JP5591400B2 - 駆動機械の負荷特性推定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、工作機械やロボットなど、モータ等の駆動装置を用いた駆動機械に対して、摩擦などの負荷の特性の推定を行う駆動機械の負荷特性推定装置に関する。
工作機械やロボットにおけるサーボモータなどの駆動装置を用いた駆動機械において、経年劣化や故障といった機械系の診断や特性変化の把握のために、駆動機械の摩擦など、負荷特性を推定し利用することが考えられる。
機械系の特性変動の把握を行う従来技術の1つについて説明する(特許文献1参照)。その従来技術では、駆動機械の動作に対して速度台形波指令を予め作成し、その速度指令に基づいてモータを動作させ、指令に対する最大モータ速度時(すなわち一定速度時)のモータ速度とトルク指令とを保存する。このモータ速度とトルク指令とを最大速度が異なる複数の速度台形波を用いて保存した後、モニタに表示する。また保存された複数のモータ速度ωとトルク指令Trとを用いて、駆動機械の粘性係数と静止摩擦を同定し、機械系の特性を表す指標として利用する。
この最大モータ速度が異なる複数の速度台形波を用いて測定した複数のモータ速度ω及びトルク指令Trのデータと、これらのデータから推定した粘性係数と静止摩擦とを、初期運転後、その1週間後、1ヵ月後と定期的に保存し、粘性係数と静止摩擦の値とメーカ指定の値とを比較することで、駆動機械の特性の変動を把握し、正常、異常を判定する方法が示されている。
次に、駆動機械の摩擦を逐次的に推定する従来技術の1つについて説明する(特許文献2参照)。その従来技術では、駆動機械のトルク指令Trとモータ速度ωとを入力し、モータに外部から加わるトルクである外乱トルクTd(本特許では負荷トルクに相当)の推定値である外乱推定値Td^を出力する外乱オブザーバ部と、外乱推定値Td^とモータ速度ωを入力し、外乱トルクTdを以下に示す式(1)のように、速度依存の一次式モデルで近似したときの外乱トルクモデルTdmの粘性係数Dと定数項Cとを演算する外乱トルク推定部と、外乱トルク推定部の出力とトルク指令Trとモータ速度ωとを入力し、イナーシャJnを同定するイナーシャ同定部で構成されている。
Figure 0005591400
外乱オブザーバ部では、イナーシャ同定部で同定されたイナーシャ同定値Jnとモータ速度ωの時間差分値であるモータ加速度aとに基づいて、トルク指令からイナーシャの加減速に要するトルク成分を除去し、摩擦や重量負荷など、駆動機械に加わる外乱の推定値である外乱推定値Td^を出力する。ここで、イナーシャの実際の値Jとイナーシャ推定値Jnとの間に誤差があれば、外乱推定値Td^は以下の式(2)で表され、第二項のイナーシャ誤差外乱を持つ。また、駆動機械が単純な剛体でない場合も同様にTd^には誤差が発生する。
Td^=Td+(J−Jn)・a ・・・(2)
次に外乱トルク推定部では、式(1)のように外乱トルクTdを速度に依存する一次式で近似した外乱トルクモデルTdmに対して適応同定則を適用し、モータ速度ωが正の場合の粘性係数Dpと定数項Cp、モータ速度が負の場合の粘性係数Dnと定数項Cnとをそれぞれ逐次演算し推定する。ここで定数項Cは、定常的な重力負荷によるトルク成分と、モータの動作方向に依存するクーロン摩擦によるトルク成分を合わせたものである。
以上に説明したような手順で粘性項と定数項とを推定するものがすでに提案されている。ここで、上記従来技術における推定の速さについては、モータ速度ωの変化に対する外乱の変化の特性の推定を行うので、モータの速度変化に対応した速さ、すなわち加減速の時定数と同等以下に短い時定数で推定を行うのが通常である。また、イナーシャ推定値Jnに誤差があると上述のように外乱推定値Td^に誤差が発生するため、粘性項Dと定数項Cで表す外乱トルクモデルTdmの推定結果にも誤差を生じる。このような問題に対して従来技術においては、式(2)より加速度aが大きいほど外乱推定値Td^の誤差が大きくなるので、加速度aが所定の閾値より小さい場合だけ外乱トルクモデルTdmの粘性項Dと定数項Cの推定を実行することで推定誤差を小さくする改良も提案されている。
特開2009−68950号公報 特開2007−129789号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術においては、駆動機械の複数の速度台形波の最高速度、つまり駆動機械の複数の異なる一定速度状態のモータ速度とトルク指令の情報を用いたオフライン処理により、駆動機械の摩擦を推定し機械系の特性変化の把握に利用している。しかし機械をいったん停止させて、複数の所定の動作をさせる必要があるため、専用の運転動作をさせるための手間や時間を要し、使用用途が限定されるといった問題がある。
また、特許文献2に記載の従来技術においては、駆動機械における摩擦などの負荷特性を、速度に比例する粘性項の粘性係数と速度の符号にのみ依存する定数項として逐次的に求めるものである。しかしこの従来技術を、駆動機械の経年劣化や故障といった、機械系の特性変化の把握に利用することを考えた場合、以下のようにいくつか問題点がある。
この従来技術においては、モータのトルク指令とモータ加速度と機械系のイナーシャ推定値とに基づいて計算した外乱推定値を用いて、速度変化と摩擦との関係を逐次的に推定する。そのためイナーシャ推定値の誤差、また駆動機械が剛体ではなく、その剛性が低い場合には、そのモデル化誤差に起因して、特に高加速度動作時に推定誤差が大きくなり、安定な推定が困難になるという問題がある。この問題を回避するために、閾値以下の加速度の場合にだけ推定を実行することで推定誤差を小さくする改良方法も、特許文献2に記載されている。しかしその場合、駆動機械の運転条件に応じて閾値を適切に設定しなければ良好な推定を行えない。したがって、摩擦といった機械系固有の負荷特性を、様々な運転条件に対応して安定に推定するのが困難という問題がある。
また上記従来技術においては、駆動機械の負荷特性を速度依存の一次式モデルで近似し、適応同定則を用いて粘性係数と定数項を算出している。しかし、実際の負荷特性と速度依存の一次式で近似したモデルには誤差があり、特に低速運転時には一次式モデルによる近似の精度は悪くなり誤差は大きくなる。その結果、速度の大小といった変化や、低速運転と高速運転とが混在するような運転条件において、負荷特性の推定結果が変化する。このように従来技術においては同じ機械にもかかわらず、運転条件によって推定される負荷特性が変化するという矛盾がある。本来は機械系に固有の負荷特性であるはずの摩擦の推定結果が、運転条件と共に変動してしまい、その経時的な変動を把握できるよう安定に推定するのは困難である。したがって、機械系の診断や特性変化の把握といった用途に用いることはできないという問題がある。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされものであり、モータ等を用いた駆動機械において、速度の大小や加減速時間の大小といった、様々な運転条件や、その変化にも対応しながら、駆動機械の摩擦といった機械系固有の負荷特性をその経時的な変動も把握できるよう安定して定量化して推定を行い、駆動機械の診断や特性変化の把握にも使える、幅広い用途に利用可能な、駆動機械の負荷特性推定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、駆動機械の位置に対する動作の指令或いは速度に対する動作の指令を含む動作指令を生成する動作指令生成部と、前記動作指令に前記駆動機械の動作が追従するよう駆動力指令を生成する駆動力指令生成部と、前記駆動力指令に対応した駆動力を発生して前記駆動機械を駆動する駆動部と、前記駆動機械の駆動速度に基づいて、前記駆動機械が、正転動作状態、逆転動作状態、あるいは停止状態のいずれの状態であるかを判定する符号判定部と、前記駆動力指令あるいは前記駆動力を表す信号に基づき、前記駆動機械に加わる負荷駆動力の推定値である負荷駆動力信号を算出する負荷駆動力推定部と、前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する正転負荷演算部と、前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する逆転負荷演算部とを備えることを特徴とする。
本発明の駆動機械の負荷特性推定装置によれば、駆動機械に専用の動作をさせることなく、通常の運転動作において駆動機械に加わる負荷の特性を安定して推定できるという効果を奏する。また、その推定結果は駆動機械の診断や特性変化の把握など幅広い用途に応用することができる。
図1は、本発明の実施の形態1の駆動機械の負荷特性推定装置の構成を示したブロック図である。 図2は、図1に記載した正転平均値演算部の構成を示したブロック図である。 図3は、図1に記載した逆転平均値演算部の構成を示したブロック図である。 図4は、駆動速度vmと負荷トルクTdの時間変化の関係を示す波形を示した図である。 図5は、駆動速度vmと負荷トルク信号Td^の時間変化の関係を示す波形を示した図である。 図6は、適応同定則による粘性係数と定数項の推定結果の例を示した図である。 図7は、本発明の実施の形態1の負荷特性推定装置による推定結果の例を示した図である。 図8は、実施の形態1の出力結果判定部による推定結果の判定例を示した図である。 図9は、本発明の実施の形態2の駆動機械の負荷特性推定装置の構成を示したブロック図である。 図10は、駆動速度を速度閾値により分割した各推定区間の様子を示した図である。 図11は、速度閾値により分割された各推定区間における推定結果を、一次式モデルで近似した様子を示した図である。
以下に、本発明にかかる駆動機械の負荷特性推定装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかる駆動機械の負荷特性推定装置100の構成を示すブロック図である。
図1において、動作指令生成部5は、工作機械やロボットなどの駆動機械3の位置や速度に対する動作指令Ipvを生成する。動作指令Ipvは、駆動機械3の位置に対する動作の指令、速度に対する動作の指令、或いは位置および動作に対する動作の指令を含んでいる。トルク指令生成部1(駆動力指令生成部)は、駆動機械3が動作指令Ipvに追従するようなトルク指令Tr(駆動力指令)を生成する。
駆動部2は例えばモータなどの駆動装置で構成され、トルク指令Trに応じた駆動トルクTm(駆動力)を発生することで駆動機械3を駆動する。速度検出器4は、駆動機械3の駆動速度vmを検出して出力する。駆動速度vmに関しては、本実施の形態1では駆動機械3の速度を検出して用いるが、これはモータなどで構成される駆動機械3の速度を示す信号であればよく、例えば駆動部2の回転速度を直接検出して用いてもよい。
負荷特性推定装置100は、符号判定部101、負荷トルク推定部102(負荷駆動力推定部)、正転平均値演算部103、逆転平均値演算部104、および出力結果判定部105を含んだ構成である。負荷特性推定装置100には、駆動速度vmとトルク指令Trとが入力され、後述のように駆動機械3の運転状態の正常、異常を判定した診断結果Rを出力する。
次に負荷特性推定装置100の各構成部について説明する。
符号判定部101は、駆動速度vmを入力として受け取り、駆動機械3が正転動作状態、逆転動作状態、あるいは停止状態のどの動作状態にあるかを判定し、これら3つの動作状態のいずれの状態であるかを示す動作情報を含む符号判定信号sgn(vm)を出力する。例えば、正転動作状態に対しては1、逆転動作状態に対しては−1、停止状態に対しては0の数値をsgn(vm)の出力値として割り当てる。
負荷トルク推定部102は、トルク指令Trと駆動速度vmを入力として受け取り、駆動機械3に外部から加わる摩擦などの負荷分のトルクである負荷トルクTdの推定値である負荷トルク信号(負荷駆動力信号)Td^を出力する。以下の式(3)に示すようにトルク指令Trから加減速動作に要するトルク成分を除去したトルク成分を負荷トルク信号Td^として出力する。
Td^=Tr−Jn・s・vm ・・・(3)
ここで、Jnは駆動機械3のイナーシャ推定値、sはラプラス演算子、s・vmは駆動速度vmをラプラス演算子で微分した駆動加速度を示す。イナーシャ推定値Jnに関しては、本実施の形態の負荷特性推定装置100が動作する前に、事前に最小二乗法などで推定したものや、本実施の形態の動作と平行して逐次的に推定したものを用いればよい。なお、負荷トルク推定部102への入力のトルク指令Trに関しては、駆動トルクTmに対応する信号であればよく、例えば駆動トルクTmの検出値や駆動部2におけるモータ電流といった信号で代用してもよい。
正転平均値演算部103は、符号判定信号sgn(vm)と駆動速度vmと負荷トルク信号Td^とに基づき、駆動機械3が正転している時間区間(正転動作区間)における駆動速度vmに対して逐次的な平均化演算を行った結果である正転速度平均値vmpと、正転動作区間における負荷トルク信号Td^に対して逐次的な平均化演算を行った結果である正転負荷推定値Tdpとを出力する。この演算については後述する。
逆転平均値演算部104は、符号判定信号sgn(vm)と駆動速度vmと負荷トルク信号Td^とに基づき、駆動機械3が逆転している時間区間(逆転動作区間)における駆動速度vmに対して逐次的な平均化演算を行った結果である逆転速度平均値vmnと、逆転動作区間における負荷トルク信号Td^に対して逐次的な平均化演算を行った結果である逆転負荷推定値Tdnとを出力する。この演算については後述する。
出力結果判定部105には、正転平均値演算部103の出力である正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdpと、逆転平均値演算部104の出力である逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnが入力され、これらの入力から駆動機械3の異常や劣化の判定を行い、その診断結果信号Rを出力する。
次に正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の演算について図2、図3を用いて説明する。
まず図2は、正転平均値演算部103の構成を示す図である。この図において正転速度演算部103aには符号判定信号sgn(vm)と駆動速度vmとが入力され、例えば以下の(4)式に示す伝達関数において、十分に長い時定数である平均化時定数Tを設定した平均化フィルタF(s)を用いて、符号判定信号sgn(vm)に基づいて判断した駆動機械3の正転動作区間で、駆動速度vmに対して逐次的に平均化する演算を行い、その結果を正転速度平均値vmpとして出力する。
F(s)=1/(T・s+1) ・・・(4)
その他の時間区間では処理を停止し正転速度平均値vmpの値を保持する。ここで、上記の平均化時定数Tに関しては、駆動機械3の始動から停止までの1回の動作に要する時間(動作時間)例えば動作時間の10倍あるいは20倍といった十分に長い値に設定しておく。
また、正転負荷演算部103bには符号判定信号sgn(vm)と負荷トルク信号Td^とが入力され、正転速度演算部103aと同じ特性を持つ、(4)式で表す平均化フィルタF(s)を用いて、符号判定信号sgn(vm)に基づいて判断した駆動機械3の正転動作区間で、負荷トルク信号Td^に対して逐次的に平均化する演算を行い、その結果を正転負荷推定値Tdpとして出力する。その他の時間区間では処理を停止し正転負荷推定値Tdpの値を保持する。
図3は、逆転平均値演算部104の構成を示す図である。この図において逆転速度演算部104aには符号判定信号sgn(vm)と駆動速度vmとが入力され、正転平均値演算部103で用いたものと同様の平均化フィルタF(s)を用いて、符号判定信号sgn(vm)に基づいて判断した駆動機械3の逆転動作区間で、駆動速度vmを逐次的に平均化する演算を行い、その結果を逆転速度平均値vmnとして出力する。その他の時間区間では処理を停止し逆転速度平均値vmnの値を保持する。
また、逆転負荷演算部104bには符号判定信号sgn(vm)と負荷トルク信号Td^とが入力され、逆転速度演算部104aと同じ特性を持つ平均化フィルタF(s)を用いて、符号判定信号sgn(vm)に基づいて判断した駆動機械3の逆転動作区間で、負荷トルク信号Td^を逐次的に平均化する演算を行い、その結果を逆転負荷推定値Tdnとして出力する。その他の時間区間では処理を停止し逆転負荷推定値Tdnの値を保持する。
次に、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の出力結果に基づいて、駆動機械3に固有の負荷特性を、平均的な速度と負荷トルクの値の組として安定して推定可能なことを図4乃至図8を用いて説明する。
図4は、駆動機械3の位置や速度を適切に制御しながら、ある所定の動作をさせた場合の時間応答波形を示す図である。図4(a)における実線は駆動機械3の駆動速度vmの波形であり、破線は正転速度演算部103aの出力である正転速度平均値vmp、点線は逆転速度演算部104aの出力である逆転速度平均値vmnの波形である。図4(b)における実線は、駆動機械3の負荷トルクTdの波形であり、破線は正転負荷演算部103bの出力である正転負荷推定値Tdp、点線は逆転負荷演算部104bの出力である逆転負荷推定値Tdnの波形である。ここで負荷トルクTdは説明の簡単化のため、後述の一次式モデルの特性と近似して表示する。
図4(b)における実線のように、負荷トルクTdを速度依存の一次式モデルで近似した場合、以下に示す式(5)で表すことができる。ここでDは速度に比例する粘性係数、Cは動作方向に依存するクーロン摩擦、gは駆動機械3にかかる重力に起因する重力負荷である。
Td=D・vm+C・sgn(vm)+g ・・・(5)
式(5)に示す負荷トルクTdは、駆動機械3の駆動速度vmの符号に応じて以下に示す式(5a)または(5b)で表される。
Td=Dp・vm+Cp (vm>0) ・・・(5a)
Td=Dn・vm+Cn (vm<0) ・・・(5b)
ここで、DpとCpはそれぞれ駆動速度vmの符号が正の場合の粘性係数と定数項であり、DnとCnはそれぞれ駆動速度vmの符号が負の場合の粘性係数と定数項である。定数項CpおよびCnはそれぞれ、駆動速度の符号が正のときのクーロン摩擦と重力負荷の和と、駆動速度の符号が負のときのクーロン摩擦と重力負荷の和を示しており、併せて駆動機械3に固有の負荷特性を表す。以下では場合により、この負荷特性のことを摩擦特性と呼ぶ。
ここで、正転負荷演算部103bと逆転負荷演算部104bに入力される負荷トルク信号Td^に関して、以下の説明の簡単化のため、この負荷トルク信号Td^と駆動機械3の負荷トルクTdが一致するものと仮定すると、正転負荷演算部103bの出力である正転負荷推定値Tdpと逆転負荷演算部104bの出力である逆転負荷推定値Tdnは、上記の式(5a)および(5b)に平均化フィルタF(s)を作用させることにより、以下に示す式(6a)および(6b)で表される。
Tdp=F(s)・Dp・vm+F(s)・Cp (vm>0)・・・(6a)
Tdn=F(s)・Dn・vm+F(s)・Cn (vm<0)・・・(6b)
また、正転速度演算部103aの出力である正転速度平均値vmpと逆転速度演算部104aの出力である逆転速度平均値vmnは以下の式(7a)および(7b)で表される。
vmp=F(s)・vm (vm>0) ・・・(7a)
vmn=F(s)・vm (vm<0) ・・・(7b)
式(6a)および(6b)の演算波形を示したのが図4(b)における破線と点線であり、式(7a)および(7b)の演算波形を示したのが図4(a)における破線と点線となる。
式(6a)および(6b)の右辺第一項のDp、Dnは駆動速度vmに対する比例係数であり、また第二項の定数項Cp、Cnは一定値である。加えて、前述したように正転速度演算部103aと正転負荷演算部103bとは同じ平均化フィルタF(s)を持ち、逆転速度演算部104aと逆転負荷演算部104bとは同じ平均化フィルタF(s)を持つ。このことから、正転負荷推定値Tdp、逆転負荷推定値Tdn、正転速度平均値vmp、逆転速度平均値vmnには、以下に示す式(8a)、(8b)の関係が成り立つ。
Tdp=Dp・vmp+Cp (vm>0) ・・・(8a)
Tdn=Dn・vmn+Cn (vm<0) ・・・(8b)
すなわち駆動速度vmと負荷トルク信号Td^の演算をすべて同じ平均化フィルタF(s)で行う効果により、駆動機械3が駆動速度vmで動作したとき、駆動機械3の負荷トルク信号Td^の平均値は駆動機械3の駆動速度vmの平均値を用いた一次式で表すことができ、式(5a)および(5b)で表した駆動機械3の摩擦特性と同様な関係を導出することが可能である。
ここで負荷トルク信号Td^には、駆動機械3の剛性が低い場合は、そのモデル化誤差に起因した振動成分が重畳し、高加減速動作時にはこの成分は更に増大する。これに加え、白色性のノイズも重畳している。しかし、前述した平均化時定数Tの設定により、図4に示した各演算波形のように徐々に平均化されるため、これらノイズ等の影響を抑制して安定に、式(5)の摩擦特性と同じ関係に従った正転負荷推定値Tdp、逆転負荷推定値Tdn、正転速度平均値vmp、逆転速度平均値vmnを演算することができる。さらに、符号判定信号sgn(vm)により駆動機械3の正転、逆転動作は自動的に判定されるため、駆動機械3の実際の稼働中の通常の運転動作で推定を行うことができる。
次に、イナーシャ推定値Jnに誤差があった場合についても、上記演算によりその誤差の影響を受け難く安定に負荷特性を推定できることを説明する。
上記では負荷トルク信号Td^が負荷トルクTdに一致するとして説明したが、式(3)のイナーシャ推定値Jnに推定誤差があると、負荷トルク信号Td^には式(9)の右辺第二項に示すイナーシャ誤差外乱が重畳する。ここでJは駆動機械3のイナーシャを示す。
Td^=Td+(J−Jn)・s・vm ・・・(9)
図5は、駆動部2を正転動作方向に加減速させたときの駆動機械3の駆動速度vm(図5(a))と負荷トルク信号Td^(図5(b))の関係を示した時間応答波形である。この図5(b)に示すように、イナーシャ推定値Jnに誤差があると負荷トルク信号Td^にイナーシャ誤差外乱が重畳する。
しかし、このイナーシャ誤差外乱は、駆動機械3の始動から停止するまでの動作区間で平均値を取れば、加速区間と減速区間で相殺される。したがって正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104に、前述した十分長い平均化時定数Tを備える平均化フィルタF(s)を用いることにより、平均化によって、駆動速度vmと負荷トルク信号Td^の最終的な演算値は式(8a)、(8b)の値に収束する。
また、駆動機械3の運転動作において加速時間と減速時間が異なる場合のイナーシャ誤差外乱について検討する。イナーシャ誤差外乱は式(9)に示したように駆動加速度s・vmに比例する誤差外乱である。この駆動加速度s・vmは駆動速度vmの変化率を示したものであるので、駆動機械3の正転動作区間や逆転動作区間のように、機械が動作を始めてから停止するまでの区間で、駆動速度vmの変化率である駆動加速度s・vmの平均値はゼロになることは言うまでも無い。従って、加速時間、減速時間が異なる場合でも、前述したような本実施の形態の平均化の効果により、イナーシャ誤差外乱は加速区間と減速区間で相殺される。
以上のことから、正転平均値演算部103で演算される正転速度平均値vmpと正転負荷推定値Tdpの値の組と、逆転平均値演算部104で演算される逆転速度平均値vmnと逆転負荷推定値Tdnの値の組は、駆動機械3に固有の負荷特性をその動作速度に応じて定量的に表したものとなっており、かつ前述した平均化時定数Tの設定により安定した演算結果を得ることが可能となる。
なおこの演算処理によれば、正転負荷演算部103bと逆転負荷演算部104bの入力として、負荷トルク信号Td^でなくトルク指令Trを直接用いるようにした場合でも、図5を用いて説明した前述の内容から、正転負荷推定値Tdpと逆転負荷推定値Tdnは式(8a)、(8b)の右辺の値に収束する。よって負荷トルク推定部102による負荷トルク信号Td^の推定処理は省略してもかまわないことがわかる。
次に駆動機械3の摩擦特性と、それを速度比例の一次式で近似したモデルとの間に生じる非線形な誤差の影響について説明する。
図6は、駆動機械3の摩擦特性を詳細に表した一例を示した物であり、横軸は駆動速度vmを、縦軸は負荷トルクTdを表している。すなわち、図6は駆動速度vmに応じた負荷特性を示している。図6において実線で示すように、駆動機械3の摩擦特性は厳密には速度に対して比例の直線ではなく曲線の特性となっており、式(5a)(5b)で示した一次式モデルと比較すると誤差を持つ。
よってこのような駆動機械3の摩擦特性を、例えば適応同定則を用いて、負荷トルクTdを速度比例の一次式として近似したモデルの粘性係数と定数項を推定すると、図6の破線や点線のように、駆動機械3の動作状況によって異なる結果を得る。破線の結果は低速運転が続く状態(低速運転条件)での推定結果で、点線は高速運転が続く状態(高速運転条件)での推定結果である。
図6に示した摩擦特性の例の場合は、低速運転条件の場合は速度が低い区間の摩擦特性の情報で推定されたため、破線の傾きを表す粘性係数は大きく、縦軸(Td軸)との切片である定数項の絶対値は小さい。これに対して高速運転条件の場合は速度が高い区間の摩擦特性の情報で推定するため、点線の粘性係数は低速運転条件よりも小さく、縦軸との切片の定数項の絶対値は大きくなる。このように摩擦特性が一次式の直線のモデルから少しずれた曲線の特性になっているだけで、低速、高速といった動作点の相違により、一次式の直線に近似した場合の粘性係数と定数項が大きく異なり、同じ機械に対する推定にもかかわらず、運転条件によって推定される摩擦特性が大きく変化する矛盾が生じる。
これに対して本実施の形態においては、前述したように正転速度演算部103aと正転負荷演算部103bとに同じ平均化フィルタを、逆転速度演算部104aと逆転負荷演算部104bとに同じ平均化フィルタを用いる。そして、駆動速度vmと負荷トルク信号Td^に対して十分に長い時定数で平均化の演算を行い、機械系に固有の負荷特性を速度と負荷トルクを平均化した値の組として利用するので、以下のような効果が得られる。
図7は、本実施の形態にかかる駆動機械の負荷特性推定装置100による推定結果を示した一例である。この図において、実線は駆動機械3の詳細な摩擦特性を示した物であり、黒い丸のプロット点は正転動作区間において高速運転条件での正転速度平均値vmpと正転負荷推定値Tdpの値の組、黒い四角形のプロット点は正転動作区間において低速運転条件での正転速度平均値vmpと正転負荷推定値Tdpの値の組、白い丸のプロット点は逆転動作区間における高速運転条件での逆転速度平均値vmnと逆転負荷推定値Tdnの値の組、白い四角形のプロット点は逆転動作区間における低速運転条件での逆転速度平均値vmnと逆転負荷推定値Tdnの値の組をそれぞれ示している。
本実施の形態によれば、低速運転条件では速度が低い区間における曲線の摩擦特性の情報を平均化した速度と負荷トルクの値の組で、高速運転条件では速度が高い区間における摩擦特性の情報を平均化した速度と負荷トルクの値の組として安定に推定される。その結果、図7に示したように、低速運転条件、高速運転条件といった様々な運転条件に応じて、推定される速度と負荷トルクを平均化した値の組は、駆動機械3の詳細な摩擦特性の曲線上にほぼ一致するように得られる。また低速運転や高速運転が均等に繰り返される場合はそれらの平均的な速度と平均的な負荷トルクの組が負荷特性として安定に推定される。
また、正転速度演算部103aと正転負荷演算部103bの平均化フィルタF(s)の特性及び平均化時定数Tを同一にして、逆転速度演算部104aと逆転負荷演算部104bの平均化フィルタF(s)の特性及び平均化時定数Tを同一にしていることにより、正転平均値演算部103で演算される正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdpの値の組と、逆転平均値演算部104で演算される逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnの値の組は、例えば低速運転条件から高速運転条件へと運転条件が変化するような場合でも、駆動機械3の詳細な摩擦特性の線上から大きく外れることはない。
即ち、このように運転条件が変化した場合であっても、図7に示した低速運転条件での推定結果である四角形のプロット点から、高速運転条件での推定結果である丸のプロット点へと、推定結果は駆動機械3の詳細な摩擦特性の線上から大きく外れることなく移動する。
したがって、図7に示すように、駆動機械3の摩擦特性が、それを速度比例の一次式で近似したモデルとの間に非線形な誤差を生じるような場合でも、単純な往復動作や低速、高速動作が組み合わさる動作など、様々な運転条件に左右されることなく、摩擦特性すなわち駆動機械3に固有の負荷特性を小さな誤差で、かつ安定して定量的に検出することができる。
次に出力結果判定部105による駆動機械3の異常や劣化の判定処理の詳細について図8を用いて説明する。
出力結果判定部105には、図1に示したように正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の出力結果である正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdp、逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnがそれぞれ入力される。また出力結果判定部105には、駆動機械3の負荷の正常範囲がデータとして格納されている。この格納されている正常範囲と、入力される正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdpの値の組と、逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnの値の組とを比較し、駆動機械3の正常、異常を判定した診断結果信号Rを出力する。
図8は、出力結果判定部105における駆動機械3の異常・劣化の判定の一例を示した図である。図8において、実線は、破線で示す駆動機械3の詳細な摩擦特性を、駆動機械3の正転動作、逆転動作とにそれぞれ対応した2つの速度依存の一次式モデルで近似したものである。この実線の一次式モデルは、例えば駆動機械3から採取した低速運転から高速運転までの幅広い動作範囲の駆動データから実測測定して求めればよい。出力結果判定部105には、この実線を基準として適切に設定したマージン幅を持たせた図8に示すハッチングが付された範囲が駆動機械3の負荷の正常範囲として格納されている。
このような正常範囲が格納されている出力結果判定部105に、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104により推定された正転速度平均値vmpと正転負荷推定値Tdpの値の組と逆転速度平均値vmnと逆転負荷推定値Tdnの値の組が入力されると、駆動機械3が正常なとき、これらの組は本実施の形態の負荷特性推定装置100の特性により図8の破線上付近かつ灰色の正常範囲内に存在する。
しかし、駆動機械3に異常や劣化などが起き、それに起因して摩擦などの負荷が増加するような場合には、速度と負荷トルクを平均化した値の組は破線上付近から大きく外れていき図8のハッチングが付された正常範囲から外れる。よって図8に示すように、出力結果判定部105に入力される速度と負荷トルクを平均化した値の組がハッチングが付された正常範囲から外れた場合に、駆動機械3の駆動状態に異常・劣化が起こっていると判定できる。
上記説明においては、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の平均化フィルタF(s)は同じ特性であるとして説明したが、例えば平均化フィルタF(s)の次数が異なっても平均化時定数Tがほぼ同じであれば、同様な性質が得られることは言うまでも無い。また、フィルタの平均化時定数Tが各平均化フィルタF(s)で完全に同じでなく、例えば30%程度の相違があっても、近似的には同様な特性が得られることも言うまでも無い。また、駆動機械3が同じパターンを繰り返して動作するような場合には、平均化時定数Tが十分に長ければ正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の出力である正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdp、逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnは同じ値に収束するので、平均化時定数が厳密に同じ値でなくても良い。
また上記説明では、正転速度演算部103aおよび逆転速度演算部104aを備え、これらにより演算した正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnに基づいて、出力結果判定部105が診断結果信号Rの判定を行う構成としていた。しかしながら、駆動機械3が部品実装装置である場合など、通常運転動作において、動作指令生成部5の動作指令Ipvが複数の動作パターンの繰り返しとして生成される場合も多い。このような場合においては、正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnの値は大きく変化することはなくその値も予め把握可能である。したがってこのような場合は、正転速度演算部103aと逆転速度演算部104aを備えなくとも、正転負荷推定値Tdpおよび逆転負荷推定値Tdnのみに基づいて駆動機械3に固有の負荷特性を把握できる。そして、それらの変化を出力結果判定部105において監視することで、駆動機械3の駆動状態に異常・劣化が起こっているか否かを判定することができる。
なお、本実施の形態による駆動機械の負荷特性推定装置100は、出力結果判定部105を内部に備え、駆動機械3の正常、異常を判定した診断結果信号Rを出力する構成として記述したが、出力結果判定部105の動作は他の構成要素に比べて非常に長い時間間隔で動作してよいため、出力結果判定部105はそれ以外の構成要素と異なる外部の上位装置の機能として実現してもよい。
また、本実施の形態による負荷特性推定装置100において最も特徴的な信号である、正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdp、逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnを得ることができれば、例えば、出力結果判定部105の動作と同等な作業を、定期的に人手により判断して実行することも可能である。すなわち、負荷特性推定装置100は、負荷特性推定装置は正転速度平均値vmp、正転負荷推定値Tdp、逆転速度平均値vmn、逆転負荷推定値Tdnを出力するものとして構成してもよい。
なお、本実施の形態では、駆動部2として回転力、つまりトルクを駆動力として発生させる一般的なモータを想定しているが、リニアモータのように直線的な推力を駆動力として発生させる駆動部に関しても、全く同様に実施可能であることは言うまでも無い。
本実施の形態の負荷特性推定装置100は上記に説明したように、特別な動作パターンとは限らない通常の運転条件で駆動機械を動作させた場合でも、特別な操作を追加することなく、摩擦などの情報を含んだ数値を安定して出力するよう構成される。具体的には、負荷特性推定装置100は、符号判定部101、正転負荷演算部103b、逆転負荷演算部104bを備えて、正転区間と逆転区間とで個別に、十分に長い時定数で負荷トルク信号Td^の逐次的な平均化を行って正転負荷推定値Tdpと逆転負荷推定値Tdnの演算を行う構成を有している。これにより、正転と逆転や異なる移動距離の加減速パターンが混在するような通常の運転動作の条件でも、イナーシャ推定誤差やノイズなどの影響を除去し、駆動機械3の摩擦などを含んだ負荷特性を表す数値を安定に得て、駆動機械の診断や特性変化の把握といった幅広い用途に利用可能な駆動機械の負荷特性推定装置を提供することができる。
さらに、正転速度演算部103aと逆転速度演算部104aとを備えて正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnとの演算を行うので、低速運転が続く状態や高速運転が続く状態といった運転条件が変化するような場合でも、速度平均値と負荷推定値との組み合わせとして、運転条件に応じて駆動機械3の負荷特性を表す数値を安定して得ることができる。従って、より幅広い用途に利用可能な駆動機械の負荷特性推定装置を提供することができる。
実施の形態2.
図9は、本発明の実施の形態2にかかる駆動機械の負荷特性推定装置200の構成を示すブロック図である。
図9に示すように、本実施の形態2における負荷特性推定装置200は、図1に示した駆動機械の負荷特性推定装置100の内部構成に、動作区間判定部106と分割区間平均値演算部107を追加し、出力結果判定部105に換わり摩擦係数推定部205を備えたものである。
図9において、トルク指令生成部1、駆動部2、駆動機械3、速度検出器4、動作指令生成部5、符号判定部101、負荷トルク推定部102、正転平均値演算部103、および逆転平均値演算部104に関しては、実施の形態1の場合と入力、出力、機能および動作等は同様であるため説明は省略する。
動作区間判定部106には、速度検出器4の出力である駆動機械3の駆動速度vmと、正転速度演算部103aの出力である正転速度平均値vmpと、逆転速度演算部104aの出力である逆転速度平均値vmnとが入力される。
動作区間判定部106は、駆動機械3の正転動作区間においては、正転速度平均値vmpを閾値として、駆動速度vmが閾値vmpよりも大きい高速動作区間を区間1、駆動速度vmが閾値vmpよりも小さい低速動作区間を区間2と判定する。さらに動作区間判定部106は、駆動機械3の逆転動作区間においては、逆転速度平均値vmnの絶対値を閾値として、駆動速度vmの絶対値が閾値(vmnの絶対値)よりも大きい高速動作区間を区間3、駆動速度vmの絶対値が閾値(vmnの絶対値)よりも小さい低速動作区間を区間4と判定する。
即ち、動作区間判定部106は、駆動機械3が上記4つの区間のどの区間で動作中かを判定し、これら4つの区間の情報を持った動作区間分割信号Sを出力する。動作区間分割信号Sには、例えば区間1に1、区間2に2、区間3に3、区間4に4、停止状態に0の数値をそれぞれ割り当てればよい。この区間の分割に関しては、図10を用いて後述する。
分割区間平均値演算部107には、動作区間分割信号Sと駆動速度vmと負荷トルク信号Td^とが入力される。分割区間平均値演算部107は、動作区間分割信号Sにより分割された4つの区間k(k=1、2、3、4)のそれぞれに対応して、4つの区間速度平均値va(k)と、4つの区間負荷推定値Ta(k)を出力する。
ここで、区間速度平均値va(k)は駆動速度vmを区間kにおいて逐次的に平均化の演算を行ったもので、区間負荷推定値Ta(k)は負荷トルク信号Td^を区間kにおいて逐次的に平均化の演算を行ったものである。なお、図9に示した分割区間平均値演算部107の区間速度平均値va(k)と区間負荷推定値Ta(k)の2つの出力は、この4つの区間kで平均化されたそれぞれ4つの値の情報を持つベクトル信号である。
ここで、分割区間平均値演算部107での演算及び動作区間判定部106と分割区間平均値演算部107を追加したことによって、機械系に固有の負荷特性をより詳細に把握することが可能となることについて図10を用いて説明する。
図10は本実施の形態において、駆動機械の位置や速度を適切に制御しながら、ある所定の動作をさせた場合の駆動速度vm(図10(a))と負荷トルク信号Td^(図10(b))の時間応答を示した一例である。図10には、正転速度演算部103aの出力である正転速度平均値vmpを破線で示し、逆転速度演算部104aの出力である逆転速度平均値vmnを点線で示している。またこれらの正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnとを閾値とした判定に基づいて、前述した区間1、区間2、区間3、区間4の4つの動作状態に応じた区間に分割した時間区間を示している。
例えば、図10に示す区間1においては、分割区間平均値演算部107は、動作区間判定部106から入力される動作区間分割信号Sに基づいて、駆動機械3がこの区間1で動作する時間区間では、駆動速度vmに対して逐次的な平均化演算を行った結果を第1の区間速度平均値va(1)とし、負荷トルク信号Td^に対して逐次的な平均化演算を行った結果を第1の区間負荷推定値Ta(1)として出力する。このとき、k=1以外、即ち、k=2、3、4の第kの区間速度平均値va(k)及び第kの区間負荷推定値Ta(k)はその値を更新することなく保持する。
駆動機械3がその他の各区間nで動作する時間区間においても同様な動作を行い、分割区間平均値演算部107は、動作区間信号Sに基づいて、駆動機械3が区間nで動作する時間区間では、駆動速度vmに対して逐次的に平均化演算を行った結果を第nの区間速度平均値va(n)とし、負荷トルク信号Td^に対して逐次的に平均化演算を行った結果を第nの区間負荷推定値Ta(n)として出力する。このとき、k=n以外の第kの区間速度平均値va(k)および第kの区間負荷推定値Ta(k)はその値を更新することなく保持する。
分割区間平均値演算部107で各区間kにおける駆動速度vmと負荷トルク信号Td^それぞれの平均値の演算に用いる平均化フィルタの伝達特性は同一であり、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104で用いたように、駆動機械3の始動から停止までの1回の動作に要する時間よりも十分に長い平均化時定数Tを持つ式(4)で示した平均化フィルタF(s)である。
本実施の形態にかかる駆動機械の負荷特性推定装置200においても、実施の形態1と同様に、正転平均値演算部103が出力した正転速度平均値vmpおよび正転負荷推定値Tdpと、逆転平均値演算部104が出力した逆転速度平均値vmnおよび逆転負荷推定値Tdnとを算出する。本実施の形態の負荷特性推定装置200においては、さらに、追加した動作区間判定部106により正転及び逆転動作区間でそれぞれ高速動作区間と低速動作区間とに分割された合計4つの分割区間kに対して、同じく追加された分割区間平均値演算部107により、区間速度平均値va(k)と区間負荷推定値Ta(k)の演算を行う。このように、分割された各動作区間において駆動速度と負荷トルクを平均化することにより、機械系に固有の負荷特性を表すより多くの異なる平均化した駆動速度と負荷トルクの組が得られ、速度と負荷駆動力の二次元的な関係を得ることが可能となる。
また、分割区間平均値演算部107では、区間速度平均値va(k)の各々と区間負荷推定値Ta(k)の各々の演算において、正転平均値演算部103および逆転平均値演算部104において十分に長い平均化時定数Tを持つ同様な平均化フィルタF(s)を用いて演算を行うので、白色性のノイズや駆動機械の剛性に起因した振動成分などの影響を除去して機械系に固有の負荷特性を安定して定量化できる。
イナーシャ推定値Jnの誤差に起因するイナーシャ誤差外乱に関しても、十分な平均化演算により加速時の誤差と減速時の誤差はそれぞれ相殺され、イナーシャ誤差外乱を除去した負荷トルク信号Td^として区間負荷推定値Ta(k)を計算することができる。なお、正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnを推定区間分割の際の速度閾値として用いていることから、低速運転や高速運転といった様々な運転条件に応じて自動的に推定区間を分割することができる。
図11は、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104と分割区間平均値演算部107の出力である、正転速度平均値vmpと正転トルク平均値Tdpの値の組と、逆転速度平均値vmnと逆転トルク平均値Tdnの値の組と、区間速度平均値va(k)と区間トルク平均値Ta(k)の値の各組の演算結果をプロットした物である。これらの結果は前述した内容から、図中に破線で示した駆動機械3の詳細な摩擦特性を示す曲線上付近に小さな誤差の範囲で推定される。実線については後述する。
以上説明したように、図9に示したような構成を備えた駆動機械の負荷特性推定装置200により、任意の動作パターンで運転をしながら複数の速度に対する負荷特性を安定な数値として演算することで、より詳細な機械系に固有の負荷特性を把握することが可能となる。
次に、摩擦係数推定部205の動作について説明する。摩擦係数推定部205は以下に説明するように、駆動機械3の詳細な摩擦特性を速度に依存する一次式モデルで近似したときの粘性係数と定数項とを推定するものである。
摩擦係数推定部205には、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104と分割区間平均値演算部107の演算結果である、図11に示した駆動速度vmが正、負のそれぞれの場合に対する各3つのプロットの値(平均化された駆動速度と負荷トルクの値の組)が入力される。摩擦係数推定部205は、これらの値に基づいて駆動機械3の詳細な摩擦特性を式(5a)、(5b)のような一次式モデルで近似した場合の、正転動作時の粘性係数Dp^と定数項Cp^、逆転動作時の粘性係数Dn^と定数項Cn^の推定演算を行う。その演算方法としては、正転、逆転の各々の場合に対して、3つの駆動速度の値と3つの負荷トルクの値を用いて、例えば一括型最小二乗法などを適用すればよい。
図11に実線で示したのが、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104と分割区間平均値演算部107の演算結果を用いて最小二乗推定した摩擦特性を示した直線である。図11において、駆動速度vmが正の領域における実線の傾きが粘性係数Dp^に、縦軸(負荷トルク軸)との切片が定数項Cp^に、駆動速度vmが負の領域における実線の傾きが粘性係数Dn^に、縦軸(負荷トルク軸)との切片が定数項Cn^にそれぞれ対応している。
次に、実施の形態2において得られる効果の特徴について説明する。例えば、特許文献2に記載の技術のように、駆動速度vmと負荷トルク信号Td^から直接的に逐次最小二乗法などの方法により定数項Cおよび粘性係数Dの推定を行った場合、先に述べたように、駆動速度vmの大小や運転パターンの変化により、粘性係数と定数項の推定結果が変動してしまうという問題があった。
これに対して本実施の形態によれば、駆動機械3の正転動作区間および逆転動作区間の2つの動作区間に対して、駆動速度vmに設定した閾値に基づいて分割された、駆動機械3の正転動作状態の高速動作区間と低速動作区間、駆動機械3の逆転動作状態の高速動作区間と低速動作区間の4つの動作区間を加えた計6つの動作区間において、機械系に固有の負荷特性を表す駆動速度と負荷トルクを平均化した値の組を上記のように安定して推定することができる。また、この安定に推定された複数の組を一括的に用いた演算により、駆動機械の摩擦特性を近似した一次式モデルの粘性係数と定数項を、速度の大小といった条件変化に対しても安定して推定することができる。
実施の形態1においては、平均化された駆動速度vmと負荷トルクTdの値の組が、駆動機械3に固有の負荷特性を、駆動速度vmの正負に対して各1つの点で表していた。これに対して本実施の形態2においては、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104と分割区間平均値演算部107の演算結果を用いることで、駆動機械3の詳細な摩擦特性を、速度に応じた一次式モデルの粘性係数と定数項という2つのパラメータで簡単に表すことができ、すなわち直線として安定して推定し、負荷特性をより詳細に把握することが可能となる。
なお、実施の形態1と同様に、本実施の形態2の推定結果の経時変化を監視することで、駆動機械3の異常を監視することも可能であり、また、特に詳細な説明はしないものの、本実施の形態2の推定結果を駆動機械3の位置や速度の制御する際の摩擦補償として利用することで、制御精度に寄与することも可能である。
実施の形態2においては、動作区間判定部106は入力される正転速度平均値vmpと逆転速度平均値vmnを推定区間分割の際に閾値として入力したが、この閾値に関しては、外部から適当な閾値を1つ以上設定してもよく、推定区間を1つ以上の閾値により更に細分化しても各区間の速度と負荷トルクの平均値の組は安定に導出されることから、機械系に固有の負荷特性を更に詳細に把握することも可能になる。
つまり、外部から設定した閾値により推定区間を細分化する場合、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104とが本実施の形態2の構成要素から削除されても、分割区間平均値演算部107の演算結果のみで、駆動機械3の詳細な摩擦特性を、速度に応じた一次式モデルの粘性係数と定数項という2つのパラメータで表すことができることは言うまでも無い。
実施の形態2においては、以上説明したように駆動機械の負荷特性推定装置200を構成することにより、駆動機械3に固有の負荷特性を、ノイズやイナーシャ推定値の誤差などの影響を抑制し、速度の大小や加減速時間の大小といった、様々な運転条件や、その変化にも対応しながら、より詳細に、安定して逐次的に推定することができ、より幅広い用途に利用可能な駆動機械の負荷特性推定装置を提供することができる。即ち、通常の運転動作で、駆動機械3に加わる負荷の特性を安定して線形近似できるので、その推定結果を、駆動機械3の特性変化の把握や駆動機械3の制御の際の摩擦補償など幅広い用途に応用することができる。
実施の形態1および2において、通常の運転動作において駆動機械3に加わる負荷の特性を安定して推定できる。またその推定結果は、駆動機械3の診断や特性変化の把握など幅広い用途に応用できる。さらに、駆動機械3の稼働中に動作指令が変更される場合でも、駆動機械3に加わる負荷の特性を安定して推定でき、かつ高速運転、低速運転などの動作条件の過渡的な変化に対しても、駆動機械3に加わる負荷の特性を安定して推定することができる。さらに、逐次的な平均値を算出する演算の時定数を動作指令が始動から停止までの1回の動作に要する時間よりも長い値に設定することにより、イナーシャ推定値の誤差に起因する誤差外乱を抑制できると共に、ノイズや振動成分なども抑制することが可能となる。また、正転平均値演算部103と逆転平均値演算部104の演算結果を用いることで、駆動機械3の運転状態の正常・異常を判定することができる。
更に、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。
例えば、上記実施の形態1および2それぞれに示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1および2にわたる構成要件を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる駆動機械の負荷特性推定装置は、工作機械やロボットにおけるサーボモータなどの駆動装置を用いた駆動機械の負荷特性推定装置に有用であり、特に、様々な運転条件やその変化にも対応しながら、駆動機械の摩擦といった機械系固有の負荷特性を、その経時的な変動も把握できるよう安定して定量化する駆動機械の負荷特性推定装置に適している。
1 トルク指令生成部
2 駆動部
3 駆動機械
4 速度検出器
5 動作指令生成部
100、200 駆動機械の負荷特性推定装置
101 符号判定部
102 負荷トルク推定部
103 正転平均値演算部
103a 正転速度演算部
103b 正転負荷演算部
104 逆転平均値演算部
104a 逆転速度演算部
104b 逆転負荷演算部
105 出力結果判定部
106 動作区間判定部
107 分割区間平均値演算部
205 摩擦係数推定部

Claims (12)

  1. 駆動機械の位置に対する動作の指令或いは速度に対する動作の指令を含む動作指令を生成する動作指令生成部と、
    前記動作指令に前記駆動機械の動作が追従するよう駆動力指令を生成する駆動力指令生成部と、
    前記駆動力指令に対応した駆動力を発生して前記駆動機械を駆動する駆動部と、
    前記駆動機械の駆動速度に基づいて、前記駆動機械が、正転動作状態、逆転動作状態、あるいは停止状態のいずれの状態であるかを判定する符号判定部と、
    前記駆動力指令あるいは前記駆動力を表す信号に基づき、前記駆動機械に加わる負荷駆動力の推定値である負荷駆動力信号を算出する負荷駆動力推定部と、
    前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する正転負荷演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する逆転負荷演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する正転速度演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する逆転速度演算部と、
    を備えることを特徴とする駆動機械の負荷特性推定装置。
  2. 前記正転速度演算部は前記正転負荷演算部と同一の伝達特性を有し、
    前記逆転速度演算部は前記逆転負荷演算部と同一の伝達特性を有する
    ことを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  3. 前記正転負荷演算部が算出した平均値と前記正転速度演算部が算出した平均値との組、および、前記逆転負荷演算部が算出した平均値と前記逆転速度演算部が算出した平均値との組が、それぞれ所定の正常範囲にあるか否かを判断する出力結果判定部を備える
    ことを特徴とする請求項またはに記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  4. 前記出力結果判定部は、前記所定の正常範囲を、前記駆動機械の正転動作状態と逆転動作状態とにそれぞれ対応した前記駆動速度と前記負荷駆動力との関係を示す2つの一次式に基づいて定める
    ことを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  5. 駆動機械の位置に対する動作の指令或いは速度に対する動作の指令を含む動作指令を生成する動作指令生成部と、
    前記動作指令に前記駆動機械の動作が追従するよう駆動力指令を生成する駆動力指令生成部と、
    前記駆動力指令に対応した駆動力を発生して前記駆動機械を駆動する駆動部と、
    前記駆動機械の駆動速度に基づいて、前記駆動機械が、正転動作状態、逆転動作状態、あるいは停止状態のいずれの状態であるかを判定する符号判定部と、
    前記駆動力指令あるいは前記駆動力を表す信号に基づき、前記駆動機械に加わる負荷駆動力の推定値である負荷駆動力信号を算出する負荷駆動力推定部と、
    前記駆動速度と、前記符号判定部の判定の結果と、前記駆動機械の正転動作状態での第1の速度閾値と、前記駆動機械の逆転動作状態での第2の速度閾値とに基づいて、前記駆動機械が、前記駆動速度の大小関係に応じて分割した複数の動作区間の何れの状態であるかを判定する動作区間判定部と、
    前記動作区間判定部の判定の結果に基づいて、複数の前記動作区間毎に前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出し、前記動作区間判定部の判定の結果に基づいて、複数の前記動作区間毎に前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する分割区間平均値演算部と、
    を備えることを特徴とする駆動機械の負荷特性推定装置。
  6. 複数の前記動作区間毎に算出された前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値と前記駆動速度の逐次的な平均値との組とを、正転動作状態と逆転動作状態とにそれぞれ対応した前記駆動速度と前記負荷駆動力との関係を表した2つの一次式により近似することにより、前記負荷駆動力の一次式モデルにおける粘性係数と定数項を推定する摩擦係数推定部と
    を更に備えることを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  7. 前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する正転速度演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する逆転速度演算部と
    を更に備え、
    前記正転速度演算部が算出した平均値を前記第1の速度閾値とし、
    前記逆転速度演算部が算出した平均値を前記第2の速度閾値とする
    ことを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  8. 前記分割区間平均値演算部は、前記動作区間毎に前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する演算の伝達特性と、前記動作区間毎に前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する演算の伝達特性とを同一とする
    ことを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  9. 前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する正転負荷演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する逆転負荷演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が正転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する正転速度演算部と、
    前記符号判定部の判定の結果が逆転動作状態である場合に、前記駆動速度の逐次的な平均値を算出する逆転速度演算部と、
    を更に備え、
    前記摩擦係数推定部は、前記粘性係数と前記定数項の推定に、前記正転負荷演算部が算出した平均値と前記正転速度演算部が算出した平均値との組と、前記逆転負荷演算部が算出した平均値と前記逆転速度演算部が算出した平均値との組と、
    を更に用いることを特徴とする請求項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  10. 前記近似は最小二乗法による
    ことを特徴とする請求項またはに記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  11. 前記正転負荷演算部は、前記逐次的な平均値を算出する演算の時定数を前記動作指令が始動から停止までに要する時間よりも大きい値に設定し、
    前記逆転負荷演算部は、前記逐次的な平均値を算出する演算の時定数を前記動作指令が始動から停止までに要する時間よりも大きい値に設定する
    ことを特徴とする請求項1、2または9に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
  12. 前記分割区間平均値演算部は、前記動作区間判定部の判定の結果に基づいて、複数の前記動作区間毎に前記負荷駆動力信号の逐次的な平均値を算出する演算の時定数を、前記動作指令が始動から停止までに要する時間よりも大きい値に設定する
    ことを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の駆動機械の負荷特性推定装置。
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