JP7110843B2 - 異常判定装置及び異常判定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、回転機構を駆動してアーム部を動作させる作業機器から回転機構の動作状態を示すセンサデータを取得して、回転機構の異常を判定する異常判定装置及び異常判定方法に関する。
従来では、生産機械を構成する移動部材の振動パターンを検出して生産機械の予防保全を行う故障予知装置として特許文献1が開示されている。特許文献1に開示された生産機械の故障予知装置では、ロボットの作業端に設けた振動センサからの波形をデジタル信号に変換し、このデジタル信号からパワースペクトルを取得する。そして、デジタル信号及びパワースペクトルを、正常時に得られたデータ及びスペクトルと比較して、正常時と大きく違っているときに故障と判定していた。
特開平5-52712号公報
しかしながら、上述した従来の故障予知装置では、正常時のデータと比較して故障を判定していたので、多くの部品で構成されている産業用ロボットでは一部の部品交換や調整を行う度に正常時のデータの更新や見直しが必要になっていた。そのため、データの更新や見直しを行うための作業負担が増大してしまうという問題点があった。
そこで、本発明は上記実情に鑑みて提案されたものであり、部品交換や調整を行った場合でもデータの更新や見直しを行う必要がなく、作業負担を軽減することのできる異常判定装置及びその方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の一態様に係る異常判定装置及びその方法は、アーム部が二点間を往復する往復運動を実行すると、往復運動でアーム部が往路方向に動作したときに検知したセンサデータを、往路のセンサデータとして取得する。そして、往復運動でアーム部が復路方向に動作したときに検知したセンサデータを、復路のセンサデータとして取得し、往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して回転機構の異常を検知する。
本発明によれば、部品交換や調整を行った場合でもデータの更新や見直しを行う必要がなく、作業負担を軽減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係るロボット制御システムの全体構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る異常判定装置による異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図3は、本発明の第1実施形態に係る異常判定装置による効果を説明するための図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る異常判定装置による異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明を適用した第1実施形態について図面を参照して説明する。図面の記載において同一部分には同一符号を付して説明を省略する。
[ロボット制御システムの構成]
図1は、本実施形態に係る異常判定装置を備えたロボット制御システムの構成を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係るロボット制御システム100は、ロボット1と、ロボット制御装置3と、異常判定装置5とから構成される。
ロボット1は、回転機構を駆動してアーム部を動作させる作業機器であり、例えば、生産現場において生産等を行うための設備、または設備の一部を構成する多軸関節型のロボットである。ロボット1は、モータ11と、減速機13と、ロボットアーム15と、センサ部17とを備えている。
ロボット1は、回転機構として複数の動作軸を備えているが、図1では一軸分の回転機構を示している。各動作軸には、動作軸を駆動する駆動部としてモータ11と減速機13がそれぞれ設けられており、モータ11を駆動することによって減速機13を介して動作軸を作動させ、ロボットアーム15の動作を制御している。
モータ11は、ロボット1の動作軸を駆動する駆動機構であり、例えばサーボモータである。モータ11には、回転角位置及び速度の検出器であるパルスコーダ(パルスジェネレータまたはエンコーダ)や加速度センサが付帯されている。
減速機13は、モータ11の回転トルクを高めて荷重が大きくても駆動できるようにする駆動機構であり、モータ11からの駆動力によって動作軸を作動させてロボットアーム15を動作させている。
ロボットアーム15は、回転機構によって駆動されるアーム部であり、ロボットアーム15の先端には、所定の作業を行う作業部位として、溶接ガンやハンド等の工具が取り付けられている。
センサ部17は、ロボット1の状態を定量的に把握するために、ロボット1の駆動部やその周辺に設置されたセンサであり、特に駆動軸の動作状態を示すセンサデータを出力する。例えば、センサ部17は、加速度センサや振動センサ、ロボット1のエンコーダ、画像や動画を撮像するカメラ、フォトセンサのような光を使ったセンサ、ロボット1の周辺の異音を収集する音センサ等を含んでいる。さらに、ロボットアーム15の歪レベルを検出する歪センサやAE(アコースティックエミッション)、ロボット1の異常発熱や環境温度を検出する温度センサまたはサーモカメラ等を含んでいてもよい。
ロボット制御装置3は、ロボット1の作業内容に応じて、ロボットアーム15の速度や位置を指示することでロボット1の動作を制御している。例えば、生産作業の動作や検査動作等のオン、オフ、位置及び速度の調整、動作のティーチング等の制御を行っている。
このとき、ロボット制御装置3は、ロボット1へ制御信号を送信して制御を実行しており、この制御信号によって、ロボット1の動作の有無、動作速度、動作角度、作業順序、作業内容の切り替え等の制御を行っている。
異常判定装置5は、ロボット1から動作軸の動作状態を示すセンサデータを取得し、減速機等の回転機構の異常を判定する。異常判定装置5は、動作検出部21と、データ取得部23と、統計値算出部25と、異常検知部27と、アラーム報知部29とを備えている。ここで、異常判定装置5は、マイクロコンピュータ、マイクロプロセッサ、CPUを含む汎用の電子回路とメモリ等の周辺機器から構成された制御部を有する。したがって、特定のプログラムを実行することにより、この制御部は、動作検出部21、データ取得部23、統計値算出部25、異常検知部27、アラーム報知部29として動作する。
動作検出部21は、ロボット制御装置3からロボット1の動作情報を取得する。特に、動作検出部21は、ロボット制御装置3からロボットアーム15の動作を制御する制御信号を取得し、ロボットアーム15の動作の中から往復運動を検出する。ロボットアーム15の往復運動とは、ロボットアーム15が二点間を往復する運動である。例えば、ロボットアーム15が、A点からB点まで往路の動作を行い、再びB点からA点まで復路の動作を行う運動である。このとき、A点からB点までの往路の動作と、B点からA点までの復路の動作は連続して行われる必要はなく、これらの動作の間に別の動作が行われてもよい。尚、上述した二点とは、空間上の絶対的な位置である二点であってもよいし、ロボット1の一部(例えば、ロボットアームを支える支柱)を基準とした相対的な位置である二点であってもよい。
データ取得部23は、動作検出部21で検出されたロボットアーム15の往復運動が実行されたときに検知したセンサデータを、センサ部17から取得する。このとき、データ取得部23は、往復運動でロボットアーム15が往路方向に動作したときに検知したセンサデータを往路のセンサデータとして取得する。また、データ取得部23は、往復運動でロボットアーム15が復路方向に動作したときに検知したセンサデータを復路のセンサデータとして取得する。データ取得部23が取得するセンサデータとしては、例えば加速度センサで検出された加速度の値とそのタイムスタンプ、ロボットアーム15の位置、動作軸の角度や速度等がある。また、データ取得部23は、動作検出部21の出力データも取得する。例えば、往復運動のうちの往路の日時と復路の日時を取得する。こうして取得したデータを、データ取得部23は、自身のメモリや図示しないデータベース等に記憶しておく。
統計値算出部25は、データ取得部23で取得した往路のセンサデータと復路のセンサデータの統計値をそれぞれ算出する。例えば、加速度の値から平均値、偏差(標準偏差)、分散値、最大値、最小値、中央値、歪度、尖度、異常度、ヒストグラム波形等を算出する。
異常検知部27は、データ取得部23で取得した往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して、動作軸の異常を検知する。例えば、往路のセンサデータと復路のセンサデータの差分を算出し、その差分が所定の閾値未満である場合には動作軸が正常であると判定し、差分が所定の閾値以上である場合には動作軸が異常であると判定する。
また、異常検知部27は、統計値算出部25で算出された往路のセンサデータの統計値と復路のセンサデータの統計値とを比較して、動作軸の異常を検知してもよい。例えば、往路のセンサデータの平均値と復路のセンサデータの平均値の差分を算出し、その差分が所定の閾値未満である場合には動作軸が正常であると判定し、差分が所定の閾値以上である場合には動作軸が異常であると判定する。
さらに、異常検知部27は、データ取得部23で取得したセンサデータのうち、往路方向または復路方向のいずれかが重力方向となる往復運動のセンサデータを用いて異常を検知してもよい。往復運動の往路方向または復路方向のいずれかが重力方向となることによって、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。例えば、動作軸に異常が発生していると、往路方向が重力方向である場合には、往路の加速度は重力によって大きくなり、復路の加速度は重力に反するので小さくなる。したがって、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなり、異常の判定精度を向上させることができる。
また、異常検知部27は、データ取得部23で取得したセンサデータのうち、動作速度または動作角度が所定値以上の場合に検知したセンサデータを用いて異常を判定してもよい。往復運動の動作速度または動作角度が大きい場合には、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。例えば、動作速度が小さい場合には、往路と復路でセンサデータの違いは小さいが、動作速度が大きくなると、往路と復路のセンサデータの違いは大きくなる。したがって、なるべく動作速度が大きい往復運動のデータを用いて異常の判定を行ったほうがよい。同様に、動作角度も、動作角度が大きくなるほど往路と復路のセンサデータの違いが大きくなるので、なるべく動作角度が大きい往復運動のデータを用いて異常の判定を行ったほうがよい。尚、所定値は、実験やシミュレーションを行って設定すればよい。
アラーム報知部29は、異常検知部27で動作軸が異常であると判定された場合に、作業員や保全員、設備管理者、監督者等の関係者にアラームを報知する。例えば、回転灯や液晶ディスプレイ等の表示装置、警告音を発するブザーやスピーカ等の音響機器、電話や電子メール、ツイッター(登録商標)、SNS等の情報媒体を用いてアラームを報知する。
尚、異常判定装置5は、CPU(中央処理装置)、メモリ及び入出力部を備えるマイクロコンピュータを用いて実現可能である。マイクロコンピュータを異常判定装置5として機能させるためのコンピュータプログラムを、マイクロコンピュータにインストールして実行する。これにより、マイクロコンピュータは、異常判定装置5が備える複数の情報処理部(21~29)として機能する。ここでは、ソフトウェアによって異常判定装置5を実現する例を示すが、もちろん、各情報処理を実行するための専用のハードウェアを用意して、異常判定装置5を構成することも可能である。専用のハードウェアには、実施形態に記載された機能を実行するようにアレンジされた特定用途向け集積回路(ASIC)、及び従来型の電気回路や回路部品のような装置を含む。また、異常判定装置5に含まれる複数の情報処理部(21~29)を個別のハードウェアにより構成してもよい。
また、図1では、本発明を産業用ロボットに適用する場合を一例として説明したが、本発明は産業用ロボットに限定されるものではない。例えば、モータ11の代わりに自動車のエンジン、減速機13の代わりにトランスミッションを適用することも可能であり、この他にも遊園地の移動体や3次元プリンタのような工作機器等に適用することも可能である。したがって、回転機構とそれを伝達する機構を有するものであれば、すべてに適用可能である。
[異常判定処理]
次に、図2を参照して、本実施形態に係る異常判定装置5による異常判定処理を説明する。図2は、異常判定装置5による異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図2に示すように、ステップS10において、動作検出部21は、ロボット制御装置3からロボット1の動作情報を取得する。特に、動作検出部21は、ロボットアーム15の動作を制御する制御信号を取得する。
ステップS20において、動作検出部21は、ステップS10で取得した制御信号に基づいて、ロボットアーム15の動作の中から、検査対象の駆動軸におけるロボットアーム15の往復運動を検出できるか否かを判定する。ロボットアーム15の往復運動とは、ロボットアーム15が二点間を往復する運動である。そして、動作検出部21は、往復運動を検出できない場合にはステップS10に戻り、往復運動を検出できた場合にはステップS30に進む。
ステップS30において、データ取得部23は、ステップS20で検出された往復運動でロボットアーム15が往路方向に動作したときに検知したセンサデータを、往路のセンサデータとして取得する。例えば、動作角度が100度の往復運動を100度/秒の速度で行った場合、加速度センサのサンプリング周波数が100Hzであれば、100個の加速度からなる時系列データを往路のセンサデータとして取得する。ただし、このセンサデータには、往路動作の開始点と終了点が分かるように、動作開始前及び動作終了後における動作停止状態のときの加速度データ(加速度がゼロ近辺のデータ)が付与されている。データ取得部23は、取得したセンサデータを、メモリやデータベースに記憶しておく。
尚、本実施形態では、取得するセンサデータの一例として加速度データの場合を説明している。この加速度データは、ロボットアーム15の振動を検出するために取得したものであり、加速度ではなく振動データでもよいし、ロボットアーム15の振動を検出できるデータであれば、動作軸の角度や速度、ロボットアーム15の位置等であってもよい。
ステップS40において、データ取得部23は、ステップS20で検出された往復運動でロボットアーム15が復路方向に動作したときに検知したセンサデータを、復路のセンサデータとして取得する。データ取得部23は、往路のセンサデータと同様に復路のセンサデータを取得して、メモリやデータベースに記憶しておく。
ステップS50において、統計値算出部25は、ステップS30、S40で取得した往路のセンサデータと復路のセンサデータの統計値をそれぞれ算出する。例えば、以下のような式を用いて、加速度の値から平均値、偏差(標準偏差)、分散値、最大値、最小値、中央値、歪度、尖度、異常度等を算出する。
往路の平均値μf=(1/n)Σαn、 往路の分散値vf=Σ(αn-μf)^2 ・・・
復路の平均値μr=(1/n)Σαn、 復路の分散値vr=Σ(αn-μr)^2 ・・・
ステップS60において、異常検知部27は、ステップS30、S40で取得した往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して、動作軸の異常を検知する。例えば、往路のセンサデータと復路のセンサデータの差分を算出し、その差分が所定の閾値未満である場合には動作軸が正常であると判定し、差分が所定の閾値以上である場合には動作軸が異常であると判定する。
また、異常検知部27は、ステップS50で算出された往路のセンサデータの統計値と復路のセンサデータの統計値とを比較して、駆動軸の異常を検知してもよい。例えば、往路のセンサデータの平均値と復路のセンサデータの平均値の差分を算出し、その差分が所定の閾値未満である場合には動作軸が正常であると判定し、差分が所定の閾値以上である場合には動作軸が異常であると判定する。
さらに、異常検知部27は、往路方向または復路方向のいずれかが重力方向となる往復運動のセンサデータを用いて異常を検知してもよい。これにより、往復運動の往路方向または復路方向のいずれかが重力方向となるので、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなり、異常の判定精度を向上させることができる。
また、異常検知部27は、動作速度または動作角度が所定値以上となる往復運動のセンサデータを用いて異常を検知してもよい。例えば、ロボットアーム15の可動範囲が100度である場合には、所定値以上で100度になるべく近い動作角度となる往復運動のセンサデータを用いて異常を検知する。同様に、ロボットアーム15の最大速度が100度/秒である場合には、所定値以上で最大速度になるべく近い動作速度となる往復運動のセンサデータを用いて異常を検知する。このように動作速度と動作角度が大きい場合には、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。
こうして、動作軸が正常であると判定された場合にはステップS80へ進み、動作軸が異常であると判定された場合にはステップS70へ進む。尚、異常か否かを判定する閾値は、予め実験やシミュレーション等を行って推定した値や統計学上の検定値、マハラノビス距離等を用いて設定すればよい。
ステップS70において、アラーム報知部29は、ステップS60で動作軸が異常であると判定されると、作業員や保全員、設備管理者、監督者等の関係者にアラームを報知する。
ステップS80において、異常判定装置5は、異常判定処理を終了する操作が入力されたか否かを判定し、入力されていなければステップS10に戻って異常判定処理を継続して実行する。一方、異常判定処理を終了する操作が入力されている場合には、本実施形態に係る異常判定処理を終了する。
[第1実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る異常判定装置5では、ロボットアーム15が二点間を往復する往復運動を実行すると、往復運動でロボットアーム15が往路方向に動作したときに検知したセンサデータを、往路のセンサデータとして取得する。同様に、ロボットアーム15が復路方向に動作したときに検知したセンサデータを復路のセンサデータとして取得し、往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して動作軸の異常を検知する。これにより、センサデータを正常時のデータや予め設定された閾値等と比較して異常を判定することがないので、部品交換や調整を行った場合でもデータの更新や見直しを行う必要がなくなり、作業負担を軽減することができる。
例えば、図3に示すように、加速度センサのセンサデータにおいて、正常時には、往路の加速度の振幅a1は、復路の加速度の振幅a2とほぼ等しくなる。同様に、往路に要する時間t1は、復路に要する時間t2とほぼ等しくなる。動作軸を駆動する減速機等が正常である場合には、往路と復路でロボットアーム15の動作に違いが生じることはない。
しかし、異常時には、往路の加速度の振幅a1は、復路の加速度の振幅a2よりも小さくなり、往路に要する時間t1は、復路に要する時間t2よりも長くなっている。これは、往路が重力に反する方向である場合に、動作軸を駆動する減速機等に何らかの異常が発生していると、往路側は重力に反するので速度が上がらず(加速度の振幅a1が小さく)、余計に時間がかかって往路に要する時間t1が大きくなっていると考えられる。一方、復路側は重力によって速度が速くなり(加速度の振幅a2が大きくなり)、復路に要する時間t2が小さくなっていると考えられる。
このように、異常時には、往路のセンサデータと復路のセンサデータとの間には違いが生じるので、往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較すれば、動作軸の異常を検知することができる。このとき、従来では、センサで検出したデータを閾値と比較して異常を検知することが一般的であるため、ロボットの部品の交換や調整を行うと、閾値の更新や見直しを行う必要があった。しかし、本実施形態に係る異常判定装置では、往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して異常を検知するので、閾値の更新や見直しを行う必要がなく、作業負担を軽減することができる。
さらに、複数の種類の作業を行うロボットでは、正常時のデータの変動が大きいので、正常時のデータと比較して異常を判定する方法では、異常判定の誤差が大きくなっていた。しかし、本実施形態に係る異常判定装置5では、往路のセンサデータと復路のセンサデータとを比較して動作軸の異常を検知するので、異常判定の誤差が大きくなることを防止することができる。
また、本実施形態に係る異常判定装置5では、往復運動の往路方向または復路方向のいずれかを重力方向としている。これにより、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態に係る異常判定装置5では、往路のセンサデータの統計値と復路のセンサデータの統計値とを算出し、往路のセンサデータの統計値と復路のセンサデータの統計値とを比較して動作軸の異常を検知する。これにより、統計値を算出することで、センサデータのバラつきを抑制することができるので、より正確に異常を判定することができる。
また、本実施形態に係る異常判定装置5では、往路のセンサデータ及び復路のセンサデータとして加速度データを用いている。これにより、AE(アコースティク・エミッション)センサよりも安価なセンサで、歪センサよりも簡便な方法で、駆動軸の異常を検知することができる。
さらに、本実施形態に係る異常判定装置5では、往復運動の動作速度が所定値以上となる場合のセンサデータを、往路のセンサデータ及び復路のセンサデータとして用いている。これにより、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。
また、本実施形態に係る異常判定装置5では、往復運動の動作角度が所定値以上となる場合のセンサデータを、往路のセンサデータ及び復路のセンサデータとして用いている。これにより、往路のセンサデータと復路のセンサデータの違いが大きくなるので、異常の判定精度を向上させることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明を適用した第2実施形態について図面を参照して説明する。ただし、第1実施形態と同一の構成には同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
[ロボット制御システムの構成]
本実施形態に係るロボット制御システムの構成は、図1に示した第1実施形態と同一である。ただし、本実施形態の異常判定装置5は、ロボット1の作業がないときに、動作軸の異常を検知するための診断動作として、ロボット1に往復運動を実行させることが第1実施形態と相違している。すなわち、第1実施形態では、ロボット1が実際に作業している動作の中から往復運動を検出して異常を検知していたが、本実施形態では、作業とは別に異常を検知するための往復運動をロボット1に実行させるようにしたことが第1実施形態と相違している。
そのため、本実施形態の動作検出部21は、ロボット制御装置3からロボット1の動作情報を取得し、異常を検知するための往復運動を実行できるか否かを判定する。例えば、動作検出部21は、ロボット1の動作情報に含まれている生産計画情報に基づいて、ロボット1の作業の開始時刻と終了時刻を取得し、ロボット1の作業がない時間が、往復運動を実行する時間よりも長いか否かを判定する。
ここで、異常を検知するために実行される往復運動は、予め設定されており、ロボットアーム15の標準的な往復運動であればよいが、異常を検知しやすい往復運動に設定しておくようにする。例えば、往復運動の往路方向または復路方向のいずれかを重力方向にし、動作速度は所定値以上でなるべく速くなるように設定し、動作角度も所定値以上でなるべく大きくなるように設定する。
そして、動作検出部21は、ロボット1の作業がない時間が往復運動を実行する時間よりも長くて、往復運動を実行できると判定した場合には、制御信号を生成する。具体的に、動作検出部21は、ロボット1及び動作軸の仕様、作業条件等に応じて、往復運動の動作条件(位置、角度、速度等)を設定して制御信号を生成する。そして、動作検出部21は、ロボット制御装置3に制御信号を送信して指示する。制御信号を受信したロボット制御装置3は、制御信号にしたがってロボットアーム15に往復運動を実行させる。
[異常判定処理]
次に、図4を参照して、本実施形態に係る異常判定装置5による異常判定処理を説明する。図4は、異常判定装置5による異常判定処理の処理手順を示すフローチャートである。図4に示すフローチャートでは、第1実施形態の図2のフローチャートのステップS20の代わりに、ステップS22、S24を行うようにしたことが、第1実施形態と相違している。
図4に示すように、ステップS10において、動作検出部21は、ロボット制御装置3からロボット1の動作情報を取得する。
ステップS20において、動作検出部21は、異常を検知するための往復運動を実行できるか否かを判定する。例えば、ロボット1の作業がない休止時間(例えば3分)と、往復運動の実行時間(例えば2分)とを比較して、休止時間のほうが長ければ往復運動を実行可能と判定する。そして、動作検出部21は、往復運動を実行できない場合にはステップS10に戻り、往復運動を実行できる場合にはステップS24に進む。
ステップS24において、動作検出部21は、制御信号を生成してロボット制御装置3に送信する。その結果、ロボット制御装置3は、受信した制御信号にしたがってロボットアーム15に往復運動を実行させる。
この後、ステップS30~S80までの処理を、第1実施形態と同様に実行して、本実施形態に係る異常判定処理を終了する。
[第2実施形態の効果]
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係る異常判定装置5では、ロボット1の作業がないときに、予め設定された往復運動をロボットアーム15に実行させる。これにより、ロボット1の作業とは関係なく、必要に応じて動作軸の異常を判定することができる。
なお、上述の実施形態は本発明の一例である。このため、本発明は、上述の実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計などに応じて種々の変更が可能であることは勿論である。
1 ロボット
3 ロボット制御装置
5 異常判定装置
11 モータ
13 減速機
15 ロボットアーム
17 センサ部
21 動作検出部
23 データ取得部
25 統計値算出部
27 異常検知部
29 アラーム報知部
100 ロボット制御システム

Claims (7)

  1. 動作軸を駆動してアーム部を動作させる作業機器から前記動作軸の動作状態を示す振動データを取得して、前記動作軸の異常を判定する異常判定装置において、
    前記アーム部が二点間を往復する往復運動を実行すると、
    前記往復運動で前記アーム部が往路方向に動作したときに検知した前記振動データを、往路の振動データとして取得し、
    前記往復運動で前記アーム部が復路方向に動作したときに検知した前記振動データを、復路の振動データとして取得し、
    前記往路の振動データと前記復路の振動データとを比較して前記動作軸の異常を検知する制御部を備えたことを特徴とする異常判定装置。
  2. 前記往路方向または前記復路方向のいずれかが重力方向であることを特徴とする請求項1に記載の異常判定装置。
  3. 前記制御部は、
    前記往路の振動データの統計値と前記復路の振動データの統計値とを算出し、
    前記往路の振動データの統計値と前記復路の振動データの統計値とを比較して前記動作軸の異常を検知することを特徴とする請求項1または2に記載の異常判定装置。
  4. 前記往路の振動データ及び前記復路の振動データは、加速度データであることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の異常判定装置。
  5. 前記往路の振動データ及び前記復路の振動データは、前記往復運動の動作速度が所定値以上となる場合の振動データであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の異常判定装置。
  6. 前記往路の振動データ及び前記復路の振動データは、前記往復運動の動作角度が所定値以上となる場合の振動データであることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の異常判定装置。
  7. 動作軸を駆動してアーム部を動作させる作業機器から前記動作軸の動作状態を示す振動データを取得して、前記動作軸の異常を判定する異常判定装置の異常判定方法において、
    前記アーム部が二点間を往復する往復運動を実行すると、
    前記往復運動で前記アーム部が往路方向に動作したときに検知した前記振動データを、往路の振動データとして取得し、
    前記往復運動で前記アーム部が復路方向に動作したときに検知した前記振動データを、復路の振動データとして取得し、
    前記往路の振動データと前記復路の振動データとを比較して前記動作軸の異常を検知することを特徴とする異常判定方法。
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