JP5589585B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置に関し、特に撮像された画像から色再現性の高い画像を生成する画像処理装置、および、これらにおける処理方法ならびに当該方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
照明環境の異なる複数枚の画像を用いた画像処理の代表的な例として、フラッシュを発光して撮像した画像の色再現性向上を目的としたフラッシュ発光および非発光の2枚の画像を用いたホワイトバランス処理がある。一般に、フラッシュの光と環境光は色温度が異なるために、フラッシュを発光した写真撮像ではフラッシュが当たった個所とそれ以外では照明の色バランスが異なる。そのため、領域毎に被写体にあたる光の色バランスが変化してしまい、従来のように画面に一様なホワイトバランスを施すゲイン処理では破綻が生じることがあった。これに対して、フラッシュ発光および非発光の2枚の画像から照明のフラッシュ成分と環境光成分を分離し、画素毎にホワイトバランスゲインを調整する試みがなされてきた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2005−210485号公報(図1)
従来の複数枚画像を用いた手法では、2枚画像の差分をとることによって照明成分を分離し、それぞれを単一照明環境下で撮像された画像のホワイトバランスの問題として処理し、合成することによって解決してきた。しかし、従来の手法には以下のように2つの大きな問題がある。
第1の問題は、環境光の変化に対応できないという問題である。基準画像および処理対象画像の2枚の差分を単一照明の問題として扱うためには、2枚の画像の間でフラッシュ以外の照明成分が一定でなければならない。そのため、撮像時に日光が陰るなどの変化が生じた場合にはうまく対応できなくなるという問題がある。
第2の問題は、動被写体への対応が困難であるという問題である。基準画像と処理対象画像の間で動いた被写体に属する画素では、分光反射率の異なる画素を比較することになり画像の差分による照明成分の分離が行えない。このため、従来の手法では、カメラの向きが変化した画像、動被写体が存在する画像などの組み合わせには対応できないという問題があった。複数枚画像の画像処理におけるこれらずれに対する問題には、三脚の使用やグローバルモーションベクター(Global Motion Vector)、ブロックマッチングによる位置合わせ等の解決手段が提案されて来た。 しかしながら、三脚を用いた場合には、カメラが動いてしまうことによるずれは解決できるが、動被写体には対応できない。 グローバルモーションベクターやブロックマッチングでは、一般にSAD(Sum of Absolute Difference)という2枚の画像の差分に基づいて動きが推測される。しかし、照明環境が異なる場合には差分が照明成分の変化によるものか動被写体によるものかを判断することができず、精度が落ちるという問題がある。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、照明環境が異なる複数枚画像から照明成分による影響を取り除き、色再現性の高い画像を生成することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その第1の側面は、異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出部と、上記ゲインを上記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用部とを具備する画像処理装置、画像処理方法およびプログラムである。これにより、異なる照明環境下で撮像された基準画像を利用して処理対象画像の各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン算出部は、上記処理対象画像の特定のチャンネルのゲインを固定して、上記処理対象画素の色バランスを上記基準画像と一致するように上記ゲインを算出してもよい。また、上記チャンネルゲイン算出部は、上記処理対象画像の輝度値を固定して、上記処理対象画素の色バランスを上記基準画像と一致するように上記ゲインを算出してもよい。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン算出部は、所定の上限値を超える値が上記ゲインとして算出された場合には上記上限値を上記ゲインとし、または、所定の下限値を下回る値が上記ゲインとして算出された場合には上記下限値を上記ゲインとしてもよい。これにより、上限値および下限値の範囲を逸脱したゲインを除去するという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン算出部は、上記基準画像の画素値から画素の飽和度を算出する飽和度算出部と、上記飽和度に応じて上記ゲインの補償処理を行う飽和補償部とを備えてもよい。これにより、飽和度に応じてゲインを補償させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン算出部は、上記基準画像の画素値から画素の黒つぶれ度を算出する黒つぶれ度算出部と、上記黒つぶれ度に応じて上記ゲインの補償処理を行う黒つぶれ補償部とを備えてもよい。また、上記チャンネルゲイン算出部は、上記基準画像の画素値および上記基準画像と上記処理対象画像とのチャンネル間比率から画素の黒つぶれ度を算出する黒つぶれ度算出部と、上記黒つぶれ度に応じて上記ゲインの補償処理を行う黒つぶれ補償部とを備えてもよい。これにより、黒つぶれ度に応じてゲインを補償させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記基準画像および上記処理対象画像の撮像条件の違いを補償するために露出強度が等しくなるよう強度調整する露出補償部をさらに具備してもよい。これにより、撮像条件の違いを補償させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン適用部は、上記基準画像の画素値から画素の飽和信頼度を算出する飽和信頼度算出部と、上記飽和信頼度に基づいて上記ゲインを空間平滑化した上で上記処理対象画素に対して適用する平滑化処理部とを備えてもよい。これにより、飽和信頼度に基づいて空間平滑化したゲインにより照明成分を変換させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン適用部は、上記基準画像の画素値から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、上記黒つぶれ信頼度に基づいて上記ゲインを空間平滑化した上で上記処理対象画素に対して適用する平滑化処理部とを備えてもよい。また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン適用部は、上記基準画像の画素値および上記基準画像と上記処理対象画像とのチャンネル間比率から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、上記黒つぶれ信頼度に基づいて上記ゲインを空間平滑化した上で上記処理対象画素に対して適用する平滑化処理部とを備えてもよい。これにより、黒つぶれ信頼度に基づいて空間平滑化したゲインにより照明成分を変換させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン適用部は、上記基準画像と上記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出部と、上記動被写体信頼度に基づいて上記ゲインを空間平滑化した上で上記処理対象画素に対して適用する平滑化処理部とを備えてもよい。また、この第1の側面において、上記動被写体信頼度算出部は、上記基準画像と上記処理対象画像の対応画素の分光反射率の変化に応じて上記動被写体信頼度を算出する分光反射率変化量予測部を備えてもよい。これにより、動被写体信頼度に基づいて空間平滑化したゲインにより照明成分を変換させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記基準画像または上記処理対象画像の解像度を変換した上で上記チャンネルゲイン算出部に供給する解像度変換部をさらに具備してもよい。その際、この第1の側面において、上記解像度変換部は、画素の間引きによる縮小により上記解像度変換を行ってもよく、ブロック内の画素の平均に基づく縮小により上記解像度変換を行ってもよい。また、ブロック内の画素の中央値に基づく縮小により上記解像度変換を行ってもよい。また、エッジ保存型平滑化フィルタ処理により上記解像度変換を行ってもよい。これにより、基準画像と処理対象画像のサイズを合致させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、連続して撮像された画像を格納するためのフレームメモリと、上記連続撮像された画像を重み付けしながら加算して入力画像を作成する加算部と、上記連続撮像に使用する制御パラメータを決定して撮像の繰り返し制御を行う制御パラメータ決定部とをさらに具備してもよい。これにより、連続撮像された複数の画像から合成された画像を入力画像として利用させるという作用をもたらす。
また、この第1の側面において、上記基準画像はフラッシュ発光無しで撮像された画像として、上記処理対象画像はフラッシュ発光有りで撮像された画像とした組合せを利用してもよい。
また、この第1の側面において、上記チャンネルゲイン適用部は、上記処理対象画像の画素値から輝度を算出する輝度算出部と、画素間の輝度の差に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で上記処理対象画素に対して適用する平滑化処理部とを備えてもよい。この場合において、上記輝度算出部は、上記処理対象画像の画素値に対して予め設定された重みによる線形和として上記輝度を算出してもよく、また、上記基準画像と上記処理対象画像の対応画素の強度比を目的変量とし、上記処理対象画像の画素値を説明変量とした重回帰分析に基づいて前記輝度を算出してもよい。
また、本発明の第2の側面は、空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出部と、上記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出部と、ブロックヒストグラムとブロック積分値と当該画素位置の輝度値とから当該画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和部と、上記処理対象画像に上記大局ゲイン値を適用するゲイン適用部とを具備する画像処理装置である。これにより、異なる照明環境下で撮像された基準画像を利用して大局ゲイン値を求め、この大局ゲイン値を適用することにより処理対象画像の各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換させるという作用をもたらす。
また、この第2の側面において、上記ブロック毎の特性値の積分値は、上記各ブロックに属する画素のチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインのチャンネル毎の総和であってもよく、上記各ブロックに属する画素の照明成分を変換するためのゲインのチャンネル毎の中央値にブロック内処理対象画像の画素の頻度値をかけたものであってもよい。
また、この第2の側面において、上記加重積和部は、予め定義された空間軸方向の重み関数によって当該画素位置への上記ブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間部と、予め定義された空間軸方向の重み関数によって当該画素位置への上記ブロック毎の特性値の補間を行う第2の補間部と、予め定義された輝度軸方向の重み関数によって上記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和部と、予め定義された輝度軸方向の重み関数によって上記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和部と、上記第2の積和部の出力を上記第1の積和部の出力によって除算する除算部とを備えてもよい。また、この加重積和部における保管処理は、順序を入れ替えて、輝度方向の補間、空間方向の補間の順で行っても構わない。
また、この第2の側面において、上記加重積和部は、上記ブロック毎の特性値を上記ブロックヒストグラムの値で除算することによってブロック位置毎の平均特性値を計算する除算部と、上記平均特性値と当該画素位置に関する特性値とを比較することによって重みを計算する比較部と、上記比較部において算出された重みを対応するブロック位置の上記ブロック毎の特性値に乗じる第1の乗算部と、上記比較部において算出された重みを対応するブロック位置の上記ブロックヒストグラムの値に乗じる第2の乗算部と、予め定義された空間軸方向の重み関数によって当該画素位置へ上記第1の乗算部の出力である重み付きブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間部と、予め定義された予め定義された空間軸方向の重み関数によって当該画素位置への第2の乗算部の出力であるブロック毎の重み付き特性値の補間を行う第2の補間部と、予め定義された輝度軸方向の重み関数によって上記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和部と、予め定義された輝度軸方向の重み関数によって上記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和部と、上記第2の積和部の出力を上記第1の積和部の出力によって除算する除算部とを備えてもよい。
本発明によれば、照明環境が異なる複数枚画像から照明成分による影響を取り除き、色再現性の高い画像を生成することができるという優れた効果を奏し得る。
本発明の実施の形態における撮像装置の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。 本発明の実施の形態において想定するモザイク画像の色配列の一例としてのベイヤー配列を示す図である。 本発明の実施の形態において想定するモザイク画像の色配列の一例としてのベイヤー配列におけるベイヤーセットを示す図である。 本発明の第1の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン算出部250の構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における黒つぶれ度の一例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における黒つぶれ度の他の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における飽和度の一例を示す図である。 本発明の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の第1の構成例を示す図である。 本発明の実施の形態における撮像装置の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における照明成分変換処理手順の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン算出処理手順の動作例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用処理手順の動作例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における飽和信頼度の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における黒つぶれ信頼度の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における黒つぶれ信頼度の他の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における動被写体信頼度算出部460の構成例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における比率逆転度の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における予測比率の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態における分光反射率変化量の一例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の動作例を示す図である。 本発明の実施の形態における動被写体信頼度算出部460の動作例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の構成例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における加重積和部561および562の構成例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における輝度重み関数の形状の一例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における平滑化処理部480の動作例の前半を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における平滑化処理部480の動作例の後半を示す図である。 本発明の第3の実施の形態におけるブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の動作例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態における加重積和部561および562の動作例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の構成例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における平滑化処理部480の構成例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における照明成分変換処理部120の動作例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の動作例を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における平滑化処理部480の動作例の前半を示す図である。 本発明の第4の実施の形態における平滑化処理部480の動作例の後半を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態におけるフレーム加算部280の構成例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における照明成分変換処理部120の動作例の前半を示す図である。 本発明の第5の実施の形態における照明成分変換処理部120の動作例の後半を示す図である。 本発明の第6の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。 本発明の第7の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。 本発明の第8の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の他の処理機能例を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図48の処理機能例に対応する動作例の前半を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図48の処理機能例に対応する動作例の後半を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図49の処理機能例に対応する動作例の1枚目を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図49の処理機能例に対応する動作例の2枚目を示す図である。 本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図49の処理機能例に対応する動作例の3枚目を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における加重積和部561および562の構成例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における加重積和の重みθの算出例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の他の処理機能例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の図58の処理機能例に対応する加重積和部561および562の構成例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の図55の処理機能例に対応する動作例を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における加重積和部561および562の動作例の前半を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における加重積和部561および562の動作例の後半を示す図である。 本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の動作例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。説明は以下の順序により行う。
1.第1の実施の形態(乗算によりゲイン適用を行う例)
2.第2の実施の形態(重み付け平滑化によりゲイン適用を行う例)
3.第3の実施の形態(ブロックヒストグラムを利用したエッジ保存型平滑化によりゲイン適用を行う例)
4.第4の実施の形態(入力画像に対して解像度変換を行う例)
5.第5の実施の形態(フレームメモリを利用して入力画像を合成する例)
6.第6の実施の形態(ホワイトバランス処理を照明成分変換処理の前段で行う例)
7.第7の実施の形態(ホワイトバランス処理された入力画像を用いる例)
8.第8の実施の形態(ガンマ補正処理された入力画像を用いる例)
9.第9の実施の形態(重回帰分析を利用して輝度を算出する例)
10.第10の実施の形態(ゲインを利用して平滑化を行う例)
<1.第1の実施の形態>
[撮像装置の構成例]
図1は、本発明の実施の形態における撮像装置の一例を示す図である。この撮像装置は、大別して光学系、信号処理系、記録系、表示系、および、制御系から構成される。
光学系は、被写体の光画像を集光するレンズ11と、光画像の光量を調整する絞り12と、集光された光画像を光電変換して電気信号に変換する撮像素子13とから構成される。撮像素子13は、例えば、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサなどにより実現される。
信号処理系は、サンプリング回路21と、A/D変換回路22と、画像処理回路23とから構成される。サンプリング回路21は、撮像素子13からの電気信号をサンプリングするものである。このサンプリング回路21は、例えば、相関2重サンプリング回路(CDS:Correlated Double Sampling)によって実現される。これにより、撮像素子13で発生するノイズが軽減される。A/D変換回路22は、サンプリング回路21から供給されるアナログ信号をディジタル信号に変換するものである。画像処理回路23は、A/D変換回路22から入力されるディジタル信号に所定の画像処理を施すものである。この画像処理回路23は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)によって実現される。なお、この画像処理回路23により実行される処理の詳細については後述する。
記録系は、画像信号を記憶するメモリ32と、画像処理回路23によって処理された画像信号を符号化してメモリ32に記録し、また、メモリ32から画像信号を読み出して復号し、画像処理回路23に供給する符号化/復号器31とから構成される。なお、メモリ32は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または、半導体メモリ等であってよい。
表示系は、画像処理回路23によって処理された画像信号を表示部42に出力する表示ドライバ41と、入力される画像信号に対応する画像を表示する表示部42とから構成される。表示部42は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等により実現され、ファインダとしての機能も有する。
制御系は、タイミング生成器51と、操作入力受付部52と、ドライバ53と、制御部54と、フラッシュ発光部61と、フラッシュ制御部62とから構成される。タイミング生成器51は、撮像素子13、サンプリング回路21、A/D変換回路22、および、画像処理回路23の動作タイミングを制御するものである。操作入力受付部52は、ユーザによるシャッタ操作やその他のコマンド入力を受け付けるものである。ドライバ53は、周辺機器を接続するためのドライバである。このドライバ53には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または、半導体メモリ等が接続される。制御部54は、撮像装置全体を制御するものである。この制御部54は、これらに記憶されている制御用プログラムを、ドライバ53を介して読み出し、読み出した制御用プログラムや操作入力受付部52から入力されるユーザからのコマンド等に基づいて制御を行う。フラッシュ発光部61は、撮像の際に被写体に光を照らすためのものであり、ストロボと呼ばれることもある。フラッシュ制御部62は、フラッシュ発光部61を制御するものであり、ユーザからの指示や周囲の明るさ等に従ってフラッシュ発光部61を発光させる。
画像処理回路23、符号化/復号器31、メモリ32、表示ドライバ41、タイミング生成器51、操作入力受付部52、制御部54、および、フラッシュ制御部62は、バス59を介して相互に接続されている。
この撮像装置において、被写体の光学画像(入射光)は、レンズ11および絞り12を介して撮像素子13に入射され、撮像素子13によって光電変換されて電気信号となる。得られた電気信号は、サンプリング回路21によってノイズ成分が除去され、A/D変換回路22によってディジタル化された後、画像処理回路23が内蔵する(図示しない)画像メモリに一時格納される。
なお、通常の状態では、タイミング生成器51による信号処理系に対する制御により、画像処理回路23の内蔵する画像メモリには、一定のフレームレートで絶えず画像信号が上書きされるようになされている。画像処理回路23の内蔵する画像メモリの画像信号は、表示ドライバ41を介して表示部42に出力され、対応する画像が表示部42に表示される。
表示部42は、撮像装置のファインダとしての役割も担っている。ユーザが操作入力受付部52に含まれるシャッタボタンを押下した場合、制御部54は、タイミング生成器51に対して、シャッタボタンが押下された直後の画像信号を保持するように、すなわち、画像処理回路23の画像メモリに画像信号が上書きされないように、信号処理系を制御する。画像処理回路23の画像メモリに保持された画像データは、符号化/復号器31によって符号化されてメモリ32に記録される。以上のような撮像装置の動作によって、1枚の画像データの取込みが完了する。
[画像処理回路23の処理機能例]
図2は、本発明の第1の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。画像処理回路23は、照明成分変換処理部120と、ホワイトバランス処理部130と、デモザイク処理部140と、階調補正処理部150と、ガンマ補正処理部160と、YC変換処理部170とを備える。この画像処理回路23は、A/D変換回路22によってデジタイズされたモザイク画像を入力画像として画像処理を施すものである。モザイク画像は、各画素にR、G、Bの何れかの色に対応する強度信号が格納されたものであり、その色配列は図3に示すようなベイヤー配列を想定している。なお、モザイク画像は、RAWデータと呼ばれることもある。また、各画素で格納する強度信号は、R、G、Bに限らず、C、M、Y、または、それ以外の色情報でも構わない。
画像処理回路23は、入力部に基準モザイク画像保持部111および処理対象モザイク画像保持部112を備える。基準モザイク画像保持部111は、基準(criterion)となるモザイク画像(基準画像M)を保持するメモリである。処理対象モザイク画像保持部112は、処理対象(subject)となるモザイク画像(処理対象画像M)を保持するメモリである。本発明の実施の形態では、基準画像における色バランス(色の比率)を利用して処理対象画像の色バランスを調整することを想定する。
照明成分変換処理部120は、基準画像における色の比率を利用して処理対象画像の照明成分を変換して、モザイク画像Mを生成するものである。すなわち、処理対象画像には、基準画像の色バランスと等しくなるようにチャンネル毎に適切な係数が掛けられて、単一の光源の色バランスに変換される。なお、この照明成分変換処理部120の構成については後述する。
ホワイトバランス処理部130は、モザイク画像Mに対してホワイトバランス処理を施すものである。このホワイトバランス処理部130は、モザイク画像Mに対して、無彩色の被写体領域の色バランスが無彩色になるように、各画素強度の持つ色に応じて適切な係数を掛けるものである。このホワイトバランス処理を施されたモザイク画像Mは、デモザイク処理部140に供給される。
デモザイク処理部140は、モザイク画像Mの各画素位置にR、G、Bの全てのチャネルの強度が揃うように補間処理(デモザイク処理)を行うものである。この補間処理の施されたデモザイク画像[R,G,Bは、R(Red:赤)、G(Green:緑)、B(Blue:青)の3つの色に対応する3つの画像(RGB画像)であり、階調補正処理部150に供給される。なお、行列Aは、行列Aの転置行列を意味する。
階調補正処理部150は、デモザイク処理部140の出力の画像[R,G,Bにおける各画素に階調補正処理を施すものである。この階調補正処理の施された画像[R,G,Bは、ガンマ補正処理部160に供給される。
ガンマ補正処理部160は、画像[R,G,Bに対してガンマ補正処理を施すものである。ガンマ補正処理は、表示部42において入力画像に忠実な表示を再現するための補正である。このガンマ補正処理部160の出力[R γ,G γ,B γは、YC変換処理部170に供給される。
YC変換処理部170は、ガンマ補正された3チャネル画像[R γ,G γ,B γにYCマトリックス処理およびクロマ成分に対する帯域制限を行うことにより、輝度信号Yおよび色差信号C(Cr,Cb)を出力するものである。この輝度信号および色差信号は、それぞれY画像保持部191およびC画像保持部192に保持されて、画像処理回路23の後段の符号化/復号器31に供給される。
なお、表示ドライバ41には、通常の場合、RGB信号が供給される。このRGB信号は、YC変換処理部170の出力である輝度信号および色差信号をRGB信号に変換したものである。
[ベイヤー配列とベイヤーセット]
図3は、本発明の実施の形態において想定するモザイク画像の色配列の一例としてのベイヤー配列を示す図である。このベイヤー配列では、Gの色の画素が市松状に配置され、それ以外の画素位置ではRの色の画素が水平方向および垂直方向に1画素おきの正方格子状に配置され、残りの画素位置にBの色の画素が水平方向および垂直方向に1画素おきの正方格子状に配置されている。
図4は、本発明の実施の形態において想定するモザイク画像の色配列の一例としてのベイヤー配列におけるベイヤーセットを示す図である。本発明の実施の形態では、照明成分変換処理部120における照明成分の変換処理の際にモザイク画像の横2画素×縦2画素の4画素を単位として扱ってもよい。この4画素の集合をベイヤーセットと称する。具体的には、G、B、R、Gの4つの画素に接する位置601を中心として、それら4つの画素をまとめたものがベイヤーセット602となる。
[照明成分変換処理部120の構成例]
図5は、本発明の第1の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。照明成分変換処理部120は、デモザイク処理部221および222と、ホワイトバランス算出部230と、基準画像ホワイトバランス保持部240と、チャンネルゲイン算出部250と、チャンネルゲイン適用部260とを備える。
デモザイク処理部221は、基準モザイク画像保持部111に保持された基準画像に対してデモザイク処理を施して、画素毎に強度や信頼度を求めるために必要なチャンネルが揃った基準画像のデモザイク画像I(p)を生成するものである。なお、pは各画素位置を表す。デモザイク処理部222は、処理対象モザイク画像保持部112に保持された処理対象画像に対してデモザイク処理を施して、画素毎に強度や信頼度を求めるために必要なチャンネルが揃った処理対象画像のデモザイク画像I(p)を生成するものである。なお、本発明の第1の実施の形態においては、強度を求めるためのGチャンネルが画素毎に求まっていればよい。
デモザイク処理部221および222は、デモザイク処理を行う際、図4のベイヤーセット602を処理単位として位置601へデモザイクする簡易的な処理で構わない。このときのデモザイク方法は、RおよびBチャンネルの画素はそのまま使用し、Gチャンネルの画素は2つの画素の平均をとるような処理でよい。この場合は、縦横1/2に縮小され、3チャンネル揃った画像が作成される。また、デモザイク処理部221および222におけるデモザイク処理は、図2のデモザイク処理部140におけるデモザイク処理のように、より広い領域を参照して画素毎に行うものであってもよい。この場合は、縮小は行われず、デモザイクのみが行われることになる。また、画素毎にデモザイク処理を行った際にはデモザイク前の画素pとデモザイク後の画素pが等しくなり、モザイク画像Msからゲイン適用部への線は不要になる。
ホワイトバランス算出部230は、基準モザイク画像保持部111に保持された基準画像に対してチャンネル毎のホワイトバランスゲインを算出するものである。このときのホワイトバランスの算出方法としては、グレイワールド仮説に基づき画面全体のRGB画素の平均値の比率を1:1:1にするようなゲインとして求めてもよい。また、別の算出法としては、処理対象モザイク画像保持部112に保持された処理対象画像とあわせて特開2006−67561号公報の第0071乃至0081段落に記載されているように最適化問題としてホワイトバランスを求めることも可能である。さらに、図2におけるホワイトバランス処理部130と同様の手法により設定しても構わない。また、ホワイトバランスは撮像前に事前に設定する形を取ることも可能である。設定する方法としては、カラーメータ等の別機器によって計測された色温度に基づいて、撮像時に撮像者が設定することが想定される。蛍光灯や曇天などシーンを設定することで、プリセットホワイトバランスを利用して設定することもできる。または、カスタムホワイトバランス(白セット)機能などを利用して白色物体を撮像することで設定するようにしてもよい。算出されたホワイトバランスは、基準画像ホワイトバランス保持部240に格納される。
チャンネルゲイン算出部250は、基準画像および処理対象画像のR、G、Bの値、および、基準画像のホワイトバランスから、色バランス調整のためのチャンネル毎のゲインFS(p)を算出するものである。このゲインFS(p)は、処理対象画像の照明成分を変換するためのチャンネル毎のゲイン値である。このゲインは、後述するように、何れかのチャンネルを基準として、基準画像と処理対象画像との比を求めることにより得ることができる。例えば、Gチャンネルを基準とした場合、GチャンネルのゲインFS(p)は、「1」になる。このチャンネルゲイン算出部250によって算出されたゲインは、チャンネルゲイン適用部260に供給される。
チャンネルゲイン適用部260は、チャンネルゲイン算出部250によって算出されたゲインを処理対象画像の各チャンネルに適用するものである。ゲイン適用の詳細については後述するが、最も単純な適用の態様としては、処理対象画像にゲインを乗算することが考えられる。このチャンネルゲイン適用部260によってゲイン適用されたモザイク画像Mは照明成分変換済モザイク画像保持部290に保持されて、後段のホワイトバランス処理部130に供給される。
[チャンネルゲイン算出部250の構成例]
図6は、本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン算出部250の構成例を示す図である。このチャンネルゲイン算出部250は、色変換ゲイン算出部311および312を備えて、ゲインS(p)を算出する。
本発明の実施の形態では、同一の被写体に対して異なる照明環境で撮像された2枚の画像(基準画像および処理対象画像)を用いて各画素のチャンネル毎にゲインを求め、適用することで、色再現性の高い画像を生成する。基準画像とは、すでに画素毎のホワイトバランスが求められており、または、従来手法等で容易に求めることができる画像である。一方、処理対象画像とは、基準画像とは色温度の異なる複数光源下で撮像された画像など、その画像単体からでは画素毎のホワイトバランスゲインの推定が困難である画像を想定している。これにより、基準画像のホワイトバランスを求めることで、間接的に処理対象画像のホワイトバランスを算出することが可能となり、複数光源下で撮像された画像に対するホワイトバランスの問題を解決することができる。具体的な組み合わせとしては、フラッシュを発光させずに撮像した画像と、フラッシュを発光させて撮像した画像との組合せが想定される。また、他の例として、蛍光灯の影響による帯状のノイズ(フリッカー)を有する画像と有しない画像との組合せや、複数光源が存在する環境下で光源が変化した画像の組合せ等が想定される。
各画素でのセンサで計測される強度をI、照明強度をE、分光反射率をρとすると、次式の関係により近似することができる。
I(p)=E(p)・ρ(p)
ただし、
Figure 0005589585
である。ここで基準画像の強度をI、処理対象画像の強度をIとして2枚の画像の比をとると、チャンネル毎に分光反射率ρの影響を近似的に打ち消すことができ、次式のように分光反射率に依存しない照明成分の比率Koを求めることができる。
Figure 0005589585
2枚の画像の比較に際しては、撮像条件を補正し、露出条件を揃えることによって、Koの値を正規化し、Koを純粋な照明色バランスの比とすることができる。このKoの値で処理対象画素Iを除算することによって、処理対象画素の照明成分を基準画像の照明の色バランスに写像することができる。ただし、単純にKoで除算したのでは、色バランスとともに、信号強度に対しても基準画像の強度に揃えてしまうことになり、フラッシュによる強度の改善効果が失われてしまう。そこで、照明強度を維持するために、強度変化を打ち消す補正を加え、ゲインSを次式のように表すことができる。
Figure 0005589585
ここで、KIは強度の定義に応じて画素毎に決まる値であり、本発明の実施の形態では、一般的なホワイトバランスのゲインに倣って、Gチャンネルの値を固定するために、次の関係を用いる。
KI(p)=Ko(p)=G(p)/G(p)
すなわち、
Figure 0005589585
となる。色変換ゲイン算出部311および312は、上式により、それぞれゲインS(p)およびS(p)を算出する。なお、本発明の実施の形態ではGチャンネルの値を固定することを前提としたため、ゲインS(p)は常に「1」となる。なお、Gチャンネルの値を固定にしたのは、Gチャンネルの信号が最も画素数が多く、また、感度が高いため、信頼性が高いと考えられるからである。
なお、本発明の実施の形態では、画像間の同チャンネルの比率Koを経由してゲインSを算出しているが、同様の処理を、演算順序を変えて実現しても構わない。一般に、除算処理は演算コストが高い処理であるため、演算量削減のために、逆数ルックアップテーブルによる処理や、対数に変換したうえで減算するなどの手法を用いることが望ましい。また、KIの値としては画素毎の輝度値など、Gチャンネル以外の比率も使えることはいうまでもない。
このようにして得られたゲインをチャンネルゲイン適用部260において各画素に乗じることにより、基準画像の色バランスで、照明強度が処理対象画像に等しい画像を得ることができる。本発明の実施の形態による手法では光源の分離は行わず、処理対象画像の合成光を一つの光源と見て基準画像の照明の色バランスに写像する。このため、2枚の画像の差分が複数光源から構成されていても正常に動作する。
ただし、上式では基準画像の色バランスが正しいことが前提となっているが、各画素のチャンネルが飽和または黒つぶれを生じている場合には、基準画素の色バランス自体が正しくないことになる。また、動被写体に相当する画素でも、比率Koが正しく求まらずゲインSが非常に大きい値または非常に小さい値となることがある。そのため、照明成分変換処理部120は、さらに、上限値クリッピング部321および322と、下限値クリッピング部331および332とを備える。これにより、ゲインの値に上限値および下限値を設定してクリッピング処理を行って、極端なアーチファクトを抑制する。また、照明成分変換処理部120は、さらに、黒つぶれ補償部341および342と、黒つぶれ度算出部345と、飽和補償部351および352と、飽和度算出部355とを備える。これにより、黒つぶれや飽和に対する基準値を与え、ゲインSの有効性を判定し、その度合いに応じて、黒つぶれや飽和時特有の方策で定めた補償値との加重平均をゲインとすることで、大きな破綻をしないゲインを求める。
上限値クリッピング部321および322は、ゲインS(p)またはS(p)がその上限値を超えている場合に、上限値になるようクリッピング処理を行うものである。下限値クリッピング部331および332は、ゲインS(p)またはS(p)がその下限値を下回っている場合に、下限値になるようクリッピング処理を行うものである。ゲイン上限値は、ゲイン上限値R保持部323またはゲイン上限値B保持部324に予め設定することができる。また、ゲイン下限値は、ゲイン下限値R保持部333またはゲイン下限値B保持部334に予め設定することができる。ゲイン上限値およびゲイン下限値は、外部から設定されてもよく、また、内部で算出された上で設定されてもよい。ゲイン上限値およびゲイン下限値を算出する際には、次式を用いることができる。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
上式において、WBは基準画像に対するホワイトバランスであり、WBは処理対象画像に対するホワイトバランスである。これにより、後段のホワイトバランス処理部130におけるゲインと合わせて、各画素にかかるゲインが、チャンネルに応じた基準画像のホワイトバランスと処理対象画像のホワイトバランスの間に収まり、大きな破綻を防ぐことができる。ここで、WBとしては、ホワイトバランス算出部230で算出された値を用いることができる。また、WBとしては、図1のフラッシュ発光部61に対して事前に測定することにより求められたホワイトバランス値を用いることができ、また、WBと同様の手法で処理対象画像から求められた値を用いてもよい。
上限値クリッピング部321および322によってクリッピング処理されたゲインSmaxcR(p)およびSmaxcB(p)は、下限値クリッピング部331および332に供給される。また、下限値クリッピング部331および332によってクリッピング処理されたゲインSmincR(p)およびSmincB(p)は、黒つぶれ補償部341および342に供給される。
黒つぶれ度算出部345は、基準画像または処理対象画像の特定のチャンネルの値に基づいて、黒つぶれを生じている度合いを示す黒つぶれ度を算出するものである。ここでは、特定のチャンネルとして、Gチャンネルを想定する。一般に、画像センサにおいて黒つぶれ領域では、センサの特性に線形性がなくなる。さらに完全に黒つぶれし、画素値が0になってしまったチャンネルに関しては、比率Koが正しく求まらない。そこで、画素値が非常に小さい画素は、別の方法でゲインを算出する必要がある。処理対象画像の当該画素が暗い時には間違ったゲインを算出して色バランスを適用しても目立たないが、当該画素がフラッシュにより十分な輝度を持った時には色バランスの破綻が大きく目立つ。このことから、黒つぶれ度に求められる特性は、基準画像が非常に小さな値では大きな値を取るとともに、フラッシュにより処理対象画像が十分に明るくなった時に大きな値を示すことが望ましい。
そこで、黒つぶれ度PGB(p)は、図7および次式のように、0からある閾値となるGcの値まで急激に減少し、閾値以降は0となるような値を用いることが有効である。
Figure 0005589585
ここでGwhite_levelは、Gの上限値である。この式は、基準画像の画素値から黒つぶれ度を算出するものである。
また、フラッシュが当たることで明るくなったことをより明確にするために、図8および次式により黒つぶれ度PGB(p)を設定してもよい。この式は、基準画像の画素値および基準画像と処理対象画像とのチャンネル間比率から黒つぶれ度を算出するものである。
Figure 0005589585
ここでexpCVは基準画像と処理対象画像の絞り、シャッタースピード、および、センサに対するISO感度設定の違いに起因する露出の相違を補正するための係数である。また、簡易的には、Exif情報に基づく次式によりexpCVを設定してもよい。ただし、Fは絞りを表すF値、tはシャッタースピード、ISOはISO感度である。それぞれの添字cは基準画像を意味し、添字sは処理対象画像を意味する。
Figure 0005589585
後者の黒つぶれ度では、0から露出を合わせたG・expCVの値まで急激に減少し、G・expCV以降は0となっている。単調減少性から、基準画像のGの強度Gが小さく黒つぶれしている時に、大きな値を持つ。さらに、0からGs・expCVまで下に凸の属性を持つことで、露出調整後の基準画像と処理対象画像の比率が大きい時、すなわちフラッシュの寄与率が大きい時に、大きな値をとる。このような特性を持つ重みであれば、重みの算出方法は上述の式に限定されるものではない。
黒つぶれ補償値R保持部343および黒つぶれ補償値B保持部344は、黒つぶれを補償する際の基準となる黒つぶれ補償値を保持するものである。この黒つぶれ補償値は、処理対象画素の照明成分がほぼフラッシュによるものであると考えて、WBs/WBcとすることが有効である。このときのWBc、WBsは、上限値および下限値算出に用いられたホワイトバランスと同様の値を使用することができる。またここでのWBsは、特許第3889017号公報に記載された二重ホワイトバランス補正により求められたホワイトバランス値を用いてもよい。
黒つぶれ補償部341および342は、ゲインSminc(SmincR(p)およびSmincB(p))を黒つぶれ補償値R保持部343および黒つぶれ補償値B保持部344に保持される黒つぶれ補償値に近づける処理を行うものである。具体的には、黒つぶれ補償部341および342は、黒つぶれ度PGB(p)を重みとしたSmincと黒つぶれ補償値との案分処理(加重平均)により、ゲインSblacR(p)およびSblacB(p)を生成する。
飽和度算出部355は、基準画像のGチャンネルの値に基づいて、基準画像が飽和(白飛び)している度合いを示す飽和度を算出するものである。一般に、画像センサの飽和領域においては、センサの特性に線形性がなくなる。そして、さらに完全に飽和し、値が上限値に至ってしまったチャンネルに関しては、比率Koが正しく求まらない。そこで、画素値が非常に大きな画素については、別な方法でゲインを算出する必要がある。飽和度PGS(p)は、図9のような特性を持つ値が有効であると考えられる。すなわち、ある閾値の値まで飽和度は0であり、基準画像のGの強度Gが閾値を超えた領域において急激に飽和度が大きくなる。基準画素が飽和している場合には、処理対象画素においても照明成分のうち環境光成分が十分な大きさを有することが期待される。
飽和補償値R保持部353および飽和補償値B保持部354は、飽和を補償する際の基準となる飽和補償値を保持するものである。この飽和補償値は「1」とすることが有効であると考えられる。
飽和補償部351および352は、ゲインSblac(SblacR(p)およびSblacB(p))を飽和補償値R保持部353および飽和補償値B保持部354に保持された飽和補償値に近づける処理を行うものである。具体的には、飽和補償部351および352は、飽和度PGS(p)を重みとしたゲインSblacと飽和補償値との案分処理(加重平均)により、ゲインFS(p)およびFS(p)を生成する。
なお、上述の黒つぶれ度算出部345および飽和度算出部355では、Gチャンネルを用いて黒つぶれ度や飽和度の判定を行ったが、これはGチャンネルに限定されるものではない。R、Bチャンネル、またはそれらの最大最小、線形和、輝度値などによる判定も有効である。
チャンネルゲイン算出部250では、色変換ゲイン算出部311、312で求めるゲインにおける強度、黒つぶれ度算出部345における黒つぶれ度判定、飽和度算出部355における飽和度判定においてGチャンネルを用いたため、モザイク画像上における元々のチャンネルに加えて画素毎にGチャンネルの値を持つことが必要となるが、それ以外のチャンネルに関しては必ずしも必要ではない。また、この画素毎に必要になるチャンネルは強度の基準とするチャネルを変化させることに伴い変化する。
[チャンネルゲイン適用部260の第1の構成例]
図10は、本発明の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の第1の構成例を示す図である。このチャンネルゲイン適用部260の第1の構成例は、乗算部261および262を備える。乗算部261は、デモザイク処理部222からの処理対象画像I(p)のR(p)とチャンネルゲイン算出部250からのゲインFS(p)とを乗算するものである。乗算部262は、デモザイク処理部222からの処理対象画像I(p)のB(p)とチャンネルゲイン算出部250からのゲインFS(p)とを乗算するものである。両者の処理を式に表すと、次式のようになる。
(p)=FS(p)×R(p)
(p)=FS(p)×B(p)
これらR(p)およびB(p)は、それぞれモザイク画像MのRチャンネルおよびBチャンネルを構成する。また、本発明の実施の形態ではGチャンネルに対するゲインを1に固定しているため、照明成分変換処理の前後でGチャンネルに値に変化がない。そのため、処理対象画像のモザイク画像MのGの画素を、それぞれモザイク画像M上の対応する位置のGとして読み出して格納する。ゲイン算出時に保持する信号の強度によってGチャンネルに対してもゲインの適用が必要になる。その際には、チャンネルゲイン算出部250において、R、Bチャンネルに準じた形でGチャンネル用のゲインを算出するとともに、チャンネルゲイン適用部260においてゲインを適用する。
なお、このチャンネルゲイン適用部260の第1の構成例においては、デモザイク処理部221からの基準画像I(p)の入力は不要になる。
[動作例]
図11は、本発明の実施の形態における撮像装置の動作例を示す図である。まず、フラッシュ発光部61を発光させずに撮像が行われ(ステップS901)、基準画像のモザイク画像Mとして基準モザイク画像保持部111に格納される(ステップS902)。次に、フラッシュ発光部61を発光させた撮像が行われ(ステップS903)、処理対象画像のモザイク画像Mとして処理対象モザイク画像保持部112に格納される(ステップS904)。
その後、画像処理回路23の照明成分変換処理部120が、撮像された2枚の画像に基づいて処理対象画像の色バランスを調整し、照明成分を単一の光源の色バランスに変換する(ステップS910)。そして、ホワイトバランス処理部130がモザイク画像の色バランスを調整する(ステップS905)。次に、デモザイク処理部140がモザイク画像から各画素にRGBの情報が揃ったRGB画像を生成する(ステップS906)。次に、階調補正処理部150がRGB画像に対して階調補正処理を行う(ステップS907)。次に、ガンマ補正処理部160が階調補正された画像に対してガンマ補正処理を施す(ステップS908)。次に、YC変換処理部170がガンマ補正されたRGB画像をYC画像に変換する(ステップS909)。変換されたYC画像は、LCDへの表示または記録媒体への保存のために出力される。以上で1フレーム分の画像処理部の動作が終了する。後続のフレームの入力がなければ、画像処理部の動作は終了する。なお、フラッシュ発光部61の発光の有無については、先に発光有りの画像を撮像するようにして、撮像順序を逆にしてもよい。
図12は、本発明の第1の実施の形態における照明成分変換処理手順(ステップS910)の動作例を示す図である。まず、基準画像が読み出され(ステップS911)、この基準画像に対するチャンネル毎のホワイトバランスが算出される(ステップS912)。算出されたホワイトバランスは、基準画像ホワイトバランス保持部240に保持される(ステップS913)。以降、以下のステップにおいて、画素毎の処理が画面全体に対して進められる。
次に、処理対象画像が読み出される(ステップS914)。これら読み出された基準画像および処理対象画像は、デモザイク処理部221および222においてそれぞれデモザイク処理が施される(ステップS915およびS916)。この際、デモザイク処理の順序は問わない。そして、チャンネルゲイン算出部250において、基準画像および処理対象画像のR、G、Bの値から色バランス調整のためのチャンネル毎のゲインが算出される(ステップS917)。この算出されたゲインは、チャンネルゲイン適用部260において、処理対象画像の各チャンネルに適用される(ステップS918)。このようにして処理された処理対象画像は、照明成分変換済モザイク画像保持部290に保持される(ステップS919)。
ステップS911乃至S919の処理が終了すると、1フレーム分の照明成分変換処理を終了する。
図13は、本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン算出処理手順(ステップS917)の動作例を示す図である。まず、ゲイン上限値R保持部323、ゲイン上限値B保持部324、ゲイン下限値R保持部333およびゲイン下限値B保持部334に、それぞれゲイン上限値または下限値が設定される(ステップS921)。また、黒つぶれ補償値R保持部343および黒つぶれ補償値B保持部344に黒つぶれ補償値が設定され、飽和補償値R保持部353および飽和補償値B保持部354に飽和補償値が設定される(ステップS922)。そして、以下の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL702)。
ループL702において、処理対象画像の画素および基準画像の画素が取得される(ステップS923)。そして、黒つぶれ度算出部345において黒つぶれ度が算出され(ステップS924)、飽和度算出部355において飽和度が算出される(ステップS925)。そして、さらに以下の処理が各チャンネル(RチャンネルおよびBチャンネル)を対象として繰り返される(ループL703)。
ループL703において、色変換ゲイン算出部311および312により色変換ゲインが算出される(ステップS926)。このとき、ゲイン上限値B保持部324またはゲイン上限値R保持部323に保持されたゲイン上限値を超えている場合には(ステップS927)、ゲイン上限値によるクリッピング処理が行われる(ステップS928)。ゲイン下限値R保持部333またはゲイン下限値B保持部334に保持されたゲイン下限値を下回っている場合には(ステップS929)、ゲイン下限値によるクリッピング処理が行われる(ステップS931)。これらクリッピング処理は、下限値、上限値の順でも構わない。また、黒つぶれ補償部341または342において、黒つぶれ度に応じた黒つぶれ補償が行われる(ステップS932)。また、飽和補償部351または352において、飽和度に応じた飽和度補償が行われる(ステップS933)。このようにして得られたゲインは、(図示しない)メモリに格納される(ステップS934)。
ループL703におけるステップS926乃至S934の処理が終了すると、次のチャンネルに関して同様の処理が繰り返される。全てのチャンネルに対する処理が終了すると、ループL703を抜けて次の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が終了すると、ループL702を抜けて、1フレーム分のチャンネルゲイン算出処理を終了する。なお、本発明の第1の実施の形態においては、ステップS923とステップS924の間に図12におけるステップS915、ステップS916で行われるデモザイク処理を画素ごとの処理として挿入することが可能である。これにより、図12におけるステップS914乃至ステップS916の処理をループL702内にて併せて行うことができる。
図14は、本発明の第1の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用処理手順(ステップS918)の動作例を示す図である。ここでは、以下の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL704)。
ループL704において、処理対象画像のRGB値(R(p)およびB(p))およびゲイン(FS(p)およびFS(p))が取得される(ステップS937)。これらRGB値とゲインはチャンネル毎に乗算部261および262によって乗算される(ステップS938)。この乗算結果は、ゲイン適用されたモザイク画像Mの画素値としてチャンネル毎に照明成分変換済モザイク画像保持部290の処理対象画像のモザイク画像M上の元画素位置に応じた位置に保持される(ステップS939)。また、ここでいうステップS939の処理は、図12におけるステップS919のことであり、いずれかで処理結果を格納することによって他の処理を省略することができる。
全ての画素における処理が終了すると、ループL704を抜けて、1フレーム分のチャンネルゲイン適用処理を終了する。なお、本発明の第1の実施の形態においては、ステップS938乃至S939の処理を図13におけるステップS933の直後に挿入することで、図13におけるループL703と図14におけるループL704とを共通のループ処理として構成することができる。また、このとき、ステップS934およびS937は省略される。
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、基準画像の色バランスになるように画素毎のゲインを求めて、これを乗算部261および262によって処理対象画像の各画素に適用することにより、色再現性の高い画像を生成することができる。また、ゲイン算出の際、上限値または下限値の範囲外になった場合には、上限値クリッピング部321、322、下限値クリッピング部331および332においてクリッピング処理を行うことにより、極端なアーチファクトを抑制することができる。また、ゲイン算出の際、黒つぶれや飽和を生じている場合には、黒つぶれ補償部341、342、飽和補償部351および352において補償値との加重平均をゲインとすることで、大きな破綻をしないゲインを得ることができる。
<2.第2の実施の形態>
上述の第1の実施の形態においては、乗算部261および262における単純な乗算によりゲイン適用を行った。しかしながら、実際のゲイン適用の際には画素の座標が微妙にずれることがあり、このままでは外乱に対して十分に対応できない場合も生じ得る。そこで、以下では各画素の信頼度に応じて周囲の画素から平滑化を行うことにより、ロバストなゲイン適用を行う例について説明する。なお、前提となる撮像装置および画像処理回路23の構成については第1の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
[照明成分変換処理部120の構成例]
図15は、本発明の第2の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。この照明成分変換処理部120の構成例は、デモザイク処理部221からの出力がチャンネルゲイン適用部260に入力されている点において、図5により説明した第1の構成例と異なり、この点以外は第1の構成例と同様の構成となっている。したがって、他の構成については説明を省略する。
[チャンネルゲイン適用部260の構成例]
図16は、本発明の第2の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の構成例を示す図である。このチャンネルゲイン適用部260の構成例は、除算部421乃至423と、露出補償部431乃至433と、飽和信頼度算出部440と、黒つぶれ信頼度算出部450と、動被写体信頼度算出部460と、信頼度選択部470と、平滑化処理部480とを備える。
除算部421乃至423は、基準画像と処理対象画像との間の各画素のチャンネル毎の比率Koを生成するものである。一般に、除算は演算コストが高い処理である。したがって、この除算は、演算量削減のために逆数ルックアップテーブルによる処理や、対数に変換した上で減算するなどの手法により実現することが望ましい。
露出補償部431乃至433は、2枚の画像の撮像条件の違いを補償するための処理を行うものである。この露出補償処理によって、基準画像と処理対象画像内の照明環境が等しく静態した領域での露出強度が等しくなるよう強度調整される。一般に、デジタルカメラの撮像では、等しい照明環境下で同一被写体を撮像しても、絞り、シャッタースピード、センサに対するISO感度設定などに依存して、センサで観測される信号強度が異なる。この露出補償処理は、同条件で撮像された被写体が同じ強度となるようにゲインを調整する処理である。
この露出補償処理は、簡易的には、Exif情報の各パラメータから計算される露出補償値expCVを比率Koに乗じることで実現される。これにより、補償後の比率Kが得られる。
(p)=Ko(p)×expCV
(p)=Ko(p)×expCV
(p)=Ko(p)×expCV
なお、この露出補償処理は、後段の条件判定において露出補償値分のずれを考慮することで省略することができる。
飽和信頼度算出部440は、基準画像の信頼度を飽和度の観点から算出するものである。一般に、画像センサにおいて、飽和領域ではセンサの線形特性が成り立たなくなる。さらに完全に飽和し、値が上限値でクリップされたチャンネルに関しては、ゲインを正しく求めることは困難である。そこで、平滑化処理の際に、飽和した画素の重みを下げ、より信頼度の高い周辺画素の情報によってその画素の値を求めることが有効と考えられる。したがって、飽和信頼度ST(p)は、図17で表されるように、ある基準画像の強度Gcが閾値までは1であり、ある閾値を越えたところで強度の上昇とともに急激にその値が下がるような特性が有効と考えられる。また、本手法は処理対象画像の飽和信頼度算出法として用いることもできる。その場合には、Gcに代えてGsが用いられる。
黒つぶれ信頼度算出部450は、基準画像の信頼度を黒つぶれ度の観点から算出するものである。一般に、画像センサにおいて、黒つぶれ領域ではセンサの特性に線形性が成り立たなくなる。さらに完全に黒つぶれし、値が下限値でクリッピングされたチャンネルでは、ゲインを正しく求めることは困難である。また、そのような破綻は処理対象画像の強度が大きな時に目立つ。そこで、基準画像の画素値が非常に小さい値であり、かつ、処理対象画像の画素値が十分大きな値である画素に対して、平滑化処理の際に重みを下げ、より信頼度の高い周辺画素の情報によってその画素の値を求めることが有効と考えられる。したがって、黒つぶれ信頼度BT(p)は、図18により表される次式のような特性を有する値が有効と考えられる。この式は、基準画像の画素値から黒つぶれ度を算出するものである。また、本手法は処理対象画像の黒つぶれ信頼度算出法として用いることもできる。その場合には、Gcに代えてGsが用いられる。
Figure 0005589585
また、この黒つぶれ信頼度BT(p)は、図19により表される次式のような特性を有する値であってもよい。この式は、基準画像の画素値および基準画像と処理対象画像とのチャンネル間比率から黒つぶれ度を算出するものである。
Figure 0005589585
なお、上述の飽和信頼度算出部440および黒つぶれ信頼度算出部450では、Gチャンネルを用いて黒つぶれ度や飽和度の判定を行ったが、これはGチャンネルに限定されるものではない。R、Bチャンネル、またはそれらの最大最小、線形和、輝度値などによる判定も有効である。
動被写体信頼度算出部460は、基準画像の信頼度を動被写体か否かの観点から算出するものである。この動被写体信頼度算出部460は、フラッシュ非発光および発光の何れの画像でも判別可能な被写体の特性値に注目して、各画素が動被写体かどうかを判定して、動被写体信頼度MT(p)を算出する。そのような特性値としては、例えば、被写体の分光反射率が考えられる。一般に、動被写体では画素の比較が正しく行えないために、ゲインを正しく求めることは困難である。そのような画素では、平滑化処理の際に重みを下げ、より信頼度の高い周辺画素の情報によってその画素の値を求めることが有効と考えられる。
信頼度選択部470は、飽和信頼度ST(p)、黒つぶれ信頼度BT(p)および動被写体信頼度MT(p)のうち最も信頼度の低いものを選択するものである。これにより、最も疑わしいと判断された信頼度FT(p)が選択されることになる。また、この選択の際には、飽和信頼度ST(p)、黒つぶれ信頼度BT(p)および動被写体信頼度MT(p)の線形和としての信頼度を算出してもよい。
平滑化処理部480は、このようにして得られた信頼度FT(p)に基づいて平滑化しながら、処理対象画像のRGB値(R(p)およびB(p))に対してゲインFS(p)およびFS(p)を適用する。平滑化処理部480の第1の処理機能例として、領域αにおいて重み付け平滑化を行う場合には次式により実現される。
Figure 0005589585
このようにしてゲイン適用されたモザイク画像Mは照明成分変換済モザイク画像保持部290に保持される。なお、平滑化処理の他の例については後述する。
[動被写体信頼度算出部460の構成例]
図20は、本発明の第2の実施の形態における動被写体信頼度算出部460の構成例を示す図である。この動被写体信頼度算出部460は、比率逆転度算出部461と、比率予測部462と、分光反射率変化量予測部463と、環境光スペクトル色バランス値保持部464と、フラッシュ光スペクトル色バランス値保持部465と、最小値選択部466とを備える。
環境光スペクトル色バランス値保持部464に保持される環境光スペクトル色バランス値は、基準画像における環境光のスペクトルに対して、無彩色の物体の信号強度が無彩色、すなわちR:G:B=1:1:1となるようなチャンネルごとのゲインである。近似的には、基準画像に対するホワイトバランスWBを用いることができる。一般的には、ホワイトバランスの値としては、絵作りを考慮して無彩色の物体に対して多少の色味を残すゲインが設定されるが、この環境光スペクトル色バランス値は完全にR:G:B=1:1:1とするようなゲインが望ましい。ここでは両者を区別するために、特にWBpcと表記する。
フラッシュ光スペクトル色バランス値保持部465に保持されるフラッシュ光スペクトル色バランス値は、フラッシュ発光部61によるフラッシュ光のスペクトルに対して、無彩色の物体の信号強度が無彩色となるようなチャンネルごとのゲインである。近似的には、処理対象画像に対するホワイトバランスWBを用いることができる。一般的には、ホワイトバランスの値としては、絵作りを考慮して無彩色の物体に対して多少の色味を残すゲインが設定されるが、このフラッシュ光スペクトル色バランス値は完全にR:G:B=1:1:1とするようなゲインが望ましい。ここでは両者を区別するために特にWBpfと表記する。なお、これらスペクトルに対する色バランス値は撮像装置の内部で計算することによって設定してもよく、また、撮像装置の外部から設定してもよい。環境光についても同様である。
比率逆転度算出部461は、動被写体信頼度を画素値の変化方向の観点から算出するものである。この比率逆転度算出部461は、画像全体の照明成分変化方向に対して画素値の変化の方向が逆転していることを検出することで、その画素が動被写体であると判断する。フラッシュ発光/非発光の例において、連写された基準画像と処理対象画像において、環境光に変化がないと仮定すると、露出補償部431乃至433により補償された画像では、フラッシュが照射された領域では補償後の比率Kは「1」より大きくなるはずである。また、フラッシュが当たらなかった領域では補償後の比率Kは「1」と等しくなるはずである。したがって、補償後の比率Kが「1」より小さくなる領域では物体が移動したために信号強度が落ちたと推測できるため、図21に示される特性を持たせた関数により比率逆転度MTRK(p)を決定することができる。すなわち、logKが負であって、絶対値が大きくなればなるほどその値が0に近づく特性を有する比率逆転度MTRK(p)が有効と考えられる。
比率予測部462は、動被写体信頼度を比率Kの予測値の観点から算出するものである。この比率予測部462は、補償後の比率Kの値を予測し、実測値とのずれを計測することによって、動被写体であることを判定する。フラッシュ画像である処理対象画像の照明成分Eは、処理対象画像の照明成分のうち環境光によるものE"とフラッシュ光のみによるものE"pfとの加算によって表される。
(p)=E"(p)+E"pf(p)
したがって、比率Koは次式により表される。
Figure 0005589585
また、照明のスペクトルから求まるホワイトバランスゲインは、分光反射率が無彩色の対象、すなわちρ:ρ:ρ=1:1:1となる対象で、チャンネル強度がR:G:B=1:1:1となるよう色バランスを調整するゲインである。したがって、次式の関係が成り立つ。
Figure 0005589585
上2式より、RおよびBチャンネルの比率の予測値eKおよびeKは次式のように表すことができる。
Figure 0005589585
ここで、予測値eKと実測値Kが大きく異なるのは、分光反射率ρが変化し、約分できなかったことが原因と考えられる。これにより、差分絶対値、ΔK=|K−eK|が大きな画素は動被写体であると判断して、図22のような特性を有する予測比率MTEK(p)を設定する。すなわち、ΔK=|K−eK|の値が大きいほど分光反射率ρの変化による影響が大きいとして、平滑化処理の際の重みを小さくしている。なお、この図22における予測比率とは、予測された比率と実際の値の誤差に伴う信頼度を意味する。
分光反射率変化量予測部463は、動被写体信頼度を分光反射率変化量の予測値の観点から算出するものである。この分光反射率変化量予測部463は、比率予測部462と同様に、Gチャンネルの値に基づいてRおよびBチャンネルの強度比率Kの値を推定する。基準画像と処理対象画像の間で環境光の照明強度がE'に変化したとすると、上述のRおよびBチャンネルの比率の予測値eKおよびeKの式は、次式のように書き換えることができる。
Figure 0005589585
したがって、R、G、Bの比率は次式により近似することができる。
Figure 0005589585
この式は以下の3点が同一直線上に存在することを意味する。
Figure 0005589585
もし、これら3点が同一直線上にない場合には、上述のRおよびBチャンネルの比率の予測値eKおよびeKの式の導出過程においてρがキャンセルできなかったと考えられるため、やはり動被写体と判定することができる。3点が同一直線状にあるか否かは、3点のなす角度θなどにより判定が可能である。したがって、分光反射率変化量MTVR(p)は、θの関数として図23のような特性を持つことが望ましい。すなわち、一直線上並んだ際に、空間平滑化における重みが「1」に近づき、角度θが直角の時に「0」となる。なお、この図23における分光反射率変化量は、分光反射率の変化に伴う信頼度を意味する。
最小値選択部466は、比率逆転度算出部461、比率予測部462、および、分光反射率変化量予測部463において求められた値の中から最小値を選択して最終的な動被写体信頼度MT(P)として出力するものである。なお、本発明の実施の形態では、比率逆転度算出部461、比率予測部462、および、分光反射率変化量予測部463の全てを用いたが、一部のみを単独でまたは組み合わせて用いてもよい。
[動作例]
図24は、本発明の第2の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の動作例を示す図である。ここでは、以下の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL705)。
ループL705において、基準画像および処理対象画像のRGB値(Rc(p)、Gc(p)およびBc(p)、Rs(p)、Gs(p)およびBs(p))が取得される(ステップS941)。除算部421乃至423において、基準画像および処理対象画像のRGB値の比率Ko(p)が算出される(ステップS942)。また、露出補償部431乃至433において撮像時の設定による露出の補償処理が行われる(ステップS943)。これにより、照明環境の変化のない静止被写体では比率が「1」となる。
次に、飽和信頼度算出部440において、飽和信頼度ST(p)が算出される(ステップS944)。黒つぶれ信頼度算出部450において、黒つぶれ信頼度BT(p)が算出される(ステップS945)。また、動被写体信頼度算出部460において、動被写体信頼度MT(p)が算出される(ステップS946)。そして、信頼度選択部470によって、飽和信頼度ST(p)、黒つぶれ信頼度BT(p)および動被写体信頼度MT(p)のうち最も信頼度の低いものが選択される(ステップS947)。こうして得られた信頼度は(図示しない)メモリに格納される(ステップS948)。全ての画素における処理が終了すると、ループL705を抜ける。この本発明の第2の実施の形態においては、ステップS942乃至S948の処理を図13におけるループL703を抜けた直後に挿入することで、図13におけるループL702と図24におけるループL705とを共通のループ処理として構成することができる。すでにステップS923で各画素の値を読み込んでいるため、ステップS941を省略することができる。
次に、平滑化処理部480において、平滑化処理が画素毎に行われる(ステップS949)。このようにしてゲインが適用された画素値は照明成分変換済モザイク画像保持部290に保持される(ステップS950)。また、ここでいうステップS950の処理は図12におけるステップS919のことであり、いずれかで処理結果を格納することで他の処理を省略することができる。全ての画素における処理が終了すると、1フレーム分のチャンネルゲイン適用処理を終了する。
図25は、本発明の実施の形態における動被写体信頼度算出部460の動作例を示す図である。ここでは、以下の処理が各画素を対象として行われる。
まず、露出補償部431乃至433から比率Kが取得される(ステップS951)。また、環境光スペクトル色バランス値保持部464から基準画像における環境光の色バランスが取得され、フラッシュ光スペクトル色バランス値保持部465からフラッシュ光の色バランスが取得される(ステップS951)。
そして、比率逆転度算出部461において、画像全体の強度の変化の方向と画素の強度の向きの逆転が判定され、その度合いに応じて比率逆転度が算出される(ステップS952)。また、比率予測部462において、比率Kの実測値と推定値の乖離の度合いから動被写体か否が判定され、予測比率が決定される(ステップS953)。比率予測時には分光反射率ρが分母分子でキャンセルすることを仮定しているため、予測との乖離は分光反射率の変化を検知したことになり、動被写体だと判定している。また、分光反射率変化量予測部463において、色バランスの予測値と実測値とのずれから分光反射率変化量が予測される(ステップS954)。そして、最小値選択部466において、比率逆転度算出部461、比率予測部462、および、分光反射率変化量予測部463において求められた値の中から最小値が選択される(ステップS955)。この選択された値は、最終的な動被写体信頼度MT(P)として出力される。
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、黒つぶれ、飽和、または、動被写体の観点から各画素に対する信頼度を判定し、平滑化の際に信頼度の低い画素の重みを下げて、周辺画素の情報を利用することができ、ロバストなゲイン適用を行うことができる。
この第2の実施の形態では、平滑化処理の際に単純な重み付け平滑化を行う例について説明したが、エッジ保存型平滑化を適用することもできる。エッジ保存平滑化とは、画像中の物体境界などの顕著な段差は残しつつ、階調を平滑化する非線形フィルタ処理である。視認性に影響する物体輪郭を保存しながら微細な変動を除去するため、古くからノイズリダクション処理に用いられている。このエッジ保存平滑化処理は、物体内のテクスチャの微細な輝度変動と物体輪郭の顕著な輝度段差とを分離できる性質を利用して、テクスチャに代表されるディテール成分以外の輝度差を圧縮する階調補正処理にも用いられている。
そのようなエッジ保存平滑化処理の中で、近年バイラテラルフィルタと呼ばれる技術がよく利用されている。一般に、画像の輝度I(p)に対するバイラテラルフィルタBLF(p)は、次式のように、空間方向の重み関数ω(p−pc)と輝度値方向の重み関数φ(I(p)−I(pc))の2つで重み付けした中心画素位置pcの周囲の画素値I(p)を加算する。
Figure 0005589585
上式において、右辺の分母は重み値の正規化係数を示す。
上式に示されるように、バイラテラルフィルタでは局所領域中の各画素に対する重み付けが中心画素の輝度値に依存して変わる。そのため、画素毎に重み値を算出しなおす必要があるため、通常の線形なFIRフィルタなどに比べて演算量がはるかに大きくなるという問題がある。また、バイラテラルフィルタの応用技術として、ジョイントバイラテラルフィルタまたはクロスバイラテラルフィルタと呼ばれる技術が提案されている。バイラテラルフィルタでは局所領域中の各画素に対する重み付けがフィルタ処理対象である中心画素の輝度値に依存して変わったのに対して、ジョイントバイラテラルフィルタでは重み計算に用いる特性値とフィルタ処理対象の特性値が異なる。ジョイントバイラテラルフィルタJBLF(p)による式は次式のようになる。
Figure 0005589585
上式は、空間方向の重み関数ω(p−pc)と輝度値方向の重み関数φ(I(p)−I(pc))の2つで重み付けした中心画素位置pcの周囲の画素値S(p)を加算する演算を表している。例えば、非常にS/N特性の悪い信号Sに対して相関が高く、S/N比の高い信号Iがあった時に、I信号に応じた重み付けを行うことによって、S/N比の良いエッジ保存型のフィルタ処理が可能になる。
また、ジョイントバイラテラルフィルタにおいて、バイラテラルフィルタと同様に、局所領域中の各画素に対する重み付けが中心画素の輝度値に依存して変わる。そのため、画素毎に重み値を算出しなおす必要があるため、通常の線形なFIRフィルタなどに比べて演算量がはるかに大きいという問題がある。
そこで、以下の第3の実施の形態では、ブロックヒストグラムを利用することにより、エッジ保存型平滑化の演算量を減少させる手法を提案する。
<3.第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態では、空間軸および輝度軸にて複数に分割した各ブロックで画素頻度値および定義されたある特性値を算出した後、各画素位置と各ブロック間の距離で定義される重みに基づいて、ブロック毎の特性値を重みつき加算する。特性値としては、ブロック毎の内部に含まれる画素のゲインの積分値(総和)や、内部に含まれる画素のゲインの中央値に内部に含まれる画素の画素数を乗じたものなどを用いることができる。この演算を数式で表すと次式のようになる。
Figure 0005589585
ここで、i,jは空間軸方向のブロックのインデックスである。また、λはブロックに該当する輝度範囲の中央値である。 I(pc)は座標位置pcにおける輝度の値である。S(i,j,λ)はブロック(i,j,λ)のゲインの積分値である。H(i,j,λ)はブロックヒストグラムの値である。上式はジョイントバイラテラルフィルタの空間軸の重み関数ωと輝度軸の重み関数φをブロックの分割に沿って階段上に離散化したものに相当するため、エッジ保存平滑化の効果がある。さらに、ブロックヒストグラムおよびブロック積分値を算出するコストを差し引いても、ブロック毎の加重積和は画素毎の加重積和に比べればはるかに演算量を小さくすることができる。この効果は、エッジ保存平滑化のオペレータサイズが巨大であるほど大きい。
さらに本発明の第3の実施の形態では、上記重みに加えて画素位置毎に定まる重みτ(p)を導入したエッジ保存型平滑化処理を提案する。ブロックヒストグラムおよびブロック内部の特性値の重み付き積分は以下のように表される。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
ここで、ISW(i,j,λ)はブロック(i,j,λ)内部の重み付きゲイン積分値、IFT(i,j,λ)はブロック(i,j,λ)内の重み付き頻度値、すなわち重み自身の積分値である。これを前式に適用すると、次式を得る。
Figure 0005589585
この演算は、次式で表現される重み付きジョイントバイラテラルフィルタの空間軸の重み関数ωと輝度軸の重み関数φをブロックの分割に沿って階段上に離散化したものに相当する。
Figure 0005589585
したがって、エッジ保存平滑化の効果がある。さらに、ブロック積分値を算出するコストを差し引いても、ブロック毎の加重積和は画素毎の加重積和に比べればはるかに演算量が小さくできる。この効果は、エッジ保存平滑化のオペレータサイズが巨大であるほど大きい。
さらに、本発明の第3の実施の形態では、演算量を減らす手法を提供する。すなわち、ブロックヒストグラムおよびブロック毎のゲイン積分値に対して、あらかじめ輝度軸方向の重み関数を畳み込む演算を行い、その結果を保持しておく。この場合、ブロックヒストグラムへの畳み込み演算は次式のようになる。
Figure 0005589585
また、ブロック積分値への畳み込み演算は次式のようになる。
Figure 0005589585
画素毎の加重積和演算では、すでに輝度重み関数が畳み込まれたブロックヒストグラムおよび重み付きゲイン積分値を空間方向に補間した結果を、除算するだけでよい。この演算は、次式のようになる。
Figure 0005589585
この効果は、元の画像サイズに比べてブロック分割数が粗い場合、すなわち画像中の広い範囲をみて平滑化処理を行う場合ほど大きい。
さらに、本発明の第3の実施の形態では、上述のブロックヒストグラム、ブロック毎のゲイン積分値、または、それらを輝度軸重み関数で畳み込んだものをメモリに格納する。これにより、次に入力されるフレームにおけるエッジ保存平滑化処理に利用する手法を提供する。すなわち、入力が動画データである場合は全画素を2回スキャンすることなく、巨大なエッジ保存平滑化を少ないワーキングメモリで実行することが可能となる。
さらに、本発明の第3の実施の形態では、上述のブロックヒストグラム、ブロック毎のゲイン積分値、または、それらを輝度軸重み関数で畳み込んだものを算出する処理の前に入力画像を縮小する処理を行う。これにより、ブロックヒストグラム、ブロック毎のゲイン積分値、または、それらを輝度軸重み関数で畳み込んだものを算出する演算量およびメモリ量を削減する。
なお、この第3の実施の形態においては、前提となる撮像装置、画像処理回路23および照明成分変換処理部120の構成については第2の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
[平滑化処理部480の処理機能例]
図26は、本発明の第3の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。この平滑化処理部480の処理機能例は、乗算部511および512と、輝度算出部521と、非線形変換部522とを備えている。また、この平滑化処理部480の第2の処理機能例は、ブロック積分値算出部531および532と、ブロックヒストグラム算出部533と、ブロック積分値保持部541および542と、ブロックヒストグラム保持部543とを備えている。また、この平滑化処理部480の第2の処理機能例は、位相補償処理部551および552と、加重積和部561および562と、ゲイン適用部571および572とをさらに備えている。
輝度算出部521は、処理対象画像のRGB値から輝度値L(p)を算出するものである。この輝度算出部521は、例えば、RGB値に対して予め設定された係数(重み)によってRGB値の線形和を演算することにより、輝度値を算出するものでよい。また、この輝度算出部521は、例えば、RGB値の中から最大値を求めるような処理により、輝度値を生成してもよい。
非線形変換部522は、輝度算出部521により算出された輝度値を非線形変換して、非線形変換輝度値L(nl)(p)を出力するものである。この非線形変換部522は、例えば、γカーブ、1より小さい指数によるべき乗特性や対数変換などの「上に凸の単調増加特性」を適用することが有用である。
乗算部511および512は、チャンネル毎のゲインFS(p)に対して当該画素の信頼度FT(p)を乗じることにより、チャンネル毎の重み付きゲインSW(p)を生成するものである。
ブロック積分値算出部531および532は、画像を空間軸方向および輝度軸方向に複数のブロックに分割して、各ブロックに属する特性値の積分値を算出するものである。ここにいう特性値とは、信頼度FT(p)により重み付けられたRおよびBチャンネルの重み付きゲインSW(p)およびSW(p)である。このブロック積分値算出部531および532により算出された積分値は、ブロック積分値保持部541または542に格納される。すなわち、ブロック積分値保持部541は、Rチャンネルの重み付きゲインISW(r)を保持する。ブロック積分値保持部542は、Bチャンネルの重み付きゲインISW(r)を保持する。
ブロックヒストグラム算出部533は、上記分割された各ブロックに属する信頼度FT(p)を積分して、画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するものである。このブロックヒストグラム算出部533により算出されたブロックヒストグラムIFT(r)は、ブロックヒストグラム保持部543に格納される。以下では、ブロック積分値保持部541、542、および、ブロックヒストグラム保持部543に保持された情報を中間データとも称する。
位相補償処理部551および552は、当該画素の各チャンネルが対応する処理対象画像のモザイク画像上の位置に応じた輝度値を算出するものである。簡易デモザイクでは、ベイヤーセット602毎に位置601に輝度値が求まっている。この位相補償処理部551および552による処理は、モザイク画像上の各画素位置に対する近傍4つの輝度値からの線形補間処理によって実現することができる。簡易デモザイクではなく画素毎にデモザイクした場合には、輝度算出部521および非線形変換部522により処理対象画像のモザイク画像の画素毎に輝度が求まっているため、この位相補償処理を省略することができる。
加重積和部561および562は、ブロックヒストグラムとブロック積分値と当該画素位置の輝度値とから当該画素位置の大局ゲイン値を算出するものである。大局ゲイン値とは、当該画素位置が属する物体領域の平均ゲインに相当する情報である。加重積和部561は大局ゲイン値SWlR(p)をゲイン適用部571に供給し、加重積和部562は大局ゲイン値SWlB(p)をゲイン適用部572に供給する。
ゲイン適用部571および572は、加重積和部561および562により算出されたゲインを各チャンネル値に適用するものである。このゲイン適用部571および572における処理は、一般的には乗算により実現することができる。すなわち、ゲイン適用部571および572は、それぞれ次式のような演算を行う。
(p)=R(p)×SWlR(p)
(p)=B(p)×SWlB(p)
なお、加重積和部561、562、ゲイン適用部571、572は、特許請求の範囲に記載の平滑化処理部の一例である。
[ブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の構成例]
図27は、本発明の第3の実施の形態におけるブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の構成例を示す図である。このブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の各々は、ブロック選択部534と、n個の積分器535−1乃至nとを備えている。ここで、画像の幅方向のブロック分割数をW、画像の高さ方向のブロック分割数をH、画像の輝度方向のブロック分割数をDとすると、ブロック数nはW×H×Dとなる。
ブロック選択部534は、入力される各画素の重み付き特徴量を、画素位置と輝度値によってn個のブロックの何れかに分類するものである。ここでいう重み付き特徴量とは、信頼度FT(p)により重み付けされたR、Bチャンネル用のゲインSW(p)、SW(p)または信頼度FT(p)である。
積分器535−1乃至nは、分類された重み付き特徴量を加算するものである。この積分器535−1乃至nの各々は加算部536およびレジスタ537を保持する。加算部536は、分類された重み付き特徴量とレジスタ537に保持された値とを加算するものである。レジスタ537は加算部536の出力を保持するものである。1フレーム分の画素を処理した後、全ブロックの積分器535−1乃至nの値がブロック積分値保持部538に格納される。ここで、ブロック積分値保持部538は、ブロック積分値保持部541、542またはブロックヒストグラム保持部543に相当する。
[加重積和部561および562の構成例]
図28は、本発明の第3の実施の形態における加重積和部561および562の構成例を示す図である。この加重積和部561および562の各々は、補間部563および564と、空間重み関数テーブル保持部565と、積和部566および567と、輝度重み関数テーブル保持部568と、除算部569とを備える。
補間部563および564は、入力された輝度値の画素位置に対応する重み付き特徴量を補間するものである。すなわち、補間部563は、当該画素位置の空間方向近傍4x4ブロック領域の重み付きゲインSW(r)またはSW(r)のブロック積分値ISW(r)またはISW(r)を補間する。補間部564は、当該画素位置の空間方向近傍4x4ブロック領域の信頼度FT(p)自身のブロック積分値IFT(r)を補間する。その際の補間係数には、例えば、3次B−spline関数などが適している。このB−Spline関数値を空間重み関数テーブルとして、空間重み関数テーブル保持部565に保持しておいて、近傍のブロック位置と当該画素位置の相対位置関係に基づいて必要な係数を取り出せるようにすることができる。補間部563および564が行う演算は、次式のようになる。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
ここで、i,jは近傍4x4ブロックを示すインデックスである。λはヒストグラムの各ブロックに該当する輝度レベルの中央値である。B_i,jはインデックスi,jに該当するブロックに対するB−Spline補間係数である。ISW(i,j,λ)、ISW(i,j,λ)は、(i,j,λ)に該当するブロックの重み付きゲインSW(p)またはSW(p)のブロック積分値である。IFT(i,j,λ)は、(i,j,λ)に該当するブロックの信頼度FT(p)自身に対する積分値(ブロックヒストグラム)である。なお、補間部563は、特許請求の範囲に記載の第1の補間部の一例である。また、補間部564は、特許請求の範囲に記載の第2の補間部の一例である。
積和部566および567は、当該画素位置に対応する重み付き積分値に対して、輝度加重値を積和した結果を算出するものである。輝度加重値は、輝度重み関数テーブル保持部568に格納されたテーブルを用いて算出される。図29は、輝度重み関数テーブル保持部568に格納された輝度重み関数の形状の一例を示す図である。輝度重み関数は、入力された当該画素位置の輝度値L(nl)(p)と、当該画素位置に補間された積分値の各ブロックに相当する輝度レベルλとの差分値が小さいほど大きな値を持つ単峰性形状の関数が適切である。例えば、次式に示されるような関数を用いることができる。
Figure 0005589585
ここで、σ_thは、この関数の裾野の広がりの大きさを決める定数値である。このような輝度重み関数を用いることによって、入力された輝度値L(nl)(p)に近い値を持つブロックに対して大きな重み値をつけ、離れた値を持つブロックに対して小さな重み値をつけることができる。積和部566および567は、各ブロックへの重み値を輝度重み関数と入力輝度値により算出した後、当該画素位置に補間された重み自身および重み付きゲイン積分値の全ブロックの値を各重みによって加重和する。除算部569は、積和部566によって算出された重み付きゲイン値を、積和部567によって算出された信頼度で除算して、その結果を当該画素位置の大局ゲイン値として出力するものである。積和部566、567および除算部569が行う演算は次式のようになる。
Figure 0005589585
なお、積和部566は、特許請求の範囲に記載の第1の積和部の一例である。また、積和部567は、特許請求の範囲に記載の第2の積和部の一例である。また、除算部569は、特許請求の範囲に記載の第2の除算部の一例である。
ブロック積分値には、ブロック領域毎に近い値を有する画素の重み付きゲインおよび信頼度自身がブロック毎に積分されている。したがって、上記のように当該画素位置の輝度値に近い輝度レベルのブロックに重みをおいた積和を行うことによって、周囲4x4ブロック領域の中でも特に近い輝度値の画素の積分結果を得ることになる。したがって、周囲4x4ブロック領域のように広範囲な領域を積分しても異なる明るさの別の被写体にかかる画素値の影響は少なく、当該画素が属する被写体の平均ゲイン値を算出することができる。
なお、補間部564は、特許請求の範囲に記載の第1の補間部の一例である。また、補間部563は、特許請求の範囲に記載の第2の補間部の一例である。また、積和部567は、特許請求の範囲に記載の第1の積和部の一例である。また、積和部566は、特許請求の範囲に記載の第2の積和部の一例である。
[動作例]
図30および31は、本発明の第3の実施の形態における平滑化処理部480の動作例を示す図である。
ここでは、まず、ステップS961乃至S967の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL707)。このループL707において、処理対象画像のRGB値が取得される(ステップS961)。また、対応画素のゲインFS(p)、FS(p)および信頼度FT(p)が取得される(ステップS962)。そして、輝度算出部521において、輝度値L(p)が算出される(ステップS963)。この輝度値L(p)は、非線形変換部522において非線形変換されて、非線形変換輝度値L(nl)(p)が出力される(ステップS964)。
そして、ブロック積分値算出のための処理が行われる(ステップS965)。具体的には、乗算部511および512において、ゲインFS(p)およびFS(p)と信頼度FT(p)との乗算が行われる。また、ブロック積分値算出部531および532において、当該画素位置におけるR、Bチャンネルに対するゲインのブロック積分値が更新される(ステップS966)。また、ブロックヒストグラム算出部533において、当該画素位置におけるブロックヒストグラムに相当する信頼度自身のブロック積分値が更新される(ステップS966)。そして、当該画素の輝度値が(図示しない)メモリに格納される(ステップS967)。
ループL707のステップS961乃至S967の処理が終了すると、次の画素位置に対する処理が繰り返される。全ての画素位置に対する処理が終了すると、ループL707を抜けて、1フレーム分のブロック積分値およびブロックヒストグラムがそれぞれブロック積分値保持部541、542およびブロックヒストグラム保持部543に格納される(ステップS968)。また、本発明の第3の実施の形態においては、ステップS962乃至S967の処理を図24におけるステップS947の直後に挿入することで、図24におけるループL705と図30におけるループL707とを共通のループ処理として構成することができる。すでにステップS941で各画素の値を読み込んでいるためステップS961は省略することができる。また、信頼度に関しても、ステップS947において選択された値を直接使うことによって、ステップS948およびS962における信頼度の格納や、読出し処理を省略することができる。
次に、以下の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL708)。このループL708において、当該画素周囲の輝度値をメモリ(図示しない)から読み出す。また、当該画素周囲の信頼度自身に対するブロック積分値がブロックヒストグラム保持部543から読み出される(ステップS971)。そして、以下の処理が各チャンネル(RおよびBチャンネル)を対象として繰り返される(ループL709)。
ループL709において、当該チャンネルに対する重み付きゲインのブロック積分値がブロック積分値保持部541または542から読み出される(ステップS972)。そして、位相補償処理部551または552において、モザイク画像上の当該チャンネルの画素位置に応じた輝度値が算出される(ステップS973)。また、加重積和部561または562において、当該画素チャンネルに対するゲインがブロック積分値の加重積和演算によって算出される(ステップS974)。そして、ゲイン適用部571または572において、加重積和により求められたゲインが当該チャンネルに適用される(ステップS975)。このようにしてゲイン適用された画素値はチャンネル毎に照明成分変換済モザイク画像保持部290の当該画素位置に格納される(ステップS976)。また、ここでいうステップS976の処理は図12におけるステップS919および図24におけるステップS950のことであり、いずれかで処理結果を格納することで他の処理を省略することができる。
ループL709においてステップS972乃至S976の処理が終了すると、次のチャンネルに対して同様の処理が繰り返される。全てのチャンネルに対する処理が終了すると、ループL709を抜けて、次の画素に対して同様の処理が繰り返される。全ての画素位置に対する処理が終了すると、ループL708を抜けて、1フレーム分の平滑化処理が終了する。
図32は、本発明の第3の実施の形態におけるブロック積分値算出部531、532およびブロックヒストグラム算出部533の動作例を示す図である。
ここでは、ステップS981乃至S983の処理が各画素を対象として行われる。まず、当該画素位置の輝度値および重み付き特徴量が非線形変換部522、乗算部511および512から取得される(ステップS981)。そして、ブロック選択部534によってn個のブロックの中から当該画素位置が含まれるブロックが何れであるかが判別される(ステップS982)。そして、該当する積分器535−1乃至nにおいて、当該画素の重み付き特徴量が加算される(ステップS983)。
図33は、本発明の第3の実施の形態における加重積和部561および562の動作例を示す図である。
まず、当該画素位置の輝度が取得される(ステップS991)。そして、補間部563において、輝度の等しい空間方向の周囲4x4のブロック積分値情報から当該画素位置の重み付きゲイン積分値が補間によって輝度方向の分割毎に算出される(ステップS992)。また、補間部564において、輝度の等しい空間方向の周囲4x4のブロックヒストグラムに相当する当該画素位置の信頼度自身の積分値が補間によって輝度方向の分割毎に算出される(ステップS993)。
次に、積和部566において、当該画素位置に補間された重み付きゲイン積分値に輝度加重値を積和した結果が算出される(ステップS994)。また、積和部567において、当該画素位置に補間された信頼度自身の積分値(ブロックヒストグラム)に輝度加重値を積和した結果が算出される(ステップS995)。
次に、除算部569において、積和部566によって積和された重み付きゲイン積分値が積和部567によって積和された信頼度自身の積分値により除算される(ステップS996)。そして、除算部569の算出結果は、当該画素位置の大局ゲイン値として出力され(ステップS997)、1画素に対する加重積和処理が終了する。
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、ブロック領域毎に近い値を有する画素の重み付きゲインおよび信頼度自身をブロック毎に積分したブロック積分値を利用することにより、エッジ保存型平滑化の演算量を減少させることができる。また、本発明の実施の形態では、加重積和の順序として空間平滑化の次に輝度方向の平滑化を行う順番で行ったが、輝度方向平滑化の次に空間平滑化の順番でも構わない。また、数26から数28で示したように、あらかじめ輝度方向の平滑化を済ませた重み付きゲインをブロック積分値として保持しておくことで画素ごとの演算を減らすこともできる。
なお、上述の実施の形態ではGチャンネルのゲインを「1」に固定した時のR、Bチャンネルのゲインを求めているが、輝度を固定した時などのゲインではGチャンネルについてもゲインを適用する必要がある。その際には、Gチャンネルに対しても本実施の形態の手法が有効に機能する。
<4.第4の実施の形態>
本発明の範疇で、照明成分変換処理は、別の形態として、入力画像に対して解像度変換した上で比較する処理を備えることができる。照明成分変換処理における中間データは画像全体の大局的な照明分布や構造などを抽出したものであるため、事前に縮小された画像から中間データを算出してもそれらの情報が損なわれることがなく、演算量を減らすことができる。また、縮小した後に比較することにより、動被写体の影響を抑えることができる。さらに、解像度変換処理部導入により、LCDに向けて出力しているモニタ画像などが使用可能となる。その結果、基準モザイク画像としてモニタ画像を使用した際には、フラッシュ発光、非発光の連写撮影することなく色再現性の高い画像を生成することができるとともに、メモリの節約にも寄与する。入力画像を縮小する方法としては、縮小画像の各画素位置に対応する処理対象画像のモザイク画像上の領域に属する画素の単純平均のように、比較的簡単な方法でよい。
なお、この第4の実施の形態においては、前提となる撮像装置および画像処理回路23の構成については第3の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
[照明成分変換処理部120の構成例]
図34は、本発明の第4の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。この照明成分変換処理部120は、第3の実施の形態と同様に、デモザイク処理部221および222と、ホワイトバランス算出部230と、基準画像ホワイトバランス保持部240と、チャンネルゲイン算出部250と、チャンネルゲイン適用部260とを備える。この例において、チャンネルゲイン算出部250は、図15のチャンネルゲイン算出部250とは入出力が異なり、解像度変換後の値になるが、それ以外は同様の操作が行われる。この照明成分変換処理部120は、さらに、解像度変換部271および272を備える。
解像度変換部271および272は、入力画像サイズの変更を行うものである。解像度変換の大きな目的は、画像を縮小することにより、動被写体などによる照明環境の変化以外の差分の影響を抑制することである。別の目的としては、入力画像のサイズを基準画像と処理対象画像との間で合致させることがあげられる。LCDに出力されるモニタ画像は、通常処理で撮像された画像よりも解像度が小さいことが一般的である。そのため、2枚の画像サイズが異なり、上述のゲイン算出をそのまま使用することができない。この問題を解決するためには、基準画像と処理対象画像のサイズを揃えるための解像度変換をした上で比較する手法が有効である。その際、解像度変換部271および272で行われる処理が拡大縮小の何れになるかは、基準画像および処理対象画像の画像サイズの大小関係により決定される。解像度変換部271および272で行われる処理が拡大処理の時には、エッジ保存型平滑化フィルタ処理による拡大処理が有効である。通常の平滑化処理では物体の境界において照明環境が大きく異なる場合にも平滑化処理が進むために、境界で色のにじみが発生してしまう。解像度変換部271および272で行われる処理が縮小処理の時には、縮小画像の各画素位置に対応する原画像上のブロック領域に属する画素の単純平均、中央値、間引き処理のように、比較的簡単な方法でよい。また、解像度変換部271および272における解像度変換処理は、デモザイク処理部221および222で行われるデモザイク処理と同時に行うことによって演算量を削減することができる。また、解像度変換部271および272における解像度変換処理と、デモザイク処理部221および222で行われるデモザイク処理との順序を入れ替えてもよく、その場合にも演算量を削減することができる。
[チャンネルゲイン適用部260の構成例]
図35は、本発明の第4の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の構成例を示す図である。このチャンネルゲイン適用部260は、図16において説明した第2の実施の形態におけるものと同様の構成を備える。ただし、信頼度生成の際には縮小画像が用いられ、それぞれ縮小された基準画像BR(q)、BG(q)、BB(q)、および縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)が入力される。また、平滑化処理部480においては、処理対象画像R(p)、G(p)、B(p)の他、縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)、縮小画像に基づく信頼度BFT(q)、縮小画像のゲインBFS(q)、BFS(q)が入力される。ここで、pおよびqは各画素を表す。
[平滑化処理部480の構成例]
図36は、本発明の第4の実施の形態における平滑化処理部480の構成例を示す図である。この平滑化処理部480は、図26により説明した第3の実施の形態のものと同様の構成を備えている。ただし、ブロック積分値の算出のために用いられる画像は縮小画像となっている。すなわち、乗算部511および512に入力されるのは、縮小画像のゲインBFS(q)、BFS(q)および縮小画像に基づく信頼度BFT(q)である。また、輝度算出部523に入力されるのは、縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)である。
一方、加重積和される処理対象画像のサイズはそのままである。すなわち、輝度算出部521に入力されるのは、処理対象画像R(p)、G(p)、B(p)である。また、ゲイン適用部571および572に入力されるのは、それぞれ処理対象画像R(p)、B(p)である。
[動作例]
図37は、本発明の第4の実施の形態における照明成分変換処理部120の動作例を示す図である。この動作例は、図12により説明した第1の実施の形態におけるものと基本的には同様である。ただし、解像度変換部271および272において、基準画像および処理対象画像の縮小処理が行われる(ステップS821およびS822)。また、チャンネルゲイン適用部260において、処理対象画像に合わせてゲインが拡大されて、各チャンネルに適用される(ステップS818)。この時、当該画素が、黒つぶれ、白とびしていないか、動被写体か否かの判定から信頼度が設定され、エッジ保存型の平滑化フィルタにより各チャンネルの元の画素位置を考慮して空間平滑化したゲインが適用される。
図38は、本発明の第4の実施の形態におけるチャンネルゲイン適用部260の動作例を示す図である。この動作例は、図24により説明した第2の実施の形態におけるものと基本的には同様である。ただし、縮小画像に基づいて信頼度の算出を行う点が異なる。そのため、ループL705に相当するループL714の処理が縮小画素毎の処理となる。また、ループL702とループL705を共通のループにすることができたように、縮小画像に対するチャンネルゲイン算出部250で行うループL702に相当する処理とループ714の処理はあわせて大きなループ処理にすることができる。また、ブロック積分値の算出のために用いられる画像も縮小画像となっている(ステップS841)。すなわち、乗算部511および512に入力されるのは、縮小画像のゲインBFS(q)、BFS(q)および縮小画像に基づく信頼度BFT(q)である。また、輝度算出部523に入力されるのは、縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)である。また、ここでいうステップS850の処理は図37におけるステップS819のことであり、いずれかで処理結果を格納することで他の処理を省略することができる。
この平滑化では各画素における当該チャンネルの処理対象画像のモザイク画像上での画素位置に応じた平滑化が望ましく、その結果、処理対象画像のモザイク画像のサイズに合わせて拡大しながら適用する処理となる。この際、エッジ保存型平滑化処理と拡大処理は別々に行うことができるが、演算量削減等の観点から同時に行うことが望ましい。
図39および40は、本発明の第4の実施の形態における平滑化処理部480の動作例を示す図である。この動作例は、図30および31により説明した第3の実施の形態におけるものと基本的には同様である。ただし、ブロック積分値の算出のために用いられる画像は縮小画像となっている。すなわち、乗算部511および512に入力されるのは、縮小画像のゲインBFS(q)、BFS(q)および縮小画像に基づく信頼度BFT(q)である。また、輝度算出部523に入力されるのは、縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)である。また、加重積和される処理対象画像のサイズはそのままである。そのため、輝度算出部521において、処理対象画像R(p)、G(p)、B(p)から輝度が算出され(ステップS872)、非線形変換部522において非線形変換が行われる(ステップS873)。この非線形変換された輝度に対して、位相補償処理が行われる(ステップS875)。また、加重積和部561および562において当該画素チャンネルに対するゲインをブロック積分値の加重積和演算により算出する際(ステップS876)、ブロック積分値と当該画素の距離を縮小前の処理対象画像のモザイク画像の解像度で考えることが重要である。また、ここでいうステップS878の処理は図37におけるステップS819、図38におけるステップS850のことであり、いずれかで処理結果を格納することで他の処理を省略することができる。また、本発明の第4の実施の形態においては、ステップS862乃至S866の処理を図38におけるステップS847の直後に挿入することで、図38におけるループL714と図39におけるループL715とを共通のループ処理として構成することができる。すでにステップS841で各画素の値を読み込んでいるため、ステップS861を省略することができる。また、信頼度に関しても、ステップS847にて選択された値を直接使うことでステップS848およびS862における信頼度の格納や読出し処理を省略することができる。
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、縮小画像を用いることにより全体的な演算量を減少させるとともに、動被写体による影響を抑制することができる。
<5.第5の実施の形態>
また、照明成分変換処理の他の態様として、以下に説明するような別の態様をとることも可能である。ここまでに説明した照明成分変換処理では、デジタルカメラによって撮像された単独の画像を基準画像および処理対象画像としてきた。以下に説明するのは、フレームメモリを備え、複数の画像から合成入力画像を生成することにより、フラッシュ発光または非発光以外のシーンにも対応する実施の形態である。
なお、この第5の実施の形態においては、前提となる撮像装置および画像処理回路23の構成については第4の実施の形態と同様であるため、説明を省略する。
[照明成分変換処理部120の構成例]
図41は、本発明の第5の実施の形態における照明成分変換処理部120の構成例を示す図である。この照明成分変換処理部120は、第4の実施の形態と同様に、デモザイク処理部221および222と、ホワイトバランス算出部230と、基準画像ホワイトバランス保持部240と、チャンネルゲイン算出部250と、チャンネルゲイン適用部260とを備える。この照明成分変換処理部120は、さらに、フレーム加算部280を備える。このフレーム加算部280は、複数の画像から合成入力画像を生成するものである。
[フレーム加算部280の構成例]
図42は、本発明の第5の実施の形態におけるフレーム加算部280の構成例を示す図である。このフレーム加算部280は、加算部281および282と、基準モザイク画像保持部283と、処理対象モザイク画像保持部284と、制御パラメータ決定部285とを備える。
基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284は、過去に撮像された画像、および、それらの加算結果を保持するものである。これら基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284には、時間方向に積分された画像が保持されていく。また、これら基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284には、より広い強度範囲で正確な色バランスを保持するために、各チャンネル16ビット等の精度による高ダイナミックレンジ(HDR)画像を保持することが望ましい。
加算部281は、新規基準モザイク画像保持部213からの画像と基準モザイク画像保持部283に保持された画像を加算するものである。加算部282は、新規処理対象モザイク画像保持部214からの画像と処理対象モザイク画像保持部284に保持された画像を加算するものである。
制御パラメータ決定部285は、フレームメモリ内の画像および新規撮像画像によって新規撮像を行うか否か、ならびに、撮像時の制御パラメータを決定するものである。この制御パラメータとしては、手ブレや被写体ブレが生じないように十分高速なシャッタ速度が採用されることが望ましい。また、この制御パラメータ決定部285は、処理対象画像を撮像する際の露出設定パラメータや処理対象画像の値から、全画素位置に対して、飽和や黒つぶれのない適切なRGB色バランスを取得できるように露出を変化させながら連写を行うよう制御する。
また、この制御パラメータ決定部285は、基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284に保持された画像から、フリッカーを検出し、その影響がなくなるまで撮像を繰り返す制御を行う。
また別の制御方法として、制御パラメータ決定部285において、基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284に保持された画像から、黒つぶれまたは飽和を検出してもよい。そして、その影響がなくなるまで露出を変化させながら撮像を繰り返すことにより、広ダイナミックレンジ画像を生成することができる。
なお、加算部281および282では、ブロックマッチングなどにより正確な位置合わせを行った上で加算することが望ましいが、第4の実施の形態の解像度変換処理と組み合わせることも可能である。これにより、基準モザイク画像保持部283に保持された画像と新規画像との間の位置合わせをすることなく、単純な重み付き加算平均でも十分な成果をあげることができるようになる。
[動作例]
図43および44は、本発明の第5の実施の形態における照明成分変換処理部120の動作例を示す図である。この照明成分変換処理部120の後半は図12により説明した第1の実施の形態と同様であるが、前半において基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284に対するフレーム加算を行う点が異なっている。なお、基準モザイク画像保持部283および処理対象モザイク画像保持部284を、以下ではフレームメモリと称する。
まず、制御パラメータ決定部285において、撮像に関する制御パラメータが決定され、この制御パラメータに従って最初の画像が撮像される(ステップS881)。この時に撮像される画像は、基準画像および処理対象画像、または、その何れか一方でも構わない。
次に、各画素に対してステップS882乃至S885の処理が繰り返される(ループL718)。ループL718において、新規に撮像された画像の当該画素値が取得される(ステップS882)。また、フレームメモリから既存の対応する画素値が取得される(ステップS883)。そして、加算部281および282において、新規画素値とフレームメモリ内の画像が加重加算される(ステップS884)。この加算結果は、新規フレームメモリ画像としてフレームメモリに書き戻される(ステップS885)。
ステップS882乃至S885の処理が終了すると、次の画素に対する処理が繰り返される。全ての画素に対する処理が終了すると、ループL718を抜けて、次のステップの処理に移る。その際、制御パラメータ決定部285において、フレームメモリ内の画像および新規撮像画像によって新規撮像を行うか否か、ならびに、撮像時の制御パラメータが決定される(ステップS886)。制御パラメータ決定部285において、追加の撮像が必要と判断された際には、ステップS881に戻って新規の撮像が行われる。フレームメモリ内の画像が有効な場合には次のステップに移る。以降の処理は、図12により説明した第1の実施の形態と同様である。
このように、本発明の第5の実施の形態によれば、フレームメモリを備え、複数の画像から合成入力画像を生成することにより、フラッシュ発光または非発光以外のシーンにも対応することができる。例えば、蛍光灯や水銀灯照明下においてCMOSセンサを用いて短時間露光で撮像された画像では、フリッカーの影響により、部分的に照明条件の異なる領域が出てしまうが、そのような画像についても対応することができる。
なお、この第5の実施の形態は、第4の実施の形態と組み合わせて利用することが有効である。
<6.第6の実施の形態>
[画像処理回路23の処理機能例]
図45は、本発明の第6の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。この画像処理回路23は、図2により説明した第1の実施の形態のものと比べて、ホワイトバランス処理を照明成分変換処理部120の前段で行う点で異なる。すなわち、ホワイトバランス処理部131および132において推定されたホワイトバランス値を算出し、それぞれ基準画像ホワイトバランス保持部181および処理対象画像ホワイトバランス保持部182に格納される。そして、この格納されたホワイトバランス値は照明成分変換処理部120に供給される。
この第6の実施の形態では、色変換ゲイン算出部311および312における処理は、次式のようになる。
Figure 0005589585
これにより、照明成分変換処理部120のゲインとホワイトバランス処理部131および132のゲインを同時に扱うことが可能になる。この場合、第1の実施の形態に対してゲインSがWB倍されているため、ゲイン上限値R保持部323またはゲイン上限値B保持部324、ゲイン下限値R保持部333またはゲイン下限値B保持部334に関してもWB倍した値を設定することになる。その結果、上限値、下限値は次式であらわされる値にすると有効である。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
また、黒つぶれ補償値R保持部343および黒つぶれ補償値B保持部344、飽和補償値R保持部353および飽和補償値B保持部354についても同様であり、黒つぶれ補償値はWB、飽和補償値はWBと設定すればよい。また、これら上限値、下限値、補償値の計算には基準画像ホワイトバランス保持部181および処理対象画像ホワイトバランス保持部182に格納された値が用いられる。
また、このとき、ホワイトバランス算出部230による処理は不要になる。これ以外のデモザイク処理部221および222やチャンネルゲイン適用部260における処理は、第1の実施の形態と同様である。
<7.第7の実施の形態>
[画像処理回路23の処理機能例]
図46は、本発明の第7の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。この画像処理回路23では、ゲイン算出だけでなく実際にホワイトバランス処理まで行ったモザイク画像を照明成分変換処理部の入力としている。ここでは、ホワイトバランス処理部131および132がホワイトバランスを算出し、それぞれ基準画像ホワイトバランス保持部181および処理対象画像ホワイトバランス保持部182に格納するとともに、ホワイトバランス処理済みの画像を照明成分変換処理部120に対する入力としている。
本発明の第1の実施の形態の入力Iに対して、この第7の実施の形態におけるホワイトバランス処理がされた入力は、次式のようになる。
Figure 0005589585
これにより、チャンネルゲイン算出部250内の色変換ゲイン算出部311および312において算出される比率およびゲインはそれぞれ以下のように表現される。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
ここで、比率KoはWB/WB倍されており、ゲインSはWB/WB倍されている。このことを考慮すると、ゲイン上限値R保持部323またはゲイン上限値B保持部324、ゲイン下限値R保持部333またはゲイン下限値B保持部334に関しても第1の実施の形態に対してWB/WB倍した値を設定することになる。その結果、上限値および下限値は以下のように設定することが有効である。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
また、黒つぶれ補償値R保持部343および黒つぶれ補償値B保持部344、飽和補償値R保持部353および飽和補償値B保持部354についても同様であり、黒つぶれ補償値は「1」、飽和補償値はWB/WBと設定すればよい。また、これら上限値、下限値、補償値の計算には、基準画像ホワイトバランス保持部181および処理対象画像ホワイトバランス保持部182に格納された値が用いられる。
また、これら上限値、下限値、補償値を求める別の形態として以下の手法が考えられる。すなわち、WBc/WBsの値を基準画像ホワイトバランス保持部181および処理対象画像ホワイトバランス保持部182に格納された値を使わず、ホワイトバランス処理がなされた基準画像、処理対象画像から直接求めてもよい。ホワイトバランス処理がなされた画像において露出補償処理がされた2枚の画像の比率Kの式は、数37に対して露出補償処理を行い数41のように書ける。ここで、フラッシュ光が届かない背景領域では比率K(p)は1であることから、そのような領域では数41の各チャンネルの値としてホワイトバランスの比率を求めることができる。したがって、KGに対して閾値を設け、KGが1に近い領域のKの各チャンネルの値の平均または中央値の逆数として、WBc/WBsを求めることができる。
Figure 0005589585
また、このとき、ホワイトバランス算出部230による処理は不要になる。デモザイク処理部221および222における処理は第1の実施の形態と同様である。また、チャンネルゲイン適用部260における処理は、第1の実施の形態に対して比率KoがWB/WB倍されていることに考慮した処理になる。
<8.第8の実施の形態>
本発明の第8の実施の形態では、RAWデータに対して何らかの変換処理が加えられた2枚の画像を想定する。例えば、図2の撮像装置の画像処理回路23におけるホワイトバランス処理部130乃至YC変換処理部170に相当する処理がなされた2枚の画像を想定する。画像フォーマットとしては、例えば、JPEG(Joint Photographic Experts Group)形式を想定する。また、入力画像は画素毎に3チャンネル揃っており、それぞれの画像に対して既にホワイトバランス処理がなされていることを想定する。すなわち、第7の実施の形態と同様に、第8の実施の形態ではホワイトバランス処理済みの画像を入力画像とすることができる。
第8の実施の形態と他の実施の形態の大きな違いは、既に画素毎に3チャンネル分のデータがそろっている点である。これにより、図5における基準画像に対するデモザイク処理部221、処理対象画像に対するデモザイク処理部222が不要となり素通しになる。また、ホワイトバランス算出部230の動作も異なる。ホワイトバランス算出部230においては、事前にホワイトバランス処理部130で求めたホワイトバランス値を保持しておき、基準画像に対するWBcの値として基準画像ホワイトバランス保持部に格納するものとする。WBsに関しても、事前にホワイトバランス処理部130で求めた値を保持しておいて使用するものとする。また、WBs設定の他の形態としては図1のフラッシュ発光部61に対する事前測定により求められたホワイトバランス値を用いてもよい。また、第7の実施例の数41のように露出補償後の2枚の画像の比率として基準画像と処理対象画像のホワイトバランスの比率を求めてもよい。また、別の違いとしては、入力画像に対して既に図2のガンマ補正処理部160に相当する非線形処理が加わっており、信号の強度比Kが正しく求まらない点である。そのため、第8の実施の形態では、逆ガンマ補正処理をした後に照明成分変換処理の入力とするか、ガンマ補正処理を前提とした処理の変更が望まれる。逆ガンマ補正処理後の画像を入力とした画像処理回路23の構成を説明するブロックダイアグラムが図47である。
[画像処理回路23の処理機能例]
図47は、本発明の第8の実施の形態における画像処理回路23の処理機能の一例を示す図である。この画像処理回路23は、逆ガンマ補正処理部133および134と、照明成分変換処理部120と、ガンマ補正処理部160と、YC変換処理部170と、基準画像ホワイトバランス保持部183と、処理対象画像ホワイトバランス保持部184とを備える。
この画像処理回路23の入力画像は、既にJPEG形式からデコードされ、画素毎にRGBの3チャンネル揃った画像である。逆ガンマ補正処理は、JPEG形式の画像を作成した時のガンマ補正処理の逆変換が望ましいが、正確な逆変換を知ることができない場合には、簡易的な逆ガンマ補正処理で構わない。ガンマ補正処理の簡易処理は、次式のようになる。
Figure 0005589585
したがって、上式の逆変換式である次式により表される補正処理を行えばよいことが分かる。
Figure 0005589585
ここで、Iwhite_levelは入力信号を0.0乃至1.0の値に正規化するための入力信号Iの上限値である。逆ガンマ補正後の画像に対する処理は本発明の第1の実施の形態に準じる。また、ゲイン算出部におけるゲイン上限値、ゲイン下限値、飽和補償値、黒つぶれ補償値の算出式は、第7の実施の形態の数39および数40に準じる。また、チャンネルゲイン適用部260における処理は、第7の実施例同様、第1の実施の形態に対して比率KoがWBs/WBc倍されていることに考慮した処理になる。
また、照明成分変換処理後は、再びガンマ補正する必要があるが、この変換はJPEG形式の画像を作成した時のガンマ補正処理とは独立に、逆ガンマ補正処理部133および134の逆変換とすることが望ましい。
次に、図47の機能例において逆ガンマ処補正処理部133、134およびガンマ補正処理部160を省略した場合の処理について説明する。一般に各チャンネルに対する色バランス調整処理は、センサおよびその表面に配されたカラーフィルタの分光特性、照明成分の色バランス、および、強度に対して線形な特性を持つRAWデータと呼ばれる画像で行うことが望ましい。このRAWデータに対して変換fを行った画像において照明成分変換処理することを考える。
上述のように色バランスの調整をRAWデータの段階で行うこととすると、ここで得ようとする出力は色変換処理を行った後に変換fを行った画像であるため、以下のように表すことができる。
f(FS(p)・I(p))
ここで、説明を簡単にするために、図6における上限値クリッピング部、下限値クリッピング部、黒つぶれ補償部、飽和補償部を省略し、ゲインS(p)=ゲインFS(p)とすると、以下のようになる。
f(S(p)・I(p))
一方、変換f後の画像を照明成分変換処理部120への入力として色変換ゲイン算出部311および312で得られるゲインをtS(p)とすると、ゲイン適用後の画像は以下のようになる。
tS(p)・f(I(p))
ここで求めるべきなのは、上2式の結果を一致させるtS(p)である。したがって、次式が得られる。
f(S(p)・I(p)=tS(p)・f(I(p))
tS(p)=(f(S(p)・I(p))/f(I(p))
ここで、変換fに対して、乗算および除算と変換fの演算順序が交換可能であると仮定する。すなわち、次式が成立するものとする。
f(I(p)・J(p))=f(I(p))・f(J(p))
f(1/I(p))=1/f(I(p))
この仮定を用いると、変換後の画像に対して数4と同様の処理を行うことで、次式のように対応する色変換ゲインtFS(p)が求まることがわかる。
Figure 0005589585
すなわち、RAWデータに対して上式の性質を有する変換fを施した画像に対しても、逆変換処理することなく本発明の実施の形態による色変換ゲイン算出法が有効であることが示された。
ガンマ補正処理は簡易的なガンマ補正処理を表す数41に示す指数関数による変換に近似することができる。また、この変換は、変換fに関する仮定を表す式を満たす。したがって、ガンマ処理後の画像は、近似的に逆変換することなく、本発明の実施の形態において示された照明成分変換処理を適用することが可能である。
また、このとき、チャンネルゲイン算出部250で用いられるゲイン上限値、ゲイン下限値、飽和補償値、黒つぶれ補償値は、逆ガンマ補正処理の第7の実施の形態の数39および数40で求められたそれぞれをγ乗した値を用いることが有効である。したがって、黒つぶれ補償値は1、飽和補償値は(WB/WBγと設定すればよく、ゲイン上限値およびゲイン下限値は次式により設定すればよい。
Figure 0005589585
Figure 0005589585
ガンマ処理されたままの画像を入力画像とした場合、ガンマ補正された状態での画像間の比率gamKoは、次式のようになる。
Figure 0005589585
したがって、撮像環境の違いによる露出補正後の比率KはgamKoを用いて次式のように表される。
Figure 0005589585
gamIに関するガンマ補正処理の簡易処理の数式(数41)をIについて解いて、各判定式に代入することにより、ガンマ補正後の画像を入力とした際の黒つぶれ、飽和、動被写体の判定を行うことが可能となる。また、ガンマ補正後の画像を入力とした際にはRGB値は「上に凸の非線形変換」がすでに適用されているため、その線形和などで表現される輝度Lについても非線形変換が施されていることになる。したがって、ガンマ補正後の画像を入力画像とした照明成分変換処理では、非線形変換部522(図26)における処理を省略することができる。最終的に照明成分変換処理部120の出力は、図2におけるガンマ補正処理部160の出力結果に相当する信号となる。
このように、本発明の第8の実施の形態によれば、ガンマ補正処理された画像を基準画像および処理対象画像とした場合であっても、色再現性の高い画像を生成することができる。
<9.第9の実施の形態>
上述の第3または第4の実施の形態ではエッジ保存平滑化の際に、RGB値から固定係数に従って輝度を算出してから非線形変換を行っているが、本発明の第9の実施の形態ではRGB値を非線形変換した後に重回帰分析を施すことによって算出することを想定する。
[平滑化処理部480の処理機能例]
図48は、本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。この平滑化処理部480の処理機能例は、図26に示した第3の実施の形態における輝度算出部521および非線形変換部522に代えて、非線形変換部611、621乃至623および輝度算出部630を備えている。
非線形変換部611は、Gチャンネルの強度比K(p)を非線形変換して、非線形強度比K (nl)(p)を出力するものである。非線形変換部621乃至623は、処理対象画像I(p)のRGB値R(p)、G(p)およびB(p)の各々を非線形変換して、非線形RGB値R (nl)(p)、G (nl)(p)およびB (nl)(p)を出力するものである。これら非線形変換部611、621乃至623は、非線形変換部522と同様に、例えば、γカーブ、1より小さい指数によるべき乗特性や対数変換などの「上に凸の単調増加特性」を適用することが有用である。ここで、非線形変換を行うのは、画素値の分布を変更して直線モデルに対する精度を向上させるためである。また、この非線形変換により強度比K(p)とゲインとの相関が高くなり、両者の関係がわかり易くなるという利点がある。なお、この実施の形態では、非線形変換部611の入力として強度比K(p)を用いているが、これに代えてK(p)、K(p)、1/K(p)、1/K(p)、1/K(p)を用いるようにしてもよい。また、色変換ゲインそのもの、すなわちFS(p)やFS(p)を用いるようにしてもよい。
輝度算出部630は、非線形変換部611、621乃至623の出力から、非線形変換された輝度値L(nl)(p)を算出するものである。第3の実施の形態における輝度算出部521は固定係数からRGB値の線形和を演算していたが、この輝度算出部630は画像に応じて求められた係数から輝度値を算出する。その一例として、輝度算出部630は、非線形変換部611、621乃至623の出力に対して重回帰分析を行い、得られた重回帰分析パラメータを係数として輝度値を算出する。なお、ここでは非線形変換された値から算出するため厳密な意味では輝度値と異なるが、第3の実施の形態と同様に最終的には非線形変換された輝度値L(nl)(p)を算出することを目的としているため、広義の輝度値として取り扱う。この輝度算出部630は、重回帰分析部631と、重回帰分析パラメータ保持部632と、重回帰予測値算出部633とを備える。
重回帰分析部631は、非線形変換部611、621乃至623の出力に対して重回帰分析を行うものである。この重回帰分析部631は、次式の値を最小とするような重回帰分析パラメータCC、CC、CC、CCOffsetを求める。ここで、CC、CC、CCは偏回帰係数であり、CCOffsetは切片である。
Σ(K (nl)(p)−(CC・R (nl)(p)+CC・G (nl)(p)+
CC・B (nl)(p)+CCOffset))2
すなわち、ここでは、R (nl)(p)、G (nl)(p)およびB (nl)(p)を説明変量とし、K (nl)(p)を目的変量とした重回帰分析が行われる。なお、この例では1画面全体に対して1組の重回帰分析パラメータを求めることを想定しているが、画面の一部である小領域毎に重回帰分析パラメータを求めるようにしてもよい。また、ここではRGB全てのチャンネルを用いて重回帰分析を行ったが、特定のチャンネルのみを用いて重回帰分析を行ってもよく、CCOffsetを0に固定して重回帰分析を行ってもよい。
重回帰分析パラメータ保持部632は、重回帰分析部631によって求められた重回帰分析パラメータCC、CC、CC、CCOffsetを保持するメモリである。この重回帰分析パラメータ保持部632に保持された重回帰分析パラメータは、重回帰予測値算出部633に供給される。
重回帰予測値算出部633は、重回帰分析パラメータ保持部632に保持された重回帰分析パラメータに従って、非線形変換された輝度値L(nl)(p)を重回帰予測値として算出するものである。この重回帰予測値算出部633は、次式により非線形変換された輝度値L(nl)(p)を算出する。
(nl)(p)=CC・R (nl)(p)+CC・G (nl)(p)+
CC・B (nl)(p)+CCOffset
このようにして求められた、非線形変換された輝度値L(nl)(p)は、処理対象画像の画素値のみから求まるために動被写体の影響を受け難いという特性を持つ。また、この非線形変換された輝度値L(nl)(p)は、第3の形態の場合と同様の性質を有するため、他の構成に関する説明は省略する。
[平滑化処理部480の他の処理機能例]
図49は、本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の他の処理機能例を示す図である。この平滑化処理部480の他の処理機能例は、図36に示した第4の実施の形態における輝度算出部523および非線形変換部524に代えて、非線形変換部612、621乃至623、641乃至643および輝度算出部630を備えている。上述の通り、第4の実施の形態は、第3の実施の形態において入力画像に対して解像度変換した上で比較する処理を備えたものであり、図48の例と図49の例においても同様の関係を有している。
非線形変換部612は、縮小画像のGチャンネルの強度比BK(p)を非線形変換して、非線形強度比BK (nl)(p)を出力するものである。非線形変換部621乃至623は、上述のように、処理対象画像I(p)のRGB値R(p)、G(p)およびB(p)の各々を非線形変換して、非線形RGB値R (nl)(p)、G (nl)(p)およびB (nl)(p)を出力するものである。非線形変換部641乃至643は、縮小画像のRGB値BR(p)、BG(p)およびBB(p)の各々を非線形変換して、非線形RGB値BR (nl)(p)、BG (nl)(p)およびBB (nl)(p)を出力するものである。これら非線形変換部612、621乃至623、641乃至643は、非線形変換部522と同様に、例えば、γカーブ、1より小さい指数によるべき乗特性や対数変換などの「上に凸の単調増加特性」を適用することが有用である。
輝度算出部630は、非線形変換部611、621乃至623、641乃至643の出力から、非線形変換された輝度値L(nl)(p)を算出するものである。この輝度算出部630は、縮小画像に応じて求められた係数から輝度値を算出する。この輝度算出部630は、重回帰分析部634と、重回帰分析パラメータ保持部635と、重回帰予測値算出部633および636とを備える。
重回帰分析部634は、非線形変換部612、641乃至643の出力に対して重回帰分析を行うものである。分析対象が縮小画像に基づくものである点を除き、図48の例により説明した重回帰分析部631と同様である。
重回帰分析パラメータ保持部635は、重回帰分析部634によって求められた重回帰分析パラメータCC、CC、CC、CCOffsetを保持するメモリである。この重回帰分析パラメータ保持部635に保持された重回帰分析パラメータは、重回帰予測値算出部633および636に供給される。
重回帰予測値算出部633は、重回帰分析パラメータ保持部635に保持された重回帰分析パラメータに従って、非線形変換された輝度値L(nl)(p)を重回帰予測値として算出するものである。また、重回帰予測値算出部636は、重回帰分析パラメータ保持部635に保持された重回帰分析パラメータに従って、縮小画像の非線形変換された輝度値BL(nl)(p)を重回帰予測値として算出するものである。重回帰予測値算出部633および636において、重回帰分析パラメータは同じものが利用される。
[動作例]
図50および51は、本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図48の処理機能例に対応する動作例を示す図である。なお、ここでは、図30と同じ処理については同じ参照符号を付している。
ここでは、まず、ステップS751乃至S753の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL719)。このループL719において、処理対象画像のRGB値およびGチャンネルの強度比が取得される(ステップS751)。これらRGB値および強度比は、非線形変換部611、621乃至623において非線形変換される(ステップS752)。非線形変換されたRGB値および強度比は、(図示しない)メモリに格納される(ステップS753)。
各画素に対して非線形変換処理が行われると、重回帰分析部631において、R (nl)(p)、G (nl)(p)およびB (nl)(p)を説明変量とし、K (nl)(p)を目的変量とした重回帰分析が行われる(ステップS754)。その結果、重回帰分析により得られた重回帰分析パラメータが重回帰分析パラメータ保持部632に保持される(ステップS755)。
重回帰分析によって重回帰分析パラメータが得られると、ステップS756乃至S967の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL720)。このループL720において、処理対象画像の非線形変換処理後のRGB値が取得される(ステップS756)。また、対応画素のゲインFS(p)、FS(p)および信頼度FT(p)が取得される(ステップS962)。さらに、重回帰分析パラメータ保持部632に保持された重回帰分析パラメータが取得される(ステップS757)。そして、重回帰予測値算出部633において、非線形変換された輝度値L(nl)(p)として重回帰予測値が算出される(ステップS758)。以降の処理については、図31において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
図52乃至54は、本発明の第9の実施の形態における平滑化処理部480の図49の処理機能例に対応する動作例を示す図である。この動作例は、図50および51により説明した図48の処理機能例に対応する動作例と基本的には同様である。ただし、ブロック積分値の算出のために用いられる画像は縮小画像となっている。すなわち、乗算部511および512に入力されるのは、縮小画像のゲインBFS(q)、BFS(q)および縮小画像に基づく信頼度BFT(q)である。また、非線形変換部612、641乃至643に入力されるのは、縮小画像の強度比BK(p)、縮小された処理対象画像BR(q)、BG(q)、BB(q)である。また、加重積和される処理対象画像のサイズはそのままである。
ここでは、まず、ステップS761乃至S763の処理が縮小画像の各画素を対象として繰り返される(ループL721)。ステップS761乃至S763の処理内容は、上述のステップS751乃至S753の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。また、これに続くステップS764およびS765の処理内容は、上述のステップS754およびS755の処理と同様であるため、これらについても説明は省略する。
重回帰分析によって重回帰分析パラメータが得られると、ステップS766乃至S866の処理が縮小画像の各画素を対象として繰り返される(ループL722)。なお、ここでは、図39と同じ処理については同じ参照符号を付している。このループL722におけるステップS766乃至S866の処理内容は、上述のステップS756乃至S966の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
一方、加重積和される画像は、縮小画像ではなく処理対象画像となる。したがって、ループL723では、各処理は処理対象画像の各画素を対象として繰り返される。このループL723において、処理対象画像のRGB値および重み自身のブロック積分値が取得され(ステップS871)、さらに、重回帰分析パラメータ保持部632に保持された重回帰分析パラメータが取得される(ステップS771)。RGB値は、非線形変換部621乃至623において非線形変換される(ステップS772)。そして、重回帰予測値算出部633において、非線形変換された輝度値L(nl)(p)として重回帰予測値が算出される(ステップS773)。以降の処理については、図40において説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
このように、本発明の第9の実施の形態によれば、ブロック積分値を利用したエッジ保存型平滑化を行う際に、画像に応じた輝度により輝度方向の平滑化を行うことができる。
<10.第10の実施の形態>
上述の第3または第4の実施の形態ではエッジ保存平滑化の際に、位置と輝度の周囲のヒストグラムから平滑化を行っているが、本発明の第10の実施の形態では粗いゲインそのものも加重積和に利用して平滑化を行うことを想定する。
[平滑化処理部480の処理機能例]
図55は、本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の処理機能例を示す図である。この平滑化処理部480の処理機能例は、図26に示した第3の実施の形態における加重積和部561および562に対して、さらにゲインFS(p)およびFS(p)を入力している。加重積和部561および562では、位置pのゲインFS(p)およびFS(p)と位置pおよび輝度値L(nl)(p)に対応する座標rの平均ゲインHSW(r)およびHSW(r)とを比較することにより、加重積和のための重みが計算される。
[加重積和部561および562の構成例]
図56は、本発明の第10の実施の形態における加重積和部561および562の構成例を示す図である。この加重積和部561および562の各々は、図28に示した第3の実施の形態における補間部563および564の前段に、除算部651と、比較部652と、乗算部653および654とを備えた構成を有する。
除算部651は、ブロック積分値保持部541および542に保持されたブロック積分値ISW(r)およびISW(r)をブロックヒストグラム保持部543に保持されたブロックヒストグラムIFT(r)によって座標r毎に除算するものである。これにより、座標rでの平均ホワイトバランスが算出される。なお、ブロック積分値およびブロックヒストグラムは、空間的な位置、輝度に対して離散化されている。座標rは空間的な位置i,jおよび輝度λの3次元座標(i,j,λ)を表すものとする。この除算部651により算出されるHSW(r)およびHSW(r)は、次式により得られる。
HSW(r)=ISW(r)/IFT(r)
HSW(r)=ISW(r)/IFT(r)
なお、除算部651は、特許請求の範囲に記載の第1の除算部の一例である。
比較部652は、処理対象画像の位置pにおけるゲインFS(p)およびFS(p)と位置pに対応するブロックの座標rの平均ゲインHSW(r)およびHSW(r)とを比較することにより、加重積和の重みθを計算する。この重みθは、図57のように△Max(r)の値に応じて1から0の範囲の値を示す。△Max(r)は次式のように、absRおよびabsBの何れか大きい方を意味する。なお、ABSは絶対値を示す関数である。
△Max(r)=max(absR,absB)
absR=ABS(FS(p)−HSW(r))/SWUNIT
absB=ABS(FS(p)−HSW(r))/SWUNIT
ここで、SWUNITおよびSWUNITは、次式により定義される。
SWUNIT=ABS(ゲイン上限値−ゲイン下限値
SWUNIT=ABS(ゲイン上限値−ゲイン下限値
ゲイン上限値およびゲイン下限値は、数5および数6に示したものと同様である。SWUNITにより平均ゲインの差を割ることにより、ゲインと平均ゲインの差が0.0から1.0の範囲に正規化されることになる。各画素のゲインは上限値および下限値によってクリップされているため、差の絶対値の範囲は0から「上限値−下限値」となる。また、この正規化により、RとBの差を比較して大きい方を△Max(r)とすることが可能となる。
なお、ここでは△Max(r)をabsRおよびabsBの何れか大きい方とし、RチャンネルおよびBチャンネル共通の重みとして重みθを求めたが、absRおよびabsBを個別に扱い、RチャンネルおよびBチャンネル独立の重みθおよびθを求めてもよい。この場合、ブロック領域の重み付きゲインSW(r)またはSW(r)もRチャンネルおよびBチャンネル毎に計算される。
また、この例では、重みθと△Max(r)との関係を図57のように想定したが、これに限定されるものではなく、△Max(r)の増加に対して重みθが単調減少する特性を有するものであればよい。
乗算部653は、ブロック積分値保持部541および542に保持されたブロック積分値ISW(r)およびISW(r)と比較部652によって算出された重みθとを座標r毎に乗算するものである。また、乗算部654は、ブロックヒストグラム保持部543に保持されたブロックヒストグラムIFT(r)と比較部652によって算出された重みθとを座標r毎に乗算するものである。乗算部653による乗算結果は補間部563に供給され、乗算部654による乗算結果は補間部564に供給される。なお、乗算部653は、特許請求の範囲に記載の第1の乗算部の一例である。また、乗算部654は、特許請求の範囲に記載の第2の乗算部の一例である。
補間部563および564以降の構成は図28と同様であるが、上述のように重みθが乗算されることにより、以下のように得られる値が異なる。まず、補間部563は、空間重み関数テーブル保持部565に保持された空間重み関数テーブルの値ω(r,p)によって、乗算部653からの入力を補間する。これにより、補間部563は以下の値を出力する。
Σω(i,j,p)・θ(△Max(i,j,λ))・ISW(i,j,λ)
Σω(i,j,p)・θ(△Max(i,j,λ))・ISW(i,j,λ)
ここでは、座標rを、空間的な位置i,jおよび輝度λの3次元座標(i,j,λ)に展開している。また、演算Σについては、ここでは空間的な位置i,jについて総和を行うものとする。
補間部564は、空間重み関数テーブル保持部565に保持された空間重み関数テーブルの値ω(r,p)によって、乗算部654からの入力を補間する。これにより、以下の値を出力する。
Σω(i,j,p)・θ(△Max(i,j,λ))・IFT(i,j,λ)
演算Σについては、ここでは空間的な位置i,jについて総和を行うものとする。
積和部566は、補間部563の出力に対して輝度加重値を積和した結果を算出する。輝度加重値は、輝度重み関数テーブル保持部568に格納されたテーブルの値ψ(λ,L(nl)(p))を用いて算出される。この積和部566は以下の値を出力する。
Σ(ψ(λ,L(nl)(p))・ω(i,j,p)・
θ(△Max(i,j,λ))・ISW(i,j,λ))
Σ(ψ(λ,L(nl)(p))・ω(i,j,p)・
θ(△Max(i,j,λ))・ISW(i,j,λ))
演算Σについては、ここでは空間的な位置i,jおよび輝度λについて総和を行うものとする。
積和部567は、補間部564の出力に対して輝度加重値を積和した結果を算出する。輝度加重値は、輝度重み関数テーブル保持部568に格納されたテーブルの値ψ(λ,L(nl)(p))を用いて算出される。この積和部567は以下の値を出力する。
Σ(ψ(λ,L(nl)(p))・ω(i,j,p)・
θ(△Max(i,j,λ))・IFT(i,j,λ))
演算Σについては、ここでは空間的な位置i,jおよび輝度λについて総和を行うものとする。
除算部569は、積和部566の出力を積和部567の出力により除算する。すなわち、この除算部569は以下の値を出力する。
Figure 0005589585
ここで、第3の実施の形態と比較すると、この第10の実施の形態において、数25に対応する式は以下のようになる。
Figure 0005589585
これを離散化して近似すると、数24に対応する以下の式になる。
Figure 0005589585
すなわち、周囲の画素の重み付き加算平均計算を行う際、第3の実施の形態では空間的な距離および輝度差に基づいて重みを計算していたのに対し、この第10の実施の形態ではさらに画素位置毎に求められたゲインの差を加えて重みを計算する。つまり、この第10の実施の形態では、空間的な距離、輝度差、および、画素位置毎に求められたゲインの差に基づいて重みを計算して、周囲の画素の重み付き加算平均を計算する。これにより、より適切な平滑化処理を実現することができる。
[平滑化処理部480の他の処理機能例]
図58は、本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の他の処理機能例を示す図である。この平滑化処理部480の他の処理機能例は、図36に示した第4の実施の形態においてさらに解像度変換部661および662を備えている。上述の通り、第4の実施の形態は、第3の実施の形態において入力画像に対して解像度変換した上で比較する処理を備えたものであり、図55の例と図58の例においても同様の関係を有している。
解像度変換部661は、縮小画像のゲインBFS(q)の解像度を拡大して、処理対象画像と同じ解像度のゲインITPBFS(p)に変換する。解像度変換部662は、縮小画像のゲインBFS(q)の解像度を拡大して、処理対象画像と同じ解像度のゲインITPBFS(p)に変換する。これらにおける解像度変換は、例えば単純な線形補間により実現することができる。これら縮小画像に基づくゲインITPBFS(p)およびITPBFS(p)は、精度は悪くなるが、ブロック積分値およびブロックヒストグラムに比べて高周波の成分を持ったゲインになる。これら縮小画像に基づくゲインITPBFS(p)およびITPBFS(p)は、それぞれ加重積和部561および562に供給される。
[加重積和部561および562の構成例]
図59は、本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の図58の処理機能例に対応する加重積和部561および562の構成例を示す図である。この加重積和部561および562の各々は、図56と同様に、補間部563および564の前段に、除算部671と、比較部672と、乗算部673および674とを備えた構成を有する。
この平滑化処理部480の構成例は、基本的には図56に示した構成例と同様である。相違するのは、図56では比較部652に入力されていたゲインFS(p)およびFS(p)に代えて、この例では縮小画像に基づくゲインITPBFS(p)およびITPBFS(p)が比較部672に入力される点である。これ以外の点は図56の例と同様であるため、ここでは説明を省略する。
[動作例]
図60は、本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の図55の処理機能例に対応する動作例を示す図である。なお、前半の処理は第3の実施の形態における図30と同様であるため、ここでは省略している。
ここでは、図30の処理に続いて、ステップS971乃至S976の処理が各画素を対象として繰り返される(ループL724)。ステップS971乃至S976の処理自体は、図31により説明したものと同様である。相違するのは、図31におけるチャンネル毎の繰り返しを省いている点である。これは、この第10の実施の形態においては、重み計算時にRチャンネルおよびBチャンネルの値を同時に扱っているためである。これ以外の点は図31により説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
図61および62は、本発明の第10の実施の形態における加重積和部561および562の動作例を示す図である。なお、ここでは、図33と同じ処理については同じ参照符号を付している。
まず、当該画素周囲4×4ブロックの重み付きゲイン積分値がブロック積分値保持部541および542から取得される(ステップS781)。また、当該画素周囲4×4ブロックの重み(信頼度)自身の積分値(ブロックヒストグラム)がブロックヒストグラム保持部543から取得される(ステップS782)。そして、除算部651において、重み付きゲイン積分値に対して重み(信頼度)自身の積分値による除算処理が行われ、当該画素周囲4×4ブロック毎の平均ゲインが算出される(ステップS783)。
続いて、当該画素のゲインFS(p)およびFS(p)が取得される(ステップS784)。そして、比較部652において、当該画素のゲインと当該画素周囲4×4ブロック毎の平均ゲインとの比較が行われ、ブロック毎にゲイン距離に基づいた重みが算出される(ステップS785)。また、乗算部653および654において、ゲイン距離に基づく重みが、対応するブロックの重み付きゲイン積分値および重み(信頼度)自身の積分値に乗じられる(ステップS786)。
そして、当該画素の輝度値が取得され(ステップS991)、当該画素位置の重み付きゲイン積分値に対してゲイン距離に応じた重みを乗じた周囲4×4ブロックの補間が補間部563において行われる(ステップS787)。また、当該画素位置の重み(信頼度)自身の積分値に対してゲイン距離に応じた重みを乗じた周囲4×4ブロックの補間が補間部564において行われる(ステップS788)。ステップS994以降の処理は図33と同様であるため、ここでの説明は省略する。
なお、この図61および62では図56の構成を前提に説明したが、図59の構成においても加重積和処理としては同様の処理が行われるため、ここでの説明は省略する。ただし、ステップS784で、当該画素のゲインFS(p)およびFS(p)に代えて、縮小画像に基づくゲインITPBFS(p)およびITPBFS(p)が取得されて、比較に用いられる。
図63は、本発明の第10の実施の形態における平滑化処理部480の動作例を示す図である。なお、前半の処理は第4の実施の形態における図39と同様であるため、ここでは省略している。また、ここでは、図40と同じ処理については同じ参照符号を付している。
ブロック積分値およびブロックヒストグラムが更新された後、ループL725においてステップS871乃至S878の処理が繰り返される。各処理の内容は図40と同様であるが、ステップS873とS874との間にステップS791の処理が挿入される点が異なっている。このステップS791では、当該画素位置のゲインが補間部563および564の補間処理により算出される。また、図40におけるチャンネル毎の繰り返しを省いている点も相違する。これは、この第10の実施の形態においては、重み計算時にRチャンネルおよびBチャンネルの値を同時に扱っているためである。これら以外の点は図40により説明したものと同様であるため、ここでの説明は省略する。
このように、本発明の第10の実施の形態によれば、平滑化の際の加重積和に際して、位置と輝度の周囲のヒストグラムのみならず粗いゲインそのものを利用することにより、色再現性のより高い画像を生成することができる。
なお、本発明の実施の形態は本発明を具現化するための一例を示したものであり、本発明の実施の形態において明示したように、本発明の実施の形態における事項と、特許請求の範囲における発明特定事項とはそれぞれ対応関係を有する。同様に、特許請求の範囲における発明特定事項と、これと同一名称を付した本発明の実施の形態における事項とはそれぞれ対応関係を有する。ただし、本発明は実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において実施の形態に種々の変形を施すことにより具現化することができる。
また、本発明の実施の形態において説明した処理手順は、これら一連の手順を有する方法として捉えてもよく、また、これら一連の手順をコンピュータに実行させるためのプログラム乃至そのプログラムを記憶する記録媒体として捉えてもよい。この記録媒体として、例えば、CD(Compact Disc)、MD(MiniDisc)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカード、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc(登録商標))等を用いることができる。
11 レンズ
12 絞り
13 撮像素子
21 サンプリング回路
22 A/D変換回路
23 画像処理回路
31 符号化/復号器
32 メモリ
41 表示ドライバ
42 表示部
51 タイミング生成器
52 操作入力受付部
53 ドライバ
54 制御部
59 バス
61 フラッシュ発光部
62 フラッシュ制御部
111 基準モザイク画像保持部
112 処理対象モザイク画像保持部
120 照明成分変換処理部
130、131 ホワイトバランス処理部
133 逆ガンマ補正処理部
140 デモザイク処理部
150 階調補正処理部
160 ガンマ補正処理部
170 YC変換処理部
181、183 基準画像ホワイトバランス保持部
182、184 処理対象画像ホワイトバランス保持部
191 Y画像保持部
192 C画像保持部
213 新規基準モザイク画像保持部
214 新規処理対象モザイク画像保持部
221、222 デモザイク処理部
230 ホワイトバランス算出部
240 基準画像ホワイトバランス保持部
250 チャンネルゲイン算出部
260 チャンネルゲイン適用部
261、262 乗算部
271 解像度変換部
280 フレーム加算部
281、282 加算部
283 基準モザイク画像保持部
284 処理対象モザイク画像保持部
285 制御パラメータ決定部
290 照明成分変換済モザイク画像保持部
311、312 色変換ゲイン算出部
321、322 上限値クリッピング部
323 ゲイン上限値R保持部
324 ゲイン上限値B保持部
331、332 下限値クリッピング部
333 ゲイン下限値R保持部
334 ゲイン下限値B保持部
341、342 黒つぶれ補償部
343 黒つぶれ補償値R保持部
344 黒つぶれ補償値B保持部
345 黒つぶれ度算出部
351、352 飽和補償部
353 飽和補償値R保持部
354 飽和補償値B保持部
355 飽和度算出部
421〜423 除算部
431〜433 露出補償部
440 飽和信頼度算出部
450 黒つぶれ信頼度算出部
460 動被写体信頼度算出部
461 比率逆転度算出部
462 比率予測部
463 分光反射率変化量予測部
464 環境光スペクトル色バランス値保持部
465 フラッシュ光スペクトル色バランス値保持部
466 最小値選択部
470 信頼度選択部
480 平滑化処理部
511 乗算部
521、523、630 輝度算出部
522、611、612、621乃至623、641乃至643 非線形変換部
531 ブロック積分値算出部
533 ブロックヒストグラム算出部
534 ブロック選択部
535 積分器
536 加算部
537 レジスタ
538 ブロック積分値保持部
541、542 ブロック積分値保持部
543 ブロックヒストグラム保持部
551 位相補償処理部
561、562 加重積和部
563、564 補間部
565 空間重み関数テーブル保持部
566、567 積和部
568 輝度重み関数テーブル保持部
569 除算部
571、572 ゲイン適用部
631、634 重回帰分析部
632、635 重回帰分析パラメータ保持部
633、636 重回帰予測値算出部
651、671 除算部
652、672 比較部
653、654、673、674 乗算部
661、662 解像度変換部

Claims (23)

  1. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出部と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用部と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出部と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出部は、
    前記処理対象画像の画素の信号強度の変化が基準画像および処理対象画像全体の照明成分の変化の方向と逆転しているか否かに応じて前記動被写体信頼度を算出する比率逆転度算出部を備える
    画像処理装置。
  2. 前記基準画像および前記処理対象画像の撮像条件の違いを補償するために露出強度が等しくなるよう強度調整する露出補償部をさらに具備する請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値から画素の飽和信頼度を算出する飽和信頼度算出部と、
    前記飽和信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、
    前記黒つぶれ信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値および前記基準画像と前記処理対象画像とのチャンネル間比率から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、
    前記黒つぶれ信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項1記載の画像処理装置。
  6. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出部と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用部と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出部と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出部は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の分光反射率の変化に応じて前記動被写体信頼度を算出する分光反射率変化量予測部を備える
    画像処理装置。
  7. 前記基準画像および前記処理対象画像の撮像条件の違いを補償するために露出強度が等しくなるよう強度調整する露出補償部をさらに具備する請求項記載の画像処理装置。
  8. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値から画素の飽和信頼度を算出する飽和信頼度算出部と、
    前記飽和信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項記載の画像処理装置。
  9. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、
    前記黒つぶれ信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項記載の画像処理装置。
  10. 前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記基準画像の画素値および前記基準画像と前記処理対象画像とのチャンネル間比率から画素の黒つぶれ信頼度を算出する黒つぶれ信頼度算出部と、
    前記黒つぶれ信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部と
    を備える請求項記載の画像処理装置。
  11. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出部と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用部と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用部は、
    前記処理対象画像の画素値から輝度を算出する輝度算出部と、
    画素間の輝度の差に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理部とを備え、
    前記輝度算出部は、前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の強度比を目的変量とし、前記処理対象画像の画素値を説明変量とした重回帰分析に基づいて前記輝度を算出する
    画像処理装置。
  12. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出部と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出部と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和部と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用部と
    を具備し、
    前記加重積和部は、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間部と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロック毎の特性値の補間を行う第2の補間部と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和部と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和部と、
    前記第2の積和部の出力を前記第1の積和部の出力によって除算する除算部と
    を備える
    画像処理装置。
  13. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出部と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出部と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和部と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用部と
    を具備し、
    前記加重積和部は、
    前記ブロック毎の特性値を前記ブロックヒストグラムの値で除算することによってブロック位置毎の平均特性値を計算する第1の除算部と、
    前記平均特性値と前記算出対象となる画素位置に関する特性値とを比較することによって重みを計算する比較部と、
    前記比較部において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロック毎の特性値に乗じる第1の乗算部と、
    前記比較部において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロックヒストグラムの値に乗じる第2の乗算部と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置へ前記第1の乗算部の出力である重み付きブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間部と、
    予め定義された予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への第2の乗算部の出力であるブロック毎の重み付き特性値の補間を行う第2の補間部と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和部と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和部と、
    前記第2の積和部の出力を前記第1の積和部の出力によって除算する第2の除算部とを備える
    画像処理装置。
  14. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出手順と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出手順は、
    前記処理対象画像の画素の信号強度の変化が基準画像および処理対象画像全体の照明成分の変化の方向と逆転しているか否かに応じて前記動被写体信頼度を算出する比率逆転度算出手順を備える
    画像処理方法。
  15. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出手順と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の分光反射率の変化に応じて前記動被写体信頼度を算出する分光反射率変化量予測手順を備える
    画像処理方法。
  16. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    を具備し、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記処理対象画像の画素値から輝度を算出する輝度算出手順と、
    画素間の輝度の差に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順とを備え、
    前記輝度算出手順は、前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の強度比を目的変量とし、前記処理対象画像の画素値を説明変量とした重回帰分析に基づいて前記輝度を算出する
    画像処理方法。
  17. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出手順と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出手順と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和手順と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用手順と
    を具備し、
    前記加重積和手順は、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間手順と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロック毎の特性値の補間を行う第2の補間手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和手順と、
    前記第2の積和手順の出力を前記第1の積和手順の出力によって除算する除算手順と
    を備える
    画像処理方法。
  18. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出手順と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出手順と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和手順と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用手順と
    を具備し、
    前記加重積和手順は、
    前記ブロック毎の特性値を前記ブロックヒストグラムの値で除算することによってブロック位置毎の平均特性値を計算する第1の除算手順と、
    前記平均特性値と前記算出対象となる画素位置に関する特性値とを比較することによって重みを計算する比較手順と、
    前記比較手順において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロック毎の特性値に乗じる第1の乗算手順と、
    前記比較手順において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロックヒストグラムの値に乗じる第2の乗算手順と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置へ前記第1の乗算手順の出力である重み付きブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間手順と、
    予め定義された予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への第2の乗算手順の出力であるブロック毎の重み付き特性値の補間を行う第2の補間手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和手順と、
    前記第2の積和手順の出力を前記第1の積和手順の出力によって除算する第2の除算手順とを備える
    画像処理方法。
  19. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出手順と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出手順は、
    前記処理対象画像の画素の信号強度の変化が基準画像および処理対象画像全体の照明成分の変化の方向と逆転しているか否かに応じて前記動被写体信頼度を算出する比率逆転度算出手順を備える
    プログラム。
  20. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素における特性値の変化から空間的に被写体が動いた画素か否かを判定して動被写体信頼度を算出する動被写体信頼度算出手順と、
    前記動被写体信頼度に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順と
    を備え、
    前記動被写体信頼度算出手順は、
    前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の分光反射率の変化に応じて前記動被写体信頼度を算出する分光反射率変化量予測手順を備える
    プログラム。
  21. 異なる照明環境下で撮像された基準画像および処理対象画像から、各画素位置におけるチャンネル毎に照明成分を変換するためのゲインを算出するチャンネルゲイン算出手順と、
    前記ゲインを前記処理対象画像に適用するためのチャンネルゲイン適用手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記チャンネルゲイン適用手順は、
    前記処理対象画像の画素値から輝度を算出する輝度算出手順と、
    画素間の輝度の差に基づいて前記ゲインを空間平滑化した上で前記処理対象画像に対して適用する平滑化処理手順とを備え、
    前記輝度算出手順は、前記基準画像と前記処理対象画像の対応画素の強度比を目的変量とし、前記処理対象画像の画素値を説明変量とした重回帰分析に基づいて前記輝度を算出する
    プログラム。
  22. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出手順と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出手順と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和手順と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記加重積和手順は、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間手順と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への前記ブロック毎の特性値の補間を行う第2の補間手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和手順と、
    前記第2の積和手順の出力を前記第1の積和手順の出力によって除算する除算手順と
    を備える
    プログラム。
  23. 空間軸方向および輝度軸方向に領域を複数に分割した各ブロックについて処理対象画像の画素の頻度値をブロックヒストグラムとして算出するブロックヒストグラム算出手順と、
    前記各ブロックに属する特性値の積分値を算出するブロック積分値算出手順と、
    ブロックヒストグラムとブロック積分値と算出対象となる画素位置の輝度値とから前記算出対象となる画素位置の大局ゲイン値を算出する加重積和手順と、
    前記処理対象画像に前記大局ゲイン値を適用するゲイン適用手順と
    をコンピュータに実行させるプログラムであって、
    前記加重積和手順は、
    前記ブロック毎の特性値を前記ブロックヒストグラムの値で除算することによってブロック位置毎の平均特性値を計算する第1の除算手順と、
    前記平均特性値と前記算出対象となる画素位置に関する特性値とを比較することによって重みを計算する比較手順と、
    前記比較手順において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロック毎の特性値に乗じる第1の乗算手順と、
    前記比較手順において算出された重みを対応するブロック位置の前記ブロックヒストグラムの値に乗じる第2の乗算手順と、
    予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置へ前記第1の乗算手順の出力である重み付きブロックヒストグラムの補間を行う第1の補間手順と、
    予め定義された予め定義された空間軸方向の重み関数によって前記算出対象となる画素位置への第2の乗算手順の出力であるブロック毎の重み付き特性値の補間を行う第2の補間手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間されたブロックヒストグラムの荷重和を算出する第1の積和手順と、
    予め定義された輝度軸方向の重み関数によって前記補間された特性値の荷重和を算出する第2の積和手順と、
    前記第2の積和手順の出力を前記第1の積和手順の出力によって除算する第2の除算手順とを備える
    プログラム。
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