JP7467247B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、撮像したオブジェクトの色を評価するための画像処理技術に関する。
照明条件の異なる撮像環境下で撮像された画像間で色の比較を行うために、照明の影響を排除して画像の比較を行いたい場合がある。このような照明の影響を排除する技術の1つが特許文献1に開示されている。特許文献1には、基準となる照明条件の撮像環境下で撮像して得られた基準画像のホワイトバランスを用いて、処理対象画像のホワイトバランスを変更し、基準画像と処理対象画像のホワイトバランスを一致させる技術が開示されている。この方法では、基準画像および処理対象画像のRGB値および基準画像の各画素のチャンネル毎のホワイトバランスゲインから、照明成分変換のための各画素のチャンネル毎のゲインを算出する。そして、各画素のチャンネル毎のゲインを処理対象画像に適用することにより、基準画像と処理対象画像のホワイトバランスを一致させている。
特開2011-35894号公報
しかしながら、特許文献1では、画像間のホワイトバランスを一致させることはできるが、グレイ近傍を含めて他の色のチャンネルゲインのバランスを一致させることはできない。そのため、照明条件の異なる撮像環境下で撮像して得られた画像間で、例えばホワイト以外の色同士を比較する場合、どちらの色も画像間でチャンネルゲインのバランスが一致しておらず、色の正確な比較が困難であるという課題がある。
そこで本発明は、照明条件の異なる撮像環境下で検査対象のオブジェクトを撮像して得られた画像間において、任意の色の適切な比較を行うことを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る画像処理装置は、異なる撮像環境下で対象のオブジェクトを撮像して得られた第1の撮像画像および第2の撮像画像を取得する画像取得手段と、前記オブジェクトに対応する画像領域内に設定された、比較の基準となる基準領域と当該比較の対象となる比較対象領域とを特定する領域情報を、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像のそれぞれについて取得する領域情報取得手段と、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域の色値を、前記第1の撮像画像内に設定された基準領域の色値と一致するように色変換するための色変換パラメータを生成する生成手段と、前記色変換パラメータに基づいて、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差を導出する導出手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、照明条件の異なる撮像環境下で検査対象のオブジェクトを撮像して得られた画像間における任意の色の適切な比較を行うことが可能になる。
画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図 画像処理装置の論理構成を示すブロック図 画像処理装置が実行する処理を示すフローチャート ユーザインタフェースの一例を表す図 領域情報の一例を表す図 UIの状態遷移を示す図 色変換生成部の論理構成を示す図 色変換生成処理を示すフローチャート 領域群分割処理を示すフローチャート 同一度導出処理を示すフローチャート 同一度データの一例を示す図 領域分割処理を示すフローチャート 色差導出処理を示すフローチャート 色差導出処理を示すフローチャート
以下、各実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態は本発明を必ずしも限定するものではない。また、本実施形態において説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。
[第1実施形態]
<画像処理装置のハードウェア構成>
図1は、本実施形態における画像処理装置1の構成例である。図1において、CPU101は、メインメモリ102をワークメモリとして、ハードディスクドライブ(HDD)103などの記憶装置や各種記録メディアに格納されたオペレーティングシステム(OS)や各種プログラムを実行する。そしてCPU101は、プログラムを実行することにより、システムバス106を介して各構成を制御する。なお、CPU101が実行するプログラムには、後述する処理フローを実行するプログラムが含まれる。汎用インタフェース(I/F)104は、例えばUSBなどシリアルバスインタフェースで、シリアルバス22を介して、マウスやキーボードなどの指示入力部107や画像形成部108などが接続される。CPU101は、HDD103にマウントされた各種記録メディアをデータの格納場所として読み書きに利用する。CPU101は、プログラムが提供するユーザインタフェース(UI)をモニタ105に表示し、指示入力部107を介してユーザ指示を含むユーザ入力を受信する表示制御を行う。
上記構成において、CPU101からの指令に基づき画像処理アプリケーションが、実行する処理について説明する。
<画像処理装置の論理構成>
図2は、本実施形態における画像処理装置1の論理構成を示すブロック図である。画像処理装置1は、画像取得部21、領域情報取得部22、色変換生成部23、色差導出部24を有する。
画像取得部21は、ユーザによって入力された照明条件の異なる撮像環境下で検査対象のオブジェクトを撮像して得られた2つの撮像画像を取得する。
領域情報取得部22は、各撮像画像内のオブジェクトに対応する画像領域内にユーザが設定した2種類の領域を特定する領域情報を取得する。ここで、2種類の領域とは、1つは領域同士を比較する際の基準となる領域(以下、「基準領域」と呼ぶ。)であり、もう1つは比較の対象となる領域(以下、「比較対象領域」と呼ぶ。)である。
色変換部23は、上記領域情報および2つの撮像画像に基づき、一方の撮像画像内に設定された基準領域の色値を他方の撮像画像内に設定された基準領域の色値と一致するように色変換するための色変換パラメータを生成する。
色差導出部24は、2つの撮像画像それぞれについて、上記基準領域と上記比較対象領域との色差を導出する。
<画像処理装置が実行する処理>
図3は、画像処理装置1にて実行される処理のフローチャートである。以下、図3を用いて本画像処理装置1における動作の詳細を説明する。なお、下記動作は、指示入力部107を操作してユーザが所定の指示を入力することで開始する。以下、各ステップ(工程)は符号の前にSをつけて表す。
S301において、画像取得部21は、検査対象のオブジェクトを撮像して得られた2つの撮像画像を取得する。
S302において、領域情報取得部22は、後述のUIを用いて領域対情報を1又は複数取得する。
S303において、色変換生成部23は、後述の方法により色変換パラメータを生成する。
S304において、色差導出部24は、後述の方法により色差導出を行う。
<S302におけるUI>
図4は、S302において表示されるUI画面を表す模式図である。以下図4を用いて説明する。
画像表示ウィンドウ401は、入力された撮像画像の1つである画像1を表示するウィンドウである。ユーザは、画像表示ウィンドウ401上で、基準領域402および比較対象領域403を指定することができる。画像表示ウィンドウ404は、入力された撮像画像の1つである画像2を表示するウィンドウであり、画像表示ウィンドウ401と比較可能に表示される。ユーザは、画像表示ウィンドウ404上で、基準領域405および比較対象領域406を指定することができる。なお、画像1における基準領域402と画像2における基準領域405とは、被写体の同じ部位を写す画像領域を含むように選択されることが望ましい。同様に画像1における比較対象領域403と画像2における比較対象領域406も、被写体の同じ部位を写す画像領域を含むように選択されることが望ましい。なお、基準領域402、405、比較対象領域403、406それぞれの領域情報は、例えば、画像内における領域の位置を特定する座標とすることができる。
色差表示グラフ407は、基準領域402、比較対象領域403、基準領域405、比較対象領域406の色情報を色空間座標としてプロットしてグラフ表示したものである。
領域情報リスト408は、画像表示ウィンドウ401内に指定された基準領域402と画像表示ウィンドウ404内に指定された基準領域405の領域情報の領域対情報をリスト表示する。ここで図5に、領域情報リストに含まれる領域対情報の例を示す。各領域対情報は、画像1および画像2における基準領域402、405、それら基準領域のRGB領域平均値RGBaveに関する情報を保持する。図5では、領域情報の一例として、基準領域402、405の各々について、その領域を規定する矩形の左上隅および右下隅の画像内の座標値を用いている。各RGB領域平均値は、後述する処理(S902)において導出した際に記録される。
画像1読み込みボタン409は、画像1を読み込むためのボタンである。画像2読み込みボタン410は、画像2を読み込むためのボタンである。領域情報追加ボタン411は、画像1および画像2における新たな基準領域の対に関する領域対情報を追加するためのボタンである。領域情報読込ボタン412は、予め用意された画像1および画像2における基準領域の対に関する領域情報が記録されたファイルなどを読み込むためのボタンである。実行ボタン413は、色差情報算出を実施するための実行ボタンである。終了ボタン414は、図3に示す一連の処理を終了するためのボタンである。
図6は、ユーザインタフェースの状態遷移を表す状態遷移図である。以下図6を用いて説明する。
ステート601では、画像処理装置1が指示入力部107を介してユーザ操作によるアプリケーション起動指示を検出すると図4に示すようなUIを表示し、ステート602へ移行する。
ステート602では、領域情報取得部22が指示入力部107を介してユーザ操作による画像1読み込みボタン409の押下を検出すると、ステート603へ移行する。そして領域情報取得部22は、ユーザ操作で指定された撮像画像を読み込み、読み込んだ撮像画像を画像表示ウィンドウ401に表示してステート602へ移行する。
ステート602において領域情報取得部22がユーザ操作による画像2読み込みボタン410の押下を検出すると、ステート604へ移行する。そして領域情報取得部22は、ユーザ操作で指定された撮像画像を読み込み、読み込んだ撮像画像を画像表示ウィンドウ404に表示してステート602へ移行する。
ステート602において領域情報取得部22がユーザ操作による領域情報リスト追加ボタン411の押下を検出すると、ステート605へ移行する。そして領域情報取得部22は、ウィンドウ401において指定された基準領域402およびウィンドウ404において指定された基準領域405の領域対情報を領域情報リストに追加してステート602へ移行する。
ステート602において領域情報取得部22がユーザ操作による領域情報リスト読込ボタン412の押下を検出すると、ステート607へ移行する。そして領域情報取得部22は、ユーザ操作で指定されたファイルに保持されている領域対情報を読み込み、読み込んだ領域対情報をリストに表示してステート602へ移行する。
ステート602において領域情報取得部22がユーザ操作による領域情報リスト408からの1つの領域対情報の選択を検出すると、ステート606へ移行する。そしてステート606では、色差導出部24が、色差導出を既に実行していればステート609へ移行し、色差導出をまだ実行していなければステート602へ移行する。
ステート602において領域情報取得部22がユーザ操作による実行ボタン413の押下を検出すると、ステート608へ移行する。そしてステート608では、色差導出部24が、ユーザ入力に従って色差導出を行い、ステート609へ移行する。
ステート609では、色差導出部24が色差導出結果を色差表示グラフ407としてモニタ105に表示してステート602へ移行する。
ステート602において画像処理装置1がユーザ操作による終了ボタン414の押下を検出すると、ステート610へ移行してアプリケーション終了に伴う処理を行う。
<S303における色変換パラメータ生成処理>
図7は、S303にて実行される色変換生成部23の詳細を示すブロック図である。色変換生成部23は、領域群分割部71、色変換パラメータ生成部72を有する。領域群分割部71は、色変換パラメータを生成するにあたり領域情報データを適切な領域群に分類する。色変換パラメータ生成部72は分類された基準領域の画素値に基づき色変換パラメータを生成する。
図8は、S303にて実行される色変換パラメータ生成処理の動作を説明するフローチャートである。以下、図8を用いて画像処理装置1における動作の詳細を説明する。
S801において、領域群分割部71は、後述の処理により導出される画像1に設定された基準領域同士の同一度と、画像2に設定された基準領域同士の同一度とに基づき、領域情報を領域群に分割する。
<S801における領域群分割処理の動作>
図9は、S801にて実行される領域群分割処理の動作を説明するフローチャートである。以下、図9を用いて領域群分割処理における動作の詳細を説明する。
S901において、領域群分割部71は、画像1および画像2、および画像1および画像2に設定された基準領域の領域対情報を1又は複数取得する。
S902において、領域群分割部71は、式2により各領域対情報で指定される撮像画像毎の基準領域および比較対象領域のRGB領域平均値RGBaveを算出する。このRGB領域平均値とは、領域内の全画素のRGB値のチャンネル毎の和をそれぞれ画素数で割った値であり、RGBave=(Rave,Gave,Bave)である。
Figure 0007467247000001
S903において、色変換パラメータ生成部72は、後述の処理にて領域情報リストにある異なる領域対情報で特定される画像1に設定された基準領域間の同一度を算出する。
S904において、色変換パラメータ生成部72は、後述の処理にて領域情報リストにある異なる領域対情報で特定される画像2に設定された基準領域間の同一度を算出する。
S905において、色変換パラメータ生成部72は、領域情報リストに含まれる領域対情報を、後述の処理にて同一度に基づき領域群に分割を行う。ここでは、同一の領域群に含まれる領域対情報で特定される画像毎の基準領域間の同一度が所定の閾値以下となるように、かつ、各領域群に含まれる領域対情報の数が所定の数以下となるように各領域群を形成する。
S906において、領域群分割部71は、全ての領域情報に対してS902~S905の処理を行ったかを判定し、全ての領域対情報に対して行っていなければS902へ進み、全ての領域対情報に対して行っていれば領域群分割処理を終了する。
<S903、904における同一度導出処理の動作>
図10は、S903、904にて実行される同一度導出処理の動作を説明するフローチャートである。以下図10を用いて同一度導出処理の詳細を説明する。
S1001において、領域群分割部71は、初期化動作として、領域情報リスト内の領域対情報で特定される基準領域を識別するための変数をi、j(i<j)とし、iを初期化(i=0)する。また、領域情報リストに含まれる領域対情報の総数をNとする。
S1002において、領域群分割部71は、画像の領域情報リストのi番目の領域対情報で特定される基準領域(以降、「i番目の基準領域」と呼ぶ。)のRGB領域平均値を取得する。
S1003において、領域群分割部71は、j=i+1と設定し、i番目の基準領域との同一度を算出する領域情報リスト上の他の領域対情報で特定される基準領域を、j番目の基準領域とし、そのRGB領域平均値RGBaveを取得する。
S1004において、領域群分割部71は、式3から同一度を算出する。ここでは同一度の一例としてRGB色空間における距離を用いる。なお、i番目の基準領域のRGB領域平均値をRGBave i=(Rave i,Gave i,Bave i)、j番目の基準領域のRGB領域平均値をRGBave j=(Rave j,Gave j,Bave j)、同一度をS(i,j)で表す。
Figure 0007467247000002
S1005において、領域群分割部71は、同一度S(i,j)と閾値Tsを比較し、閾値Ts以下であればS1006へ、閾値Tsより大きければS1007へ進む。なお、閾値Tsの最小値は0となるが、これに限定されない。
S1006において、領域群分割部71は、同一度S(i,j)=0としてS1008へ進む。
S1007において、領域群分割部71は、同一度S(i,j)=1としてS1008へ進む。ここで図11に、同一度S(i,j)を模式的に示す。
S1008において、領域群分割部71は、i<Nであるか否かを判定し、満たしていればiに1を加算してS1002へ戻り、満たしていなければ同一度導出処理を終了する。
<S905における領域分割処理の動作>
図12は、S905にて実行される処理のフローチャートである。以下図12を用いて領域分割処理における動作の詳細を説明する。
S1201において、領域群分割部71は、初期化動作として、領域情報リスト内の領域対情報で特定される基準領域を識別するための変数iおよび領域群を識別するための変数j、領域群の総数を表す変数Ngを初期化して、i=0、j=0、Ng=1とする。
S1202において、領域群分割部71は、領域群jに割り当てられた領域対情報の数が閾値Tg未満かを判定し、超えていなければS1203へ、そうでなければS1206へ進む。本実施形態では、閾値Tgは3とする。
S1203において、領域群分割部71は、i番目の領域対情報で特定される画像1の基準領域とj番目の領域群に含まれる領域対情報で特定される画像1の基準領域との同一度Sが0であるか1であるかを判定する。さらにi番目の領域対情報で特定される画像2の基準領域とj番目の領域群に含まれる領域対情報で特定される画像2の基準領域との同一度Sが0であるか1であるかを判定する。その結果、どちらもS=0であればS1204へ進み、それ以外であればS1206へ進む。
S1204において、領域群分割部71は、j番目の領域群にi番目の領域対情報を割り当てる。
S1205において、領域群分割部71は、領域情報リストに含まれる全ての領域対情報に対して領域分割処理を行った(i=N-1)か否かを判定し、行っていなければS1202へ、そうでなければjを初期化(j=0)してS1208へ進む。
S1206において、領域群分割部71は、j=NgであればNgに1を加えてS1207へ、そうでなければjに1を加えてS1202へ進む。
S1207において、領域群分割部71は、Ng番目の領域群を新設してi番目の領域対情報を割り当てる。
S1208において、領域群分割部71は、全ての領域群に規定の閾値Tgの領域対情報が割り当てられたかを判定し、割り当てられていなければS1209へ、そうでなければ終了に伴う処理を行う。
S1209において、領域群分割部71は、含まれる基準領域対情報の数が閾値Tg未満である領域群に対してダミー領域情報を割り当てる。なお、ダミー領域情報の一例として、図11の同一度判定結果を基に同一度S=1となる領域情報を2つ選定し、画像1のRGB領域平均値RGBave1および画像2のRGB領域平均値RGBave2とする。なお、ここでダミー領域情報を追加した例を説明したように、領域対情報が少なくとも1つ以上であれば本実施形態において色変換パラメータを生成することが可能である。
ここで図8に戻る。
S802において、色変換パラメータ生成部72は、各領域群に含まれる画像1の基準領域の色値と画像2の基準領域の色値との間の色変換パラメータを生成する。ここでは、色変換パラメータの一例として変換行列を生成する場合について説明する。なお、各領域群の3つの領域情報に含まれる画像1の基準領域のRGB領域平均値をそれぞれRGBave1_1、RGBave1_2、RGBave1_3とする。また各領域群の3つの領域情報に含まれる画像2の基準領域のRGB領域平均値をそれぞれRGBave2_1、RGBave2_2、RGBave2_3とする。また各領域群の画像1の基準領域のRGB領域平均値と画像2の基準領域のRGB領域平均値との間の変換行列をM(m11~m33)とする。このとき、各画像のRGB領域平均値と変換行列Mは式1のようになる。M(m11~m33)は連立方程式の解として得られる。
Figure 0007467247000003
ここで変換行列Mは、画像1と画像2が同じ撮像画像である場合、単位行列となる。
なお、色変換パラメータは、各領域群の3つの領域対情報に含まれる画像2の基準領域のRGB領域平均値が画像1の基準領域のRGB領域平均値に写像されればよい。そのため色変換パラメータは、近似ではなく全単射の写像を実現できるものであれば、チャンネル毎のゲインやγ値等の補正係数としてもよい。
S803において、全ての領域群に対して色変換パラメータを生成したかを判定し、変換していなければS802へ、そうでなければ終了に伴う処理を行う。
<S304における色差導出処理の動作>
図13は、S304にて実行される色差導出処理のフローチャートである。以下、図13を用いて色差導出処理における動作の詳細を説明する。
S1301において、色差導出部24は、画像1および画像2、それら画像1および画像2に設定された基準領域と比較対象領域の領域情報、S303で生成した画像1および画像2に設定された基準領域のRGB領域平均値および色変換パラメータを取得する。画像1および画像2に設定された比較対象領域の領域情報は、画像表示ウィンドウ401、404上でユーザが比較対象領域を指定するユーザ入力から取得される。画像1および画像2に設定された比較対象領域のRGB領域平均値は、画像1および画像2と比較対象領域対の領域情報とに基づき、基準領域のRGB領域平均値と同様に式(2)により算出する。
S1302において、色差導出部24は、画像2の基準領域のRGB領域平均値および比較対象領域のRGB領域平均値を、その基準領域を含む領域対情報に対応した色変換パラメータを用いて色変換して、それぞれ色変換後のRGB領域平均値を導出する。
S1303において、色差導出部24は、画像1の基準領域および比較対象領域のRGB領域平均値と、画像2の色変換後の基準領域および比較対象領域のRGB’領域平均値とに対し、それぞれ式4にて変換行列Oを用いてXYZ算出を行う。
Figure 0007467247000004
S1304において、色差導出部24は、式5により画素のXYZ値より、明度軸と色度平面からなる3次元色空間上のL***値を算出する
Figure 0007467247000005
S1305において、色差導出部24は、式6により画像1および画像2についてそれぞれ色差ΔE*を算出する。ここで色差ΔE*1を、画像1の基準領域のL***値L***1と比較対象領域のL***値L***2との色差とする。また色差ΔE*2を、画像2の色変換後の基準領域のL***値L***3と比較対象領域のL***値L***4の色差とする。なお、これらL***値は図4に示す色差表示グラフ407にプロットされる。
本実施形態では色差の一例としてとしてCIE1976の色差を用いるが、他の色差評価指標でもいいことは言うまでもない。例えば色差評価値として、ΔE*1とΔE*2の差分を用いてもいいことは言うまでもない。
S1306において、色差導出部24は、領域情報リスト内の全領域対情報に対して色差導出処理を行った(i=N-1)か否かを判定し、全領域対情報に対して色差導出処理を行っていればS1302へ戻り、そうでなければ色差導出処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、照明条件の異なる撮像環境下で撮像して得られた2つの画像とそれら撮像画像の各々の基準領域の色情報から、一方の画像の基準領域の色値を他方の画像の基準領域の色値に色変換する色変換パラメータを作成する。さらにその色変換パラメータを用いて一方の画像の基準領域および比較対象領域の色値を色変換することで、一方の画像における基準領域と比較対象領域との色差と、他方の画像にける基準領域と比較対象領域との色差とを適切に比較することが可能になる。
[第2実施形態]
第1実施形態では、領域情報から色変換を行い、色差を評価する方法を説明した。これら領域情報は明るさが異なる場合でも画像間のRGB値を同じくする方法をとっていたが、照明条件が大きく異なる場合にはRGBがかけ離れた組み合わせになることがある。その際、元の色値と色変換後の色値に大きな違いがあると変換誤差も大きくなる。そこで、本実施形態では明度が色変換前後で大きく異なる場合には、色差を算出する評価値として明度を除外して色度のみを用いる方法について説明する。なお、本実施形態では第1実施形態と異なる部分のみ説明する。
<S304における色差導出処理の動作>
図14はS304にて実行される処理のフローチャートである。以下図14を用いて色差導出処理における動作の詳細を説明する。
S1401において、色差導出部24は、画像1および画像2、それら画像1および画像2に設定された基準領域と比較対象領域の領域情報、S303で生成した画像1および画像2に設定された基準領域のRGB領域平均値および色変換パラメータを取得する。画像1および画像2に設定された比較対象領域の領域情報は、画像表示ウィンドウ401、404上でユーザが比較対象領域を指定するユーザ入力から取得される。画像1および画像2に設定された比較対象領域のRGB領域平均値は、画像1および画像2と比較対象領域対の領域情報とに基づき、基準領域のRGB領域平均値と同様に式(2)により算出する。
S1402において、色差導出部24は、画像2の基準領域のRGB領域平均値および比較対象領域のRGB領域平均値を、その基準領域を含む領域対情報に対応した色変換パラメータを用いて色変換して、それぞれ色変換後のRGB領域平均値を導出する。
S1403において、色差導出部24は、画像1、2の基準領域および比較対象領域のRGB領域平均値と、画像2の色変換後の基準領域 および比較対象領域のRGB’領域平均値とに対し、式4にてXYZ算出を行う。
S1404において、色差導出部24は、式5により画素のXYZ値より、明度軸と色度平面からなる3次元色空間上のL***値を算出する。
S1405において、色差導出部24は、式7により画像2の色変換前後のRGB領域平均値から算出した明度値L*の差が閾値Tbより大きいかを判定し、閾値Tb以下であればS1406へ、そうでなければS1407へ進む。ここで、画像1の基準領域のL***値をL***1、比較対象領域のL***値をL***2とする。また、画像2の色変換後の基準領域のL***値をL***3、色変換後の比較対象領域のL***値をL***4とする。また、画像2の色変換前の基準領域のL***値をL***5、色変換前の比較対象領域のL***値をL***6、とする。
|L*3-L*5|>Tb・・・式(7)
S1406において、色差導出部24は、式6により、色差ΔE*を算出する。
S1407において、色差導出部24は、式8により、色度平面上の色差Δa**を算出する。
S1408において、色差導出部24は、領域情報リスト内の全領域対情報に対して色差導出処理を行った(i=N-1)か否かを判定し、全領域対情報に対して色差導出処理を行っていればS1402へ戻り、そうでなければ色差導出処理を終了する。
以上のように、本実施形態では、第1実施形態と同様に、照明条件の異なる撮像環境下で撮像して得られた2つの撮像画像とそれら撮像画像の各々の基準領域の色情報から色変換パラメータを作成する。さらにその色変換パラメータを用いて一方の画像の基準領域および比較対象領域の色値を色変換する。ここで撮像環境の異なる画像間で明度が大きく異なることで色変換前後の明度値L*が大きく異なる場合には、明度の影響を除外した色度平面上での色差を算出する。これらにより、一方の画像における基準領域と比較対象領域との色差と、他方の画像における基準領域と比較対象領域との色差と色差を適切に比較することが可能になる。
[その他の実施形態]
上述した実施形態では、選択領域の矩形の平均を求める際の色情報として、L***を用いたが、XYZあるいはRGBで平均を求めてL***に変換しても良い。
また、第1および第2実施形態では、複数の領域情報を用いた例について説明したが、少なくとも1つ以上の領域情報があれば実施できることは言うまでもない。
第1実施形態では、図4に示す色差表示グラフ407として、算出したL***値に基づいて色空間内にプロットした色情報を表示する例について説明した。もちろん、グラフだけでなく色差の数値情報や画像間の色差の差分の数値情報を合わせて表記することや、それら数値情報だけを表示してもよいことは言うまでもない。
上述した実施形態では、色差導出に当たり色差評価領域に対して色変換を行ったが、画像全体に色変換を実施して画像を合わせて出力するように構成してもよい。また、複数の色変換が生成される場合は複数の画像を生成し、表示部において指定する色差評価領域が分類された領域群に対応した変換画像に切り替えて表示してもいい。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
なお、上述した各処理部のうち、色変換パラメータ生成部23、色差導出部24等については、その代わりとして、機械学習された学習済みモデルを代わりに用いて処理しても良い。その場合には、例えば、その処理部への入力データと出力データとの組合せを学習データとして複数個準備し、それらから機械学習によって知識を獲得し、獲得した知識に基づいて入力データに対する出力データを結果として出力する学習済みモデルを生成する。学習済みモデルは、例えばニューラルネットワークモデルで構成可能である。そして、その学習済みモデルは、前記処理部と同等の処理をするためのプログラムとして、CPUあるいはGPUなどと協働で動作することにより、前記処理部の処理を行う。なお、上記学習済みモデルは、必要に応じて一定の処理後に更新しても良い。
21 画像取得部
22 領域情報取得部
23 色変換パラメータ生成部
24 色差導出部

Claims (18)

  1. 異なる撮像環境下で対象のオブジェクトを撮像して得られた第1の撮像画像および第2の撮像画像を取得する画像取得手段と、
    前記オブジェクトに対応する画像領域内に設定された、比較の基準となる基準領域と当該比較の対象となる比較対象領域とを特定する領域情報を、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像のそれぞれについて取得する領域情報取得手段と、
    前記第2の撮像画像内に設定された基準領域の色値を、前記第1の撮像画像内に設定された基準領域の色値と一致するように色変換するための色変換パラメータを生成する生成手段と、
    前記色変換パラメータに基づいて、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差を導出する導出手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記導出手段は、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域の色値および比較対象領域の色値を、前記色変換パラメータを用いて色変換し、当該色変換後の基準領域の色値および比較対象領域の色値に基づき、前記色の差を導出することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記導出手段は、前記第1の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差を導出することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記第1の撮像画像内に設定された基準領域には、対をなす前記第2の撮像画像内に設定された基準領域が設定され、
    前記第1の撮像画像内に設定された比較対象領域には、対をなす前記第2の撮像画像内に設定された比較対象領域が設定され、
    前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像内に設定された対をなす基準領域と対をなす比較対象領域とは、それぞれ前記オブジェクトの同一の部位が写る画像領域を含む、ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  5. 前記領域情報取得手段は、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像内に設定された対をなす基準領域を特定する領域情報を含む領域対情報を複数取得する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記生成手段は、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像内に設定された複数の領域対情報を、所定の数の領域対情報からなる領域群に分割する分割手段を含み、
    前記分割手段は、前記領域群それぞれに含まれる前記所定の数の領域対情報において特定される前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像内に設定された基準領域について、前記第2の撮像画像に設定された基準領域の色値から前記第1の撮像画像に設定された基準領域の色値への前記色変換パラメータを用いた写像が全単射となるように、前記複数の領域対情報を分割する
    ことを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記分割手段は、前記複数の領域対情報の間において、前記第1の撮像画像に設定された基準領域の同一度、および前記第2の撮像画像に設定された基準領域の同一度をそれぞれ導出する同一度導出手段
    を含み、
    前記分割手段は、同じ前記領域群に含まれる前記所定の数の領域対情報の間において、前記第1の撮像画像に設定された基準領域の同一度および前記第2の撮像画像に設定された基準領域の同一度が、それぞれ所定の閾値以下となるように前記複数の対をなす基準領域を分割する
    ことを特徴とする請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記同一度は、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像に設定された複数の基準領域のうち、前記同一度を測る2つの基準領域の色の3次元色空間上の距離に基づく値である
    ことを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記色の差は、3次元色空間上の距離である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  10. 前記3次元色空間は、明度軸と色度平面からなる3次元色空間であり、
    前記色の差は、前記色度平面上の距離である、
    ことを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記色の差を表示装置に表示する表示制御手段
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  12. 前記表示制御手段は、前記第1の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差と、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差との差分を前記表示装置に表示する
    ことを特徴とする請求項11に記載の画像処理装置。
  13. 前記表示制御手段は、前記第1の撮像画像の基準領域および比較対象領域、ならびに前記第2の撮像画像の基準領域および比較対象領域の色値を前記表示装置に比較可能に表示する
    ことを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の画像処理装置。
  14. 前記表示制御手段は、前記第1の撮像画像の基準領域および比較対象領域、ならびに前記第2の撮像画像の基準領域および比較対象領域の色値をグラフ表示する
    ことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  15. 前記表示制御手段は、ユーザから前記領域情報の入力を受け付けるためのユーザインタフェースを前記表示装置に表示させる、
    ことを特徴とする請求項11乃至請求項14のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  16. 前記第1の撮像画像における基準領域および比較対象領域、ならびに前記第2の撮像画像における基準領域および比較対象領域のそれぞれの色値は、領域内の色値の平均値である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. コンピュータを請求項1乃至請求項16のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  18. 異なる撮像環境下で対象のオブジェクトを撮像して得られた第1の撮像画像および第2の撮像画像を取得する画像取得ステップと、
    前記オブジェクトに対応する画像領域内に設定された、比較の基準となる基準領域と当該比較の対象となる比較対象領域とを特定する領域情報を、前記第1の撮像画像および前記第2の撮像画像のそれぞれについて取得する領域情報取得ステップと、
    前記第2の撮像画像内に設定された基準領域の色値を、前記第1の撮像画像内に設定された基準領域の色値と一致するように色変換するための色変換パラメータを生成する生成ステップと、
    前記色変換パラメータに基づいて、前記第2の撮像画像内に設定された基準領域と比較対象領域との色の差を導出する導出ステップと、
    を含むことを特徴とする画像処理方法。
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