JP5593623B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機を備えた冷凍装置に関するものである。
従来より、冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機を備えた冷凍装置が知られている。この種の冷凍装置が、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1には、膨張機を備えた蒸気圧縮式冷凍装置が記載されている。この冷凍装置では、膨張機の回転数を変えることにより、放熱器の出口圧力が所定の圧力に制御される。
特開2000−241033号公報
ところで、理論的には、図4に示すように、膨張機の回転速度が増大するに従って、膨張機で回収される回収動力は大きくなる。しかし、実際には、膨張機の回転速度が増大するに従って、機械損失や圧力損失等が顕著になるので、膨張機における回収動力が最大となるピーク回転速度が存在する。膨張機における回収動力は、ピーク回転速度までは増大するが、ピーク回転速度を超えると減少する。
他方、従来の冷凍装置では、膨張機の回転速度が制限されることなく、冷媒回路における冷媒の循環量が多くなるほど、膨張機が高い回転速度に調節されていた。このため、冷媒回路における冷媒の循環量が比較的多くなると、膨張機がピーク回転速度よりも高い回転速度に維持されていた。従って、冷媒回路における冷媒の循環量が比較的多くなる状態で得られる回収動力は、そのピークよりも少なくなっていた。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機を備えた冷凍装置において、膨張機で回収される動力をする増大させることにある。
第1〜第3の各発明は、冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、冷媒を膨張させて動力を発生させるように構成され、上記圧縮機(21)の回転速度とは独立して回転速度を調節可能な膨張機(31)と、上記圧縮機(21)と上記膨張機(31)とが接続され、該圧縮機(21)と該膨張機(31)との間を冷媒が循環する冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)と、上記膨張機(31)の回転速度を調節する制御手段(40)とを備えた冷凍装置を対象とする。そして、この冷凍装置では、上記制御手段(40)が、上記膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるピーク回転速度を超えないように上記膨張機(31)の回転速度を調節する。
第1〜第3の各発明では、冷媒回路(11)で冷凍サイクルが行われる。冷凍サイクル中の冷媒回路(11)では、膨張機(31)が冷媒を膨張させて動力を発生させる。膨張機(31)は、冷媒回路(11)における冷媒の循環量が多くなるほど高い回転速度となる。第1〜第3の各発明では、制御手段(40)が、膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるピーク回転速度を超えないように、膨張機(31)の回転速度を調節する。冷媒の循環量が比較的少ない場合、つまり膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度を超えないような流量に冷媒の循環量がなっている場合は、冷媒の循環量が多くなるほど高い回転速度になるように膨張機(31)の回転速度が調節される。一方、冷媒の循環量が比較的多い場合、つまり、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度を超えるような流量に冷媒の循環量がなっている場合は、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度に維持される。
第1の発明は、上記の構成に加えて、上記制御手段(40)が、上記冷媒回路(11)における冷媒の循環量が、上記膨張機(31)の回転速度が上記ピーク回転速度になっていると想定した場合の該膨張機(31)の吸入流量を上回ると、該膨張機(31)の回転速度を低下させて該ピーク回転速度に調節する。
第1の発明では、冷媒回路(11)における冷媒の循環量が、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度になっていると想定した場合の膨張機(31)の吸入流量を上回ると、膨張機(31)が減速されて、その回転速度がピーク回転速度に調節される。膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度を上回りそうな場合は、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度に調節される。この第1の発明では、冷媒回路(11)における冷媒の循環量を観察することによって、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度が調節される。
第2の発明は、上記の構成に加えて、上記制御手段(40)が、上記冷媒回路(11)の動作状態に対応した複数のピーク回転速度を記憶する一方、上記冷凍サイクル中に、記憶している複数のピーク回転速度の中から、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応するピーク回転速度を選択し、選択したピーク回転速度を用いて上記膨張機(31)の回転速度を調節する。
第2の発明では、冷凍サイクル中に、記憶している複数のピーク回転速度の中から、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応するピーク回転速度が選択される。そして、選択されたピーク回転速度が、膨張機(31)の回転速度の調節に用いられる。この第2の発明では、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応したピーク回転速度が、膨張機(31)の回転速度の調節に用いられる。
第3の発明は、上記の構成に加えて、上記制御手段(40)が、上記冷凍サイクル中に、上記膨張機(31)を一定の回転速度に維持している状態で上記回収動力を検出する第1回収動力検出動作と、該第1回収動力検出動作とは異なる回転速度に上記膨張機(31)を維持している状態で上記回収動力を検出する第2回収動力検出動作とを行い、該第1回収動力検出動作で検出された回収動力と該第2回収動力検出動作で検出された回収動力とを比較することによって回収動力が大きくなるように上記膨張機(31)の回転速度を調節する。
第3の発明では、冷凍サイクル中に、第1回収動力検出動作と第2回収動力検出動作とが行われ、膨張機(31)を互いに異なる回転速度に維持している状態のそれぞれで、回収動力が検出される。そして、互いに異なる回転速度における回収動力を比較することによって、回収動力が大きくなるように膨張機(31)の回転速度が調節される。このため、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度よりも大きくなっている場合は、回収動力が大きくなるように膨張機(31)が減速され、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度以下に調節される。この第3の発明では、冷凍サイクル中に検出した互いに異なる回転速度における回収動力を比較することによって、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度が調節される。
また、第1〜第3の各発明は、上記の構成に加えて、上記冷媒回路(11)が、上記膨張機(31)の流入側と該膨張機(31)の流出側とを連通させるためのバイパス回路(13)と、該バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するための流量調節機構(26)とを備え、上記制御手段(40)は、上記膨張機(31)の回転速度を上記ピーク回転速度に維持している場合に、上記バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するために上記流量調節機構(26)を制御するバイパス量調節動作を行う。
第1〜第3の各発明では、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度に維持されている場合に、バイパス量調節動作が行われる。バイパス量調節動作では、流量調節機構(26)の制御によって、バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量が調節される。
本発明では、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度を超えるような流量に冷媒の循環量がなっている場合は、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度に維持される。このため、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度を超えるような流量に冷媒の循環量がなっている場合に、ピーク回転速度よりも高い回転速度に維持されていた従来の冷凍装置に比べて、多くの回収動力を得ることができる。従って、膨張機(31)における回収動力を増大させることができる。
また、上記第2の発明では、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応したピーク回転速度が、膨張機(31)の回転速度の調節に用いられる。このため、冷媒回路(11)の動作状態が変動しても、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度を調節することができる。
また、上記第3の発明では、冷凍サイクル中に検出した互いに異なる回転速度における回収動力を比較することによって、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度が調節される。このため、制御手段(40)に予めピーク回転速度を記憶させておく手間を省くことができる。
本発明の実施形態について説明する。本実施形態は、本発明に係る冷凍装置(10)により構成された空気調和装置(10)である。この空気調和装置(10)は、図1に示すように、冷媒として二酸化炭素が充填された冷媒回路(11)を備えている。冷媒回路(11)では、冷媒を循環させて冷凍サイクルが行われる。この冷媒回路(11)は、主回路(12)とバイパス回路(13)とを備えている。
主回路(12)には、冷媒を圧縮するための圧縮機(21)と、冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機(31)と、放熱器として動作する室外熱交換器(14)と、蒸発器として動作する室内熱交換器(15)とが接続されている。主回路(12)では、室外熱交換器(14)の一端が圧縮機(21)の吐出側に接続され、室外熱交換器(14)の他端が膨張機(31)の流入側に接続されている。また、室内熱交換器(15)の一端が圧縮機(21)の吸入側に接続され、室内熱交換器(15)の他端が膨張機(31)の流出側に接続されている。
圧縮機(21)は、容積型で回転式の流体機械(例えば、ロータリ式の流体機械)により構成されている。圧縮機(21)は、駆動軸(22)の一端に連結されている。駆動軸(22)の他端は、電動機(23)に連結されている。電動機(23)に通電すると、電動機(23)が回転し、圧縮機(21)が駆動される。圧縮機(21)は電動機(23)と同じ回転速度で回転する。なお、圧縮機(21)、電動機(23)及び駆動軸(22)は、圧縮機ケーシング(図示省略)に収容されている。
電動機(23)の接続端子には、インバータが接続されている。電動機(23)には、インバータを介して電力が供給される。電動機(23)の回転速度、及び圧縮機(21)の回転速度は、インバータの出力周波数を変化させることによって変更される。
膨張機(31)は、容積型で回転式の流体機械(例えば、ロータリ式の流体機械)により構成されている。膨張機(31)は、出力軸(32)の一端に連結されている。出力軸(32)の他端は、発電機(33)に連結されている。膨張機(31)で冷媒が膨張すると、発生した動力が出力軸(32)に伝達されて、発電機(33)が駆動される。発電機(33)は、膨張機(31)と同じ回転速度で回転する。発電機(33)は、その回転に伴って電力を発生する。つまり、膨張機(31)で回収された回収動力によって、発電機(33)は電力を発生する。なお、膨張機(31)、発電機(33)及び出力軸(32)は、密閉容器状の膨張機ケーシング(図示省略)に収容されている。
発電機(33)の接続端子は、電力供給回路を介して、電動機(23)の接続端子に接続されている。つまり、発電機(33)が発生した電力は、電力供給回路を介して、電動機(23)へ供給される。
電力供給回路には、膨張機(31)の回転速度を調節するためのスイッチ回路が設けられている。スイッチ回路の出力周波数を変化させると、発電機(33)から電動機(23)へ供給される供給電力が変更される。供給電力が変更されると、発電機(33)の負荷が変化して、発電機(33)の回転速度及び膨張機(31)の回転速度が変更される。また、電力供給回路には、相電流の波形周期に基づいて、発電機(33)の回転速度を検出する速度検出部が設けられている。速度検出部によって検出される回転速度は、膨張機(31)の回転速度でもある。なお、出力軸(32)の回転速度を検出する回転速度センサを出力軸(32)に設けて、膨張機(31)の回転速度を検出してもよい。また、電力供給回路には、発電機(33)から電動機(23)へ供給される電流の電流値を計測する電流計測部が設けられている。
室外熱交換器(14)及び室内熱交換器(15)は、共にクロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器により構成されている。室外熱交換器(14)の近傍には、室外熱交換器(14)に空気を送る室外ファン(16)が設けられている。室内熱交換器(15)の近傍には、室内熱交換器(15)に空気を送る室内ファン(17)が設けられている。
バイパス回路(13)は、室外熱交換器(14)と膨張機(31)の間と、室内熱交換器(15)と膨張機(31)の間とを接続している。バイパス回路(13)は、室外熱交換器(14)を通過した冷媒の一部を膨張機(31)の下流へ送る。バイパス回路(13)には、開度可変の電子膨張弁により構成されたバイパス弁(26)が設けられている。バイパス弁(26)は、バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するための流量調節機構(26)を構成している。
冷媒回路(11)には、吐出圧力センサ(18)と吸入圧力センサ(19)とが設けられている。吐出圧力センサ(18)は、圧縮機(21)から吐出された高圧冷媒の圧力を計測する。また、吸入圧力センサ(19)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の圧力を計測する。また、冷媒回路(11)には、吐出温度センサ(28)と吸入温度センサ(29)とが設けられている。吐出温度センサ(28)は、圧縮機(21)から吐出された高圧冷媒の温度を計測する。また、吸入温度センサ(29)は、圧縮機(21)に吸入される低圧冷媒の温度を計測する。
−運転動作−
本実施形態の空気調和装置(10)の動作について説明する。
本実施形態の空気調和装置(10)では、電動機(23)に電力が供給されると、電動機(23)によって圧縮機(21)が回転駆動され、冷媒回路(11)で冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる。この冷凍サイクルでは、室外熱交換器(14)が放熱器として動作して室内熱交換器(15)が蒸発器として動作する。この冷凍サイクルでは、冷凍サイクルの高圧圧力が冷媒の臨界圧力以上となる。
具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、室外熱交換器(14)へ供給される。室外熱交換器(14)では、室外ファン(16)によって供給される空気へ冷媒が放熱して冷却される。室外熱交換器(14)で冷却された冷媒は、膨張機(31)へ流入する。膨張機(31)では、冷媒が膨張して動力を発生させる。発電機(33)は、膨張機(31)で膨張する冷媒によって回転駆動される。発電機(33)で発生した電力は、電動機(23)へ供給され、電動機(23)の駆動に用いられる。
膨張機(31)で膨張した冷媒は、室内熱交換器(15)へ供給される。室内熱交換器(15)では、室内ファン(17)によって供給される空気から冷媒が吸熱して蒸発する。室内熱交換器(15)で蒸発した冷媒は、圧縮機(21)に吸入される。圧縮機(21)では、冷媒が圧縮されて、再び吐出される。
なお、バイパス回路(13)のバイパス弁(26)が開状態に設定されている場合には、室外熱交換器(14)で冷却された冷媒の一部が、バイパス回路(13)を流入し、バイパス弁(26)で減圧される。バイパス弁(26)で減圧された冷媒は、膨張機(31)で膨張した冷媒と合流して、室内熱交換器(15)へ供給される。
《コントローラ》
本実施形態の空気調和装置(10)は、冷媒回路(11)等を制御するコントローラ(40)を備えている。コントローラ(40)は制御手段(40)を構成している。
本実施形態のコントローラ(40)は、冷媒回路(11)における冷媒の循環量(以下「システム流量」という。)が多くなるほど高い回転速度になるように膨張機(31)の回転速度を調節するように構成されている。但し、コントローラ(40)は、膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるピーク回転速度Vpを超えないように、膨張機(31)の回転速度を調節する。つまり、コントローラ(40)は、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えないような流量にシステム流量がなっている場合には、システム流量が多くなるほど高い回転速度になるように膨張機(31)の回転速度を調節する一方で、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっている場合には、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに維持する。
具体的に、コントローラ(40)は、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vp未満に調節する場合は、冷媒回路(11)におけるシステム流量が多くなるほど高い回転速度になるように膨張機(31)の回転速度を調節する制御動作として、冷凍サイクルにおける高圧圧力が所定の高圧目標値になるように膨張機(31)の回転速度を調節する速度調節動作を行う。冷凍サイクルにおける高圧圧力は、冷媒回路(11)の動作状態を表す物理量のうち、高圧冷媒の状態を表す物理量である。また、コントローラ(40)は、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vp未満に調節している間は、バイパス回路(13)が閉鎖されるようにバイパス弁(26)を制御する。すなわち、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えないような流量にシステム流量がなっている場合は、バイパス弁(26)が閉状態に設定された状態で、膨張機(31)の回転速度の調節によって、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値に調節される。
一方、コントローラ(40)は、速度検出部によって検出された検出回転速度がピーク回転速度Vpを上回るという条件が成立すると、膨張機(31)を減速して、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに維持する速度維持動作を行う。また、コントローラ(40)は、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに維持している間は、冷凍サイクルにおける高圧圧力が高圧目標値になるように、バイパス弁(26)の開度を制御するバイパス量調節動作を行う。つまり、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっている場合は、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpに維持された状態で、バイパス弁(26)の開度制御によって、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値に調節される。
なお、コントローラ(40)には、冷凍サイクルにおける高圧圧力の目標値として、上記高圧目標値が予め設定されている。高圧目標値は、冷凍サイクルのCOP(成績係数)が最大となる値として設定されている。また、コントローラ(40)には、冷凍サイクルにおける低圧圧力の目標値として、低圧目標値が予め設定されている。
コントローラ(40)には、ピーク回転速度Vpの制御マップが設けられている。制御マップには、実験等で予め求められたピーク回転速度Vpが設定されている。本実施形態の制御マップには、冷媒回路(11)の動作状態として、高圧冷媒と低圧冷媒の圧力差である高低差圧に対応したピーク回転速度Vpが設定されている。つまり、制御マップでは、高低差圧の複数の値のそれぞれに対して、ピーク回転速度Vpが設定されている。
−コントローラの動作−
続いて、コントローラ(40)の動作を図2に示すフローチャートを基に説明する。
なお、コントローラ(40)は、空気調和装置(10)の運転中に亘って、室内熱交換器(15)で要求される冷却能力に応じたシステム流量に調節する能力調節動作を実行している。コントローラ(40)は、例えば、吸入圧力センサ(19)の計測圧力が低圧目標値になるように圧縮機(21)の回転速度を調節する動作を、能力調節動作として行う。
空気調和装置(10)の運転開始後、まずステップST1が行われる。なお、空気調和装置(10)の運転開始直後は、バイパス弁(26)は閉状態に設定されている。ステップST1では、コントローラ(40)が、バイパス弁(26)を閉状態に設定したまま、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値になるように膨張機(31)の回転速度を調節する速度調節動作を行う。
速度調節動作では、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも低い場合には、発電機(33)から電動機(23)へ供給される供給電力が増大するようにスイッチ回路の出力周波数が調節される。その結果、発電機(33)の負荷が増大して膨張機(31)の回転速度が低下し、高圧圧力が上昇する。一方、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも高い場合には、供給電力が減少するようにスイッチ回路の出力周波数が調節される。その結果、発電機(33)の負荷が減少して膨張機(31)の回転速度が増大し、高圧圧力が低下する。ステップST1は、一定の時間に亘って行われる。ステップST1が終了すると、ステップST2が行われる。
ステップST2では、コントローラ(40)が、制御マップからピーク回転速度Vpを読み出すために必要な冷媒回路(11)の動作状態(高低差圧)を検出する状態検出動作を行う。コントローラ(40)は、吐出圧力センサ(18)の計測圧力から吸入圧力センサ(19)の計測圧力を引いた値を高低差圧として検出する。ステップST2が終了すると、ステップST3が行われる。
ステップST3では、コントローラ(40)が、ステップST2で検出した冷媒回路(11)の動作状態に対応するピーク回転速度Vpを制御マップから読み出す読出動作を行う。コントローラ(40)は、ステップST2で検出した高低差圧に対応するピーク回転速度Vpを制御マップから読み出す。ステップST3が終了すると、ステップST4が行われる。
ステップST4では、コントローラ(40)が、現在の膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpと比較する第1比較動作を行う。コントローラ(40)は、速度検出部によって検出された検出回転速度を、ステップST3で読み出したピーク回転速度Vpと比較する。コントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vpに等しい場合(例えば、検出回転速度の1の位を四捨五入した値がピーク回転速度Vpに等しい場合)には、ステップST5を行う。一方、コントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vpに等しくない場合には、ステップST6を行う。なお、コントローラ(40)は、検出回転速度とピーク回転速度Vpとの差が所定値以下であれば、検出回転速度がピーク回転速度Vpに概ね等しいものと判断して、ステップST5を行うように構成されていてもよい。
ステップST5では、コントローラ(40)が、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値になるようにバイパス弁(26)の開度を調節するバイパス量調節動作を行いながら、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに維持する速度維持動作を行う。バイパス量調節動作では、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも高くなると、バイパス弁(26)の開度が拡大され、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも低くなると、バイパス弁(26)の開度が縮小される。但し、コントローラ(40)は、バイパス弁(26)の開度制御によって吐出圧力センサ(18)の計測圧力を高圧目標値に維持することができなくなると、速度維持動作を終了させて、速度調節動作を行う。例えば、コントローラ(40)は、バイパス弁(26)を閉状態に設定している状態で、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも所定値だけ低くなると、速度維持動作を終了させて、速度調節動作を行う。本実施形態のコントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vpに等しくなっている場合であっても、高圧圧力を高圧目標値に維持することを優先して、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpから低下させる。ステップST5は、一定の時間に亘って行われる。ステップST5が終了すると、ステップST2が行われる。
ステップST6では、ステップST5と同様に、コントローラ(40)が、現在の膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpと比較する第2比較動作を行う。コントローラ(40)は、速度検出部によって検出された検出回転速度を、ステップST3で読み出したピーク回転速度Vpと比較する。コントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vp以下となる場合(例えば、検出回転速度の1の位を四捨五入した値が、ピーク回転速度Vp以下となる場合)には、ステップST7を行う。一方、コントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vpを上回る場合には、ステップST8を行う。
ステップST7では、コントローラ(40)が、バイパス弁(26)を閉状態に設定したまま、上記速度調節動作を行う。ステップST7は、一定の時間に亘って行われる。ステップST7が終了すると、ステップST2が行われる。
本実施形態のコントローラ(40)は、検出回転速度がピーク回転速度Vp以下となる場合は、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節すると、冷凍サイクルの高圧圧力が高圧目標値よりも低くなり、冷凍サイクルの成績係数が低下するので、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節しない。膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節することよりも、高圧圧力を高圧目標値に維持することが優先される。
ステップST8では、コントローラ(40)が、膨張機(31)を減速して、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節した後に、速度維持動作を行う。コントローラ(40)は、スイッチ回路の出力周波数を調節することによって膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節する。また、速度維持動作中のコントローラ(40)は、バイパス量調節動作を行う。ステップST8が終了すると、一定時間の経過後にステップST2が行われる。
ここで、空気調和装置(10)の運転開始後の膨張機(31)の回転速度の変化について説明する。まず、空気調和装置(10)の運転開始後のシステム流量が比較的多い場合について、ステップST1で膨張機(31)の回転速度が図4のA点に対応する回転速度に調節される場合を例に説明する。
この場合、ステップST4の後にステップST6が行われる。ステップST6では検出回転速度がピーク回転速度Vpを上回ると判定されるので、ステップST6の後に、ステップST8が行われる。ステップST8では、膨張機(31)の回転速度が、図4のB点に対応するピーク回転速度Vpに調節される。膨張機(31)の回転速度が低下すると、高圧圧力が増大しないように、バイパス弁(26)の開度が拡大される。システム流量が多いほど、バイパス弁(26)は大きい開度に調節され、バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量は多くなる。
続いて、空気調和装置(10)の運転開始後のシステム流量が比較的少ない場合について、ステップST1で膨張機(31)の回転速度が図4のC点に対応する回転速度に調節される場合を例に説明する。
この場合、ステップST4の後のステップST6では、検出回転速度がピーク回転速度Vp以下であると判定されるので、ステップST6の後に、ステップST7が行われる。ステップST7では、ステップST1の時点から高圧圧力が変動していれば、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値になるように、膨張機(31)の回転速度が調節される。
−実施形態の効果−
本実施形態では、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっている場合は、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpに調節される。このため、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっている場合に、ピーク回転速度Vpよりも高い回転速度に維持されていた従来の冷凍装置に比べて、多くの回収動力を得ることができる。従って、膨張機(31)における回収動力を増大させることができる。
また、本実施形態では、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えないような流量にシステム流量がなっている場合は、膨張機(31)の回転速度の調節によって冷凍サイクルにおける高圧圧力が一定に保たれ、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっている場合は、バイパス弁(26)の開度制御によってバイパス回路(13)の冷媒流量が調節されて、冷凍サイクルにおける高圧圧力が一定に保たれる。このため、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに保持しつつ、冷凍サイクルにおける高圧圧力を一定に保つことができる。従って、高い回収動力を得つつ、安定した冷凍サイクルを行うことができる。
また、本実施形態では、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えないような流量にシステム流量がなっている場合に、室外熱交換器(14)を流出した冷媒がバイパス回路(13)に分配されることなく膨張機(31)へ供給される。従って、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えないような流量にシステム流量がなっている場合に、多くの冷媒が膨張機(31)を通過するので、高い回収動力を得ることができる。
また、本実施形態では、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応したピーク回転速度Vpが、膨張機(31)の回転速度の調節に用いられる。このため、冷媒回路(11)の動作状態が変動しても、ピーク回転速度Vpを超えないように膨張機(31)の回転速度を調節することができる。
−実施形態の変形例−
この変形例では、膨張機(31)の回転速度の調節に関するコントローラ(40)の動作が、上記実施形態とは異なっている。それ以外は、上記実施形態と同じである。以下では、コントローラ(40)の動作を図3に示すフローチャートを基に説明する。
空気調和装置(10)の運転開始後、まずステップST11が行われる。ステップST11では、上記実施形態のステップST1と同じ動作が行われる。ステップST11では、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値になるように膨張機(31)の回転速度を調節する速度調節動作が行われる。ステップST11は、一定の時間に亘って行われる。ステップST11が終了すると、ステップST12が行われる。
ステップST12では、コントローラ(40)が、膨張機(31)で回収される回収動力を検出する回収動力検出動作を行う。回収動力検出動作では、回収動力として、発電機(33)から電動機(23)へ供給される供給電力が検出される。コントローラ(40)は、速度検出部によって検出された検出回転速度に基づいて算出した発電機(33)の出力電圧に、電流検出部の検出値を掛けた値を、供給電力として算出する。本実施形態では、信頼性の高い供給電力が得られるように、供給電力が一定時間の平均値として算出される。この点は、後述するステップST14とステップST17でも同じである。
ステップST13は、前のステップSTの終了から一定時間の経過後に行われる。ステップST13では、コントローラ(40)が、膨張機(31)の回転速度を所定値だけ低下させる減速動作を行う。コントローラ(40)は、供給電力が増加するようにスイッチ回路の出力周波数を制御することによって、膨張機(31)の回転速度を低下させる。ステップST13では、膨張機(31)の回転速度の低下に伴って高圧圧力が増大しないように、バイパス量調節動作によってバイパス弁(26)の開度が拡大される。ステップST13が終了すると、ステップST14が行われる。
ステップST14では、コントローラ(40)が、ステップST12と同じ回収動力検出動作を行う。ステップST14では、膨張機(31)の回転速度が低下した後の供給電力が検出される。ステップST14が終了すると、ステップST15が行われる。
ステップST15では、コントローラ(40)が、直近の第1の回収動力検出動作(ステップST14の回収動力検出動作)で検出した減速後の供給電力と、直近の回収動力検出動作の1つ前の第2の回収動力検出動作(ステップST13の直前にステップST12を行っている場合は、ステップST12の回収動力検出動作、ステップST13の直前にステップST18を行っている場合は、ステップST17の回収動力検出動作)で検出した減速前の供給電力とを比較する第1比較動作を行う。コントローラ(40)は、減速後の供給電力が減速前の供給電力を上回る場合には、ステップST13を行う。一方、コントローラ(40)は、減速後の供給電力が減速前の供給電力以下となる場合には、ステップST16を行う。
ステップST16は、前のステップSTの終了から一定時間の経過後に行われる。ステップST16では、コントローラ(40)が、バイパス弁(26)が開状態に設定されている場合にだけ、膨張機(31)の回転速度を所定値だけ増大させる加速動作を行う。コントローラ(40)は、バイパス弁(26)が閉状態に設定されている場合には、高圧圧力が低下して高圧目標値から離れることを回避するために、加速動作を行わない。コントローラ(40)は、供給電力が減少するようにスイッチ回路の出力周波数を制御することによって、膨張機(31)の回転速度を増大させる。ステップST16では、膨張機(31)の回転速度の増大に伴って高圧圧力が低下しないように、バイパス量調節動作によってバイパス弁(26)の開度が縮小される。ステップST16が終了すると、ステップST17が行われる。
ステップST17では、コントローラ(40)が、ステップST12と同じ回収動力検出動作を行う。ステップST17では、膨張機(31)の回転速度が増大した後の供給電力が検出される。ステップST17が終了すると、ステップST18が行われる。
ステップST18では、コントローラ(40)が、直近の第1の回収動力検出動作(ステップST17の回収動力検出動作)で検出した加速後の供給電力と、直近の回収動力検出動作の1つ前の第2の回収動力検出動作(ステップST16の直前にステップST15を行っている場合は、ステップST14の回収動力検出動作、ステップST16の直前にステップST18を行っている場合は、ステップST17の回収動力検出動作)で検出した加速前の供給電力とを比較する第2比較動作を行う。コントローラ(40)は、加速後の供給電力が加速前の供給電力を上回る場合には、ステップST16を行う。一方、コントローラ(40)は、加速後の供給電力が加速前の供給電力以下となる場合には、ステップST13を行う。
なお、この変形例では、空気調和装置(10)の運転終了まで、ステップST13からステップST18までの動作が、繰り返し行われる。
また、この変形例では、ステップST12以降も、コントローラ(40)が、速度調節動作又はバイパス量調節動作によって、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値に調節される。この変形例では、上記実施形態と同様に、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度Vpに調節することよりも、高圧圧力を高圧目標値に維持することが優先される。
具体的に、コントローラ(40)は、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも低くなる場合には、バイパス弁(26)が開状態に設定されていれば、バイパス弁(26)の開度を縮小し、バイパス弁(26)が閉状態に設定されていれば、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpに調節されている場合であっても、膨張機(31)の回転速度を強制的に低下させる。一方、コントローラ(40)は、吐出圧力センサ(18)の計測圧力が高圧目標値よりも高くなる場合には、バイパス弁(26)の開度を拡大する。
ここで、空気調和装置(10)の運転開始後の膨張機(31)の回転速度の変化について説明する。まず、空気調和装置(10)の運転開始後のシステム流量が比較的多い場合について、ステップST11で膨張機(31)の回転速度が図4のA点に対応する回転速度に調節される場合を例に説明する。
この場合、ステップST12の後のステップST13で、膨張機(31)の回転速度が、低下してD点に対応する回転速度になる。膨張機(31)の回転速度は、ピーク回転速度Vpに近づく。また、バイパス弁(26)が開状態に設定される。そして、ステップST15では、減速後の供給電力が減速前の供給電力を上回ると判定されるので、ステップST15の後に、再びステップST13が行われる。ステップST13では、膨張機(31)の回転速度が、さらに低下して図4のB点に対応するピーク回転速度Vpに調節される。また、バイパス弁(26)の開度は拡大する。このように、この変形例では、冷凍サイクル中に検出した互いに異なる回転速度における回収動力を比較することによって、ピーク回転速度を超えないように膨張機(31)の回転速度が調節される。従って、コントローラ(40)に予めピーク回転速度Vpを記憶させておく手間を省くことができる。
続いて、空気調和装置(10)の運転開始後のシステム流量が比較的多い場合について、ステップST11で膨張機(31)の回転速度が図4のC点に対応する回転速度に調節される場合を例に説明する。
この場合、ステップST12の後のステップST13で、膨張機(31)の回転速度が、低下してE点に対応する回転速度になる。膨張機(31)の回転速度は、一旦ピーク回転速度Vpから離れる。また、バイパス弁(26)が開状態に設定される。そして、ステップST15では、減速後の供給電力が減速前の供給電力以下であると判定されるので、ステップST15の後にステップST16が行われる。ステップST16では、膨張機(31)の回転速度が、増大してC点に対応する回転速度に戻る。また、バイパス弁(26)は閉状態に戻される。次に、ステップST18では、加速後の供給電力が加速前の供給電力を上回ると判定されるので、ステップST18の後に、再びステップST16が行われる。ステップST16では、バイパス弁(26)が閉鎖されているので、速度増大動作は行われず、膨張機(31)の回転速度は、C点に対応する回転速度に維持される。
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
上記実施形態において、バイパス弁(26)の代わりに、バイパス回路(13)に、容積型流体機械により構成されたバイパス側膨張機を設けてもよい。バイパス側膨張機は、冷媒が供給されると、冷媒を膨張させて動力を発生させる。コントローラ(40)は、バイパス側膨張機の回転速度を調節することによって、バイパス回路(12)の冷媒流量を調節する。
また、上記実施形態において、冷媒回路(11)における室外熱交換器(14)と膨張機(31)との間に、開度可変の電子膨張弁により構成された前絞り弁を設けてもよい。この場合、バイパス回路(13)を省略することが可能である。この場合、コントローラ(40)は、前絞り弁の開度を調節することによって、膨張機(31)の回転速度を調節する。
また、上記実施形態において、コントローラ(40)が、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpになっていると想定した場合の膨張機(31)の吸入流量(以下、「想定吸入流量」という。)をシステム流量が上回るという条件が成立した場合に、膨張機(31)の回転速度がピーク回転速度Vpを超えるような流量にシステム流量がなっていると判断して、膨張機(31)を減速して、速度維持動作を行うように構成されていてもよい。ステップST6の第2比較動作で、システム流量が想定吸入流量以下であれば、ステップST7が行われ、システム流量が想定吸入流量を上回れば、ステップST8が行われる。なお、システム流量は、例えば、圧縮機(21)の回転速度に圧縮機(21)の吸入容積を掛けた値を低圧冷媒の比体積で除することによって、算出される。圧縮機(21)の回転速度は、圧縮機(21)に供給される相電流の波形周期に基づいて算出される。低圧冷媒の比体積は、吸入圧力センサ(19)の計測圧力及び吸入温度センサ(29)の計測温度に基づいて算出される。また、想定吸入流量は、例えば、ステップST3で読み出したピーク回転速度Vpに膨張機(31)の吸入容積を掛けた値を高圧冷媒の比体積で除することによって、算出される。高圧冷媒の比体積は、吐出圧力センサ(18)の計測圧力及び吐出温度センサ(28)の計測温度に基づいて算出される。
また、上記実施形態において、コントローラ(40)が、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度未満に調節する場合には、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が所定の目標値になるように膨張機(31)の回転速度を調節する一方で、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度に維持している場合には、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が目標値になるようにバイパス量調節動作を行うように構成されていてもよい。この場合は、圧縮機(21)の吐出冷媒の温度が、冷媒回路(11)の動作状態を表す物理量に相当する。
また、上記実施形態において、コントローラ(40)が、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度未満に調節する場合には、室外熱交換器(14)の出口の冷媒の過冷却度が所定の目標値になるように膨張機(31)の回転速度を調節する一方で、膨張機(31)の回転速度をピーク回転速度に維持している場合には、室外熱交換器(14)の出口の冷媒の過冷却度が目標値になるようにバイパス量調節動作を行うように構成されていてもよい。この場合は、冷凍サイクルの高圧圧力が冷媒の臨界圧力よりも低くなる冷凍サイクルが行われる。室外熱交換器(14)の出口の冷媒の過冷却度は、冷媒回路(11)の動作状態を表す物理量に相当する。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、冷媒を膨張させて動力を発生させる膨張機を備えた冷凍装置について有用である。
実施形態における空気調和装置の概略構成図である。 実施形態におけるコントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 実施形態の変形例におけるコントローラの動作の流れを示すフローチャートである。 膨張機の回転速度と回収動力との関係を示す図表である。
10 空気調和装置(冷凍装置)
11 冷媒回路
12 主回路
13 バイパス回路
21 圧縮機
26 バイパス弁(流量調節機構)
31 膨張機
40 コントローラ(制御手段)

Claims (3)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、
    冷媒を膨張させて動力を発生させるように構成され、上記圧縮機(21)の回転速度とは独立して回転速度を調節可能な膨張機(31)と、
    上記圧縮機(21)と上記膨張機(31)とが接続され、該圧縮機(21)と該膨張機(31)との間を冷媒が循環する冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)と、
    上記膨張機(31)の回転速度を調節する制御手段(40)とを備えた冷凍装置であって、
    上記膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるときの該膨張機(31)の回転速度が、ピーク回転速度であり、
    上記制御手段(40)は、上記冷媒回路(11)における冷媒の循環量が、上記膨張機(31)の回転速度が上記ピーク回転速度になっていると想定した場合の該膨張機(31)の吸入流量を上回ると、該膨張機(31)の回転速度を低下させることによって、上記ピーク回転速度を超えないように上記膨張機(31)の回転速度を調節する一方、
    上記冷媒回路(11)は、上記膨張機(31)の流入側と該膨張機(31)の流出側とを連通させるためのバイパス回路(13)と、該バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するための流量調節機構(26)とを備え、
    上記制御手段(40)は、上記膨張機(31)の回転速度を上記ピーク回転速度に維持している場合に、上記バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するために上記流量調節機構(26)を制御するバイパス量調節動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  2. 冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、
    冷媒を膨張させて動力を発生させるように構成され、上記圧縮機(21)の回転速度とは独立して回転速度を調節可能な膨張機(31)と、
    上記圧縮機(21)と上記膨張機(31)とが接続され、該圧縮機(21)と該膨張機(31)との間を冷媒が循環する冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)と、
    上記膨張機(31)の回転速度を調節する制御手段(40)とを備えた冷凍装置であって、
    上記膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるときの該膨張機(31)の回転速度が、ピーク回転速度であり、
    上記制御手段(40)は、
    上記冷媒回路(11)の動作状態に対応した複数のピーク回転速度を記憶する一方、
    上記冷凍サイクル中に、記憶している複数のピーク回転速度の中から、実際の冷媒回路(11)の動作状態に対応するピーク回転速度を選択し、
    選択した上記ピーク回転速度を超えないように上記膨張機(31)の回転速度を調節する一方、
    上記冷媒回路(11)は、上記膨張機(31)の流入側と該膨張機(31)の流出側とを連通させるためのバイパス回路(13)と、該バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するための流量調節機構(26)とを備え、
    上記制御手段(40)は、上記膨張機(31)の回転速度を上記ピーク回転速度に維持している場合に、上記バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するために上記流量調節機構(26)を制御するバイパス量調節動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
  3. 冷媒を圧縮する圧縮機(21)と、
    冷媒を膨張させて動力を発生させるように構成され、上記圧縮機(21)の回転速度とは独立して回転速度を調節可能な膨張機(31)と、
    上記圧縮機(21)と上記膨張機(31)とが接続され、該圧縮機(21)と該膨張機(31)との間を冷媒が循環する冷凍サイクルを行う冷媒回路(11)と、
    上記膨張機(31)の回転速度を調節する制御手段(40)とを備えた冷凍装置であって、
    上記膨張機(31)で回収される回収動力が最大となるときの該膨張機(31)の回転速度が、ピーク回転速度であり、
    上記制御手段(40)は、
    上記冷凍サイクル中に、上記膨張機(31)を一定の回転速度に維持している状態で上記回収動力を検出する第1回収動力検出動作と、該第1回収動力検出動作とは異なる回転速度に上記膨張機(31)を維持している状態で上記回収動力を検出する第2回収動力検出動作とを行い、
    該第1回収動力検出動作で検出された回収動力と該第2回収動力検出動作で検出された回収動力とを比較して回収動力が大きくなるように上記膨張機(31)の回転速度を調節することによって、上記ピーク回転速度を超えないように上記膨張機(31)の回転速度を調節する一方、
    上記冷媒回路(11)は、上記膨張機(31)の流入側と該膨張機(31)の流出側とを連通させるためのバイパス回路(13)と、該バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するための流量調節機構(26)とを備え、
    上記制御手段(40)は、上記膨張機(31)の回転速度を上記ピーク回転速度に維持している場合に、上記バイパス回路(13)を流れる冷媒の流量を調節するために上記流量調節機構(26)を制御するバイパス量調節動作を行うことを特徴とする冷凍装置。
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