時等に、上記衝撃吸収部材3の中空状部26を蛇腹状に塑性変形させることにより、車体後部に作用する衝撃エネルギーを効果的に吸収して、その影響が車室内等に及ぶのを確実に抑制できるという利点がある。
上記衝撃吸収部材3用の鋳造材料として、Mn:1.4〜1.6、Fe:0.4〜0.7、Mg:0.2〜0.5、Ti:0.〜0.2、Si:<0.10、Zn:<0.10、Cu:<0.05、N:<0.05(wt%)を含有し、残部がAlからなるAl−1.5Mn−0.7Fe系ダイカスト材で、180MPaの引張強度(TS)と、90MPaの耐力(YS)と、25%の全伸び特性(EL)とを有する素材を使用し、各部の寸法が図8に示すように設定されるとともに、その取付フランジ19の板厚Ftが5mmに設定された比較例に係る衝撃吸収部材3′と、図9に示すように、取付フランジ19の板厚Ftが10mmに設定されるとともに、その背面に7.5mmの深さを有する凹部28…が形成された点のみが上記比較例とは異なる本発明の第1実施例に係る衝撃吸収部材3aとを鋳造した。そして、これらに所定の荷重を作用させてその変形量を計測するシミュレーション試験を行った。
具体的には、上記比較例および第1実施例に係る衝撃吸収部材3′,3aをリヤサイドフレーム1とバンパレインフォースメント2との間に配設した状態で、該バンパレインフォースメント2の上面左右に取り付けられた牽引用フック16を、平面視で約20°の傾斜角度αで斜め外後ろ向きに引っ張るとともに(図2参照)、側面視で約45°の傾斜角度βで斜め外下向きに引っ張る引張荷重を作用させた(図1参照)。そして、図11に示すように、該引張荷重を7.65kNまで徐々に増大させて上記衝撃吸収部材3′,3aの最大変位量を測定するとともに、上記引張荷重を除去した後に衝撃吸収部材3′,3aに生じた塑性変形量を測定したところ、図12に示すようなデータが得られた。
上記データから、比較例に係る衝撃吸収部材3′では、8.4mmの塑性変形量が発生した。これに対して本発明の第1実施例に係る衝撃吸収部材3aでは、その塑性変形量を半分以下の3.6mmに抑えることができることが確認された。したがって、例えば上記取付フランジ19の板厚Ftを10mmに設定して、上記中空状部26の厚み(例えば3mm)の2倍以上とするとともに、その背面に複数の凹部28を設けた構造とすることにより、上記衝撃吸収部材3aの重量をそれ程増大させることなく、アルミニウム合金鋳物材からなる上記衝撃吸収部材3aの輸送時等における塑性変形を効果的に抑制しつつ、車両の衝突時には該衝撃吸収部材3aの機能を充分に発揮させて衝突エネルギーを効果的に吸収できることが分かる。
また、図10に示すように、上記中空状部26を構成する側壁24,25の基端側部分に、20mm程度の前後幅Wと3mm程度の突出量Tとを有する厚肉部29が設けられている点を除いて、上記第1実施例と同様に構成された本発明の第2実施例に係る衝撃吸収部材3bを鋳造し、上記と同様の荷重を作用させてその変形量を計測するシミュレーション試験を行ったところ、図12に示すようなデータが得られた。該データから、上記側壁24,25の基端側部分に、その先端側部分よりも板厚が大きく形成された厚肉部29を設けた構造とすることにより、アルミニウム合金鋳物材からなる上記衝撃吸収部材3bの輸送時等における塑性変形を、より効果的に抑制しつつ、車両の衝突時には該衝撃吸収部材3の機能を充分に発揮させて衝突エネルギーを効果的に吸収できることが確認された。
特に、上記第2実施例に示すように、側面視で上下方向に延びるとともに、平面視で側方に膨出した膨出部からなる厚肉部29を上記側壁24,25の基端側部分に設けた構造とした場合には、上記衝撃吸収部材3bの重量をそれ程増大させることなく、自動車の搬送時等に、最大モーメント荷重が生じる上記衝撃吸収部材3の基端部、つまり上記取付フランジ19に大きな塑性変形が生じるのを効果的に抑制することができる。このため、上記衝撃吸収部材3bをアルミニウム合金鋳物材で形成して効果的に軽量化するとともに、容易に製造できるように構成したにも拘わらず、その搬送時等における変形を抑制して衝撃吸収機能を充分に維持することができるという効果が顕著に得られるという利点がある。
さらに、図4に示すように、上記衝撃吸収部材3の中空状部26を構成する上壁22および下壁23に、20mm程度の前後寸法と、10mm程度の上下寸法と、3mm程度の厚みとを有するとともに、先窄まりの三角形状に形成された3枚のリブ30を上記取付フランジ19の端面から先端部側に向けて延びるように設置した点を除いて、上記第2実施例と同様に構成された本発明の第3実施例に係る衝撃吸収部材3とを鋳造し、上記と同様の荷重を作用させてその変形を計測するシミュレーション試験を行ったところ、図12に示すようなデータが得られた。
上記データから、衝撃吸収部材3の上壁22および下壁23に上記取付フランジ19から先端部側に向けて延びるリブ30をそれぞれ設けることにより、アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材3の塑性変形が生じ易い部位である上記中空状部26と取付フランジ19との連結部を効果的に補強することができ、輸送時等における上記衝撃吸収部材3の塑性変形を、さらに効果的に抑制して、車両の衝突時に該衝撃吸収部材3の機能を充分に発揮できることが確認された。特に、本発明の第3実施例に示すように、上記リブ30を側面視で先窄まり形状に形成した場合には、簡単かつ軽量な構成で、上記中空状部26と取付フランジ19との連結部を効果的に補強することにより、その変形を充分に抑制できるという利点がある。
また、上記第3実施例に示すように、アルミニウム合金鋳物材からなる上記衝撃吸収部材3の取付フランジ19を鉄系材料からなる車体側部材(リヤサイドフレーム1の後端フランジ8)に連結する連結部材(連結ボルト18)の挿通孔を有する鉄系材料からなるボビン状部材31を上記取付フランジ19に設けるとともに、該ボビン状部材31の端面を取付フランジ19の端面よりも外方に突出させた状態で上記取付フランジ19内にボビン状部材31の筒状本体部32を鋳包むように構成した場合には、図6に示すように、上記鉄系材料からなるリヤサイドフレーム1の後端フランジ8とアルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材3の取付フランジ19とが直接、接触するのを防止しつつ、両部材を上記連結ボルト18により強固に連結することができる。したがって、上記アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材3と、鉄系材料からなるリヤサイドフレーム1とが接触した異種金属の接触部に電流が流れることに起因した電食が生じるのを効果的に防止することができる。
さらに、上記リヤサイドフレーム1の後端フランジ8と衝撃吸収部材3の取付フランジ19とを連結ボルト18により強固に連結した状態で、これらを電着塗装工程に搬送し、電着塗装液中に浸漬した状態で電圧を印加して電着塗装を施すことにより、図6に示すように、上記取付フランジ19の端面およびこれに対向する後端フランジ8の後面間に電着塗装液を進入させ、それぞれの面に電着塗膜46を容易かつ適正に形成することができる。そして、該電着塗膜46を形成することにより、上記取付フランジ19の端面およびこれに対向する後端フランジ8の後面間に雨水等が進入した場合においても、該雨水等を媒体としてアルミニウム合金鋳物からなる衝撃吸収部材3の取付フランジ19と鉄系材料からなるリヤサイドフレーム1の後端フランジ8との間に電流が流れるのを防止して上記電食の発生を効果的に抑制できるという利点がある。
なお、上記実施形態では、後部車体の左右両側部において車体の前後方向に延びる左右一対のリヤサイドフレーム1からなる車体側部材と、該リヤサイドフレーム1の後方側において上記両リヤサイドフレーム1の後端部同士を連結するように車幅方向に延びるバンパレインフォースメント2との間に配設される衝撃吸収部材3について、本発明を適用した例について説明したが、車体前部に配設されるフロントサイドフレームと、その前方側のパンパレインフォースメントとの間に配設される衝撃吸収部材についても、本発明を適用可能である。
1 リヤサイドフレーム
2 バンパレインフォースメント
3 衝撃吸収部材
21 先端壁
22 上壁
23 下壁
24,25 側壁
26 中空状部
28 凹部
29 厚肉部
30 リブ

Claims (5)

  1. アルミニウム合金鋳物材からなる衝撃吸収部材であって、該衝撃吸収部材は、車両の前後方向に延びる左右一対のサイドフレームと、車幅方向に延びるバンパレインフォースメントとの間に配設されるとともに、上記サイドフレームに連結される取付フランジと、上記バンパレインフォースメントに連結される先端壁とを有し、該先端壁と上記取付フランジとの間には、上下に相対向した上壁および下壁と、左右一対の側壁とからなる中空状部が配設され、上記取付フランジの背面に複数の凹部が設けられ
    さらに上記取付フランジの隅部に、鉄系材料からなり、筒状本体部とその前後両端に設けられるドーナツ板状の鍔部とを有しかつ該鍔部の端面が上記取付フランジの端面よりも外方に突出する状態で鋳包まれるボビン状部材が配設され、
    上記鍔部の端面と上記サイドフレーム端部とが当接する状態で当該サイドフレームに連結されることを特徴とする衝撃吸収部材。
  2. 上記側壁の基端側部分には、その先端側部分よりも板厚が大きく形成された厚肉部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収部材。
  3. 上記厚肉部は、側面視で上下方向に延びるとともに、平面視で側方に膨出した膨出部からなることを特徴とする請求項2に記載の衝撃吸収部材。
  4. 上記上壁および下壁には、上記取付フランジから先端部側に向けて延びるリブがそれぞれ設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の衝撃吸収部材。
  5. 上記リブは、側面視で先窄まり形状に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の衝撃吸収部材。
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