JP5592158B2 - 冷却シート、及び清涼感付与方法 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却シート、及び清涼感付与方法に関する。
近年の夏場における直射日光と気温上昇への暑さ対策には、屋外における帽子や日傘などの太陽光を遮る対策や、室内での空調制御が欠かせないものとなっている。しかしながら、日常生活においてはこのような対策が必ずしも取れる場面ばかりではないため、暑さに対する個人的な対策が必要となっている。
個人的な対策には、汗を拭く、風に当たる、木陰に入るなどの対処法があるが、暑さを感じる感覚をコントロールすることも大切であり、そのような製品の開発が求められている。
これまでに体感温度の上昇を抑える製品としては、例えば、冬場の風邪などによる体温の上昇を緩和する製品として、冷却シートが市販されている。前記冷却シートとしては、不織布やニットに含水系粘着基剤を塗膏したシートが広く用いられている。
しかしながら、このような冷却シートでは、含水系粘着基剤が皮膚表面へ直接付着するため、発汗による皮膚表面の水分量増加により、含水系粘着剤表面から粘着剤が溶出し、粘着剤の皮膚への付着によるベタつきや、含水系粘着基剤の粘着力低下によるはがれ、めくれにつながり、使用上の不具合を生じるという問題がある。特に、発汗量が増える夏場において、前記問題が顕著となる。
また、発汗に対応して清涼感を持たせるものとしては、例えば、表面層に冷感成分を含む汗取りパッド(例えば、特許文献1参照)や、衛生用ナプキンなどのヒトの身体に接触して着用される物品(例えば、特許文献2参照)が挙げられる。
しかしながら、これらの提案では、含水高分子層を有しないため、良好な清涼感と冷却効果を得ることができないという問題がある。
また、良好な清涼感や冷却効果を得るために、前記含水系粘着基材や、冷感成分を過度に用いると、清涼感による痛みが生じるという問題があり、良好な清涼感や冷却効果が得られ、かつ、清涼感による痛みが生じない冷却シートの開発が望まれている。
したがって、清涼感や冷却効果に優れ、清涼感による痛みが生じることを抑制することができ、かつ、使用感にも優れる冷却シートの提供が強く求められているのが現状である。
特開2007−119927号公報 特表2004−536048号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、清涼感や冷却効果に優れ、清涼感による痛みが生じることを抑制することができ、かつ、使用感にも優れる冷却シート、及び清涼感付与方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、中間基材に水、高分子化合物、及び揮発性物質を含有させ、該中間基材と、透過性を有する肌側支持体と、少なくとも粘着剤層、及び水分透過防止層を有する衣類側支持体とを含む冷却シートを衣類の内側に貼付することにより、肌に直接冷却シートを貼付しなくても清涼感や冷却効果に優れ、清涼感による痛みが生じることを抑制することができること、皮膚や衣類への粘着剤によるべたつきや、粘着剤の粘着力低下によるはがれ、めくれが抑えられることを知見した。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 透過性を有する肌側支持体、中間基材、及び衣類側支持体を含み、
前記中間基材が、水、高分子化合物、及び揮発性物質を含有し、
前記衣類側支持体が、少なくとも粘着剤層、及び水分透過防止層を有することを特徴とする冷却シートである。
<2> 揮発性物質が、メントールである前記<1>に記載の冷却シートである。
<3> 衣類側支持体が、布層、水分透過防止層、及び粘着剤層を含み、
前記水分透過防止層が、前記布層と前記粘着剤層との間に位置する前記<1>から<2>のいずれかに記載の冷却シートである。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の冷却シートを衣類の内側に貼付することを特徴とする清涼感付与方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、清涼感や冷却効果に優れ、清涼感による痛みが生じることを抑制することができ、かつ、使用感にも優れる冷却シート、及び清涼感付与方法を提供することができる。
図1は、本発明の冷却シートの一例の断面図である。 図2は、本発明の四辺を熱溶着し製造した冷却シートの一例を示す図である。
(冷却シート)
本発明の冷却シートは、透過性を有する肌側支持体と、中間基材と、衣類側支持体とを少なくとも有し、更に必要に応じて、ライナーなどのその他の成分を含む。
図1は、本発明の冷却シートの一例の断面図である。図1中、「1」は透過性を有する肌側支持体、「2」は中間基材、「3」は衣類側支持体、「4」は布層、「5」は水分透過防止層、「6」は粘着剤層、「7」はライナーを表す。
また、図2は、本発明の冷却シートの他の一例であって、四辺を熱溶着し製造した冷却シートを透過性を有する肌側支持体から見た図である。図2中、「1」は透過性を有する肌側支持体、「8」は熱溶着部を表す。
前記冷却シートの厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−透過性を有する肌側支持体−
前記透過性を有する肌側支持体は、前記中間基材を被覆する。前記透過性を有する肌側支持体で前記中間基材を被覆することにより、前記中間基材が肌に触れないため、肌のベタつきを抑えることができる。
前記透過性を有するとは、1,000g/m/24hr以上の透湿度があり、後述する揮発性物質を透過することができることをいう。前記肌側支持体が揮発性物質を透過することができることにより、優れた清涼感や冷却効果が得られる。
前記透過性を有する肌側支持体の種類としては、公知のものを使用することができ、より良好な清涼感が得られる点で、例えば、ニット(編布)、紙、織布、不織布、透過性を有するプラスチックフィルムが好ましく、ニット(編布)、紙、織布、不織布がより好ましい。また、前記透過性を有する肌側支持体の材質としては、例えば、樹脂フィルムであるポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フィルム、発泡樹脂シートなども挙げられる。これらの中でも、より良好な清涼感が得られる点で、ポリエステルやポリプロピレンのニット(編布)が好ましい。
前記透過性を有する肌側支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、透過性を有する肌側支持体として、ポリエステルやポリプロピレンのニットを用いた場合には、0.20mm〜1.50mmが好ましく、0.30mm〜0.90mmがより好ましい。前記ポリエステルやポリプロピレンのニットの厚みが、前記より好ましい範囲内であると、より良好な清涼感が得られる点で、有利である。
前記透過性を有する肌側支持体の厚みは、50cm角の大きさの試料を2ヶ所採取し、前記試料をpeacock社製ダイヤルシックネスゲージH型にて各試料ごとに5点測定し、その平均値(少数点以下第3位を四捨五入)を算出することにより求める。
前記透過性を有する肌側支持体として使用されるニット(編布)、紙、織布、不織布の目付けとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50g/m〜200g/mが好ましく、70g/m〜150g/mがより好ましい。
前記目付けが、50g/m未満であると、中間基材の水、高分子化合物が染み出し、べたつきの原因になることがあり、200g/mを超えると、揮発性物質の透過性が低下し、清涼感が低下することがある。一方、前記目付けが前記より好ましい範囲内であると、清涼感や冷却効果に優れる点で有利である。
なお、前記透過性を有する肌側支持体の目付けとは、透過性を有する肌側支持体1m当たりの質量(g)をいう。
前記透過性を有する肌側支持体の透湿度としては、1,500g/m/24hr以上が好ましく、2,000g/m/24hr以上がより好ましい。
前記「透湿度」とは、JIS一般試験法「防湿包装材料の透湿度試験法(カップ法)」(JIS Z 0208−1976)の条件Bにより測定される値をいう。
前記透湿度が、1,500g/m/24hrを下回った場合、知覚神経の冷感受容体を刺激する揮発性物質の透過性が低下し、清涼感が低下することがある。一方、前記透湿度1,500g/m/24hrであるポリウレタンの樹脂フィルムを用いると、清涼感や冷却効果に優れるため好ましい。
前記透過性を有する肌側支持体として使用される樹脂フィルム、発泡樹脂シートは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。樹脂フィルムや発泡樹脂シートは、本来の透湿性は少ないものであっても、多孔質構造を有することにより最適な透湿性を有するものである。その孔径は、平均孔径0.01mm〜10mm、好ましくは0.1mm〜2mm程度である。
透湿度2,000g/m/24hr以上を有するものとしては、ニット(編布)、紙、織布、不織布やポリウレタンからなる樹脂フィルム、及び多孔質構造を有する樹脂フィルムが挙げられる。
前記透過性を有する肌側支持体の大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−中間基材−
前記中間基材は、水と、高分子化合物と、揮発性物質とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の成分を含む。
前記中間基材の調製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製水に前記高分子化合物などの各成分を添加し、攪拌することにより調製することができる。
前記調製された中間基材は、前記透過性を有する肌側支持体、及び前記衣類側支持体の布層の少なくともいずれかに展延することにより、冷却シートの構成要素とすることができる。また、前記調製された中間基材を紙、織布、不織布、編布、プラスチックフィルム等のパッキングに均一に展延し、プラスチックフィルム(フェイシング)で前記中間基材の表面を覆い、適当な大きさに裁断したものを中間基材としてもよい。
前記中間基材の厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−水−−
前記水の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、精製水が挙げられる。中間基材に水を含むことで、環境温度や体温等により水が蒸発し、その気化熱で冷却シートの皮膚側表面やその周囲温度が下がるため、直接貼付の場合よりも刺激が低く、しかも良好な皮膚冷却効果や清涼感を得ることができる。
前記中間基材の含水率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30質量%〜95質量%が好ましく、50質量%〜90質量%がより好ましく、60質量%〜75質量%が特に好ましい。
前記含水率が、30質量%未満であると、十分な清涼感と皮膚冷却効果が得られないことがあり、95質量%を超えると、べたつき感を抑えられないことがある。一方、前記含水率が前記より好ましい範囲であると、冷却シートを衣類の内側に貼付したときに、好ましい清涼感の持続や望ましい皮膚冷却温度を得ることができ、ベタつきのない冷却シートを実現できる点で有利である。
−−高分子化合物−−
前記高分子化合物とは、高吸水性樹脂化合物、水溶性高分子化合物をいう。
前記高分子化合物は、高吸水性樹脂化合物、及び水溶性高分子化合物のいずれかを1種単独で使用してもよいし、2種を併用してもよい。
前記中間基材における前記高分子化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜20.0質量%が好ましく、0.1質量%〜15.0質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満であると、膏体の保形性が悪くなり、透過性を有する肌側支持体から膏体が染み出すことがあり、20.0質量%を超えると、製造時の分散の際に、ままこが生じたり、膏体展延時に膏体の架橋が進むことによる展延ムラが生じ、製造適正が悪くなることがある。一方、前記含有量が前記より好ましい範囲であると、肌へのベタつきを抑え、良好な清涼感と皮膚冷却効果を得ることが出来る点で有利である。
−−−高吸水性樹脂化合物−−−
前記高吸水性樹脂化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記含水率を満たすものが好ましい。
前記高吸水性樹脂化合物としては、例えば、ポリアルキレンオキサイド系樹脂、N−ビニルアセトアミド架橋体、アクリルアミド架橋体、デンプン・アクリル酸塩グラフト共重合体架橋物、架橋ポリアクリル酸塩などが挙げられる。
前記中間基材における前記高吸水性樹脂化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01質量%〜10.0質量%が好ましく、0.1質量%〜5.0質量%がより好ましい。
前記高吸水性樹脂化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−水溶性高分子化合物−−−
前記水溶性高分子化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記含水率を満たすものが好ましい。
前記水溶性高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸又はポリアクリル酸ナトリウム等のポリアクリル酸類、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、アラビヤガム、トラガントガム、カラヤガム、無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリアクリル酸又はその塩、カルボキシメチルセルロース又はその塩が好ましい。
前記中間基材における前記水溶性高分子化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5.0質量%〜20.0質量%が好ましく、10.0質量%〜15.0質量%がより好ましい。
なお、本発明における水溶性とは、1質量%以上の濃度で水に溶解することをさす。
なお、本発明におけるポリアクリル酸が一部架橋したカルボキシビニルポリマーは水溶性高分子化合物の1種に含まれる。
前記水溶性高分子化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−揮発性物質−−
前記揮発性物質とは、揮発性を有する冷感受容体刺激剤を指し、中間基材に配合すると、冷却シートを衣類の内側に貼付したときに、中間基材から透湿性支持体を通過し、皮膚の知覚神経の冷感受容体を刺激して、好ましい清涼感を感じることができる。
知覚神経の冷感受容体を刺激する前記揮発性物質としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メントール、カンフル、チモール、ボルネオール、N−エチル−p−メンタン−カルボキシアミド、p−メンタン−3,8−ジオール、l−イソプレゴール、スピラントール、サリチル酸メチル、メントン、メンタン、l−メンチルグリセリルエーテル等のメントール誘導体などが挙げられる。これらの中でも、室温にて良好に昇華し、清涼感を与える点で、メントールが好ましい。
また、前記揮発性物質が含まれる天然精油として、ハッカ油、ペパーミント油、ユーカリ油などを用いてもよい。
前記中間基材における前記揮発性物質の含有量としては、0.01質量%〜1.0質量%が好ましく、0.03質量%〜0.5質量%がより好ましい。
前記含有量が、0.01質量%未満であると、清涼感が得られない場合があり、1.0質量%を超えると、清涼感が強すぎることがある。一方、前記含有量が前記より好ましい範囲であると、冷却シートを衣類の内側に貼付したときに、揮発性物質によって、感覚神経に発現する冷感受容体の活性化によって、好ましい清涼感を感じることができる点で有利である。
−−その他の成分−−
前記中間基材におけるその他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、硬化剤、硬化調整剤、鉱物性粉末、香料、色素、防腐剤などが挙げられる。
前記中間基材における前記その他の成分の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−硬化剤−−−
前記硬化剤としては、特に制限はなく、例えば、膏体に使用されているものを目的に応じて適宜選択することができる。
前記硬化剤の具体例としては、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、含ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート等が挙げられる。
前記硬化剤は、透過性を有する肌側支持体、及び衣類側支持体の少なくともいずれかに中間基材を展延する際に、中間基材を均一に塗布する点から、即効的に作用するものよりも徐々に作用するものが好ましく、このような硬化剤として、例えば、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート等が好ましい。
前記硬化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間基材における前記硬化剤の含有量としては、特に制限はなく、硬化剤の種類や併用する上記水溶性高分子化合物の種類等により適宜選択することができるが、0.005質量%〜3質量%が好ましく、0.03質量%〜1質量%がより好ましい。前記含有量が、0.005質量%未満であると、中間基材の保形性が十分に得られないおそれがあり、3質量%を超えると、製造時の硬化速度を調整することが困難となるおそれがある。
−−−硬化調整剤−−−
前記硬化調整剤は、前記硬化剤による硬化を調整する。
前記硬化調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記硬化調整剤の具体例としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エデト酸二ナトリウム(EDTA−2Na)などが挙げられる。
前記硬化調整剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−鉱物性粉末−−−
前記鉱物性粉末としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記鉱物性粉末の具体例としては、カオリン、ベントナイト、モンモリトナイト、酸化亜鉛、酸化チタン、無水ケイ酸などが挙げられる。
前記鉱物性粉末は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間基材における前記鉱物性粉末の含有量としては、目的に応じて適宜選択することができるが、中間基材の保形性を十分に得るために、5質量%程度が好ましい。前記含有量が、多すぎると展延できなくなる程、膏体硬度が硬くなるおそれがある。
−−−香料−−−
前記香料としては、特に制限はなく、例えば、外用剤の香料として使用されているものを目的に応じて適宜選択することができる。
前記香料の具体例としては、アニス、アンジェリカ、安息香、イモーテル、カモミール、ガーリック、カルダモン、ガルバナム、キャラウェイ、キャロットシード、グアアックウッド、グレープフルーツ、サイプレス、サンダルウッド、シダーウッド、ジュニパー、スターアニス、セージ、ゼラニウム、セロリ、タイム、タラゴン、テレビン、トウヒ、乳香、バイオレット、パイン、パセリ、バーチ、パチュリー、バラ、ヒソップ、フェンネル、ブラックペッパー、ボダイジュ花、没薬、ヤロウ、レモン、レモングラス、ローズマリー、ローレル、シモツケギク、モモ、ヤグルマギク、ユーカリ、ユズ、ラベンダー等のハーブ系製油類又はエキス類、その他、低級アルコール類、アルデヒド類などが挙げられる。
前記香料は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間基材における前記香料の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.0001質量%〜1質量%程度が好ましい。
−−−色素−−−
前記色素としては、特に制限はなく、例えば、膏体に使用されているものを目的に応じて適宜選択することができる。
前記色素の具体例としては、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色203号、赤色204号、赤色205号、赤色206号、赤色207号、赤色208号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色218号、赤色219号、赤色220号、赤色221号、赤色223号、赤色225号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、赤色401号、赤色404号、赤色405号、赤色501号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色505号、赤色506号、黄色4号、黄色5号、黄色201号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、黄色204号、黄色205号、黄色401号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色404号、黄色405号、黄色406号、黄色407号、緑色3号、緑色201号、緑色202号、緑色204号、緑色205号、緑色401号、緑色402号、青色1号、青色2号、青色201号、青色202号、青色203号、青色204号、青色205号、青色401号、青色403号、青色404号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色205号、橙色206号、橙色207号、橙色401号、橙色402号、橙色403号、褐色201号、紫色201号、紫色401号、黒色401号等が挙げられる。
前記色素は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記中間基材における前記色素の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.00005質量%〜0.1質量%が好ましく、0.0001質量%〜0.01質量%がより好ましい。
なお、色素を前記中間基材に配合する場合、中間基材を展延した際に色素の濃淡や斑点が生じないように、色素を水、油脂、アルコール等に溶かした後に、他成分と練合することが好ましい。
−−−防腐剤−−−
前記防腐剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベンなどが挙げられる。
前記防腐剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記以外のその他の成分としては、例えば、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール、ポリソルベート80(ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル)、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の界面活性剤などが挙げられる。
−衣類側支持体−
前記衣類側支持体は、粘着剤層と、水分透過防止層とを少なくとも有し、更に必要に応じて、布層などのその他の層を有する。
前記衣類側支持体は、前記水分透過防止層が、前記布層と前記粘着剤層との間に位置する態様が好ましい。
前記衣類側支持体の厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−粘着剤層−−
前記粘着剤層は、本発明の冷却シートを衣類の内側に貼付するための層である。
前記粘着剤層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、少なくとも粘着剤を含有する粘着層塗工液を調製し、前記粘着層塗工液をライナーに塗工し、次いで、乾燥することにより形成することができる。
前記粘着剤層の厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、貼付剤とした際の投錨性が良好な点で、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤が好ましい。
−−−アクリル系粘着剤−−−
前記アクリル系粘着剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれるモノマー単位、カルボキシル基を含むモノマーから選ばれるモノマー単位などを有する重合体が好ましい。
ここで、「モノマー単位」とは、重合体を構成する構成単位(単量体単位)を意味する。
また、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方又は両方を示す。
前記アクリル系粘着剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アクリル系粘着剤の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、重合開始剤を用いて合成することができる。
前記重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩;過酸化水素水、過酸化ラウロイル、t−ブチルハイドロパーオキサイド等の水性ラジカル重合開始剤又はそれらの混合物などが挙げられる。
また、重合開始剤と還元剤とを組み合わせてレドックス系を形成することもできる。
前記還元剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、ピロ亜硫酸塩、ホルムアルデヒドスルホン酸塩等のアルカリ金属塩;アンモニウム塩、L−アスコルビン酸、酒石酸等のカルボン酸類などが挙げられる。
前記アクリル系粘着剤は、乳化重合によって製造することが好ましい。
前記乳化重合の際に用いられる界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤又はそれらの混合物が挙げられる。
前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルもしくはアルキルアリル硫酸塩、アルキルもしくはアルキルアリルスルホン酸塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシドの平均付加モル数が3)、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(エチレンオキシドの平均付加モル数が4)などのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩などが挙げられる。
前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコールなどのポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記両性界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ベタイン、アミノ酸の誘導体などが挙げられる。また、ペプチド系界面活性剤であるサーファクチンナトリウムも挙げられる。
前記乳化重合は、必要に応じて、エチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート剤、ポリカルボン酸塩などの分散剤、リン酸塩、炭酸塩などの無機塩、チオール化合物、ハロゲン化合物などの連鎖移動剤の存在下で行うこともできる。前記連鎖移動剤の存在下で行うことにより、得られるアクリル系粘着剤の分子量の制御が一定の範囲内で可能となる。
前記アクリル系粘着剤として用いられる重合体は、架橋処理を施されていることが好ましい。前記架橋処理を施すことによって、前記粘着剤層に含有されている液体成分の流出がより良く抑制され、また、良好な粘着性が得られる。
前記架橋処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紫外線照射や電子線照射などの放射線照射による物理的架橋処理、ポリイソシアネート化合物、有機過酸化物、多価金属化合物、多官能性化合物などの架橋剤を用いた化学的架橋処理などが挙げられる。これらの中でも、化学的架橋処理が好ましい。
前記化学的架橋処理において用いる架橋剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、粘着剤組成物の経時安定性、貼付剤の製造性の点から、多価金属化合物、三官能性イソシアネート化合物が好ましく、多価金属化合物が特に好ましい。
前記多価金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マグネシウム化合物、カルシウム化合物、亜鉛化合物、カドミウム化合物、アルミニウム化合物、チタン化合物、錫化合物、鉄化合物、クロム化合物、マンガン化合物、コバルト化合物、ニッケル化合物などが挙げられる。これらの中でも、皮膚に対する安全性の点から、アルミニウム化合物、カルシウム化合物、マグネシウム化合物が好ましい。
前記アルミニウム化合物、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記アルミニウム化合物、カルシウム化合物及びマグネシウム化合物の具体例としては、カリウムミョウバン、アンモニウムミョウバン、鉄ミョウバン等のミョウバン類、水酸化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウム、硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム、乳酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム;水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、酸化カルシウム、リン酸カルシウム;水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナ・マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイトなどが挙げられる。
前記多価金属化合物は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、前記アクリル系粘着剤においては、前記多価金属化合物とキレートを生成するキレート剤を用いることが好ましい。前記キレート剤は、前記多価金属化合物の多価金属イオンとキレートを生成する能力を有する化合物である。前記キレート剤を用いることにより、前記粘着剤層塗工液の粘度の増加が抑制されて塗工性が向上する。
前記キレート剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、cis−1,2−ジアミノシクロヘキサン、2−ニトロソ−1−ナフトール−8−ヒドロキシナゾリン、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、エデト酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はそれら化合物の一価金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩)、アミン塩、アンモニウム塩などが好ましい。これらの中でも、クエン酸、エデト酸、ジエチレントリアミン五酢酸、又はそれらの一価金属塩がより好ましい。
前記キレート剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−−ゴム系粘着剤−−−
前記ゴム系粘着剤は、ゴム系高分子と、粘着付与樹脂などから構成される粘着剤である。
前記ゴム系高分子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ゴムスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(以下、「SIS」)、イソプレンゴム、ポリイソブチレン(以下、「PIB」)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(以下、「SBS」)、スチレン−ブタジエンゴム(以下、「SBR」)、ポリシロキサンなどが挙げられる。
前記ゴム系高分子は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ゴム系粘着剤においては、更に粘着付与剤樹脂、軟化剤、充てん剤を配合することが好ましい。
前記粘着付与剤樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ロジン、エステルガム、ポリテルペン樹脂、石油樹脂、スチレン系樹脂、アルキルフェノール樹脂、テルペンフェノール樹脂などが挙げられる。
前記粘着付与剤樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記軟化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、石油系オイル、スクワラン、スクワレン、植物系オイル、シリコーンオイル、二塩基酸エステル、液状ゴム、二価アルコール、三価アルコール、四価アルコール、五価アルコール、六価アルコール、糖類、多価アルコール類、N−メチル−2−ピロリドン、ポリブテン、ポリイソブチレン低重合物、ポリビニルイソブチルエーテル低重合物、ラノリン、解重合ゴム、プロセスオイル、加硫オイル等が挙げられる。
前記石油系オイルの具体例としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、芳香族系プロセスオイルなどが挙げられる。
前記植物系オイルの具体例としては、オリーブ油、ツバキ油、ひまし油、トール油、ラッカセイ油などが挙げられる。
前記二塩基酸エステルの具体例としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレートなどが挙げられる。
前記液状ゴムの具体例としては、ポリブテン、液状イソプレンゴムなどが挙げられる。
前記二価アルコールの具体例としては、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ヘキシレングリコールなどが挙げられる。
前記三価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
前記四価アルコールの具体例としては、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリンなどが挙げられる。
前記五価アルコールの具体例としては、キシリトールなどが挙げられる。
前記六価アルコールの具体例としては、ソルビトール、ジペンタエリスリトールなどが挙げられる。
前記糖類の具体例としては、グルコース、マンノース、ショ糖、ソルビタン、トレハロース、アルキルグリコシドなどが挙げられる。
前記多価アルコール類の具体例としては、ポリプロピレングリコール、ポリグリセリン等の重合物などが挙げられる。
前記軟化剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記充てん剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、亜鉛華、酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルクなどが挙げられる。
前記充てん剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−水分透過防止層−−
前記水分透過防止層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルムが挙げられる。
前記フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン(以下、PE)、ポリプロピレン(以下、PP)等のオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のエステル系フィルム、ポリスチレン等のスチレン系フィルム、ポリ塩化ビニル系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム、ポリフルオロカーボン系フィルムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上をブレンド、あるいは積層させて使用してもよい。なお、前記樹脂の重合度としては、特に制限はなく、通常貼付剤の支持体フィルムとして使用されているものを適宜選択することができる。
前記フィルムの透湿度としては、2,000g/m/24hr以下が好ましく、50g/m/24hr以下がより好ましい。
前記「透湿度」とは、JIS一般試験法「防湿包装材料の透湿度試験法(カップ法)」(JIS Z 0208−1976)の条件Bにより測定される値をいう。
前記透湿度が、2,000g/m/24hrを超えた場合、粘着剤層の粘着力が低下するため好ましくない。一方、前記透湿度が、50g/m/24hr以下であると、粘着剤層の粘着力の低下が防げる点で、好ましい。
前記水分透過防止層の厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−布層−−
前記布層は、布を有する層である。
前記布としては、特に制限はなく、通常の貼付剤の支持体に用いられているものを適宜選択することができる。
前記布の具体例としては、厚織り、糸織り、ガーゼ、コール天、ネル等の織物、平編み、ゴム編み、タック編み、二目編み等の製法による編布、スパンレース、スパンボンド、サーマルボンド、ケミカルボンド、ニードルパンチ等の製法による不織布などを挙げることができるが、これらの中でも特に不織布が好適に使用される。
前記不織布の素材としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、熱可塑性繊維を単独で使用するか、又は熱可塑性繊維と非熱可塑性繊維との混紡とすることが好ましい。
前記熱可塑性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリアミド繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリウレタン繊維などが挙げられる。
前記非熱可塑性繊維としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、レーヨン、キュプラ、麻、絹などが挙げられる。
前記布層の厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−ライナー−
前記ライナーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、塩化ビニルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、薬添規ポリエチレンテレフタレートセパレータ、剥離紙(離型紙)などが好ましい。
前記ライナーの厚み、大きさ、形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−冷却シートの製造方法−
前記冷却シートの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記布層へ前記水分透過防止層を圧着して製造した前記衣類側支持体に、前記中間基材を均一に展延した後、前記透過性を有する肌側支持体により前記中間基材を覆う方法が挙げられる。
前記中間基材を前記支持体に展延する際の展延量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記支持体140cmあたり1g〜100gが好ましく、10g〜50gがより好ましい。
前記展延量が、支持体140cmあたり1g未満であると、清涼感や冷却効果が不十分となることがあり、100gを超えると、冷却シートの取り扱い性が悪くなることがある。一方、前記展延量が前記より好ましい範囲内であると、清涼感や冷却効果に優れることや取り扱い性の点で有利である。
(清涼感付与方法)
本発明の清涼感付与方法は、前記本発明の冷却シートを衣類の内側に貼付する。
前記貼付場所としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、襟袖が挙げられる。
前記冷却シートを襟袖に貼付すると、首筋に直接冷却シートを貼らなくても、首筋にある冷点に前記揮発性物質が刺激を与えるので、感覚的に清涼感を感じ、暑さを和らげることができる。
また、前記付与方法によれば、前記冷却シートを直接肌に貼らないので、直接肌に冷却シートを貼付すると生じるはがれ、めくれ、べたつきを起こさず、また、前記冷却シートが直接肌に触れなくても清涼感を感じることができる。そのため、特に夏場の暑さ対策に好適に用いることができる。
また、前記方法は、衣類等の対象物の冷却方法として使用することもできる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%である。
(実施例1:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、ニット目付けが60g/m、透湿度が2,000g/m/24hr以上のニット(ポリエステル、厚み 0.36mm)を使用した。
−衣類側支持体−
布層が不織布であり、水分透過防止層が透湿度が10g/m/24hrのポリエステルフィルムである不織布/フィルム積層体(王子タック(株)製)を使用した。
粘着剤層は、以下のようにして調製した。
アクリル系粘着剤として、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマーエマルジョン(固形分50%、商品名:Roderm MD−5810、ローム&ハース(株)製)を用いて、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー100質量部に対し、硫酸アルミニウムカリウム(純正化学(株)製)0.5質量部とエデト酸ナトリウム水和物0.3質量部とを加え、全体が均一になるまで充分に撹拌し、粘着剤層塗工液を調製した。
その後、前記粘着剤層塗工液を、乾燥後の粘着剤量が1.4g/140cmとなるように、ライナー(ポリエチレンフィルム)にコンマコーター(テスター産業(株)製)により塗工し、乾燥させて粘着剤層を形成した。乾燥は、熱風エアフローティングにより、90℃で5分間行った。
前記乾燥後、前記不織布/フィルム積層体のフィルム側に前記粘着剤層を圧着させ、その後、ライナーを剥離し、剥離面に紙ライナーを圧着させ、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
精製水にエデト酸二ナトリウム(EDTA−2Na、商品名:キレスト2BST、キレスト(株)製)0.5%を溶解し、エデト酸二ナトリウム溶液を調製した。
ポリソルベート80(商品名:TO−10MV、日光ケミカルズ(株)製)1.0%にl−メントール(シムライズ(株)製)0.3%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン(阪本薬品工業(株)製)16.6%に粉体状のポリアクリル酸部分中和物(商品名:アロンビスAH−106X、日本純薬(株)製)5.0%と、カルボキシメチルセルロースナトリウム(商品名:CMC1380、ダイセル化学工業(株)製)5.0%とを分散し、高分子化合物分散物を調製した。
前記エデト酸二ナトリウム溶液と、l−メントール溶液とを混合した混合物に、前記高分子化合物分散物を混合し、その後、精製水60%、酒石酸(磐田化学工業(株)製)1.5%、濃グリセリン5.0%に分散したジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート(商品名:グリシナール、協和化学工業(株)製)0.1%を添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を前記透過性を有する肌側支持体に均一に展延し(展延量は、透過性を有する肌側支持体140cmあたり28g)、前記衣類側支持体で展延された前記中間基材を覆い、5cm×8cmに裁断して実施例1の冷却シートを製造した。
(実施例2〜4:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表1に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例2〜4の冷却シートを製造した。
(実施例5〜8:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表2に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1において、l−メントール、及び濃グリセリンの配合量を表2に記載の配合量に代えた以外は、実施例1と同様にして、中間基材を得た。
なお、濃グリセリンについては、高分子化合物分散物の調製においては、実施例1と同じ量を用い、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートを分散させる際の量を代えて、バランスを調整した。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例5〜8の冷却シートを製造した。
(実施例9、11、12:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表3に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1において、濃グリセリンの配合量、含水率を表3に記載のものに代えた以外は、実施例1と同様にして、中間基材を得た。
なお、表3に記載の含水率とするために、濃グリセリンの配合量でバランスを調整した。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例9、11、及び12の冷却シートを製造した。
(実施例10:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表3に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
精製水にエデト酸二ナトリウム0.5%を溶解し、エデト酸二ナトリウム溶液を調製した。
ポリソルベート80 1.0%にl−メントール0.3%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン3.0%にポリアクリル酸ナトリウム(商品名:アロンビスS、日本純薬(株)製)1.1%を分散し、ポリアクリル酸ナトリウム分散物を調製した。
精製水50%にカルボキシメチルセルロースナトリウム4.0%を分散し、カルボキシメチルセルロースナトリウム分散物を調製した。
前記エデト酸二ナトリウム溶液と、l−メントール溶液と、ポリアクリル酸ナトリウム分散物を混合した混合物に、前記分散物を混合し、その後、ポリアクリル酸水溶液(固形分20%、商品名:ジュリマー10H、日本純薬(株)製)13.0%、ポリアクリル酸水溶液(固形分8%、商品名:ジュリマー8SH、日本純薬(株)製)16.3%、精製水30%、濃グリセリン1.0%に分散した合成ヒドロタルサイト(商品名:アルカマックSH、協和化学工業(株)製)0.20%を添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例10の冷却シートを製造した。
(実施例13〜16:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表4に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
水分透過防止層として、表4に記載の材質、及び透湿度のフィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例13〜16の冷却シートを製造した。
(実施例17:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表5に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1における前記粘着剤層塗工液を以下のように代えた以外は、実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
前記粘着剤層塗工液は、アクリル系粘着剤として、メタクリル酸2−エチルヘキシル(三菱ガス(株)製)を用いた。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例17の冷却シートを製造した。
(実施例18:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表5に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1における前記粘着剤層を以下のように代えた以外は、実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
前記粘着剤層は、ゴム系粘着剤として、SIS(商品名:SISクレイント、クレイトンポリマージャパン(株)製)45%、ロジンエステル(商品名:エステルガム、荒川化学工業(株)製)45%、プロセスオイル(商品名:ダイアナプロセスオイル、出光興産(株)製)10%をニーダー((株)井上製作所製)を用いて150℃で10分間混合し、混合物を得た。
その後、前記混合物を空冷あるいは水冷により約90℃まで冷却し、粘着剤量が1.4g/140cmとなるように、ライナー(ポリエチレンフィルム)にコンマコーターにより塗工し、粘着剤層を形成した。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例18の冷却シートを製造した。
(実施例19:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表5に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
l−メントール0.3%、精製水64.5%、ポリソルベート80 0.5%、濃グリセリン34.6%、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト共重合体(商品名:サンフレッシュ、三洋化成工業(株)製)0.1%を溶解し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を前記透過性を有する肌側支持体に均一に展延し(展延量は、透過性を有する肌側支持体140cmあたり28g)、前記衣類側支持体で展延された前記中間基材を覆い、5cm×8cmに裁断し、シート4辺を電動シーラー(富士インパルス(株)製)にて熱封し、実施例19の冷却シートを製造した。
(実施例20:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表6に記載の素材、厚み、目付け、透湿度の不織布を使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例20の冷却シートを製造した。
(実施例21:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表6に記載の素材、厚み、目付け、透湿度の不織布を使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例21の冷却シートを製造した。
(実施例22:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表6に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例22の冷却シートを製造した。
(実施例23:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表6に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
精製水にエデト酸二ナトリウム0.5%を溶解し、エデト酸二ナトリウム溶液を調製した。
ポリソルベート80 1.0%にl−メントール0.3%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン8.6%に粉体状のポリアクリル酸部分中和物5.0%と、カルボキシメチルセルロースナトリウム5.0%とを分散し、高分子化合物分散物を調製した。
前記エデト酸二ナトリウム溶液と、l−メントール溶液とを混合した混合物に、前記高分子化合物分散物と、ポリアクリル酸水溶液(固形分20%)25.0%と、部分中和物を混合し、その後、精製水60%、酒石酸1.5%、濃グリセリン5.0%に分散したジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.1%を添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例23の冷却シートを製造した。
(実施例24、25:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表7に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
水分透過防止層として、表7に記載の材質、及び透湿度のフィルムを使用した以外は、実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例24、25の冷却シートを製造した。
(実施例26:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表7に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
精製水にエデト酸二ナトリウム0.5%を溶解し、エデト酸二ナトリウム溶液を調製した。
ポリソルベート80 0.5%にl−メントール0.3%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン1.5%にポリアクリル酸ナトリウム0.9%を分散し、ポリアクリル酸ナトリウム分散物を調製した。
精製水50%にカルボキシメチルセルロースナトリウム2.9%を分散し、カルボキシメチルセルロースナトリウム分散物を調製した。
前記エデト酸二ナトリウム溶液と、l−メントール溶液と、ポリアクリル酸ナトリウム分散物を混合した混合物に、前記分散物を混合し、その後、ポリアクリル酸水溶液(固形分20%)7.5%、ポリアクリル酸水溶液(固形分8%)9.4%、精製水30%、濃グリセリン1.0%に分散した合成ヒドロタルサイト0.20%を添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例26の冷却シートを製造した。
(実施例27:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表8に記載の素材、厚み、透湿度のフィルムを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例27の冷却シートを製造した。
(実施例28:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表8に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
ポリソルベート80 0.5%にl−メントール0.3%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン3.2%にデンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト共重合体(商品名:サンフレッシュ、三洋化成工業(株)製)1.0%を分散し、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト共重合体分散物を調製した。
前記l−メントール溶液と、デンプン・アクリル酸ナトリウムグラフト共重合体分散物を水95%に添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を前記透過性を有する肌側支持体に均一に展延し(展延量は、透過性を有する肌側支持体140cmあたり28g)、前記透過性を有する肌側支持体側に展延された前記中間基材を前記衣類側支持体で覆い、5cm×8cmに裁断した後、裁断4辺を幅5mmで熱溶解により溶着し、実施例28の冷却シートを製造した。
(実施例29:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表8に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1において、濃グリセリンの配合量、含水率を表8に記載のものに代えた以外は、実施例1と同様にして、中間基材を得た。
なお、表8に記載の含水率とするために、濃グリセリンの配合量でバランスを調整した。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、実施例29の冷却シートを製造した。
(実施例30:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表8に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を前記透過性を有する肌側支持体に均一に展延し(展延量は、透過性を有する肌側支持体140cmあたり28g)、前記透過性を有する肌側支持体側に展延された前記中間基材を前記衣類側支持体で覆い、5cm×8cmに裁断した後、裁断4辺を幅5mmで熱溶解により溶着し、実施例30の冷却シートを製造した。
(比較例1:冷却シートの製造)
−肌側支持体−
肌側支持体は、用いなかった。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を不織布/フィルム積層体の不織布側に均一に展延した後(展延量は、不織布140cmあたり28g)、ポリエチレンフィルムライナーで展延された前記中間基材を覆い、5cm×8cmに裁断して比較例1の冷却シートを製造した。
(比較例2:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表9に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1において、l−メントール、及び濃グリセリンの配合量を表9に記載の配合量に代えた以外は、実施例1と同様にして、中間基材を得た。
なお、濃グリセリンについては、高分子化合物分散物の調製においては、実施例1と同じ量を用い、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテートを分散させる際の量を代えて、バランスを調整した。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、比較例2の冷却シートを製造した。
(比較例3:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表9に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
l−メントール0.3%、メタクリル酸・アクリル酸n−ブチルコポリマー(ローム&ハース(株)製)98.92%、硫酸アルミニウムカリウム(純正化学(株)製)0.49%、エデト酸二ナトリウム(EDTA−2Na)0.29%を溶解し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を、乾燥後の膏体量が1.4g/140cmとなるように、透過性を有する肌側支持体にコンマコーター(テスター産業(株)製)により塗工し、乾燥させて中間基材層を形成した。乾燥は、熱風エアフローティングにより、90℃で5分間行った。その後、前記衣類側支持体で前記中間基材層を覆い、5cm×8cmに裁断して比較例3の冷却シートを製造した。
(比較例4:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表10に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
水分透過防止層を用いず、粘着剤層を不織布に圧着させた以外は、実施例1と同様にして、布層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、比較例4の冷却シートを製造した。
(比較例5:冷却シートの製造)
−透過性を有する肌側支持体−
透過性を有する肌側支持体として、表10に記載の素材、厚み、目付け、透湿度のニットを使用した。
−衣類側支持体−
衣類側支持体は、用いなかった。
−中間基材−
精製水にエデト酸二ナトリウム0.5%を溶解し、エデト酸二ナトリウム溶液を調製した。
ポリソルベート80 1.0%にl−メントール0.25%を溶解し、l−メントール溶液を調製した。
濃グリセリン13.65%に粉体状のポリアクリル酸部分中和物5.0%と、カルボキシメチルセルロースナトリウム5.0%とを分散し、高分子分散物を調製した。
前記エデト酸二ナトリウム溶液と、l−メントール溶液とを混合した混合物に、前記高分子分散物を混合し、その後、精製水63%、酒石酸1.5%、濃グリセリン5.0%に分散したジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート0.1%を添加して攪拌し、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
前記中間基材を前記透過性を有する肌側支持体に均一に展延し(展延量は、透過性を有する肌側支持体140cmあたり28g)、ポリエチレンフィルムライナーで展延された前記中間基材を覆い、5cm×8cmに裁断して、比較例5の冷却シートを製造した。
(比較例6:冷却シートの製造)
−肌側支持体−
肌側支持体として、表10に記載の素材、厚み、透湿度のフィルムを使用した。
−衣類側支持体−
実施例1と同様にして、布層と、水分透過防止層と、粘着剤層と、紙ライナーとからなる衣類側支持体を得た。
−中間基材−
実施例1と同様にして、中間基材を得た。
−冷却シートの製造−
実施例1と同様にして、比較例6の冷却シートを製造した。
<評価1>
前記実施例1〜30、比較例1〜6で得られた冷却シートについて、以下の使用試験を行い、肌のべたつき、衣類のベタつき、清涼感、清涼感による痛み、粘着力を評価した。
−使用試験−
前記実施例1〜30、比較例1〜6で得られた冷却シートを40℃、2ヶ月の加速保存し、前記保存後のものを、衣類の内側に貼付し、温度30℃、湿度50%の部屋で3時間使用した。
なお、パネラーは10人で行った。
−肌のベタつき−
前記肌のベタつきとは、中間基材が染み出すことにより、基材が肌移りしてぬるつく状態をいう。
以下の評価基準で、パネラー10人による評価を行い、その平均点を求めた。前記平均点が、3.5点以上の場合を「○」、3.0点以上、3.5点未満の場合を「△」、3.0点未満の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
[評価基準]
5点:ベタつきを感じなかった。
4点:ややベタつきを感じた。
3点:ベタつきを感じた。
2点:かなりベタつきを感じた。
1点:非常にベタつきを感じた。
−衣類のベタつき−
前記衣類のベタつきとは、水を含んだ中間基材が衣類に付着し、衣類がぬれる状態をいう。
以下の評価基準で、パネラー10人による評価を行い、その平均点を求めた。前記平均点が4.0点以上の場合を「○」、4.0点未満の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
なお、市販されている冷却シートを、本発明と同様に使用すると、本発明の中間基材に相当する含水系粘着剤が直接衣類に貼付されるため、衣類に水分が移行してしまい、衣類が濡れてしまうという使用上の不具合が生じる。
[評価基準]
5点:ベタつきを感じなかった。
4点:ややベタつきを感じた。
3点:ベタつきを感じた。
2点:かなりベタつきを感じた。
1点:非常にベタつきを感じた。
−清涼感−
前記清涼感を感じるとは、冷感と爽快感を同時に感じる状態をいう。
以下の評価基準で、パネラー10人による評価を行い、その平均点を求めた。前記平均点が、3.0点以上の場合を「○」、2.0点以上、3.0点未満の場合を「△」、2.0点未満の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
[評価基準]
5点:非常に清涼感を感じた。
4点:かなり清涼感を感じた。
3点:清涼感を感じた。
2点:やや清涼感を感じた。
1点:清涼感を感じなかった。
−清涼感による痛み−
前記清涼感による痛みを感じるとは、冷感により皮膚の痛みを同時に感じるという状態をいう。
以下の評価基準で、パネラー10人による評価を行い、その平均点を求めた。前記平均点が4.5点以上の場合を「○」、4.0点以上、4.5点未満の場合を「△」、4.0点未満の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
[評価基準]
5点:痛みを感じなかった。
4点:やや痛みを感じた。
3点:痛みを感じた。
2点:かなり痛みを感じた。
1点:非常に痛みを感じた。
−粘着力−
前記冷却シートのはがれ、めくれを以下の評価基準で、パネラー10人による評価を行い、その平均点を求めた。前記平均点が、4.0点以上の場合を「○」、2.0点以上、4.0点未満の場合を「△」、2.0点未満の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
[評価基準]
5点:冷却シートのはがれ、めくれなし。
4点:冷却シートの周囲にめくれあり(全体の1/4未満)。
3点:冷却シートの周囲にめくれあり(全体の1/4以上1/2未満)。
2点:冷却シートの周囲にめくれあり(全体の1/2以上3/4未満)。
1点:冷却シートの周囲3/4以上にめくれあり、又は、はがれ落ちた。
<評価2>
前記実施例1〜30、比較例1〜6で得られた冷却シートについて、以下の肌冷却温度の試験を行い、評価した。
−肌冷却温度−
冷却シートを貼付して3時間後の冷却シートにより冷却された部分及び周辺の冷却されていない部分の肌表面の温度を、サーモグラフィーを用いて測定し、下記式(1)により肌冷却温度を算出した。
<式(1)>
肌冷却温度(℃)=冷却された部分の肌温度−周辺部分の肌温度
前記式(1)により算出した前記パネラー10人の平均値を求め、前記平均値が0℃未満の場合を「○」、0℃以上の場合を「×」とした。結果を表1〜表10に示す。
前記表1〜表10の結果から、透過性を有する肌側支持体、水、高分子化合物、及び揮発性物質を含有する中間基材、並びに、粘着剤層、及び水分透過防止層を有する衣類側支持体を含む実施例1〜30の冷却シートは、肌のベタつき、衣類のベタつき、清涼感、清涼感による痛み、粘着力、及び皮膚冷却温度のいずれにも優れていた。
一方、透過性を有する肌側支持体、水、高分子化合物、及び揮発性物質を含有する中間基材、並びに、粘着剤層、及び水分透過防止層を有する衣類側支持体の少なくともいずれかの要件を満たさない比較例1〜6の冷却シートは、肌のベタつき、衣類のベタつき、清涼感、清涼感による痛み、粘着力、及び皮膚冷却温度の少なくともいずれかが劣っていた。
本発明の冷却シートは、清涼感や冷却効果に優れ、清涼感による痛みが生じることを抑制することができ、かつ、使用感にも優れるため、特に夏場における使用に好適である。
1 透過性を有する肌側支持体
2 中間基材
3 衣類側支持体
4 布層
5 水分透過防止層
6 粘着剤層
7 ライナー
8 熱溶着部

Claims (3)

  1. 透過性を有する肌側支持体、中間基材、及び衣類側支持体をこの順に有し
    前記中間基材が、水、高分子化合物、及び揮発性物質を含有し、
    前記衣類側支持体が、布層、水分透過防止層、及び粘着剤層を有し、
    前記水分透過防止層が、前記布層と前記粘着剤層との間に位置し、
    前記中間基材の含水率が、50質量%〜90質量%であることを特徴とする冷却シート。
  2. 揮発性物質が、メントールである請求項1に記載の冷却シート。
  3. 請求項1から2のいずれかに記載の冷却シートを衣類の内側に貼付することを特徴とする清涼感付与方法。
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